説明

案内表示装置

【課題】 この発明は、第一に自分が向かおうとしている地点の方向を一目で理解できるようにすること、第二に自分が現在いる地点のゾーンを一目で理解できるようにすることを課題とするものである。
【解決手段】 この発明は、特定のエリア内における案内表示装置を以下のように構成するものである。
ゾーンごとにそのゾーンを標示するゾーンカラーを決め、エリア内の案内地図1はゾーンごとに前記ゾーンカラー3を彩色し、エリア内に適宜設置される案内表示具11における案内先への方向指示標識13には、その方向指示標識が指示するゾーンのゾーンカラーを彩色して構成する。
上記構成により、地図上のゾーンカラーと案内表示具の色彩とが一致し、目的地への順路が明らかとなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、公園やイベント会場、観光地など、特定のエリア内における案内表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来この種の案内表示装置において、ポールなどの案内表示具本体に矢羽根状の方向指示標識を取り付けた案内表示具を、エリア内に適宜設置することは普通に行われている。また、案内地図においてエリア内を複数のゾーンに分け、ゾーンごとに色分けして標示することも行われている。
しかしながら、案内地図がゾーンごとに色分けされていても、その色分けが案内表示具に反映されていない。そのために、ゾーンごとに色分けされた案内地図を手にしてエリア内を歩いているときに、目的地の方向を理解しにくい。
【0003】
例えば、自分が「赤ゾーンのA地点」へ行こうとしているときに、同じく「赤ゾーンのB地点」の案内標示を目にしても、その標示が自分の目的地と同じエリアに対する標示であることを容易に理解できない。そのために、前記「赤ゾーンのB地点」を指示する案内表示に従って歩けば目的地である「赤ゾーンのA地点」にたどり着くことができるにも関わらず、道に迷ったり、遠回りをしてしまうことがある。
また、案内表示具自体に現在地のエリアが標示されていないので、案内表示具を見ても自分が今どのゾーンにいるのかを容易に理解することができない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は、第一に自分が向かおうとしている地点の方向を一目で理解できるようにすること、第二に自分が現在いる地点のゾーンを一目で理解できるようにすることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、特定のエリア内における案内表示装置を以下のように構成するものである。
請求項1の発明は、ゾーンごとにそのゾーンを標示するゾーンカラーを決め、エリア内の案内地図はゾーンごとに前記ゾーンカラーを彩色し、エリア内に適宜設置される案内表示具における案内先への方向指示標識には、その方向指示標識が指示するゾーンのゾーンカラーを彩色して構成する。
請求項2の発明は、案内表示具の本体にその案内表示具が設置されたゾーンのゾーンカラーを彩色するものであり、請求項3の発明は、エリア内の案内地図はゾーンごとにゾーンカラーと共に各ゾーンごとにシンボルマークを併せて標示し、案内表示具の本体及び方向指示標示にはゾーンカラーと共にシンボルマークを標示したものである。
【0006】
前記エリア内の案内地図は、エリア内に固定設置される表示板形式のものと、エリアへの来所者に配布するパンフレット、リーフレット、冊子形式のものなどが含まれる。
案内表示具は、地盤に固定する案内表示具本体に案内先を指標する方向指示標識を設けて構成する。前記案内表示具本体としては、ポール状に限られず、彫刻のような造形物とすることもでき、ポール状とした場合は外灯の支柱と共用としてもよい。
前記シンボルマークは、任意の図柄、幾何学模様などを適宜採用することができる。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明においては、エリア内の案内地図と案内表示具における案内先への方向指示標識に、その方向指示標識が指示するゾーンのゾーンカラーを彩色してあるので、自分が行こうとする具体的な地点が案内表示具に示されていない場合であっても、地図で自分が行こうとする地点のゾーンカラーを知ることにより、方向指示標識に彩色されたゾーンカラーの案内に従って移動することにより、自分が行こうとするゾーンにたどり着くことができ、その結果、自分が行こうとする地点に容易に到達することができる。
