説明

業務管理システム,業務管理サーバおよび業務管理プログラム

【課題】例外処理の実行指示が行なわれた場合に、その指示を行なった本人以外の者が当該例外処理についての確認を即座に行なえるようにして、即時性を損なうことなく且つトラブルや損害を発生させることなく、上記業務を遂行可能にする。
【解決手段】利用者端末10Aにおける例外処理の実行指示を検知する検知手段21と、検知された例外処理の実行を一時的に禁止する禁止手段22と、例外処理の実行指示の検知時に実行指示が例外処理に係り且つその例外処理の実行が一時的禁止状態である旨を例外警告として利用者に通知する第1通知手段23と、例外警告通知後に例外処理を検知手段21によって検知した場合にその例外処理の内容を業務関与者端末10Bに転送する転送手段24と、業務関与者端末10Bから入力された応答指示に応じて利用者端末10Aを制御する制御手段26とをそなえて構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば証券取引(株取引),外貨取引など、即時性をもってリスクの高い判断を行なう必要のある業務に用いて好適の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、企業等においては、各種業務の電子化に伴い社内LAN(Local Area Network)を用いて電子データを回覧するワークフローシステム(例えば下記特許文献1〜4参照)が構築され、このワークフローシステムによって稟議処理や決裁処理が電子的に行なわれるようになってきている。
【0003】
このようなワークフローシステムでは、通常、エスカレーション機能(上申機能)がプログラムとしてそなえられており、利用者(従業員)は、このエスカレーション機能を用いて上長(上司)などへの承認申請を行ない、ワークフローシステムを通じ上長(上司)からの承認・決裁を得て業務を行なっている。
【0004】
一方、例えば下記特許文献5に開示された技術は、同文献5の段落0001に記載されているごとく「銀行等金融機関の諸取引において、取引内容の承認要求が発生した時に、承認権限を有する役席者が確実、迅速に承認を実行できるように、承認権限の選定と権限保有承認者の抽出を自動化し、承認要求の通知を行う取引承認システムを提供する」もので、同文献5の段落0024には、業務中に上司,管理者等の役席者の承認を必要とする取引が発生した場合に、オペレータ自身が承認要求電文を端末管理サーバに送信して取引の承認の要求を行なうことが記載されている。
【0005】
また、例えば下記特許文献6の段落0002においては、「金融機関における取引は、一般オペレータの不正行為を防止するため、取引の金額に応じて承認を要するものがある。」と記載されており、不正行為を防止するための第三者による承認処理は従来より行なわれている。
【0006】
さらに、例えば下記特許文献7に開示された技術は、同文献7の段落0001に記載されているように、受信した為替データを、そのまま、または修正や検証した後、上位装置へ送信することにより為替データの集中処理を行なう、金融機関向けファクシミリ為替集中処理システム(ファックスOCRシステム)に関するもので、重要取引や要注意取引を自動的に役席者の処理へまわすようにすることを目的としている。そして、同文献7の段落0021においては「係員が、取り引きに誤りが生じないように振込依頼書を念入りにチェックすると共に、図4に示すように、振込依頼書の役席配信欄に印を付け」、同文献7の段落0025においては「役席配信欄に印がないならステップP8に進み、役席配信欄に印があるならステップP9に進」み、同文献7の段落0026においては「ステップP8では、データが予め登録した上記役席クライアント配信用データと一致する否か、またはデータが所定の条件(例えば、振込金額が所定の金額以上)を満たすか否かを判定する。データが上記役席クライアント配信用データと一致するならまたは所定の条件を満たすならステップP9に進み、データが上記役席クライアント配信用データと一致しないか、または所定の条件を満たさないならステップP10に進む。」と記載されており、すなわち、係員本人の意志で承認を要求・依頼することなく所定条件の取引を自動的に役席者の処理へまわしている。
【特許文献1】特開2001−344392号公報
【特許文献2】特開2002−082836号公報
【特許文献3】特開2003−050905号公報
【特許文献4】特開2004−220529号公報
【特許文献5】特開2005−222243号公報
【特許文献6】特開2003−168000号公報
【特許文献7】特開平11−110465号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、例えば証券取引(株取引),外貨取引など、即時性を求められる業務では、上記特許文献1〜4に開示されたワークフローシステムのエスカレーション機能を用いて一々上長等の承認を求めていてはその承認を待っている間に株価や外貨が大きく変動してしまい取引タイミングを逸してしまうおそれがあるため、現場の担当者(利用者/従業員)が独自で判断して取引を行なっている場合が多い。
【0008】
ただし、この場合、現場の担当者が取引に関する入力を行なう端末では、担当者が予め設定された規定外の入力に基づく例外処理を実行しようとした場合、アラート表示が行なわれ、本当にその入力で正しいか否かあるいはその例外処理を実行するか否かの確認を現場の担当者に促すようになっている。そのアラート表示は複数段階に亘って行なわれ、その例外処理は、何重かの確認・判断を経た上で実行されるか、もしくは、誤入力であることが現場の担当者によって認識されてその実行が中断される。このようなアラート表示による確認・判断を行なうことで、上長等の承認を得なくとも現場での例外処理を安全に実行したり、誤入力による処理の実行を中止することができ、処理の即時性や安全性を確保することができる。
【0009】
しかしながら、現場の担当者は、規定外の入力や誤入力に伴って上述のごとき複数段階に亘るアラート表示が行なわれても、取引処理を急ぐあまり、そのアラート表示の内容を確認することなく「承認(OK)」ボタンを連続的にクリックし、例外処理や誤入力に基づく取引処理を実行してしまい、大きなトラブルを招くことがある。
【0010】
例えば、株取引の際に、1株を65万円で売り出す取引についての入力を行なうべきところを、誤って「1」と「65万」とを逆に入力し、65万株を1円で売りに出す取引についての入力を行なって実行しようとすると、通常、「65万株」が多すぎるため、これについてのアラート表示が行なわれるとともに、「1円」が少なすぎるため、これについてのアラート表示も行なわれる。
【0011】
しかしながら、現場の担当者が、取引処理を急ぐあまり、このようなアラート表示を確認せずに「承認(OK)」ボタンを連続的にクリックして誤った取引処理を実行してしまい、大きな損害を招いてしまったという事象も実際に起きている。
つまり、誤った入力や規定外の入力を行なった本人(現場の担当者)だけに対してアラート表示を行なう仕組みでは、上述ようなトラブルや損害の発生を防止することができない。
【0012】
一方、上記特許文献5〜7では、上述のごとく、役席者の承認を必要とする取引や、不正行為を防止すべく取引の金額に応じて承認処理の要否や、重要取引/要注意取引を自動的に判定し、必要に応じて役席者へ処理をまわす技術が開示されている。このような技術を、上述のごとき即時性を求められる業務にそのまま適用すると、規定外の入力や誤入力の発生が自動的に判定されると直ちに役席者に通知されることになるので、取引処理についての安全性は確保されトラブルや損害の発生が確実に防止されることになるが、規定外の入力や誤入力が発生する都度、その旨が役席者に通知され、その取引を実行するか否かが役席者による判断に委ねられていては、明らかに取引処理の即時性が損ねられることになってしまう。
【0013】
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、即時性をもってリスクの高い判断を行なう必要のある業務において、誤った入力に基づく誤処理や規定外の入力に基づく例外処理の実行指示が行なわれた場合に、その指示を行なった本人(現場の担当者)以外の第三者(管理者,上司,上長等)が当該例外処理についての確認を即座に行なえるようにして、即時性を損なうことなく且つトラブルや損害を発生させることなく、上記業務を遂行可能にすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明は、以下に示す業務管理システム,業務管理サーバおよび業務管理プログラムを用いることを要旨としている。
(1)本発明の業務管理システムは、利用者が業務を遂行すべくデータ入力を行なって処理を実行する利用者端末と、該利用者以外で当該業務に関与する業務関与者用の業務関与者端末と、該利用者端末および該業務関与者端末と通信可能に接続され、該利用者端末による業務を管理すべく、少なくとも処理部および記憶部を有して構成される業務管理サーバとをそなえ、該業務管理サーバの該処理部が、該利用者端末での実行指示に際して入力された入力データと該記憶部に予め設定されている規定とを比較し、該入力データが該規定外である場合に、該利用者端末での実行指示を該利用者端末における例外処理の実行指示として検知する検知手段、該検知手段によって該例外処理の実行指示を検知した場合に該利用者端末による該例外処理の実行を一時的に禁止する禁止手段、該検知手段によって該例外処理の実行指示を検知した場合、該利用者端末における実行指示が例外処理に係るものであり且つ該禁止手段によって該例外処理の実行が一時的に禁止されている旨を例外警告として該利用者端末の利用者に通知する第1通知手段、該第1通知手段による該例外警告の通知後に該入力データが該規定外であって該利用者端末での実行指示が例外処理の実行指示であることを該検知手段によって検知した場合、該例外処理の内容を該業務関与者端末に転送する転送手段、および、該転送手段によって転送された該例外処理の内容を参照した該業務関与者により該業務関与者端末から入力された応答指示に応じて、該禁止手段による該例外処理の一時的禁止を解除して該利用者端末に該例外処理を実行させるか、もしくは、該例外処理の実行の禁止を確定させるように、該利用者端末を制御する一方、該第1通知手段による該例外警告の通知後に該入力データが該規定内であって該利用者端末での実行指示が例外処理の実行指示でないことを該検知手段によって検知した場合には該禁止手段による一時的禁止状態を解除して該利用者端末に該実行指示を実行させるように該利用者端末を制御する制御手段、として、機能することを特徴としている。
【0015】
(2)このような本発明の業務管理システムにおいて、該業務関与者端末を複数そなえるとともに、該転送手段は、複数の該業務関与者端末について該記憶部に予め設定された優先順位に従って、優先順位の高い業務関与者端末を選択し、選択された業務関与者端末に該例外処理の内容を転送してもよい。
【0016】
(3)上記項目(2)において、該業務管理サーバの該処理部が、該選択された業務関与者端末において当該業務関与者端末を使用すべき業務関与者本人が当該業務関与者端末を使用中であるか否かを判定する判定手段としての機能をそなえ、該転送手段は、該判定手段によって業務関与者本人が使用中であると判定された場合に当該業務関与者端末に該例外処理の内容を転送する一方、該判定手段によって業務関与者本人が使用中ではないと判定された場合に前記優先順位に従い次に優先順位の高い業務関与者端末を選択してもよい。
【0017】
(4)上記項目(2)において、該業務管理サーバの該処理部が、各業務関与者端末において当該業務関与者端末を使用すべき業務関与者本人が当該業務関与者端末を使用中であるか否かを判定する判定手段としての機能をそなえ、該転送手段は、該判定手段によって業務関与者本人が使用中であると判定された業務関与者端末のうち、前記優先順位の最も高
い業務関与者端末に該例外処理の内容を転送してもよい。
【0018】
(5)上記項目(4)において、前記優先順位が該業務関与者の職位に従って設定され、該判定手段によって業務関与者本人が使用中であると判定された業務関与者端末に、該利用者端末の利用者の職位よりも上位の業務関与者本人が使用中の業務関与者端末が含まれている場合、該転送手段は、該上位の業務関与者本人が使用中の業務関与者端末のうちの最上位のものを選択し、選択された業務関与者端末に該例外処理の内容を転送してもよい。
【0019】
(6)上記項目(4)または(5)において、前記優先順位が該業務関与者の職位に従って設定され、該判定手段によって業務関与者本人が使用中であると判定された業務関与者端末が、該利用者端末の利用者の職位以下の業務関与者本人が使用中の業務関与者端末のみである場合、該転送手段は、該職位以下の業務関与者本人が使用中の業務関与者端末の中から職位の高い順に2以上の業務関与者端末を選択し、選択された該2以上の業務関与者端末に該例外処理の内容を転送するとともに、該制御手段は、該2以上の業務関与者端末からの応答指示がいずれも該例外処理の実行を承認するものである場合、該禁止手段による該例外処理の一時的禁止を解除して該利用者端末に該例外処理を実行させるように該利用者端末を制御してもよい。
【0020】
(7)上記項目(6)において、該制御手段は、該2以上の業務関与者端末からの応答指示のうちの少なくとも一つが該例外処理の実行を否定するものである場合、該例外処理の実行の禁止を確定(例外処理の実行を正式に禁止)させるように該利用者端末を制御してもよい。
(8)上記項目(6)または(7)において、該職位以下の業務関与者本人が使用中の業務関与者端末に2以上の業務関与者端末が含まれていない場合、該制御手段は、該例外処理の実行の禁止を確定(例外処理の実行を正式に禁止)させるように該利用者端末を制御してもよい。
【0021】
(9)上記項目(3)〜(8)のいずれか一つにおいて、複数の該業務関与者端末に業務関与者本人が使用中の業務関与者端末が含まれていない場合、該制御手段は、該例外処理の実行の禁止を確定(例外処理の実行を正式に禁止)させるように該利用者端末を制御してもよい。
(10)上記項目(3)〜(9)のいずれか一つにおいて、該判定手段は、各業務関与者端末において当該業務関与者端末を使用すべき業務関与者の本人名でログインが行なわれている場合に当該業務関与者端末の使用者が業務関与者本人であると判定してもよい。
【0022】
(11)上記項目(3)〜(10)のいずれか一つにおいて、該判定手段は、各業務関与者端末がオンライン状態で且つスクリーンセーバ状態でなく且つマウス/キー操作期間中である場合に当該業務関与者端末が使用中であると判定してもよい。
(12)上記項目(2)〜(11)のいずれか一つにおいて、該転送手段は、該選択した業務関与者端末に該例外処理の内容を転送した後、所定時間経過しても該業務関与者端末から前記応答指示が無い場合、前記優先順位に従い次に優先順位の高い業務関与者端末を選択し、選択された業務関与者端末に該例外処理の内容を転送してもよい。
【0023】
(13)上記項目(1)〜(12)のいずれか一つにおいて、該業務管理サーバの該処理部が、該第1通知手段による該例外警告の通知後に該入力データが該規定外であって該利用者端末での実行指示が例外処理の実行指示であることを該検知手段によって検知した場合、該利用者端末における実行指示が例外処理に係るものであり且つ該禁止手段によって該例外処理の実行が一時的に禁止され該転送手段によって該例外処理の内容が該業務関与者端末に転送される旨を該利用者端末の利用者に通知する第2通知手段としての機能をそなえていてもよい。
【0024】
