説明

桝型コンクリート製品の成形装置

【課題】 機械的に離型の補助を行なうことができるようにして離型を確実に行なうことができるようにし、内型の抜き勾配を小さくしても、脱型を無理なく行なうことができ製品を容易に取出すことができるようにして、製造効率の向上を図る。
【解決手段】 支持台10に支持され桝型コンクリート製品1の側壁3の外側面を成形する外型20と、桝型コンクリート製品1の底壁2及び側壁3の内側面を成形する内型30とを備え、内型30を、側壁3を成形する側壁型31と、底壁2を成形する成形位置A及び成形位置Aから上側に突出して成形された桝型コンクリート製品1を持ち上げる持ち上げ位置Bに移動可能な底壁型32とを備えて構成し、内型30の底壁型32を移動させる移動機構を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所謂集水桝等の桝型コンクリート製品を成形する成形装置に係り、特に、底壁及び底壁に立設された側壁からなる桝型コンクリート製品を底壁を上にして成形する桝型コンクリート製品の成形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、例えば、図12に示すように、桝型コンクリート製品1としては、四角形状の底壁2及び底壁2に立設された側壁3からなり、矩形枠状の開口端面5が形成されて、集水桝として用いられるものがある。
従来、図12に示すように、この桝型コンクリート製品1を成形する成形装置としては、例えば、支持台6と、支持台6に支持され側壁3の外側面3aを成形する外型7と、支持台6に支持され底壁2の内側面2b及び側壁3の内側面3bを成形する内型8と、支持台6に支持され側壁3の開口端面5を成形する端面型9とを備え、桝型コンクリート製品1を底壁2を上にして成形するものがある。内型8には、抜き勾配閘が設けられており、製品をクレーン等で持ち上げて脱型を可能にしている。
【0003】
ところで、この従来の成形装置Sで成形された桝型コンクリート製品1にあっては、成形装置Sの内型に抜き勾配θが比較的大きく設けられているので、底壁2側の側壁3の厚さD1 が開口端面5側の側壁3の厚さD2 よりも厚くなり、均一に成形できない。そのため、コンクリート材料に無駄が生じるとともに、施工設計時や施工時等にこの厚さの違いを考慮しなければならない場合においては、計算等が煩雑になっており、施工設計や施工効率が悪いという問題があった。
【0004】
これを解決するためには、抜き勾配θを小さくしても脱型できるようにした成形装置が開発され、例えば、特許文献1(実開平6−3609号公報)記載の桝型コンクリート製品の成形装置が知られている。
これは、図13に示すように、上記と同様に、支持台6と、支持台6に支持され側壁3の外側面3aを成形する外型7と、支持台6に支持され底壁2の内側面2b及び側壁3の内側面3bを成形する内型8と、支持台6に支持され側壁3の開口端面5を成形する端面型9とを備えるとともに、内型8の底壁2を成形する部分に、桝型コンクリート製品1の底壁2の内側面2bと内型8との間にエアを吹き込むノズルNを設け、脱型時にノズルNからエアを吹き込んで、桝型コンクリート製品1が離型し易いように補助し、抜き勾配θを小さくしても容易に脱型できるようにしているものである。
【0005】
【特許文献1】実開平6−3609号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記従来の桝型コンクリート製品の成形装置においては、桝型コンクリート製品1と内型8との間にエアを吹き込むノズルNを設け、桝型コンクリート製品1が離型し易いように補助しているが、空気圧による補助なので必ずしも離型に必要な力を付与することができず、離型補助機能が不確実になっているとともに、コンプレッサを用意してエア配管を別途行なわなければならないし、気密性も要求されるので、かえって装置が複雑になり、汎用性に劣るという問題があった。
【0007】
本発明は上記の問題点に鑑みて為されたもので、機械的に離型の補助を行なうことができるようにして離型を確実に行なうことができるようにし、内型の抜き勾配を小さくしても、脱型を無理なく行なうことができ製品を容易に取出すことができるようにして、製造効率の向上を図った桝型コンクリート製品の成形装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するための本発明の技術的手段は、底壁及び該底壁に立設された複数の側壁からなる桝型コンクリート製品を上記底壁を上にして成形する桝型コンクリート製品の成形装置において、支持台と、該支持台に支持され上記側壁の外側面を成形する外型と、上記支持台に支持され上記底壁の内側面及び側壁の内側面を成形する内型と、上記支持台に支持され上記側壁の開口端面を成形する端面型とを備え、上記外型を、複数の分割外型に分割し、該各分割外型の全部もしくは一部を成形位置と該成形位置から外側に離間した離間位置との2位置に移動可能にし、上記内型を、上記側壁を成形する成形面を備え支持台に固定される側壁型と、上記底壁を成形する成形面を備え全部もしくは一部が該底壁を成形する成形位置及び該成形位置から上側に突出して成形された桝型コンクリート製品を持ち上げる持ち上げ位置に移動可能な底壁型とを備えて構成し、上記内型の底壁型を移動させる移動機構を備えた構成としている。
【0009】
この成形装置によって、桝型コンクリート製品を成形するときは、先ず、移動機構を作動させて内型の底壁型を成形位置に位置決めする。また、外型を成形位置に位置決めする。この状態で、外型と内型の間に、流動コンクリートを上から流し込む。そして、所要時間養生したならば、脱型する。
