説明

楽曲再生制御装置

【課題】再生する楽曲について利用者が望む適切な時間だけ再生を行うことができ、多様な再生を行うことができるようにした「楽曲再生制御装置」とする。
【解決手段】楽曲の全再生時間に対する割合を利用者が設定し、必要に応じて楽曲のサビ部分等の再生開始位置を指定し、再生する楽曲の全再生時間と前記割合、及び再生開始位置とにより楽曲の終了目標時間を計算する。楽曲の再生中にはその楽曲の再生経過時間を検出し、計算した終了目標時間になったか否かを検出し、終了目標時間になったときには次の曲の再生を指示する。楽曲の再生開始時にはフェードインし、再生終了時にはフェードアウトしても良い。また、再生する楽曲はオーディオ装置の外部に接続したオーディオプレーヤの曲であっても良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数の楽曲をオーディオデータ記録媒体に記録しているオーディオ装置において、各楽曲について所定の割合づつ連続して再生することができるようにした楽曲再生制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のオーディオ装置においては、大容量のメモリ、或いはハードディスク等のデータ記録媒体を備え、そのデータ記録媒体に多数のオーディオデータをMP3等により圧縮して記録し、例えば1万曲を超える楽曲の中から利用者はアーティスト名、ジャンル名、曲名等を任意に指定して楽曲を選択し、連続して聞くことができるようになっている。
【0003】
また、前記のような大容量のデータ記録媒体が小型化することにより、携帯型オーディオプレーヤにこのデータ記録媒体を搭載し、いつでもどこでも利用者が持ち運び、所望の曲を選択して聞くことができるようにもなっている。更にその際には、この携帯型オーディオプレーヤを車内に持ち込み、車両用オーディオ装置に有線或いは無線で接続し、単に車両用オーディオ装置で携帯型オーディオプレーヤで再生した曲を増幅して車両のスピーカーから出力するのみでなく、携帯型オーディオプレーヤがもっている楽曲について、車両用オーディオ装置からの指示により任意の曲を選択してオーディオデータを取り込み、車両用オーディオ装置で再生し、これを聞くことができるようにもなっている。
【0004】
このようにオーディオデータ記録媒体に記録している大量の曲の中から、例えば特定のジャンルを選択して所望の曲を聞くときには大量の曲が選定されることとなり、また大量の曲を世に出しているアーティストを選択したときにも大量の曲が選定されることとなる。したがってこれらの曲を連続して聴こうとすると多くの時間がかかるため、全てを聴く程の時間がとれないことが多い。また、近年は前記のように大量の曲の中から任意の曲を選択して聴くことができるようになっているため、特定のジャンルやアーティストに限ることなく、種々のジャンルや多数のアーティストについて聞くことが望まれるようにもなっており、オーディオプレーヤのシャッフルオールの機能等を用いて、大量の曲の中からランダムに選択して聴くことも多くなっている。
【0005】
更に、これらのオーディオ装置を用いる利用者は、必ずしも1つの楽曲について最初から最後まで全てを聴くことを望んでいるとは限らず、例えばその曲の最も特徴的な部分である通称「サビ」の部分のみを聴くことを望む場合、或いは各曲について繰り返し部分となることが多い後半部分は聴かなくても良いと思う場合、更にはエンディング部分は聴くことを望まない場合等、各利用者の好みによって種々の態様が考えられる。このことは選曲を前記のようにランダムに再生するように設定したときには、特に曲の全体を聴く必用がないと思うことが多い。
【0006】
なお、オーディオ装置に楽曲のスキャン機能を備えない携帯型オーディオプレーヤを接続して利用するとき、スキャン機能を実現することができるようにした技術は特許文献1に開示され、また楽曲の再生に際して、利用者が定めたテンポや時間長に合わせて再生することができるようにした技術は特許文献2に開示されている。また、多数の曲の中から所望の曲を選ぶとき、各曲のサビの部分を検出し、その部分のみを聴くことができるようにした技術は特許文献3、4等に開示されている。
【特許文献1】特開2006−209833号公報
【特許文献2】特開2007−164878号公報
【特許文献3】特開2004−233965号公報