(14)本発明の業務管理サーバは、利用者が業務を遂行すべくデータ入力を行なって処理を実行する利用者端末と、該利用者以外で当該業務に関与する業務関与者用の業務関与者端末とをそなえたシステムにおいて、該利用者端末および該業務関与者端末と通信可能に接続され、該利用者端末による業務を管理すべく、少なくとも処理部および記憶部を有して構成されるものであって、該処理部が、該利用者端末での実行指示に際して入力された入力データと該記憶部に予め設定されている規定とを比較し、該入力データが該規定外である場合に、該利用者端末での実行指示を該利用者端末における例外処理の実行指示として検知する検知手段、該検知手段によって該例外処理の実行指示を検知した場合に該利用者端末による該例外処理の実行を一時的に禁止する禁止手段、該検知手段によって該例外処理の実行指示を検知した場合、該利用者端末における実行指示が例外処理に係るものであり且つ該禁止手段によって該例外処理の実行が一時的に禁止されている旨を例外警告として該利用者端末の利用者に通知する第1通知手段、該第1通知手段による該例外警告の通知後に該入力データが該規定外であって該利用者端末での実行指示が例外処理の実行指示であることを該検知手段によって検知した場合、該例外処理の内容を該業務関与者端末に転送する転送手段、および、該転送手段によって転送された該例外処理の内容を参照した該業務関与者により該業務関与者端末から入力された応答指示に応じて、該禁止手段による該例外処理の一時的禁止を解除して該利用者端末に該例外処理を実行させるか、もしくは、該例外処理の実行の禁止を確定させるように、該利用者端末を制御する一方、該第1通知手段による該例外警告の通知後に該入力データが該規定内であって該利用者端末での実行指示が例外処理の実行指示でないことを該検知手段によって検知した場合には該禁止手段による一時的禁止状態を解除して該利用者端末に該実行指示を実行させるように該利用者端末を制御する制御手段、として、機能することを特徴としている。
【0025】
(15)本発明の業務管理プログラムは、利用者が業務を遂行すべくデータ入力を行なって処理を実行する利用者端末と、該利用者以外で当該業務に関与する業務関与者用の業務関与者端末とをそなえたシステムにおいて、該利用者端末による業務を管理する機能をコンピュータに実現させるものであって、該利用者端末での実行指示に際して入力された入力データと該コンピュータの記憶部に予め設定されている規定とを比較し、該入力データが該規定外である場合に、該利用者端末での実行指示を該利用者端末における例外処理の実行指示として検知する検知手段、該検知手段によって該例外処理の実行指示を検知した場合に該利用者端末による該例外処理の実行を一時的に禁止する禁止手段、該検知手段によって該例外処理の実行指示を検知した場合、該利用者端末における実行指示が例外処理に係るものであり且つ該禁止手段によって該例外処理の実行が一時的に禁止されている旨を例外警告として該利用者端末の利用者に通知する第1通知手段、該第1通知手段による該例外警告の通知後に該入力データが該規定外であって該利用者端末での実行指示が例外処理の実行指示であることを該検知手段によって検知した場合、該例外処理の内容を該業務関与者端末に転送する転送手段、および、該転送手段によって転送された該例外処理の内容を参照した該業務関与者によって該業務関与者端末から入力された応答指示に応じて、該禁止手段による該例外処理の一時的禁止を解除して該利用者端末に該例外処理を実行させるか、もしくは、該例外処理の実行の禁止を確定させるように、該利用者端末を制御する一方、該第1通知手段による該例外警告の通知後に該入力データが該規定内であって該利用者端末での実行指示が例外処理の実行指示でないことを該検知手段によって検知した場合には該禁止手段による一時的禁止状態を解除して該利用者端末に該実行指示を実行させるように該利用者端末を制御する制御手段として、該コンピュータを機能させることを特徴している。
【発明の効果】
【0026】
上述した本発明の業務管理システム,業務管理サーバおよび業務管理プログラムによれば、少なくとも次のいずれかの効果ないし利点を得ることができる。
(i)利用者端末での例外処理の実行指示が検知されると、その利用者端末による例外処理の実行を一時的に禁止した上で、まずは、利用者端末における実行指示が例外処理に係るものであり且つその例外処理の実行が一時的に禁止されている旨が例外警告として利用者端末の利用者に通知される。この例外警告の通知に応じて利用者が入力データの変更等を行なうなどして例外処理が解消された場合、つまり、例外警告の通知後に入力データが規定内であって利用者端末での実行指示が例外処理の実行指示でないことが検知された場合には、一時的禁止状態が解除されて利用者端末からの実行指示に基づく処理が実行される。これに対し、例外警告の通知に応じて利用者が入力データの変更等を一切行なわなかったか、もしくは入力データの変更等を行なったにもかかわらず、例外処理が解消されない場合、つまり、例外警告の通知後にも利用者端末での例外処理の実行指示が検知された場合、その例外処理の内容が、業務関与者が使用する業務関与者端末に転送され例外処理の内容として表示され、その例外処理の内容を参照した業務関与者によって業務関与者端末から入力された応答指示に応じて、例外処理の一時的禁止を解除して利用者端末に例外処理を実行させるか、もしくは、例外処理の実行の禁止を確定(例外処理の実行を正式に禁止)させるように、利用者端末が制御される。このように、利用者端末が例外処理を実行しようとすると、その例外処理の実行が一時的に禁止され、まずは利用者に例外警告通知を行なって利用者による対応機会が与えられる。このため、例外処理であると判定された実行指示が誤入力に基づくものであれば、利用者によって直ちにその誤入力に対し対応でき、即時性を損なうことなく処理を実行することができる。一方、対応機会を与えられた後も、例外処理の状態が解消されていない場合に限り、その例外処理の内容(警告画面)が業務関与者端末に転送され、業務関与者に対し利用者による例外処理の内容の確認を促して、その確認結果に応じて例外処理の実行もしくは禁止を決定して制御することができる。従って、即時性をもってリスクの高い判断を行なう必要のある業務において、例外処理を検知されると、上述のごとく、一旦、利用者による対応機会が与えられ、誤った入力データに基づく誤処理を利用者によって即座に対応可能になって即時性を確保できる一方、利用者による対応機会を与えられた後も規定外の入力に基づく例外処理の実行指示が行なわれた場合に、その指示を行なった利用者本人以外の業務関与者が当該例外処理についての確認を行なうことができ、即時性を損なうことなく且つトラブルや損害を発生させることなく、その業務を遂行することが可能になる。
【0027】
(ii)このとき、複数の業務関与者端末をそなえ、これらの業務関与者端末について予め設定された優先順位に従って、優先順位の高い業務関与者端末を選択して例外処理の内容(警告画面)を転送することにより、利用者が実行しようとした例外処理の内容について確実に判断可能な業務関与者に例外処理の内容(警告画面)が優先的に転送され、その業務関与者によって、例外処理が、誤入力等に基づくもので実行されてはならないものであるのか、あるいは、特殊ケースであって例外的に実行されてもよいものであるのかが、即座に且つ正確に判断されることになる。
【0028】
(iii)選択された業務関与者端末において当該業務関与者端末を使用すべき業務関与者
本人が当該業務関与者端末を使用中であると判定された場合に当該業務関与者端末に例外処理の内容(警告画面)を転送する一方、業務関与者本人が使用中ではないと判定された場合に次に優先順位の高い業務関与者端末を選択することにより、端末使用中で直ちに例外処理の内容(警告画面)を参照しうる業務関与者本人で特に優先順位の高い人に対し、直接、例外処理の内容(警告画面)を示して利用者による例外処理の内容の確認を促すことができ、即時性をもってリスクの高い判断を行なう必要のある業務において、その即時性を損なうことなく例外処理の第三者判断を実現でき、トラブルや損害の発生を未然に防止することができる。また、業務関与者本人が端末使用中ではない場合には、次に優先順位の高い業務関与者端末が選択され、上述と同様の本人使用中判定を行なってから例外処理の内容(警告画面)の転送が行なわれるので、できるだけ早く、また、できるだけ優先順位の高い業務関与者端末に例外処理の内容(警告画面)が転送され、例外処理について
正確な判断を迅速に行なえるようになっている。
【0029】
(iv)業務関与者本人が使用中であると判定された業務関与者端末のうち、優先順位の最も高い業務関与者端末に例外処理の内容(警告画面)を転送することにより、業務関与者本人が使用中であることが分かっている業務関与者端末であって最も優先順位の高い端末に例外処理の内容(警告画面)が直接転送されるので、より迅速に、利用者による例外処理の内容の確認を促すことができ、即時性をもってリスクの高い判断を行なう必要のある業務において、その即時性を確保しながら例外処理の第三者判断を実現でき、トラブルや損害の発生を未然に防止することができる。
【0030】
(v)優先順位を業務関与者の職位に従って設定しておき、利用者の職位よりも上位の業務関与者本人が使用中の業務関与者端末のうちの最上位のものを選択し、例外処理の内容(警告画面)を直接転送することにより、利用者の職位よりも上位の業務関与者本人、即ち、例外処理についての判断信頼性の高い業務関与者本人であって、業務関与者端末を使用中の本人に対し、より迅速に、利用者による例外処理の内容の確認を促すことができ、即時性をもってリスクの高い判断を行なう必要のある業務において、その即時性を確保しながら例外処理の第三者判断を実現でき、トラブルや損害の発生を未然に防止することができる。
【0031】
(vi)優先順位を業務関与者の職位に従って設定しておき、業務関与者端末を使用中の業務関与者本人が全て利用者の職位以下である場合、その業務関与者端末の中から職位の高い順に2以上の業務関与者端末を選択して例外処理の内容(警告画面)を転送するとともに、これらの業務関与者端末からの応答指示がいずれも例外処理の実行を承認するものである場合、利用者端末に例外処理を実行させ、これらの応答指示のうちの少なくとも一つが例外処理の実行を否定するものである場合、例外処理の実行の禁止を確定(例外処理の実行を正式に禁止)させる。これにより、例外処理の判断を行なうべき業務関与者として利用者の職位以下のものしか居ない場合、複数の人による総合的判断によってのみ例外処理の実行が承認されることになるので、例外処理についての判断信頼性の高い、管理者,上司といった業務関与者が居ない場合でも、トラブルや損害を発生させることなく、業務を遂行することが可能になる。
【0032】
(vii)例外処理についての判断を直ちに行なうことの可能な業務関与者が全て利用者の
職位以下でありその数が規定数に達していない場合や、複数の業務関与者端末が全て使用中の状態でない場合には、例外処理の実行の禁止を確定(例外処理の実行を正式に禁止)させる。これにより、利用者の職位以下の業務関与者による総合的判断が行なえない場合や、利用者以外の業務関与者による判断が行なえない場合には、一切、例外処理の実行を行なえないようになり、即時性には欠けることになるが、リスクの高い例外処理を禁止し、トラブルや損害の発生を未然かつ確実に防止することができる。
【0033】
(viii)各業務関与者端末において当該業務関与者端末を使用すべき業務関与者の本人名でログインが行なわれているか否かによって当該業務関与者端末の使用者が業務関与者本人であるか否かを判定することが可能であり、また、各業務関与者端末がオンライン状態で且つスクリーンセーバ状態でなく且つマウス/キー操作期間中であるか否かによって当該業務関与者端末が使用中であるか否かを判定することが可能であり、これらの判定により、業務関与者端末において当該業務関与者端末を使用すべき業務関与者本人が当該業務関与者端末を使用中であるか否かの判定を極めて容易に行なうことができる。
【0034】
(ix)選択した業務関与者端末に例外処理の内容(警告画面)を転送した後、所定時間経過しても業務関与者端末から応答指示が無い場合、優先順位に従い次に優先順位の高い業務関与者端末を選択して例外処理の内容(警告画面)を転送することにより、万一、転送
先の業務関与者が端末使用中でありながら何らかの要因で応答指示を返信できなかった場合に、迅速に、次に優先順位の高い業務関与者端末に例外処理の内容(警告画面)を転送することができ、即時性を確保しながら例外処理の第三者判断を実現でき、トラブルや損害の発生を未然に防止することができる。
【0035】
(x)利用者に対する例外警告の通知後に例外処理の実行指示を検知した場合、利用者端末における実行指示が例外処理に係るものであり且つその例外処理の実行が一時的に禁止されその例外処理の内容が業務関与者端末に転送される旨を利用者端末の利用者に通知することにより、利用者は、自分が例外処理の実行指示を行なったことや、そのために処理を禁止され業務関与者による判断待ち状態であることを認識することができ、その例外処理の内容を再確認したり、業務関与者からの応答指示を待機したり、その例外処理の実行許可について業務関与者に対し直接掛け合ったり、種々の対応をとることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
〔1〕本発明の第1実施形態
〔1−1〕第1実施形態の構成
図1は本発明の第1実施形態としての業務管理システム(業務管理サーバ)の構成を示すブロック図であり、この図1に示すように、第1実施形態の業務管理システム(企業内システム)1は、即時性をもってリスクの高い判断を行なう必要のある処理、例えば証券取引(株取引),外貨取引などの処理を業務とする企業内等において用いられるもので、ネットワーク(社内LAN(Local Area Network))40を介して、複数の端末10や、管理サーバ20や、プロキシサーバ30を相互に通信可能に接続して構築された情報処理システムである。なお、図1中では、後述するごとく符号10A,10B−1,10B−2,…,10B−nで特定される、n+1台の端末10が図示されている。ただし、nは2以上の自然数である。
【0037】
各端末10は、上述した企業内等における従業員(社員)によって使用・携帯されるパーソナルコンピュータ等であり、ハードディスク等の記憶部(図示略)や各種プログラムを実行することにより各種手段として機能しうる処理部(CPU(Central Processing Unit);図示略)をそなえて構成されている。また、各端末10は、LAN40およびプロ
キシサーバ30を介して外部通信網(図示略;例えばインターネット,公衆回線網などを含む)に接続されて外部の各種サーバと通信接続できるように構成されている。
【0038】
本実施形態において、これらの端末10には、利用者(現場の担当者)が独自の判断で取引業務を遂行すべくデータ入力を行なって取引処理を実行する利用者端末10Aと、その利用者(現場の担当者)以外でその取引業務に関与する業務関与者(具体的にはその取引業務に係る部署における上司,上長,同僚,部下など)用の業務関与者端末10Bとが含まれる。特に、図1では、1台の利用者端末10Aと、n台の業務関与者端末10Bとをそなえた業務管理システム1が図示されており、以下の説明においてn台の業務関与者端末10Bのそれぞれを特定する場合には、符号10B−1,10B−2,…,10B−nを用いるものとする。
【0039】
