植栽用袋
【課題】 第一に保水性と透根性の両面に優れ、第二に充填口を閉じる作業を省くことができ、第三に不透水性シート部を切り開く作業の不要な植栽用袋を提供する。
【解決手段】本発明に係る植栽用袋は、それぞれ不透水性の一面シート(1)と他面シート(2)を備える。該一面シートの周縁部(3)は該他面シートの折り返し部(4)で覆われる。該周縁部と該折り返し部は相互間に通水間隙(5)と培土充填路(6)を保って一体化(7)される。該一面シートには植穴開口部(8)が設けられる。該他面シートは二以上の他面片(2a)(2b)(2f)からなり、隣接する両他面片(2a,2f又は2b,2f)は重合部(2c)を有する。該重合部の繋ぎ部(2g)を除いた非一体化部(2d)が生分解性糸(2e)により仮止めされている。該折り返し部は広い幅の幅広部(4’)を有し、該培土充填路は該幅広部(4’)において保たれ、該周縁部(3)は該培土充填路(6)側で該幅広部(4’)に対し反転して逆止片(1’)に連続していてもよい。
【解決手段】本発明に係る植栽用袋は、それぞれ不透水性の一面シート(1)と他面シート(2)を備える。該一面シートの周縁部(3)は該他面シートの折り返し部(4)で覆われる。該周縁部と該折り返し部は相互間に通水間隙(5)と培土充填路(6)を保って一体化(7)される。該一面シートには植穴開口部(8)が設けられる。該他面シートは二以上の他面片(2a)(2b)(2f)からなり、隣接する両他面片(2a,2f又は2b,2f)は重合部(2c)を有する。該重合部の繋ぎ部(2g)を除いた非一体化部(2d)が生分解性糸(2e)により仮止めされている。該折り返し部は広い幅の幅広部(4’)を有し、該培土充填路は該幅広部(4’)において保たれ、該周縁部(3)は該培土充填路(6)側で該幅広部(4’)に対し反転して逆止片(1’)に連続していてもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は植栽用袋にかかり、培土を充填して苗木の根鉢を植え込んでおき、これを植栽現場に運んで植栽面上に置くだけで、後は自然生育を待つだけで植栽ができるようなものに関する。
【背景技術】
【0002】
袋に培土を入れ、この袋に苗木を植え込み、この袋を植栽現場に置いて植栽をする袋はいろいろ開発されており、本願に近い先行技術として、例えば特開平11―89449号のものがある。これに示された植栽及び苗木生産用袋は、各別の不透水性シート部(2a,3a)を、培土の充填口(4)を残して、一方の周辺部(3b)が他方の周辺部(2b)を覆った状態で、一体とする。この一方の不透水性シート部は透根及び排水用の切れ目(3c)を備え、両周辺部間に通水間隙(5)が用意される。なお、透根用として透根性シート部(6')を備えるものもある。
【特許文献1】特開平11―89449号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、この先行技術では、透根性にやや難があった。すなわち、透根用の切れ目(3c)や透根性シート部(6')が根茎の肥大成長の妨げとなり、根茎にくびれを発生させ、樹木の根が生長に従って太くなれない場合があるという問題があった。
【0004】
一方、この先行技術では、通水間隙を利用して袋の内部に水を導くことにより、袋内に充填された培土の保水を図ることができる。しかしながら、袋の内部に水を導くのみでは袋内の水分が過剰になってしまうため適当な排水手段が必要となるところ、上記先行技術では排水についての十分な考慮がなされていなかった。すなわち、排水用の切れ目(3c)では、高い排水機能を備えた砂礫土壌に設置された場合等の設置状況によっては袋内に導入された水がそのまま排水され、十分な保水を図ることができない問題があった。一方、土壌に接する不透水性シート部を多孔性の透根性シート部に代えた場合、透根性を高めると排水性もそれに伴って高くなり上記切れ目(3c)と同様に十分な保水を図れなくなり、逆に排水性を低くすると透根性も低下して苗木の十分な育成を図れなくなるという問題があった。
【0005】
また、上記排水の問題の他、次のような問題もあった。
まず、充填口(4)が常時開放している場合、培土を入れた後に充填口(4)を閉じないと、袋が倒れたときに培土が充填口(4)から外へ漏れ出てしまうため、ホッチキスで不透水性シート部(3a)と不透水性シート部(2a)を綴り、又は不透水性シート部(3a)を不透水性シート部(2a)の上面へ折り返して縫着若しくは接着する等、充填口(4)を閉じる作業が必要であった。このような作業は、工場のように設備の整っているところでする場合はよいが、植栽現場のように作業環境の悪いところでする場合は、大変厄介であった。
【0006】
更に、植木を袋の培土中に植え込む際は、不透水性シート部(2a)を切り開く必要があった。予めスリットを設けておくと、培土が漏れ出したりして不都合だからである。そのため、カッターが必要で、作業も面倒となっていた。
【0007】
そこで本発明は、保水性と透根性の両面に優れた植栽用袋を提供することを第一の目的とする。また、本発明は、充填口を閉じる作業を省くことのできる植栽用袋を提供することを第二の目的とする。更に、本発明は、不透水性シート部を切り開く作業の不要な植栽用袋を提供することを第三の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にかかる植栽用袋は、それぞれ不透水性の一面シートと他面シートを備える。該一面シートの周縁部は該他面シートの折り返し部で覆われている。該周縁部と該折り返し部は相互間に通水間隙と培土充填路を保って一体化されている。該一面シートに植穴開口部が設けられている。該他面シートは二以上の他面片からなっている。そして、隣接する両他面片は重合部を有し、該重合部の繋ぎ部を除いた非一体化部が生分解性糸により仮止めされている。
【0009】
該他面シートは三以上の他面片からなり、他の他面片で挟まれる位置に配置される他面片が生分解性材で構成されていてもよい。
【0010】
該一面シートは各別の一面片から構成され、該一面片の対向端の起立片間が該植穴開口部となっていてもよい。
【0011】
該折り返し部は広い幅の幅広部を一有し、該培土充填路は該幅広部において保たれ、該一面シートの該周縁部は該培土充填路側で該幅広部に対し反転して逆止片に連続していてもよい。
【0012】
該一面シートの該周縁部を逆止片に連続させない場合、該一面シートと該他面シートの間に培土保護紙が介装され、該折り返し部は幅広部を有し、該培土充填路は該幅広部において保たれ、該培土保護紙は該培土充填路側に該幅広部と反対向きの逆止片が形成されていてもよい。
【0013】
該一面シートと該他面シートの間に逆止片が形成されていない培土保護紙が介装されていてもよい。
【0014】
培土保護紙が介装されない場合、該植穴開口部は抜糸可能の糸条で仮閉めされたスリットであってもよい。
【0015】
該折り返し部は寸法の大きい覆片部を有し、該植穴開口部は該覆片部と該一面シート間に保たれていてもよい。
【0016】
該重合部は、該他面片の縁部を折り曲げて突き合わせたもので、該繋ぎ部は折り目位置に形成され、該非一体化部は該折り目位置及び該折り目から縁辺側に間隔を保った位置で該仮止めがされていてもよい。
