説明

棒状化粧料カートリッジ

【課題】繰り出し機能を損なわず品質を高める。
【解決手段】外筒10は、内筒11の突部11eを相対回転可能且つ軸線方向移動可能に収容し、且つ、外筒10内に、内筒11の突部11eのそれ以上後側への移動を阻止する段部10kを設け、且つ、外筒10内に、内筒11の前進を妨げる付勢力を有する付勢手段16を設ける。これらにより、内筒11の後側への離脱及び前側への移動を阻止し後側から回転力を確実に付与可能とする。また、内筒11内の雌螺子11cに、化粧料Mを支持する螺子棒14の雄螺子14fが螺合する構成とする。従って、筒10,11の相対回転により螺子棒14が円滑に進退し、一方カートリッジ1を装着した容器に衝撃が作用すると、内筒11が螺子棒14を伴い付勢手段16に抗し前進し緩衝作用により衝撃を吸収し化粧料Mの抜け出し・折損を防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棒状化粧料をカートリッジから出没可能とする棒状化粧料カートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、棒状化粧料を繰り出す棒状化粧料カートリッジを、円筒形状の容器であるペンシル筒の一方端側に装着し、他方端側には、例えば、別の棒状化粧料カートリッジ、又は、塗布具等を装着し、用途の多様化を図るようにした棒状化粧料繰出容器が知られている(例えば、特許文献1参照)。この棒状化粧料繰出容器を構成する棒状化粧料カートリッジは、棒状化粧料の後端部をその先端部に保持すると共にその後端部に雄螺子としての突起部を備える芯チャック軸と、その内部に芯チャック軸の突起部が螺合する螺旋溝を備える螺旋筒と、その前側に芯チャック軸を回転不能且つ軸線方向に摺動可能に収容すると共に、その後側に螺旋筒を回転可能且つ軸線方向移動不能に収容するカートリッジ筒と、を備える構成とされ、この棒状化粧料カートリッジはペンシル筒に対して回転可能且つ着脱可能(若しくは離脱不能)に装着され、この装着により、ペンシル筒内の軸線方向の略中央部に設けられ棒状化粧料カートリッジ側へ突出する係合部の山部が、螺旋筒の後端部に設けられた弾性突起に回転方向に係合し、螺旋筒は、ペンシル筒に回転不能に連結されてその後側からペンシル筒の回転力が付与される構成とされ、ペンシル筒とカートリッジ筒とが相対回転されると、螺旋筒とカートリッジ筒が相対回転し、芯チャック軸及びカートリッジ筒により構成された回り止め機構、芯チャック軸の突起部及び螺旋筒の螺旋溝により構成された螺合機構により、芯チャック軸が進退し棒状化粧料がカートリッジ筒の先端から出没する構成とされている。
【特許文献1】実登3030037号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、近年にあっては、上記棒状化粧料カートリッジに対してさらなる高品質化の要求があり、例えば棒状化粧料繰出容器を落として衝撃や振動が作用しても、棒状化粧料の抜け出しや折損が防止される機構の採用が求められている。
【0004】
本発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、その繰り出し機能を従前に比して損なうこと無く、衝撃や振動の作用による棒状化粧料の抜け出しや折損を防止し品質を高めた棒状化粧料カートリッジを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による棒状化粧料カートリッジは、棒状化粧料の後端部を支持し外部に雄螺子を備える螺子棒と、その内部に雄螺子が螺合する雌螺子を備えると共に後側から回転力が付与可能とされた内筒と、その前側に螺子棒を回転不能且つ軸線方向に摺動可能に収容すると共に、その後側に内筒を収容する外筒と、を備え、外筒と内筒とが相対回転されると棒状化粧料が進退し外筒の先端から出没する棒状化粧料カートリッジであって、内筒は、その外周面に、外側に向かって突出する突部を有し、外筒は、内筒の突部を相対回転可能且つ軸線方向移動可能に収容し、外筒内には、内側に突出して内筒の突部がそれ以上後側へ移動するのを阻止する段部と、内筒の前進を妨げる付勢力を有する付勢手段と、が設けられていることを特徴としている。
【0006】
このような棒状化粧料カートリッジによれば、外筒には、内筒の突部が相対回転可能且つ軸線方向移動可能に収容され、且つ、外筒内には、内側に突出する外筒の段部が、内筒の突部のそれ以上後側への移動を阻止するものとして設けられ、且つ、外筒内には、内筒の前進を妨げる付勢力を有する付勢手段が設けられている。これらにより、内筒の後側への離脱が防止されると共に前側への移動が阻止されて内筒には後側から回転力が確実に付与可能とされている。また、内筒の内部の雌螺子に、棒状化粧料の後端部を支持し外部に雄螺子を備える螺子棒のその雄螺子が螺合する構成とされている。従って、外筒と内筒が相対回転されると、外筒の前側の内部及び螺子棒により構成された回り止め機構、螺子棒の雄螺子及び内筒の雌螺子により構成された螺合機構により、螺子棒が円滑に進退し棒状化粧料が外筒の先端から良好に出没する一方で、棒状化粧料カートリッジを装着した棒状化粧料繰出容器に衝撃や振動が作用すると、内筒は、当該内筒に螺合する螺子棒を伴って付勢手段の付勢力に抗して前進し、この前進及び付勢手段の緩衝作用により衝撃や振動が吸収されて、棒状化粧料の螺子棒からの抜け出し及び折損が防止される。また、衝撃や振動が無くなると、付勢手段の付勢力により内筒及び螺子棒は当初の位置に向かって戻される。
