説明

梱包材

【課題】2つの異なる形状の被梱包物の梱包に兼用した場合に、外形が小さな梱包材を得る。
【解決手段】被梱包物が位置する梱包空間Sと、梱包空間Sに面して形成され、第1の姿勢では底面となり第1の姿勢とは向きの異なる第2の姿勢では側面となる第1の保持部11aと、梱包空間Sに面するとともに第1の保持部11aとは異なる形状に形成され、第1の姿勢では側面となり第2の姿勢では底面となる第2の保持部11bとを備える。第1の被梱包物21は、第1の姿勢で梱包されて第1の保持部11a上に置かれて端部が第2の保持部11bで規制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、梱包材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
製品などの被梱包物を梱包箱に収納して運搬する際には、被梱包物を梱包材で梱包することにより、当該被梱包物を衝撃から保護するとともに、動いて破損しないようにしている。
【0003】
したがって、梱包箱内の被梱包物の動きを確実に規制するために、梱包材は特定の形状の被梱包物と対応関係をなして、被梱包物と嵌り合う形状となっている。
【0004】
なお、梱包材に関する技術は、例えば実開平6−49369号公報、特許第3919608号明細書、実開昭59−175062号公報などに記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平6−49369号公報
【特許文献2】特許第3919608号明細書
【特許文献3】実開昭59−175062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、2つの異なる形状の被梱包物の梱包に兼用した場合に、外形を小さくした梱包材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明の梱包材は、隣り合った2方向に開放して形成され、被梱包物が位置する梱包空間と、前記梱包空間に面して形成され、第1の姿勢では底面となり前記第1の姿勢とは向きの異なる第2の姿勢では側面となる第1の保持部と、前記梱包空間に面するとともに前記第1の保持部とは異なる形状に形成され、前記第1の姿勢では側面となり前記第2の姿勢では底面となる第2の保持部とを備え、第1の被梱包物は、前記第1の姿勢で梱包されて前記第1の保持部上に置かれて端部が前記第2の保持部で規制され、前記第1の被梱包物とは形状の異なる第2の被梱包物は、前記第2の姿勢で梱包されて前記第2の保持部上に置かれて端部が前記第1の保持部で規制される、ことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、前記梱包空間は、隣り合った2方向に跨って開放するように形成されている、ことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、上記請求項1または2に記載の発明において、前記第1の保持部および前記第2の保持部は、少なくとも一方が前記第1の被梱包物または前記第2の被梱包物と嵌り合う、ことを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、上記請求項1〜3の何れかに記載の発明において、前記第2の姿勢で前記第2の被梱包物の端部を規制する前記第1の保持部の規制部位の厚みと、前記第1の姿勢で前記第1の被梱包物の端部を規制する前記第2の保持部の規制部位の厚みとは、相互に異なっている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の発明によれば、2つの異なる形状の被梱包物の梱包に兼用した場合に、外形を小さくすることができる。
【0012】
請求項2記載の発明によれば、被梱包物の着脱が容易になる。
【0013】
請求項3記載の発明によれば、梱包材に梱包された被梱包物がより動きにくくなる。
【0014】
請求項4記載の発明によれば、第2の被梱包物を第1の保持部を底面にして梱包したり、第1の被梱包物を第2の保持部を底面にして梱包するという梱包間違いがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施の形態に係る梱包材を用いた梱包形態を示す斜視図である。
【図2】梱包材11の正面図である。
【図3】梱包材11の平面図である。
【図4】梱包材11の底面図である。
【図5】図2のA−A’線に沿った断面図である。
【図6】梱包材11の左側面図である。
【図7】梱包材12の正面図である。
【図8】梱包材12の平面図である。
【図9】梱包材12の底面図である。
【図10】図7のB−B’線に沿った断面図である。
【図11】図7のC−C’線に沿った断面図である。