脱型するときは、移動機構を作動させて内型の底壁型を持ち上げ位置に移動させる。この際、内型の底壁型が持ち上げ位置に到る過程で、桝型コンクリート製品が持ち上げられるので、桝型コンクリート製品が内型の側壁型から離型する。この場合、内型の底壁型で直接製品を持ち上げて機械的に離型を行なうことができるので、離型を確実に行なうことができる。
【0010】
この状態で、例えば、製品をクレーン等で引き上げる。この場合、桝型コンクリート製品が内型の側壁型から確実に離型しているので、製品が底壁型から容易に離型して、内型から無理なく離脱させられ、製品が容易に取出される。そのため、内型の抜き勾配を小さくしても、脱型を無理なく行なうことができ、製造効率の向上が図られる。
【0011】
そして、必要に応じ、上記側壁型を上側に開放口を有した筒状に形成し、上記底壁型を上記成形位置において上記側壁型の開放口を塞ぎ該底壁型の成形面が上記側壁型の成形面と連続する形状に形成し、上記側壁型の開放口に上記底壁型の成形位置において該底壁型の外周下部を支承する支承部を形成した構成としている。底壁型を支承部で支承するので、底壁型の位置決めが確実に行なわれる。
この場合、必要に応じ、上記支承部を外側から内側に向けて下方向に傾斜する傾斜面を備えて構成し、上記底壁型の外周下部を上記支承部の傾斜面に接合する傾斜面を備えて構成している。傾斜面で支承するので、支承面積が大きくなり、密着性がよく、支承が確実になる。
【0012】
また、必要に応じ、上記底壁型の移動をガイドするガイド機構を備えた構成としている。ガイド機構によりガイドされるので、底壁型がぐらつくことがなく、底壁型の移動が円滑に行なわれ、操作性が向上させられる。
この場合、上記ガイド機構を、上記底壁型の内側に垂設される複数のロッドと、上記側壁型の内側に設けられ上記各ロッドが夫々摺動可能に挿通される複数の管体とを備えて構成したことが有効である。簡易な構造でガイド機能を実現できる。
【0013】
更に、必要に応じ、上記移動機構を、上記底壁型の内側に垂設される支柱と、上記支持台に設けられ上記支柱を上昇させて上記底壁型を上記成形位置から持ち上げ位置に移動させる持ち上げリンク機構とを備えて構成している。機械的に駆動することができ、離型を確実に行なうことができる。
この場合、上記持ち上げリンク機構を、一端が下動することにより他端が上動し一端が上動することにより他端が下動するように上記支持台に設けられた支持部材に中間が軸支されて揺動可能に設けられ上記他端の上動時に該他端が上記支柱に設けた係止部に係止して上記支柱を上昇させる揺動竿と、上記支持台内部に設けられ外部から回動可能に軸支される回動軸と、該回動軸に固定されて該回動軸と同動する原動リンクと、一端が上記原動リンクに軸支され他端が上記揺動竿の一端に軸支される従動リンクとを備えて構成し、上記回動軸の回動によって上記原動リンク及び従動リンクを伸長させて上記揺動竿の一端を上動させるとともに該原動リンク及び従動リンクを縮小させて上記揺動竿の一端を下動させるようにしたことが有効である。リンク機構なので比較的簡易な機構で移動機能を実現でき、機械的に駆動して離型を確実に行なうことができる。
【0014】
そしてまた、必要に応じ、上記底壁型を、上記成形位置から上記持ち上げ位置よりも更に上位の上位位置に上昇可能にし、上記内型の底壁型を上記上位位置に上昇させる上昇機構を備えた構成としている。
これにより、本成形装置をメンテナンスのため、内型を清掃する際に有効になる。即ち、上昇機構を作動させて内型の底壁型を成形位置から上位位置に移動させると、内型の底壁型が持ち上げ位置より更に上位の上位位置に位置決めされる。そのため、底壁型の周囲と側壁型の開放口との間を大きく開けることができ、ブラシや雑巾などの清掃用具が入り易くなることから、清掃を容易に行なうことができるようになる等、メンテナンスを容易に行なうことができるようになる。
【0015】
また、必要に応じ、上記上昇機構を、上記底壁型の内側に垂設される支柱と、上記支持台に設けられ上記支柱を上昇させて上記底壁型を上記成形位置から上位位置に移動させる上昇リンク機構とを備えて構成している。機械的に駆動することができ、確実に移動を行なうことができる。
この場合、上記上昇リンク機構を、上記支持台内部に設けられ外部から回動可能に軸支される回動軸と、該回動軸に固定されて該回動軸と同動する原動リンクと、一端が上記原動リンクに軸支され他端が上記支柱に軸支される従動リンクとを備えて構成し、上記回動軸の回動によって上記原動リンク及び従動リンクを伸長させて上記支柱を上昇させるとともに該原動リンク及び従動リンクを縮小させて上記支柱を下降させるようにしたことが有効である。リンク機構なので比較的簡易な機構で移動機能を実現できる。
【0016】
また、必要に応じ、上記外型が成形位置に移動する際上記底壁型を成形位置に移動させ、上記外型が離間位置に移動する際上記底壁型を持ち上げ位置に移動させるように、該外型の移動に連動して上記移動機構を作動させる連動機構を設けた構成としている。連動機構により、外型の移動に連動して移動機構を作動させるので、移動機構を別途作動させなくても良くそれだけ操作性が向上させられる。
【0017】
また、上記目的を達成するための本発明の技術的手段は、底壁及び該底壁に立設された複数の側壁からなる桝型コンクリート製品を上記底壁を上にして成形する桝型コンクリート製品の成形装置において、支持台と、該支持台に支持され上記側壁の外側面を成形する外型と、上記支持台に支持され上記底壁の内側面及び側壁の内側面を成形する内型と、上記支持台に支持され上記側壁の開口端面を成形する端面型とを備え、上記外型を、複数の分割外型に分割し、該各分割外型の全部もしくは一部を成形位置と該成形位置から外側に離間した離間位置との2位置に移動可能にし、上記端面型の全部もしくは一部を、上記開口端面を成形する成形位置及び該成形位置から上側に突出して成形された桝型コンクリート製品を持ち上げる持ち上げ位置に移動可能にし、該端面型を移動させる移動機構を備えた構成としている。