【特許文献4】特開2004−234807号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記のように大量の楽曲を記録したオーディオ記録媒体の曲を任意の順に再生するとき、全ての曲について全体を通して再生し聴くことを望まないときには、利用者があらかじめ設定した時間長ずつ聴くことができるようにすると、曲の長さに関わらず一定時間ずつ再生するため、設定する時間長によっては短い曲の全てを再生し、また長い曲のほんの一部しか再生しない、ということが生じる。また、前記のように各曲のサビの部分のみを選択して聴くようにした技術においては、その処理には大量のデータ処理を必用とし、高価な装置にならざるを得ないと共に、現在の技術では必ずしも全ての曲について確実にサビの部分を抽出することはできない。
【0008】
このようなサビ部分のみを選択して聴く際に、楽曲のデータに付いている曲情報のデータ部分にサビの開始部分、或いはサビの区間を記録しておき、このデータを利用してサビの部分を選択して再生することも提案されている。しかしながらこのような手法では現在のオーディオデータ中にサビの部分を記録している楽曲は少なく、そのため多くの曲についてサビの部分を示すデータを別途記録しなければならず、実質的にこのような手法は採用することはできない。また、楽曲の特定の部分を指定して再生するA−B間再生を行うことも考えられるが、多数の曲についてこのような指定を行うことは実質的に不可能に近い。
【0009】
したがって本発明は、大量の楽曲を連続して聴くような場合に、各楽曲について利用者が望む適切な時間だけ再生を行うことができ、多様な再生を行うことができるようにした楽曲再生制御装置を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る楽曲再生制御装置は、前記課題を解決するため、再生する楽曲毎に全てを再生するために必要となる全再生時間を取得する楽曲再生必要時間取得部と、楽曲の全再生時間に対する割合を設定する再生割合設定部と、前記楽曲再生必要時間取得部で取得した楽曲再生必要時間と前記再生割合設定部で設定した割合とにより楽曲の終了目標時間を計算する終了目標時間計算部と、再生中の楽曲の再生経過時間を検出する再生経過時間検出部と、前記再生経過時間検出部で検出した再生経過時間が前記終了目標時間計算部で計算した終了目標時間になったか否かを検出する設定再生範囲再生終了検出部と、前記再生範囲再生終了検出部で楽曲の再生が終了したことを検出したとき、次の曲の再生を指示する再生作動指示部とを備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明に係る他の楽曲再生制御装置は、前記楽曲再生制御装置において、再生する楽曲の再生開始位置を利用者が任意に設定する再生開始位置設定部を備え、前記終了目標時間計算部は、前記再生開始位置設定部で設定した再生開始位置からの終了目標時間を計算することを特徴とする。
【0012】
本発明に係る他の楽曲再生制御装置は、前記楽曲再生制御装置において、前記利用者が任意に設定する再生開始位置は、楽曲の曲特徴部分であるサビ部分であることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る他の楽曲再生制御装置は、前記楽曲再生制御装置において、前記再生経過時間検出部で検出した再生経過時間が前記終了目標時間計算部で計算した終了時間に接近したことを監視する終了目標監視部と、前記終了目標監視部で終了時間に接近したことを検出したとき、音量を次第に減量するフェードアウト処理を行い、楽曲の再生開始時には音量を次第に増量するフェードイン処理を行う音量調節部とを備えたことを特徴とする。
【0014】
本発明に係る他の楽曲再生制御装置は、前記楽曲再生制御装置において、前記再生する楽曲は、オーディオ装置の外部に接続した携帯型オーディオプレーヤのデータ記録媒体に記録している楽曲であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
大量の楽曲を連続して聴くような場合に、各楽曲について利用者が望む適切な時間だけ再生を行うことができ、再生割合の設定によって、例えば楽曲の先頭から再生を開始し30%の再生で終了するように設定したときには、各楽曲における1番のAメロ及びBメロでほぼ終了し、50%に設定したときには更にサビ部分で終了し、70%に設定したときには更に2番をほぼ終了したところで再生を終了し、90%に設定したときにはアウトロ、即ちエンディング部分をカットする等の多様な再生を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
