説明

案内滑車

【課題】案内滑車により引き回される索の、所定位置が案内滑車に引き寄せられ接近すると、案内滑車から索が自動的に外れる、案内滑車を提供する。
【解決手段】滑車本体4と、滑車本体を一対の支持軸6a、6bにより支持する滑車支持体4c、4dと、索Wに取り付けた当接部材10と、索の引き寄せに応じ当接部材と当接し移動し一対の支持軸の一方を滑車軸支持体から抜き出す支持軸解除体を備え、索の所定位置を規定する当接部材が案内滑車2に引き寄せられ支持軸解除体12に当接すると、一方の支持軸が滑車軸支持体から抜き出され他方の支持軸により滑車本体が滑車支持体に対し揺動自在になり、案内滑車から索が自動的に外される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はワイヤのような索の運行を案内する案内滑車、さらに詳しくは索の掛け外しが容易な案内滑車に関する。
【背景技術】
【0002】
林業における典型的な集材作業においては、集材する木材に鋼索であるワイヤを掛け、集材作業車あるいは集材機のウインチによってワイヤを巻き取り、集材場所に木材を引き寄せることにより遂行される。木材を引き寄せるワイヤは、集材の距離、地形の凹凸、障害物の有無などに応じて、円滑に運行されるように、適宜に配設した案内滑車により、方向が変えられ引き回される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ワイヤの運行形態の典型例を示した図8および案内滑車を示した図9を参照してさらに説明する。図8においては案内滑車Gが2個、位置Xおよび位置Yに、立ち木T、Tそれぞれに取り付けられ配設されている。
【0004】
集材する木材Mに縛り掛けられたワイヤは、ウインチから位置Y、位置Xの案内滑車Gを通して延びたワイヤWの先端のフックFに掛けられ、ワイヤWをウインチによって巻き取ることにより、木材Mは先ず位置Xの案内滑車Gに向けて引き寄せられる。
【0005】
図9に示す典型的な案内滑車30は、回転滑車30aが、滑車軸30bを介して一対の側板30c、30cの間に回転自在に取り付けられ、側板30c、30cには回転滑車30aを跨いでU字フック30dの端がそれぞれに着脱自在な連結ピン30e、30eによって取り付けられている。このU字フック30dが前記立木Tにワイヤによって取り付けられる。U字フック30dはまたワイヤWが案内滑車30から離脱するのを防止している。
【特許文献1】特開2004−99225号公報(第7図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したとおりの形態の従来の案内滑車には次のとおりの解決すべき問題がある。
【0007】
すなわち、ウインチによりワイヤWを巻き上げワイヤWの掛けられた木材Mを集材場所に引き寄せる場合、作業者は、木材Mが最初の案内滑車30の位置Xに到達するとウインチによるワイヤWの巻き上げを停止し、案内滑車30からワイヤWを外し、フックFおよび木材Mが位置Xを通過できるようにする。
【0008】
案内滑車30からワイヤWを外すには、作業者が案内滑車30の設置場所に行き、案内滑車30のU字フック30dを、連結ピン30eを抜いて側板30cから分離させることにより行なう。次の位置Yの案内滑車30においても同様の作業が行なわれる。
【0009】
この案内滑車30からワイヤWを外す作業は、ウインチによるワイヤWの巻き上げを止め木材Mの引き寄せを一次中断させるので、また作業者にとっては山中などの足場の悪い所での作業になるので、さらに木材Mが斜面、坂道などにある場合にはワイヤWにより案内滑車30に引っ張る力が働くので、そしてワイヤWは重いので、案内滑車30からのワイヤWの取り外しには多くの時間がかかり、また作業者には十分な安全確保が要求され、集材作業を行なう上での大きな障害になっている。
【0010】
