説明

植生マット止着用杭

【目的】 法面などの緑化を行う植生マットの施工に際して、マットをしっかりと植生対象地盤に止着するのに適した杭を提供する。
【構成】 軸部11の上端側方に突出部12を備え、下端を尖らした竹製の杭体1と、前記杭体に座金状に装着した椰子繊維製の座体2とで構成した。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、法面や河岸裸地などの植生を行う植生マットの施工に際して、マットを植生対象地盤に止着するのに使用する杭に関するものである。
【0002】
【従来技術及び考案が解決しようとする課題】
傾斜面や法面、その他箇所の緑化手段は、従前より種々採用されているが、植生基板となるマット状部材(必要に応じて種子や肥料を内在させている)を緑化対象箇所に敷設する植生マット工法が知られている。これらの植生マットは、地面に敷いた後杭体で地面に止着している。
【0003】
植生マットの止着用杭は、通常木製、竹製、プラスチック製のものが知られている。木製や竹製は、自然破壊を伴わず自然に腐朽するので問題はないが、頭部を僅かに太くしてマットの抜け止めとしているので、マットが杭体の頭部から抜け出ないように頭部をマットからある程度突出させる必要がある(特許第2525496号公報第3図参照)。従って植生面上に杭体頭部が突出することになり、植生面上の歩行に邪魔になる。而もマットが地面に押さえ込まれておらず、水平移動を阻止しているにすぎないので、マットが浮き上がってしまう問題もある。
【0004】
更にプラスチック製の杭体は、マットを抑え込む所定の頭部を備える等の任意の形状に形成できるが、通常の材料では経年変化によって腐朽することがなく、環境破壊の原因となる。勿論土壌微生物で分解されるプラスチックを使用することも提案されているが、製造コストが高くなってしまう。そこで本考案は、自然物を使用しての新規な杭体を提案したものである。
【0005】
【課題を解決する手段】
本考案に係る植生マット止着用杭は、軸部上端側方に突出部を備え、下端を尖らせた竹製の杭体と、前記杭体に座金状に装着した椰子繊維製の座体とで構成したことを特徴とするものである。
【0006】
而して植生マットの止着に使用した場合に、座体が座金作用をなし、杭体頭部の上方飛び出しを無くすることができる。而も杭体と座体は、共に自然物であり、経年変化によって自然に腐朽する。
【0007】
【実施例】
次に本考案の実施例について説明する。実施例に示した植生マット止着用杭体は、杭体1と座体2とで構成されるもので、杭体1は、全体が竹製で、軸部11と、突出部12と、刺突部13とを備えてなる。
【0008】
軸部11は、断面直径が6〜10mmで、長さを10〜20cm程度としたものである。突出部12は、軸部11の上端側方に設けたもので、竹の節部分を利用すると容易に形成できる。刺突部13は、軸部11の下方部分を削って尖らせたものである。
【0009】
座体2は、椰子繊維を絡み合わせた厚さ8〜12mmの繊維シートを、直径を4〜6cmの約円盤形状の大きさに切断し、中央部分に透孔21を穿設(特に穿設しなくとも刺突部13から突き刺して軸部11が座体2を貫通するようにしても良い)してなる。そして座体2の中央透孔21に軸部11を差し入れて、座体2を座金状態で杭体1に装着する。
【0010】
前記の止着用杭は、従前の止着用杭と同様に、地面Aに敷いた植生マットBを貫通して刺突部13並びに軸部11を地中に差し込み、座体2を介して突出部12で植生マットBを押さえ込むものである。
【0011】
【考案の効果】
従って杭体の上方部分を、植生マット面から大きく突出させることなく、且つ座体でマットをしっかりと抑え付けるものであるから、植生マットが浮き上がる虞がなく、地面装着が完全になされるものである。而も使用材料は全て自然物であり、環境破壊の問題も生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例の部材分解斜視図。
【図2】同部材組み合わせ斜視図。
【図3】同使用状態の説明図。
【符号の説明】
1 杭体
11 軸部
12 突出部
13 刺突部
2 座体
21 中央透孔

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 軸部上端側方に突出部を備え、下端を尖らした竹製の杭体と、前記杭体に座金状に装着した椰子繊維製の座体とで構成したことを特徴とする植生マット止着用杭。
【請求項2】 杭体の突出部を竹の節部分を利用し、座体の椰子繊維を絡み合わせた繊維シートで形成した請求項1記載の植生マット止着用杭。
【請求項3】 杭体を、その軸部の断面直径を6〜10mmとし、長さを10〜20cmとし、座体は、厚さ8〜12mmで、直径を4〜6cmの約円盤形状とした請求項■記載の植生マット止着用杭。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【登録番号】実用新案登録第3079987号(U3079987)
【登録日】平成13年6月20日(2001.6.20)
【発行日】平成13年9月7日(2001.9.7)
【考案の名称】植生マット止着用杭
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願2001−1046(U2001−1046)
【出願日】平成13年3月2日(2001.3.2)
【出願人】(598073431)株式会社エコロジー (1)