【0007】
ここで、付勢手段はコイルバネであり、内筒がコイルバネの付勢力に抗して前進しコイルバネが内筒のそれ以上の前進を阻止する前に、内筒の前進を阻止するストッパを備えているのが好ましい。このような構成を採用した場合、棒状化粧料カートリッジを装着した棒状化粧料繰出容器に衝撃や振動が作用すると、内筒のそれ以上の前進が、コイルバネにより阻止されるのではなくストッパにより阻止されるため、コイルバネの絡まり等の不具合の発生が防止される。
【0008】
ところで、上記外筒を樹脂を用いて射出成形する場合には、外筒の内周面に対応する形状の外周面を備えたコアピン(内型)と、外筒の外周面に対応する形状の外周面を備え上下に分離可能な外型との間に、溶融樹脂を射出し、固化後、コアピンをその大径側である後側から引き抜き離型すると共に外型を分離し離型して外筒を得ることになるが、外筒の段部の前面から軸線方向前側の段差面までに対応するコアピン部分が外側に凸形状とされその外径R1が、これより後側に位置し外筒の段部に対応するコアピン部分の外径R2(外径R1,R2に関しては図24及び図28参照)より大きいため、コアピンが所謂無理抜きとなり、特に、外径R1のコアピン部分の軸線方向長(内筒の突部の軸線方向移動長)が長いと、過度の無理抜きとなって、不良品となる虞がある。
【0009】
そこで、外筒には、段部の前面から軸線方向前側の段差面までの間を外側に開口し当該外筒の内外を連通する孔が、周方向に一箇所以上設けられている構成を採用するのが好ましい。このような構成を採用した場合、外型の内周面に、上記孔に対応する形状の突部をさらに設けると共に、コアピンの外径R1の部分を、これより後側に位置し外筒の段部に対応するコアピン部分の外径R2と同径とし、外型の突部をコアピンの外周面に当接する構成とすれば、コアピンを無理抜きすること無く離型可能であり、外型を分離し離型することで、外筒に、内筒の突部を相対回転可能且つ軸線方向移動可能とする領域を形成することが可能である。
【発明の効果】
【0010】
このように本発明によれば、棒状化粧料が外筒の先端から良好に出没すると共に衝撃や振動の作用による棒状化粧料の抜け出しや折損が防止されるため、その繰り出し機能を従前に比して損なうこと無く品質を高めることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明による棒状化粧料カートリッジの好適な実施形態について図1〜図28を参照しながら説明する。なお、各図において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0012】
図1〜図24は、本発明の第一実施形態を、図25及び図26は、本発明の第二実施形態を、図27及び図28は、本発明の第三実施形態を各々示すものである。先ず、第一実施形態を説明する。図1及び図2は、棒状化粧料カートリッジを備えた棒状化粧料繰出容器を示す各図、図3〜図5は、棒状化粧料カートリッジを装着するカートリッジ収容容器のカートリッジホルダを示す各図、図6及び図7は、カートリッジ収容容器の塗布具ホルダを示す各図、図8〜図12は、棒状化粧料カートリッジを示す各図、図13〜図17は、外筒を示す各図、図18〜図21は、内筒を示す各図、図22は、圧縮コイルバネを示す側面図、図23及び図24は、外筒を製造する際に用いられる成形型を示す各図であり、本実施形態の棒状化粧料カートリッジを備えた棒状化粧料繰出容器は、例えば、アイライナー、アイブロー、リップライナー等を始めとした種々の固形状の棒状化粧料を収容し、使用者が必要に応じて適宜出没可能とするものである。
【0013】
図1に示すように、棒状化粧料繰出容器100は、全体形状が筆記具の如き細長い丸棒状(スティック状)を成し良好な外観を呈するもので、図2に示すように、棒状化粧料Mを収容する棒状化粧料カートリッジ1を、図1及び図2に示すように、カートリッジ収容容器2の一方端側(図示左側)に着脱可能に備えると共に、このカートリッジ収容容器2の他方端側に、塗布具(本実施形態ではチップ)3を備えている。
【0014】
カートリッジ収容容器2は、図2に示すように、外筒を成す円筒形状の軸筒5と、この軸筒5に収容され内筒を成すカートリッジホルダ6及び塗布具ホルダ7と、を有する構成とされている。このカートリッジホルダ6は軸筒5の一方側に装着され、塗布具ホルダ7は軸筒5の他方側に装着されている。
【0015】
カートリッジホルダ6は、図3〜図5に示すように、段付円筒形状に構成され、図3及び図5に示すように、後部側(図示右側)が外径小径部6yとされ、この外径小径部6yより前側が外径大径部6xとされている。このカートリッジホルダ6には、その外径大径部6xの先端に大径の鍔部6aが設けられ、その外径大径部6xの外周面で鍔部6aより後部側の位置に、周方向に多数の凹凸状が並設されて当該凹凸状が軸線方向に所定長延びるローレット6bが、軸筒5に装着するためのものとして設けられている。また、カートリッジホルダ6の外径小径部6yの外周面には、塗布具ホルダ7を装着するための環状溝6dが形成されている。