本発明は上記事実に鑑みてなされたもので、その技術的課題は、案内滑車により引き回される索の、所定位置が案内滑車に引き寄せられ接近すると、案内滑車から索が自動的に外れる、案内滑車を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば上記技術的課題を解決する索の運行を案内する案内滑車として、回転滑車を支持する滑車軸の両端部それぞれに滑車軸支持体を取り付けた滑車本体と、この滑車本体を、平行に延びる一対の支持軸それぞれを滑車軸支持体各々とともに挿脱自在に挿通し支持する滑車支持体と、滑車本体に向けて引き寄せる側の索に取り付けた当接部材と、滑車支持体の索運行方向の両側に設けた、接近する当接部材と当接し、索の引き寄せに応じて当接部材と移動し、この移動により滑車軸支持体に挿通された一対の支持軸の一方を滑車軸支持体から抜き出し挿通を解除する支持軸解除体とを備え、一方の支持軸を滑車軸支持体から抜き出し滑車本体を他方の支持軸により滑車支持体に対し揺動自在とすることにより、回転滑車から索を離脱させる、ことを特徴とする案内滑車が提供される。
【0012】
好適には、支持軸解除体が、滑車支持体に、一対の支持軸と平行に支持軸に対し回転滑車の半径方向外方に位置し摺動自在に貫通させ配設した一対の摺動軸を備え、一対の摺動軸の一方が、滑車支持体の索運行方向の一側に所定の長さ突出し先端部に当接部材と当接する被当接部材を備え、他端が一対の支持軸の一方の軸端に一体的に連結し、一対の摺動軸の他方が、滑車支持体の索運行方向の他側に所定の長さ突出し先端部に当接部材と当接する被当接部材を備え、他端が一対の支持軸の他方の軸端に一体的に連結している。そして摺動軸と支持軸とは連結部材により一体的に連結され、連結部材が滑車支持体と当接することにより摺動軸の突出長さが規定される。
【0013】
また、摺動軸を、被当接部材を備えた端側に向け滑車支持体の側から弾性的に付勢する付勢手段を備え、付勢手段は、摺動軸に被嵌された圧縮コイルばねを備えている。
【0014】
さらに、被当接部材は、索を跨ぐU字断面溝を備えている。当接部材は、索の端に取り付けられたフックに一体的に形成されている。
【発明の効果】
【0015】
本発明に従って構成された案内滑車によれば、滑車本体と、滑車本体を一対の支持軸により支持する滑車支持体と、索に取り付けた当接部材と、索の引き寄せに応じ当接部材と当接し移動し一対の支持軸の一方を滑車軸支持体から抜き出す支持軸解除体を備えている。したがって、索の所定位置を規定する当接部材が案内滑車に引き寄せられ当接すると、一方の支持軸が滑車軸支持体から抜き出され他方の支持軸により滑車本体が滑車支持体に対し揺動自在になり、案内滑車から索が自動的に外される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に従って構成された案内滑車について、好適実施形態を図示している添付図面を参照して、さらに詳細に説明する。
【0017】
全体を番号2で示す案内滑車の側面図である図1および正面図である図2を参照して説明する。案内滑車2は、索としての鋼索であるワイヤWが掛けられる滑車本体4と、滑車本体4を一対の支持軸6a、6bにより支持する滑車支持体8と、矢印Zで示すワイヤ運行方向において滑車本体4に向けて引き寄せる側のワイヤWに取り付けられた当接部材10と、接近する当接部材10と当接し、ワイヤWの引き寄せに応じて当接部材10とともに移動し、この移動により滑車軸支持体4に挿通された一対の支持軸6a、6bの一方の支持軸6aを滑車軸支持体8から抜き出し挿通を解除する支持軸解除体12を備えている。
【0018】
支持軸解除体12は、ワイヤ運行方Zにおいて滑車支持体8の両側に設置され、ワイヤWの運行方向が逆の場合においても機能するよう構成されている。逆の場合には、逆がわのワイヤWに当接部材10が取り付けられ、支持軸6a、6bの他方の支持軸6bを滑車軸支持体8から抜き出し挿通を解除する。
【0019】
図1および図2とともに後で述べる案内滑車2の作動説明図である図7を参照して説明する。滑車本体4は、回転滑車4aと、回転滑車4aをころがり軸受を介し支持する滑車軸4bと、滑車軸4bの両端部に取り付けられた滑車軸支持体4c、4dを備えている。
【0020】
滑車軸4bは、一端にフランジを設けたボルト状に形成され、滑車支持体4c、回転滑車4a、滑車支持体4dを挿通して、先端に取り付けたナット4eによりこれらを取り付けている。
