説明

梱包材

【課題】被梱包部品に対してダメージを与えることなく、且つ収納効率を高めた梱包を行うことができ、しかも梱包時の手間と時間の低減を図ることができる。
【解決手段】上面側には少なくとも筒体21の一部を収容する複数の収容部11、および下面側には上面側の収容部11に対応する位置に下方に突出する下向き凸部12が設けられ、複数の収容部11は、隣り合う輪状部品2の円形部分22同士が平面視でオーバーラップした状態で、かつ隣り合う輪状部品2の円形部分22が非接触状態を保つ位置に形成され、輪状部品2は、収容部11に収容されるとともに上段に設けられた下向き凸部12によって保持される構成の梱包材1を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用のハンドル等の輪状部品を効率よく収納する梱包材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車用のハンドル等の輪状部品は、部品内部の空間が大きく、包装スペースの点で非常に無駄が生じ易く、包装し難い部品とされている。このような中央に突出したハブ部等を有するハンドルの場合には、縦置きに配列して梱包されているのが一般的である。
ところが、縦置きによる梱包の場合、輪状部品どうしが接触しないように梱包するためには、梱包作業時の部品間に大きな隙間をもたせる必要があり、収納効率が低下することから、隣り合う輪状部品のハンドル部分を平面視でオーバーラップさせて平置きに収納することで、収納効率を向上させたものが、例えば特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1には、全体が合成樹脂の発泡からなり、細長形状をなす複数本の緩衝包装材(梱包材)を外装ケースをなすコンテナ内に間隔を空けて平行に配置し、ハンドル等の輪状部品の弧状リム部(ハンドル本体)を左右の緩衝包装材内に収納させるものであって、隣り合う一方の弧状リム部が他方の弧状リム部に重なるようにして支持させることで、単位面積当たりに配置される部品数を増やし、収納効率を高めることを可能とした構成の緩衝包装材について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公昭62−31430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来行われているハンドル等の輪状部品の梱包では、以下のような問題があった。
すなわち、縦置きに梱包する場合、外周の円形部分で部品の自重を支えるために、支持部に凹みが生じる等、少なからず部品にダメージを与えてしまうという問題があった。しかも、輪状部品の円形部分で受けるダメージを減少させるために、部品ごとに袋詰めを行う作業が発生し、梱包にかかる手間と時間を要していた。
【0006】
また、平置きの梱包となる特許文献1においても、収納の効率を考慮してハンドル本体どうしを重ねた状態で収納すると、そのハンドル本体でそれぞれの部品の荷重を負担することになり、車体取付け時に表面に露出される外周部分(ハンドル本体)に傷等のダメージが生じるため、多数の部品を積み重ねて梱包する段積みが難しくなっていた。
そのため、輪状部品へのダメージを与えないことと、収納効率の向上とをバランス良く達成できる梱包材が求められており、その点で改良の余地があった。
【0007】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、被梱包部品に対してダメージを与えることなく、且つ収納効率を高めた梱包を行うことができ、しかも梱包時の手間と時間の低減を図ることができる梱包材を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る梱包材では、軸体と軸体の一端部において連結体を介して連結され、軸体を囲むように軸方向に直交する方向に張り出された張出部分を有する複数の被梱包部品が、軸方向を上下方向に向けた姿勢で平置きに梱包されて、上下方向に段積みされる板状の梱包材であって、上面側には少なくとも軸体の一部を収容する複数の収容部、および下面側には上面側の収容部に対応する位置に下方に突出する下向き凸部が設けられ、複数の収容部は、隣り合う被梱包部品の張出部同士が平面視でオーバーラップした状態で、かつ隣り合う被梱包部品の張出部が非接触状態を保つ位置に形成され、被梱包部品は、収容部に収容されるとともに上段に設けられた下向き凸部によって保持されることを特徴としている。
【0009】