【0017】
該通水間隔は、該一面シートの隅角部に形成された切欠部を介して、該一面シートの裏面に連通していてもよい。
【0018】
該周縁部と該折り返し部の一体化が縫製、接着又は溶着の一つ以上でなされていてもよい。
【0019】
該一面シートと該他面シートで形成された空間に培土が充填されていてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明にかかる植栽用袋によれば、一面シートの周縁部に通水間隔が保たれているので、培土を充填して中央部分が盛り上がった状態とし一面シート上に降った雨滴を傾斜面に沿って流下させ、周囲の折り返し部と一面シート間の通水間隙を通して袋内に流し込ませ、これによって培土を湿潤させることができる。一方、重合部の非一体化部は生分解性糸で仮止めされているので、袋内に流れ込んだ水の流出を防ぐことができるとともに、生分解性糸が生長した苗の根茎の力によっていずれ破断すれば開放され、苗木の育成に適合した透根性も維持される。そのため、保水性と透根性の両面に優れたものとなる。
【0021】
また、一面シートに植穴開口部が設けられているので、植穴開口部を簡単に開いて苗を培土に植え込むことができ、一面シートを切り開く作業を不要にすることができる。
なお、袋内の培土の温度が夏期に上昇しすぎたり、冬期に低くなりすぎたりすることを防ぐために、発砲ポリエチレンシート等の保護材を収めることがあるが、その場合は、この保護材に関し植穴開口部に対向するスリットを予め備えておけばよい。
【0022】
他面シートを、三以上の他面片からなり、他の他面片で挟まれる位置に配置される他面片が生分解性材で構成されるものとすれば、苗の育成前においては高い保水性を維持しながら、苗の生長に応じて透根性を高めることができる。これは、シート状の生分解生材は、一般にその分解速度が生分解性糸よりも遅いため、非一体化部が十分な透根機能を果たす程度の苗の生長段階において生分解性糸を破断させても帯片は腐食せず保水性に寄与するようにし、非一体化部の透根機能では不十分な程度まで苗が生長した時点で帯片が腐食し透根性に寄与するようにできるからである。
【0023】
一面シートを各別の一面片から構成し、一面片の対向端の起立片間を植穴開口部とすれば、苗木の根鉢を培土に植え込む際、双方の起立片をつまんで互いに広げる方向へ引っ張ればよく、口開け作業を至って簡単にできる。また、苗を植え込んだ後に、ホッチキスや接着剤等で容易に閉じることができ、乾燥防止と雑草の繁茂防止効果をより確実に得ることができる。
【0024】
折り返し部は幅広部を有し、培土充填路は幅広部において保たれていれば、培土充填路は幅広部により仮に塞がれて直接外方へは開放せず、幅広部を展開して一面シートから引き離すことで、培土充填路を挟んで両側縁が互いに近づいて初めて培土充填路が直接的に外方へ開放する。そして、この培土充填路は、培土を袋の中へ充填した後幅広部を戻して培土充填路両端の一面シートと他面シートを反対方向へ引っ張って塞がった状態に戻すことができる。一方、一面シートの周縁部は培土充填路側で幅広部に対し反転して逆止片に連続しているので、培土の充填後培土充填路を閉じることにより、一面シートの逆止片が培土充填路を塞ぐ状態となって、培土の流出を阻止できる。従って、ホッチキス止め、縫着、接着等により培土充填路を閉じる作業を省くことができる。なお、培土の充填が容易なので、現場へは軽い袋の状態で運送して現場で培土を充填することにより運送費を低減でき、現場に備蓄されている剪定植物等の堆肥を培土として利用すれば、その消化も行うこともでき、経済的な効果も得ることができる。
【0025】
一面シートと他面シートの間に培土保護紙が介装されていれば、培土充填後苗を培土に植え込む前の段階における、植穴開口部からの培土の流出を防止できる一方で、培土保護紙は苗を培土に植え込む際には培土保護紙を指等で破くことで植穴開口部が簡単に開口し、苗を植え込むことができる。従って、不透水性シートを切り開く作業を不要としながら、植穴開口部からの培土流出を防ぐことができる。また、逆止片を培土保護紙に形成すれば、逆止片を容易に成形でき、しかも一面シートの使用量を少なくでき、価格を安くできる。
【0026】
植穴開口部を抜糸可能の糸条で仮閉めされたスリットとすれば、培土充填後苗を培土に植え込む前の段階における、植穴開口部からの培土の流出を防止できる一方で、苗を培土に植え込む際には糸条を抜き取ることで植穴開口部が簡単に開口し、苗の植え込みができる。従って、不透水性シートを切り開く作業を不要としながら、植穴開口部からの培土流出を防ぐことができる。
【0027】
一面シートの周縁部を覆う他面シートの折り返し部に寸法の大きい覆片部を有し、植穴開口部が覆片部と一面シート間に保たれていれば、傾斜した植栽面で利用する際に覆片部が傾斜の下側になるように配置することで、保水機能を高めることができる。
【0028】
他面片の縁部を折り曲げ突き合わせて重合部とし、繋ぎ部を折り目位置に形成し、非一体化部における折り目位置及び折り目から縁辺側に間隔を開けた位置で仮止めをすることにより、非一体化部を段階的に開放することができる。すなわち、折り目位置を仮止めする糸が破断しない限り、縁辺側位置を仮止めする糸は袋内の培土に接することがなく生分解が始まらないため、非一体化部は、まず折り目位置の糸が分解され破断し、それから縁辺側位置の糸が分解され破断されて初めて開放されることになる。そのため、培土が充填されてから植栽面に設置されるまでにある程度の時間がかかっても、設置後苗木が十分に生長する前に保水性が低下することを防止できる。
【0029】
通水間隔は、一面シートの隅角部に切り欠き部を形成することにより、複雑な製造工程を要することなく極めて容易に、一面シートの裏面に連通させることができる。
【0030】
周縁部と折り返し部の一体化が縫製、接着又は溶着の一つ以上でなされていると、通水間隙、培土充填路及び植穴開口部の形成が容易となる。
【0031】
なお、本発明にかかる植栽用袋は、袋本体の製造地又は製造者と培土の充填地又は充填者が異なる場合を想定し、袋本体のみでの出荷が可能なものとなっている。しかしながら、袋本体の製造地において培土の充填も行える場合は、一面シートと他面シートで形成された空間に培土が充填されたものを出荷してもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下の説明では、全図を通し、同一符号は同一若しくは相応部分を示す。なお、各シートや保護材等の肉厚は薄いので、太線で省略した。
図1から図6に、本発明にかかる植栽用袋の具体例(第一具体例)を示す。図1は同植栽用袋の使用状態の概観を示す斜視図、図2は図1のA−A線切断端面図である。また、図3は同植栽用袋の一部を切り欠いた正面図、図4は背面図、図5は図3のB−B線切断端面図、図6は接合部の拡大断面図である。
【0033】
この植栽用袋は、それぞれ不透水性の一面シート1と他面シート2を有する。一面シート1と他面シート2は例えばポリエチレンラミネートクロスシート製となっているが、不透水性のものならば、その他のものでもよい。