【0016】
また、図5に示すように、カートリッジホルダ6の内面で外径大径部6xと外径小径部6yとの境界部には、仕切壁6eが設けられ、この仕切壁6eには、軸状を成して前方に突出する係合部6fが設けられている。この係合部6fは、棒状化粧料カートリッジ1の内筒11を回転方向に係合するためのもので(詳しくは後述)、軸線方向に短尺に所定長延びる断面非円形形状である六角柱体とされている(図4参照)。また、カートリッジホルダ6には、図5に示すように、その先端側の内周面に、棒状化粧料カートリッジ1の本体筒(外筒)10を軸線方向に係止するための環状突部6gが設けられている。
【0017】
このカートリッジホルダ6は、その後部側から軸筒5内に圧入され、図2に示すように、鍔部6aの後端面が軸筒5の一方側の端面(図示左側端面)に当接し、ローレット6bが軸筒5の内周面に圧接することで、軸筒5に回転不能且つ軸線方向移動不能に装着されている。
【0018】
塗布具ホルダ7は、図6及び図7に示すように、略円筒形状に構成され、その外周面の軸線方向略中央よりやや先端側(図示右側)の位置に、大径の鍔部7aを備えている。この塗布具ホルダ7には、鍔部7aより後端側(図示左側)の外周面に、周方向に多数の凹凸状が並設されて当該凹凸状が軸線方向に所定長延びるローレット7bが、軸筒5に装着するためのものとして設けられている。また、塗布具ホルダ7には、図7に示すように、その内周面の後端側(図示左側)の位置に、カートリッジホルダ6の環状溝6dと軸線方向に係合するための環状凸凹部(凸凹部が軸線方向に並ぶもの)7dが設けられている。
【0019】
この塗布具ホルダ7は、その後部側から軸筒5内に圧入され、図2に示すように、鍔部7aが軸筒5の他方側の端面(図示右側端面)に当接し、ローレット7bが軸筒5の内周面に圧接することで、軸筒5に回転不能且つ軸線方向移動不能に装着されている。また、この状態で、塗布具ホルダ7の環状凸凹部7dの凸部とカートリッジホルダ6の環状溝6dとが軸線方向に係合し、カートリッジホルダ6と塗布具ホルダ7とが軸線方向移動不能に連結されている。
【0020】
そして、この塗布具ホルダ7に対しては、その先端側に塗布具3が装着され、この塗布具3を覆い保護するキャップ8は、軸筒5から突出する塗布具ホルダ7の突出部分の外周面に当接することで、塗布具ホルダ7に対して着脱可能に装着されている。
【0021】
一方、棒状化粧料カートリッジ1は概略、図8及び図9に示すように、円筒形状を成し軸線方向に延びる外筒としての本体筒10と、図10及び図11に示すように、本体筒10に収容され螺合機構を構成する雌螺子を有する内筒11と、本体筒10に収容されて軸線方向に延在し、先端に棒状化粧料Mを支持すると共に螺合機構を構成する雄螺子を有する螺子棒14とを備え、本体筒10と内筒11を相対回転すると、螺子棒14が進退し棒状化粧料Mが本体筒10の先端から出没するものである。なお、ここで用いられている棒状化粧料Mは、横断面が楕円形状の棒状化粧料である。
【0022】
本体筒10は、図2に示すように、カートリッジ収容容器2の先端から突出する摘み部としての先端部10mと、この先端部10mに外周段差面10aを介し外周面が小径とされカートリッジ収容容器2に収容される収容部10nとを備える段付円筒形状とされている。
【0023】
先端部10mは、図13及び図15に示すように、先端に向けて次第に外径が細くなる先細り形状とされ、収容部10nは、外周段差面10a寄りの外周面に、カートリッジ収容容器2のカートリッジホルダ6の環状突部6gに軸線方向に着脱可能に係合するための環状凹凸部(凹凸部が軸線方向に並ぶもの)10bを備えると共に、この環状凹凸部10bと外周段差面10aとの間の位置に環状溝10cを備えている。この環状溝10cには、図2に示すように、カートリッジ収容容器2のカートリッジホルダ6と棒状化粧料カートリッジ1の本体筒10との間に良好な回転抵抗を与えると共に、カートリッジ収容容器2内における棒状化粧料カートリッジ1の径方向のガタツキを防止するためのOリング15が装着されている。
【0024】
本体筒10の軸線方向に貫通する筒孔は、図13、図15及び図16に示すように、先端から軸線方向中央前側辺り(外周段差面10a辺り)までが、楕円形状の棒状化粧料Mを収容し摺動を可能とする楕円孔10dとされ、この楕円孔10dの先端近傍から当該楕円孔10dの後端に亘るまでには、当該楕円孔10dの周囲の複数箇所(本実施形態では四箇所)に、螺子棒14の後述する支持片14dを収容し摺動を可能とする進退溝10gが連設され、これらの楕円孔10d及び進退溝10gにより進退孔10hが構成されている。
【0025】
また、本体筒10の軸線方向に貫通する筒孔は、図13、図15及び図17に示すように、楕円孔10dの終端から本体筒10の軸線方向中央後側辺り(環状凹凸部10b辺り)までが、非円形形状孔10pとされている。この非円形形状孔10pは、図16に示す進退孔10hの隣接する進退溝10g,10g同士(図16の左右の進退溝同士)を繋げた形状とされている。このように隣接する進退溝10g,10g同士を繋げているのは、螺子棒14の後述する軸体部14b(楕円孔10dの短軸径より大きい軸体部)の先端側を軸線方向に進退可能とするためである。