本発明では、複数の収容部のそれぞれに収容された隣り合う被梱包部品は、張出部同士が平面視でオーバーラップした状態で、かつそれぞれ張出部が非接触状態を保つ位置となり、互いに接触することなく収容することができる。そして、段積みされた上段側の梱包材の下向き凸部で下段側の梱包材に収容されている被梱包部品の軸体を支持するので、上段側の被梱包部品を収容した梱包材の荷重を下段側の被梱包部品の軸体で負担することとなり、軸体を囲むように軸方向に直交する方向に張り出された張出部分にダメージを与えることなく梱包することができる。そのため、例えば被梱包部品が自動車のハンドル等である場合に、車体取り付け時に外周部分のハンドル本体(張出部)が表面に露出するような輪状部品であっても、そのハンドル本体に上段側のハンドルの荷重をかけることなく、ダメージを与えずに優れた梱包を行うことができる。
また、平置きで、且つ隣り合う張出部同士をオーバーラップさせて収納することができるので、収納効率を高めることができ、被梱包部品の収容数量を増やすことが可能となる。
【0010】
また、本発明に係る梱包材では、張出部は、同一円周上に連続的または部分的に構成されており、被梱包部品が収容される収容部は、収容部に収容された隣接する被梱包部品の張出部の中心間距離が張出部により形成される円の直径よりも短くなる位置に、かつ互いに上下方向にずらせた位置に形成されていることが好ましい。
この場合、被梱包部品の張出部を平面視でオーバーラップさせた状態において、張出部同士の上下方向の高さが異なる位置となって互いに段差ができることから、双方が接触することなく収容することができる。
【0011】
また、本発明に係る梱包材では、軸体は一端部が開口し、他端部が閉鎖された有底の筒状体であって、下向き凸部が筒状内部に嵌め込まれていることが好ましい。
このような特徴により、下段側の被梱包部品の軸体をなす筒状体の内部に、上段側の梱包材の下向き凸部が嵌合しているので、双方間に水平方向のずれが生じることがなく、安定した姿勢を維持することができる。
【0012】
また、本発明に係る梱包材では、下向き凸部の下面は、軸体の上面の凹凸形状に沿った形状であることが好ましい。
本発明では、下向き凸部の下面と被梱包部品の軸体の上面とが隙間無く全面にわたって確実に当接するので、段積みされた上段側の梱包材にかかる荷重を下向き凸部を介して下段側の梱包材に収容された被梱包部品の軸体の上面で確実に負担することができる。
【0013】
また、本発明に係る梱包材では、収容部は、軸体の底面を嵌合するための凹陥部が形成されていることが好ましい。
この場合、被梱包部品の軸体の底面が収容部の凹陥部に嵌合した状態で収容されるので、横方向のずれが防止され、被梱包部品の保持状態が安定するので、搬送時に被梱包部品の位置がずれて梱包材の周囲の部位に接触することがなくなり、より確実な梱包を実現することができる。
また、凹陥部の上面と被梱包部品の底面とが全面で当接するので、段積みされた上段側の梱包材の荷重を下向き凸部を介して下段側の凹陥部に収容された被梱包部品の軸体の上面で受けたときに、その被梱包部品の底面から下段側の梱包材へ前記荷重を伝達することができる。
【0014】
また、本発明に係る梱包材では、複数の下向き凸部間には支柱部がさらに設けられ、梱包材が積み重ねられると、支柱部によって梱包材が支持されることが好ましい。
本発明では、段積みされた上下の梱包材同士間が支柱部によって互いに支持されているので、上段側の梱包材の荷重を支持部を介して下段側の梱包材へ伝達することができる。そのため、上述したような上段側の下向き凸部と下段側の梱包材に収容された被梱包部品の軸体との間での荷重の負担を小さくすることができ、被梱包部品のダメージをさらに低減することが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の梱包材によれば、被梱包部品の軸体で段積みされる梱包材同士を支持することで、被梱包部品の張出部に対してダメージを与えることなく、且つ収納効率を高めた梱包を行うことができる。さらに、従来、縦置きで梱包する場合のように個々の被梱包部品に対する袋詰め作業がなくなるので、梱包時の手間と時間の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態による梱包材を複数段積み重ねた状態の全体構成を示す側面図である。
【図2】梱包材に輪状部品を収容した状態を上から見た図である。
【図3】梱包材を上側から見た平面図である。
【図4】梱包材を下側から見た平面図である。
【図5】梱包材の構成を示す側面図である。
【図6】図5に示す梱包材に輪状部品を収容させた状態を示す側面図である。
【図7】梱包材の下側の構成を示す部分斜視図である。