また、業務管理サーバ20は、上述したように社内LAN40を介して各端末10と相互に通信可能に接続され、利用者端末10Aによる業務処理を管理するもので、検知手段21,禁止手段22,通知手段23,転送手段24,判定手段25および制御手段26としての機能を果たすものである。これらの手段21〜26としての機能は、業務管理サーバ20を構成する処理部(CPU)20aによって、記憶部20bに予めインストールされている業務管理プログラムを実行することにより実現される。
【0040】
ここで、記憶部20bは、業務管理サーバ20に内蔵されるROM,RAM,ハードディスクや、業務管理サーバ20に接続・外付けされる記憶装置、例えばフレキシブルディスク,CD(CD−ROM,CD−R,CD−RWなど),DVD(DVD−ROM,DVD−RAM,DVD−R,DVD−RW,DVD+R,DVD+RWなど),磁気ディスク,光ディスク,光磁気ディスクのほかICカード,ROMカートリッジ,磁気テープなどの記録媒体を用いる記憶装置である。
【0041】
検知手段21は、利用者端末10Aで何らかの実行指示(例えば株取引の売り注文処理や買い注文処理などの実行指示)が行なわれると、その実行指示に際して入力されたデータと、記憶部20bに予め定められた基準値(規定値)とを比較することによって、その入力データが規定内か規定外かを判断し、規定外である場合に、利用者端末10Aで実行指示された処理を例外処理として検知する一方、規定内である場合には、利用者端末10Aで実行された処理を通常の処理として検知するものである。
【0042】
例えば、株取引での売り注文についての規定値として、売出し株数の規定範囲1〜1000、売り値の規定範囲¥100〜¥1000000を記憶部20bに設定する。この場合、利用者端末10Aによって売り注文の実行指示が行なわれると、検知手段21が、その実行指示に際して入力されたデータである売出し株数および売り値と上記規定範囲とを比較し、売出し株数および売り値の少なくとも一方が規定範囲外であれば、利用者端末10Aで実行指示された処理を例外処理として検知する。
【0043】
このとき、利用者端末10Aにおいて、例えば、前述したように株取引の際に1株を65万円で売り出す取引についての入力を行なうべきところを誤って「1」と「65万」とを逆に入力し、65万株を1円で売りに出す取引について実行指示を行なうと、売出し株数および売り値の両方が規定範囲外(規定外)となり、その実行指示は、検知手段21によって、例外処理の実行指示として検知されることになる。
【0044】
なお、株取引における売り値や買値についての規定値としては、取引対象の株の現株価Xを基準にして、例えばX±X・k(0<k≦0.1)の範囲を設定してもよい。
また、検知手段21は、後述する通知手段23(第1通知手段としての機能)による例外警告の通知後に当該利用者端末10での入力データが変更された場合にその変更後の入力データと、記憶部20bに予め定められた基準値(規定値)とを比較することによって、変更後の入力データが規定内か規定外かを判断し、規定外である場合に、利用者端末10Aで実行指示された処理を例外処理として検知する一方、規定内である場合には、利用者端末10Aで実行された処理を通常の処理として検知するように機能するものである。
【0045】
禁止手段22は、検知手段21によって利用者端末10Aにおける例外処理の実行指示を上述のごとく検知した場合に、利用者端末10Aによる例外処理の実行を一時的に禁止するものである。この禁止手段22による例外処理実行の一時的な禁止状態は、後述する制御手段26の指示に応じて、解除されるか、もしくは、正式な禁止状態(一時的な禁止状態から禁止が確定した状態)となる。
【0046】
なお、本実施形態の業務管理システム1では、利用者端末10Aによる取引業務についての実行指示は、業務管理サーバ20で管理され、この業務管理サーバ20経由で実行され、外部の取引システムに対する最終的な実行指示は、業務管理サーバ20による許可を受けることによってプロキシサーバ30を介して上記取引システムへ送信出力されるように構成されているものとする。このような構成により、業務管理サーバ20の禁止手段22は、例外処理の実行指示を不許可とすることで、利用者端末10Aにおいて「承認(OK)」ボタンをクリックしても、この利用者端末10Aによる例外処理の実行を禁止することができる。
【0047】
通知手段23は、検知手段21によって例外処理の実行指示を検知した場合、利用者端末10Aにおける実行指示が例外処理に係るものであり且つ禁止手段22によって例外処理の実行が一時的に禁止されている旨を例外警告として利用者端末10Aの利用者に通知する第1通知手段としての機能を果たすとともに、この第1通知手段としての機能による例外警告の通知後にも入力データが規定外であって利用者端末10Aでの実行指示が例外処理の実行指示であることを検知手段21によって検知した場合(詳細については後述)、利用者端末10Aにおける実行指示が例外処理に係るものであり且つ禁止手段22によって例外処理の実行が一時的に禁止され転送手段24によって例外処理の内容が業務関与者端末10Bに転送される旨を利用者端末10Aの利用者に通知する第2通知手段としての機能を果たすものである。この通知手段23による通知は、例えば、利用者端末10Aのディスプレイ上でのポップアップウインドウによる警告表示(アラート表示)、および、利用者端末10Aのスピーカによる警告音(アラート音)の鳴動によって行なわれる。
【0048】
転送手段24は、通知手段23(第1通知手段としての機能)による例外警告の通知後に入力データが規定外であって利用者端末での実行指示が例外処理の実行指示であることを該検知手段によって検知した場合(詳細については後述)、複数の該業務関与者端末10Bについて予め設定された優先順位に従って、優先順位の高い業務関与者端末10Bを一つ選択し、選択された一の業務関与者端末10Bに対し例外処理の内容を転送し警告画面として表示させるものである。
【0049】
なお、業務関与者端末10Bの優先順位は、例えば、各業務関与者端末10Bを使用すべき業務関与者の職位に従って設定される。より具体的には、利用者端末10Aの利用者の直属の上司(管理者)のうち、最も職位の高い者(例えば部長;部長用の端末10B)を第一位とし、次に職位の高い者(例えば課長;課長用の端末10B)を第二位とし、その次に職位の高い者(例えば係長;係長用の端末10B)を第三位とする。これら上位三者のほかに同僚や部下が居るには、同僚用の端末10Bを第四位、部下用の端末10Bを第五位とする。職位が同じ者が複数存在する場合には、同位の者の中で適当に優先順位を設定する。図1に示す業務管理システム1では、例えば、業務関与者端末10B−1の優先順位が最も高く、業務関与者端末10B−nの優先順位が最も低く、業務関与者端末10B−i(i=1,2,…,n)の優先順位は、i番目の順位に設定されているものとする。
【0050】
このとき、転送手段24は、例えば、利用者端末10Aにおいて利用者がその例外処理の実行指示を行なった際の、利用者端末10Aのディスプレイ上の表示画面をそのままキャプチャし、その表示画面を警告画面(例外処理の内容)として転送する。そして、転送手段24は、例外処理の内容である警告画面の転送に際して、転送先の業務関与者に対し利用者端末10Aで実行されようとしている例外処理についての判断を依頼する旨のメッセージを、警告画面に含めた状態で、選択された一の業務関与者端末10Bに転送するように構成されている。
【0051】
また、判定手段25は、転送手段24が一の業務関与者端末10Bを選択すると例外処理の内容を転送する前に、転送手段24によって選択された業務関与者端末10Bにおいて当該業務関与者端末10Bを使用すべき業務関与者本人が当該業務関与者端末10Bを使用中であるか否かを判定するものである。
【0052】
ここで、判定手段25は、図3を参照しながら後述するごとく、転送手段24によって選択された一の業務関与者端末10Bにおいて当該業務関与者端末10Bを使用すべき業務関与者の本人名でログインが行なわれている場合に当該業務関与者端末10Bの使用者が業務関与者本人であると判定するとともに、その業務関与者端末10Bがオンライン状
態で且つスクリーンセーバ状態でなく且つマウス/キー操作期間中(例えば、前回、マウスもしくはキーの操作を検知してから所定時間以内)である場合に当該業務関与者端末10Bが使用中であると判定するようになっている。
【0053】
そして、転送手段24は、判定手段25によって業務関与者本人が使用中であると判定された場合に当該業務関与者端末10Bに警告画面を転送する一方、判定手段25によって業務関与者本人が使用中ではないと判定された場合に優先順位に従い次に優先順位の高い業務関与者端末10Bを一つ選択し、選択された一の業務関与者端末10Bに対し判定手段25および転送手段24によって上述と同様の処理を行なう。
【0054】
また、選択した業務関与者端末10Bに警告画面を転送した後、所定時間経過しても、警告画面を参照した業務関与者によって業務関与者端末10Bから入力される応答指示が受信されない場合、転送手段24は、優先順位に従い次に優先順位の高い業務関与者端末10Bを一つ選択し、選択された一の業務関与者端末10Bに対し判定手段25および転送手段24によって上述と同様の処理を行なう。
【0055】
制御手段26は、警告画面を参照した業務関与者によって業務関与者端末10Bから入力された応答指示が、利用者端末10Aによる例外処理の実行を承認(容認)するものである場合、禁止手段22による例外処理の一時的禁止を解除して利用者端末10Aに例外処理を実行させるように利用者端末10Aを制御する一方、上記応答指示が利用者端末10Aによる例外処理の実行を否認するものである場合、例外処理の実行の禁止を確定(例外処理の実行を正式に禁止)させるように利用者端末10Aを制御するものである。また、制御手段26は、通知手段23(第1通知手段としての機能)による例外警告の通知後に入力データが規定内であって利用者端末10Aでの実行指示が例外処理の実行指示でないことを検知手段21によって検知した場合には禁止手段22による一時的禁止状態を解除して利用者端末10Aに実行指示を実行させるように利用者端末10Aを制御するものである。
【0056】
この制御手段26には、図2(特にステップS107〜S112)を参照しながら後述するごとく、通知手段23(第1通知手段としての機能)による例外警告通知後に利用者端末10Aにおいて例外処理であると判定された入力データが変更されたか否かを検知する変更検知機能と、通知手段23(第1通知手段としての機能)による例外警告通知後の経過時間を計時するタイマ機能と、このタイマ機能による計時結果と予め設定された所定時間(例えば1分)とを比較する時間比較機能と、同例外警告通知後における、利用者端末10Aでの入力データの変更回数を計数するカウンタ機能と、このカウンタ機能による計数結果と予め設定された所定回数(例えば1回)とを比較する回数比較機能とがそなえられている。
【0057】
そして、本実施形態では、制御手段26の上記時間比較機能により、通知手段23(第1通知手段としての機能)による例外警告通知後、入力データの変更の有無に関係なく所定時間だけ経過しても、入力データが規定内にならない状況が検知された場合や、制御手段26の上記カウンタ機能により、通知手段23(第1通知手段としての機能)による例外警告通知後の、入力データの変更回数が所定回数に達しても、入力データが規定内にならない状況が検知された場合に、上述した通知手段23(第2通知手段としての機能),転送手段24および判定手段25による処理が実行される。
【0058】
なお、判定手段25による判定の結果、複数の業務関与者端末10Bに業務関与者本人が使用中の業務関与者端末10Bが含まれていない場合も、制御手段26は、今回の例外処理の実行の禁止を確定(例外処理の実行を正式に禁止)させるように利用者端末10Aを制御するようになっている。
また、通知手段23および転送手段24としての機能は、業務管理サーバ20を構成しうるコンピュータ等に一般的にそなえられる通信機能(通信インタフェース)を処理部20aによって制御することで実現される。
【0059】
さらに、通知手段23は、制御手段26により今回の例外処理に対して最終的に実行された処理(禁止を解除して実行したか、もしくは、正式に禁止したか)についての情報を、利用者端末10Aの利用者に通知する機能も果たしている。その通知も、例えば、利用者端末10Aのディスプレイ上でのポップアップウインドウによる表示、および、利用者端末10Aのスピーカによる警告音(アラート音)の鳴動によって行なわれる。
【0060】
また、本実施形態において、利用者端末10Aと業務関与者端末10Bとは、上述のごとく、それぞれ異なる者によって利用される個別の端末であり、これらの利用者端末10Aおよび業務関与者端末10Bと通信可能に接続されている業務管理サーバ20が、検知手段21による例外処理の検知対象や禁止手段22による禁止対象や通知手段(第1通知手段,第2通知手段)23による通知対象や制御手段26による制御対象となる利用者端末10Aと、転送手段24による警告画面転送先や判定手段25による判定対象となる業務関与者端末10Bとを、各端末固有の識別情報(ID番号,メールアドレス等)に基づいて記憶部20b等に予め設定しておくことにより、処理部20aは、記憶部20bを参照することで、これらの利用者端末10Aと業務関与者端末10Bとを、各端末固有の識別情報(ID番号,メールアドレス等)によって識別・特定可能になっている。
【0061】
〔1−2〕第1実施形態の動作
次に、上述のごとく構成された本発明の第1実施形態としての業務管理システム1(業務管理サーバ20)の動作について、図2に示すフローチャート(ステップS101〜S125)に従って説明する。
【0062】
第1実施形態の業務管理システム1では、利用者端末10Aによる取引業務についての実行指示は、業務管理サーバ20で管理されており、利用者端末10Aで何らかの実行指示が行なわれると(ステップS101のYESルート)、検知手段21によって、その実行指示に際して利用者によって入力されたデータが予め定められた基準値(規定値;上記規定範囲)と比較され(ステップS102)、そのデータが規定範囲内か規定範囲外かを判断することにより、利用者端末10Aで行なわれた実行指示が、例外処理の実行指示であるか否かを判断する(ステップS103)。
【0063】
入力データが規定範囲内である場合、利用者端末10Aで行なわれた実行指示は例外処理の実行指示ではないと判断され(ステップS103のNOルート)、その実行指示は、業務管理サーバ20(制御手段26)によって許可され、その実行指示に基づく処理は通常通り実行され(ステップS104)、ステップS101の処理に戻る。
【0064】
一方、入力データが規定範囲外である場合、利用者端末10Aで行なわれた実行指示は例外処理の実行指示であると判断され、つまり、検知手段21によって、利用者端末10Aにおける例外処理の実行指示が検知され(ステップS103のYESルート)、禁止手段22によって、その実行指示を一時的に不許可とし、利用者端末10Aによる例外処理の実行を一時的に禁止する(ステップS105)。
【0065】
この後、通知手段23の第1通知手段としての機能により、利用者端末10Aにおける実行指示が例外処理に係るものであり且つ禁止手段22によって例外処理の実行が一時的に禁止されている旨が、例外警告として利用者端末10Aの利用者に通知される(ステップS106)。
【0066】
例外警告通知後、制御手段26の上記変更検知機能により、利用者端末10Aにおいて例外処理であると判定された入力データが変更されたか否かが検知され(ステップS107)、変更されない場合(ステップS107のNOルート)には、制御手段26の上記時間比較機能により、例外警告通知後の経過時間(制御手段26の上記タイマ機能により計時された時間)が所定時間(例えば1分)だけ経過したか否かを検知する(ステップS108)。