大量の楽曲を連続して聴くような場合に、各楽曲について利用者が望む適切な時間だけ再生を行うことができ、多様な再生を行うことができるようにするという課題を、再生する楽曲毎に全てを再生するために必要となる全再生時間を取得する楽曲再生必要時間取得部と、楽曲の全再生必要時間に対する割合を設定する再生割合設定部と、前記楽曲再生必要時間取得部で取得した楽曲再生必要時間と前記再生割合設定部で設定した割合とにより楽曲の終了目標時間を計算する終了目標時間計算部と、再生中の楽曲の再生経過時間を検出する再生経過時間検出部と、前記再生経過時間検出部で検出した再生経過時間が前記終了目標時間計算部で計算した終了目標時間になったか否かを検出する設定再生範囲再生終了検出部と、前記再生範囲再生終了検出部で楽曲の再生が終了したことを検出したとき、次の曲の再生を指示する再生作動指示部とを備えることによって実現した。
【実施例1】
【0017】
本発明の実施例を図面に沿って説明する。図1は本発明において基本となる実施例の機能ブロック図であり、特に本発明による楽曲再生制御装置部分を中心に示したオーディオ装置を示している。図1に示すオーディオ装置の再生制御部1においては再生範囲設定部2を備え、各種の再生範囲の設定を行うことができるものであるが、特に再生割合設定部3においては、例えば再生する各曲について最初から30%、50%、70%、90%、200%、300%等の任意の割合を利用者が設定する。その際にはあらかじめ提示した割合の中から特定の割合を選択することができるが、直接その割合の入力を行うようにしても良く、その際には適宜の回転つまみ、或いはスライドバー等により設定できるようにしても良い。
【0018】
楽曲再生必用時間取得部4においては、この再生制御部1で再生するオーディオデータを記録しているオーディオデータ記録媒体17から、各楽曲についてそれぞれ全て再生するときに必用とされる時間、即ち楽曲再生必用時間を取得する。このような楽曲再生時間は、オーディオデータ記録媒体に記録しているオーディオデータが例えばMP3のようなときには、各曲jのオーディオデータは時間により管理され、この曲情報に記録されており、したがってデータ取込部16からオーディオデータ記録媒体17に記録されているデータを取り込むことにより、任意の曲について容易に楽曲再生必用時間を取得することができる。
【0019】
終了目標時間計算部5においては、楽曲再生必用時間取得部4で取得した特定の楽曲について、その曲の最初から再生を行ったとき、前記再生割合設定部3で設定した割合だけ再生するために必用とする時間、即ちその楽曲について再生する終了目標時間を計算する。再生経過時間検出部6においては、特定の楽曲が再生されたとき、その楽曲が再生を開始してからの経過時間を検出する。この経過時間についても、現在再生している楽曲の再生出力部分における時間のデータを取り込むことによって検出することができるが、そのほか別途オーディオ装置に備えた時刻計時手段によって検出するようにしても良い。
【0020】
終了目標時間接近監視部7においては、再生経過時間検出部6で検出した現在の再生経過時間が、終了目標時間計算部5で計算した時間に接近したか否かを監視する。このときの接近したか否かの程度は任意に設定することができるが、後述するように音量調節部9のフェードアウト処理部10で最終的に再生を終了するまで徐々に音量を下げ、フェードアウトを行うための時間をここで考慮するものであり、例えば3秒等の任意の時間を設定することができる。
【0021】
設定再生範囲再生終了検出部8においては、前記終了目標時間接近監視部7で終了目標時間に接近したことを検出した後、更に最終的に終了目標時間になったことを検出し、その信号によりこれを設定再生範囲の再生が終了したものとみなして、再生作動指示部13にその信号を出力し、再生作動指示部13では次の曲の再生を指示する。音量調節部9は再生処理部14でオーディオデータの再生を行ったオーディオの音量を調節するものであり、その中のフェードアウト処理部10では前記のように終了目標時間接近経過監視部7で終了目標時間に接近したことを検出した時からフェードアウト処理を開始し、終了目標時間が終了した出力を設定再生範囲再生終了検出部8から入力したときに音声出力がゼロとなるようにフェードアウト処理を行う。
【0022】