一面シート1の周縁部3は他面シート2の折り返し部4で覆われている。周縁部3と折り返し部4は相互間に通水間隙5を保って一体化7されている。一面シート1に植穴開口部8が設けられている。他面シート2は各別の他面片2a、2b及び中間の帯片2fから構成されている。他面片2a、2b及び2fからなり、隣接する両他面片2aと2f及び2bと2fは重合部2cを有する。重合部2cの繋ぎ部2gを除いた非一体化部2dが生分解性糸2eにより仮止めされている。培土Mは、一面シート1と他面シート2で形成された空間に充填され、植栽すべき苗Tは一面シート1を通して培土Mに植栽されている。
【0034】
この植栽用袋によれば、一面シート1の周縁部3に通水間隔5が保たれているので、培土Mの充填によって中央部分が盛り上がっている一面シート1上に降った雨滴を傾斜面に沿って流下させ、周囲の折り返し部4と一面シート1間の通水間隙5を通して袋内に流し込ませ、これによって培土Mを湿潤させることができる。一方、重合部2cの非一体化部2dは生分解性糸2eで仮止めされているので、袋内に流れ込んだ水の流出を防ぐことができるとともに、生分解性糸2eが生長した苗Tの根茎の力によっていずれ破断すれば開放され、苗Tの育成に適合した透根性も維持される。そのため、保水性と透根性の両面に優れたものとなる。
【0035】
また、一面シート1には、植穴開口部8が設けられている。そのため、植穴開口部8を簡単に開いて苗Tを培土Mに植え込むことができ、一面シート1を切り開く作業を不要にすることができる。
【0036】
他面片2a、2bで挟まれる位置に配置される他面片2fは生分解性材で成されている。
こうすると、非一体化部2dが十分な透根機能を果たす程度の苗Tの生長段階において生分解性糸2eを破断させても他面片2fは腐食せず保水性に寄与するようにし、非一体化部2dの透根機能では不十分な程度まで苗Tが生長した時点で他面片2fが腐食し透根性に寄与するようにできる。そして、苗Tの育成前においては高い保水性を維持しながら、苗Tの生長に応じて透根性を高めることができる。なお、この場合、他面片2f以外のシート部分(一面シート1及び他面片2a、2b)を、この他面片2fよりも耐久性のある生分解性材で構成してもよい。そうすると、苗Tが植栽面Pに活着し植栽用袋としての役目を終えた頃に全体が腐食し、最終的には何も残らないため、環境に好ましい。
【0037】
一面シート1は各別の一面片1a、1bから構成され、一面片1a、1bの対向端の起立片1c、1d間が植穴開口部8となっている。
こうすると、苗木Tの根鉢を培土に植え込む際、双方の起立片をつまんで互いに広げる方向へ引っ張ればよく、口開け作業を至って簡単にできる。また、苗Tを植え込んだ後に、ホッチキスや接着剤等で容易に閉じることができ、乾燥防止と雑草の繁茂防止効果をより確実に得ることができる。
【0038】
一面シート1と他面シート2の間に培土保護紙31が介装されている。
こうすると、培土充填後苗Tを培土Mに植え込む前の段階における、植穴開口部8からの培土Mの流出を防止できる一方で、培土保護紙31は苗Tを培土Mに植え込む際には培土保護紙31を指等で破くことで植穴開口部8が簡単に開口し、苗Tの植え込みができる。従って、不透水性シートを切り開く作業を不要としながら、植穴開口部8からの培土流出を防ぐことができる。
【0039】
また、袋内には、袋内の培土の温度が夏期に上昇しすぎたり、冬期に低くなりすぎたりすることを防ぐために、発砲ポリエチレンシート製の保護材32も収められている。この保護材32には、植穴開口部8に対向するスリットが設けられており、苗Tの培土Mへの植栽の妨げとならないようになっている。
【0040】
重合部2cは、他面片2aと2f及び2bと2fの縁部を折り曲げて突き合わせたもので、繋ぎ部2gは折り目位置に形成され、非一体化部2dは折り目位置及び折り目から縁辺側に間隔を保った位置で仮止めがされている。
こうすると、まず袋内の培土Mに接する、折り目位置の糸が分解され破断し、それから縁辺側位置の糸が分解され破断され、初めて非一体化部2dが開放されることになる。そのため、培土Mが充填されてから植栽面Pに設置されるまでにある程度の時間がかかっても、設置後苗Tが十分に生長する前に保水性が低下することを防止できる。
【0041】
一面シート1及び他面シート2は正方形又は長方形のうちの一方の形状となっている。
こうすると、円形や楕円形等の形状とする場合と比べ、より容易に製造することができる。
【0042】
通水間隔5は、一面シート1の隅角部に形成された切欠部1eを介して、一面シート1の裏面に連通している。
こうすると、複雑な製造工程を要することなく極めて容易に、通水間隔5を一面シート1の裏面に連通させることができる。
【0043】
周縁部3と折り返し部4の一体化7が縫製、接着又は溶着の一つ以上でなされている。「一つ以上」という言葉の意味は、縫製、接着、溶着を単独でしてもよく、あるいは縫製と接着、接着と溶着のように組み合わせて行ってもよいということである。
こうすると、通水間隙5、培土充填路6及び植穴開口部8の形成が容易である。
なお、培土保護紙31は、縫製や接着なら一面シート1と他面シート2の間に挟み込んで固定されるが、溶着の場合は挟み込まれず単に挿入された状態となる。もちろん、固定されなくても何ら支障はない。
【0044】
図7は、本発明にかか植栽用袋の他の具体例(第二具体例)の正面図である。この図7に示すように、植穴開口部8は、抜糸可能の糸条21で仮閉めされたスリット22であってもよい。
こうすると、培土充填後苗Tを培土Mに植え込む前の段階における、植穴開口部8からの培土Mの流出を防止できる一方で、苗Tを培土Mに植え込む際には糸条21を抜き取ることで植穴開口部8が簡単に開口し、苗Tの植え込みができる。従って、不透水性シートを切り開く作業を不要としながら、植穴開口部からの培土流出を防ぐことができる。なお、この場合は、培土保護紙31を介装する必要がない。
なお、培土Mの漏れ出る恐れがない程度の開口なら、スリットだけでもよい。
【0045】
図8から図11に、本発明にかかる植栽用袋の更に他の具体例(第三具体例)を示す。図8は一部を切り欠いた正面図、図9は図8のC−C線切断端面図、図10は図9において培土を充填するために幅広部4を展開しかつ一面シート1の周縁部3を幅広部4’と離す方向へ引き上げて培土充填路6を開放した状態を示す図、図11は培土の充填を終えて逆止片1’、周縁部3及び幅広部4’を戻した状態を示す。
この植栽用袋の構成は第一具体例のそれとほぼ同様である。相違点は、植穴開口部8は抜糸可能の糸条21で仮閉めされたスリット22であること、折り返し部4が幅広部4’を有していること、及び一面シート1の周縁部3は培土充填路6側で幅広部4’に対し反転して逆止片1’に連続していることである。
幅広部4’を一面シート1の表面から外方、即ち図9で反時計方向、へ展開し、一面シート1の周縁部3、逆止片1’及び培土保護紙31の縁部をつまんで幅広部4’から引き離して図10の状態にすると、培土充填路6が開放し、逆止片1’の遊端も内部指向を保つ。スコップ等で培土をこの培土充填路6に投入すれば、培土Mは逆止片1’を乗り越えて袋内に入り、内部に充填される。充填を終えたら、幅広部4’を元に戻し、培土充填路6の両端に位置する一面シート1、培土保護紙31及び他面シート2をつまんで外方へ引っ張れば、培土充填路6が閉じ、逆止片1’が他面シート2と接触する。培土が外部へ流出しようとすると逆止片1’がそれを阻止するので、培土充填路6をホッチキス止め、縫着、ヒートシール等で塞ぐ必要はない。なお、培土Mの充填が容易なので、現場へは軽い袋の状態で運送して現場で培土Mを充填することにより運送費を低減でき、現場に備蓄されている剪定植物等の堆肥を培土として利用すれば、その消化も行うこともでき、経済的な効果も得ることができる。