【0067】
所定時間だけ経過していない場合(ステップS108のNOルート)、ステップS107に戻る一方、所定時間だけ経過している場合(ステップS108のYESルート)、つまり、例外警告通知後、入力データの変更の有無に関係なく所定時間だけ経過しても入力データが規定内にならない場合には、後述するステップS113へ移行する。
【0068】
ステップS107において、制御手段26の上記変更検知機能により、利用者端末10Aにおいて入力データが変更されたことを検知した場合(YESルート)、検知手段21によって、変更後の入力データが予め定められた基準値(規定値;上記規定範囲)と比較され(ステップS109)、その変更後の入力データが規定範囲内か規定範囲外かを判断することにより、利用者端末10Aで行なわれた入力データ変更後の実行指示が、例外処理の実行指示であるか否かを判断する(ステップS110)。
【0069】
変更後の入力データが規定範囲内である場合、利用者端末10Aで行なわれた実行指示は例外処理の実行指示ではないと判断され(ステップS110のNOルート)、制御手段26によって、禁止手段22による一時的禁止状態が解除され(ステップS111)、変更後の入力データに基づく実行指示が、業務管理サーバ20(制御手段26)によって許可され、その実行指示に基づく処理は通常通り実行され(ステップS104)、ステップS101の処理に戻る。
【0070】
一方、入力データが規定範囲外である場合、利用者端末10Aで行なわれた変更後の入力データに基づく実行指示は例外処理の実行指示であると判断され、つまり、検知手段21によって、利用者端末10Aにおける例外処理の実行指示が検知され(ステップS111のYESルート)、制御手段26の上記回数比較機能により、例外警告通知後における、利用者端末10Aでの入力データの変更回数(制御手段26の上記カウンタ機能により計数された回数)が所定回数(例えば1回)に到達したか否かを検知する(ステップS112)。
【0071】
入力データの変更回数が所定回数に到達した場合(ステップS112のYESルート)、つまり、例外警告通知後の、入力データの変更回数が所定回数に達しても、入力データが規定内にならない場合には、後述するステップS113へ移行する。また、入力データの変更回数が所定回数に到達しない場合(ステップS112のNOルート)には、ステップS108に移行し、前述のごとく、例外警告通知後の経過時間(制御手段26の上記タイマ機能により計時された時間)が所定時間(例えば1分)だけ経過したか否かを検知する。
【0072】
ステップS113では、転送手段24によって、利用者端末10Aにおいて利用者がその例外処理の実行指示を行なった際の、利用者端末10Aのディスプレイ上の表示画面がキャプチャされる。
また、通知手段23の第2通知手段としての機能によって、利用者端末10Aにおける実行指示が例外処理に係るものであり且つ禁止手段22によって例外処理の実行が一時的に禁止され転送手段24によって例外処理の内容が業務関与者端末10Bに転送される旨が、利用者端末10Aの利用者に通知される(ステップS114)。その通知は、前述した通り、例えば、利用者端末10Aのディスプレイ上でのポップアップウインドウによる
警告表示や、利用者端末10Aのスピーカによる警告音の鳴動によって行なわれる。
【0073】
そして、転送手段24によって、まず、最も優先順位の高い(最上位)の業務関与者端末10B−1を選択し(ステップS115)、この業務関与者端末10B−1においてこの業務関与者端末10B−1を使用すべき業務関与者本人がこの業務関与者端末10B−1を使用中であるか否かが、判定手段25によって判定される(ステップS116)。
ここで、このステップS116において、判定手段25によって実行される、業務関与者本人使用中判定処理について、図3に示すフローチャート(ステップS131〜S134)を参照しながら説明する。
【0074】
判定手段25においては、まず、転送手段24によって選択された一の業務関与者端末10B(10B−i)において当該業務関与者端末10B(10B−i)を使用すべき業務関与者の本人名でログインが行なわれているか否かを判定する(ステップS131)。本人名でログインが行なわれている場合(ステップS131のYESルート)、当該業務関与者端末10B(10B−i)の使用者が業務関与者本人であると判断し、ついで、その業務関与者端末10B(10B−i)がオンライン状態で且つスクリーンセーバ状態でなく且つマウス/キー操作期間中であるか否かを判定する(ステップS132)。
【0075】
このステップS132でYES判定となった場合に当該業務関与者端末10B(10B−i)が使用中であると判断する。つまり、ステップS131およびS132の両方でYES判定となった場合、業務関与者端末10B(10B−i)においてこの業務関与者端末10B(10B−i)を使用すべき業務関与者本人がこの業務関与者端末10B(10B−i)を使用中であると判定する(ステップS133)。
【0076】
一方、本人名でログインが行なわれていない場合(ステップS131のNOルート)や、業務関与者端末10B(10B−i)が、オフライン状態、もしくは、スクリーンセーバ状態、もしくは、マウス/キーを操作しない期間が続いている状態である場合(ステップS122のNOルート)には、業務関与者端末10B(10B−i)においてこの業務関与者端末10B(10B−i)を使用すべき業務関与者本人がこの業務関与者端末10B(10B−i)を使用していないと判定する(ステップS134)。
【0077】
上述のようにして、ステップS116において業務関与者本人が使用中であると判定された場合(YESルート)、転送手段24によって、本人が使用中であると判定された業務関与者端末10B(10B−i)に対し、ステップS113でキャプチャされた利用者端末10Aの表示画面(例外処理の実行指示時の画面)が、業務関与者へのメッセージ(例外処理についての判断を依頼する旨)とともに、例外処理の内容を含む警告画面として転送され、業務関与者端末10B(10B−i)で表示される(ステップS117)。
【0078】
なお、ステップS116において業務関与者本人が使用中ではないと判定された場合(NOルート)には、優先順位に従い次に優先順位の高い業務関与者端末10B(10B−(i+1))の有無を判定し(ステップS118)、次位の業務関与者端末10B(10B−(i+1))が存在する場合(ステップS118のYESルート)、転送手段24によって、次位の業務関与者端末10B(10B−(i+1))が選択され(ステップS119)、この業務関与者端末10B(10B−(i+1))においてこの業務関与者端末10B(10B−(i+1))を使用すべき業務関与者本人がこの業務関与者端末10B(10B−(i+1))を使用中であるか否かが、上述と同様にして、判定手段25によって判定される(ステップS116)。
【0079】
ステップS116,S118,S119による処理は、ステップS116でYES判定もしくはステップS119でNO判定となるまで繰り返し実行され、ステップS116で
YES判定となった場合には、上述したように、転送手段24によって業務関与者端末10B(10B−i)への警告画面の転送が行なわれる一方、ステップS118でNO判定なった場合には、後述するステップS124の処理へ移行する。
【0080】
転送手段24によって業務関与者端末10B(10B−i)への警告画面の転送を行なった後、業務管理サーバ20では、業務関与者端末10B(10B−i)からの応答指示の返信待ち状態となる(ステップS120,S121)。業務関与者が、自分の業務関与者端末10B(10B−i)で表示された警告画面を参照し、その警告画面についての例外処理を承認するか否かの応答指示を所定時間内に入力・返信すると、その応答指示が業務管理サーバ20で受信され(ステップS120のYESルート)、制御手段26によって、受信された応答指示が、利用者端末10Aによる例外処理の実行を承認(容認)するものであるか否かが判定される(ステップS122)。
【0081】
業務関与者端末10B(10B−i)からの応答指示が利用者端末10Aによる例外処理の実行を承認(容認)するものである場合(ステップS122のYESルート)、制御手段26によって、禁止手段22による例外処理の一時的禁止状態を解除して利用者端末10Aに例外処理を実行させてから(ステップS123)、ステップS101の処理に戻る。このとき、利用者端末10Aの利用者に対し、今回の例外処理について一時的禁止状態を解除して実行した旨を示すメッセージ等を、通知手段23によって通知してもよい。
【0082】
一方、業務関与者端末10B(10B−i)からの応答指示が利用者端末10Aによる例外処理の実行を否認するものである場合(ステップS122のNOルート)や、上述のごとくステップS118でNO判定なった場合(つまり、優先順位に従って業務関与者端末10Bを選択したが、即座に例外処理の判断を仰げる本人使用中の端末10Bが存在しなかった場合)には、制御手段26によって、利用者端末10Aによる例外処理の実行が正式に禁止され(ステップS124)、利用者端末10Aの利用者に対し、今回の例外処理についてその実行を正式に禁止した旨(禁止が確定した旨)を示すメッセージ等を、通知手段23によって通知してから(ステップS125)、ステップS101の処理に戻る。
【0083】
また、転送手段24によって業務関与者端末10B(10B−i)への警告画面の転送を行なった後、所定時間経過しても、業務関与者端末10B(10B−i)からの応答指示の返信がない場合(ステップS120のNOルートからステップS121のYESルート)、即時性を要する業務処理を行なっているので、今回、選択した業務関与者端末10B(10B−i)からの応答指示を諦め、ステップS110の処理へ移行し、次位の業務関与者端末10B(10B−(i+1))が存在すれば、転送手段24によって、その業務関与者端末10B(10B−(i+1))を選択し、上述と同様の処理(ステップS116〜S119)を実行する。
【0084】
〔1−3〕第1実施形態の効果
このように、本発明の第1実施形態としての業務管理システム1および業務管理サーバ20によれば、以下のような効果ないし利点を得ることができる。
利用者端末10Aでの例外処理(例えば担当者が予め設定された規定外のデータ入力に基づく処理など)の実行指示が検知手段21によって検知されると、その利用者端末10Aによる例外処理の実行を禁止手段22によって一時的に禁止した上で、まずは、通知手段23(第1の通知手段としての機能)によって、利用者端末10Aにおける実行指示が例外処理に係るものであり且つその例外処理の実行が一時的に禁止されている旨が、例外警告として利用者端末10Aの利用者に通知される。この例外警告の通知に応じて利用者が入力データの変更等を行なうなどして例外処理が解消された場合、つまり、例外警告の通知後に入力データが規定内であって利用者端末10Aでの実行指示が例外処理の実行指
示でないことが検知された場合には、一時的禁止状態が解除されて利用者端末10Aからの実行指示に基づく処理が実行される。
【0085】
これに対し、通知手段23(第1通知手段としての機能)によって利用者に対する例外警告の通知を行なった後に、例外警告の通知に応じて利用者が入力データの変更等を一切行なわなかったか、もしくは入力データの変更等を行なったにもかかわらず、例外処理が解消されない場合(所定時間経過しても例外処理が解消されない場合や、入力データの変更回数が所定回数に到達しても例外処理が解消されない場合)、つまり、例外警告の通知後にも利用者端末での例外処理の実行指示が検知された場合、その例外処理の内容(利用者端末10Aにおいて利用者がその例外処理の実行指示を行なった際の、利用者端末10Aのディスプレイ上の表示画面)が、転送手段24によって、業務関与者(例えば、その業務に係る部署における上司,上長,同僚,部下など)が使用する業務関与者端末10B(10B−i)にメッセージとともに転送され警告画面として表示され、その警告画面を参照した業務関与者によって業務関与者端末10B(10B−i)から入力された応答指示に応じて、制御手段26によって例外処理の一時的禁止を解除して利用者端末に例外処理を実行させるか、もしくは、例外処理の実行の禁止を確定(例外処理の実行を正式に禁止)させるように、利用者端末10Aが制御される。
【0086】
このように、利用者端末10Aが例外処理を実行しようとすると、その例外処理の実行が一時的に禁止され、まずは利用者に例外警告通知を行なって利用者による対応機会が与えられる。このため、例外処理であると判定された実行指示が誤入力に基づくものであれば、利用者によって直ちにその誤入力に対し対応でき、即時性を損なうことなく処理を実行することができる。一方、対応機会を与えられた後も、例外処理の状態が解消されていない場合に限り、その例外処理の内容が警告画面として業務関与者端末10B(10B−i)に転送されて表示されることになり、業務関与者(第三者)に対し利用者による例外処理の内容の確認を促して、その確認結果に応じて例外処理の実行もしくは禁止を決定して制御することができる。
【0087】
従って、即時性をもってリスクの高い判断を行なう必要のある業務〔例えば証券取引(株取引),外貨取引など〕において、例外処理を検知されると、上述のごとく、一旦、利用者による対応機会が与えられ、誤った入力に基づく誤処理を利用者によって即座に対応可能になって即時性を確保できる一方、利用者による対応機会を与えられた後も規定外の入力データに基づく例外処理の実行指示が行なわれた場合には、その入力を行なった利用者本人(現場の担当者)ではなく、利用者本人以外の業務関与者(第三者)が当該例外処理についての確認を行なうことができ、即時性を損なうことなく且つトラブルや損害を発生させることなく、その業務を遂行することが可能になる。
【0088】
また、複数の業務関与者端末10Bについて予め設定された優先順位に従って、優先順位の高い業務関与者端末10B−i(例えば、利用者の管理者や直属の上司など、利用者の業務に直接的に関与しうる第三者)を選択して警告画面を転送することにより、利用者が実行しようとした例外処理の内容について確実に判断可能な業務関与者に対し警告画面が優先的に転送され、その業務関与者によって、例外処理が、誤入力等に基づくもので実行されてはならないものであるのか、あるいは、特殊ケースであって例外的に実行されてもよいものであるのかが、即座に且つ正確に判断されることになる。
【0089】
さらに、選択された業務関与者端末10B−iにおいて当該業務関与者端末10B−iを使用すべき業務関与者本人が当該業務関与者端末10B−iを使用中であると判定手段25によって判定された場合に当該業務関与者端末10B−iに警告画面を転送する一方、業務関与者本人が使用中ではないと判定された場合に、転送手段24によって次に優先順位の高い業務関与者端末10B−(i+1)を選択することにより、端末使用中で直ちに
警告画面を参照しうる業務関与者本人で特に優先順位の高い人(例えば管理者,直属の上司など)に対し、直接、警告画面を示して利用者による例外処理の内容の確認を促すことができ、即時性をもってリスクの高い判断を行なう必要のある業務において、その即時性を損なうことなく例外処理の第三者判断を実現でき、トラブルや損害の発生を未然に防止することができる。
【0090】
また、業務関与者本人が端末使用中ではない場合(離席している場合等)には、次に優先順位の高い業務関与者端末が選択され、判定手段25による業務関与者本人使用中判定を行なってから警告画面の転送が行なわれるので、できるだけ早く、また、できるだけ優先順位の高い業務関与者端末10Bに対し警告画面が転送され、例外処理について正確な判断を迅速に行なえるようになっている。
