説明

植物耐性の増強方法

植物の機能性タンパク質活性を増大させる方法であって、当該植物、又は当該植物の一部、その植物繁殖材料及び/又はその周囲の領域に対し、チアニコチニル化合物及びテトラヒドロフラニル化合物から選択される有効量の1又は複数のネオニコチノイド化合物を施用すること、を含んで成る方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環境ストレス条件に対する植物耐性を増強する方法であって、特に、その植物内の1又は複数の機能性タンパク質の活性を増強することにより増強する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ネオニコチノイド、特にチアメトキサムは、植物の健康に対してポジティブな効果を示すことが報告されており、生産者及び研究者は、昆虫が存在しない状況でも植物がより健康的で且つより元気であること、そして収率がより高いことに注目している。WO01/26468を参照のこと。
【0003】
前記効果は、種々の作物において、
・より早期の出芽
・より高い収率
・タンパク質含量の向上
・より発育した根
・分蘖の増大
・より大きくて青々とした植物
・葉面積の増大
・より早期の成熟及び開花
をもたらすことが証明されている。
【0004】
特定のネオニコチノイド、特にチアニコチニル化合物及びテトラヒドロフラニル化合物、例えばチアメトキサムが、植物内の機能性タンパク質を増大させることで、環境ストレスに対するその植物の耐性を増強し得ることが今回発見された。この作用は、植物に対する害虫の攻撃又は害虫の圧力からは独立している。
【0005】
従って、第一の観点において、本発明は、植物の機能性タンパク質活性を増大させる方法であって、当該植物、又は当該植物の一部、その植物繁殖材料及び/又はその周囲の領域に対し、チアニコチニル化合物及びテトラヒドロフラニル化合物から選択される有効量の1又は複数のネオニコチノイド化合物を施用すること、を含んで成る方法、を提供する。
【0006】
別の観点において、本発明は、植物の機能性タンパク質活性を増大させるための、当該植物、又は当該植物の一部、その植物繁殖材料及び/又はその周囲の領域での、チアニコチニル化合物及びテトラヒドロフラニル化合物から選択される有効量の1又は複数のネオニコチノイド化合物の使用を提供する。
【0007】
好ましい態様において、増大される機能性タンパク質活性は解毒系に関するものである。
【0008】
別の態様において、機能性タンパク質は多機能性タンパク質である。
【0009】
ある態様において、機能性タンパク質は、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)、グルタチオンペルオキシダーゼ、グルコシルトランスフェラーゼ、グルコシルエステラーゼ、及びチトクロムP450から選択される1又は複数のものである。
【0010】
ある態様において、機能性タンパク質はGSTである。
【0011】
ある態様において、機能性タンパク質はグルタチオンペルオキシダーゼ(GPOX)である。
【0012】
ある態様において、機能性タンパク質はチトクロムP450である。
【0013】
多数の植物種における除草剤の代謝及び除草剤の選択性についてのGSTの関与は詳細に研究されている。GSTは多機能性酵素であり、除草剤のグルタチオン抱合を触媒して非毒性の誘導体を形成する能力に加え、一部のGSTは、グルタチオンペルオキシダーゼ活性をも示す。従って、GSTは、植物におけるストレス耐性を提供するのに関与しており、そして、つい最近の研究では、GSTが植物の生長及び発育に何らかの役割を果たすであろうことが示唆されている。
【0014】
ある態様において、他の態様とは無関係に、ネオニコチノイド化合物はクロチアニジン、ジノテフラン、及びチアメトキサムから選択される。ある態様において、チアメトキサムが好ましい。
【0015】
従って、本発明の方法は、ストレス条件下又は過酷な生育条件下で植物をより良く生育させるものである。かかる条件の特定の例として、干ばつ、低pH、高濃度の土壌塩分、タンパク質変性をもたらす熱ストレス、毒性量のアルミニウム、ウイルスの攻撃及び種々の原因、例えば害虫、風、雹による傷害がある。
【0016】
従って、ある観点において、本発明はまた、種々のストレス、例えば干ばつ、低pH、高濃度の土壌塩分、タンパク質変性をもたらす熱ストレス、毒性量のアルミニウム、ウイルスの攻撃及び害虫、風、雹による傷害のうちの1又は複数のものに対する植物の耐性を増強する方法であって、有効量の1又は複数の規定のネオニコチノイド化合物を、植物、植物の一部、植物繁殖材料及び/又はその周囲の領域に対し施用すること、を含んで成る方法を提供する。
【0017】
用語「機能性タンパク質活性の増大」とは、本発明との関連では、機能性タンパク質活性が、処理済みの植物(すなわち、有効量の1又は複数の規定のネオニコチノイド化合物が当該植物、当該植物の一部、その植物繁殖材料及び/又はその周囲の領域に施用された場合)において、未処理の植物と比較して上昇又は増大することを意味する。誤解を避けるために、未処理植物における機能性タンパク質活性はゼロであるか、又は検出限界未満であり得ると理解される。活性の増大は、典型的には、機能性タンパク質の内因性レベルの増大によって生じ、これは、例えば遺伝子発現の増大によって生じ得る。
【0018】
それぞれの観点につき、本発明の態様は規定のネオニコチノイド化合物を植物繁殖材料に施用することを伴う。
