説明

棟換気装置、及び該棟換気装置を用いた棟部の換気構造

【課題】この発明は、建造物の屋根と天井との間に形成される小屋裏に雨水が浸入することなく、該小屋裏の換気を促すための棟換気装置、及び該棟換気装置を用いた棟部の換気構造に関する。
【解決手段】この発明の棟換気装置1は、屋根下地材4の棟部2の棟方向に形成された開口部7に跨るように設けられた換気部材5と、該換気部材5を覆うように設けられた通気部材6とを具備するものである。そして、換気部材5の上方に棟木支持具11によって棟木12が支持されると共に、前記棟換気装置1、及び棟木12が換気カバー13に覆われるようにして棟部の換気構造10が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、建造物の屋根と天井との間に形成される小屋裏に雨水が浸入することなく、該小屋裏の換気を促すために屋根の棟部に設置される棟換気装置、及び該棟換気装置を用いた棟部の換気構造に関する。
【背景技術】
【0002】
建造物の屋根と天井との間に形成される空間、すなわち小屋裏は、日本の気候風土上、夏季には該小屋裏の温度が高温となることから、その周辺を構成する木材の含水率が極端に低下することにより該木材の耐久性をも低下させ、また、冬季には該小屋裏内に結露が発生し、その周辺を構成する木材及び金属製の金具等を腐食させるという問題が生じていた。そして、これらの問題を解決すべく、小屋裏の換気を促すために以下のような棟部用換気装置が考案されている。
【0003】
この棟部用換気装置は、図8に示すように、波打ち状の屋根瓦101を敷く勾配屋根の棟部より両側の屋根面に亘る略傘形の天板102と、所定の通気間隔を保って天板102の板面103と相対する両側の底板104と、天板103,底板104の各板面より互い違い交互に通気間隔の内部に起立する複数の邪魔板105とから形成し、屋外側の通気口106を天板103と底板104との下端側に開口し、屋内側の通気口107を底板104の上端側に開口した換気装置を備える。そして、棟部の換気口108を天板103の板面で覆い、勾配屋根の棟部より天板103の板面に向けて立ち上る止め金具109を取付け固定し、屋外側の通気口106より屋内外の空気を出し入れする家屋棟部用換気装置110である(例えば特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】特開2005−307615号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述の棟部用換気部材は、台風等の横風を伴う雨の際には通気口107等に雨水が滞留しやすく、また、通気孔内に雨水が入り込んだ場合には、該雨水が外部へ排出されにくい。そのため、さらに、横風が棟部に吹き込んだ際には、小屋裏にまで雨水が到達するという問題が生じる可能性がある。
【0006】
この発明は上記のような種々の課題を解決することを目的としてなされたものであって、小屋裏の換気を確実に行いつつ、その内部への雨水の浸入を防ぐと共に、棟部に雨水が浸入したとしても確実に該雨水を外部に排出することのできる棟換気装置、及び該棟換気装置を用いた棟部の換気構造に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1記載の棟部換気装置は、建造物の屋根の棟部において、棟瓦と屋根下地材との間の空間部分に設けられた換気部材と該換気部材を覆うようにして設けられた通気部材とから成る棟換気装置であって、前記換気部材が、前記屋根下地材の棟方向に形成された開口部を棟の両側の該屋根下地材に跨って覆う換気部と、該換気部の上面に形成された換気口と、前記換気部の両側面の下端から外側に前記屋根下地材に沿うように形成された固定片と、を具備し、前記通気部材が、前記換気部を覆う通気部と、該通気部の両側面の高さ方向に内側若しくは外側にブリッジ状に張出した張出板と側面との間に形成された通気孔と、前記通気部の両側面の下端が外側に折返され前記通気孔と相対向して形成された遮蔽板と、前記通気部の下端から前記遮蔽板の下端にかけて形成された水抜き穴と、を具備し、さらに、前記通気孔の上端が、前記遮蔽板、及び前記換気部の側面の高さよりも低い位置となるように形成されていることを特徴としている。
【0008】