【0046】
図12から図14は、本発明にかかる植栽用袋の更に他の具体例(第四具体例)で、第三具体例を示した図9から図11にそれぞれ対応させてある。
この植栽用袋の構成は第三具体例の植栽用袋のそれとほぼ同様である。相違点は、培土保護紙31に培土充填路6側で幅広部4’と反対向きの逆止片31’が形成されていることである。
使用方法は第三具体例の植栽用袋と大差ないので説明は省略する。この植栽用袋の場合、逆止片31’を容易に成形でき、しかも一面シート1の使用量が減るので、安く提供できる。また、培土保護材31を備えるため、上記のように不透水性シートを切り開く作業を不要としながら、植穴開口部からの培土流出を防ぐことができる。
【0047】
図15及び16に、本発明にかかる植栽用袋の更に他の具体例(第五具体例)を示す。この植栽用袋は、第一具体例の植穴開口部8を一面シート1に形成したスリットとし、折り返し部4に寸法の大きい覆片部4''を設け、植穴開口部8が覆片部4''と一面シート1間に保たれてるようにしたものである。それ以外の構成は、第一具体例とほぼ同様でため、説明は省略する。
この植栽用袋の使用に際しては、図15の左側の折り返し部4を左側へ折り返す。この折り返し部4の上下は一体化7されているので、あまり広くはないがそこに培土充填路6が開放する。この培土充填路6を通して培土Mを袋の中へ充填する。充填が終わったら、この折り返し部4を戻す。植穴開口部8を開いて苗Tを培土Mに植え込む。そしてこの袋を傾斜した植栽面に植穴開口部8を傾斜上面に向けて設置する。
降雨があると、水滴は一面シート1の表面上を傾斜面に沿って流れ、植穴開口部8や通水間隙5から袋内に流れ込んでこれを湿潤する。袋内で発育した根茎は他面シート2の非一体化部2dを通って植栽面Pの土壌中に進出し、活着する。
折り返し部4は寸法の大きい覆片部4”を有しており、この周縁部3が覆片部4”で覆われ、この周縁部3と折り返し部4が、相互間に通水間隙5と植穴開口部8を保って、一体化7されているので、傾斜した植栽面で利用する際に覆片部4''が傾斜の下側になるように配置することで、保水機能を高めることができる。
【0048】
なお、上記第一から第五具体例で、他面シート2は、3つの他面片2a、2b、2fで構成されているが、図17に示すように、2つの他面片2a及び2bのみで構成してもよい。他面シート2を2つの他面片で構成した植栽用袋の具体例を示す。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明にかかる植栽用袋の具体例(第一具体例)の使用状態の概観を示す斜視図である。
【図2】図1のA−A線切断端面図である。
【図3】同植栽用袋の部分切欠正面図である。
【図4】同背面図である。
【図5】図3のB−B線切断端面図である。
【図6】接合部の拡大断面図である。
【図7】本発明にかかる植栽用袋の他の具体例(第二具体例)を示す部分切欠正面図である。
【図8】本発明にかかる植栽用袋の更に他の具体例(第三具体例)を示す部分切欠正面図である。
【図9】図8のC−C線切断端面図である。
【図10】図9の培土充填路開放状態の図である。
【図11】図9の培土充填完了状態の図である。
【図12】本発明にかかる植栽用袋の更に他の具体例の(第四具体例)の図9に対応する図である。
【図13】同図10に対応する図である。
【図14】同図11に対応する図である。
【図15】本発明にかかる植栽用袋の更に他の具体例(第五具体例)を示す部分切欠正面図である。
【図16】図15のD−D線切断端面図である。
【図17】本発明にかかる植栽用袋の更に他の具体例(第六具体例)を示す背面図である。
【符号の説明】
【0050】
1 一面シート
1’ 逆止片
1a、1b 一面片
1c、1d 起立片
2 他面シート
2a、2b、2f 他面片
2c 重合部
2d 非一体化部
2e 生分解性糸
2g 繋ぎ部
3 周縁部
4 折り返し部
4’ 幅広部
4” 覆片部
5 通水間隙
6 培土充填路
7 一体化
8 植穴開口部
31 培土保護紙
31’ 逆止片
T 苗
M 培土
【技術分野】
【0001】
本発明は植栽用袋にかかり、培土を充填して苗木の根鉢を植え込んでおき、これを植栽現場に運んで植栽面上に置くだけで、後は自然生育を待つだけで植栽ができるようなものに関する。
【背景技術】
【0002】
袋に培土を入れ、この袋に苗木を植え込み、この袋を植栽現場に置いて植栽をする袋はいろいろ開発されており、本願に近い先行技術として、例えば特開平11―89449号のものがある。これに示された植栽及び苗木生産用袋は、各別の不透水性シート部(2a,3a)を、培土の充填口(4)を残して、一方の周辺部(3b)が他方の周辺部(2b)を覆った状態で、一体とする。この一方の不透水性シート部は透根及び排水用の切れ目(3c)を備え、両周辺部間に通水間隙(5)が用意される。なお、透根用として透根性シート部(6')を備えるものもある。
【特許文献1】特開平11―89449号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、この先行技術では、透根性にやや難があった。すなわち、透根用の切れ目(3c)や透根性シート部(6')が根茎の肥大成長の妨げとなり、根茎にくびれを発生させ、樹木の根が生長に従って太くなれない場合があるという問題があった。
【0004】
一方、この先行技術では、通水間隙を利用して袋の内部に水を導くことにより、袋内に充填された培土の保水を図ることができる。しかしながら、袋の内部に水を導くのみでは袋内の水分が過剰になってしまうため適当な排水手段が必要となるところ、上記先行技術では排水についての十分な考慮がなされていなかった。すなわち、排水用の切れ目(3c)では、高い排水機能を備えた砂礫土壌に設置された場合等の設置状況によっては袋内に導入された水がそのまま排水され、十分な保水を図ることができない問題があった。一方、土壌に接する不透水性シート部を多孔性の透根性シート部に代えた場合、透根性を高めると排水性もそれに伴って高くなり上記切れ目(3c)と同様に十分な保水を図れなくなり、逆に排水性を低くすると透根性も低下して苗木の十分な育成を図れなくなるという問題があった。
【0005】
また、上記排水の問題の他、次のような問題もあった。
まず、充填口(4)が常時開放している場合、培土を入れた後に充填口(4)を閉じないと、袋が倒れたときに培土が充填口(4)から外へ漏れ出てしまうため、ホッチキスで不透水性シート部(3a)と不透水性シート部(2a)を綴り、又は不透水性シート部(3a)を不透水性シート部(2a)の上面へ折り返して縫着若しくは接着する等、充填口(4)を閉じる作業が必要であった。このような作業は、工場のように設備の整っているところでする場合はよいが、植栽現場のように作業環境の悪いところでする場合は、大変厄介であった。