【図12】梱包材11の第1の姿勢での斜視図である。
【図13】梱包材11の第2の姿勢での斜視図である。
【図14】第1の被梱包物を示す斜視図である。
【図15】第2の被梱包物を示す斜視図である。
【図16】梱包材11において仮想的に第1の被梱包物を保持した状態での正面図である。
【図17】梱包材11において第1の被梱包物を保持した状態での平面図である。
【図18】第1の被梱包物を保持した梱包材11の断面図である。
【図19】梱包材11において仮想的に第2の被梱包物を保持した状態での正面図である。
【図20】梱包材11において第2の被梱包物を保持した状態での平面図である。
【図21】第2の被梱包物を保持した梱包材11の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一例としての実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0017】
図1に示すように、本実施の形態の梱包材10(梱包材11,12)は、梱包箱13に収納して運搬される被梱包物20を梱包するもので、相互に離間して配置されて被梱包物20の両側を保持する一対からなる。梱包材10は、被梱包物20を保持した状態で梱包箱13内の対向した内壁面13aに当たるように配置されることにより梱包箱13内での自由な移動が規制され、被梱包物20を保持している。
【0018】
なお、本実施の形態において、梱包材10は側壁W1および区画壁W2に区画された4つの梱包空間Sが形成されており、それぞれの梱包空間Sに被梱包物20が位置するようになっている。そして、梱包空間Sに面して、第1の保持部11aおよび第2の保持部11bが形成されている。
【0019】
また、梱包材10は上下2段に積層されて梱包箱13にちょうど収まるサイズとなっており、被梱包物20はビニールなどの袋15に包まれて梱包される。
【0020】
一方の梱包材11を図2〜図6に示す。他方の梱包材12を図7〜図11に示す。
【0021】
図2〜図6において、梱包材11には、前述のように、側壁W1および区画壁W2に区画されて第1の保持部11aおよび第2の保持部11bを有する4つの梱包空間Sが形成されている。梱包空間Sは隣り合う2方向に跨って開放するように形成されており、具体的には、図5に示すように、方向D1と方向D2とに跨って(つまり、方向D1と方向D2とが互いに区画されることなく)形成されている。
【0022】
また、図7〜図11において、梱包材12にも、側壁W1および区画壁W2に区画されて第1の保持部11aおよび第2の保持部11bを有する4つの梱包空間Sが形成されている。そして、梱包材11と同様に梱包材12も、梱包空間Sは隣り合う2方向に跨って開放するように形成されており、具体的には、図10および図11に示すように、方向D1と方向D2とに跨って形成されている。
【0023】
このような梱包材11,12は、方向D1を被梱包物の着脱方向(本実施の形態では、上方向)にした第1の姿勢と、方向D2被梱包物の着脱方向(本実施の形態では、上方向)にした第2の姿勢との2つの姿勢で使用される。
【0024】
つまり、梱包材11において説明すると、方向D1を着脱方向にした第1の姿勢では、図12に示すように、第1の保持部11aが底面となり、第2の保持部11bが側面となる。また、方向D2を着脱方向にした第2の姿勢では、図13に示すように、第2の保持部11bが底面となり、第1の保持部11aが側面となる。
【0025】
但し、後述する被梱包物20を梱包材10ごと梱包箱13から出し入れしてもよいので、方向D1と方向D2とは区画されていてもよい。
【0026】
ここで、第1の保持部11aには、図12において、中央よりも向かって右側には溝部11a−1が形成されている。また、第2の保持部11bには、図13において、中央よりも向かって右側には溝部11b−1が形成され、中央よりも向かって左側には、溝部11b−1よりも浅い溝部11b−2が形成されている。つまり、第1の保持部11aの形状と第2の保持部11bの形状が異なっている。
【0027】
さらに、第1の保持部11aの厚み(より正確には、後述するように、第2の姿勢で第2の被梱包物の端部を規制する第1の保持部11aの規制部位の厚み)T1よりも、第2の保持部11bの厚み(より正確には、後述するように、第1の姿勢で第1の被梱包物の端部を規制する第2の保持部11bの規制部位の厚み)T2の方が厚くなっている。
【0028】
なお、梱包材11と同様に梱包材12も、第1の保持部11aの形状と第2の保持部11bの形状が異なっており、第1の保持部11aの厚みT1よりも、第2の保持部11bの厚みT2の方が厚くなっている。
【0029】