【0021】
滑車支持体4c、4dは実質的に同じものである。滑車支持体4c(4d)は、滑車軸4bが挿通される矩形状の支持板4fと、支持板4fの滑車軸4bの設置位置から半径方向外方の位置に一体的に取り付けられた直方体状の支持ブロック4gを備えている。支持ブロック4gには、ワイヤ運行方向Zに延び支持軸6a(6b)が挿通される貫通孔7a(7b)が形成されている。
【0022】
滑車支持体8は、回転滑車4aの周縁の一部を跨ぐ溝部8a(図7)を有した直方体状の支持体本体8bと、支持体本体8bの溝部8aの裏側外面に一体的に取り付けられた、取付孔8cを有する取付板8dを備えている。この取付板8dは案内滑車2をワイヤ、シャックルなどを用いて立ち木などに取り付けるときに用いられる。
【0023】
図1および図2とともに図3および図4を参照して説明を続ける。支持体本体8bの溝部8aの両側の側部8e、8fそれぞれには、滑車支持体4c、4dそれぞれの支持ブロック4gを受け入れる凹部8gが形成されている。側部8e、8fそれぞれには凹部8gに受け入れた支持ブロック4gの貫通孔7a(7b)と同一中心線上に形成された貫通孔9a(9b)が備えられている。
【0024】
一対の、貫通孔7aを含む貫通孔9aと貫通孔7bを含む貫通孔9bとは実質上平行に配設され、それぞれに前記の一対の支持軸6a、6bが挿通され滑車支持体8に滑車本体4が支持される。
【0025】
主として図1を参照して説明すると、当接部材10はワイヤWの端部に取り付けられた、被牽引物を掛けるための周知のフック14の案内滑車8側に一体的に円板状に形成されて取り付けられている。
【0026】
次に支持軸解除体12について図1〜図5を参照して説明する。支持軸解除体12は、滑車支持体8に、一対の支持軸6a、6bそれぞれと平行に、摺動自在に貫通させて配設した一対の摺動軸16a、16bを、支持軸6a、6bに対し回転滑車4aの半径方向外方に備えている。
【0027】
一対の摺動軸16a、16bの一方の摺動軸16aは、滑車支持体8のワイヤ運行方向Zの一側、ワイヤZが近付く側(図1、図3の右側)に滑車支持体8から所定の長さL突出して先端部に当接部材10と当接する被当接部材18を備え、他端(図3の左側端)は一対の支持軸6a、6bの一方の支持軸6aの軸端に連結板20により一体的に連結されている。
【0028】
摺動軸16bは、滑車支持体8のワイヤ運行方向Zの他側、ワイヤZが離れる側(図1、図4の左側)に所定の長さL突出して先端部に被当接部材18を備え、他端(図4の右側端)は他方の支持軸6bの軸端に連結板20により一体的に連結されている。
【0029】
連結板20は、主として図5を参照して説明すると、摺動軸16a(16b)および支持軸6a(6b)それぞれの端が接合された帯状の連結部20aと、他方の摺動軸16b(16a)および支持軸6b(6a)が配設された位置において摺動軸16b(16a)の挿通孔20bを有した連結部20aと実質的に同一大きさの連結部20cと、連結部20aと連結部20cを摺動軸の側でつなぐ接続部20dを備えている。
【0030】
連結板20は、滑車支持体8の端面と当接することにより当接板20に連結した摺動軸16a(16b)の突出長さLを規定している。
【0031】
被当接部材18は板材によりワイヤWを跨ぐU字断面溝18a(図2)を備えて形成され摺動軸16a、16bの端部に一体的に接合されている。
【0032】
摺動軸16a、16bの長さL突出部分には、被当接部材18と連結板20の間に、摺動軸摺動軸16a、16bそれぞれを被当接部材18に向けて付勢する付勢手段としての摺動軸16a、16bそれぞれに被嵌された圧縮コイルばね22備えている。
【0033】
図6〜図8を参照して上述した案内滑車2の作動について説明する。
【0034】
先ず集材作業におけるワイヤ運行形態の典型例を示した図8を参照して説明する。案内滑車Gとしての案内滑車2が2個所、位置Xおよび位置Yにそれぞれ立ち木T、Tに取り付けられ設置されている。集材する木材Mに縛り掛けられたワイヤがウインチから位置Y、位置Xの案内滑車2を通して延びたワイヤWの先端のフックFに掛けられ、ウインチによってワイヤWを巻き取ることにより、木材Mは先ず位置Xに向けて引き寄せられる。