【0006】
更に、植木を袋の培土中に植え込む際は、不透水性シート部(2a)を切り開く必要があった。予めスリットを設けておくと、培土が漏れ出したりして不都合だからである。そのため、カッターが必要で、作業も面倒となっていた。
【0007】
そこで本発明は、保水性と透根性の両面に優れた植栽用袋を提供することを第一の目的とする。また、本発明は、充填口を閉じる作業を省くことのできる植栽用袋を提供することを第二の目的とする。更に、本発明は、不透水性シート部を切り開く作業の不要な植栽用袋を提供することを第三の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にかかる植栽用袋は、それぞれ不透水性の一面シートと他面シートを備える。該一面シートの周縁部は該他面シートの折り返し部で覆われている。該周縁部と該折り返し部は相互間に通水間隙と培土充填路を保って一体化されている。該一面シートに植穴開口部が設けられている。該他面シートは二以上の他面片からなっている。そして、隣接する両他面片は重合部を有し、該重合部の繋ぎ部を除いた非一体化部が生分解性糸により仮止めされている。
【0009】
該他面シートは三以上の他面片からなり、他の他面片で挟まれる位置に配置される他面片が生分解性材で構成されていてもよい。
【0010】
該一面シートは各別の一面片から構成され、該一面片の対向端の起立片間が該植穴開口部となっていてもよい。
【0011】
該折り返し部は広い幅の幅広部を一有し、該培土充填路は該幅広部において保たれ、該一面シートの該周縁部は該培土充填路側で該幅広部に対し反転して逆止片に連続していてもよい。
【0012】
該一面シートの該周縁部を逆止片に連続させない場合、該一面シートと該他面シートの間に培土保護紙が介装され、該折り返し部は幅広部を有し、該培土充填路は該幅広部において保たれ、該培土保護紙は該培土充填路側に該幅広部と反対向きの逆止片が形成されていてもよい。
【0013】
該一面シートと該他面シートの間に逆止片が形成されていない培土保護紙が介装されていてもよい。
【0014】
培土保護紙が介装されない場合、該植穴開口部は抜糸可能の糸条で仮閉めされたスリットであってもよい。
【0015】
該折り返し部は寸法の大きい覆片部を有し、該植穴開口部は該覆片部と該一面シート間に保たれていてもよい。
【0016】
該重合部は、該他面片の縁部を折り曲げて突き合わせたもので、該繋ぎ部は折り目位置に形成され、該非一体化部は該折り目位置及び該折り目から縁辺側に間隔を保った位置で該仮止めがされていてもよい。
【0017】
該通水間隔は、該一面シートの隅角部に形成された切欠部を介して、該一面シートの裏面に連通していてもよい。
【0018】
該周縁部と該折り返し部の一体化が縫製、接着又は溶着の一つ以上でなされていてもよい。
【0019】
該一面シートと該他面シートで形成された空間に培土が充填されていてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明にかかる植栽用袋によれば、一面シートの周縁部に通水間隔が保たれているので、培土を充填して中央部分が盛り上がった状態とし一面シート上に降った雨滴を傾斜面に沿って流下させ、周囲の折り返し部と一面シート間の通水間隙を通して袋内に流し込ませ、これによって培土を湿潤させることができる。一方、重合部の非一体化部は生分解性糸で仮止めされているので、袋内に流れ込んだ水の流出を防ぐことができるとともに、生分解性糸が生長した苗の根茎の力によっていずれ破断すれば開放され、苗木の育成に適合した透根性も維持される。そのため、保水性と透根性の両面に優れたものとなる。
【0021】
また、一面シートに植穴開口部が設けられているので、植穴開口部を簡単に開いて苗を培土に植え込むことができ、一面シートを切り開く作業を不要にすることができる。
なお、袋内の培土の温度が夏期に上昇しすぎたり、冬期に低くなりすぎたりすることを防ぐために、発砲ポリエチレンシート等の保護材を収めることがあるが、その場合は、この保護材に関し植穴開口部に対向するスリットを予め備えておけばよい。
【0022】
他面シートを、三以上の他面片からなり、他の他面片で挟まれる位置に配置される他面片が生分解性材で構成されるものとすれば、苗の育成前においては高い保水性を維持しながら、苗の生長に応じて透根性を高めることができる。これは、シート状の生分解生材は、一般にその分解速度が生分解性糸よりも遅いため、非一体化部が十分な透根機能を果たす程度の苗の生長段階において生分解性糸を破断させても帯片は腐食せず保水性に寄与するようにし、非一体化部の透根機能では不十分な程度まで苗が生長した時点で帯片が腐食し透根性に寄与するようにできるからである。
【0023】
一面シートを各別の一面片から構成し、一面片の対向端の起立片間を植穴開口部とすれば、苗木の根鉢を培土に植え込む際、双方の起立片をつまんで互いに広げる方向へ引っ張ればよく、口開け作業を至って簡単にできる。また、苗を植え込んだ後に、ホッチキスや接着剤等で容易に閉じることができ、乾燥防止と雑草の繁茂防止効果をより確実に得ることができる。
【0024】
折り返し部は幅広部を有し、培土充填路は幅広部において保たれていれば、培土充填路は幅広部により仮に塞がれて直接外方へは開放せず、幅広部を展開して一面シートから引き離すことで、培土充填路を挟んで両側縁が互いに近づいて初めて培土充填路が直接的に外方へ開放する。そして、この培土充填路は、培土を袋の中へ充填した後幅広部を戻して培土充填路両端の一面シートと他面シートを反対方向へ引っ張って塞がった状態に戻すことができる。一方、一面シートの周縁部は培土充填路側で幅広部に対し反転して逆止片に連続しているので、培土の充填後培土充填路を閉じることにより、一面シートの逆止片が培土充填路を塞ぐ状態となって、培土の流出を阻止できる。従って、ホッチキス止め、縫着、接着等により培土充填路を閉じる作業を省くことができる。なお、培土の充填が容易なので、現場へは軽い袋の状態で運送して現場で培土を充填することにより運送費を低減でき、現場に備蓄されている剪定植物等の堆肥を培土として利用すれば、その消化も行うこともでき、経済的な効果も得ることができる。
【0025】
一面シートと他面シートの間に培土保護紙が介装されていれば、培土充填後苗を培土に植え込む前の段階における、植穴開口部からの培土の流出を防止できる一方で、培土保護紙は苗を培土に植え込む際には培土保護紙を指等で破くことで植穴開口部が簡単に開口し、苗を植え込むことができる。従って、不透水性シートを切り開く作業を不要としながら、植穴開口部からの培土流出を防ぐことができる。また、逆止片を培土保護紙に形成すれば、逆止片を容易に成形でき、しかも一面シートの使用量を少なくでき、価格を安くできる。
【0026】
植穴開口部を抜糸可能の糸条で仮閉めされたスリットとすれば、培土充填後苗を培土に植え込む前の段階における、植穴開口部からの培土の流出を防止できる一方で、苗を培土に植え込む際には糸条を抜き取ることで植穴開口部が簡単に開口し、苗の植え込みができる。従って、不透水性シートを切り開く作業を不要としながら、植穴開口部からの培土流出を防ぐことができる。
【0027】