【0019】
それぞれの観点につき、本発明の態様は植物、植物の一部、及び/又はその周囲の領域に対し規定のネオニコチノイドを施用することを伴う。
【0020】
それぞれの観点のある態様において、他の態様とは無関係に、前記植物は、作物であり、好ましくは穀類(コムギ、オオムギ、ライムギ、カラスムギ、トウモロコシ、イネ、ソルガム、ライコムギ及び関連作物);ビート(サトウダイコン及び飼育用ビート);マメ科植物(マメ、レンズマメ、エンドウマメ、ダイズ);油脂植物(ナタネ、カラシナ、ヒマワリ);キュウリ植物(マロー、キュウリ、メロン);繊維植物(綿花、アマ、アサ、ジュート);野菜(ほうれん草、レタス、アスパラガス、キャベツ、ニンジン、タマネギ、トマト、ジャガイモ、パプリカ);並びに観賞用植物(花、低木、広葉樹及び常緑樹、例えば針葉樹)から選択される。特に適したものは、ダイズ、トウモロコシ、コムギ、オオムギ、ライムギ、カラスムギ、トウモロコシ、イネ、ソルガム、ライコムギ、キャノーラ、アブラナ、綿花、乾燥豆、及びヒマワリである。
【0021】
適当な標的作物には、前述のタイプのトランスジェニック作物が含まれる。本発明で使用されるトランスジェニック作物は、植物、又はその繁殖材料である。これらは、例えば、選択的に作用する毒素、例えば毒素産生無脊椎動物、特に節足動物門の毒素産生無脊椎動物由来として知られているもの、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)株から得ることができるもの;あるいは植物由来のもの、例えばレクチン、を合成することができるように;あるいは除草剤又は殺真菌剤に対する耐性を発現することができるように、組換えDNA技術によって形質転換される。このような毒素、またはこのような毒素を合成する能力のあるトランスジェニック植物の例は、たとえばEP−A−0374753、WO93/07278、WO95/34656、EP−A−0427529およびEP−A−451878で開示されており、これらは本願明細書で援用される。
【0022】
ある態様において、規定のネオニコチノイド化合物は植物繁殖材料に施用される。
【0023】
ある態様において、規定のネオニコチノイド化合物は、植物の場所の周囲の領域(すなわち、栽培領域)に対し、繁殖材料を植え付ける前、後又は植え付けの間に当該繁殖材料の施用/処理とは無関係に施用される。多年生作物の場合、規定のネオニコチノイド化合物は、好ましくは、植物の各増殖段階が始まる前、又は雨季の初めに施用される。一年生作物の場合、規定のネオニコチノイド化合物は、好ましくは、若い発育段階、例えば発芽及び/又は苗木生長の段階の間に施用される。移植用植物の場合、規定のネオニコチノイド化合物は、好ましくは、移植の際に、そして/あるいは苗木用トレーに対し施用される。
【0024】
ある態様において、規定のネオニコチノイド化合物は、その植物の生長段階の間に1回以上施用される。
【0025】
規定のネオニコチノイド化合物及びその農薬組成物は、特定の用途のために処方することができる。好ましくは、当該ネオニコチノイド化合物及びその組成物は、植物繁殖材料を保護するために処方することができる。有利には、当該ネオニコチノイド化合物及びその組成物は、農業や林業で見られ、且つ特にその植物の発育の初期段階で当該植物に損傷を与え得る、害虫による損害を制御又は予防するための処理用途で、植物繁殖材料、好ましくは種子のために施用される。
【0026】
更に、本発明は、規定のネオニコチノイド化合物又は農薬組成物の土壌施用も想定している。土壌に施用する方法は、ネオニコチノイド化合物を確実に土壌に浸透させる任意の適当な方法を介してもよく、例えば苗トレー施用、畝間(in furrow)施用、土壌灌注(soil drenching)、土壌注入(soil injection)、点滴灌漑(drip irrigation)、スプリンクラー又はセントラルピボットを介した施用、土壌内への混入(全層又は作条)がそのような方法である。その現場に対する施用は、植栽又は播種の前、植栽又は播種の間、植栽又は播種の後に、あるいはそれらを任意に組み合わせて行うことができる。
【0027】
本発明はまた、規定のネオニコチノイドを、植物上又は植物に対して施用することを想定している。当該ネオニコチノイド化合物は、当該植物と直接接触され、当該化合物は、当該植物全体又はその一部のみ、例えば葉又は茎又は苗と接触されることがある。好ましい観点において、当該植物は、前記組成物の樹上散布によって規定のネオニコチノイド化合物と接触される。植物の葉に対するネオニコチノイド化合物の施用は、好ましくは、液体を散布するための任意の常用されている手段、例えばスプレーノズル又はスピニングディスクアトマイザーを用いる散布によって行われる。規定のネオニコチノイド化合物、通常製剤の形態の当該化合物は、好ましくは、標準的な農業用散布装置を用いて容易に散布するのに十分希釈されたものである。
【0028】
本発明の利点は、(i)規定のネオニコチノイド化合物又はその農薬組成物で繁殖材料を処理するか、又は(ii)防除が望まれる現場、通常栽植部位に対し規定のネオニコチノイド化合物又はその農薬組成物を施用するか、あるいは(i)と(ii)の両方によって特に達成することができる。
【0029】