【0026】
また、本体筒10の軸線方向に貫通する筒孔は、図13及び図15に示すように、非円形形状孔10pの終端から本体筒10の終端までが、楕円孔10dより大径の円形形状孔10q(楕円孔10dの長軸径より大きい円形形状孔)とされている。この円形形状孔10qは、内筒11を収容するためのもので、先端から後端に向かって、小径孔部10r、中径孔部10s、一対の段部10k(詳しくは後述)及び大径孔部10tによって形成されている。ここで、内径の大小関係については、小径孔部10rの内径≦中径孔部10sの内径≦大径孔部10tの内径であって中径孔部10sの内径≧一対の段部10kの内側寸法であれば良い。
【0027】
非円形形状孔10pと小径孔部10rとの段差面10eは、後述の圧縮コイルバネ(付勢手段)16の一方端側(図示左端側)を当接させるためのものであり、小径孔部10rと中径孔部10sとの段差面10iは、内筒11が前進した時の当該内筒11の後述の段差面11dを当接させてストッパとして機能するものであり、内筒11の前進限とされている。また、中径孔部10sと大径孔部10tとの間には段差面10zが設けられている。
【0028】
また、図13〜図15に示すように、本体筒10の収容部10nの上記大径孔部10tには、先端の段差面10zから所定長軸線方向後側の位置において軸線を挟んで対向する位置に、収容部10nの内面から内側に突出する一対の段部10k,10kが設けられている。そして、この収容部10nの大径孔部10tの先端の段差面10zから段部10kまでの環状領域が、内筒11の後述する突部11eを相対回転可能且つ軸線方向移動可能に収容する収容領域10vとされ、従って、段部10kは、内筒11の突部11eがそれ以上後側へ移動するのを阻止する後退限として設けられている。この段部10kは、後述の組立の容易性を考慮して、その後側の面が、傾斜面10wとされている。
【0029】
また、本体筒10には、上記環状の収容領域10vを外側に開口する孔10jが一対設けられている。この孔10jは、環状の収容領域10vの先端の段差面10z(段部10kの前面から軸線方向前側の段差面)から後端の段部10kまでを外側に開口するもので、段部10kの前側の位置のみに設けられている。
【0030】
螺子棒14は、図10及び図11に示すように、本体筒10の進退孔10hに収容される支持部14aと、主に内筒11に収容される軸体部14bと、を備えている。支持部14aは、棒状化粧料Mの後端部を支持して進退孔10hを進退するもので、棒状化粧料Mの後端面が突き当てられる短尺楕円柱形状の基部14cと、この基部14cの外周面の周方向の複数位置(本実施形態では四箇所)に先端側に向かって突出するように設けられ、棒状化粧料Mの後端部の外周面をその内周面で挟み込んで支持する支持片14dと、を備える構成とされている。
【0031】
軸体部14bは、先端より後端近くまでの外周面が、螺合機構を構成する雄螺子14fとされている。また、軸体部14bの雄螺子14fより後側には、径方向に膨出し雄螺子14fの後端より大径円柱形状の膨出部14eが設けられている。この膨出部14eは、螺子棒14の繰り出し前進時に、内筒11の後述の雌螺子11c,11cに当接し螺子棒14の最大繰り出しとする前進限として機能する。
【0032】
この螺子棒14は、その基部14cが本体筒10の楕円孔10dに摺動可能に内挿されると共にその支持片14dが本体筒10の進退溝10gに摺動可能に内挿されている(図16参照)。
【0033】
内筒11は、例えば合成樹脂等の可撓性材より構成され、図18〜図21に示すように、段付円筒形状に構成され、図18及び図20に示すように、軸線方向中央辺りから前側が外径小径部11aとされ、この外径小径部11aから後端部近くまでが外径大径部11bとされている。この内筒11の外径小径部11aの先端側の内周面には、図20及び図21に示すように、螺合機構の雌螺子を構成する一対の螺合突起11c,11cが対向して設けられている。
【0034】
この内筒11は、図18及び図20に示すように、その外径小径部11aの外径が、圧縮コイルバネ16を外挿し得るように圧縮コイルバネ16の内径より多少小さくされると共に、内筒11の外径大径部11bの外径が、圧縮コイルバネ16の外径より大きくされている。また、外径小径部11aと外径大径部11bとの段差面11dは、その半径方向内側の面が、圧縮コイルバネ16の他方端側を当接させるためのものであり、その半径方向外側の面が、内筒11が前進した時に本体筒10の段差面10iに当接させてストッパとして機能するものである。
【0035】
また、内筒11の外径大径部11bの後端部の外周面には、外側に向かって突出する環状突部11eが、本体筒10の収容領域10vに収容されるものとして設けられている。この環状突部11eは、後述の組立の容易性を考慮して、その前側の面が、傾斜面11mとされている。
【0036】