請求項2記載の棟部の換気構造は、前記換気部材の上方に棟部に固定された棟木支持具によって棟木が支持されると共に、該棟木、前記換気部材、及び前記通気部材が換気カバーに覆われ、該換気カバーが、略平面状に形成され前記棟木に当接固定される固定部と、該固定部の両側から所定勾配を有して外側に形成され、その下端部が外側に折返された傾斜面と、該傾斜面の下端に形成された通気口と、前記傾斜面の勾配方向に内側若しくは外側にブリッジ状に張出した張出板と傾斜面との間に形成された通気孔と、を具備し、さらに、前記傾斜面の下端の裏面には、前記屋根下地材の上方に載置固定される屋根瓦と該傾斜面との間の気密性を確保するための弾性気密部材が設けられていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の棟部換気装置は、通気部材の通気部の両側面の高さ方向に内側若しくは外側にブリッジ状に張出した張出板と側面との間に形成された通気孔を具備している。これにより、一旦、張出板に風が衝突して2方向に分かれるようにして通気部材内に風が吹き込むので、直接通気部材内に風が吹き込むことがなく、建造物の外部から該建造物内に風が吹き込む際の風の勢いを弱めることができる。従って、風と共に通気孔から通気部材内部に浸入した雨水が、その内側の換気部材の換気部の外側面に付着した場合等にも、その雨水を押上げて該換気部材の換気口から小屋裏に当該雨水が浸入することがない。
【0010】
また、通気孔の上端が、遮蔽板の高さよりも低い位置となるように形成されているので、建造物の外部から該建造物内部に吹き込む風が直接通気孔に当ることがなく、風が一旦遮蔽板に当る等してその勢いが弱められる。これにより該通気孔から風と共に雨水が浸入しにくくなると共に、その風が通気部材内に浸入した雨水を換気部材の換気口まで運ぶことがない。さらに、通気孔の上端が、換気部の側面の高さよりも低い位置となるように形成されているので、通気孔から風と共に雨水が浸入した場合にも、その雨水が換気部材の換気口に直接運ばれることがない。また、通気部材の通気部の下端から遮蔽板の下端にかけて水抜き穴が形成されているので、前述のように換気部材の換気部の外側面に付着した雨水が下端まで流れ落ち、さらに屋根下地材の勾配に従って流れることによって、当該水抜き穴から雨水が通気部材の外部に自発的に排出されるという利点がある。このように、小屋裏の換気を十分に行うことができると共に、該小屋裏に雨水が浸入することがない。
【0011】
請求項2記載の棟部の換気構造は、前記換気部材の上方に棟部に固定された棟木支持具によって棟木が支持されると共に、該棟木、前記換気部材、及び前記通気部材が換気カバーに覆われており、該換気カバーの傾斜面にはその勾配方向に内側若しくは外側にブリッジ状に張出した張出板と傾斜面との間に形成された通気孔が形成されている。そのため、該傾斜面の下端に形成された通気口から吹き込んだ風がブリッジに衝突して2方向に分かれるようにして換気カバー内に入り込むので、風の勢いが弱められ、雨水がその風と共に建造物の小屋裏に浸入しにくくなる。そして、傾斜面は所定勾配を有するように形成されているので、換気カバーの通気口から風と共に雨水が浸入し、該雨水が傾斜面の表面に付着したとしても、その雨水は勾配に従って傾斜面を流れ落ち当該通気口から排出される。また、傾斜面の下端部が外側に折返されているので、傾斜面の下端部に形成された通気口から吹き込んだ風を通すための通気スペースを、棟瓦と換気カバーとの間に確保することができる。さらに、傾斜面の下端の裏面には、屋根下地材の上方に載置固定される屋根瓦と該傾斜面との間の気密性を確保するための弾性気密部材が設けられている。これにより、屋根瓦表面に付着した雨水が風に煽られてそのまま換気カバー内に浸入しにくくなっている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
この発明における棟換気装置の最良の実施形態について、以下に説明する。本発明に係る棟換気装置1は、図7に示すように、建造物の屋根の棟部2において、棟瓦3と屋根下地材4との間の空間部分に設けられた換気部材5と該換気部材5を覆うようにして設けられた通気部材6とから成る棟換気装置1である。
【0013】