一面シートの周縁部を覆う他面シートの折り返し部に寸法の大きい覆片部を有し、植穴開口部が覆片部と一面シート間に保たれていれば、傾斜した植栽面で利用する際に覆片部が傾斜の下側になるように配置することで、保水機能を高めることができる。
【0028】
他面片の縁部を折り曲げ突き合わせて重合部とし、繋ぎ部を折り目位置に形成し、非一体化部における折り目位置及び折り目から縁辺側に間隔を開けた位置で仮止めをすることにより、非一体化部を段階的に開放することができる。すなわち、折り目位置を仮止めする糸が破断しない限り、縁辺側位置を仮止めする糸は袋内の培土に接することがなく生分解が始まらないため、非一体化部は、まず折り目位置の糸が分解され破断し、それから縁辺側位置の糸が分解され破断されて初めて開放されることになる。そのため、培土が充填されてから植栽面に設置されるまでにある程度の時間がかかっても、設置後苗木が十分に生長する前に保水性が低下することを防止できる。
【0029】
通水間隔は、一面シートの隅角部に切り欠き部を形成することにより、複雑な製造工程を要することなく極めて容易に、一面シートの裏面に連通させることができる。
【0030】
周縁部と折り返し部の一体化が縫製、接着又は溶着の一つ以上でなされていると、通水間隙、培土充填路及び植穴開口部の形成が容易となる。
【0031】
なお、本発明にかかる植栽用袋は、袋本体の製造地又は製造者と培土の充填地又は充填者が異なる場合を想定し、袋本体のみでの出荷が可能なものとなっている。しかしながら、袋本体の製造地において培土の充填も行える場合は、一面シートと他面シートで形成された空間に培土が充填されたものを出荷してもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下の説明では、全図を通し、同一符号は同一若しくは相応部分を示す。なお、各シートや保護材等の肉厚は薄いので、太線で省略した。
図1から図6に、本発明にかかる植栽用袋の具体例(第一具体例)を示す。図1は同植栽用袋の使用状態の概観を示す斜視図、図2は図1のA−A線切断端面図である。また、図3は同植栽用袋の一部を切り欠いた正面図、図4は背面図、図5は図3のB−B線切断端面図、図6は接合部の拡大断面図である。
【0033】
この植栽用袋は、それぞれ不透水性の一面シート1と他面シート2を有する。一面シート1と他面シート2は例えばポリエチレンラミネートクロスシート製となっているが、不透水性のものならば、その他のものでもよい。
一面シート1の周縁部3は他面シート2の折り返し部4で覆われている。周縁部3と折り返し部4は相互間に通水間隙5を保って一体化7されている。一面シート1に植穴開口部8が設けられている。他面シート2は各別の他面片2a、2b及び中間の帯片2fから構成されている。他面片2a、2b及び2fからなり、隣接する両他面片2aと2f及び2bと2fは重合部2cを有する。重合部2cの繋ぎ部2gを除いた非一体化部2dが生分解性糸2eにより仮止めされている。培土Mは、一面シート1と他面シート2で形成された空間に充填され、植栽すべき苗Tは一面シート1を通して培土Mに植栽されている。
【0034】
この植栽用袋によれば、一面シート1の周縁部3に通水間隔5が保たれているので、培土Mの充填によって中央部分が盛り上がっている一面シート1上に降った雨滴を傾斜面に沿って流下させ、周囲の折り返し部4と一面シート1間の通水間隙5を通して袋内に流し込ませ、これによって培土Mを湿潤させることができる。一方、重合部2cの非一体化部2dは生分解性糸2eで仮止めされているので、袋内に流れ込んだ水の流出を防ぐことができるとともに、生分解性糸2eが生長した苗Tの根茎の力によっていずれ破断すれば開放され、苗Tの育成に適合した透根性も維持される。そのため、保水性と透根性の両面に優れたものとなる。
【0035】
また、一面シート1には、植穴開口部8が設けられている。そのため、植穴開口部8を簡単に開いて苗Tを培土Mに植え込むことができ、一面シート1を切り開く作業を不要にすることができる。
【0036】
他面片2a、2bで挟まれる位置に配置される他面片2fは生分解性材で成されている。
こうすると、非一体化部2dが十分な透根機能を果たす程度の苗Tの生長段階において生分解性糸2eを破断させても他面片2fは腐食せず保水性に寄与するようにし、非一体化部2dの透根機能では不十分な程度まで苗Tが生長した時点で他面片2fが腐食し透根性に寄与するようにできる。そして、苗Tの育成前においては高い保水性を維持しながら、苗Tの生長に応じて透根性を高めることができる。なお、この場合、他面片2f以外のシート部分(一面シート1及び他面片2a、2b)を、この他面片2fよりも耐久性のある生分解性材で構成してもよい。そうすると、苗Tが植栽面Pに活着し植栽用袋としての役目を終えた頃に全体が腐食し、最終的には何も残らないため、環境に好ましい。
【0037】
一面シート1は各別の一面片1a、1bから構成され、一面片1a、1bの対向端の起立片1c、1d間が植穴開口部8となっている。
こうすると、苗木Tの根鉢を培土に植え込む際、双方の起立片をつまんで互いに広げる方向へ引っ張ればよく、口開け作業を至って簡単にできる。また、苗Tを植え込んだ後に、ホッチキスや接着剤等で容易に閉じることができ、乾燥防止と雑草の繁茂防止効果をより確実に得ることができる。
【0038】
一面シート1と他面シート2の間に培土保護紙31が介装されている。
こうすると、培土充填後苗Tを培土Mに植え込む前の段階における、植穴開口部8からの培土Mの流出を防止できる一方で、培土保護紙31は苗Tを培土Mに植え込む際には培土保護紙31を指等で破くことで植穴開口部8が簡単に開口し、苗Tの植え込みができる。従って、不透水性シートを切り開く作業を不要としながら、植穴開口部8からの培土流出を防ぐことができる。
【0039】
また、袋内には、袋内の培土の温度が夏期に上昇しすぎたり、冬期に低くなりすぎたりすることを防ぐために、発砲ポリエチレンシート製の保護材32も収められている。この保護材32には、植穴開口部8に対向するスリットが設けられており、苗Tの培土Mへの植栽の妨げとならないようになっている。
【0040】
重合部2cは、他面片2aと2f及び2bと2fの縁部を折り曲げて突き合わせたもので、繋ぎ部2gは折り目位置に形成され、非一体化部2dは折り目位置及び折り目から縁辺側に間隔を保った位置で仮止めがされている。
こうすると、まず袋内の培土Mに接する、折り目位置の糸が分解され破断し、それから縁辺側位置の糸が分解され破断され、初めて非一体化部2dが開放されることになる。そのため、培土Mが充填されてから植栽面Pに設置されるまでにある程度の時間がかかっても、設置後苗Tが十分に生長する前に保水性が低下することを防止できる。
【0041】
一面シート1及び他面シート2は正方形又は長方形のうちの一方の形状となっている。
こうすると、円形や楕円形等の形状とする場合と比べ、より容易に製造することができる。
【0042】
通水間隔5は、一面シート1の隅角部に形成された切欠部1eを介して、一面シート1の裏面に連通している。
こうすると、複雑な製造工程を要することなく極めて容易に、通水間隔5を一面シート1の裏面に連通させることができる。
【0043】