また、内筒11の環状突部11eより後側には、図18〜図20に示すように、半径方向に弾力的に押し開き可能な弾性突部11fが後方へ突出するように設けられている。この弾性突部11fは、カートリッジホルダ6の六角柱形状の係合部6fに回転方向に係合するためのものである。この弾性突部11fは、周方向に沿う四等配の位置(90°間隔の位置)に配設される四片の突部であり、図19に示すように、略W字状の軸線方向に延びる溝11gが設けられている。
【0037】
この内筒11は、図10及び図11に示すように、その前側から本体筒10に内挿され、内筒11の環状突部11eが収容領域10vに進入することで、本体筒10に対して相対回転可能且つ軸線方向移動可能とされている。
【0038】
この状態で、内筒11には、その前側から螺子棒14の雄螺子14fが内挿され、当該雄螺子14fが、内筒11の螺合突起11c,11cに螺合する螺合状態とされている。
【0039】
また、この状態にあっては、本体筒10の段差面10eと内筒11の段差面11dの内側の面との間に、内筒11の外径小径部11aを囲繞するように圧縮コイルバネ16が配設されている。この圧縮コイルバネ16は、絡み付きを防止すべく、図22に示すように、両端側及び軸線方向中央部が密とされ、それ以外の部分が粗とされている。
【0040】
この圧縮コイルバネ16の付勢力により、内筒11は、図10及び図11に示すように、その環状突部11eが本体筒10の段部10kに押し付けられ、この本体筒10の段部10kにより、内筒11の環状突部11eのそれ以上後側への移動が阻止されている。
【0041】
このような構成の棒状化粧料カートリッジ1を組み立てる場合には、先ず、圧縮コイルバネ16を、その後端側から内筒11の先端側に外挿し、次いで、螺子棒14を、その後端側から内筒11の先端側に内挿し、螺子棒14の雄螺子14fを螺合突起11c,11cに螺合させ、螺合状態で螺子棒14を後退限まで螺子込む。
【0042】
次いで、この組立体を本体筒10の後側から内挿し、螺子棒14及び内筒11を本体筒10内に進入させていく。このとき、内筒11の環状突部11eの前側の面11mが傾斜面とされると共に本体筒10の一対の段部10kの後側の面10wが傾斜面とされているため、内筒11の環状突部11eは容易に本体筒10の一対の段部10kを乗り越えて収容領域10vに進入し、これにより、圧縮コイルバネ16が本体筒10の環状の段差面10eと内筒11の段差面11dの内側の面との間に位置し、内筒11が本体筒10に対して装着される。次いで、棒状化粧料Mを本体筒10の先端の開口から挿入し螺子棒14に装着すれば、図10及び図11に示す棒状化粧料カートリッジ1が得られる。
【0043】
そして、この棒状化粧料カートリッジ1は、図2に示すように、その後部からカートリッジ収容容器2の一方端側の開口に内挿され、本体筒10の外周段差面10aがカートリッジ収容容器2のカートリッジホルダ6の鍔部6aの端面に当接し、本体筒10のOリング15がカートリッジホルダ6の内周面に当接すると共に本体筒10の環状凹凸部10bの凹部がカートリッジホルダ6の環状突部6gに係合することで、本体筒10が、カートリッジ収容容器2に対して回転可能に連結されると共に、例えば棒状化粧料Mが使用限に達し棒状化粧料カートリッジ1ごとの交換が必要な場合等で使用者により所定の力で引き抜かれる以外は、カートリッジ収容容器2に対して軸線方向移動不能とされている。
【0044】
この棒状化粧料カートリッジ1がカートリッジ収容容器2に装着されている状態にあっては、棒状化粧料カートリッジ1の内筒11の弾性突部11f,11f同士の間及び弾性突部11fの略W字状の溝11gに、カートリッジ収容容器2のカートリッジホルダ6の六角柱形状の係合部6fが進入して係合し、内筒11とカートリッジ収容容器2とが回転不能に連結されている。
【0045】
次に、このような棒状化粧料繰出容器100の棒状化粧料カートリッジ1を構成する本体筒10を製造する射出成形及びこれに用いる成形型(金型)について説明する。
【0046】
先ず、成形型として、図23及び図24に示すように、本体筒10の外面(図8及び図9参照)に対応する凹形状50dを内面に有する外型としての上型50a及び下型50bと、本体筒10の筒孔(図13〜図15参照)に対応する凸形状を外面に有する内型としての段付円柱形状のコアピン51と、を用意する。
【0047】
この上型50a及び下型50bの内面形状は同形状であり、その内面に、本体筒10の一対の孔10j及び環状の収容領域10vに対応する突部50c等を備えている。また、コアピン51は、後方側への無理抜きとならないように、本体筒10の先端の開口に対応し前側が大径の円錐台形状に構成された前側のコアピン51aと、これより後側の本体筒部分に対応する後側のコアピン51bとに分けられている。そして、上型50a及び下型50bの突部50cは、後側のコアピン51bの外周面に当接するように設けられ、この当接位置での後側のコアピン51bの外径R1と、これより後側に位置し本体筒10の段部10kに対応する位置での後側のコアピン51bの外径R2とは同径されている。すなわち、R1>R2ではなく(これに関しては後述)、R1=R2であり、後側のコアピン51bは、後側に向かって順次大径とされている。なお、前述したように、本体筒10の筒孔10r,10s,10t(図15参照)の大きさが、10r=10sの関係や、10s=10tの関係とされている場合には、これに対応するコアピン51bの部分は同径とされる。