【0018】
この成形装置によって、桝型コンクリート製品を成形するときは、先ず、移動機構を作動させて端面型を成形位置に位置決めする。また、外型を成形位置に位置決めする。この状態で、外型と内型の間に、流動コンクリートを上から流し込む。そして、所要時間養生したならば、脱型する。
脱型するときは、移動機構を作動させて端面型を持ち上げ位置に移動させる。この際、端面型が持ち上げ位置に到る過程で、桝型コンクリート製品が持ち上げられるので、桝型コンクリート製品が内型から離型する。この場合、端面型で直接製品を持ち上げて機械的に離型を行なうことができるので、離型を確実に行なうことができる。
この状態で、例えば、製品をクレーン等で引き上げる。この場合、桝型コンクリート製品が内型から確実に離型しているので、製品が容易に離型して、内型から無理なく離脱させられ、製品が容易に取出される。そのため、内型の抜き勾配を小さくしても、脱型を無理なく行なうことができ、製造効率の向上が図られる。
【0019】
そして、必要に応じ、上記移動機構を、上記端面型を下側から上昇させて上記成形位置から持ち上げ位置に移動させる持ち上げリンク機構を備えて構成している。機械的に駆動することができ、離型を確実に行なうことができる。
この場合、必要に応じ、上記持ち上げリンク機構を、上記支持台に回動可能に軸支される第一リンクと、一端が上記第一リンクに回動軸を介して軸支され他端が上記端面型の下面側に軸支される第二リンクと、上記回動軸に連係し該回動軸をその軸方向に直交する方向に移動させることにより上記第一リンク及び第二リンクを伸長させて上記端面型を上昇させるとともに該第一リンク及び第二リンクを縮小させて上記端面型を下動させる作動竿とを備えて構成している。リンク機構なので比較的簡易な機構で移動機能を実現でき、機械的に駆動して離型を確実に行なうことができる。
【0020】
また、必要に応じ、上記移動機構を、上記端面型を下側から上昇させて上記成形位置から持ち上げ位置に移動させる持ち上げカム機構を備えて構成している。機械的に駆動することができ、離型を確実に行なうことができる。
この場合、必要に応じ、上記持ち上げカム機構を、上記端面型の下面側に設けられる下面ローラと、該下面ローラの軸線と直交する方向に移動させられ該移動により該下面ローラが転動するとともに上記下面ローラを上昇させる山部及び上記下面ローラを降下させる谷部を有したカム部材と、該カム部材を移動可能に支持する支持ローラとを備えて構成している。カム機構なので比較的簡易な機構で移動機能を実現でき、機械的に駆動して離型を確実に行なうことができる。
【0021】
そして、必要に応じ、上記外型が成形位置に移動する際上記端面型を成形位置に移動させ、上記外型が離間位置に移動する際上記端面型を持ち上げ位置に移動させるように、該外型の移動に連動して上記移動機構を作動させる連動機構を設けた構成としている。連動機構により、外型の移動に連動して移動機構を作動させるので、移動機構を別途作動させなくても良くそれだけ操作性が向上させられる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の桝型コンクリート製品の成形装置によれば、桝型コンクリート製品を成形後、脱型するときは、移動機構を作動させて桝型コンクリート製品を持ち上げることができるので、桝型コンクリート製品を内型から機械的に離型を行なうことができ、離型を確実に行なうことができる。この結果、桝型コンクリート製品が内型から確実に離型しているので、製品を内型から無理なく離脱させることができ、製品を容易に取出すことができる。そのため、内型の抜き勾配を小さくしても、脱型を無理なく行なうことができ、製造効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施の形態に係る桝型コンクリート製品の成形装置を説明する。図1乃至図6には、本発明の実施の形態に係る成形装置Sを示している。この成形装置Sが成形する桝型コンクリート製品1は、図1及び図5に示すように、四角形状の底壁2及び該底壁2に立設された4つの側壁3からなり、開口端面5から底壁2にかけて側壁3の厚さが一定に設定されている。
【0024】
実施の形態に係る成形装置Sの基本的構成は、支持台10と、支持台10に支持され側壁3の外側面を成形する外型20と、支持台10に支持され底壁2の内側面及び側壁3の内側面を成形する内型30と、支持台10に支持され側壁3の開口端面5を成形する端面型11とを備え、桝型コンクリート製品1を底壁2を上にして成形する。端面型11は、枠状に形成されている。
【0025】
外型20は、図1,図4乃至図6に示すように、4つの側壁3を夫々成形する複数(実施の形態では4つ)の部分外型21の集合で構成されており、各部分外型21の全部もしくは一部(実施の形態では全部)を成形位置とこの成形位置から外側に離間した離間位置との2位置に移動可能にしている。詳しくは、各部分外型21を支持台10にヒンジ23を介して取り付けて開閉できるようにして移動可能にしている。
【0026】
内型30は、側壁3を成形する成形面を備え支持台10に固定される側壁型31と、底壁2を成形する成形面を備えこの底壁2を成形する成形位置A(図4)及びこの成形位置Aから上側に突出して成形された桝型コンクリート製品1を持ち上げる持ち上げ位置B(図1,図5)に移動可能な底壁型32とを備えて構成されている。
