説明

植物栽培装置及び植物栽培方法

【課題】大がかりな電極の敷設等を行うことなく、安全且つ容易に植物栽培の効率を向上させた植物栽培方法を実現できるようにする。
【解決手段】植物栽培装置は、植物を栽培するための養液を入れる栽培槽(101)と、養液中においてストリーマ放電を発生させる放電ユニット(103)と、放電ユニットに電圧を供給する直流電源(105)とを備えている。放電ユニット(103)は、放電電極(131)と、放電電極(131)を収容し、開口を有する絶縁容器(133)と、開口と対向する位置に配置された対向電極(135)とを有している。直流電源(105)は、放電電極(131)と対向電極(135)との間に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は植物栽培装置及び植物栽培方法に関し、特にストリーマ放電を用いる植物栽培装置及び植物栽培方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、養液栽培技術を用いた植物工場が大きな注目を集めている。植物工場は、閉鎖的又は半閉鎖的な空間内において、植物を栽培する。このため、病原菌及び害虫の侵入を抑えることができるので、農薬の散布が不要となり、無農薬による安全な栽培が可能となる。また、土壌によらず、養液栽培することにより、連作障害を生じさせることなく連作することが可能となる。さらに、植物の生育環境を制御しているため、生産物の品質を一定に保つことができる。しかし、今のところ植物工場は、コスト及びエネルギー効率の点で通常の露地栽培におよばない。このため、植物栽培のさらなる効率化が求められている。
【0003】
植物栽培を効率化するために、植物の生育を促進する方法が種々検討されている。例えば、植物の根に直流電界を印加する方法が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。具体的には、栽培容器の底面に配置した陰極と、育苗マットの下面に配置した陽極との間に直流電圧を印加することにより、植物の根に直流電界を印加している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−154510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の栽培促進方法には、植物の根に直流電界を印加するための大がかりな設備が必要であるという問題がある。直流電界を広く印加するために、育苗マットの下面全体に陽極を張り巡らせる必要があり、電極の敷設及び撤去に大きな労力とコストが必要となる。また、植物の根は、陽極と陰極との間に広がるため、電極がじゃまになり植え替え等の作業の効率が低下する。さらに、直流電界を効率良く印加するために、陰極と陽極との間隔を広く取る必要があり、作業者が感電する事故が生じやすいという問題もある。
【0006】
本願は、前記の問題を解決し、大がかりな電極の敷設等を行うことなく、安全且つ容易に植物栽培の効率を向上させた植物栽培方法を実現できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するため、例示の植物栽培装置は、直流電圧を印加することにより液中においてストリーマ放電を発生させる放電ユニットを栽培植物の根の近傍に配置している。
【0008】
具体的に、本発明に係る植物栽培装置は、植物を栽培するための養液を入れる栽培槽(101)と、養液中においてストリーマ放電を発生させる放電ユニット(103)と、放電ユニットに電圧を供給する直流電源(105)とを備え、放電ユニット(103)は、放電電極(131)と、放電電極(131)を収容し、開口を有する絶縁容器(133)と、開口と対向する位置に配置された対向電極(135)とを有し、直流電源(105)は、放電電極(131)と対向電極(135)との間に接続されている。
【0009】
本発明の植物栽培装置は、養液中においてストリーマ放電を発生させる放電ユニット(103)を備えている。ストリーマ放電により衝撃波、音波及び電磁波等が生じる。生じた衝撃波、音波及び電磁波等は、溶液中に伸張した植物の根に供給されるため、植物の栽培を促進することができる。また、ストリーマ放電ユニットを養液中に配置するだけでよく、大がかりな電極の敷設等を行う必要がない。さらに、ストリーマ放電により生じた衝撃波等を用いて、栽培促進を行うため、電流を用いる場合と比べて、作業者の感電事故等が生じるおそれを大幅に低減できる。
【0010】
本発明の植物栽培装置は、ストリーマ放電により発生させた衝撃波、音波及び磁場を前記植物の根に供給する。
【0011】
本発明の植物栽培装置において、対向電極(135)は、電流を遮断し且つストリーマ放電により発生する衝撃波、音波及び磁場を通過させる貫通孔を有していてもよい。