周縁部3と折り返し部4の一体化7が縫製、接着又は溶着の一つ以上でなされている。「一つ以上」という言葉の意味は、縫製、接着、溶着を単独でしてもよく、あるいは縫製と接着、接着と溶着のように組み合わせて行ってもよいということである。
こうすると、通水間隙5、培土充填路6及び植穴開口部8の形成が容易である。
なお、培土保護紙31は、縫製や接着なら一面シート1と他面シート2の間に挟み込んで固定されるが、溶着の場合は挟み込まれず単に挿入された状態となる。もちろん、固定されなくても何ら支障はない。
【0044】
図7は、本発明にかか植栽用袋の他の具体例(第二具体例)の正面図である。この図7に示すように、植穴開口部8は、抜糸可能の糸条21で仮閉めされたスリット22であってもよい。
こうすると、培土充填後苗Tを培土Mに植え込む前の段階における、植穴開口部8からの培土Mの流出を防止できる一方で、苗Tを培土Mに植え込む際には糸条21を抜き取ることで植穴開口部8が簡単に開口し、苗Tの植え込みができる。従って、不透水性シートを切り開く作業を不要としながら、植穴開口部からの培土流出を防ぐことができる。なお、この場合は、培土保護紙31を介装する必要がない。
なお、培土Mの漏れ出る恐れがない程度の開口なら、スリットだけでもよい。
【0045】
図8から図11に、本発明にかかる植栽用袋の更に他の具体例(第三具体例)を示す。図8は一部を切り欠いた正面図、図9は図8のC−C線切断端面図、図10は図9において培土を充填するために幅広部4を展開しかつ一面シート1の周縁部3を幅広部4’と離す方向へ引き上げて培土充填路6を開放した状態を示す図、図11は培土の充填を終えて逆止片1’、周縁部3及び幅広部4’を戻した状態を示す。
この植栽用袋の構成は第一具体例のそれとほぼ同様である。相違点は、植穴開口部8は抜糸可能の糸条21で仮閉めされたスリット22であること、折り返し部4が幅広部4’を有していること、及び一面シート1の周縁部3は培土充填路6側で幅広部4’に対し反転して逆止片1’に連続していることである。
幅広部4’を一面シート1の表面から外方、即ち図9で反時計方向、へ展開し、一面シート1の周縁部3、逆止片1’及び培土保護紙31の縁部をつまんで幅広部4’から引き離して図10の状態にすると、培土充填路6が開放し、逆止片1’の遊端も内部指向を保つ。スコップ等で培土をこの培土充填路6に投入すれば、培土Mは逆止片1’を乗り越えて袋内に入り、内部に充填される。充填を終えたら、幅広部4’を元に戻し、培土充填路6の両端に位置する一面シート1、培土保護紙31及び他面シート2をつまんで外方へ引っ張れば、培土充填路6が閉じ、逆止片1’が他面シート2と接触する。培土が外部へ流出しようとすると逆止片1’がそれを阻止するので、培土充填路6をホッチキス止め、縫着、ヒートシール等で塞ぐ必要はない。なお、培土Mの充填が容易なので、現場へは軽い袋の状態で運送して現場で培土Mを充填することにより運送費を低減でき、現場に備蓄されている剪定植物等の堆肥を培土として利用すれば、その消化も行うこともでき、経済的な効果も得ることができる。
【0046】
図12から図14は、本発明にかかる植栽用袋の更に他の具体例(第四具体例)で、第三具体例を示した図9から図11にそれぞれ対応させてある。
この植栽用袋の構成は第三具体例の植栽用袋のそれとほぼ同様である。相違点は、培土保護紙31に培土充填路6側で幅広部4’と反対向きの逆止片31’が形成されていることである。
使用方法は第三具体例の植栽用袋と大差ないので説明は省略する。この植栽用袋の場合、逆止片31’を容易に成形でき、しかも一面シート1の使用量が減るので、安く提供できる。また、培土保護材31を備えるため、上記のように不透水性シートを切り開く作業を不要としながら、植穴開口部からの培土流出を防ぐことができる。
【0047】
図15及び16に、本発明にかかる植栽用袋の更に他の具体例(第五具体例)を示す。この植栽用袋は、第一具体例の植穴開口部8を一面シート1に形成したスリットとし、折り返し部4に寸法の大きい覆片部4''を設け、植穴開口部8が覆片部4''と一面シート1間に保たれてるようにしたものである。それ以外の構成は、第一具体例とほぼ同様でため、説明は省略する。
この植栽用袋の使用に際しては、図15の左側の折り返し部4を左側へ折り返す。この折り返し部4の上下は一体化7されているので、あまり広くはないがそこに培土充填路6が開放する。この培土充填路6を通して培土Mを袋の中へ充填する。充填が終わったら、この折り返し部4を戻す。植穴開口部8を開いて苗Tを培土Mに植え込む。そしてこの袋を傾斜した植栽面に植穴開口部8を傾斜上面に向けて設置する。
降雨があると、水滴は一面シート1の表面上を傾斜面に沿って流れ、植穴開口部8や通水間隙5から袋内に流れ込んでこれを湿潤する。袋内で発育した根茎は他面シート2の非一体化部2dを通って植栽面Pの土壌中に進出し、活着する。
折り返し部4は寸法の大きい覆片部4”を有しており、この周縁部3が覆片部4”で覆われ、この周縁部3と折り返し部4が、相互間に通水間隙5と植穴開口部8を保って、一体化7されているので、傾斜した植栽面で利用する際に覆片部4''が傾斜の下側になるように配置することで、保水機能を高めることができる。
【0048】
なお、上記第一から第五具体例で、他面シート2は、3つの他面片2a、2b、2fで構成されているが、図17に示すように、2つの他面片2a及び2bのみで構成してもよい。他面シート2を2つの他面片で構成した植栽用袋の具体例を示す。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明にかかる植栽用袋の具体例(第一具体例)の使用状態の概観を示す斜視図である。
【図2】図1のA−A線切断端面図である。
【図3】同植栽用袋の部分切欠正面図である。
【図4】同背面図である。
【図5】図3のB−B線切断端面図である。
【図6】接合部の拡大断面図である。
【図7】本発明にかかる植栽用袋の他の具体例(第二具体例)を示す部分切欠正面図である。
【図8】本発明にかかる植栽用袋の更に他の具体例(第三具体例)を示す部分切欠正面図である。
【図9】図8のC−C線切断端面図である。
【図10】図9の培土充填路開放状態の図である。
【図11】図9の培土充填完了状態の図である。
【図12】本発明にかかる植栽用袋の更に他の具体例の(第四具体例)の図9に対応する図である。
【図13】同図10に対応する図である。
【図14】同図11に対応する図である。
【図15】本発明にかかる植栽用袋の更に他の具体例(第五具体例)を示す部分切欠正面図である。
【図16】図15のD−D線切断端面図である。
【図17】本発明にかかる植栽用袋の更に他の具体例(第六具体例)を示す背面図である。
【符号の説明】
【0050】
1 一面シート
1’ 逆止片
1a、1b 一面片
1c、1d 起立片
2 他面シート
2a、2b、2f 他面片
2c 重合部
2d 非一体化部
2e 生分解性糸
2g 繋ぎ部
3 周縁部
4 折り返し部
4’ 幅広部
4” 覆片部
5 通水間隙
6 培土充填路
7 一体化
8 植穴開口部
31 培土保護紙
31’ 逆止片
T 苗
M 培土
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ不透水性の一面シート(1)と他面シート(2)を備え、