【0035】
案内滑車2の作動を説明した図6および図7を参照して説明する。図6はワイヤ運行方向Zの一側(図6の右側)からワイヤWが引き寄せられた状態を示している。
【0036】
図6に示すように、ワイヤWが運行方向Zに引き寄せられフック14に取り付けた当接部材10が支持軸解除体12の被当接部材18に当接し、ワイヤWの運行方向Zへの引き寄せに応じて、摺動軸16aが圧縮コイルばね22の付勢力に抗して当接部材10により滑車支持体8の側に押し込まれると、摺動軸16aに連結した支持軸6aは滑車軸支持体4cの支持ブロック4gから抜き出される。
【0037】
かくすることにより、図7に示すように、滑車本体4は他方の支持軸6bのみによって滑車支持体8に揺動自在に支持され、矢印R1で示す方向に外れ、ワイヤWは回転滑車4aから自動的に外れる。
【0038】
ワイヤWの運行方向Zが逆方向の場合には、他方の摺動軸16bが他方の側のワイヤWに取り付けた当接部材20によって全く同様に作動される。
【0039】
外れた状態のワイヤWを案内滑車2に掛けるには、案内滑車2の滑車本体4を一対の支持軸6a、6bの一方で支持した状態において(図7)、ワイヤWを回転滑車4aの外周の溝に掛けるとともに支持軸解除対12の支持軸6a、6bの他方とつながっている被当接部材18を手で滑車支持体8の方向に付勢手段22に抗して押し込み、滑車本体4を矢印R2方向に動かし、支持ブロック4gを滑車支持体8の凹部8gに入れ、貫通孔9a、7aの芯を合わせ、手を離し、付勢手段22の力によって貫通孔9aの摺動軸6aを貫通孔7aに挿通させる(図3)。
【0040】
上述したとおりの案内滑車2の作用・効果について説明する。
【0041】
案内滑車2によれば、案内滑車2により引き回されるワイヤWの所定位置を規定する当接部材10が案内滑車2に引き寄せられ接近すると、一方の支持軸6a(6b)が滑車軸支持体8から抜き出され滑車本体4が他方の支持軸6b(6a)により滑車支持体8に対し揺動自在になり、案内滑車4aからワイヤWが自動的に外れる。
【0042】
したがって、案内滑車2からワイヤWを外す作業は、ウインチによるワイヤWの巻き上げを止め木材Mの引き寄せを一次中断することなく、作業者は山中など足場の悪い所で案内滑車2にアクセスすることなく、また木材Mが斜面、坂道などにありワイヤWにより案内滑車2に引っ張る力が働いても、案内滑車2からワイヤWをワイヤの運行に合わせて自動的に外すことができる。そして作業者は十分に安全なところで、容易に集材作業を行なえる。
【0043】
支持軸解除体12が、摺動軸16a(16b)と支持軸6a(6b)とを一体にして備えているので、確実に支持軸を解除でき、また堅牢である。
【0044】
摺動軸16a(16b)を被当接部材18を備えた端側に向けて弾性的に付勢する付勢手段としての圧縮コイルばね22を備え、摺動軸16a(16b)と支持軸6a(6b)を連結する連結板20を滑車支持体8と当接させることにより、摺動軸16a(16b)の突出長さLおよび支持軸6a(6b)の滑車本体4の支持ブロック4gへの挿通長さが確実に規定され、維持される。
【0045】
被当接部材18がワイヤWを跨いだU字断面溝18aを備え、ワイヤZの周囲に位置しているので、ワイヤWに取り付けた当接部材10と確実に当接する。
【0046】
当接部材10をワイヤWの端に取り付けられたフック14に一体的に形成することにより当接部材10を容易に設けることができる。
【0047】
そして、外れた状態のワイヤWを案内滑車2に掛けるのも容易である。
【0048】
以上、本発明を実施例に基づいて詳細に説明したが、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、例えば下記のように、本発明の範囲内においてさまざまな変形あるいは修正ができるものである。
【0049】
本実施例においては、案内滑車2に掛けられる索として鋼索であるワイヤZが用いられているが、索としてはワイヤZに限定されるものではなく、例えば織糸綱のような索でもよい。
【0050】