また、フェードイン処理部11では、再生処理部14で螺棚楽曲の再生処理を開始するとき、その音量が次第に大きくなるようにフェードイン処理を行う。この音量調節部9からの出力は、再生出力部15を介して外部のスピーカー18から出力する。選曲部12においては、利用者によって例えばアーティスト名、アルバム名、曲名、更にはランダム再生等、任意の手法による選曲を行い、必要に応じてプレイリストを作成する。
【0023】
再生作動指示部13では、選曲部12で選曲した曲を順に再生指示すると共に、利用者が別途指示したスキップや早送り等、各種の再生作動指示を行い、再生処理部14ではその再生指示に従って、オーディオデータ記録媒体17から所定の楽曲のデータ取り込み、再生処理を行う。
【0024】
前記のような再生制御部1の構成において、再生割合を指示して再生処理を行う作動は、例えば図2に示す作動フローに従って順に作動させることができる。即ち図2に示す再生割合指示再生処理の例においては、最初に利用者の操作により再生割合の設定を行う(ステップS1)。その設定に際しては、例えば20%、30%、50%、70%、90%、更には200%、300%等の設定を行う例を示している。これらの設定は各曲全体の再生時間に対する割合であり、例えば20%に設定したときには、例えば5分間の演奏時間の曲は最初から1分のみ再生するものとして設定される。この処理は図1の再生範囲設定部2における再生割合設定部3において行う。
【0025】
その後選曲設定がなされる(ステップS2)。この選曲設定に際しては、例えばアーティスト名、ジャンル名、アルバム名、更には曲名やランダム再生等が設定される。次いで設定楽曲の再生を開始する(ステップS3)。この再生開始と共にフェードイン処理を行い(ステップS4)、その後再生曲の全再生時間を取得する(ステップS5)。なお、このステップS5とS4はいずれを先に行っても、また同時に行っても良い。これらの処理は図1の選曲部12で選曲した楽曲を、再生作動指示部13が再生処理部14に指示を行い、再生処理部がデータ取込部16を介してオーディオデータ記録媒体17から指示された楽曲のデータを取り込んで再生処理を行い、音量調節部8のフェードイン処理部11でフェードイン処理を行って出力することによりなされる。
【0026】
次いで再生曲の全再生時間を取得し(ステップS5)、設定再生割合により再生終了目標時間を計算する(ステップS6)。この処理は図1の楽曲再生必用時間取得部4によって現在再生している曲を全て再生するときに必用とされる時間を取得し、終了目標時間計算部5において再生割合設定部3で設定した再生割合を乗算することにより計算する。その後再生経過時間を取得し(ステップS7)、再生経過時間が再生終了目標時間近くになったか否かを判別する(ステップS8)。これらの処理は図1の再生経過時間検出部6で逐次再生を開始してからの経過時間を検出し、終了目標時間接近監視部7が終了目標時間に接近したか否かを判別することにより行う。
【0027】
ステップS8において未だ再生経過時間が再生終了目標時間近くにはなっていないと判別したとき、即ち再生終了目標時間の例えば3秒前等になっていないと判別したときにはそのまま再生を継続し、ステップS7に戻って再生経過時間を所得しながら前記作動を繰り返す。また、再生経過時間が再生終了目標時間近くになったと判別したときには、フェードアウト処理を行い(ステップS9)、次いで全ての再生予定曲の再生が終了したか否かの判別を行う(ステップS10)。
【0028】
ここで未だ全ての再生予定曲の再生が終了していないと判別したときには、次曲の再生を指示し(ステップS11)、その後前の曲の再生が終了したか否かを判別して(ステップS12)、未だ終了していないときにはそのままフェードアウト再生の状態を継続し、例えば3秒等のフェードアウト期間が終了して全曲の再生が終了したときには、フェードイン処理を行い次曲の再生を開始する(ステップS13)。その後は再びステップS5に戻り、再生曲の全再生時間を取得することから前記作動を繰り返す。このような処理中にステップS10において全ての再生予定曲の再生が終了したと判別したときには、ステップS14でこれらの処理を終了する。
【0029】
前記のような処理を行う結果、例えば図3(a)に示すような再生処理が行われる。即ち、図3(a)は同図(1)に示すような曲1〜8・・・を連続して再生するに際して、各曲について曲の最初から20%ずつ連続して再生する態様を示しており、その結果同図(2)のように各曲の最初から20%ずつ連続再生することが可能となる。
【0030】
