説明

楽曲再生装置、楽曲再生方法、楽曲再生プログラムおよび記録媒体

【課題】楽曲間にまたがっている音声データを途切れることなく再生すること。
【解決手段】入力部103によってランダム再生入力を受け付けた場合、選択部104によって複数の楽曲から一の楽曲を再生対象楽曲としてランダムに選択する。つぎに、制御部110によって、再生対象楽曲が、音声データがつながっている楽曲群に含まれるか否かを判断する。再生対象楽曲が、音声データがつながっている楽曲群に含まれると判断された場合、制御部110によって、再生部102に、再生対象楽曲が含まれると判断された楽曲群に含まれる楽曲を最初から順に再生する。そして、楽曲群の最後の楽曲の再生が終了したら、選択部104に新たな再生対象楽曲を選択させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、音声データがつながっている楽曲群を最初の楽曲から最後の楽曲まで途切れることなく再生する楽曲再生装置、楽曲再生方法、楽曲再生プログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、記録媒体に記録された楽曲をランダムな順序で再生する際に、過去に再生された直近より所定範囲の楽曲に対し、今後再生される再生確率が直近な曲程0に近づくように重み付けがなされ、この重み付けに基づいてランダム再生の制御をおこなう再生装置が提案されている(たとえば、下記特許文献1参照。)。この再生装置は、ランダム再生をおこなう場合に同一楽曲が連続または狭い間隔で再生されるのを防止し、また、次に再生される楽曲が利用者に予想されるのを防止する。
【0003】
【特許文献1】特開2001−43666号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1の技術では、再生を選択された楽曲と選択された画曲の前後の楽曲との音声データがつながっている場合も、選択された楽曲を再生し、この楽曲の再生が終了したら、他の楽曲を選択してしまう。したがって、楽曲間にまたがっている音声データを、途中からまたは途中までしか再生できない。このため、利用者は、楽曲の始端または終端において音声データが不自然に途切れたように聞こえ、不快であるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかる楽曲再生装置は、複数の楽曲のデータを所定の順序で記憶する記憶手段と、前記複数の楽曲のうちの一の楽曲を再生する再生手段と、を備える楽曲再生装置であって、ランダム再生入力を受け付ける入力手段と、前記ランダム再生入力を受け付けた際に、前記複数の楽曲から一の楽曲を再生対象楽曲としてランダムに選択する選択手段と、音声データがつながっている楽曲群に前記選択手段で選択された再生対象楽曲が含まれる場合には、当該楽曲群に含まれる楽曲を最初から順に前記再生手段に再生させるとともに、当該楽曲群の最後の楽曲の再生が終了したら前記選択手段に新たな再生対象楽曲を選択させる制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0006】
また、請求項6の発明にかかる楽曲再生方法は、複数の楽曲のデータを所定の順序で記憶する記憶部と、前記複数の楽曲のうちの一の楽曲を再生する再生部と、を備える楽曲再生装置における楽曲再生方法であって、ランダム再生入力を受け付ける入力工程と、前記ランダム再生入力を受け付けた際に、前記複数の楽曲から一の楽曲を再生対象楽曲としてランダムに選択する選択工程と、音声データがつながっている楽曲群に前記選択工程で選択された再生対象楽曲が含まれる場合には、当該楽曲群に含まれる楽曲を最初から順に前記再生部に再生させるとともに、当該楽曲群の最後の楽曲の再生が終了したら前記選択工程に新たな再生対象楽曲を選択させる制御工程と、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、請求項7の発明にかかる楽曲再生プログラムは、請求項6に記載の楽曲再生方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0008】
また、請求項8の発明にかかる記録媒体は、請求項7に記載の楽曲再生プログラムをコンピュータに読み取り可能な状態で記録したことを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる楽曲再生装置、楽曲再生方法、楽曲再生プログラムおよび記録媒体の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
(実施の形態)
(楽曲再生装置の機能的構成)
まず、この発明の実施の形態にかかる楽曲再生装置100の機能的構成について説明する。図1は、本実施の形態にかかる楽曲再生装置の機能的構成を示すブロック図である。
【0011】
図1において、楽曲再生装置100は、記憶部101と、再生部102と、入力部103と、選択部104と、制御部110と、第1判定部111と、第2判定部112と、を備えている。
【0012】