本実施例においては、当接部材10は円板状に形成され、被当接部材18はU字断面溝を備えた形状に形成されているが、その形状および大きさは、索の運行状態、牽引物の牽引作業形態などに応じて、確実に当接するように適宜に変えればよい。
【0051】
本実施例においては、当接部材10はフック14に一体的に形成されているが、例えばワイヤZの外周部にクリップなどによって取り付けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明に従って構成された案内滑車の側面図。
【図2】図1の案内滑車をA−A矢印方向に見た正面図。
【図3】図2の案内滑車をB−B矢印方向に見た部分拡大断面図。
【図4】図2の案内滑車をC−C矢印方向に見た部分拡大断面図。
【図5】図3の矢印D方向に見た連結部材の正面図。
【図6】図1に示す案内滑車の作動説明図。
【図7】図1に示す案内滑車の作動説明図
【図8】案内滑車を用いた集材作業におけるワイヤ運行形態の典型例を示した説明図。
【図9】従来の案内滑車の(a)側面図および(b)正面図。
【符号の説明】
【0053】
2:案内滑車
4:滑車本体
4a:回転滑車
4b:滑車軸
4c:滑車軸支持体
4d:滑車軸支持体
6a:支持軸
6b:支持軸
8:滑車支持体
10:当接部材
12:支持軸解除体
22:圧縮コイルばね(付勢手段)
W:ワイヤ(索)
Z:ワイヤ運行方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
索の運行を案内する滑車であって、
回転滑車を支持する滑車軸の両端部それぞれに滑車軸支持体を取り付けた滑車本体と、
この滑車本体を、平行に延びる一対の支持軸それぞれを滑車軸支持体各々とともに挿脱自在に挿通し支持する滑車支持体と、
滑車本体に向けて引き寄せる側の索に取り付けた当接部材と、
滑車支持体の索運行方向の両側に設けた、接近する当接部材と当接し、索の引き寄せに応じて当接部材と移動し、この移動により滑車軸支持体に挿通された一対の支持軸の一方を滑車軸支持体から抜き出し挿通を解除する支持軸解除体と
を備え、
一方の支持軸を滑車軸支持体から抜き出し滑車本体を他方の支持軸により滑車支持体に対し揺動自在とすることにより、回転滑車から索を離脱させる、
ことを特徴とする案内滑車。
【請求項2】
支持軸解除体が、
滑車支持体に、一対の支持軸と平行に支持軸に対し回転滑車の半径方向外方に位置し摺動自在に貫通させ配設した一対の摺動軸を備え、
一対の摺動軸の一方が、滑車支持体の索運行方向の一側に所定の長さ突出し先端部に当接部材と当接する被当接部材を備え、他端が一対の支持軸の一方の軸端に一体的に連結し、
一対の摺動軸の他方が、滑車支持体の索運行方向の他側に所定の長さ突出し先端部に当接部材と当接する被当接部材を備え、他端が一対の支持軸の他方の軸端に一体的に連結している、
ことを特徴とする請求項1記載の案内滑車。
【請求項3】
摺動軸と支持軸が連結部材により一体的に連結され、
連結部材が滑車支持体と当接することにより摺動軸の突出長さが規定される、
ことを特徴とする請求項2記載の案内滑車。
【請求項4】
摺動軸を、被当接部材を備えた端側に向け滑車支持体の側から弾性的に付勢する付勢手段を備えている、
ことを特徴とする請求項2または3記載の案内滑車。
【請求項5】
付勢手段が、摺動軸に被嵌された圧縮コイルばねを備えている、
ことを特徴とする請求項4記載の案内滑車。
【請求項6】
被当接部材が、索を跨ぐU字断面溝を備えている、
ことを特徴とする請求項2記載の案内滑車。
【請求項7】
当接部材が、索の端に取り付けられたフックに一体的に形成されている、
ことを特徴とする請求項1から6までのいずれかに記載の案内滑車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−31126(P2007−31126A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−220273(P2005−220273)
【出願日】平成17年7月29日(2005.7.29)
【出願人】(000190297)新キャタピラー三菱株式会社 (1,189)