【0012】
本発明に係る植物栽培方法は、植物を栽培するための養液を入れる栽培槽(101)と、養液中においてストリーマ放電を発生させる放電ユニット(103)とを備え、放電ユニット(103)は、放電電極(131)、放電電極(131)を収容し開口を有する絶縁容器(133)及び開口と対向する位置に配置された対向電極(135)を有する植物栽培装置を用い、放電電極(131)と対向電極(135)との間に直流電圧を印加することにより発生させた衝撃波、音波及び磁場を植物の根に供給する。
【0013】
本発明の植物栽培方法は、放電電極(131)と対向電極(135)との間に直流電圧を印加することにより発生させた衝撃波、音波及び磁場を植物の根に供給する。このため、植物に刺激を与え、植物の栽培を促進することができる。
【発明の効果】
【0014】
大がかりな電極の敷設等を行うことなく、安全且つ容易に植物栽培の効率を向上させた植物栽培方法を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】一実施形態に係る植物栽培装置を示す全体構成図である。
【図2】放電ユニットの部分を拡大して示す断面図である。
【図3】放電ユニットの絶縁容器を示す斜視図である。
【図4】放電ユニットへの電圧の印加により気泡が形成された状態を示す断面図である。
【図5】放電ユニットの第1変形例を示す断面図である。
【図6】放電ユニットの第1変形例における絶縁容器を示す斜視図である。
【図7】放電ユニットの第2変形例を示す断面図である。
【図8】放電ユニットの第2変形例において電圧の印加により気泡が形成された状態を示す断面図である。
【図9】放電ユニットの第3変形例における絶縁容器の蓋体を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1に示すように本実施形態に係る植物培養装置は、栽培槽101と放電ユニット103とを備えている。栽培槽101は、植物107を養液栽培するための養液111の容器である。植物107は、ロックウール等からなるマット113により保持されており、植物107の根107Aはマット113の内部に伸張している。マット113に代えて培地を用いた栽培方法としてもよく、マット等を用いない栽培方法とすることもできる。
【0017】
放電ユニット103は、栽培槽101の下部に配置されており、養液111中においてストリーマ放電を発生させる。放電ユニット103がストリーマ放電を発生させることにより、養液111中に衝撃波、音波及び磁場等が発生する。発生した衝撃波等は、養液111中に伸張している植物の根107Aに刺激を与える。これにより、植物107の成長を促進することができる。
【0018】
放電ユニット103は、図2及び図3に示すように放電電極131と、放電電極131を収容する絶縁容器133と、絶縁容器133を挟んで放電電極131と対向する位置に配置された対向電極135とを有している。放電電極131は偏平な板状であり、絶縁容器133の底部142に配置されている。放電電極131はステンレス又は銅等の導電性の金属材料とすればよい。絶縁容器133は、容器本体133Aと蓋体133Bとを有している。蓋体133Bは開口133aを有している。開口133aは直径が0.02mm〜0.5mm程度である。対向電極135は、偏平な板状であり、複数の貫通孔135aを有している。対向電極135は、開口133aを挟んで放電電極131と対向するように、絶縁容器133と間隔をおいて配置されている。ステンレス又は真鍮等の導電性の金属材料とすればよい。対向電極135は、通常は衝撃波等を効率良く伝搬させるための貫通孔を有しており、金属板に貫通孔が形成されたパンチングメタル形状等とすればよく、ワイヤー等により形成されたメッシュ形状としてもよい。本実施形態において対向電極135は、養液111中において絶縁容器133を囲むように配置されており、養液111の対向電極135に囲まれた部分から外側への電流の漏れ出しを防ぐ、漏電防止部材としても機能する。
【0019】
放電電極131と対向電極135との間に直流電源105から直流電圧を印加することにより、放電電極131から対向電極135に向かってストリーマ放電が発生する。直流電源105は、放電電極131と対向電極135との間に瞬間的な高電圧を繰り返し印加するパルス電源ではなく、放電電極131と対向電極135との間に常に数キロボルトの直流電圧を印加する。直流電源105を用いてストリーマ放電を発生させるため、パルス電源を用いる場合に比べて、電源部を簡素化することができ、コスト及びサイズを低減することができる。直流電源105の正極は放電電極131と接続され、負極は接地されている。また、直流電源105は、放電電極131と対向電極135との間の放電電力を一定に制御する定電力制御部(図示せず)を有している。