用語「植物繁殖材料」は、植物における生殖力があるあらゆる部分、例えば種子を意味しており、これはその後の生長力のある植物材料、例えば挿し木及び塊茎(例えば、ジャガイモ)の複製に使用することができる。従って、本明細書で使用する場合、植物の一部には繁殖材料が含まれる。例えば、種子(厳密な意味でのもの)、根、果実、塊茎、球根、根茎、植物の複数の部分を挙げることもできる。発芽後又は土壌から出芽後に移植されうる、発芽した植物及び若い植物も挙げることができる。これらの若い植物は、浸漬による全体的又は部分的な処理によって移植前に保護することができる。
【0030】
植物の一部とは、植物繁殖材料、例えば種子から発育する植物の任意な部分である。植物の一部及び植物は、ネオニコチノイド化合物を含んで成る組成物を植物繁殖材料上に施用することで達成される、病害及び/又は虫害からの保護から恩恵を受けることができる。ある態様において、植物の特定の一部は植物繁殖材料とみなされることがあり、これはそれ自身前記組成物で施用(又は処理)されることがあり、その結果、当該植物、そして植物のその処理された部分から発育する植物の更にその一部は、ネオニコチノイド化合物を含んで成る組成物を植物繁殖材料上に施用することで達成される、病害及び/又は虫害からの保護から恩恵を受けることができる。ある態様において、植物の苗は、1又は複数のネオニコチノイド化合物で処理される。
【0031】
農薬活性成分及びその混合物を、繁殖材料、特に種子上に施用又は処理する方法は当業界で知られており、例えば、繁殖材料を粉衣、被覆、ペレット加工及び浸漬施用する方法がある。好ましい態様において、前記の組み合わせは、発芽が誘導されないような方法によって植物繁殖材料上に施用又は処理される。通常、種子の浸漬は、結果として生じる種子の含水量が多すぎるため、発芽を誘導させる。従って、植物繁殖材料を施用(又は処理)するのに適した方法の例は、種子の粉衣、被覆又はペレット加工等である。
【0032】
好ましくは、植物繁殖材料は種子である。本発明の方法は、任意の生理学的状態にある種子に施用することができると考えられるが、種子は、処理工程の間に損害を生じさせないほど十分に耐久性のある状態にあることが好ましい。典型的に、種子は、畑から収穫された種子、植物から抜き取られた種子、そして任意の穂軸、茎、外皮(outer husk)、周囲のパルプ又は他の種以外の植物材料から分離されたものであろう。前記の処理は、種子の収穫から種子の播種の間のいずれかの時期、あるいは播種工程(種子向きの施用)の間に種子に施用することができると考えられる。当該種子は、前記処理の前又は後に下塗り(prime)してもよい。
【0033】
繁殖材料の処理の間に、活性成分を分配し、そしてそれを種子に接着させることが尚望ましい。処理は、植物繁殖材料、例えば種子上での活性成分を含む製剤の薄膜(粉衣)(ここで、その元のサイズ及び/又は形は中間状態(例えば被覆)まで認識可能である)から、より厚い膜(例えば、異なる材料(例えば担体、例えばクレー;異なる製剤、例えば他の活性成分の製剤;ポリマー;及び着色剤の多数の層によるペレット加工)(ここで、種子の元の形状及び/又はサイズはもはや認識不可能である)まで様々である。
【0034】
未播種の種子に対しても種子処理がなされる。用語「未播種の種子」とは、植物の発芽及び生育を目的とする、種子の収穫から土に種子を播種するまでの間のいずれかの時期の種子を含むことを意図している。
【0035】
未播種の種子に対する処理は、活性成分が土壌に施用される実務を含むことを意味していないが、植栽工程の間の種子を標的とする任意の施用実務を含むであろう。
【0036】
好ましくは、処理は、播種された種子が前記の組み合わせで前処理されているように、種子の播種の前に行われる。特に、種子の被覆又は種子のペレット加工は、本発明の組み合わせの処理において好ましい。前記処理の結果、各組み合わせにおける活性成分は、種子上に付着し、そのため、病害防除及び/又は虫害防除に利用可能なものとなる。
【0037】
処理済みの種子は、任意の他の活性成分で処理された種子と同様に保存され、取り扱われ、播種され、そして耕作されうる。
【0038】
規定のネオニコチノイド化合物の施用(使用)量は、例えば、使用のタイプ、作物のタイプ、ネオニコチノイドのタイプ、使用するネオニコチノイドが単独であるか、若しくは別の農薬と組み合わされているか、(適切な場合には)植物繁殖材料のタイプによって変化するが、これは活性成分が所望の増強作用を提供するのに有効な量である。
【0039】
通常、葉又は土壌処理の場合、施用量は1ヘクタール当たり10g、好ましくは50gから、500g(g/ha)の規定のネオニコチノイド化合物の量で変化し得る。
【0040】
通常、種子処理の場合、施用量は種子100kg当たり5gから600gの規定のネオニコチノイド化合物の量で変化し得る。
【0041】
規定のネオニコチノイド化合物の主な目的は防虫であるが、防虫の場合と比較してより少量の規定のネオニコチノイド化合物を使用して、防除圧(pest pressure)がない状態で又は低い防除圧のもと、機能性タンパク質の活性を増強することができる。
【0042】
植物、植物の一部、植物繁殖材料及び/又はその周囲の領域は、追加の活性化合物と一緒に、そしてあるいはそれらと連続して施用又は処理されることがある。これらの追加の化合物は、他の農薬活性成分、肥料又は微量栄養素供与体、又は植物の生育に影響を及ぼす他の調製品、例えば接種材料、植物誘導物質(plant inducer)(例えば、nodファクター)であってもよい。
【0043】