同様に各曲について曲の最初から50%ずつ再生するときは同図(3)に示すような再生がなされ、更に同様に70%のときは同図(4)のように、また90%のときな同図(5)のような再生がなされる。また、200%の時には同図(6)のように各曲を2回ずつ再生する態様も可能であり、同じ制御装置を用いて単に再生割合を変更するのみで、曲の一部の再生から複数回の再生の設定も可能となる。
【0031】
このように楽曲の再生割合を設定することにより楽曲再生方法のバリエーションを増やすことができ、利用者は殆ど操作を行うことなく手軽に曲変化を行うことができる。また、再生割合の設定によって、例えば楽曲の先頭から再生を開始し30%の再生で終了するように設定したときには、各楽曲における1番のAメロ及びBメロでほぼ終了し、50%に設定したときには更にサビ部分で終了し、70%に設定したときには更に2番をほぼ終了したところで再生を終了し、90%に設定したときにはアウトロ、即ちエンディング部分をカットする等の再生を行うことが可能となる。
【0032】
前記実施例においては曲の最初からその曲の全体の所定の割合だけずつ各曲を連続して再生する態様を示したが、この態様は最も基本となる態様に過ぎず、本発明は更に種々の態様で実施することができる。その際には例えば図4に示すように、曲の任意の部分を再生開始位置とし、その位置からその曲の全体の長さの所定の割合だけずつ再生するように設定することもできる。
【0033】
図4に示す例においては、前記図1に示す例とほぼ同様の機能部を備えているが、特に相違する点は再生制御部21において、再生範囲設定部22に再生開始位置設定部24を設け、例えば前記態様と同様の曲先頭位置を再生開始位置に設定することができるようにし、更にサビ開始位置を再生開始位置とし、或いはイントロ部分のAメロ部分を除いた、歌手の声が入るBメロ部分から再生を開始するように、Bメロ開始位置を再生開始位置とする等、曲の任意の箇所を再生位置とし、再生割合設定部23で設定した曲全体の長さの所定割合の長さだけ再生するようにしている。
【0034】
なお、サビ開始位置については前記のように先行技術によって検出することができ、またサビ部分を示すデータを記録しているときにはそれを利用することもできる。また、Bメロ部分はイントロ部分再生後に人の音声が入ったことを例えば歌手の歌が入った楽曲から歌手の声を削除してカラオケを製作するソフトのように、楽曲から歌手の音声を検出することにより実施することができる。その他、曲の先頭から所定時間後を再生開始位置として設定し、その位置から曲全体の長さの所定割合の長さだけ再生する等、各種の設定が可能である。
【0035】
図4に示す態様においては前記のような再生範囲の設定による再生を可能にするため、再生開始設定位置検出部26を備え、終了目標時間計算部27では、再生開始位置設定部24で設定した開始位置から、楽曲再生必要時間取得部25で取得したその曲の全体の再生に必要とする時間に対して、再生割合設定部23で設定した割合だけ再生したときの終了目標時間を計算する。
【0036】
また、再生開始位置設定位置再生検出部28を備え、前記のように再生開始位置設定部24で設定された楽曲の再生位置から再生が開始されるときそれを検出し、目標時間経過接近監視部30ではその再生開始時点から再生経過時間検出部29で検出した再生開始後の経過時間のデータを取り込み、終了目標時間計算部27で計算した終了目標時間に、例えば3秒前等に接近したかを監視する。その他の機能部はそれぞれ前記図1に示したものと同様の作動を行うのでここでの説明は省略する。
【0037】
図4に示す実施例においては、図5に示す作動フローにより順に作動させることにより実施することができる。即ち図5に示す例においては最初に利用者による選曲設定(ステップS21)を行う例を示しており、その後利用者が選曲数の大小を考慮して再生割合指示による再生処理を行うことを考え、それにより利用者の操作による再生開始位置からの再生割合の設定をっている(ステップS22)。ここでも前記図2の例と同様に、曲全体の20%・・・・等の設定を行う。次いで再生開始位置の設定を行う(ステップS23)。ここでは前記図4の再生開始位置設定部24に示したように、曲先頭位置、サビ開始位置、Bメロ開始位置等の設定を行う。
【0038】
その後最初に選曲した楽曲について、前記のように設定した再生開始設定位置の検出を行い(ステップS24)、その位置からの再生を開始する(ステップS25)。以降は前記図2の作動と同様の作動を行い、曲再生開始と共にフェードイン処理を行い(ステップS26)、再生している曲の全再生時間を取得する(ステップS27)。次いで設定再生割合より再生終了目標時間を計算し(ステップS28)、再生経過時間を取得し(ステップS29)、再生経過時間が再生終了目標時間近くになったか否かを判別する(ステップS30)。