前記換気部材5は、図1、及び図7に示すように、前記屋根下地材4の棟方向に形成された開口部7を棟の両側の該屋根下地材4に跨って覆う換気部51と、該換気部51の上面に形成された換気口52と、前記換気部51の両側面53の下端から外側に前記屋根下地材4に沿うように形成された固定片54と、を具備している。そして、前記通気部材6が、図2、及び図7に示すように、前記換気部51を覆う通気部61と、該通気部61の両側面62の高さ方向に内側若しくは外側にブリッジ状に張出すように形成された通気孔63と、前記通気部61の両側面62の下端が外側に折返され前記通気孔63と相対向して形成された遮蔽板64と、前記通気部61の下端から前記遮蔽板64の下端にかけて形成された水抜き穴65と、を具備している。さらに、図4に示すように、前記通気孔63の上端が、前記遮蔽板64、及び前記換気部51の側面53の高さよりも低い位置となるように形成されているものである。
【0014】
前記換気部材5は、図1に示すように、略矩形の板金を折り曲げ、或いは、穴を空ける等して形成されたものであり、建造物の屋根の棟方向に長尺に形成されている。ここで、屋根の棟部2には、図7に示すように、その棟方向に屋根下地材4の一部が切欠かれるようにして開口部7が設けられており、該開口部7から建造物の小屋裏8に風が流入、若しくは、小屋裏8から風が流出することにより該小屋裏8が換気される。
【0015】
そして、換気部材5は、図1、図7に示すように、棟部2に形成された開口部7に跨るように断面形状が略コの字形に形成された換気部51を具備している。そして、換気部51には、該換気部51の両側面53の下端から外側に該換気部材5の長手方向に渡って、屋根下地材4に沿うように所定勾配を有する固定片54が形成されている。また、固定片54には、換気部材5と通気部材6とを連結する際に使用される連結孔54aや、該換気部材5を屋根下地材4に固定する際に使用されるネジ孔54bを適宜設けておくことが作業性がよく好ましい。そして、換気部材5の換気部51の上面には、図1に示すように、該換気部材5の長手方向に所定間隔で該上面を切欠いて形成された換気口52を具備している。
【0016】
前記通気部材6は、図2に示すように、略矩形の板金を折り曲げ、或いは、穴を空ける等して形成されたものであり、前記換気部材5と略同等の長さとなるように長尺に形成され、建造物の屋根の棟方向に使用される。そして、前記通気部材6は、図4に示すように、換気部材5の換気部51を覆うように断面形状が略コの字形の通気部61を具備している。該通気部61の両側面62には、図3に示すように、その高さ方向に内側にブリッジ状に張出した張出板63aと側面62とで通気部材6の長手方向に渡って複数形成されている。本実施形態では、通気孔63は、通気部61の側面62から内側にブリッジ状に張出した張出板63aと側面62との間に形成されているが、外側にブリッジ状に張出すように形成されていてもよい。
【0017】
ここで、通気部61の側面62に貫通孔を形成した場合には、通気部材6の外側から内側に風が吹き込む際に、その勢いが弱まることなくその内側に風が吹き込む。しかし、本実施形態のように内側にブリッジ状に張出した張出板63aと側面62との間に通気孔63を形成することで、図3に示すように、通気部61の側面62に吹付けた風が一旦張出板63aに衝突して2方向に分かれ、これにより、通気部材6の外部から内部に吹き込む風の勢いを弱めることができる。そのため、図4に示すように、通気孔63から風と共に雨水Wが浸入し換気部材5の換気部51の側面53に該雨水Wが付着した場合にも、通気孔63から吹き込む風の勢いが弱いので、その雨水Wが風に煽られて換気部材5の換気口52に到達して小屋裏8に雨水Wが浸入することなく、風だけを小屋裏8に導くことができる。
【0018】
また、通気部61の両側面62の下端が外側に折返され通気孔63と相対向して遮蔽板64が形成され、その先端は安全のために折返されている。尚、通気部材6を長手方向に2つ以上連結して使用する際等に該通気部材6の端部同士を重ね合わせて連結しやすいように、本実施形態では遮蔽板64は、図2に示すように、該通気部材6の両端の一部には遮蔽板64を形成していない。そして、前記通気孔63の上端は、図4に示すように、遮蔽板64、及び換気部材5の換気部51の側面53の高さよりも低い位置となるように形成されている。そのため、建造物外部から吹き込んだ風が遮蔽板64に妨げられるので、通気孔63に風が直接当たることがなく、また、通気部材6の内部に吹き込んだ風も一旦換気部51の側面53に当たる等して、該換気部材5の換気口52に直接吹き込むことがないので、その風が雨水を伴うものであっても小屋裏8に該雨水が浸入することがない。
【0019】