【0091】
ここで、本実施形態では、上述したように、判定手段25によって、選択された一の業務関与者端末10B−iにおいて当該業務関与者端末10B−iを使用すべき業務関与者の本人名でログインが行なわれているか否かによって当該業務関与者端末10B−iの使用者が業務関与者本人であるか否かを判定することが可能であり、また、その業務関与者端末10B−iがオンライン状態で且つスクリーンセーバ状態でなく且つマウス/キー操作期間中であるか否かによって当該業務関与者端末10B−iが使用中であるか否かを判定することが可能であり、これらの判定により、業務関与者端末10B−iにおいて当該業務関与者端末10B−iを使用すべき業務関与者本人が当該業務関与者端末10B−iを使用中であるか否かの判定を極めて容易に行なうことができる。
【0092】
また、選択した一の業務関与者端末10B−iに警告画面を転送した後、所定時間経過しても、その業務関与者端末10B−iから応答指示が無い場合、転送手段24によって、優先順位に従い次に優先順位の高い業務関与者端末10B−(i+1)を選択して警告画面を転送することにより、万一、転送先の業務関与者が端末使用中でありながら何らかの要因で応答指示を返信できなかった場合に、迅速に、次に優先順位の高い業務関与者端末10B−(i+1)に警告画面を転送することができ、即時性を確保しながら例外処理の第三者判断を実現でき、トラブルや損害の発生を未然に防止することができる。
【0093】
さらに、通知手段23(第1通知手段としての機能)によって利用者に対する例外警告の通知を行なった後に、所定時間経過しても例外処理が解消されない場合や、入力データの変更回数が所定回数に到達しても例外処理が解消されない場合、利用者端末10Aにおける実行指示が例外処理に係るものであり且つその例外処理の実行が一時的に禁止されその例外処理の内容が業務関与者端末10Bに転送される旨を、通知手段23によって利用者端末10Aの利用者に通知することで、利用者は、自分が例外処理の実行指示を行なったことや、そのために処理を禁止され業務関与者による判断待ち状態であることを認識することができ、その例外処理の内容を再確認したり、業務関与者からの応答指示を待機したり、その例外処理の実行許可について業務関与者に対し直接掛け合ったり、種々の対応をとることが可能になる。
【0094】
なお、本実施形態では、警告画面の転送先である業務関与者端末10Bが決定する前に通知手段23(第2通知手段としての機能)による通知を行なっているが、その通知処理は、警告画面の転送先である業務関与者端末10Bが決定してから、その転送先情報も含めた警告画面を転送するようにしてもよく、この場合、利用者は、転送先の業務関与者端末10B、つまり直接掛け合うべき業務関与者を認識することができる。
【0095】
〔2〕本発明の第2実施形態
〔2−1〕第2実施形態の構成
図4は本発明の第2実施形態としての業務管理システム(業務管理サーバ)の構成を示
すブロック図であり、この図4に示すように、第2実施形態の業務管理システム(企業内システム)1aも、第1実施形態のシステム1と同様、即時性をもってリスクの高い判断を行なう必要のある処理、例えば証券取引(株取引),外貨取引などの処理を業務とする企業内等において用いられるもので、社内LAN40を介して、複数の端末10や、管理サーバ20′や、プロキシサーバ30を相互に通信可能に接続して構築された情報処理システムである。なお、図4中でも、符号10A,10B−1,10B−2,…,10B−nで特定される、n+1台の端末10が図示されている。ただし、nは2以上の自然数である。また、図4中、既述の符号と同一の符号は同一もしくはほぼ同一の部分を示しているので、その詳細な説明については省略する。
【0096】
第2実施形態の業務管理サーバ20′は、上述したように社内LAN40を介して各端末10と相互に通信可能に接続され、利用者端末10Aによる業務処理を管理するもので、検知手段21,禁止手段22,通知手段23,転送手段24a,判定手段25aおよび制御手段26aとしての機能を果たすものである。これらの手段21〜23,24a,25a,26aとしての機能は、業務管理サーバ20′を構成する処理部(CPU)20aによって、記憶部20bに予めインストールされている業務管理プログラムを実行することにより実現される。
【0097】
判定手段25aは、転送手段24aが動作・機能する前に、各業務関与者端末10Bにおいて当該業務関与者端末10Bを使用すべき業務関与者本人が当該業務関与者端末10Bを使用中であるか否かを判定し、業務関与者本人が使用中であると判定された業務関与者端末10Bに関する情報を、その業務関与者端末10Bに対して設定された優先順位(職位)に関する情報とともに、警告画面の転送先の候補端末リスト(図7参照)に登録するものである。
【0098】
ここで、判定手段25aは、図6を参照しながら後述するごとく、第1実施形態の判定手段25と同様、各業務関与者端末10Bにおいて当該業務関与者端末10Bを使用すべき業務関与者の本人名でログインが行なわれている場合に当該業務関与者端末10Bの使用者が業務関与者本人であると判定するとともに、その業務関与者端末10Bがオンライン状態で且つスクリーンセーバ状態でなく且つマウス/キー操作期間中(例えば、前回、マウスもしくはキーの操作を検知してから所定時間以内)である場合に当該業務関与者端末10Bが使用中であると判定するようになっている。
【0099】
そして、転送手段24aは、判定手段25aによって業務関与者本人が使用中であると判定された業務関与者端末10Bのうち、優先順位の最も高い業務関与者端末10Bに対し例外処理の内容を転送し警告画面として表示させるものである。
なお、第2実施形態においても、第1実施形態と同様、業務関与者端末10Bの優先順位は、例えば、各業務関与者端末10Bを使用すべき業務関与者の職位に従って設定されているものとする。また、図4に示す業務管理システム1aでも、例えば、業務関与者端末10B−1の優先順位が最も高く、業務関与者端末10B−nの優先順位が最も低く、業務関与者端末10B−i(i=1,2,…,n)の優先順位は、i番目の順位に設定されているものとする。
【0100】
このとき、転送手段24aも、第1実施形態の転送手段24と同様、業務管理サーバ20を構成しうるコンピュータ等に一般的にそなえられる通信機能(通信インタフェース)を処理部20aによって制御することで実現され、例えば、利用者端末10Aにおいて利用者がその例外処理の実行指示を行なった際の、利用者端末10Aのディスプレイ上の表示画面をそのままキャプチャし、その表示画面を警告画面(例外処理の内容)として転送する。そして、転送手段24は、例外処理の内容である警告画面の転送に際して、転送先の業務関与者に対し利用者端末10Aで実行されようとしている例外処理についての判断
を依頼する旨のメッセージを、警告画面に含めた状態で、選択された一の業務関与者端末10Bに転送するように構成されている。
【0101】
第2実施形態の制御手段26aも、第1実施形態の制御手段26と同様、警告画面を参照した業務関与者によって業務関与者端末10Bから入力された応答指示が、利用者端末10Aによる例外処理の実行を承認(容認)するものである場合、禁止手段22による例外処理の一時的禁止を解除して利用者端末10Aに例外処理を実行させるように利用者端末10Aを制御する一方、上記応答指示が利用者端末10Aによる例外処理の実行を否認するものである場合、例外処理の実行の禁止を確定(例外処理の実行を正式に禁止)させるように利用者端末10Aを制御するものである。
【0102】
また、制御手段26aも、第1実施形態の制御手段26と同様、通知手段23(第1通知手段としての機能)による例外警告の通知後に入力データが規定内であって利用者端末10Aでの実行指示が例外処理の実行指示でないことを検知手段21によって検知した場合には禁止手段22による一時的禁止状態を解除して利用者端末10Aに実行指示を実行させるように利用者端末10Aを制御するものである。さらに、制御手段26aにも、図5(特にステップS207〜S212)を参照しながら後述するごとく、第1実施形態の制御手段26と同様の変更検知機能,タイマ機能,時間比較機能,カウンタ機能および回数比較機能がそなえられている。
【0103】
そして、第2実施形態の業務管理サーバ20′において、判定手段25aによって業務関与者本人が使用中であると判定された業務関与者端末10B(転送先候補端末リストに登録された端末)に、利用者端末10Aの利用者の職位よりも上位の業務関与者本人が使用中の業務関与者端末10Bが含まれている場合、転送手段24aは、上位の業務関与者本人が使用中の業務関与者端末10Bのうちの最上位のものを選択し、選択された業務関与者端末10Bに警告画面を転送して表示させるようになっている。
【0104】
また、判定手段25aによって業務関与者本人が使用中であると判定された業務関与者端末10B(転送先候補端末リストに登録された端末)が、利用者端末10Aの利用者の職位以下の業務関与者本人が使用中の業務関与者端末10Bのみである場合、転送手段24aは、その職位以下の業務関与者本人が使用中の業務関与者端末10Bの中から職位の高い順に2つの業務関与者端末10Bを選択し、選択された2つの業務関与者端末10Bに警告画面を転送するとともに、制御手段26aは、2つの業務関与者端末10Bからの応答指示がいずれも例外処理の実行を承認するものである場合、禁止手段22による例外処理の一時的禁止を解除して利用者端末10Aに例外処理を実行させるように利用者端末10Aを制御する一方、2つの業務関与者端末10Bからの応答指示のうちの少なくとも一つが例外処理の実行を否定(否認)するものである場合、例外処理の実行の禁止を確定(例外処理の実行を正式に禁止)させるように利用者端末10Aを制御するようになっている。さらに、利用者の職位以下の業務関与者本人が使用中の業務関与者端末10Bが2つ存在しない場合、制御手段26aは、例外処理の実行の禁止を確定(例外処理の実行を正式に禁止)させるように利用者端末10Aを制御するようになっている。なお、ここでは、2つの業務関与者端末10Bを選択しているが3以上の業務関与者端末10Bを選択してもよい。
【0105】
なお、転送手段24aによって業務関与者端末10Bに警告画面を転送した後、所定時間経過しても、警告画面を参照した業務関与者によって業務関与者端末10Bから入力される応答指示が受信されない場合、転送手段24aは、その業務関与者端末10Bを転送先端末候補リストから除外し、次位(最上位)の業務関与者端末10Bを転送先端末候補リストから選択し、選択された業務関与者端末10Bに対し警告画面を転送して表示させる。
【0106】
また、判定手段25aによる判定の結果、複数の業務関与者端末10Bに業務関与者本人が使用中の業務関与者端末10Bが含まれていない場合、制御手段26aは、今回の例外処理の実行の禁止を確定(例外処理の実行を正式に禁止)させるように利用者端末10Aを制御するようになっている。
さらに、通知手段23は、制御手段26aにより今回の例外処理に対して最終的に実行された処理(禁止を解除して実行したか、もしくは、正式に禁止したか)についての情報を、利用者端末10Aの利用者に通知する機能も果たしている。その通知も、例えば、利用者端末10Aのディスプレイ上でのポップアップウインドウによる表示、および、利用者端末10Aのスピーカによる警告音(アラート音)の鳴動によって行なわれる。
【0107】
〔2−2〕第2実施形態の動作
次に、上述のごとく構成された本発明の第2実施形態としての業務管理システム1a(業務管理サーバ20′)の動作について、図5に示すフローチャート(ステップS201〜S236)に従って説明する。
【0108】
第2実施形態の業務管理システム1aでは、利用者端末10Aによる取引業務についての実行指示は、業務管理サーバ20′で管理されており、利用者端末10Aで何らかの実行指示が行なわれると(ステップS201のYESルート)、検知手段21によって、その実行指示に際して利用者によって入力されたデータが予め定められた基準値(規定値;上記規定範囲)と比較され(ステップS202)、そのデータが規定範囲内か規定範囲外かを判断することにより、利用者端末10Aで行なわれた実行指示が、例外処理の実行指示であるか否かを判断する(ステップS203)。
【0109】
入力データが規定範囲内である場合、利用者端末10Aで行なわれた実行指示は例外処理の実行指示ではないと判断され(ステップS203のNOルート)、その実行指示は、業務管理サーバ20′(制御手段26a)によって許可され、その実行指示に基づく処理は通常通り実行され(ステップS204)、ステップS201の処理に戻る。
【0110】
一方、入力データが規定範囲外である場合、利用者端末10Aで行なわれた実行指示は例外処理の実行指示であると判断され、つまり、検知手段21によって、利用者端末10Aにおける例外処理の実行指示が検知され(ステップS203のYESルート)、禁止手段22によって、その実行指示を一時的に不許可とし、利用者端末10Aによる例外処理の実行を一時的に禁止する(ステップS205)。
【0111】
この後、通知手段23の第1通知手段としての機能により、利用者端末10Aにおける実行指示が例外処理に係るものであり且つ禁止手段22によって例外処理の実行が一時的に禁止されている旨が、例外警告として利用者端末10Aの利用者に通知される(ステップS206)。
【0112】
例外警告通知後、制御手段26aの上記変更検知機能により、利用者端末10Aにおいて例外処理であると判定された入力データが変更されたか否かが検知され(ステップS207)、変更されない場合(ステップS207のNOルート)には、制御手段26aの上記時間比較機能により、例外警告通知後の経過時間(制御手段26aの上記タイマ機能により計時された時間)が所定時間(例えば1分)だけ経過したか否かを検知する(ステップS208)。
【0113】
所定時間だけ経過していない場合(ステップS208のNOルート)、ステップS207に戻る一方、所定時間だけ経過している場合(ステップS208のYESルート)、つまり、例外警告通知後、入力データの変更の有無に関係なく所定時間だけ経過しても入力
データが規定内にならない場合には、後述するステップS213へ移行する。
【0114】
ステップS207において、制御手段26aの上記変更検知機能により、利用者端末10Aにおいて入力データが変更されたことを検知した場合(YESルート)、検知手段21によって、変更後の入力データが予め定められた基準値(規定値;上記規定範囲)と比較され(ステップS209)、その変更後の入力データが規定範囲内か規定範囲外かを判断することにより、利用者端末10Aで行なわれた入力データ変更後の実行指示が、例外処理の実行指示であるか否かを判断する(ステップS210)。
【0115】
変更後の入力データが規定範囲内である場合、利用者端末10Aで行なわれた実行指示は例外処理の実行指示ではないと判断され(ステップS210のNOルート)、制御手段26aによって、禁止手段22による一時的禁止状態が解除され(ステップS211)、変更後の入力データに基づく実行指示が、業務管理サーバ20(制御手段26a)によって許可され、その実行指示に基づく処理は通常通り実行され(ステップS104)、ステップS101の処理に戻る。
【0116】