【0008】
請求項2の発明は、案内表示具の本体にその案内表示具が設置されたゾーンのゾーンカラーを彩色してあるので、案内表示具の本体に標示されたゾーンカラーを地図と照合することにより、自分の位置を容易に理解することができる。
請求項3の発明は、ゾーンごとにシンボルマークを併せて標示し、案内表示具の本体及び方向指示標示にはゾーンカラーと共にシンボルマークを標示したので、色彩に頼らなくとも案内表示具の情報を理解することができ、色弱者であっても標示に従った行動をすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1はこの発明の地図1を標示した総合案内板2である。この地図1は対象となるエリア(例えば公園)を3つのゾーン(ゾーンA、ゾーンB、ゾーンC)に区分けし、各ゾーンに異なるゾーンカラー3を彩色して4色に色分けして標示してある。以下各ゾーンのゾーンカラーを示す場合、前記ゾーン符号AないしCと組み合わせてゾーンカラー3Aというように標示する。
前記各ゾーンには、前記ゾーンカラー3と共に、各ゾーンのシンボルマーク4が標示してある。以下各ゾーンのシンボルマークを示す場合、前記ゾーン符号AないしCと組み合わせてシンボルマーク4Aというように標示する。
【0010】
前記総合案内板2の一側には、エリア内のポイントとなる地点の名称(たとえば「ちびっ子広場」「池」など)5が、その地点が属するエリアのシンボルマーク4と共に標示してある。
前記総合案内板2を支持する左右の柱6,7及び左の柱の更に左の独立した柱8は、地図1に表されたゾーンの色彩に対応させた色彩が彩色してある。すなわち、左の柱6は地図上中央部のゾーンAのゾーンカラー3Aで、右側の柱7は地図上右側のゾーンBのゾーンカラー3Bで、更に左の柱は地図上左側のゾーンCのゾーンカラー3Cで彩色してあり、併せて各ゾーンのシンボルマーク4A、4B、4Cが標示してある。
【0011】
上記構成により、柱及び桁の色彩及びシンボルマークにより、地図に表された各ゾーンカラーを、現実の方向性と即座に一致させて理解することができる。
【0012】
図2は、エリア内の分岐路などに適宜設置される案内表示具11である。この案内表示具11は、円柱状の案内表示具本体12に周壁に方向支持標識13を複数取り付けて構成してある。
前記案内表示具本体12は、この案内表示具が設置されているゾーンのゾーンカラーで彩色されている。前記方向指示標識13は指示すべき地点方向を鋭角とした三角形の板であって、指示すべき地点のゾーンのシンボルマーク4が表されている。そして、前記方向指示標識13はこの案内表示具11が設置されているゾーンのゾーンカラーを基調色としつつ、指示すべき地点のゾーンカラー3が目立つように表されている。
【0013】
前記複数の方向指示標識13は、それぞれが目立つように異なる高さに取り付けてあり、各方向指示標識13から下方に向けて、案内表示具本体13に各方向指示標識が標示するゾーンのゾーンカラーでゾーンカラー直線14が表してある。すなわち、ゾーンAを指示する方向指示標識13Aにはゾーンカラー3Aが彩色され、その下方に向けてゾーンカラー3Aのゾーンカラー直線14Aが表してある。以下同様に、ゾーンBを指示する方向指示標識13Bにはゾーンカラー3Bが、その下方に向けてゾーンカラー3Bのゾーンカラー直線14Bが、ゾーンCを指示する方向指示標識13Cにはゾーンカラー3Cが、その下方に向けてゾーンカラー3Cのゾーンカラー直線14Cが、それぞれ表してある。
前記各ゾーンカラー直線14に沿って、各ゾーンに位置するポイントの地名15が標示してある。
【0014】
上記構成によりエリアを歩く者は、以下の情報を迅速に得ることができる。
まず、案内表示具本体12の色彩によって、自分が今いるゾーンを理解することができる。
次に、地図によって自分が行こうとする地点のゾーンのゾーンカラーを認識していれば、案内表示具本体12に標示された地名を見ることなく、方向指示標識13に表されたゾーンカラー3又はシンボルマーク4を認識するだけで、目的の地点へ向かうことができる。この場合、各自が地図を持参していたり、案内表示具11の近傍に地図を標示した案内板が設置してあれば、向かうゾーンのゾーンカラーの認識が容易となる。