【図8】梱包材の上側の構成を示す部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態による梱包材について、図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施の形態による梱包材1は、全体として平面視で略四角形をなし、複数の輪状部品2、2、…(被梱包部品)を収納して上下方向に複数段(図では8段)に段積みされた状態で図1に示す箱状のコンテナに組み付けて輸送される。つまり、図2に示すように、梱包材1は、複数の輪状部品2、2、…(2A〜2I)がそれぞれの中心軸方向を上下方向に向けた平置きの姿勢で収容され、さらに上下方向に段積み可能な構成となっている。
ここで、図1に示す梱包材1は略平板形状をなし、この梱包材1を水平姿勢に配置した状態で板面に対する法線方向を上下方向という。
【0018】
図2に示すように、輪状部品2は、他端部が閉鎖された略有底筒状をなす筒体21(軸体)と、筒体21の開口縁21a(一端部)において連結体23を介して連結され、筒体21を囲むように軸方向に直交する方向に張り出された円形部分22(張出部分)と、を有している。筒体21は、その深さ方向(中心軸方向)で底面側に向けて外径寸法が小さくなっている。円形部分22は、同一円周上に連続的に構成されている。連結体23は、円形部分22と筒体21との間で周方向に適宜な間隔をもって配置されている。なお、本実施の形態では、輪状部品2として自動車用のハンドルを一例としている。
【0019】
梱包材1の素材としては、型内発泡成形された熱可塑性樹脂の発泡成形体であることが好ましい。熱可塑性樹脂には、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂)、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、ポリカーボネート系樹脂、ポリ乳酸系樹脂などが挙げられる。なかでも、ポリエスチレンとポリエチレンとを含む複合樹脂を用いることが好ましい。梱包材1は、ポリスチレンとポリエチレンとを含む複合樹脂を、発泡倍率が20倍で、型内発泡成形されたものである。
【0020】
図2及び図3に示すように、梱包材1は、平面視で縦横に3列ずつで合計9個の輪状部品2(2A、2B・・・2I)を上面側で保持可能な複数の収容部11(11A、11B、…11I)を有している。これら複数の収容部11は、隣り合う輪状部品2の円形部分22同士が平面視でオーバーラップした状態で、かつ隣り合う輪状部品2の円形部分22が非接触状態を保つ位置に形成され、輪状部品2の底部2aに合わせて一段下がった凹陥部11aを形成している(図5参照)。なお、凹陥部11aは、輪状部品2の底面の凹凸形状に一致する形状に形成されている(図7参照)。
【0021】
図5及び図6に示すように、収容部11は、収容された隣接する輪状部品2の円形部分22の中心間距離D1が円形部分22により形成される円の直径D2よりも短くなる位置に輪状部品2が収容されるように、互いに上下方向にずらせた位置に形成されている。つまり、梱包材1に設けられる複数の収容部11どうしは、それぞれ凹陥部11aの高さが交互にずれている。そのため、図3に示す上面視において、複数に配列される収容部11、11、…のうち中央及び四隅に位置する収容部11の凹陥部11aが他の位置の収容部11(中央及び四隅以外の収容部)の凹陥部11aよりも低い位置に形成されている。なお、以下の説明にでは、必要に応じて、中央及び四隅に位置する収容部11を下側収容部11A、11B、11C、11D、11Eとし、それ以外の収容部11を上側収容部11F、11G、11H、11Iとして区別して用いる。
【0022】
図4乃至図6に示すように、梱包材1の下面側には、上述した各収容部11と平面視で同位置において、下方に向けて膨出する下向き凸部12が設けられている(図8参照)。この下向き凸部12は、輪状部品2の筒体21の内側に挿入可能とされ、その下面12aが筒体21の底面21bに当接するようになっている。なお、下向き凸部12における下面12aは、筒体21の底面21bの凹凸形状に一致する形状に形成されている。つまり、梱包材1を上下方向に重ね合わせた状態で、上側に配される一方の梱包材1の下向き凸部12で下側に配される他方の梱包材1に収容された輪状部品2の筒体21の底面21b(中央上面)を支持する構成となっている。
【0023】
また、下向き凸部12の周囲には、輪状部品2を収容した梱包材1を上下方向に重ねた状態で、下方の梱包材1に収容される輪状部品2の円形部分22を非接触で配置する収容空間13が設けられている。
【0024】