但し、梱包材11,12において、第2の保持部11bの厚みT2よりも第1の保持部11aの厚みT1の方が厚くなっていてもよく、両者の厚みが同じであってもよい。
【0030】
次に、このような梱包材10により梱包される被梱包物について説明する。
【0031】
本実施の形態では、被梱包物20の一例として、静電潜像が形成される感光体ドラム30と、感光体ドラム30に形成された静電潜像にトナーなどの現像剤を供給して現像する現像装置31とが一体化された画像形成プロセスユニットが適用される(図14、図15)。この画像形成プロセスユニットは画像形成装置の本体に装着して使用される。
【0032】
ここで、本実施の形態において、被梱包物20である画像形成プロセスユニットは、輸送を伴う一連の加工組み立てプロセスを経て作製される。つまり、1次加工先では、図14に示すように、感光体ドラム30と現像装置31とが組み付けられた1次加工品である第1の被梱包物21が作製される。なお、第1の被梱包物21は、前述した第1の保持部11aの溝部11a−1に対応した突起部位Rを有している。この突出部位Rは、画像形成プロセスユニットにおける廃トナーを排出する排出口とシャッタが設けられた部位である。そして、以上説明した形状をした第1の被梱包物21が2次加工先へ送られる。
【0033】
2次加工先では、第1の被梱包物にクラム(CRUM)と呼ばれる通信タグ32、および感光体ドラム30を覆う遮光紙33という新たな部材が取り付けられた2次加工品である第2の被梱包物22が作製される。
【0034】
本実施の形態では、通信タグ32が端部に取り付けられるために、第2の被梱包物22の全長は第1の被梱包物21の全長よりも長くなっている。そして、このような第2の被梱包物22が最終組み立て先へと送られて画像形成装置本体に装着される。なお、遮光紙33は外部からの光で感光体ドラム30が感光してしまうのを防止するためのもので、第2の被梱包物22が袋15に梱包されて梱包材10に保持されたときには、周囲の形状に合わせて変形する。
【0035】
なお、通信タグ32は、各種のデータを記憶して保持するとともに、データが書き換えられる不揮発性のメモリが内蔵されている。メモリには、通信タグ32が設けられる画像形成プロセスユニットを特定する情報などが予め記憶されており、また、画像形成プロセスユニットの使用状況や寿命等を判定する各種の情報などが記録されるようになっている。
【0036】
次に、以上説明した第1の被梱包物21および第2の被梱包物22の、梱包材10による梱包について説明する。
【0037】
先ず、1次加工先では1次加工品である第1の被梱包物21を作製する。そして、当該第1の被梱包物21を梱包して輸送する場合には、梱包材10を第1の姿勢にする。梱包材10は、第1の姿勢では、梱包空間Sにおいて、方向D1が第1の被梱包物21の着脱方向となる。そして、第1の保持部11aが底面となり、第2の保持部11bが側面となる(図12参照)。
【0038】
第1の姿勢となった梱包材11において、仮想的に第1の被梱包物21を保持した状態での正面図を図16に、第1の被梱包物21を保持した状態の平面図を図17にそれぞれ示す。図17に示すように、第1の姿勢では、梱包空間Sの方向D2で第1の被梱包物21が梱包され、第1の保持部11a上に置かれる。また、第1の被梱包物21の端部が第2の保持部11bに当たっており、したがって、第2の保持部11bにより第1の被梱包物21の端部が規制されている。
【0039】
そして、図18に示すように、第1の姿勢では、第1の被梱包物21の突起部位Rが梱包材11の第1の保持部11aに形成された溝部11a−1に落ち込むことにより、第1の被梱包物21は第1の保持部11aに嵌り合って保持されて第1の被梱包物21がより動きにくくなる。なお、本願において「嵌り合う」とは、両者(例えば、第1の被梱包物21の突起部位Rと第1の保持部11aの溝部11a−1)が厳密に凹凸で嵌り合っている必要はなく、隙間が形成される程度で足りる。
【0040】
梱包材12においては、第1の姿勢において底面で第1の被梱包物21の上下方向の位置決めをするとともに、側面で端部を規制している(図示省略)。
【0041】
したがって、第1の被梱包物21はこの状態で梱包材10に梱包されて梱包箱13に詰め込まれ、2次加工先に輸送される。
【0042】
第1の被梱包物21を受け取った2次加工先では、梱包箱13を開封して梱包材10から第1の被梱包物21を取り出す。そして、前述した通信タグ32および遮光紙33を取り付け、2次加工品である第2の被梱包物22を作製する。そして、第2の被梱包物22を梱包して次の加工先に輸送する場合には、1次加工先から送られた梱包材10を、第1の姿勢とは向きの異なった第2の姿勢にして使用する。
【0043】
梱包材10は、第2の姿勢では、梱包空間Sにおいて、方向D2が第2の被梱包物22の着脱方向となる。そして、第2の保持部11bが底面となり、第1の保持部11aが側面となる(図13参照)。