詳しくは、側壁型31は、上側に開放口33を有した筒状に形成される一方、底壁型32は、その成形位置Aにおいて側壁型31の開放口33を塞ぎこの底壁型32の成形面が側壁型31の成形面と連続する形状に形成されている。側壁型31の開放口33には、底壁型32の成形位置Aにおいて底壁型32の外周下部34を支承する支承部35が形成されている。支承部35は、外側から内側に向けて下方向に傾斜する傾斜面を備えて構成されており、底壁型32の外周下部34は、支承部35の傾斜面に接合する傾斜面を備えて構成されている。
【0027】
また、本成形装置Sにおいては、図4乃至図6に示すように、底壁型32の移動をガイドするガイド機構36が備えられている。ガイド機構36は、底壁型32の内側であって側壁型31の内側に沿って互いに対称関係に垂設される複数のロッド37と、側壁型31の内側に設けられ各ロッド37が夫々摺動可能に挿通される複数の管体38とを備えて構成されている。簡易な構造でガイド機能を実現できる。
【0028】
更に、内型30の底壁型32は、移動機構40によって成形位置Aと持ち上げ位置Bに移動させられる。移動機構40は、図2乃至図6に示すように、底壁型32の内側に垂設される横断面コ字状の支柱41と、支持台10に設けられ支柱41を上昇させて底壁型32を成形位置Aから持ち上げ位置Bに移動させる持ち上げリンク機構42とを備えて構成されている。
【0029】
持ち上げリンク機構42は、一端44aが下動することにより他端44bが上動し一端44aが上動することにより他端44bが下動するように支持台10に設けられた支持部材43に中間が軸支されて揺動可能に設けられ、他端44bの上動時にこの他端44bが支柱41に設けたローラからなる係止部45に係止して支柱41を上昇させる揺動竿44と、支持台10内部に設けられ外部から回動可能に軸支される回動軸46と、回動軸46に固定されて回動軸46と同動する原動リンク47と、一端が原動リンク47に軸支され他端が揺動竿44の一端に軸支される従動リンク48とを備えて構成されている。
【0030】
これにより、図4に示すように、回動軸46の回動によって原動リンク47及び従動リンク48を伸長させて揺動竿44の一端44aを上動させるとともに、図5に示すように、回動軸46の回動によって原動リンク47及び従動リンク48を縮小させて揺動竿44の一端44aを下動させるようにしている。図5に示すように、原動リンク47及び従動リンク48の最縮小位置においては、原動リンク47及び従動リンク48の軸点Pが、従動リンク48の軸上の思案点Qを僅かに越えた位置に位置してクランプできるようにし、当該位置を保持できるようにしている。
【0031】
更にまた、本成形装置Sにおいては、内型30の底壁型32は、成形位置Aから持ち上げ位置Bよりも更に上位の上位位置C(図6)に上昇可能になっており、この底壁型32を上位位置Cに上昇させる上昇機構50が備えられている。
この上昇機構50は、底壁型32の内側に垂設される上記の支柱41と、支持台10に設けられ支柱41を上昇させて底壁型32を成形位置Aから上位位置Cに移動させる上昇リンク機構51とを備えて構成されている。
上昇リンク機構51は、支持台10内部に設けられ外部から回動可能に軸支される回動軸52と、回動軸52に固定されて回動軸52と同動する原動リンク53と、一端が原動リンク53に軸支され他端が支柱41に軸支される従動リンク54とを備えて構成されている。
【0032】
これにより、図6に示すように、回動軸52の回動によって原動リンク53及び従動リンク54を伸長させて支柱41を上昇させるとともに、図4に示すように、原動リンク53及び従動リンク54を縮小させて支柱41を下降させるようにしている。原動リンク53及び従動リンク54の最伸張位置(図6)及び最縮小位置(図4)においては、原動リンク53及び従動リンク54の軸点Pが、従動リンク54の軸上の思案点Qを僅かに越えた位置に位置するようにしてクランプできるようにし、当該位置を保持できるようにしている。
【0033】
従って、本発明の実施の形態に係る成形装置Sによって、桝型コンクリート製品1を成形するときは、以下のようにして行なう。先ず、図4に示すように、移動機構40及び上昇機構50を作動させて内型30の底壁型32を成形位置Aに位置決めする。この際には、移動機構40においては、持ち上げリンク機構42の回動軸46を回動して原動リンク47及び従動リンク48を伸長させて、揺動竿44の一端44aを上動させる。これにより、揺動竿44の他端44bは下動し、係止部45から離間する。
一方、図4に示すように、上昇機構50においては、上昇リンク機構51の回動軸52を回動して原動リンク53及び従動リンク54を縮小させる。これにより、支柱41が下降して、内型30の底壁型32が成形位置Aに位置決めされる。この場合、底壁型32は、側壁型31の支承部35で支承されるので、底壁型32の位置決めが確実に行なわれる。また、側壁型31の支承部35及び底壁型32の外周下部34は傾斜面に形成されているので、支承面積が大きくなり、密着性がよく、支承が確実になる。
【0034】
また、外型20を成形位置に位置決めする。この状態で、外型20と内型30の間に、必要であれば鉄筋を内装して、流動コンクリートを上から流し込む。そして、所要時間養生したならば、脱型する。
【0035】
脱型するときは、図1及び図5に示すように、外型20を離型位置に位置決めする。また、移動機構40及び上昇機構50を作動させて内型30の底壁型32を持ち上げ位置Bに移動させる。この際には、図5に示すように、先ず、上昇機構50において、上昇リンク機構51の回動軸52の回動によって原動リンク53及び従動リンク54のクランプを解除する。次に、移動機構40において、持ち上げリンク機構42の回動軸46を回動して原動リンク47及び従動リンク48を縮小させて、揺動竿44の一端44aを下動させる。これにより、揺動竿44の他端44bは上動し、係止部45に係合して係止部45を持ち上げ、支柱41が上昇して、内型30の底壁型32が持ち上げ位置Bに位置決めされる。この場合、底壁型32は、ガイド機構36によりガイドされるので、底壁型32がぐらつくことがなく、底壁型32の移動が円滑に行なわれ、操作性が向上させられる。