図1及び図5に示すように、梱包材1の外周縁部には、上下それぞれの方向に突出する上周壁部14と下周壁部15とが設けられている。なお、図1に示すように、本実施の形態では梱包材1、1どうしを上下方向に重ね合わせた状態で、下方の梱包材1の上周壁部14と上方の梱包材1の下周壁部15とが当接しているが、当接させずに隙間を有する状態であっても良い。
【0025】
このように構成される梱包材1では、図1及び図2に示すように、各収容部11に載置された隣り合う輪状部品2の円形部分22どうしが平面視でオーバーラップした状態で、且つ上下方向に非接触状態で収容されている。例えば図2及び図3において、中央に位置する下側収容部11Aに収容される輪状部品2Aの円形部分22には、その縦横方向に隣接する上側収容部11F、11G、11H、11Iに収容される4つの輪状部品2F、2G、2H、2Iの円形部分22がオーバーラップしている。また、四隅の1つに位置する下側収容部11Bに収容される輪状部品2Bの円形部分22には、その縦横方向に隣接する上側収容部11F、11Gに収容される2つの輪状部品2F、2Gの円形部分22がオーバーラップしている。
【0026】
また、図8に示すように、複数の下向き凸部12、12同士の間には、板下面から下方に向けて突出する支柱部16が設けられている。この支柱部16は、梱包材1を上下方向に段積みした状態で、上段側の梱包材1の支柱部16を下段側の梱包材1の上面で支持するとともに、収容される輪状部品2には接触しない位置に設けられた構成となっている。
【0027】
次に、上述した構成の梱包材1の作用について、図面に基づいて詳細に説明する。
図3乃至図6に示すように、梱包材1では、複数の収容部11のそれぞれに収容された隣り合う輪状部品2は、円形部分22同士が平面視でオーバーラップした状態で、かつそれぞれ円形部分22が非接触状態を保つ位置となり、互いに接触することなく収容することができる。
つまり、複数の収容部11の凹陥部11aどうしが上下方向に交互にずれた位置に設けられ、下側収容部11A〜11Eと上側収容部11F〜11Iとが縦横方向に交互に配列されているので、それらに収容された隣り合う輪状部品2A〜2Iの円形部分22を平面視でオーバーラップさせた状態でも、円形部分22どうしの上下方向の高さが異なる位置となって互いに段差ができることから、双方が接触することなく収容することができる。
【0028】
そして、段積みされた上段側の梱包材1の下向き凸部12で下段側の梱包材1に収容されている輪状部品2の筒体21を支持するので、上段側の輪状部品2を収容した梱包材1の荷重を下段側の輪状部品2の筒体21で負担することとなり、筒体21を囲むように軸方向に直交する方向に張り出された円形部分22にダメージを与えることなく梱包することができる。
【0029】
そのため、例えば輪状部品2が自動車のハンドル等である場合に、車体取り付け時に外周部分のハンドル本体(円形部分22)が表面に露出するような輪状部品2であっても、そのハンドル本体に上段側のハンドルの荷重をかけることなく、ダメージを与えずに優れた梱包を行うことができる。
また、平置きで、且つ隣り合う円形部分22同士をオーバーラップさせて収納することができるので、収納効率を高めることができ、輪状部品2の収容数量を増やすことが可能となる。
【0030】
また、輪状部品2の筒体22は上側が開口し、底側が閉鎖された有底の筒状体であって、下段側の輪状部品2の筒体21の内部に、上段側の梱包材1の下向き凸部12が嵌合しているので、双方間に水平方向のずれが生じることがなく、安定した姿勢を維持することができる。
【0031】
さらに、下向き凸部12の下面は、筒体21の上面の凹凸形状に沿った形状であり、下向き凸部12の下面と筒体21の上面とが隙間無く全面にわたって確実に当接するので、段積みされた上段側の梱包材1にかかる荷重を下向き凸部12を介して下段側の梱包材1に収容された輪状部品2の筒体21の上面で確実に負担することができる。
【0032】
さらにまた、輪状部品2の筒体21の底面が収容部11の凹陥部11aに嵌合した状態で収容されるので、横方向のずれが防止され、輪状部品2の保持状態が安定するので、搬送時に輪状部品2の位置がずれて梱包材1の周囲の部位に接触することがなくなり、より確実な梱包を実現することができる。
また、凹陥部11aの上面と輪状部品2の底面とが全面で当接するので、段積みされた上段側の梱包材1の荷重を下向き凸部12を介して下段側の凹陥部11aに収容された輪状部品2の筒体21の上面で受けたときに、その輪状部品2の底面から下段側の梱包材1へ前記荷重を伝達することができる。
【0033】