そして、通気部61の下端から遮蔽板64までの折返し部66は、換気部材5の固定片54と同様の所定勾配を有するように形成されている。そして、該折返し部66には、通気部材6を換気部材5に被せた際に該換気部材5の連結孔54aと対応する位置に、同様に連結孔66aが所定間隔で形成されており、図4に示すように、これらの連結孔66aを利用して適宜リベット9等を用いて換気部材5と通気部材6とを容易に連結することができる。また、通気部61の両側面62の下端から折返し部66を経て遮蔽板64の下端が切欠かれるようにして水抜き穴65が所定位置に形成されている。これにより、図4に示すように、換気部材5と通気部材6とが連結された際には、風と共に雨水が通気部材6の内部に浸入し、換気部材5の換気部51の側面53に雨水Wが付着することがあるが、これらは自発的に固定片54まで落ち、さらに、該固定片54の勾配に従って水抜き穴65を通って通気部材6の外部に排出される。
【0020】
以上のように形成される換気部材5と通気部材6とを具備する棟換気装置1を用いた棟部の換気構造10について以下に説明する。
【0021】
本実施形態に係る棟部の換気構造10は、図7に示すように、通気部材6の上方に棟部2に固定されている棟木支持具11によって棟木12が支持されると共に、該棟木12、換気部材5、及び通気部材6が換気カバー13に覆われているものである。また、屋根の棟部2を施工する際には、棟部2の屋根下地材4を切欠くようにして、開口部7が形成され、該屋根下地材4の上には、適宜防水シート等の下葺材14が設けられた後、該下葺材14の上には屋根瓦15を設置するための縦桟16や桟木17等がネジ18等で適宜取付けられている。そして、屋根瓦15が適宜ネジ19等で桟木17、縦桟16、及び屋根下地材4等を貫通するようにして取付けられている。尚、桟木17の下方等に予め図外の穴が形成されており、前述のように抜き穴65を通って通気部材6の外部に排出された雨水が、当該穴を通って屋根勾配を流れて軒先から外部に排出される。
【0022】
前記棟木支持具11は、図6に示すように、建造物の屋根の棟部2の棟方向に取付けられる棟木12を支持するための部材であって、該棟木12を保持する上方に開口した略コの字型の保持部11aと、該棟木12を棟部2から所定高さに保持する支持部11bと、該支持部11bの下端から両側に屋根の勾配と略同等の勾配を有して延設される固定部11cを具備している。そして、棟木支持具11を屋根下地材4の棟部2に取付ける際には、固定部11cに設けれられたネジ孔11dを利用して該屋根下地材4にネジ固定されている。また、棟木支持具11の保持部11aに棟木12を取付ける際には、図6に示すように、棟部2の棟方向に所定間隔をあけて屋根下地材4に取付けられた棟換気装置1の間に、棟木支持具11を前述のようにして取付けた後、保持部11aに棟木12を挿入し、図7に示すように、該保持部11aの両側面に設けられたネジ孔11eを用いてネジ20等で固定する。
【0023】
前記換気カバー13は、図5に示すように、略矩形の板金を折り曲げ、或いは、穴を空ける等して、換気部材5や通気部材6よりも若干長尺に形成されたものであり、建造物の屋根の棟方向に長尺に形成されている。そして、換気カバー13は、略平面状に形成され棟木12に当接固定される固定部13aと、該固定部13aの両側から所定勾配を有して外側に形成され、その下端部が外側に折返された傾斜面13bとを具備し、さらに、傾斜面13bの下端部には通気口13cが所定間隔で形成されている。そのため、通気口13cから風と共に雨水が浸入し傾斜面13bの表面に雨水が付着した際にも、その雨水は勾配に従って流れ落ち該通気口13cから外部に排出される。
【0024】
また、換気カバー13の両端の一部は、図5に示すように、傾斜面13bの下端部が外側に折返されておらず、図6に示すように、該換気カバー13の端部同士を重ね合わせて連結することで、棟木12等を隙間なく覆うことができるようになっている。そして、傾斜面13bには、勾配方向に内側に、通気部材6の通気孔63と同様にブリッジ状に張り出すように張出板13dと傾斜面13bとの間に通気孔13eが形成されているので、ここを通過する風は該張出板13dに当たって風の勢いを弱めることができる。また、本実施形態では、通気孔13eは、換気カバー13の傾斜面13bから内側にブリッジ状に張出すように形成されているが、該傾斜面13bから外側にブリッジ状に張出すように形成されていてもよい。また、その他にも互いに重合された屋根瓦15の間や、当該屋根瓦15と桟木17との間等からも建物外部から風や、風と共に雨水が棟部2に浸入する可能性があるが、遮蔽板64や換気部材5の側面51に雨水は阻止され、風のみが開口部7から小屋裏8に浸入する。