【0020】
放電電極131を収容する絶縁容器133は、例えばセラミックス等の絶縁材料により形成されている。絶縁容器133は、一の面が開放された容器本体133Aと、容器本体133Aの開放された面を閉塞する板状の蓋体133Bとを有している。容器本体133Aは、角型筒状の側壁部141と、側壁部141の底面を閉塞する底部142とを有している。放電電極131は、底部142の上に配置されている。側壁部141の高さは、放電電極131の厚さよりも厚く、放電電極131と蓋体133Bとの間には、空間Sが形成されている。空間Sには、養液111を満たすことができる。
【0021】
図2及び図3に示すように、蓋体133Bは、開口133aを有している。開口133aにより、放電電極131と対向電極135との間に電界が形成される。開口133aの内径は、0.02mm以上且つ0.5mm以下であることが好ましい。放電電極131が絶縁容器133の内部に収容され、対向電極135が絶縁容器133の外部に配置され、放電電極131と対向電極135との間に開口133aが形成されている。このため、放電電極131と対向電極135との間を流れる電流は、開口133aに狭窄され、放電電極131と対向電極135との間の電流経路における電流密度を上昇させることができる。また、開口133aにおいて、電流密度が上昇することにより、ジュール熱が発生し、絶縁容器133内の養液111を気化させ気泡を発生させることができる。このように、絶縁容器133は、電流狭窄部及び気相形成部として機能する。
【0022】
以下に、放電ユニット103の動作を説明する。放電ユニット103に直流電圧が供給されていない場合には、図2に示すように絶縁容器133の内部の空間Sが養液111で満たされた状態となっている。放電電極131と対向電極135との間に所定の直流電圧(例えば1kV)を印加すると、放電電極131と対向電極135との間に電界が形成される。放電電極131は、絶縁容器133に覆われているため、放電電極131から対向電極135への電流は、開口133aに狭窄され、開口133aにおける電流密度が高くなる。
【0023】
直流電源105から放電ユニット103へ電圧を供給すると、放電電極131と対向電極135との間に流れる電流によって、養液111の温度が上昇する。特に、開口133aの部分において電流密度が高くなるため、発生するジュール熱も大きくなる。このため、開口133aの近傍において、気泡Bの発生が盛んになり、図4に示すように気泡Bが開口133aのほぼ全域を覆う状態となる。これにより、放電電極131と対向電極135との間には、気泡Bと養液111とが介在した状態となり、気泡Bは放電電極131と対向電極135との間の養液111を介した導通を阻止する抵抗となる。従って、放電電極131と対向電極135との間の漏れ電流が抑制され、放電電極131と対向電極135との間に、所望の電位差が保たれるようになる。その結果、気泡B内において絶縁破壊に伴うストリーマ放電が発生する。
【0024】
ストリーマ放電の発生に伴い、放電電極131から対向電極135に向かって衝撃波、音波及び磁場等も発生する。本実施形態においては、対向電極135は複数の貫通孔135aを有している。このため、衝撃波等は、効率良く対向電極135を通過する。このため、放電ユニット103を、植物の根107Aの近傍に配置すれば、植物の根に衝撃波等を効率良く供給することができる。また、衝撃波は、溶液中において減衰が小さく直進する性質を有している。このため、放電ユニット103を植物の根107Aに接して配置する必要はなく、植物の根107Aと間隔をおいて配置することができる。このため、放電ユニット103が根の生育を阻害するおそれが小さく、植え替え等の際に放電ユニット103がじゃまになることもない。一方、対向電極135が漏電防止部材として機能するため、電流は基本的には放電電極131と対向電極135との間だけを流れる。従って、作業者の感電事故等が生じるおそれはほとんどない。
【0025】
なお、開口133aは図5及び図6に示すように複数形成されていてもよい。図6においては、開口133aが正方格子状に配置されている例を示しているが、長方格子状、三角格子状又は六方格子状等に配置されていてもよい。また、規則的に配置されていなくてもよい。但し、各開口133aを流れる電流を均一にするためには、開口133aが等間隔に配置されていることが好ましい。また、放電電極131は全ての開口133aに跨るように配置されていることが好ましい。
【0026】