また、段積みされた上下の梱包材1、1同士間が支柱部16によって互いに支持されているので、上段側の梱包材1の荷重を支持部16を介して下段側の梱包材1へ伝達することができる。そのため、上述したような上段側の下向き凸部12と下段側の梱包材1に収容された輪状部品2の筒体21との間での荷重の負担を小さくすることができ、輪状部品2のダメージをさらに低減することが可能となる。
【0034】
上述のように本実施の形態による梱包材では、輪状部品2の筒体21で段積みされる梱包材1同士を支持することで、輪状部品2の円形部分22に対してダメージを与えることなく、且つ収納効率を高めた梱包を行うことができる。さらに、従来、縦置きで梱包する場合のように個々の輪状部品2に対する袋詰め作業がなくなるので、梱包時の手間と時間の低減を図ることができる。
【0035】
以上、本発明による梱包材の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施の形態では自動車のハンドルを収納部品の対象としているが、このような部品に限定されることはない。要は、軸体と軸体の一端部において連結体を介して連結され、軸体を囲むように軸方向に直交する方向に張り出された張出部分を有する被梱包部品であれば良いのである。
また、梱包材1において、収容部11、下向き凸部12の形状、寸法等の構成は、収納する部品2の形状、寸法に応じて適宜変更可能である。
【0036】
さらに、本実施の形態では梱包材1に9個の部材2が収容される構成となっているが、収容数量も任意に設定することができる。
さらにまた、本実施の形態では支柱部16にも上下に積み重ねた上方の梱包材1の荷重を負担させる構成としているが、この支柱部16は省略することも可能であり、この場合、下向き凸部12のみで前記荷重を負担することになる。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
【符号の説明】
【0037】
1 梱包材
2、2A〜2I 輪状部品(被梱包部品)
11 収容部
11A〜11E 下側収容部
11F〜11I 上側収容部
11a 凹陥部
12 下向き凸部
13 収容空間
14 上周壁部
15 下周壁部
16 支柱部
21 筒体(軸体)
21b 底面
22 円形部分(張出部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸体と該軸体の一端部において連結体を介して連結され、軸体を囲むように軸方向に直交する方向に張り出された張出部分を有する複数の被梱包部品が、前記軸方向を上下方向に向けた姿勢で平置きに梱包されて、上下方向に段積みされる板状の梱包材であって、
上面側には少なくとも軸体の一部を収容する複数の収容部、および
下面側には上面側の収容部に対応する位置に下方に突出する下向き凸部が設けられ、
該複数の収容部は、隣り合う被梱包部品の張出部同士が平面視でオーバーラップした状態で、かつ隣り合う被梱包部品の張出部が非接触状態を保つ位置に形成され、
被梱包部品は、該収容部に収容されるとともに上段に設けられた下向き凸部によって保持されることを特徴とする梱包材。
【請求項2】
前記張出部は、同一円周上に連続的または部分的に構成されており、
被梱包部品が収容される前記収容部は、該収容部に収容された隣接する被梱包部品の張出部の中心間距離が該張出部により形成される円の直径よりも短くなる位置に、かつ互いに上下方向にずらせた位置に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の梱包材。
【請求項3】
前記軸体は一端部が開口し、他端部が閉鎖された有底の筒状体であって、前記下向き凸部が該筒状内部に嵌め込まれていることを特徴とする請求項1又は2に記載の梱包材。
【請求項4】
前記下向き凸部の下面は、前記軸体の上面の凹凸形状に沿った形状であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の梱包材。
【請求項5】
前記収容部は、前記軸体の底面を嵌合するための凹陥部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の梱包材。
【請求項6】
前記複数の下向き凸部間には支柱部がさらに設けられ、梱包材が積み重ねられると、該支柱部によって梱包材が支持されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の梱包材。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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