該一面シート(1)の周縁部(3)は該他面シート(2)の折り返し部(4)で覆われ、
該周縁部(3)と該折り返し部(4)は相互間に通水間隙(5)と培土充填路(6)を保って一体化(7)され、
該一面シート(1)に植穴開口部(8)が設けられ、
該他面シート(2)は二以上の他面片(2a)(2b)(2f)からなり、隣接する両他面片(2a,2f又は2b,2f)は重合部(2c)を有し、該重合部(2c)の繋ぎ部(2g)を除いた非一体化部(2d)が生分解性糸(2e)により仮止めされていることを特徴とする植栽用袋。
【請求項2】
該他面シート(2)は三以上の他面片(2a)(2b)(2f)からなり、他の他面片(2a,2b)で挟まれる位置に配置される他面片(2f)が生分解性材で構成されている請求項1に記載の植栽用袋。
【請求項3】
該一面シート(1)は各別の一面片(1a,1b)から構成され、該一面片(1a,1b)の対向端の起立片(1c,1d)間が植穴開口部(8)となっている請求項1又は2に記載の植栽用袋。
【請求項4】
該折り返し部(4)は広い幅の幅広部(4’)を有し、該培土充填路(6)は該幅広部(4’)において保たれ、該一面シート(1)の該周縁部(3)は該培土充填路(6)側で該幅広部(4’)に対し反転して逆止片(1’)に連続している請求項1〜3の何れか一つの項に記載の植栽袋。
【請求項5】
該一面シート(1)と該他面シート(2)の間に培土保護紙(31)が介装され、該折り返し部(4)は広い幅の幅広部(4’)を有し、該培土充填路(6)は該幅広部(4’)において保たれ、該培土保護紙(31)は該培土充填路(6)側に該幅広部(4’)と反対向きの逆止片(1’)が形成されている請求項1〜3の何れか一つの項に記載の植栽用袋。
【請求項6】
該一面シート(1)と該他面シート(2)の間に培土保護紙(31)が介装されている請求項1〜4の何れか一つの項に記載の植栽用袋。
【請求項7】
該植穴開口部(8)は抜糸可能の糸条(21)で仮閉めされたスリット(22)である請求項1〜4の何れか一つの項に記載の植栽用袋。
【請求項8】
該折り返し部(4)は寸法の大きい覆片部(4”)を有しており、該植穴開口部(8)は該覆片部(4”)と該一面シート(1)間に保たれている請求項1又は2に記載の植栽用袋。
【請求項9】
該重合部(2c)は、該他面片(2a,2b)の縁部を折り曲げて突き合わせたもので、該繋ぎ部(2g)は折り目位置に形成され、該非一体化部(2d)は該折り目位置及び該折り目から縁辺側に間隔を保った位置で該仮止めがされている請求項1〜8の何れか一つの項に記載の植栽用袋。
【請求項10】
該通水間隔(5)は、該一面シート(1)の隅角部に形成された切欠部(1e)を介して、該一面シート(1)の裏面に連通している請求項1〜9の何れか一つの項に記載の植栽用袋。
【請求項11】
該周縁部(3)と該折り返し部(4)の一体化(7)が縫製、接着又は溶着の一つ以上でなされている請求項1〜10の何れか一つの項に記載の植栽用袋。
【請求項12】
該一面シート(1)と該他面シート(2)で形成された空間に培土(M)が充填されている請求項1〜11の何れか一つの項に記載の植栽用袋。
【請求項1】
それぞれ不透水性の一面シート(1)と他面シート(2)を備え、
該一面シート(1)の周縁部(3)は該他面シート(2)の折り返し部(4)で覆われ、
該周縁部(3)と該折り返し部(4)は相互間に通水間隙(5)と培土充填路(6)を保って一体化(7)され、
該一面シート(1)に植穴開口部(8)が設けられ、
該他面シート(2)は二以上の他面片(2a)(2b)(2f)からなり、隣接する両他面片(2a,2f又は2b,2f)は重合部(2c)を有し、該重合部(2c)の繋ぎ部(2g)を除いた非一体化部(2d)が生分解性糸(2e)により仮止めされていることを特徴とする植栽用袋。
【請求項2】
該他面シート(2)は三以上の他面片(2a)(2b)(2f)からなり、他の他面片(2a,2b)で挟まれる位置に配置される他面片(2f)が生分解性材で構成されている請求項1に記載の植栽用袋。
【請求項3】
該一面シート(1)は各別の一面片(1a,1b)から構成され、該一面片(1a,1b)の対向端の起立片(1c,1d)間が植穴開口部(8)となっている請求項1又は2に記載の植栽用袋。
【請求項4】
該折り返し部(4)は広い幅の幅広部(4’)を有し、該培土充填路(6)は該幅広部(4’)において保たれ、該一面シート(1)の該周縁部(3)は該培土充填路(6)側で該幅広部(4’)に対し反転して逆止片(1’)に連続している請求項1〜3の何れか一つの項に記載の植栽袋。
【請求項5】
該一面シート(1)と該他面シート(2)の間に培土保護紙(31)が介装され、該折り返し部(4)は広い幅の幅広部(4’)を有し、該培土充填路(6)は該幅広部(4’)において保たれ、該培土保護紙(31)は該培土充填路(6)側に該幅広部(4’)と反対向きの逆止片(1’)が形成されている請求項1〜3の何れか一つの項に記載の植栽用袋。
【請求項6】
該一面シート(1)と該他面シート(2)の間に培土保護紙(31)が介装されている請求項1〜4の何れか一つの項に記載の植栽用袋。
【請求項7】
該植穴開口部(8)は抜糸可能の糸条(21)で仮閉めされたスリット(22)である請求項1〜4の何れか一つの項に記載の植栽用袋。
【請求項8】
該折り返し部(4)は寸法の大きい覆片部(4”)を有しており、該植穴開口部(8)は該覆片部(4”)と該一面シート(1)間に保たれている請求項1又は2に記載の植栽用袋。
【請求項9】
該重合部(2c)は、該他面片(2a,2b)の縁部を折り曲げて突き合わせたもので、該繋ぎ部(2g)は折り目位置に形成され、該非一体化部(2d)は該折り目位置及び該折り目から縁辺側に間隔を保った位置で該仮止めがされている請求項1〜8の何れか一つの項に記載の植栽用袋。
【請求項10】
該通水間隔(5)は、該一面シート(1)の隅角部に形成された切欠部(1e)を介して、該一面シート(1)の裏面に連通している請求項1〜9の何れか一つの項に記載の植栽用袋。
【請求項11】
該周縁部(3)と該折り返し部(4)の一体化(7)が縫製、接着又は溶着の一つ以上でなされている請求項1〜10の何れか一つの項に記載の植栽用袋。
【請求項12】
該一面シート(1)と該他面シート(2)で形成された空間に培土(M)が充填されている請求項1〜11の何れか一つの項に記載の植栽用袋。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2006−101820(P2006−101820A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−295648(P2004−295648)
【出願日】平成16年10月8日(2004.10.8)
【出願人】(500146484)ダイトウテクノグリーン株式会社 (12)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月8日(2004.10.8)
【出願人】(500146484)ダイトウテクノグリーン株式会社 (12)
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