また、図7に示すように放電電極131、絶縁容器133及び対向電極135が一体に形成されたフランジユニット状の放電ユニット103を用いてもよい。フランジユニット状の放電ユニット103は、栽培槽101の外側から内部に向かって挿入して固定すればよい。
【0027】
放電ユニット103は、大略の外形が円筒状に形成された絶縁容器133を有している。絶縁容器133は、容器本体133Aと蓋体133Bとを有している。容器本体133Aは、ガラス又は樹脂等の絶縁材料からなる。容器本体133Aは、円筒状の基部151と、基部151から栽培槽101側に突出した筒状壁部152と、筒状壁部152の外縁部からさらに栽培槽101側に突出した環状凸部153と、環状凸部153からさらに栽培槽101側に突出した先端筒部154とを有している。基部151の軸心部には、円柱状の挿入口151aが軸方向に貫通形成されている。筒状壁部152の内側には、挿入口151aと同軸となり、且つ挿入口151aよりも径が大きい円柱状の空間Sが形成されている。蓋体133Bは、略円板状に形成されて環状凸部153の内側に嵌合している。蓋体133Bは、セラミックス材料等からなる。蓋体133Bの軸心には、円形状の開口133aが形成されている。
【0028】
放電電極131は、軸直角断面が円形状となる縦長の棒状の電極である。放電電極131は、基部151の挿入口151aに嵌合している。これにより、放電電極131は、絶縁容器133の内部に収容されている。放電電極131における栽培槽101とは反対側の端部は、栽培槽101の外部に露出した状態となる。このため、栽培槽101の外部に配置される直流電源105と、放電電極131とを電気配線によって容易に接続することができる。
【0029】
放電電極131における栽培槽101側の端部131Aは、絶縁容器133の内部の空間Sに臨んでいる。なお、図7に示す例では、放電電極131の端部131Aが、挿入口151aの開口面よりも栽培槽101側に突出しているが、端部131Aの先端面が挿入口151aの開口面と略面一となった構成としてもよい。また、端部131Aが挿入口151aの開口面よりも陥没した構成としてもよい。放電電極131の端部131Aと蓋体133Bとの間には、所定の間隔が確保されている。
【0030】
対向電極135は、円筒状の電極本体161と、電極本体161から径方向外方へ突出する鍔部162とを有している。電極本体161は、絶縁容器133の容器本体133Aに外嵌している。鍔部162は、栽培槽101の壁部に固定されて放電ユニット103を保持する固定部として機能する。電極本体161の栽培槽101側に突出した部分が養液111中に位置するように、放電ユニット103は栽培槽101に固定されている。
【0031】
対向電極135は、電極本体161よりも径が小さい内側筒部163と、内側筒部163と電極本体161との間に亘って形成される連接部164とを有している。内側筒部163及び連接部164は、養液111中に水没した状態となっている。内側筒部163は、その内部に円柱空間167を有している。内側筒部163の軸方向の一端は、蓋体133Bと当接しており、蓋体133Bを保持する保持部として機能する。内側筒部163、連接部164及び電極本体161により形成された空間を先端筒部154が埋めるように形成されている。内側筒部163の軸方向の他端の側には、円柱空間167を覆うようにメッシュ状の漏電防止材168が設けられている。この漏電防止材168は、対向電極135と接触しており、実質的に接地されている。これにより、漏電防止材168は、栽培槽101の内部の空間において、円柱空間167の内側から外側への漏電を防止している。
【0032】
対向電極135は、電極本体161の一部が栽培槽101の外部に露出された状態となる。このため、直流電源105と対向電極135とを電気配線によって容易に接続することができる。
【0033】
放電ユニット103に直流電圧が供給されていない場合には、図7に示すように絶縁容器133の内部の空間Sが養液111で満たされた状態となっている。放電電極131と対向電極135との間に所定の直流電圧(例えば1kV)を印加すると、空間Sの内部及び開口133aの内部において、ジュール熱により気泡が発生する。
【0034】
放電ユニット103への電圧の供給をさらに続けると、図8に示すように開口133aに形成される気泡Bが安定し、気泡Bが開口133aのほぼ全体を覆う状態となる。これにより、円柱空間167内の養液111と、放電電極131との間に気泡Bによる抵抗が付与される。従って、放電電極131と対向電極135との間の電位差が保たれ、気泡Bによりストリーマ放電が発生する。その結果、放電電極131において衝撃波、音波及び磁場等が発生し、発生した衝撃波、音波及び磁場等は植物の根107Aに供給される。漏電防止材168により、基本的に放電電極131と対向電極135との間だけを電流が流れる。このため、作業者の感電事故が生じるおそれがほとんどない。