【0036】
これにより、内型30の底壁型32が持ち上げ位置Bに到る過程で、桝型コンクリート製品1が持ち上げられるので、桝型コンクリート製品1が内型30の側壁型31から離型する。
この状態で、製品1を例えばクレーン等で引き上げる。この場合、図5に示すように、桝型コンクリート製品1が内型30の側壁型31から離型しているので、製品1が底壁型32から容易に離型して、内型30から無理なく離脱させられ、製品1が容易に取出される。
このように成形された桝型コンクリート製品1は、側壁3がほとんどストレートに成形されており、側壁3の厚さが一定に成形される。そのため、従来のように勾配を設ける場合に比較して、コンクリート材料に無駄が生じることが防止される。また、施工設計時や施工時等に側壁3の厚さの違いを考慮しなくても良くなり、計算等が容易になり、施工設計や施工効率が向上させられる。
【0037】
次に、本成形装置Sをメンテナンスのため、内型30を清掃する際について説明する。この場合は、図6に示すように、上昇機構50を作動させて内型30の底壁型32を成形位置Aから上位位置Cに移動させる。この際には、図6に示すように、上昇機構50において、上昇リンク機構51の回動軸52の回動によって原動リンク53及び従動リンク54のクランプを解除するとともに、原動リンク53及び従動リンク54を伸張させる。これにより、支柱41が上昇して、内型30の底壁型32が持ち上げ位置Bより更に上位の上位位置Cに位置決めされる。この場合、底壁型32は、ガイド機構36によりガイドされるので、底壁型32がぐらつくことがなく、底壁型32の移動が円滑に行なわれ、操作性が向上させられる。
【0038】
この状態で、掃除を行なう。この場合、内型30の底壁型32が持ち上げ位置Bより上位の上位位置Cに位置決めされているので、底壁型32の周囲と側壁型31の開放口33との間を大きく開けることができ、そのため、ブラシや雑巾などの清掃用具が入り易くなることから、清掃を容易に行なうことができるようになり、メンテナンスを容易に行なうことができる。
【0039】
図7には、本発明の別の実施の形態に係る成形装置Sを示している。この成形装置Sは、上記と略同様に構成されるが、上記と異なって、外型20が成形位置に移動する際、底壁型34を成形位置Aに移動させ、外型20が離間位置に移動する際、底壁型34を持ち上げ位置Bに移動させるように、外型20の移動に連動して移動機構40を作動させる連動機構60を設けている。
【0040】
詳しくは、移動機構40は、上記と同様に持ち上げリンク機構42を備えており、回動軸46と同動する原動リンク47が、従動リンク48を軸支部分よりも長く延長した延長部61を備えて構成されている。
そして、連動機構60は、上記の延長部61と、外型20の1つの部分外型21の外側から下方に突出する突出部材62との間に架設されるとともに、両端部が延長部61及び突出部材32に夫々軸支された連結杆63を備えて構成されている。
【0041】
これにより、図7(a)(b)に示すように、外型20を離型位置に移動させることにより、連結機構60の連結杆63を介して回動軸46を中心に原動リンク47を回動させ、この回動によって原動リンク47及び従動リンク48を伸長させて揺動竿44の一端44aを上動させるとともに、原動リンク47及び従動リンク48を縮小させて揺動竿44の一端44aを下動させるようにしている。そのため、連結機構60により、外型20の移動に連動して移動機構40を作動させるので、別途移動機構40を作動させなくても良くそれだけ操作性が向上させられる。他の作用,効果は上記と同様である。
【0042】
図8乃至図10には、本発明のまた別の実施の形態に係る成形装置Sを示している。この成形装置Sが成形する桝型コンクリート製品1は、上記と同様に、四角形状の底壁2及び該底壁2に立設された4つの側壁3からなり、開口端面5から底壁2にかけて側壁3の厚さが一定に設定されている。
【0043】
実施の形態に係る成形装置Sの基本的構成は、支持台10と、支持台10に支持され側壁3の外側面を成形する外型20と、支持台10に支持され底壁2の内側面及び側壁3の内側面を成形する内型30と、支持台10に支持され側壁3の開口端面5を成形する端面型11とを備え、桝型コンクリート製品1を底壁2を上にして成形する。
【0044】
外型20は、上記と同様に、4つの側壁3を夫々成形する複数(実施の形態では4つ)の部分外型21の集合で構成されており、各部分外型21の全部もしくは一部(実施の形態では全部)を成形位置とこの成形位置から外側に離間した離間位置との2位置に移動可能にしている。詳しくは、各部分外型21を支持台10にヒンジ23を介して取り付けて開閉できるようにして移動可能にしている。
内型30は、側壁3を成形する成形面を備え支持台10に固定される側壁型31と、側壁型31に一体に形成され底壁2を成形する成形面を備えた底壁型32とを備えて構成されている。
【0045】
端面型11は、4つの辺部からなる矩形枠状に形成されており、そのうちの互いに対向する2つの辺部が、夫々、開口端面5を成形する成形位置A(図8,図10(a))及びこの成形位置Aから上側に突出して成形された桝型コンクリート製品1を持ち上げる持ち上げ位置B(図9,図10(b))に移動可能な移動型11aとして構成されている。