一方、入力データが規定範囲外である場合、利用者端末10Aで行なわれた変更後の入力データに基づく実行指示は例外処理の実行指示であると判断され、つまり、検知手段21によって、利用者端末10Aにおける例外処理の実行指示が検知され(ステップS211のYESルート)、制御手段26aの上記回数比較機能により、例外警告通知後における、利用者端末10Aでの入力データの変更回数(制御手段26aの上記カウンタ機能により計数された回数)が所定回数(例えば1回)に到達したか否かを検知する(ステップS212)。
【0117】
入力データの変更回数が所定回数に到達した場合(ステップS212のYESルート)、つまり、例外警告通知後の、入力データの変更回数が所定回数に達しても、入力データが規定内にならない場合には、後述するステップS213へ移行する。また、入力データの変更回数が所定回数に到達しない場合(ステップS212のNOルート)には、ステップS208に移行し、前述のごとく、例外警告通知後の経過時間(制御手段26aの上記タイマ機能により計時された時間)が所定時間(例えば1分)だけ経過したか否かを検知する。
【0118】
ステップS213では、転送手段24aによって、利用者端末10Aにおいて利用者がその例外処理の実行指示を行なった際の、利用者端末10Aのディスプレイ上の表示画面がキャプチャされる。
また、通知手段23の第2通知手段としての機能によって、利用者端末10Aにおける実行指示が例外処理に係るものであり且つ禁止手段22によって例外処理の実行が一時的に禁止され転送手段24aによって例外処理の内容が業務関与者端末10Bに転送される旨が、利用者端末10Aの利用者に通知される(ステップS214)。その通知は、前述した通り、例えば、利用者端末10Aのディスプレイ上でのポップアップウインドウによる警告表示や、利用者端末10Aのスピーカによる警告音の鳴動によって行なわれる。
【0119】
そして、この時点で、判定手段25aによって、各業務関与者端末10Bにおいて当該業務関与者端末10Bを使用すべき業務関与者本人が当該業務関与者端末10Bを使用中であるか否かが判定され、業務関与者本人が使用中であると判定された業務関与者端末10Bに関する情報が、その業務関与者端末10Bに対して設定された優先順位(職位)に関する情報とともに、図7に示すように、警告画面の転送先の候補端末リストに登録される(ステップS215)。
【0120】
ここで、このステップS215において、判定手段25aによって実行される、業務関
与者本人使用中判定処理について、図6に示すフローチャート(ステップS241〜S245)を参照しながら説明する。
判定手段25aにおいては、複数の業務関与者端末10B(10B−1〜10B−n)の中から未判定のものを一つ選択し(ステップS241)、選択された一の業務関与者端末10B(10B−i)において当該業務関与者端末10B(10B−i)を使用すべき業務関与者の本人名でログインが行なわれているか否かを判定する(ステップS242)。本人名でログインが行なわれている場合(ステップS232のYESルート)、当該業務関与者端末10B(10B−i)の使用者が業務関与者本人であると判断し、ついで、その業務関与者端末10B(10B−i)がオンライン状態で且つスクリーンセーバ状態でなく且つマウス/キー操作期間中であるか否かを判定する(ステップS243)。
【0121】
このステップS243でYES判定となった場合に当該業務関与者端末10B(10B−i)が使用中であると判断する。つまり、ステップS242およびS243の両方でYES判定となった場合、業務関与者端末10B(10B−i)においてこの業務関与者端末10B(10B−i)を使用すべき業務関与者本人がこの業務関与者端末10B(10B−i)を使用中であると判定し、その業務関与者端末10B(10B−i)を、警告画面の転送先候補端末として、図7に示すごとく、転送先候補端末リストに登録する(ステップS244)。
【0122】
この後、未判定の業務関与者端末10Bの有無を判定し(ステップS245)、未判定の業務関与者端末10Bがある場合(ステップS245のYESルート)、ステップS231の処理に戻り、上述と同様の処理(ステップS241〜S244)を繰り返し実行する一方、未判定の業務関与者端末10Bがない場合(ステップS245のNOルート)、業務関与者本人使用中判定処理を終了する。
【0123】
また、本人名でログインが行なわれていない場合(ステップS242のNOルート)や、業務関与者端末10B(10B−i)が、オフライン状態、もしくは、スクリーンセーバ状態、もしくは、マウス/キーを操作しない期間が続いている状態である場合(ステップS243のNOルート)には、業務関与者端末10B(10B−i)においてこの業務関与者端末10B(10B−i)を使用すべき業務関与者本人がこの業務関与者端末10B(10B−i)を使用していないと判断し、ステップS245の処理に移行する。
【0124】
このようにして、業務関与者本人使用中判定処理を終了すると、転送手段24aによって転送先候補端末リストが参照され、判定手段25aによって業務関与者本人が使用中であると判定された業務関与者端末10B(転送先候補端末リストに登録された端末)に、利用者端末10Aの利用者の職位よりも上位の業務関与者本人が使用中の業務関与者端末10Bが含まれているか否かが判定される(ステップS216)。
【0125】
利用者の職位よりも上位の業務関与者端末10Bが含まれている場合(ステップS216のYESルート)、転送手段24aによって、上位の業務関与者本人が使用中の業務関与者端末10Bのうちの最上位のものが選択され(ステップS217)、選択された業務関与者端末10B(10B−i)に対し、ステップS213でキャプチャされた利用者端末10Aの表示画面(例外処理の実行指示時の画面)が、業務関与者へのメッセージ(例外処理についての判断を依頼する旨)とともに、例外処理の内容を含む警告画面として転送され、業務関与者端末10B(10B−i)で表示される(ステップS218)。
【0126】
このようにして、転送手段24aによって業務関与者端末10B(10B−i)への警告画面の転送を行なった後、業務管理サーバ20′では、業務関与者端末10B(10B−i)からの応答指示の返信待ち状態となる(ステップS219,S220)。業務関与者が、自分の業務関与者端末10B(10B−i)で表示された警告画面を参照し、その
警告画面についての例外処理を承認するか否かの応答指示を所定時間内に入力・返信すると、その応答指示が業務管理サーバ20′で受信され(ステップS219のYESルート)、制御手段26aによって、受信された応答指示が、利用者端末10Aによる例外処理の実行を承認(容認)するものであるか否かが判定される(ステップS222)。
【0127】
業務関与者端末10B(10B−i)からの応答指示が利用者端末10Aによる例外処理の実行を承認(容認)するものである場合(ステップS222のYESルート)、制御手段26aによって、禁止手段22による例外処理の一時的禁止状態を解除して利用者端末10Aに例外処理を実行させてから(ステップS223)、ステップS201の処理に戻る。このとき、利用者端末10Aの利用者に対し、今回の例外処理について一時的禁止状態を解除して実行した旨を示すメッセージ等を通知手段23によって通知してもよい。
【0128】
一方、業務関与者端末10B(10B−i)からの応答指示が利用者端末10Aによる例外処理の実行を否認するものである場合(ステップS222のNOルート)、制御手段26aによって、利用者端末10Aによる例外処理の実行が正式に禁止され(ステップS224)、利用者端末10Aの利用者に対し、今回の例外処理についてその実行を正式に禁止した旨(禁止が確定した旨)を示すメッセージ等を、通知手段23によって通知してから(ステップS225)、ステップS201の処理に戻る。
【0129】
また、転送手段24aによって業務関与者端末10B(10B−i)への警告画面の転送を行なった後、所定時間経過しても、業務関与者端末10B(10B−i)からの応答指示の返信がない場合(ステップS219のNOルートからステップS220のYESルート)、即時性を要する業務処理を行なっているので、今回、選択した業務関与者端末10B(10B−i)からの応答指示を諦め、その業務関与者端末10B(10B−i)を転送先候補端末リストから除外して更新してから(ステップS221)、更新後の転送先候補端末リストに基づいて、ステップS208以降の処理を再実行する。
【0130】
さて、ステップS216において、利用者の職位よりも上位の業務関与者端末10Bが含まれていないと判定された場合(NOルート)には、判定手段25aによって業務関与者本人が使用中であると判定された業務関与者端末10B(転送先候補端末リストに登録された端末)に、利用者端末10Aの利用者の職位以下の業務関与者本人が使用中の業務関与者端末10Bが2以上含まれているか否かが判定される(ステップS226)。
【0131】
利用者の職位以下の業務関与者端末10Bが2以上含まれていない場合(ステップS226のNOルート)、ステップS224の処理へ移行し、制御手段26aによって、利用者端末10Aによる例外処理の実行が正式に禁止され、利用者端末10Aの利用者に対し、今回の例外処理についてその実行を正式に禁止した旨(禁止が確定した旨)を示すメッセージ等を、通知手段23によって通知してから(ステップS225)、ステップS201の処理に戻る。
【0132】
また、利用者の職位以下の業務関与者端末10Bが2以上含まれている場合(ステップS226のYESルート)、転送手段24aによって、転送先候補端末リストに基づき、利用者の職位以下の業務関与者本人が使用中の業務関与者端末10Bの中から職位の高い順に2つの業務関与者端末10B(10B−i,10B−j)が選択され(ステップS227)、選択された2つの業務関与者端末10B(10B−i,10B−j)に対し、ステップS213でキャプチャされた利用者端末10Aの表示画面(例外処理の実行指示時の画面)が、業務関与者へのメッセージ(例外処理についての判断を依頼する旨)とともに、例外処理の内容を含む警告画面として転送され、2つの業務関与者端末10B(10B−i,10B−j)で表示される(ステップS228)。
【0133】
このようにして、転送手段24aによって2つの業務関与者端末10B(10B−i,10B−j)への警告画面の転送を行なった後、業務管理サーバ20′では、これらの業務関与者端末10B(10B−i,10B−j)からの応答指示の返信待ち状態となる(ステップS229,S230)。2人の業務関与者が、それぞれ自分の業務関与者端末10B(10B−i,10B−j)で表示された警告画面を参照し、その警告画面についての例外処理を承認するか否かの応答指示を所定時間内に入力・返信すると、それらの応答指示が業務管理サーバ20′で受信され(ステップS229のYESルート)、制御手段26aによって、受信された2つの応答指示が、いずれも利用者端末10Aによる例外処理の実行を承認(容認)するものであるか否かが判定される(ステップS236)。
【0134】
2つの業務関与者端末10B(10B−i,10B−j)からの応答指示がいずれも利用者端末10Aによる例外処理の実行を承認(容認)するものである場合(ステップS236のYESルート)、ステップS223の処理へ移行し、制御手段26aによって、禁
止手段22による例外処理の一時的禁止状態を解除して利用者端末10Aに例外処理を実行させてから、ステップS201の処理に戻る。
【0135】
一方、業務関与者端末10B(10B−i,10B−j)からの応答指示のうち一方でも利用者端末10Aによる例外処理の実行を否認するものである場合(ステップS236のNOルート)、制御手段26aによって、利用者端末10Aによる例外処理の実行が正式に禁止され(ステップS224)、利用者端末10Aの利用者に対し、今回の例外処理についてその実行を正式に禁止した旨(禁止が確定した旨)を示すメッセージ等を、通知手段23によって通知してから(ステップS225)、ステップS201の処理に戻る。
【0136】
また、転送手段24aによって業務関与者端末10B(10B−i,10B−j)への警告画面の転送を行なった後、所定時間経過しても、2つの業務関与者端末10B(10B−i,10B−j)のうちの少なくとも一方からの応答指示の返信がない場合(ステップS229のNOルートからステップS230のYESルート)、即時性を要する業務処理を行なっているので、今回、選択した2つの業務関与者端末10B(10B−i,10B−j)のうち応答指示の返信の無い端末からの応答指示を諦め、以下のような処理を行なう。
【0137】
まず、今回、選択した2つの業務関与者端末10B(10B−i,10B−j)の両方から応答指示の返信が無いか否かが判断され(ステップS231)、両方から応答指示が無い場合(ステップS231のYESルート)、これら2つの業務関与者端末10B(10B−i,10B−j)を転送先候補端末リストから除外して更新してから(ステップS232)、更新後の転送先候補端末リストに基づいて、ステップS216以降の処理を再実行する。
【0138】
また、2つの業務関与者端末10B(10B−i,10B−j)のうちの一方からの応答指示の返信が無い場合(ステップS231のNOルート)、その一方の業務関与者端末10B(10B−iまたは10B−j)を転送先候補端末リストから除外して更新してから(ステップS233)、更新後の転送先候補端末リストに基づいて、判定手段25aによって業務関与者本人が使用中であると判定された業務関与者端末10B(転送先候補端末リストに登録された端末)に、利用者端末10Aの利用者の職位以下の業務関与者本人が使用中の業務関与者端末10Bが少なくとも1つ含まれているか否かが判定される(ステップS234)。
【0139】
利用者の職位以下の業務関与者端末10Bが1つも含まれていない場合(ステップS234のNOルート)、ステップS224の処理へ移行し、制御手段26aによって、利用者端末10Aによる例外処理の実行が正式に禁止され、利用者端末10Aの利用者に対し
、今回の例外処理についてその実行を正式に禁止した旨(禁止が確定した旨)を示すメッセージ等を、通知手段23によって通知してから(ステップS225)、ステップS201の処理に戻る。
【0140】
また、利用者の職位以下の業務関与者端末10Bが少なくとも1つ含まれている場合(ステップS234のYESルート)、転送手段24aによって、転送先候補端末リストに基づき、利用者の職位以下の業務関与者本人が使用中の業務関与者端末10Bの中から職位の高い(最も優先順位の高い)一の業務関与者端末10Bが選択され(ステップS235)、ステップS220以降の処理が再実行される。
【0141】
〔2−3〕第2実施形態の効果
このように、本発明の第2実施形態としての業務管理システム1aおよび業務管理サーバ20′によれば、第1実施形態の業務管理システム1および業務管理サーバ20と同様の作用効果が得られるほか、以下のような効果ないし利点を得ることができる。
【0142】
判定手段25aによって業務関与者本人が使用中であると判定された業務関与者端末10Bのうち、優先順位の最も高い業務関与者端末10Bに警告画面を転送手段24aによって転送することで、業務関与者本人が使用中であることが分かっている業務関与者端末10Bであって最も優先順位の高い端末に警告画面が直接転送されるので、より迅速に、利用者による例外処理の内容の確認を促すことができ、即時性をもってリスクの高い判断を行なう必要のある業務において、その即時性を確保しながら例外処理の第三者判断を実現でき、トラブルや損害の発生を未然に防止することができる。
【0143】