記憶部101は、複数の楽曲のデータを所定の順序で記憶する。ここで、楽曲は、音声データによって構成されている。また、楽曲と楽曲との間は、音声データがつながっていてもよいし、音声データがつながっておらず無音領域であってもよい。なお、本実施の形態においては、音声データがつながっている楽曲の集合を楽曲群とする。すなわち、楽曲群は、音声データのつながった複数の楽曲によって構成されていることとする。また、記憶部101は、各楽曲に対して前後の楽曲と音声データがつながっているか否かの情報である楽曲連続性情報を記憶してもよい。記憶部101は、具体的には磁気ディスクや光ディスクなどの複数の楽曲を記憶可能な媒体によって実現される。
【0013】
再生部102は、記憶部101に記憶された複数の楽曲のうちの一の楽曲を再生する。再生部102は、具体的にはスピーカなどの出力部を備え、再生された楽曲に含まれる音声データを出力部から出力させる。再生部102は、たとえば後述する入力部103によってランダム再生入力を受け付けない場合、記憶部101に記憶された所定の順序で楽曲を再生してもよい。
【0014】
入力部103は、ランダム再生入力を受け付ける。ランダム再生とは、たとえば記憶部101に記憶された順序とは異なる順序で楽曲を再生することであり、具体的には人為的に設定された順序ではない順序で楽曲を再生することである。
【0015】
選択部104は、入力部103によってランダム再生入力を受け付けた際に、記憶部101に記憶された複数の楽曲から一の楽曲を再生対象楽曲としてランダムに選択する。選択部104は、たとえば乱数を発生させ、複数の楽曲から、発生された乱数に対応した一の楽曲を再生対象楽曲として選択する。ここで、再生対象楽曲とは、次に再生する予定の楽曲である。
【0016】
制御部110は、選択部104で選択された再生対象楽曲が、音声データがつながっている楽曲群に含まれるか否かを判断する。そして、制御部110は、音声データがつながっている楽曲群に選択部104で選択された再生対象楽曲が含まれる場合には、楽曲群に含まれる楽曲を最初から順に再生部102に再生させるとともに、楽曲群の最後の楽曲の再生が終了したら選択部104に新たな再生対象楽曲を選択させる。
【0017】
そして、制御部110は、音声データがつながっている楽曲群に選択部104で選択された再生対象楽曲が含まれない場合には、再生対象楽曲を再生部102に再生させるとともに、再生が終了したら選択部104に新たな再生対象楽曲を選択させる。
【0018】
制御部110は、たとえば記憶部101に記憶された楽曲連続性情報に基づいて、音声データがつながっている楽曲群に選択部104で選択された再生対象楽曲が含まれるか否かを判定してもよい。
【0019】
また、制御部110は、たとえば選択部104で選択された再生対象楽曲と再生対象楽曲の一つ前の楽曲との音声データがつながっているか否かを判定する第1判定処理をおこなうとともに、音声データがつながっていると判定した場合には一つ前の楽曲を再生対象楽曲として第1判定処理をおこなうことを音声データがつながっていない再生対象楽曲が見つかるまで繰り返す第1判定部111を備えていてもよい。この場合、制御部110は、第1判定部111で音声データがつながっていないと判定された再生対象楽曲を再生部102に再生させる。これによって、制御部110は、楽曲群に含まれる楽曲を最初から順に再生部102に再生させることができる。
【0020】
さらに、制御部110は、たとえば再生部102で再生が終了した再生終了楽曲と再生終了楽曲の一つ後の楽曲との音声データがつながっているか否かを判定する第2判定処理をおこなう第2判定部112を備えていてもよい。この場合、制御部110は、第2判定部112によって音声データがつながっていると判定された場合には、再生終了楽曲の一つ後の楽曲を再生対象楽曲として再生部102に再生させ、第2判定部112によって音声データがつながっていないと判定された場合には、選択部104に新たな再生対象楽曲を選択させる。これによって、制御部110は、楽曲群の最後の楽曲まで続けて再生し、楽曲群の最後の楽曲の再生が終了したら選択部104に新たな再生対象楽曲を選択させることができる。
【0021】
(楽曲再生装置の楽曲再生処理手順)
つぎに、楽曲再生装置100の楽曲再生処理手順について説明する。図2は、楽曲再生装置の楽曲再生処理手順を示すフローチャートである。図2のフローチャートにおいて、まず、入力部103によってランダム再生入力を受け付けるまで待機する(ステップS201:Noのループ)。そして、ステップS201においてランダム再生入力を受け付けた場合(ステップS201:Yes)、選択部104によって複数の楽曲から一の楽曲を再生対象楽曲としてランダムに選択する(ステップS202)。つぎに、制御部110によって、ステップS202において選択された再生対象楽曲が、音声データがつながっている楽曲群に含まれるか否かを判断する(ステップS203)。
【0022】