【0048】
そして、このような構成のコアピン51を、上型50aの凹形状50dと下型50bの凹形状50dとの間に所定に位置するようにセットする。このとき、上型50a及び下型50bの突部50cが後側のコアピン51bの外周面に当接する。次いで、上型50a及び下型50bとコアピン51との間に形成される隙間に、溶融樹脂52を射出し、この溶融樹脂52が固化することで、上型50a及び下型50bとコアピン51との間に、本体筒10を成形する。
【0049】
次いで、離型を行う。このとき、前側のコアピン51aは前側に、後側のコアピン51bは後側に各々引き抜かれ、各々が大径側から引き抜かれるため、無理抜きとはならず円滑に引き抜かれ、図8、図9、図13及び図15に示す本体筒10が得られる。
【0050】
このように、本実施形態では、本体筒10が、収容領域10vの先端から後端までの間を外側に開口し、より正確には、段部10kの前面から軸線方向前側の段差面10zまでの間を外側に開口し、当該本体筒10の内外を連通する孔10jを有する構成であるため、外型50a,50bに孔10jに対応して突部50cを設けることで、コアピン51bを後側に向かって順次大径とすることが可能とされている。このため、コアピン51bを無理抜きすること無く離型可能であり、従って、不良品の虞が無く、本体筒10に収容領域10v、より正確には、内筒11の突部11eを相対回転可能且つ軸線方向移動可能とする領域を容易に形成することが可能とされている。
【0051】
このようにして得られた本体筒10を有する棒状化粧料繰出容器100にあっては、本体筒10には、内筒11の外周面に設けられた突部11eが相対回転可能且つ軸線方向移動可能に収容され、且つ、この本体筒10内には、内側に突出する段部10kが、内筒11の突部11eのそれ以上後側への移動を阻止するものとして設けられ、且つ、本体筒10内には、内筒11の前進を妨げる付勢力を有する圧縮コイルバネ16が設けられている。これらより、内筒11の後側への離脱が防止されると共に前側への移動が阻止されて後側から回転力が確実に付与可能とされている。また、内筒11の内部の雌螺子11cに、棒状化粧料Mの後端部を支持し外部に雄螺子14fを備える螺子棒14のその雄螺子14fが螺合する構成とされている。従って、カートリッジ収容容器2と棒状化粧料カートリッジ1の本体筒10とを一方向に相対回転すると、本体筒10の前側の内部及び螺子棒14により構成された回り止め機構、螺子棒14の雄螺子14f及び内筒11の雌螺子11cにより構成された螺合機構により、螺子棒14が円滑に前進し棒状化粧料Mが本体筒10の先端から良好に突出することで塗布が可能とされる。また、カートリッジ収容容器2と棒状化粧料カートリッジ1の本体筒10とを一方向とは反対方向の他方向に相対回転すると、螺子棒14が円滑に後進し、棒状化粧料Mが本体筒10の先端から没入する。
【0052】
このように螺子棒14が進退して当該螺子棒14が前進限や後退限の進退限に達しさらに螺子棒14に使用者により同方向の相対回転力が付与されると、内筒11の後端の弾性突部11fcが半径方向に弾力的に押し開き可能なため、当該弾性突部11fが、カートリッジホルダ6の六角柱形状の係合部6fの角部(頂部)を乗り越えて隣の角部に係合する動作を繰り返す所謂クラッチとして機能し、部品に過負荷が作用することが無く、部品の損傷が防止されている。なお、本実施形態では、螺子棒14の後端の膨出部14eが、螺子棒14の繰り出し前進時に、内筒11の雌螺子11c,11cに当接し螺子棒14の最大繰り出しとする前進限として機能するようにしているが、この膨出部14eを無くし、螺子棒14の支持片14dの先端面14xが、螺子棒14の繰り出し前進時に、本体筒10の進退溝10gの先端面10xに当接し螺子棒14の最大繰り出し(前進限)とするようにしても良い(図10及び図11、図13及び図15参照)。因みに、螺子棒14の支持片14dの先端面14xと、本体筒10の進退溝10gの先端面10xを前進限とする構成は、後述の第二、第三実施形態に対しても適用可能である。
【0053】
また、このような棒状化粧料繰出容器100にあっては、例えば、当該棒状化粧料繰出容器100を落とす等して衝撃や振動が作用すると、内筒11は、図12に示すように、当該内筒11に螺合する螺子棒14を伴って圧縮コイルバネ16の付勢力に抗して当該圧縮コイルバネ16を圧縮しつつ前進し、この前進及び圧縮コイルバネ16の緩衝作用により衝撃や振動が吸収されて、棒状化粧料Mの螺子棒14からの抜け出し及び折損が防止される。
【0054】
この内筒11の前進時にあっては、圧縮コイルバネ16が圧縮されて当該圧縮コイルバネ16により内筒11のそれ以上の前進が阻止される前に、内筒11の段差面11dの外側の面が本体筒10の段差面10iに当接しストッパとして機能して内筒11の前進が阻止される。このように、内筒11の前進が、圧縮コイルバネ16により阻止されるのではなくストッパにより阻止されるため、圧縮コイルバネ16の絡まり等の不具合の発生が防止されている。
【0055】
そして、衝撃や振動が無くなると、圧縮コイルバネ16の付勢力により内筒11及び螺子棒14は当初の位置に戻される。