ある態様において、ダイズ植物の繁殖材料は、接種材料、例えばリゾビウム属の種(Rhizobium spp)、及び/又は植物誘導物質、例えばブラディリゾビウム・ジャポニクム(Bradyrhizobium japonicum)、シノリゾビウム・フレディ(Sinorhizobium fredii)、シノリゾビウム・メリロティ(Sinorhizobium meliloti)、ブラディリゾビウム属の種(Bradyrhizobium sp.) (Arachis)、又はリゾビウム・レグミノサルム ビオバル ファセオリ(Rhizobium leguminosarum biovar phaseoli)、リゾビウム・ヴィセアエ(Rhizobium viceae)又はリゾビウム・トリフォリイ(Rhizobium trifolii)由来のnodファクターを用いて処理することができる。
【0044】
追加の殺虫剤、殺真菌剤及び殺線虫剤から選択される1又は複数の農薬は、繁殖材料、植物の一部、植物及び/又はその周囲の領域に、ネオニコチノイドと組み合わせて、任意な所望の順序で又は同時に施用することができる。
【0045】
結果的に、ネオニコチノイドと組み合わされる二種以上の農薬が存在しており、この二種以上の農薬は、ネオニコチノイドとの組み合わせにおいて、任意な所望の順序で又は同時に施用することができる。好ましくは、ネオニコチノイド及び農薬は同時に施用される。
【0046】
1つの農薬活性成分は、複数の防除の分野で活性を有することがあり、例えば、ある農薬は、殺真菌活性、殺虫活性及び殺線虫活性を有することがある。具体的には、アルジカルブは、殺虫、ダニ駆除及び殺線虫活性について知られており、一方、メタムは殺虫、除草、殺菌及び殺線虫活性について知られており、そしてチアベンダゾール及びカプタンは殺線虫及び殺菌活性を提供しうる。
【0047】
農薬の例として、殺真菌剤、殺菌剤、殺虫剤、ダニ駆除剤及び殺線虫剤、例えばトリアゾール誘導体、ストロビルリン、カルバメート(チオカルバメートを含む)、ベンズイミダゾール(チアベンダゾール)、N−トリハロメチルチオ化合物(カプタン)、置換ベンゼン、カルボキサミド、フェニルアミド及びフェニルピロール、並びにそれらの混合物;並びにネオニコチノイド、アベルメクチン、その誘導体、カルバメート及びピレスロイドを含む。
【0048】
ネオニコチノイドは、1又は複数の追加の同時に使用される農薬を含んで成ることもある。具体例としては、アバメクチン(1)、アセフェート(2)、アセタミピリド(4)、アルファ−シペルメトリン(202)、アジンホス−メチル(45)、ビフェントリン(76)、カルバリル(115)、カルボキシン(120)、カルボフラン(118)、カルボスルファン(119)、クロラントラニリプロール、クロルピリホス(145)、シロマジン(209)、デルタメトリン(223)、ジメトエート(262)、エマメクチンベンゾエート(291)、エンドスルファン(294)、フィプロニル(354)、フラチオカルブ(412)、ガンマ−HCH(430)、イソフェンホス、メチオカルブ(530)、オメトエート(594)、テフルトリン(769)、チオジカルブ(799)、アゾキシストロビン(47)、ピラクロストロビン(690)、ベノミル(62)、ビテルタノール(84)、カプタン(114)、カルベンダジム(116)、カルボキシン(120)、クロロタロニル(142)、銅塩(例えば硫酸銅(172)、亜酸化銅(181)、ボルドー液(87)、水酸化銅(169)、硫酸塩(三塩基性)(173)、オキシ塩化銅(171)及びオクタン酸銅(170))、シモキサニル(200)、シプロコナゾール(207)、シプロジニル(208)、ジフェノコナゾール(247)、ジニコナゾール(267)、エチリモール、ファモキサドン(322)、フェナミドン(325)、フェンヘキサアミド(334)、フェンピクロニル(341)、フルアジナム(363)、フルジオキソニル(368)、フルキンコナゾール(385)、フルトラニル(396)、フルトリアホール(397)、フォセチル−アルミニウム(407)、フベリダゾール(409)、グアザチン(422)、ヘキサコナゾール(435)、ヒメキサゾール(447)、イマザリル(449)、イプロジオン(470)、イソフェンフォス、マンコゼブ(496)、マンネブ(497)、メタラキシル(516)、メタラキシル−M(517)、メトコナゾール(525)、ミクロブタニル(564)、シルチオファム(729)、ヌアリモル(587)、オキサジキシル(601)、オキシン銅(605)、オキソリン酸(606)、ペンシクロン(620)、プロクロラズ(659)、プロシミドン(660)、ピリメタニル(705)、ピロキロン(710)、キントゼン(716)、テブコナゾール(761)、テトラコナゾール(778)、チアベンダゾール(790)、チオファネート−メチル(802)、チラム(804)、トリアジメノール(815)、トリアゾキシド(821)、トリチコナゾール(842)、トリフロキシストロビン(832)、ピコキシストロビンン(647)、イプコナゾール(468)、及び3−ジフルオロメチル−1−メチル−1Hピラゾール−4−カルボン酸(2−ビシクロプロピル−2−イル−フェニル)−アミドである。
【0049】
ネオニコチノイド、例えばチアメトキサムと組み合わせて使用するのが好ましい農薬は、1又は複数のテフルトリン、アバメクチン、アゾキシストロビン、チアベンダゾール、フルジオキソニル、ジフェノコナゾール(defenconazole)、アシベンゾラル−S−メチル、ピロキロン、シプロコナゾール、ルフェヌロン、カルタップ、メフェノキサム、チラム、ラムダ−シハロトリン、シペルメトリン、プロベナゾール、メタラキシル、イミダクロプリド、カルボキシン、β−シフルトリン、及びフィプロニルである。