ステップS203において再生対象楽曲が、音声データがつながっている楽曲群に含まれると判断された場合(ステップS203:Yes)、制御部110によって、再生部102に、ステップS203において再生対象楽曲が含まれると判断された楽曲群に含まれる楽曲を最初から順に再生する(ステップS204)。そして、ステップS204において再生された楽曲群の最後の楽曲の再生が終了するまで待機する(ステップS205:Noのループ)。ステップS205において、楽曲群の最後の楽曲が終了した場合(ステップS205:Yes)、ステップS202に戻り、新たな再生対象楽曲を選択して、以降の処理を繰り返しおこなう。
【0023】
一方、ステップS203において再生対象楽曲が、音声データがつながっている楽曲群に含まれないと判断された場合(ステップS203:No)、制御部110によって、再生部102に、再生対象楽曲が再生する(ステップS206)。そして、ステップS206において再生された再生対象楽曲の再生が終了するまで待機する(ステップS207:Noのループ)。ステップS207において、再生対象楽曲の再生が終了した場合(ステップS207:Yes)、ステップS202に戻り、新たな再生対象楽曲を選択して、以降の処理を繰り返しおこなう。
【0024】
なお、図2のフローチャートにおいては、ステップS203において再生対象楽曲が、音声データがつながっている楽曲群に含まれるか否かを判断するとき、記憶部101に記憶された各楽曲に対して前後の楽曲と音声データがつながっているか否かの情報である楽曲連続性情報に基づいて、判断してもよい。また、ステップS203においては、制御部110の備える第1判定部111によって楽曲群の最初の楽曲を判定し、第2判定部112によって楽曲群の最後の楽曲を判定してもよい。
【0025】
また、図2のフローチャートにおいては、利用者による再生中止の入力を受け付けた場合や、ランダム再生以外の再生処理の入力を受け付けた場合、一連の処理を終了してもよい。
【0026】
上述したように、本実施の形態の楽曲再生装置によれば、入力部103によってランダム再生入力を受け付けた際に、選択部104によって複数の楽曲からランダムに選択された再生対象楽曲が、音声データがつながっている楽曲群に含まれる場合には、制御部110によって楽曲群に含まれる楽曲を最初から順に再生部102に再生させることができる。そして、制御部110は、楽曲群の最後の楽曲の再生が終了したら選択部104に新たな再生対象楽曲を選択させることができる。したがって、楽曲間の音声データがつながっている場合、音声データを途切れさせることなく再生することができる。これによって、利用者は、ランダム再生をおこなっている際にも、楽曲間にまたがっている音声データを最初から最後まで途切れることなく聞くことができる。
【0027】
また、本実施の形態の楽曲再生装置によれば、音声データがつながっている楽曲群に選択部104で選択された再生対象楽曲が含まれない場合には、制御部110によって、再生対象楽曲を再生部102に再生させるとともに、再生が終了したら選択部104に新たな再生対象楽曲を選択させることができる。したがって、再生中の楽曲と再生中の次の順序の楽曲との音声データがつながっていない場合、再生中の楽曲の再生が終了したら、新たにランダムに楽曲を選択することができる。これによって、利用者は、ランダム再生を楽しむことができる。
【0028】
また、本実施の形態の楽曲再生装置によれば、制御部110によって、記憶部101に記憶された、各楽曲に対して前後の楽曲と音声データがつながっているか否かの情報である楽曲連続性情報に基づいて、音声データがつながっている楽曲群に選択部104で選択された再生対象楽曲が含まれるか否かを判定することができる。したがって、たとえば各楽曲に対して前後の楽曲との間に無音領域があるか否かを検出し、無音領域がない場合、音声データがつながっていると判定することができる。これによって、利用者は、より正確に、楽曲間にまたがっている音声データを最初から最後まで途切れることなく聞くことができる。
【0029】
また、本実施の形態の楽曲再生装置によれば、制御部110が備える第1判定部111によって、選択部104で選択された再生対象楽曲と再生対象楽曲の一つ前の楽曲との音声データがつながっているか否かを判定する第1判定処理をおこなうことができる。また、第1判定部111によって、音声データがつながっていると判定した場合には一つ前の楽曲を再生対象楽曲として第1判定処理をおこなうことを音声データがつながっていない再生対象楽曲が見つかるまで繰り返すことができる。さらに、制御部110によって、第1判定部111で音声データがつながっていないと判定された再生対象楽曲を再生部102に再生させることができる。したがって、選択された再生対象楽曲が楽曲群の途中の楽曲であっても、楽曲群の最初の楽曲から再生することができる。これによって、利用者は、楽曲間にまたがっている音声データを最初から聞くことができる。このため、利用者は、ランダム再生で楽曲を再生する際にも、不自然に途切れた音声データを聞くことを回避することができる。
【0030】