また、向かう地点のゾーンカラーと照合せずに、方向指示標識13と地名15によって自分が行こうとする地点の方向を知ることもできる。
【0015】
図3はエリア内のスポットとなる地点に立てられたポール21である。このポール21は、このポール21が立てられた地点のゾーンカラー3(例えば3A)で彩色され、そのゾーンのシンボルマーク4A及び地名15が大きく標示してある。また、ポール21が立てられた地点を中心として、他のゾーンの方向を示すために、他のゾーンのシンボルマーク、例えば4Cが前記そのゾーンのシンボルマーク4Aよりも小さく表してある。
【0016】
上記他のゾーンのシンボルマーク4Cによって、次に向かうゾーンの方向を知ることができる。
【0017】
図4はトイレの位置を表示するための表示具である。この表示具はトイレの場所に設置する背の高いポール22と、トイレへの順路に設置する背の低いポール23とで構成する。前記ポール22,23は、前記地図1においてトイレ設置場所を表示する色彩と同じ色彩で彩色されており、背の低いポール23にはトイレへの順路を示す矢印板24が取り付けてある。
前記背の高いポール22は離れた位置からも視認できるような高さとしてあり、エリア内を移動する者は、遠くから前記背の高いポール22を見つけてトイレの場所を知り、背の低いポール23の案内に従って移動することにより、迷うことなくトイレに到着することができる。
【0018】
図5は車椅子が通行できる舗道25を示し、車椅子表示26とトイレへの順路表示27が表示されている。この順路表示は前記地図1におけるトイレ表示と同じ色彩としてある。
前記車椅子表示26は、エリア内の車椅子での移動に適した舗道を示すものであり、車椅子利用者はこの車椅子表示26を目印として移動することにより、車椅子での移動に適さない場所に入り込むことがない。
また、車椅子利用者は視点が低いので前記ポールによるトイレの案内は適さない場合がある。そこで、舗道にトイレへの順路表示をすることにより、車椅子利用者も迷わずにトイレへ移動することができる。
【産業上の利用可能性】
【0019】
この発明は、公園やイベント会場、観光地などの一定のエリア内の案内表示を、色彩を用いることにより統一的に理解できるものとし、エリア内を移動する者にエリア内のスポットとなる地点を容易かつ迅速に認識させることのできるものであって、産業上の利用可能性を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明実施形態の地図を標示した総合案内板
【図2】この発明実施形態の案内表示具
【図3】この発明実施形態と併用するポール
【図4】この発明実施形態と併用するトイレ案内用ポール
【図5】この発明実施形態と併用する案内表示を施した舗道
【符号の説明】
【0021】
1 地図
2 総合案内板
3 ゾーンカラー
4 シンボルマーク
6,7,8 柱
11 案内表示具
12 案内表示具本体
13 方向指示標識
14 ゾーンカラー直線
15 地名
21 ポール
22 トイレ案内ポール
23 トイレ案内ポール
25 舗道
26 車椅子表示
27 トイレ案内表示

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定のエリア内における案内表示装置であって、
ゾーンごとにそのゾーンを標示するゾーンカラーが決められており、
エリア内の案内地図はゾーンごとに前記ゾーンカラーが彩色され、
エリア内に適宜設置される案内表示具における案内先への方向指示標識には、その方向指示標識が指示するゾーンのゾーンカラーが彩色された、
案内表示装置
【請求項2】
案内表示具の本体には、その案内表示具が設置されたゾーンのゾーンカラーが彩色された、
請求項1記載の案内表示装置
【請求項3】
エリア内の案内地図はゾーンごとにゾーンカラーで彩色されると共に、各ゾーンごとにシンボルマークが併せて標示され、案内表示具の本体及び方向指示標示にはシンボルマークが表された、
請求項1又は2に記載の案内表示具

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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