端面型11の各移動型11aは、移動機構70によって成形位置Aと持ち上げ位置Bに移動させられる。移動機構70は、端面型11の移動型11aを下側から上昇させて成形位置Aから持ち上げ位置Bに移動させる持ち上げリンク機構71を備えて構成されている。
【0046】
持ち上げリンク機構71は、支持台10に回動可能に軸支される第一リンク72と、一端が第一リンク72に回動軸73を介して軸支され他端が端面型11の下面側に支持部材74を介して軸支される第二リンク75とを備えている。各移動型11aにおいて、第一リンク72及び第二リンク75は、一対設けられ、移動型11aの左右に夫々配設されている。また、持ち上げリンク機構71は、回動軸73に連係し回動軸73をその軸方向に直交する方向に移動させることにより第一リンク72及び第二リンク75を伸長させて端面型11を上昇させるとともに、第一リンク72及び第二リンク75を縮小させて端面型11を下動させる作動竿76を備えて構成されている。
【0047】
また、外型20が成形位置に移動する際、端面型11を成形位置Aに移動させ、外型20が離間位置に移動する際、端面型11を持ち上げ位置Bに移動させるように、外型20の移動に連動して移動機構70を作動させる連動機構77が設けられている。連動機構77は、作動竿76の端部と、外型20の1つの部分外型21の基端部との間に架設されるとともに、両端部が作動竿76の端部及び部分外型21の基端部に夫々軸支された連結杆78を備えて構成されている。連結杆78は長さ調整が可能に形成される。
【0048】
従って、この実施の形態に係る成形装置Sによって、桝型コンクリート製品1を成形するときは、以下のようにして行なう。先ず、図8,図10(a)に示すように、外型20を成形位置に位置決めする。これにより、連動機構77を介して移動機構70が作動し、端面型11が成形位置Aに位置決めされる。この際には、移動機構70においては、持ち上げリンク機構71の作動竿76が移動させられ、回動軸73を移動させ第一リンク72及び第二リンク75を縮小させて、移動型11aを下動させる。この状態で、外型20と内型30の間に、必要であれば鉄筋を内装して、流動コンクリートを上から流し込む。そして、所要時間養生したならば、脱型する。
【0049】
脱型するときは、図9及び図10(b)に示すように、外型20を離型位置に位置決めする。これにより、連動機構77を介して移動機構70が作動し、端面型11が持ち上げ位置Bに位置決めされる。この際には、移動機構70においては、持ち上げリンク機構71の作動竿76が移動させられ、回動軸73を移動させ第一リンク72及び第二リンク75を伸張させて、移動型11aを上動させる。
これにより、端面型11が持ち上げ位置Bに到る過程で、桝型コンクリート製品1が持ち上げられるので、桝型コンクリート製品1が内型30から離型する。
この状態で、製品1を例えばクレーン等で引き上げる。この場合、桝型コンクリート製品1が内型30から離型しているので、製品1が容易に離型して、内型30から無理なく離脱させられ、製品1が容易に取出される。
【0050】
図11には、上記の端面型を移動させるタイプの実施の形態に係る成形装置Sにおいて、移動機構の変形例を示している。この移動機構80は、端面型11を下側から上昇させて成形位置Aから持ち上げ位置Bに移動させる持ち上げカム機構81を備えて構成されている。
持ち上げカム機構81は、端面型11の下面側に設けられる下面ローラ82と、下面ローラ82の軸線と直交する方向に移動させられこの移動により下面ローラ82が転動するとともに、下面ローラ82を上昇させる山部83及び下面ローラ82を降下させる谷部84を有した棒状のカム部材85と、このカム部材85を移動可能に支持する支持ローラ86とを備えて構成されている。各移動型11aにおいて、下面ローラ82及び支持ローラ86は複数設けられている。また、連動機構87として、上記と同様の連結杆88が、カム部材85と、外型20の1つの部分外型21の基端部との間に架設されている。
【0051】
従って、この移動機構80においても、外型20が成形位置に移動する際、連動機構87の連結杆88を介してカム部材85を移動させ、下面ローラ82を谷部84に位置させて下降させて端面型11を成形位置Aに移動させる。一方、外型20が離間位置に移動する際、連動機構87の連結杆88を介してカム部材85を移動させ、下面ローラ82を山部83に位置させて上昇させて端面型11を持ち上げ位置Bに移動させる。他の作用,効果は上記と同様である。
【0052】
尚、上記の内方の底壁型32を移動させるタイプの実施の形態に係る成形装置Sにおいて、底壁型32の全部を上下動させるようにしているが必ずしもこれに限定されるものではなく一部を移動させるようにしても良く適宜変更して差支えない。
一方、上記の端面型11を移動させるタイプの実施の形態に係る成形装置Sにおいては、端面型11の一部(移動型11a)を上下動させるようにしているが必ずしもこれに限定されるものではなく全部を移動させるようにしても良く適宜変更して差支えない。
【0053】
また、上記実施の形態において、移動機構40,70,80や上昇機構50をリンク機構やカム機構を用いて形成したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、油圧シリンダを用いて構成する等、適宜変更して差支えない。
更にまた、上記実施の形態においては、本発明を、四角形状の底壁2及び4つの側壁3からなる桝型コンクリート製品1の成形装置Sに適用したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、六角形や八角形等の多角形状の底壁及びこの底壁に立設された側壁からなる桝型コンクリート製品を成形する成形装置にも適用できるとともに、例えば、円形の底壁に円筒状の側壁が立設された桝型コンクリート製品を成形する成形装置にも適用できることは、勿論である。