【0035】
なお、図9に示すように開口133aを複数形成してもよい。図9に示す例では、蓋体133Bの軸心を中心とする仮想ピッチ円上に、5つの開口133aが等間隔で配置されている。蓋体133Bに複数の開口133aを形成することにより、それぞれの開口133aの近傍においてストリーマ放電を生じされることができる。
【0036】
直流電源105に、ストリーマ放電の放電電力を一定に制御する定電力制御部設ける例を示したが、定電力制御部に代えて、ストリーマ放電時の放電電流を一定に制御する定電流制御部を設けてもよい。定電流制御を行うことにより、養液の導電率によらず放電が安定するため、スパークの発生も未然に回避できる。
【0037】
また、放電電極131に直流電源105の正極を接続し、対向電極135に直流電源105の負極を接続する例を示したが、放電電極131に正極を接続し対向電極135に正極を接続し、いわゆるマイナス放電を行うようにしてもよい。
【0038】
栽培槽101に設ける放電ユニット103の数は、栽培槽101の大きさ、栽培槽101において栽培する植物の数等に応じて適宜決定すればよい。
【0039】
図1において、放電ユニット103をマット113と間隔をおいて配置しているが、放電ユニット103とマット113とが接していてもよい。また、放電ユニット103を栽培槽101の側壁に配置する例を示しているが、放電ユニット103を栽培槽101の底面に配置し、下側から衝撃波等の刺激を植物の根107Aに与える構成としてもよい。また図2等において、放電ユニットが栽培槽に固定されている構成を示したが、栽培槽以外の部材に部品を固定し、放電ユニットを栽培槽内の任意の位置に移動できるように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0040】
大がかりな電極の敷設等を行うことなく、安全且つ容易に植物栽培の効率を向上させた植物栽培方法を実現でき、植物栽培装置及び植物栽培方法等として有用である。
【符号の説明】
【0041】
101 栽培槽
103 放電ユニット
105 直流電源
107 植物
107A 根
111 養液
113 マット
131 放電電極
131A 端部
133 絶縁容器
133A 容器本体
133B 蓋体
133a 開口
135 対向電極
135a 貫通孔
141 側壁部
142 底部
151 基部
151a 挿入口
152 筒状壁部
153 環状凸部
154 先端筒部
161 電極本体
162 鍔部
163 内側筒部
164 連接部
167 円柱空間
168 漏電防止材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物を栽培するための養液を入れる栽培槽(101)と、
前記養液中においてストリーマ放電を発生させる放電ユニット(103)と、
前記放電ユニットに電圧を供給する直流電源(105)とを備え、
前記放電ユニット(103)は、
放電電極(131)と、
前記放電電極(131)を収容し、開口を有する絶縁容器(133)と、
前記開口と対向する位置に配置された対向電極(135)とを有し、
前記直流電源(105)は、前記放電電極(131)と前記対向電極(135)との間に接続されていることを特徴とする植物栽培装置。
【請求項2】
前記ストリーマ放電により発生させた衝撃波、音波及び磁場を前記植物の根に供給することを特徴とする請求項1に記載の植物栽培装置。
【請求項3】
前記対向電極(135)は、電流を遮断し且つ前記ストリーマ放電により発生させた衝撃波、音波及び磁場を通過させる貫通孔を有していることを特徴とする請求項1に記載の植物栽培装置。
【請求項4】
植物を栽培するための養液を入れる栽培槽(101)と、
前記養液中においてストリーマ放電を発生させる放電ユニット(103)とを備え、
前記放電ユニット(103)は、放電電極(131)、該放電電極(131)を収容し開口を有する絶縁容器(133)及び前記開口と対向する位置に配置された対向電極(135)を有する植物栽培装置を用い、
前記放電電極(131)と前記対向電極(135)との間に直流電圧を印加することにより発生させた衝撃波、音波及び磁場を前記植物の根に供給することを特徴とする植物栽培方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−70716(P2012−70716A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−220130(P2010−220130)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】