【0050】
チアメトキサムとの組み合わせの具体例として、
・フルジオキソニル、
・フルジオキソニル及びメフェノキサム
・フルジオキソニル、チアベンダゾール及びメフェノキサム
・フルジオキソニル、チアベンダゾール、メフェノキサム及びアゾキシストロビン
・アゾキシストロビン及びチアベンダゾール
・メフェノキサム及びジフェノコナゾール(difenconazole)
・ジフェノコナゾール
・ジフェノコナゾール、テフルトリン及びフルジオキソニル
・ジフェノコナゾール及びフルジオキソニル
・ジフェノコナゾール、メフェノキサム及びフルジオキソニル
・ジフェノコナゾール及びメフェノキサム
・クロラントラニリプロール
・メフェノキサム
・シペルメトリン
・チラム
・ピロキロン
・カルタップ
・アバメクチン、フルジオキソニル、メフェノキサム及びアゾキシストロビン
がある。
【0051】
クロチアニジンとの組み合わせの具体例として、
・テトラメチルチウラムジスルフィド、カルボキシム及びメタラキシル
・トリフルオキシストロビン
・トリフルオキシストロビン及びメタラキシル
・チオジカルブ
・メチオカルブ
・チラム、メタラキシル及びカルボキシン
・ベータシフルトリン
がある。
【0052】
特に好ましい組み合わせは、ジフェノコナゾール、フルジオキソニル、メタラキシル−M及びチアメトキサム;アゾキシストロビン、フルジオキソニル、メタラキシル−M及びチアメトキサム;フルジオキソニル、メフェノキサム及びチアメトキサム;ジフェノコナゾール(defenoconazle)、メタラキシル−M及びチアメトキサム;カルボキシン、クロチアニジン、メタラキシル及びチラム;クロチアニジン及びプロチオコナゾール;クロチアニジン、フルオキサストロビン及びプロチオコナゾール;プロチオコナゾール、テブコナゾール、トリアゾキシド及びクロチアニジン;ジフェノコナゾール(defenoconazle)、フルジオキソニル及びチアメトキサム;シプロジニル、フルジオキソニル、フルトリアホール及びチアメトキサム;並びにジフェノコナゾール、フルジオキソニル、テフルトリン及びチアメトキサム、である。
【0053】
(a)クロチアニジン及びプロチオコナゾール、(b)クロチアニジン、フルオキサストロビン及びプロチオコナゾール、(c)クロチアニジン、テブコナゾール、トリアゾキシド及びプロチオコナゾール、(d)チアメトキサム、テブコナゾール及びフルジオキソニル、又は(e)チアメトキサム、テフルトリン、アゾキシストロビン及びテブコナゾール、の組み合わせが特に良好な活性を示すことが分かっている。
【0054】
任意の二種類の農薬間の好ましい質量比は、1:10〜10:1、好ましくは1:5〜5:1、より好ましくは1:2.5〜2.5:1、特に1:1.5〜1.5:1である。
【0055】
前記ネオニコチノイド化合物は、本発明においては、純粋な形態、すなわち、固体の活性成分として、例えば特定の粒径で、あるいは、好ましくは少なくとも1つの助剤(アジュバントとしても知られているもの)であって、製剤技術で常用されているもの、例えば増量剤、例えば溶媒(例えば水)又は固体担体、又は表面活性化合物(界面活性剤)と一緒に、製剤の形態で使用してもよい。通常、ネオニコチノイド化合物は1又は複数の常用の製剤助剤を含む製剤組成物の形態である。
【0056】
従って、ネオニコチノイド化合物が1又は複数の追加の活性化合物、例えば他の農薬と組み合わせて施用される場合、前記の組み合わせを組成する活性成分は、例えばその現場(例えば植栽する部位、植物繁殖材料上)に、同時又は短い期間に連続して、例えば同日中に、所望により、製剤技術で一般的に使用されている追加の担体、界面活性剤又は他の施用促進アジュバントと一緒に施用できる。好ましい態様において、前記組み合わせは同時に施用される。
【0057】
組み合わせが同時に施用される場合、それらは組成物として施用してもよく、この場合、ネオニコチノイド化合物及び、例えば農薬は、別々の製剤源から得ることができ、そして一緒に混合することができ(タンクミックス、レディートゥーアプライ、スプレーブロス、又はスラリーとして知られる)、任意に他の活性化合物(例えば微量栄養素、接種材料)と混合することができ、あるいは、それらは1つの製剤源として得ることができ(プレミックス、濃縮物、製剤化合物(又は製品))として得ることができ、そして任意に他の活性化合物(例えば微量栄養素、接種材料)と一緒に混合することもできる。
【0058】
1つの態様において、ネオニコチノイド化合物及び1又は他の農薬は、存在している場合、組成物として施用される。
【0059】
本発明の好ましい態様において、前記組成物はプレミックス組成物(又は混合物)である。
【0060】
プレミックス組成物用の葉又は土壌製剤のタイプの例は:
GR:粒剤
WP:水和剤
WG:顆粒水和剤(粉剤)
SG:水溶剤
SL:液剤
EC:乳剤
EW:エマルション製剤(水中油)
ME:マイクロエマルション製剤
SC:水溶性のフロアブル剤(aqueous suspension concentrate)
CS:水溶性カプセル懸濁剤
OD:油性のフロアブル剤(oil-based suspension concentrate)
SE:水溶性のサスポエマルション製剤
がある。
【0061】
一方、プレミックス組成物用の種子処理製剤のタイプの例は:
WS:種子処理スラリー用の水和剤
LS:種子処理用の液剤
ES:種子処理用のエマルション剤