【0044】
このように、第2の姿勢では、第1の姿勢のときに第1の被梱包物21の端部を規制していた第2の保持部11bが底面となり、第1の姿勢のときに第1の被梱包物21を保持していた第1の保持部11aが第2の被梱包物22の端部を規制する。また、第1の姿勢では、この関係が逆になる。したがって、第1の被梱包物21は第2の保持部11bに沿って取り出され、一方、第2の被梱包物22は第1の保持部11aに沿って取り出されることになる。
【0045】
第2の姿勢となった梱包材11において、仮想的に第2の被梱包物22を保持した状態での正面図を図19に、第2の被梱包物22を保持した状態の平面図を図20にそれぞれ示す。図20に示すように、第2の姿勢では、梱包空間Sの方向D1で第2の被梱包物22が梱包され、第2の保持部11b上に置かれる。また、第2の被梱包物22の端部(の通信タグ32の突出部分)が第1の保持部11aの溝部11a−1と嵌り合っており、したがって、第1の保持部11aにより第2の被梱包物22の端部が規制されている。
【0046】
そして、図21に示すように、第2の姿勢では、第2の被梱包物22の底部に位置する2本の突起34が梱包材11の第2の保持部11bに載って上下方向の位置決めがされる。
【0047】
なお、梱包材12においては、第2の姿勢において底面で第2の被梱包物22の上下方向の位置決めをするとともに、側面で端部を規制している(図示省略)。
【0048】
したがって、第2の被梱包物22はこの状態で梱包材10に梱包されて梱包箱13に詰め込まれ、次の加工先に輸送される。
【0049】
なお、本実施の形態の梱包材10では、前述のように、第2の姿勢で第2の被梱包物22の端部を規制する第1の保持部11aの規制部位の厚みT1よりも、第1の姿勢で第1の被梱包物21の端部を規制する第2の保持部11bの規制部位の厚みT2の方が厚くなっている。よって、第1の保持部11aで梱包する際の有効長と、第2の保持部11bで梱包する際の有効長とが異なっている(後者の有効長の方が長くなっている)。
【0050】
一方、第2の被梱包物22の全長は、通信タグ32が取り付けられている分だけ第1の被梱包物21の全長よりも長くなっている。そして、第1の被梱包物21の全長が第1の保持部11aで梱包する際の有効長に対応し、第2の被梱包物22の全長が第2の保持部11bで梱包する際の有効長に対応している。
【0051】
したがって、第2の被梱包物22を第1の保持部11aを底面にして梱包したり、第1の被梱包物21を第2の保持部11bを底面にして梱包するといった梱包間違いがなくなる。
【0052】
このように、本実施の形態の梱包材10によれば、第1の被梱包物21と第2の被梱包物22との梱包空間Sが共通になっている。そして、第1の姿勢では、梱包空間Sの方向D2で、第1の保持部11aが底面となって第1の被梱包物21が梱包される。また、第1の姿勢と向きの異なった第2の姿勢では、梱包空間Sの方向D1で、第2の保持部11bが底面となって第2の被梱包物22が梱包される。
【0053】
したがって、本実施の形態の梱包材は、2つの異なる形状の被梱包物の梱包に兼用した場合に、外形が小さくなる。
【0054】
そして、本実施の形態によれば、前述のように、輸送を伴う一連の加工組み立てプロセスで、共通の梱包材10が使用される。具体的には、梱包材10を第1の姿勢にして第1の被梱包物21を梱包して1次加工先から2次加工先へと輸送し、2次加工先では、第1の被梱包物21に新たな部材を付加して第2の被梱包物22を作製し、同じ梱包材10を第2の姿勢にして当該第2の被梱包物22を梱包して輸送する。よって、梱包作業での作業不具合が抑制される。
【0055】
ここで、第1の被梱包物21と第2の被梱包物22とは形状が異なっていればよい。つまり、両者が互いに別異の被梱包物であってもよく、上述のように第2の被梱包物が第1の被梱包物に対して新たな部材が付加されたものであってもよい。そして、第1の被梱包物21と第2の被梱包物22と別異で形状が異なっていても、共通の梱包材10が使用される。具体的には、梱包材10を第1の姿勢にして第1の被梱包物が梱包され、梱包材10を第2の姿勢にして、第1の被梱包物とは別異の第2の被梱包物が梱包される。
【0056】
このようなことから、梱包材10自体の費用、梱包材10の管理費用、および梱包材10の金型費用が抑制される。
【0057】
また、梱包空間Sは互いに隣り合った2方向に跨って開放されているため、第1の被梱包物21および第2の被梱包物22が保持されたときには、梱包空間の何れかの方向が着脱方向となる。これにより、被梱包物20の着脱が容易になる。
【0058】