尚また、本発明は、勾配を設けた桝型コンクリート製品(図12)の成形装置にも適用してよい。この場合には、より確実に脱型を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施の形態に係る桝型コンクリート製品の成形装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る桝型コンクリート製品の成形装置の要部を示す部分斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る桝型コンクリート製品の成形装置の要部を示す別の部分斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る桝型コンクリート製品の成形装置において、底壁型が成形位置に位置決めされた状態を示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る桝型コンクリート製品の成形装置において、底壁型が持ち上げ位置に位置決めされた状態を示す断面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る桝型コンクリート製品の成形装置において、底壁型が上位位置に位置決めされた状態を示す断面図である。
【図7】本発明の別の実施の形態に係る桝型コンクリート製品の成形装置を示し、(a)は成形位置に位置決めされた状態を示す断面図、(b)は持ち上げ位置に位置決めされた状態を示す断面図である。
【図8】本発明のまた別の実施の形態に係る桝型コンクリート製品の成形装置を示し、(a)は成形位置に位置決めされた状態を示す要部断面図、(b)その要部側面図である。
【図9】本発明のまた別の実施の形態に係る桝型コンクリート製品の成形装置を持ち上げ位置に位置決めされた状態で示す要部断面図である。
【図10】本発明のまた別の実施の形態に係る桝型コンクリート製品の成形装置を示し、(a)は成形位置に位置決めされた状態を示す断面図、(b)は持ち上げ位置に位置決めされた状態を示す断面図である。
【図11】本発明のまた別の実施の形態に係る桝型コンクリート製品の成形装置において、移動機構の変形例を示す要部断面図である。
【図12】従来の桝型コンクリート製品の成形装置を示す断面図である。
【図13】従来の桝型コンクリート製品の別の成形装置を示す断面図である。
【符号の説明】
【0055】
S 成形装置
1 桝型コンクリート製品
2 底壁
3 側壁
5 開口端面
10 支持台
11 端面型
11a 移動型
20 外型
21 部分外型
23 ヒンジ
30 内型
31 側壁型
32 底壁型
A 成形位置
B 持ち上げ位置
C 上位位置
33 開放口
34 外周下部
35 支承部
36 ガイド機構
40 移動機構
41 支柱
42 持ち上げリンク機構
43 支持部材
44 揺動竿
45 係止部
46 回動軸
47 原動リンク
48 従動リンク
50 上昇機構
51 上昇リンク機構
52 回動軸
53 原動リンク
54 従動リンク
60 連動機構
63 連結杆
70 移動機構
71 持ち上げリンク機構
72 第一リンク
73 回動軸
75 第二リンク
76 作動竿
77 連動機構
78 連結杆
80 移動機構
81 持ち上げカム機構
82 下面ローラ
85 カム部材
86 支持ローラ
87 連動機構
88 連結杆

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底壁及び該底壁に立設された複数の側壁からなる桝型コンクリート製品を上記底壁を上にして成形する桝型コンクリート製品の成形装置において、
支持台と、該支持台に支持され上記側壁の外側面を成形する外型と、上記支持台に支持され上記底壁の内側面及び側壁の内側面を成形する内型と、上記支持台に支持され上記側壁の開口端面を成形する端面型とを備え、
上記外型を、複数の分割外型に分割し、該各分割外型の全部もしくは一部を成形位置と該成形位置から外側に離間した離間位置との2位置に移動可能にし、
上記内型を、上記側壁を成形する成形面を備え支持台に固定される側壁型と、上記底壁を成形する成形面を備え全部もしくは一部が該底壁を成形する成形位置及び該成形位置から上側に突出して成形された桝型コンクリート製品を持ち上げる持ち上げ位置に移動可能な底壁型とを備えて構成し、上記内型の底壁型を移動させる移動機構を備えたことを特徴とする桝型コンクリート製品の成形装置。
【請求項2】
上記側壁型を上側に開放口を有した筒状に形成し、上記底壁型を上記成形位置において上記側壁型の開放口を塞ぎ該底壁型の成形面が上記側壁型の成形面と連続する形状に形成し、上記側壁型の開放口に上記底壁型の成形位置において該底壁型の外周下部を支承する支承部を形成したことを特徴とする請求項1記載の桝型コンクリート製品の成形装置。
【請求項3】
上記支承部を外側から内側に向けて下方向に傾斜する傾斜面を備えて構成し、上記底壁型の外周下部を上記支承部の傾斜面に接合する傾斜面を備えて構成したことを特徴とする請求項2記載の桝型コンクリート製品の成形装置。
【請求項4】
上記底壁型の移動をガイドするガイド機構を備えたことを特徴とする請求項1,2または3記載の桝型コンクリート製品の成形装置。
【請求項5】
上記ガイド機構を、上記底壁型の内側に垂設される複数のロッドと、上記側壁型の内側に設けられ上記各ロッドが夫々摺動可能に挿通される複数の管体とを備えて構成したことを特徴とする請求項4記載の桝型コンクリート製品の成形装置。
【請求項6】