FS:種子処理用のフロアブル剤
WG:顆粒水和剤、及び
CS:水溶性カプセル懸濁剤、
がある。
【0062】
タンクミックス組成物に適した剤型の例には、液剤、希釈したエマルション剤、懸濁剤、又はそれらの混合物、及び粉剤(dust)がある。
【0063】
製剤の性質と同様に、施用の方法、例えば葉面施用、灌注(drenching)、スプレー、噴霧、散布(dusting)、散乱(scattering)、コーティング又はポアリング(pouring)が意図する目的及び現在の一般的な環境に従い選択される。
【0064】
タンクミックス組成物は、通常、溶媒(例えば水)で、異なる農薬、及び任意に追加の助剤を含む1又は複数のプレミックス組成物を希釈することで調製される。
【0065】
適当な担体及びアジュバントは、固体又は液体であってもよく、そして、製剤技術において有用な物質、例えば、天然の又は再生した無機物質、溶媒、分散剤、湿潤剤、粘着付与剤、増粘剤、結合剤又は肥料である。
【0066】
製剤は既知の方法で、例えば、典型的には均一に混合し、そして/あるいは活性成分を、増量剤、例えば溶媒、固体担体及び、任意に界面活性化合物(界面活性剤)で粉砕することによって調製される。
【0067】
適当な溶媒は、芳香族炭化水素、好ましくは炭素原子数が8〜12の画分、例えばキシレン混合物又は置換ナフタレン、フタル酸塩、例えばフタル酸ジブチル又はフタル酸ジオクチル、脂肪族炭化水素、例えばシクロヘキサン又はパラフィン、アルコール及びグリコール並びにそれらのエーテル及びエステル、例えばエタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル又はエチレングリコールモノエチルエーテル、ケトン、例えばシクロヘキサノン、強極性溶媒、例えばN−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド又はジメチルホルムアミド、並びに植物油又はエポキシ化植物油、例えばエポキシ化ココナッツ油又は大豆油;あるいは水である。
【0068】
例えば粉剤及び水和剤(dispersible powder)に使用する固形担体は、通常方解石、タルク、カオリン、モンモリロナイト、若しくはアタパルジャイトなどの砕いた天然の無機充填剤である。物理特性を改善するために、高分散性シリカ、又は高分散性の吸収性ポリマーを加えることも可能である。顆粒剤に好適な粒状の吸着性担体は、軽石、レンガ砂(brick grit)、海泡石、又はベントナイトなどの多孔質型であり、好適な非吸収性担材は、方解石又は砂である。加えて、多くの無機性又は有機性の粒状材料、特に、ドロマイト又は粉砕した植物性残渣が、使用される。
【0069】
製剤化される活性成分化合物の性質によるが、適当な表面活性化合物は、良好な乳化、分散、湿潤特性を有する非イオン、陽イオン、及び/又は陰イオン界面活性剤、又は界面活性剤混合物である。用語「界面活性剤」は、界面活性剤の混合物を含んで成るものとして理解されよう。
【0070】
特に有利な施用促進アジュバントは、ケファリン及びレシチン系の天然又は合成のリン脂質、例えばホスファチジルエタノールアミン、ホスファチチジルセリン、ホスファチジルグリセロール及びリゾレシチンである。
【0071】
通常、葉面施用又は土壌施用のタンクミックス製剤は、0.1〜20%、特に0.1〜15%の活性成分化合物、及び99.9〜80%、特に99.9〜85%の固形又は液体の助剤(例えば、水のような溶媒を含む)を含んで成り、ここで、当該助剤は、タンクミックス製剤当たり0〜20%、特に0.1〜15%の量の界面活性剤であってもよい。
【0072】
典型的に、葉面施用のためのプレミックス製剤は、0.1〜99.9%、特に1〜95%の活性成分化合物、及び99.9〜0.1%、特に99〜5%の固形アジュバント又は液体アジュバント(例えば、水のような溶媒を含む)を含んで成り、ここで、当該助剤は、プレミックス製剤当たり0〜50%、特に0.5〜40%の量の界面活性剤であってもよい。
【0073】
通常、種子処理に利用するためのタンクミックス製剤は、0.25〜80%、特に1〜75%の活性成分化合物、及び99.75〜20%、特に99〜25%の固形又は液体の助剤(例えば、水のような溶媒を含む)を含んで成り、ここで、当該助剤は、タンクミックス製剤当たり0〜40%、特に0.5〜30%の量の界面活性剤であってもよい。
【0074】
典型的に、種子処理に利用するためのプレミックス製剤は、0.5〜99.9%、特に1〜95%の活性成分化合物、及び99.5〜0.1%、特に99〜5%の固形アジュバント又は液体アジュバント(例えば、水のような溶媒を含む)を含んで成り、ここで、当該助剤は、プレミックス製剤当たり0〜50%、特に0.5〜40%の量の界面活性剤であってもよい。
【0075】
市販品は好ましくは濃縮物として製剤化されるが(例えば、プレミックス組成物(又は濃縮物、製剤化された化合物(又は製品))、エンドユーザーは通常は希釈製剤(例えばタンクミックス組成物)を利用するであろう。
【0076】
好ましい種子処理プレミックス製剤は水溶性のフロアブル剤である。当該製剤は、常用の処理技術及び機械、例えば流動床技術、ローラーミル法、rotostatic社のseed treater、及びドラムコーター、を用いて種子に適用することができる。他の方法、例えば噴流層も有用な場合がある。種子は、コーティング前にプレサイジングされることがある。コーティング後、種子は典型的に乾燥され、そしてサイジングのためにサイジング機に移される。かかる手順は当業界で知られている。
