説明

梯子保持構造体

【課題】梯子の転倒、傾きや揺れを防止し、設置が簡易でかつ強度がある梯子保持構造体を提供する。
【解決手段】開け放した窓の半分よりも長い押え板2と押え板2よりも長い受け板1で構成し、受け板1の面に押さえ板2の面を垂直に取り付けた梯子保持構造体を、建屋内部から開け放した窓に受け板1を室内側にして押さえ板2を傾斜して配置し、受け板1に固定された梯子保持金具3を建屋外の梯子6と把持させることで梯子6の傾きや揺れを防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開け放した窓の半分よりも長い押さえ板2の一端4を窓開口部の左下下部に、他端5は窓開口部の右辺に当接、もしくは、図3に図示するように、押さえ板2の面の一端5を窓開口部の右下下部、他端4を窓開口部の左辺に当接させることで、押さえ板2よりも長い受け板1が建屋の室内側の窓枠にかかる。この窓枠にかかった受け板1で、梯子保持金具3で建屋外の梯子6と連結した受け板1が建屋外へ引っ張られる力を受ける構造となり、受け板1で固定された梯子保持金具3の中心から下180度の方向への張力は十分な強度を持ち、梯子6の傾きや揺れを防止する。
【背景技術】
【0002】
屋根の補修や修繕工事など屋根上で作業する場合、屋根上に上がるための手段として梯子6が使われる。しかし、建蔽率の緩和で梯子6の立掛けの安全基準である75度の角度が取れない場合、仮設足場の設置を求められる現場が多い。屋根上での作業がメインであるから、屋根上に上がるための手段として足場の設置はコスト的に不合理である。梯子を固定できれば足場の設置は不要となる。梯子6の上段は仮固定となるが、中段と下段の固定ができれば、梯子6の立掛け角度にこだわらず安全に梯子6を利用できる。
【0003】
特許文献1と特許文献2では、梯子6の上部の仮固定の発明である。
特許文献3は梯子6の下段を固定する発明である。
【0004】
図5に静岡器具商会 説明書の1000 壁つなぎ専用・サッシ用はさみ具を従来品として示す。ここで図示する非特許文献1の「はさみ具」は、壁つなぎを窓枠のサッシ部分を把持して使うものであり梯子の中段を固定することもできる。簡易ではあるが、一箇所で荷重をかけることができないという強度的な問題と、サッシ部分の変形・損傷という問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−353266号公報
【特許文献2】特開2008−69619号公報
【特許文献3】特開2011−102478号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】静岡器具商会 説明書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
梯子の立掛け角度にこだわらずに、安全の梯子を利用するために、梯子6が倒れたり傾いたりするのを防止するための梯子保持金具3を受ける構造体であり、簡易に取付け取外しができて、かつ十分な強度があること。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の構造体を、建屋内部から受け板1を室内側にして、図2に図示するように、開け放した窓に押さえ板2の一端4を窓開口部の左下下部に、他端5は窓開口部の右辺に当接、もしくは、図3に図示するように、押さえ板2の面の一端5を窓開口部の右下下部、他端4を窓開口部の左辺に当接させ、窓枠よりも長い受け板1が窓枠にかかることで、建屋外の梯子6と把持した梯子保持金具3が梯子6の傾きや揺れを防止する。
【発明の効果】
【0009】
建屋内の窓枠を利用するが、窓ガラスを外す必要がなく、窓の左右どちらかでも取り付け可能で、窓の高さに関係なく取付けられ、設置は室内からなので安全であり簡易である。
建屋内から簡易に設置・撤去ができて安全であり、梯子保持金具3の中心から下180度の方向への張力は十分な強度がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】梯子保持構造体の全体図
【図2】建屋内から梯子保持構造体を窓枠の右側にはめ込んだ図
【図3】建屋内から梯子保持構造体を窓枠の左側にはめ込んだ図
【図4】建屋外から見た梯子と梯子保持構造体との連結図
【図5】参考物件のはさみ具
【発明を実施するための形態】
【0011】
屋根上での作業で屋根上に上がる手段として梯子6を利用するときに、梯子6の安全基準である立掛け角度の75度が確保できない現場で、梯子6の中段の固定するために請求項1を使う。
【実施例】
【0012】
受け板1の面にL字型金具6を用いて押さえ板2を垂直に取付ける。受け板1は、中央に梯子保持金具3が挿入できる穴を開けナットで固定する。
【0013】
建屋内部から開け放した窓に、受け板1を室内側に傾斜して配置する。押さえ板2の面の一端4を窓開口部の左下下部、他端5は窓開口部の右辺に、もしくは、押さえ板2の面の一端5を窓開口部の右下下部、他端4を窓開口部の左辺に当接させ構造体を固定し、窓枠よりも長い受け板1が窓枠にかかる。
【0014】
請求項1の受け板1とボルトで固定された梯子保持金具3の他端を梯子6と把持する。なお、受け板1側の壁つなぎ3は、押さえ板2の下側に位置することで、請求項1の構造物が上に移動しないようにする。
梯子6を建屋に立掛ける。梯子6上部は仮固定となるが、下段は、建屋の土台にアンカー等を埋設して従来の壁つなぎで梯子6を固定する。
【0015】
段落0014で固定された梯子6を使い、屋根上に上がり、屋根上に支点を設けて梯子6の上部を本固定する。
【符号の説明】
【0016】
1 受け板
2 押さえ板
3 梯子保持金具
4 押さえ板の右端
5 押さえ板の左端
6 梯子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開け放した窓の半分よりも長い押さえ板2と押さえ板2よりも長い受け板1で構成され、受け板1の面に押さえ板2の面を垂直に取り付けた構造体を、建屋内部から開け放した窓に受け板を室内側にして押さえ板2を傾斜して配置し、受け板1に固定された梯子保持金具3を建屋外の梯子6と把持させることで、梯子6の傾きや揺れを防止することを特徴とする梯子保持構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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