上記移動機構を、上記底壁型の内側に垂設される支柱と、上記支持台に設けられ上記支柱を上昇させて上記底壁型を上記成形位置から持ち上げ位置に移動させる持ち上げリンク機構とを備えて構成したことを特徴とする請求項4または5記載の桝型コンクリート製品の成形装置。
【請求項7】
上記持ち上げリンク機構を、一端が下動することにより他端が上動し一端が上動することにより他端が下動するように上記支持台に設けられた支持部材に中間が軸支されて揺動可能に設けられ上記他端の上動時に該他端が上記支柱に設けた係止部に係止して上記支柱を上昇させる揺動竿と、上記支持台内部に設けられ外部から回動可能に軸支される回動軸と、該回動軸に固定されて該回動軸と同動する原動リンクと、一端が上記原動リンクに軸支され他端が上記揺動竿の一端に軸支される従動リンクとを備えて構成し、上記回動軸の回動によって上記原動リンク及び従動リンクを伸長させて上記揺動竿の一端を上動させるとともに該原動リンク及び従動リンクを縮小させて上記揺動竿の一端を下動させるようにしたことを特徴とする請求項6記載の桝型コンクリート製品の成形装置。
【請求項8】
上記底壁型を、上記成形位置から上記持ち上げ位置よりも更に上位の上位位置に上昇可能にし、上記内型の底壁型を上記上位位置に上昇させる上昇機構を備えたことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6または7記載の桝型コンクリート製品の成形装置。
【請求項9】
上記上昇機構を、上記底壁型の内側に垂設される支柱と、上記支持台に設けられ上記支柱を上昇させて上記底壁型を上記成形位置から上位位置に移動させる上昇リンク機構とを備えて構成したことを特徴とする請求項8記載の桝型コンクリート製品の成形装置。
【請求項10】
上記上昇リンク機構を、上記支持台内部に設けられ外部から回動可能に軸支される回動軸と、該回動軸に固定されて該回動軸と同動する原動リンクと、一端が上記原動リンクに軸支され他端が上記支柱に軸支される従動リンクとを備えて構成し、上記回動軸の回動によって上記原動リンク及び従動リンクを伸長させて上記支柱を上昇させるとともに該原動リンク及び従動リンクを縮小させて上記支柱を下降させるようにしたことを特徴とする請求項9記載の桝型コンクリート製品の成形装置。
【請求項11】
上記外型が成形位置に移動する際上記底壁型を成形位置に移動させ、上記外型が離間位置に移動する際上記底壁型を持ち上げ位置に移動させるように、該外型の移動に連動して上記移動機構を作動させる連動機構を設けたことを特徴とする請求項1乃至10いずれかに記載の桝型コンクリート製品の成形装置。
【請求項12】
底壁及び該底壁に立設された複数の側壁からなる桝型コンクリート製品を上記底壁を上にして成形する桝型コンクリート製品の成形装置において、
支持台と、該支持台に支持され上記側壁の外側面を成形する外型と、上記支持台に支持され上記底壁の内側面及び側壁の内側面を成形する内型と、上記支持台に支持され上記側壁の開口端面を成形する端面型とを備え、
上記外型を、複数の分割外型に分割し、該各分割外型の全部もしくは一部を成形位置と該成形位置から外側に離間した離間位置との2位置に移動可能にし、
上記端面型の全部もしくは一部を、上記開口端面を成形する成形位置及び該成形位置から上側に突出して成形された桝型コンクリート製品を持ち上げる持ち上げ位置に移動可能にし、該端面型を移動させる移動機構を備えたことを特徴とする桝型コンクリート製品の成形装置。
【請求項13】
上記移動機構を、上記端面型を下側から上昇させて上記成形位置から持ち上げ位置に移動させる持ち上げリンク機構を備えて構成したことを特徴とする請求項12記載の桝型コンクリート製品の成形装置。
【請求項14】
上記持ち上げリンク機構を、上記支持台に回動可能に軸支される第一リンクと、一端が上記第一リンクに回動軸を介して軸支され他端が上記端面型の下面側に軸支される第二リンクと、上記回動軸に連係し該回動軸をその軸方向に直交する方向に移動させることにより上記第一リンク及び第二リンクを伸長させて上記端面型を上昇させるとともに該第一リンク及び第二リンクを縮小させて上記端面型を下動させる作動竿とを備えて構成したことを特徴とする請求項13記載の桝型コンクリート製品の成形装置。
【請求項15】
上記移動機構を、上記端面型を下側から上昇させて上記成形位置から持ち上げ位置に移動させる持ち上げカム機構を備えて構成したことを特徴とする請求項12記載の桝型コンクリート製品の成形装置。
【請求項16】
上記持ち上げカム機構を、上記端面型の下面側に設けられる下面ローラと、該下面ローラの軸線と直交する方向に移動させられ該移動により該下面ローラが転動するとともに上記下面ローラを上昇させる山部及び上記下面ローラを降下させる谷部を有したカム部材と、該カム部材を移動可能に支持する支持ローラとを備えて構成したことを特徴とする請求項15記載の桝型コンクリート製品の成形装置。
【請求項17】
上記外型が成形位置に移動する際上記端面型を成形位置に移動させ、上記外型が離間位置に移動する際上記端面型を持ち上げ位置に移動させるように、該外型の移動に連動して上記移動機構を作動させる連動機構を設けたことを特徴とする請求項12乃至16いずれかに記載の桝型コンクリート製品の成形装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−346895(P2006−346895A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−172711(P2005−172711)
【出願日】平成17年6月13日(2005.6.13)
【出願人】(393027338)株式会社北関東工業 (1)
【出願人】(591059456)マルエス鉄工株式会社 (1)
【Fターム(参考)】