【0025】
また、換気カバー13は、図7に示すように、その固定部13aを棟木12の上面に当接するようにして棟換気装置1、及び棟木12を覆い、さらに、その上方から棟瓦3を被せる。そして、棟瓦3、及び換気カバー13の固定部13aを貫通するようにして、該棟瓦3の上方からネジ21をねじ込んで、棟木12に換気カバー13、及び棟瓦3が固定される。そして、傾斜面13bの下端の裏面には弾性気密部材22が設けられているので、前述のように換気カバー13の上方に屋根瓦15を被せて押圧することで該弾性気密部材22が弾性変形し屋根瓦15と傾斜面13bの下面との気密性を確保することができる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
この発明の棟換気装置1、及び該棟換気装置1を用いた棟部の換気構造10は、瓦の形状や、屋根の勾配等に依存することなく利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本実施形態に係る換気部材の斜視図
【図2】本実施形態に係る通気部材の斜視図
【図3】本実施形態に係る通気部材に形成された通気孔の拡大斜視図
【図4】本実施形態に係る棟換気装置の断面図
【図5】本実施形態に係る換気カバーの斜視図
【図6】本実施形態に係る棟部の換気構造の施工の様子を示す斜視図
【図7】本実施形態に係る棟部の換気構造の断面図
【図8】従来技術を示す図
【符号の説明】
【0028】
1 棟換気装置
2 棟部
3 棟瓦
4 屋根下地材
5 換気部材
51 換気部
52 換気口
53 側面
54 固定片
6 通気部材
61 通気部
62 側面
63 通気孔
63a 張出板
64 遮蔽板
65 水抜き穴
7 開口部
10 棟部の換気構造
11 棟木支持具
12 棟木
13 換気カバー
13a 固定部
13b 傾斜面
13c 通気口
13d 張出板
13e 通気孔
15 屋根瓦
22 弾性気密部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建造物の屋根の棟部において、棟瓦と屋根下地材との間の空間部分に設けられた換気部材と該換気部材を覆うようにして設けられた通気部材とから成る棟換気装置であって、
前記換気部材が、前記屋根下地材の棟方向に形成された開口部を棟の両側の該屋根下地材に跨って覆う換気部と、該換気部の上面に形成された換気口と、前記換気部の両側面の下端から外側に前記屋根下地材に沿うように形成された固定片と、を具備し、
前記通気部材が、前記換気部を覆う通気部と、該通気部の両側面の高さ方向に内側若しくは外側にブリッジ状に張出した張出板と側面との間に形成された通気孔と、前記通気部の両側面の下端が外側に折返され前記通気孔と相対向して形成された遮蔽板と、前記通気部の下端から前記遮蔽板の下端にかけて形成された水抜き穴と、を具備し、
さらに、前記通気孔の上端が、前記遮蔽板、及び前記換気部の側面の高さよりも低い位置となるように形成されていることを特徴とする棟換気装置。
【請求項2】
前記換気部材の上方に棟部に固定された棟木支持具によって棟木が支持されると共に、該棟木、前記換気部材、及び前記通気部材が換気カバーに覆われ、
該換気カバーが、略平面状に形成され前記棟木に当接固定される固定部と、該固定部の両側から所定勾配を有して外側に形成され、その下端部が外側に折返された傾斜面と、該傾斜面の下端に形成された通気口と、前記傾斜面の勾配方向に内側若しくは外側にブリッジ状に張出した張出板と傾斜面との間に形成された通気孔と、を具備し、
さらに、前記傾斜面の下端の裏面には、前記屋根下地材の上方に載置固定される屋根瓦と該傾斜面との間の気密性を確保するための弾性気密部材が設けられていることを特徴とする請求項1記載の棟換気装置を用いた棟部の換気構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−174154(P2009−174154A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−12219(P2008−12219)
【出願日】平成20年1月23日(2008.1.23)
【出願人】(397031577)株式会社ヨネキン (16)