【0056】
このように、本実施形態においては、棒状化粧料Mが本体筒10の先端から良好に出没すると共に、衝撃や振動の作用による棒状化粧料Mの抜け出しや折損が防止されている。この結果、その繰り出し機能を従前に比して損なうことが無いと共に、品質が高められた棒状化粧料カートリッジ1を提供することができる。
【0057】
なお、内筒11の前進時に、内筒11の環状突部11eを、本体筒10の収容領域10vの先端面(段差面10z)に当接させて、内筒11の前進を阻止する構成としても良い。
【0058】
図25は、本発明の第二実施形態に係る棒状化粧料カートリッジを示す縦断面図、図26は、図25中の引っ張りコイルバネを示す側面図である。
【0059】
図25に示すように、この第二実施形態の棒状化粧料カートリッジ101が第一実施形態の棒状化粧料カートリッジ1と主に違う点は、内筒の前進を妨げる付勢力を有する付勢手段として、圧縮コイルバネ16に代えて引っ張りコイルバネ116を用いた点である。
【0060】
この変更に伴って、第一実施形態の本体筒10は、小径孔部10rと中径孔部10sとの間の段差面10iが第一実施形態より後方にズラされた本体筒110に代えられ、第一実施形態の内筒11は、外径大径部11bが第一実施形態より小径にされると共に外径小径部11aと外径大径部11bとの間の段差面11dが第一実施形態より前方にズラされた内筒111に代えられている。なお、本体筒110及び内筒111の他の構成に関しては、第一実施形態の本体筒10及び内筒11と同様である。
【0061】
引っ張りコイルバネ116は、図26に示すように、軸線方向に長尺な中央部に比して一方端側(図示左端側)が小径に構成されると共に他方端側(図示右端側)が大径に構成されている。そして、この引っ張りコイルバネ116は、図25に示すように、本体筒110の小径孔部10rと内筒111の外径大径部11bとの間に配設され、且つ、その一方端側が内筒111の段差面11dに掛止されると共に、その他方端側が本体筒110の段差面10iに掛止されている。従って、引っ張りコイルバネ116は、第一実施形態の圧縮コイルバネ16と同様に、内筒111の前進を妨げる付勢力を有する付勢手段として機能する。
【0062】
このように、圧縮コイルバネ16に代えて引っ張りコイルバネ116を用いる構成としても、第一実施形態と同様な効果を得ることができるというのはいうまでもない。
【0063】
なお、この第二実施形態にあっては、内筒111の前進時に、内筒111の環状突部11eが、本体筒110の収容領域10vの先端面(段差面10z)に当接し、内筒111の前進を阻止するストッパとされる。この第二実施形態では、環状突部11eの前側の面は、傾斜面ではなく平面とされている。
【0064】
図27は、本発明の第三実施形態に係る棒状化粧料カートリッジを示す縦断斜視図、図28は、図27に示す棒状化粧料カートリッジの縦断面図である。
【0065】
この第三実施形態の棒状化粧料カートリッジ102が第一実施形態の棒状化粧料カートリッジ1と違う点は、第一実施形態の本体筒10の一対の孔10jを無くした(孔10jが外側から環状の収容領域10vに達するまで埋まっている形状とした)本体筒210を用いた点である。
【0066】
このように、本体筒10の一対の孔10jが無い本体筒210を用いても、第一実施形態と同様な作用・効果を奏するというのはいうまでもない。
【0067】
なお、この第三実施形態にように、孔10jを無くした本体筒210の構成は、圧縮コイルバネ16に代えて引っ張りコイルバネ116を用いる第二実施形態に対しても勿論適用可能である。
【0068】
因みに、第三実施形態のように、環状領域である収容領域10vが孔10jにより外側に開放されていない本体筒210を成形する場合には、本体筒210の収容領域10vに対応するコアピン部分が外側に凸形状とされその外径R1が、これより後側に位置し本体筒210の段部10kに対応するコアピン部分の外径R2より大きくされる(R1>R2)。このため、コアピンが後方に向かって所謂無理抜きとなるが、このコアピンの無理抜きが問題にならない(例えば不良品にならない)場合には、このような第三実施形態の採用も有効である。
【0069】
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、上記実施形態においては、棒状化粧料カートリッジ1,101,102を交換するものとして、棒状化粧料カートリッジ1,101,102をカートリッジ収容容器2に対して着脱可能としているが、着脱不能とすることも勿論可能である。
【0070】
また、上記実施形態においては、横断面が楕円形状の棒状化粧料Mに対する適用を述べているが、勿論横断面が円形形状の棒状化粧料に対しても適用可能であり、この場合には、楕円孔10dを円形孔とし、支持部14aの基部14cを円柱形状とすれば良い。また、横断面が楕円形状や円形形状以外の棒状化粧料に対しても勿論適用可能である。
【0071】
また、上記実施形態においては、螺合機構を、螺子棒14の雄螺子14f及び内筒11の螺合突起11cにより構成しているが、螺合機構は、螺旋状部、又は、間欠的に配される突起群、又は、螺旋状且つ間欠的に配される突起群等、螺子山と同様な働きをするものであれば良い。