【0077】
通常、本発明のプレミックス組成物は、質量当たり0.5〜99.9%、特に1〜95%、有利には1〜50%の活性成分化合物、及び質量当たり99.5〜0.1%、特に99〜5%の固形アジュバント又は液体アジュバント(例えば、水のような溶媒を含む)を含み、ここで、当該助剤は(又はアジュバント)は、プレミックス製剤の質量当たり0〜50%、特に0.5〜40%の量の界面活性剤であってもよい。
【0078】
好ましい態様は、植物繁殖材料を処理(又は保護)する組成物であって、更に着色剤を含んで成る組成物である。植物繁殖材料を保護する組成物又は混合物は、処理された植物繁殖材料に対する活性成分の付着を改善させる水溶性のフィルム形成ポリマー及び水分散性のポリマーに由来する少なくとも1つのポリマーであって、通常少なくとも10,000〜約100,000の平均分子量を有するポリマーを含んでもよい。
【0079】
本発明の製剤を例示する役割を果たす以下の実施例において、「活性成分」とはインドキサカルブ又はこれと別の農薬との組み合わせを意味する。
【0080】
製剤例
水和剤 a) b) c)
活性成分 25% 50% 75%
リグノスルホン酸ナトリウム 5% 5% -
ラウリル硫酸ナトリウム 3% - 5%
ジイソブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム - 6% 10%
フェノオールポリグリコールエーテル - 2% -
(7-8モルのエチレンオキシド)
高分散ケイ酸 5% 10% 10%
カオリン 62% 27% -
【0081】
活性成分をアジュバントと徹底的に混合し、混合物を適当なミルで徹底的に粉砕し、それにより得られた水和剤を水で希釈することで任意な所望の濃度の懸濁液を生成することができる。
【0082】
乾燥種子処理用の粉剤 a) b) c)
活性成分 25% 50% 75%
軽油 5% 5% 5%
高分散ケイ酸 5% 5% -
カオリン 65% 40% -
タルカム - - 20
【0083】
活性成分をアジュバントと徹底的に混合し、混合物を適当なミルで徹底的に粉砕し、それにより得られた粉剤は種子処理に直接使用することができる。
【0084】
乳剤
活性成分 10%
オクチルフェノキシポリエチレングリコールエーテル 3%
(4〜5モルのエチレンオキシド)
ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム 3%
ヒマシ油ポリグリコールエーテル(35モルのエチレンオキシド) 4%
シクロヘキサノン 30%
キシレン混合物 50%
【0085】
必要に応じて希釈されるエマルジョン(これは植物防除に使用することができる)は、この濃縮物を水で希釈することで得ることができる。
【0086】
粉剤
a) b) c)
活性成分 5% 6% 4%
タルク 95% - -
カオリン - 94% -
無機充填剤 - - 96%
【0087】
レディー・フォー・ユースの粉剤は、活性成分と担体とを混合し、そして適当なミルで混合物を粉砕することで得られる。そのような粉末は、種子のドライドレッシングに使用することもできる。
【0088】
押出し顆粒
活性成分 15%
リグノスルホン酸ナトリウム 2%
カルボキシメチルセルロース 1%
カオリン 82%
【0089】
活性成分を混合し、他のアジュバントと一緒に粉砕され、そしてこの混合物を水で湿らせる。当該混合物は押し出され、そして気流で乾燥される。
【0090】
被覆顆粒
活性成分 8%
ポリエチレングリコール(分子量200) 3%
カオリン 89%
【0091】
細かく粉砕された活性成分は、ポリエチレングリコールで湿潤させたカオリンに対し、ミキサー内で均一に適用される。粉塵の出ない被覆顆粒がこの方法で得られる。
【0092】
フロアブル剤(Suspension concentrate)
活性成分 40%
ポリエチレングリコール 10%
ノニルフェノールポリエチレングリコールエーテル 6%
(15モルのエチレンオキシド)
リグノスルホン酸ナトリウム 10%
カルボキシメチルセルロース 1%
シリコーン油(水中75%エマルジョンの形態) 1%
水 32%
【0093】
細かく粉砕された活性成分は、アジュバントと均質に混合され、それによりフロアブル剤が生成し、これから、所望により任意の希釈状態の懸濁液が水による希釈で得られる。かかる希釈物を用いて、生きている植物並びに植物繁殖材料を、スプレー、ポアリング又は浸漬により処理し、そして微生物の感染から防除することができる。
【0094】
細かく粉砕された活性成分は、アジュバントと均質に混合され、それによりフロアブル剤が生成し、これから、所望により任意の希釈状態の懸濁液が水による希釈で得られる。かかる希釈物を用いて、生きている植物並びに植物繁殖材料を、スプレー、ポアリング又は浸漬により処理し、そして微生物の感染から防除することができる。
【0095】
種子処理用のフロアブル剤(flowable concentrate)の濃縮物
活性成分 40%
プロピレングリコール 5%
共重合体ブタノールPO/EO 2%
10〜20モルのEOを含むトリスチレンフェノール 2%
1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン(水中20%溶液の形態) 0.5%
モノアゾ顔料カルシウム塩 5%
シリコーン油(水中75%エマルションの形態) 0.2%
水 45.3%