さらに、第1の保持部11aは、第2の姿勢で第2の被梱包物22の端部を規制し、第2の保持部11bは、第1の姿勢では第1の被梱包物21の端部を規制している。したがって、被梱包物20は、重力方向で上下方向が位置決めされるのに加えて端部で動きが規制されるので、梱包材10に梱包された際により動きにくくなる。
【0059】
そして、第1の保持部11aの厚みT1よりも第2の保持部11bの厚みT2の方が厚くなって、第1の保持部11aで梱包する際の有効長と、第2の保持部11bで梱包する際の有効長とが異なっている。したがって、第2の被梱包物22を第1の保持部11aにして梱包したり、第1の被梱包物21を第2の保持部11bにして梱包したりといった梱包間違いがなくなる。
【0060】
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって、開示された技術に限定されるものではないと考えるべきである。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈されるべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲の要旨を逸脱しない限りにおけるすべての変更が含まれる。
【0061】
例えば、以上の説明では、第1の姿勢のときに底面となった第1の保持部11aが第1の被梱包物21と嵌り合い、第2の姿勢のときに側面となった第1の保持部11aが第2の被梱包物21と嵌り合っているが、底面となった部位(第1の姿勢のときの第1の保持部11a、第2の姿勢のときの第2の保持部11b)あるいは側面となった部位(第1の姿勢のときの第2の保持部11b、第2の姿勢のときの第1の保持部11a)の少なくとも何れかの部位が第1の被梱包物21または前記第2の被梱包物22と嵌り合っていればよい。
【0062】
また、梱包材10と被梱包物20とは必ずしも嵌り合っている必要はなく、被梱包物20が梱包材10の底面に置かれて側面で規制されるようになっていれば足りる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
以上では、本発明の梱包材で画像形成装置の画像形成プロセスユニットを梱包する場合が示されているが、被梱包物はこれに限定されるものではなく、梱包材で梱包される様々な部材が適用される。
【符号の説明】
【0064】
10,11,12 梱包材
11a 保持部
11a−1 溝部
11b 保持部
11b−1,11b−2 溝部
13 梱包箱
13a 内壁面
15 袋
20 被梱包物
21 第1の被梱包物
22 第2の被梱包物
30 感光体ドラム
31 現像装置
32 通信タグ
33 遮光紙
34 突起
D1 方向
D2 方向
R 突起部位
S 梱包空間
T1 厚み
T2 厚み
W1 側壁
W2 区画壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣り合った2方向に開放して形成され、被梱包物が位置する梱包空間と、
前記梱包空間に面して形成され、第1の姿勢では底面となり前記第1の姿勢とは向きの異なる第2の姿勢では側面となる第1の保持部と、
前記梱包空間に面するとともに前記第1の保持部とは異なる形状に形成され、前記第1の姿勢では側面となり前記第2の姿勢では底面となる第2の保持部とを備え、
第1の被梱包物は、前記第1の姿勢で梱包されて前記第1の保持部上に置かれて端部が前記第2の保持部で規制され、
前記第1の被梱包物とは形状の異なる第2の被梱包物は、前記第2の姿勢で梱包されて前記第2の保持部上に置かれて端部が前記第1の保持部で規制される、
ことを特徴とする梱包材。
【請求項2】
前記梱包空間は、隣り合った2方向に跨って開放するように形成されている、
ことを特徴とする請求項1記載の梱包材。
【請求項3】
前記第1の保持部および前記第2の保持部は、少なくとも一方が前記第1の被梱包物または前記第2の被梱包物と嵌り合う、
ことを特徴とする請求項1または2記載の梱包材。
【請求項4】
前記第2の姿勢で前記第2の被梱包物の端部を規制する前記第1の保持部の規制部位の厚みと、前記第1の姿勢で前記第1の被梱包物の端部を規制する前記第2の保持部の規制部位の厚みとは、相互に異なっている、
ことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の梱包材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2011−63293(P2011−63293A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−215656(P2009−215656)
【出願日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】