このとき、優先順位を業務関与者の職位に従って設定(例えば、職位の高い業務関与者によって使用される業務関与者端末10Bの優先順位を高く設定)しておき、転送手段24aが、利用者の職位よりも上位の業務関与者本人が使用中の業務関与者端末10Bのうちの最上位のものを選択し、警告画面を直接転送することにより、利用者の職位よりも上位の業務関与者本人、即ち、例外処理についての判断信頼性の高い業務関与者本人(例えば直属の上司など)であって、業務関与者端末10Bを使用中の本人に対し、より迅速に、利用者による例外処理の内容の確認を促すことができ、即時性をもってリスクの高い判断を行なう必要のある業務において、その即時性を確保しながら例外処理の第三者判断を実現でき、トラブルや損害の発生を未然に防止することができる。
【0144】
また、業務関与者端末10Bを使用中の業務関与者本人が全て利用者の職位以下である場合(例えば、利用者の同僚もしくは部下である場合)、転送手段24aが、その業務関与者端末10Bの中から職位の高い順に2以上の業務関与者端末10Bを選択して警告画面を転送するとともに、これらの業務関与者端末10Bからの応答指示がいずれも例外処理の実行を承認するものである場合、制御手段26aが、利用者端末10Aに例外処理を実行させ、これらの応答指示のうちの少なくとも一つが例外処理の実行を否定するものである場合、制御手段26aが、例外処理の実行の禁止を確定(例外処理の実行を正式に禁止)させる。これにより、例外処理の判断を行なうべき業務関与者として利用者の職位以下のものしか居ない場合、複数の人による総合的判断(全員一致)によってのみ例外処理の実行が承認されることになるので、例外処理についての判断信頼性の高い、管理者,上司といった業務関与者が居ない場合でも、トラブルや損害を発生させることなく、業務を遂行することが可能になる。
【0145】
さらに、例外処理についての判断を直ちに行なうことの可能な業務関与者(つまり、端末使用中の業務関与者)が全て利用者の職位以下でありその数が規定数(2以上)に達していない場合や、複数の業務関与者端末10Bが全て使用中の状態でない場合(つまり、例えば業務関与者が全て不在・離席中の状態である場合)には、制御手段26aによって
例外処理の実行の禁止を確定(例外処理の実行を正式に禁止)させる。これにより、利用者の職位以下の業務関与者による総合的判断が行なえない場合や、利用者以外の業務関与者による判断が行なえない場合には、一切、例外処理の実行を行なえないようになり、即時性には欠けることになるが、リスクの高い例外処理を禁止し、トラブルや損害の発生を未然かつ確実に防止することができる。
【0146】
〔3〕変形例
上述した本実施形態(第1および第2実施形態)では、例えば証券取引(株取引),外貨取引などの処理を業務とする企業内等において用いられる業務管理システム1,1aにおいて、利用者(従業員,オペレータ)が、自分の利用者端末10Aから、独自の判断で取引業務を遂行すべくデータ入力を行なって取引処理を実行しているが、業務によっては、独自の判断ではなく、顧客からの取引指示(例えば株の売買指示;売り値・買値といった金額と、売り・買いする株の数とを含む指示)に応じてその金額や株の数の入力を、利用者端末10Aで行なう場合もある。
【0147】
このような場合、顧客は、金額や株の数に関する情報を含む取引指示を、電子メールに書き込んで当該取引を取り扱う企業(証券会社等)のオペレータ(利用者;利用者端末10A)に送信・通知したり、当該企業側のホームページ等からアクセス可能な所定のフォーマットの取引指示入力画面に金額や株の数に関する情報を書き込んで取引指示を当該企業のオペレータに送信・通知したり、電話等を利用する場合であれば当該企業に電話をかけて音声案内に従って金額や株の数に関する情報をトーン信号あるいは顧客本人の発する音声によって入力して取引指示を当該企業のオペレータに送信・通知したりすることになる。
【0148】
そこで、このような場合、利用者端末10Aにおいて、顧客取引指示に応じて金額や株の数を入力する業務を実行する際には、電子メールによって通知された情報や、取引指示入力画面から入力された情報や、音声案内に従って入力された音声情報から、金額や株の数を自動的に抽出する自動抽出手段(利用者端末10Aの処理部が所定プログラムを実行することによって実現される機能)を利用者端末10Aにそなえておき、この自動抽出手段により抽出された金額や株の数を取引指示の内容として入力することで、利用者(オペレータ)はキーボード等を操作することなく顧客の指示通りの情報を正確に入力することができる。
【0149】
なお、自動抽出手段を用いて金額や株の数を抽出する場合、誤認識する可能性が若干ながらあるので(特に顧客本人の発する音声による入力の場合)、自動抽出手段による抽出結果を直ちに入力するのではなく、一旦、自動抽出手段によって抽出された結果を利用者端末10Aの画面上に表示し、その画面上で利用者(オペレータ)が抽出結果を参照してその抽出結果(金額や株の数)に明らかな誤認識(読取間違い)が含まれていないかを確認し、利用者(オペレータ)が明らかな誤認識が含まれていないと判断した場合にエンタキー等を操作し、抽出結果を取引指示の内容として入力するようにしてもよい。これにより、顧客の指示通りの情報をより正確に入力することができる。このとき、利用者(オペレータ)が明らかな誤認識が含まれていると判断した場合であって、その誤認識箇所の正しい値等が明らかであれば、利用者(オペレータ)が、その誤認識箇所を修正しながらキーボード等から入力する一方、その誤認識箇所の正しい値等が明らかでなければ、利用者(オペレータ)は、顧客本人に対する問い合わせを電子メール等によって行なう。
【0150】
また、利用者(オペレータ)が、電子メールによって通知された情報や、取引指示入力画面から入力された情報や、音声案内に従って入力された音声情報を参照し金額や株の数を認識した上で、キーボード等を操作入力を操作することにより、認識した金額や株の数を入力してもよい。この場合、上記自動抽出手段をそなえておき、この自動抽出手段によ
って抽出された金額や株の数と利用者(オペレータ)がキーボード等を操作して入力した金額や株の数とを比較する比較手段(利用者端末10Aの処理部が所定プログラムを実行することによって実現される機能)と、その比較手段による比較の結果、これらの金額/株の数が一致しない場合、利用者(オペレータ)が誤入力したものと判断して通知する通知手段(利用者端末10Aの処理部が所定プログラムを実行することによって実現される機能)とをそなえる。これにより、利用者(オペレータ)が顧客からの指示とは異なる金額/株の数を誤って入力したことが自動的に検知され、その旨を利用者(オペレータ)に通知し、金額/下部の数を正しく入力させるように指示することが可能になり、利用者(オペレータ)は顧客の指示通りの情報を正確に入力することができる。
【0151】
さらに、利用者(オペレータ)は、上述のごとく自動抽出手段によって抽出された金額や株の数を利用者端末10Aの画面上で参照し、その抽出結果(金額や株の数)に明らかな誤認識(読取間違い)が含まれていないかを確認しながら、キーボード等を操作してこの自動抽出手段によって抽出された金額や株の数を入力してもよい。これにより、顧客の指示通りの情報をより正確に入力することができる。このときも、利用者(オペレータ)が明らかな誤認識が含まれていると判断した場合であって、その誤認識箇所の正しい値等が明らかであれば、利用者(オペレータ)が、その誤認識箇所を修正しながらキーボード等から入力する一方、その誤認識箇所の正しい値等が明らかでなければ、利用者(オペレータ)は、顧客本人に対する問い合わせを電子メール等によって行なう。
【0152】
なお、上記自動抽出手段が、電子メールによって通知された情報(メールの内容)から金額や株の数を自動的に抽出する場合、例えば「売り値」,「買値」,「株価」,「数」,「¥」,「円」など金額や株の数に係るキーワードと算用数字(0,1,2,…,9)とを電子メールの内容から検索し、検索された、これらのキーワードと算用数字との組み合わせ状態に基づいて、今回の取引指示を含む電子メールから、その取引指示に係る金額と株の数とについての情報を抽出する。
【0153】
上述のごとく自動抽出手段によって抽出された情報(金額や株の数)をそのまま入力した後、あるいは、上述のごとく利用者(オペレータ)が入力操作を行なってから誤入力チェックを行ない正しく入力されたことを確認した後には、第1実施形態や第2実施形態で説明した通り、検知手段21による例外処理の検知(例外処理チェック)を行なう。
【0154】
その例外処理チェックの結果、利用者(オペレータ)によって正しく入力された情報(顧客から指示された金額/株の数)が、記憶部20bに予め設定されている上記規定内であれば、その情報に基づく取引処理は直ちに実行される一方、その情報が上記規定外であれば、通知手段23(第1通知手段としての機能)によって、その旨が利用者(利用者端末10A)に警告として通知される。
【0155】
この警告通知を受けた利用者(オペレータ)は、再度、入力された情報(顧客から指示された金額/株の数)の正当性を参照・検討し、顧客からの取引指示に指示に従って正しく入力されている場合には、その旨を利用者端末10Aから業務管理サーバ20に通知する。上記自動抽出手段による誤抽出などのために正しく入力されていないと利用者(オペレータ)が判断した場合には、利用者端末10Aにおいて利用者(オペレータ)が情報入力をやり直し、再度、検知手段21による例外処理チェックを行なう。
【0156】
業務管理サーバ20においては、顧客からの取引指示に指示に従って正しく入力されている旨の通知を受けた場合、顧客からの取引指示の内容自体が例外処理であるため、顧客に対し金額/株の数についての確認を行なう電子メールを自動的に送信・通知する自動メール送信手段(業務管理サーバ20の処理部20aが所定プログラムを実行することによって実現される機能)をそなえておき、この自動メール送信手段によって、顧客に対し上
記確認用の電子メールを送信するとともに、転送手段24,24aが、上述のごとく、利用者端末10Aにおいて利用者がその例外処理の実行指示を行なった際の、利用者端末10Aのディスプレイ上の表示画面をそのままキャプチャし、その表示画面を警告画面(例外処理の内容)として、選択された一の業務関与者端末10Bに対し転送する。その際、顧客への電子メールでは確認要求に対する回答期限が明記されるとともに、業務関与者端末10Bに対する警告画面の転送に際しては顧客からの回答待ちである旨を示す情報も併せて転送される。
【0157】
そして、顧客からの回答があった場合、その回答の内容は、警告画面を表示させた業務関与者端末10Bに転送され、その回答の内容を参照した業務関与者が回答の内容に応じた応答指示を行なう。顧客からの回答があった場合には、当然、その回答が例外処理の実行を容認するものであれば業務関与者による応答指示も利用者端末10Aによる例外処理の実行を承認(容認)するものとなり、その回答が例外処理の実行を否認するものであれば業務関与者による応答指示も利用者端末10Aによる例外処理の実行を否認するものとなる。制御手段26,26aは、この業務関与者による応答指示に従って前述した通り利用者端末10Aを制御することになる。
【0158】
また、上記回答期限になっても顧客からの回答(返信)が無い場合には、業務関与者の裁量によって今回の例外処理の実行/非実行を決定して応答指示を行なうか、もしくは、顧客と予め結ばれた契約に従って、今回の例外処理を実行するか実行しないかを決定して応答指示を行なう。
【0159】
後者の決定手法を採用する場合には、このような状況下で例外処理を実行するか実行しないかの指定について予め契約し、この契約情報を記憶部20bに顧客識別情報に対応付けて予め設定しておく。そして、業務管理サーバ20から業務関与者端末10Bに転送された契約情報を利用者(オペレータ)が参照して今回の例外処理の実行/非実行の決定を行なってもよいし、業務管理サーバ20において、上記回答期限になっても顧客からの回答(返信)が無い場合に記憶部20bにおける顧客識別情報に対応する契約情報を参照して自動的に例外処理の実行/非実行を決定する決定手段(業務管理サーバ20の処理部20aが所定プログラムを実行することによって実現される機能)をそなえておき、この決定手段によって今回の例外処理の実行/非実行の決定を行なってもよい。
【0160】
このようにして、顧客の意志や、顧客と取引業務を代理する企業との間で予め結ばれた契約に従って、例外処理の実行/非実行の決定が迅速かつ確実に行なわれ、顧客からの依頼による取引処理業務が、即時性を損なうことなく且つトラブルを発生させることなく遂行されることになる。
【0161】
〔4〕その他
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上述した第1および第2実施形態では、本発明の業務管理システム1,1a(業務管理サーバ20,20′)を、証券取引(株取引),外貨取引など、即時性をもってリスクの高い判断を行なう必要のある業務に適用した場合について説明したが、本発明は、これに限定されるものでなく、即時性をもってリスクの高い判断を行なう必要のある他の業務のみならず、そのような判断を行なう必要のない通常業務にも適用することで、上述した第1および第2実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0162】
また、上述した第1および第2実施形態では、検知手段21,禁止手段22,通知手段23,転送手段24,24a,判定手段25,25aおよび制御手段26,26aとしての機能を全て業務管理サーバ20,20′に持たせている場合について説明したが、本発
明は、これに限定されるものではなく、例えば、これらの機能の一部や全部を利用者端末10Aにそなえてもよい。
【0163】
さらに、上述した第1および第2実施形態では、検知手段21は、例外処理として、入力データ値が入力データが規定外(予めされた規定範囲外)である処理を検知しているが、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば、処理の実行指示時にその処理のルート(例えば稟議ルート)を指定入力する場合、そのルートが予め定められた規定ルートに従っているか否かを判断し、規定ルートに従っていない処理を例外処理として検知してもよい。
【0164】
またさらに、上述した第1および第2実施形態では、転送手段24,24aは、警告画面として、利用者端末10Aにおいて利用者がその例外処理の実行指示を行なった際の、利用者端末10Aのディスプレイ上の表示画面をそのままキャプチャし、その表示画面を警告画面(例外処理の内容)として転送しているが、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば、例外処理の内容(入力データや指定ルートなど)を抽出し、その内容を所定フォーマットに書き込んだものを警告画面として転送するようにしてもよい。なお、その警告画面にも、転送先の業務関与者に対し利用者端末10Aで実行されようとしている例外処理についての判断を依頼する旨のメッセージが含まれている。
【0165】
さらにまた、上述した第2実施形態では、業務関与者端末10Bを使用中の業務関与者本人が全て利用者の職位以下である場合(例えば、利用者の同僚もしくは部下である場合)、転送手段24aが、その業務関与者端末10Bの中から職位の高い順に2以上の業務関与者端末10Bを選択して警告画面を転送するようにしているが、本発明は、これに限定されるものではなく、業務関与者端末10Bを使用中の業務関与者本人の職位に関係なく、常に2以上の業務関与者端末10Bを選択して警告画面を転送し、転送先の2以上の業務関与者端末10Bからの応答指示が全て例外処理の実行を承認するものである場合、制御手段26aが、利用者端末10Aに例外処理を実行させ、これらの応答指示のうちの少なくとも一つが例外処理の実行を否定するものである場合、制御手段26aが、例外処理の実行の禁止を確定(例外処理の実行を正式に禁止)させるようにしてもよい。これにより、常に複数の人による総合的判断(全員一致)によってのみ例外処理の実行が承認されることになるので、トラブルや損害を確実に発生させることなく、業務を遂行することが可能になる。