【0096】
細かく粉砕された活性成分は、アジュバントと均質に混合され、それによりフロアブル剤が生成し、これから、所望により任意の希釈状態の懸濁液が水による希釈で得られる。かかる希釈物を用いて、生きている植物並びに植物繁殖材料を、スプレー、ポアリング又は浸漬により処理し、そして微生物の感染から防除することができる。
【0097】
かかる製剤を希釈していない又は希釈した状態用いて、植物繁殖材料を処理することができ、そして、例えばスプレー、ポアリング又は浸漬によって害虫及び/又は病原菌から防除することができる。
【0098】
本発明のそれぞれの観点及び態様において、「本質的に〜から成る(consisting essentially)」及びその語尾変化形は、「含んで成る」及びその語尾変化形の好ましい態様であり、そして「から成る」及びその語尾変化形は「本質的に〜から成る」及びその語尾変化形の好ましい態様である。
【0099】
一般名を持つ農薬は、それらの特性と一緒にe-Pesticide Manual, version 3.0, 13th Edition, Ed. CDC Tomlin, British Crop Protection Council, 2003-04に記載されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物の機能性タンパク質活性を増大させる方法であって、当該植物、又は当該植物の一部、その植物繁殖材料及び/又はその周囲の領域に対し、チアニコチニル化合物及びテトラヒドロフラニル化合物から選択される有効量の1又は複数のネオニコチノイド化合物を施用すること、を含んで成る方法。
【請求項2】
前記機能性タンパク質が、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)、グルタチオンペルオキシダーゼ、グルコシルトランスフェラーゼ、グルコシルエステラーゼ、及びチトクロムP450から選択される1又は複数のものである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ネオニコチノイド化合物がクロチアニジン、ジノテフラン、及びチアメトキサムから選択される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記化合物がチアメトキサムである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記植物が作物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記植物がダイズ、トウモロコシ、コムギ、オオムギ、ライムギ、カラスムギ、トウモロコシ、イネ、ソルガム、ライコムギ、キャノーラ、アブラナ、綿花、乾燥豆、及びヒマワリから選択される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記植物がトランスジェニック植物である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
請求項1、3又は4で規定するネオニコチノイド化合物が前記植物、又は当該植物の一部、その植物繁殖材料及び/又はその周囲の領域に対し施用された場合に、その植物における機能性タンパク質の量が、規定のネオニコチノイド化合物が施用されていない場合と比較して多い、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
請求項1、3又は4で規定する、有効量のネオニコチノイド化合物が、植物繁殖材料及び/又はその周囲の領域に対し施用される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記植物繁殖材料が種子である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記植物が、請求項1、3又は4で規定するネオニコチノイド化合物を適用しない場合と比較してより効果的にストレス条件に対し耐えることができる、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記植物が、干ばつ、低pH、高濃度の土壌塩分、タンパク質変性をもたらす熱ストレス、毒性量のアルミニウム、ウイルスの攻撃及び種々の原因、例えば害虫、風、雹による傷害のうちの1又は複数のものから選択されるストレスによりよく対処することができる、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
植物における機能性タンパク質活性を増大させるための、植物、又は植物の一部、植物繁殖材料及び/又はその周囲の領域上での、チアニコチニル化合物及びテトラヒドロフラニル化合物から選択される、有効量の1又は複数のネオニコチノイド化合物の使用。

【公表番号】特表2010−504935(P2010−504935A)
【公表日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−529614(P2009−529614)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【国際出願番号】PCT/EP2007/008462
【国際公開番号】WO2008/037488
【国際公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【Fターム(参考)】