【0072】
また、上記実施形態においては、特に好ましいとして、孔10jや段部10kを一対の2個にしているが、単数又は3個以上とすることも可能である。また、第三実施形態のように、孔10jが無い場合には、段部10kは環状とされていても良い。
【0073】
さらにまた、上記実施形態においては、特に好ましいとして、圧縮コイルバネ16や引っ張りコイルバネ116の付勢力により、内筒11,111の環状突部11eを本体筒10,110,210の段部10kに押し付ける構成としているが、押し付けずに接触した状態としても良い。また、若干の間隙があっても良く、このように間隙がある場合には、棒状化粧料Mの塗布時の最初に棒状化粧料Mが若干の間隙分戻ることになる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の第一実施形態に係る棒状化粧料カートリッジを備えた棒状化粧料繰出容器を示す側面図である。
【図2】図1に示す棒状化粧料繰出容器の縦断面図である。
【図3】図2中のカートリッジホルダを示す側面図である。
【図4】図3に示すカートリッジホルダの正面図である。
【図5】図3に示すカートリッジホルダの縦断面図である。
【図6】図2中の塗布具ホルダを示す側面図である。
【図7】図6に示す塗布具ホルダの縦断面図である。
【図8】図1及び図2中の棒状化粧料カートリッジを示す側面図である。
【図9】図8に示す棒状化粧料カートリッジの平面図である。
【図10】図8に示す棒状化粧料カートリッジの縦断斜視図である。
【図11】図8に示す棒状化粧料カートリッジの縦断面図である。
【図12】図8に示す棒状化粧料カートリッジに衝撃や振動が作用し内筒が圧縮コイルバネの付勢力に抗して前進した状態の縦断面図である。
【図13】図11中の外筒を示す縦断面図である。
【図14】図13のXIV-XIV矢視図である。
【図15】図13に示す外筒の直交縦断面図である。
【図16】図15のXVI-XVI矢視図である。
【図17】図15のXVII-XVII矢視図である。
【図18】図11中の内筒を示す側面図である。
【図19】図18のXIX-XIX矢視図である。
【図20】図18に示す内筒の縦断面図である。
【図21】図20に示す内筒の正面図である。
【図22】図11中の圧縮コイルバネを示す側面図である。
【図23】図13の外筒を製造する際に用いられる成形型を示す一部断面分解斜視図である。
【図24】図13の外筒を製造する際に用いられる成形型を示す縦断面図である。
【図25】本発明の第二実施形態に係る棒状化粧料カートリッジを示す縦断面図である。
【図26】図25中の引っ張りコイルバネを示す側面図である。
【図27】本発明の第三実施形態に係る棒状化粧料カートリッジを示す縦断斜視図である。
【図28】図27に示す棒状化粧料カートリッジの縦断面図である。
【符号の説明】
【0075】
1,101,102…棒状化粧料カートリッジ、10,110,210…本体筒(外筒)、10i,11d…段差面(ストッパ)、10j…本体筒の孔、10k…本体筒の段部、10v…本体筒の収容領域、10z…段差面(軸線方向前側の段差面;ストッパ)、11,111…内筒、11c…内筒の螺合突起(雌螺子)、11e…内筒の突部(ストッパ)、14…螺子棒、14f…螺子棒の雄螺子、16,116…コイルバネ(付勢手段)、100…棒状化粧料繰出容器、M…棒状化粧料。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状化粧料の後端部を支持し外部に雄螺子を備える螺子棒と、その内部に前記雄螺子が螺合する雌螺子を備えると共に後側から回転力が付与可能とされた内筒と、その前側に前記螺子棒を回転不能且つ軸線方向に摺動可能に収容すると共に、その後側に前記内筒を収容する外筒と、を備え、前記外筒と前記内筒とが相対回転されると前記棒状化粧料が進退し前記外筒の先端から出没する棒状化粧料カートリッジであって、
前記内筒は、その外周面に、外側に向かって突出する突部を有し、
前記外筒は、前記内筒の前記突部を相対回転可能且つ軸線方向移動可能に収容し、
前記外筒内には、内側に突出して前記内筒の前記突部がそれ以上後側へ移動するのを阻止する段部と、前記内筒の前進を妨げる付勢力を有する付勢手段と、が設けられていることを特徴とする棒状化粧料カートリッジ。
【請求項2】
前記付勢手段はコイルバネであり、
前記内筒が前記コイルバネの付勢力に抗して前進し前記コイルバネが前記内筒のそれ以上の前進を阻止する前に、前記内筒の前進を阻止するストッパを備えることを特徴とする請求項1記載の棒状化粧料カートリッジ。
【請求項3】
前記外筒には、前記段部の前面から軸線方向前側の段差面までの間を外側に開口し当該外筒の内外を連通する孔が、周方向に一箇所以上設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の棒状化粧料カートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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