【0166】
さらに、上述した検知手段21,禁止手段22,通知手段23,転送手段24,24a,判定手段25,25aおよび制御手段26,26aとしての機能(各手段の全部もしくは一部の機能)は、コンピュータ(CPU,情報処理装置,各種端末を含む)が所定のアプリケーションプログラム(業務管理プログラム)を実行することによって実現される。
【0167】
そのプログラムは、例えばフレキシブルディスク,CD(CD−ROM,CD−R,CD−RWなど),DVD(DVD−ROM,DVD−RAM,DVD−R,DVD−RW,DVD+R,DVD+RWなど)等のコンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体から業務管理プログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送し格納して用いる。また、そのプログラムを、例えば磁気ディスク,光ディスク,光磁気ディスク等の記憶装置(記録媒体)に記録しておき、その記憶装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0168】
ここで、コンピュータとは、ハードウエアとOS(オペレーティングシステム)とを含む概念であり、OSの制御の下で動作するハードウエアを意味している。また、OSが不要でアプリケーションプログラム単独でハードウェアを動作させるような場合には、その
ハードウェア自体がコンピュータに相当する。ハードウエアは、少なくとも、CPU等のマイクロプロセッサと、記録媒体に記録されたプログラムを読み取るための手段とをそなえている。上記業務管理プログラムとしてのアプリケーションプログラムは、上述のようなコンピュータに、検知手段21,禁止手段22,通知手段23,転送手段24,24a,判定手段25,25aおよび制御手段26,26aとしての機能を実現させるプログラムコードを含んでいる。また、その機能の一部は、アプリケーションプログラムではなくOSによって実現されてもよい。
【0169】
さらに、本実施形態における記録媒体としては、上述したフレキシブルディスク,CD,DVD,磁気ディスク,光ディスク,光磁気ディスクのほか、ICカード,ROMカートリッジ,磁気テープ,パンチカード,コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ),外部記憶装置等や、バーコードなどの符号が印刷された印刷物等の、コンピュータ読取可能な種々の媒体を利用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0170】
【図1】本発明の第1実施形態としての業務管理システム(業務管理サーバ)の構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態の業務管理システム(業務管理サーバ)の動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】第1実施形態の業務管理システム(業務管理サーバ)における業務関与者本人使用中判定処理を説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明の第2実施形態としての業務管理システム(業務管理サーバ)の構成を示すブロック図である。
【図5】第2実施形態の業務管理システム(業務管理サーバ)の動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】第2実施形態の業務管理システム(業務管理サーバ)における業務関与者本人使用中判定処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】第2実施形態の業務管理システム(業務管理サーバ)における転送先候補端末リストの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0171】
1,1a 業務管理システム(企業内システム)
10 端末
10A 利用者端末
10B,10B−1,10B−2,…,10B−n 業務関与者端末
20,20′ 業務管理サーバ
20a 処理部(CPU)
20b 記憶部
21 検知手段
22 禁止手段
23 通知手段(第1通知手段,第2通知手段)
24,24a 転送手段
25,25a 判定手段
26,26a 制御手段
30 プロキシサーバ
40 ネットワーク(社内LAN)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が業務を遂行すべくデータ入力を行なって処理を実行する利用者端末と、
該利用者以外で当該業務に関与する業務関与者用の業務関与者端末と、
該利用者端末および該業務関与者端末と通信可能に接続され、該利用者端末による業務を管理すべく、少なくとも処理部および記憶部を有して構成される業務管理サーバとをそなえ、
該業務管理サーバの該処理部が、
該利用者端末での実行指示に際して入力された入力データと該記憶部に予め設定されている規定とを比較し、該入力データが該規定外である場合に、該利用者端末での実行指示を該利用者端末における例外処理の実行指示として検知する検知手段、
該検知手段によって該例外処理の実行指示を検知した場合に該利用者端末による該例外処理の実行を一時的に禁止する禁止手段、
該検知手段によって該例外処理の実行指示を検知した場合、該利用者端末における実行指示が例外処理に係るものであり且つ該禁止手段によって該例外処理の実行が一時的に禁止されている旨を例外警告として該利用者端末の利用者に通知する第1通知手段、
該第1通知手段による該例外警告の通知後に該入力データが該規定外であって該利用者端末での実行指示が例外処理の実行指示であることを該検知手段によって検知した場合、該例外処理の内容を該業務関与者端末に転送する転送手段、および、
該転送手段によって転送された該例外処理の内容を参照した該業務関与者により該業務関与者端末から入力された応答指示に応じて、該禁止手段による該例外処理の一時的禁止状態を解除して該利用者端末に該例外処理を実行させるか、もしくは、該例外処理の実行の禁止を確定させるように、該利用者端末を制御する一方、該第1通知手段による該例外警告の通知後に該入力データが該規定内であって該利用者端末での実行指示が例外処理の実行指示でないことを該検知手段によって検知した場合には該禁止手段による一時的禁止状態を解除して該利用者端末に該実行指示を実行させるように該利用者端末を制御する制御手段、
として、機能することを特徴とする、業務管理システム。
【請求項2】
該業務関与者端末を複数そなえるとともに、
該転送手段は、複数の該業務関与者端末について該記憶部に予め設定された優先順位に従って、優先順位の高い業務関与者端末を選択し、選択された業務関与者端末に該例外処理の内容を転送することを特徴とする、請求項1記載の業務管理システム。
【請求項3】
該業務管理サーバの該処理部が、該選択された業務関与者端末において当該業務関与者端末を使用すべき業務関与者本人が当該業務関与者端末を使用中であるか否かを判定する判定手段としての機能をそなえ、
該転送手段は、該判定手段によって業務関与者本人が使用中であると判定された場合に当該業務関与者端末に該例外処理の内容を転送する一方、該判定手段によって業務関与者本人が使用中ではないと判定された場合に前記優先順位に従い次に優先順位の高い業務関与者端末を選択することを特徴とする、請求項2記載の業務管理システム。
【請求項4】
該業務管理サーバの該処理部が、各業務関与者端末において当該業務関与者端末を使用すべき業務関与者本人が当該業務関与者端末を使用中であるか否かを判定する判定手段としての機能をそなえ、
該転送手段は、該判定手段によって業務関与者本人が使用中であると判定された業務関与者端末のうち、前記優先順位の最も高い業務関与者端末に該例外処理の内容を転送することを特徴とする、請求項2記載の業務管理システム。
【請求項5】
前記優先順位が該業務関与者の職位に従って設定され、
該判定手段によって業務関与者本人が使用中であると判定された業務関与者端末に、該利用者端末の利用者の職位よりも上位の業務関与者本人が使用中の業務関与者端末が含まれている場合、該転送手段は、該上位の業務関与者本人が使用中の業務関与者端末のうちの最上位のものを選択し、選択された業務関与者端末に該例外処理の内容を転送することを特徴とする、請求項4記載の業務管理システム。
【請求項6】
前記優先順位が該業務関与者の職位に従って設定され、
該判定手段によって業務関与者本人が使用中であると判定された業務関与者端末が、該利用者端末の利用者の職位以下の業務関与者本人が使用中の業務関与者端末のみである場合、該転送手段は、該職位以下の業務関与者本人が使用中の業務関与者端末の中から職位の高い順に2以上の業務関与者端末を選択し、選択された該2以上の業務関与者端末に該例外処理の内容を転送するとともに、
該制御手段は、該2以上の業務関与者端末からの応答指示がいずれも該例外処理の実行を承認するものである場合、該禁止手段による該例外処理の一時的禁止を解除して該利用者端末に該例外処理を実行させるように該利用者端末を制御することを特徴とする、請求項4または請求項5に記載の業務管理システム。
【請求項7】
該制御手段は、該2以上の業務関与者端末からの応答指示のうちの少なくとも一つが該例外処理の実行を否定するものである場合、該例外処理の実行の禁止を確定させるように該利用者端末を制御することを特徴とする、請求項6記載の業務管理システム。
【請求項8】
該職位以下の業務関与者本人が使用中の業務関与者端末に2以上の業務関与者端末が含まれていない場合、該制御手段は、該例外処理の実行の禁止を確定させるように該利用者端末を制御することを特徴とする、請求項6または請求項7に記載の業務管理システム。
【請求項9】
該転送手段は、該選択した業務関与者端末に該例外処理の内容を転送した後、所定時間経過しても該業務関与者端末から前記応答指示が無い場合、前記優先順位に従い次に優先順位の高い業務関与者端末を選択し、選択された業務関与者端末に該例外処理の内容を転送することを特徴とする、請求項2〜請求項8のいずれか一項に記載の業務管理システム。
【請求項10】
該業務管理サーバの該処理部が、
該第1通知手段による該例外警告の通知後に該入力データが該規定外であって該利用者端末での実行指示が例外処理の実行指示であることを該検知手段によって検知した場合、該利用者端末における実行指示が例外処理に係るものであり且つ該禁止手段によって該例外処理の実行が一時的に禁止され該転送手段によって該例外処理の内容が該業務関与者端末に転送される旨を該利用者端末の利用者に通知する第2通知手段としての機能をそなえて構成されたことを特徴とする、請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の業務管理システム。
【請求項11】
利用者が業務を遂行すべくデータ入力を行なって処理を実行する利用者端末と、該利用者以外で当該業務に関与する業務関与者用の業務関与者端末とをそなえたシステムにおいて、該利用者端末および該業務関与者端末と通信可能に接続され、該利用者端末による業務を管理すべく、少なくとも処理部および記憶部を有して構成される業務管理サーバであって、
該処理部が、
該利用者端末での実行指示に際して入力された入力データと該記憶部に予め設定されている規定とを比較し、該入力データが該規定外である場合に、該利用者端末での実行指示を該利用者端末における例外処理の実行指示として検知する検知手段、
該検知手段によって該例外処理の実行指示を検知した場合に該利用者端末による該例外
処理の実行を一時的に禁止する禁止手段、
該検知手段によって該例外処理の実行指示を検知した場合、該利用者端末における実行指示が例外処理に係るものであり且つ該禁止手段によって該例外処理の実行が一時的に禁止されている旨を例外警告として該利用者端末の利用者に通知する第1通知手段、
該第1通知手段による該例外警告の通知後に該入力データが該規定外であって該利用者端末での実行指示が例外処理の実行指示であることを該検知手段によって検知した場合、該例外処理の内容を該業務関与者端末に転送する転送手段、および、
該転送手段によって転送された該例外処理の内容を参照した該業務関与者により該業務関与者端末から入力された応答指示に応じて、該禁止手段による該例外処理の一時的禁止状態を解除して該利用者端末に該例外処理を実行させるか、もしくは、該例外処理の実行の禁止を確定させるように、該利用者端末を制御する一方、該第1通知手段による該例外警告の通知後に該入力データが該規定内であって該利用者端末での実行指示が例外処理の実行指示でないことを該検知手段によって検知した場合には該禁止手段による一時的禁止状態を解除して該利用者端末に該実行指示を実行させるように該利用者端末を制御する制御手段、
として、機能することを特徴とする、業務管理サーバ。
【請求項12】
利用者が業務を遂行すべくデータ入力を行なって処理を実行する利用者端末と、該利用者以外で当該業務に関与する業務関与者用の業務関与者端末とをそなえたシステムにおいて、該利用者端末による業務を管理する機能をコンピュータに実現させる業務管理プログラムであって、
該利用者端末での実行指示に際して入力された入力データと該コンピュータの記憶部に予め設定されている規定とを比較し、該入力データが該規定外である場合に、該利用者端末での実行指示を該利用者端末における例外処理の実行指示として検知する検知手段、
該検知手段によって該例外処理の実行指示を検知した場合に該利用者端末による該例外処理の実行を一時的に禁止する禁止手段、
該検知手段によって該例外処理の実行指示を検知した場合、該利用者端末における実行指示が例外処理に係るものであり且つ該禁止手段によって該例外処理の実行が一時的に禁止されている旨を例外警告として該利用者端末の利用者に通知する第1通知手段、
該第1通知手段による該例外警告の通知後に該入力データが該規定外であって該利用者端末での実行指示が例外処理の実行指示であることを該検知手段によって検知した場合、該例外処理の内容を該業務関与者端末に転送する転送手段、および、
該転送手段によって転送された該例外処理の内容を参照した該業務関与者により該業務関与者端末から入力された応答指示に応じて、該禁止手段による該例外処理の一時的禁止状態を解除して該利用者端末に該例外処理を実行させるか、もしくは、該例外処理の実行の禁止を確定させるように、該利用者端末を制御する一方、該第1通知手段による該例外警告の通知後に該入力データが該規定内であって該利用者端末での実行指示が例外処理の実行指示でないことを該検知手段によって検知した場合には該禁止手段による一時的禁止状態を解除して該利用者端末に該実行指示を実行させるように該利用者端末を制御する制御手段、
として、該コンピュータを機能させることを特徴とする、業務管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−257678(P2008−257678A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−242865(P2007−242865)
【出願日】平成19年9月19日(2007.9.19)
【出願人】(592112938)クオリティ株式会社 (121)