【0039】
ここで未だ再生終了目標時間近くになっていないと判別したときには、ステップS29に戻って再生経過時間の取得を継続し、再生終了目標時間近くになったと判別したときには、フェードアウト処理を行って(ステップS31)、その後全ての再生予定曲の再生が終了したか否かを判別し(ステップS32)、未だ再生予定曲が残っているときには次曲の再生の指示を行い(ステップS34)、再びステップS24に戻って再生開始設定位置の検出以降、前記の作動を繰り返す。また、ステップS32において全ての再生予定曲の再生が終了したと判別したときには、この処理を終了する(ステップS35)。
【0040】
図4及び図5では前記のような作動を行う結果、例えば再生開始位置の設定に際してサブ開始位置としたとき、図3(b)に示すような曲の連続再生が行われる。即ち図3(b)には楽曲のサビSの部分からその曲の全体再生時間に対する20%だけ再生する例を示しており、曲1以降サビ開始位置から曲全体の20%ずつ再生することとなる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施例の機能ブロック図である。
【図2】同実施例の作動フロー図である。
【図3】本発明の各実施例において行われる楽曲再生態様を示す図である。
【図4】本発明の他の実施例の機能ブロック図である。
【図5】同実施例の作動フロー図である。
【符号の説明】
【0042】
1 再生制御部
2 再生範囲設定部
3 再生割合設定部
4 楽曲再生必要時間取得部
5 終了目標時間計算部
6 再生経過時間検出部
7 終了目標時間接近監視部
8 設定再生範囲再生終了検出部
9 音量調節部
10 フェードアウト処理部
11 フェードイン処理部
12 選曲部
13 再生作動指示部
14 再生処理部
15 再生出力部
16 データ取込部
17 オーディオデータ記録媒体
18 スピーカー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生する楽曲毎に全てを再生するために必要な全再生時間を取得する楽曲再生時間取得部と、
前記楽曲の全再生時間に対する割合を設定する再生割合設定部と、
前記楽曲再生必要時間取得部で取得した楽曲再生必要時間と前記再生割合設定部で設定した割合とにより楽曲の終了目標時間を計算する終了目標時間計算部と、
再生中の楽曲の再生経過時間を検出する再生経過時間検出部と、
前記再生経過時間検出部で検出した再生経過時間が前記終了目標時間計算部で計算した終了目標時間になったか否かを検出する設定再生範囲再生終了検出部と、
前記再生範囲再生終了検出部で楽曲の再生が終了したことを検出したとき、次の曲の再生を指示する再生作動指示部とを備えたことを特徴とする楽曲再生制御装置。
【請求項2】
再生する楽曲の再生開始位置を利用者が任意に設定する再生開始位置設定部を備え、
前記終了目標時間計算部は、前記再生開始位置設定部で設定した再生開始位置からの終了目標時間を計算することを特徴とする請求項1記載の楽曲再生制御装置。
【請求項3】
前記利用者が任意に設定する再生開始位置は、楽曲の曲特徴部分であるサビ部分であることを特徴とする請求項2記載の楽曲再生制御装置。
【請求項4】
前記再生経過時間検出部で検出した再生経過時間が前記終了目標時間計算部で計算した終了時間に接近したことを監視する終了目標監視部と、
前記終了目標監視部で終了時間に接近したことを検出したとき、音量を次第に減量するフェードアウト処理を行い、楽曲の再生開始時には音量を次第に増量するフェードイン処理を行う音量調節部とを備えたことを特徴とする請求項1記載の楽曲再生制御装置。
【請求項5】
前記再生する楽曲は、オーディオ装置の外部に接続した携帯型オーディオプレーヤのデータ記録媒体に記録している楽曲であることを特徴とする請求項1記載の楽曲再生制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−205741(P2009−205741A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−46959(P2008−46959)
【出願日】平成20年2月27日(2008.2.27)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】