また、本実施の形態の楽曲再生装置によれば、制御部110が備える第2判定部112によって、再生部102で再生が終了した再生終了楽曲と再生終了楽曲の一つ後の楽曲との音声データがつながっているか否かを判定する第2判定処理をおこなうことができる。そして、第2判定部112によって音声データがつながっていると判定された場合には、制御部110によって、再生終了楽曲の一つ後の楽曲を再生対象楽曲として再生部102に再生させ、第2判定部112によって音声データがつながっていないと判定された場合には、制御部110によって、選択部104に新たな再生対象楽曲を選択させることができる。したがって、選択された再生対象楽曲が楽曲群の途中の楽曲であっても、楽曲群の最後の楽曲まで再生することができる。これによって、利用者は、楽曲間にまたがっている音声データを最後まで聞くことができる。このため、利用者は、ランダム再生で楽曲を再生する際にも、不自然に途切れた音声データを聞くことを回避することができる。
【実施例】
【0031】
以下に、本発明の実施例について説明する。本実施例では、たとえば、複数の楽曲のデータを所定の順序で記憶し、複数の楽曲のうちの一の楽曲を再生するオーディオ装置によって、本発明の楽曲再生装置を実施した場合の一例について説明する。
【0032】
(オーディオ装置のハードウェア構成)
つぎに、本実施例にかかるオーディオ装置300のハードウェア構成について説明する。図3は、本実施例にかかるオーディオ装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図3において、オーディオ装置300は、CPU301と、ROM302と、RAM303と、磁気ディスクドライブ304と、磁気ディスク305と、光ディスクドライブ306と、光ディスク307と、音声I/F(インターフェース)308と、スピーカ309と、入力デバイス310と、映像I/F311と、ディスプレイ312と、通信I/F313と、を備えている。各構成部301〜313は、バス320によってそれぞれ接続されている。
【0033】
まず、CPU301は、オーディオ装置300の全体の制御を司る。ROM302は、ブートプログラム、データ更新プログラム、楽曲選択プログラム、楽曲再生プログラムなどのプログラムを記録している。また、RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。すなわち、CPU301は、RAM303をワークエリアとして使用しながら、ROM302に記録された各種プログラムを実行することによって、オーディオ装置300の全体の制御を司る。
【0034】
楽曲選択プログラムは、所定の順序で記憶された複数の楽曲から一の楽曲を再生対象楽曲としてランダムに選択させる。楽曲選択プログラムは、具体的には、既存の方法により乱数を発生、発生させた乱数に対応した曲番号の楽曲を再生対象楽曲として選択させる。乱数を発生させる既存の方法とは、たとえば乱数表を用いて所定の手順で乱数を出力させる方法や、M系列の計算により乱数を発生させる方法がある。
【0035】
楽曲再生プログラムは、まず、再生対象楽曲と再生対象楽曲の一つ前の楽曲との音声データがつながっているか否かを判定する第1判定処理をおこなわせる。ここで、楽曲間の音声データがつながっているか否かの判定は、たとえば楽曲連続性情報に基づいて判定する。楽曲連続性情報とは、たとえば各楽曲に対して前後の楽曲と音声データがつながっているか否かの情報であり、各楽曲と、各楽曲の前後の楽曲と、の間に無音領域があるか否かの情報である。そして、任意の楽曲と、任意の楽曲の一つ前のまたは一つ後の楽曲との間に無音領域がない場合、任意の楽曲と一つ前または一つ後の楽曲と音声データがつながっていると判定する。
【0036】
ついで、再生対象楽曲と再生対象楽曲の一つ前の楽曲との音声データがつながっていると判定された場合、一つ前の楽曲を再生対象楽曲として、さらに、再生対象楽曲と再生対象楽曲の一つ前の楽曲との音声データがつながっているか否かを判定させる。この第1判定処理を、一つ前の楽曲と音声データがつながっていない再生対象楽曲が見つかるまで繰り返す。そして、再生対象楽曲と再生対象楽曲の一つ前の楽曲との音声データがつながっていないと判定された場合、一つ前の楽曲と音声データがつながっていない再生対象楽曲に含まれる音声データを、音声I/F308を介してスピーカ309から出力させる。
【0037】
さらに、再生対象楽曲の再生が終了した場合、再生が終了した再生終了楽曲と再生終了楽曲の一つ後の楽曲との音声データがつながっているか否かを判定させる。そして、音声データがつながっていると判定された場合、再生終了楽曲の一つ後の楽曲を再生対象楽曲として、この再生対象楽曲に含まれる音声データを、音声I/F308を介してスピーカ309から出力させる。この第2判定処理を一つ後の楽曲と音声データがつながっていない再生終了楽曲が見つかるまで繰り返す。そして、再生終了楽曲と再生終了楽曲の一つ前の楽曲との音声データがつながっていないと判定された場合、再度、楽曲選択プログラムを実行する。
【0038】
磁気ディスクドライブ304は、CPU301の制御にしたがって磁気ディスク305に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク305は、磁気ディスクドライブ304の制御で書き込まれたデータを記録する。磁気ディスク305としては、たとえば、HD(ハードディスク)やFD(フレキシブルディスク)を用いることができる。
【0039】
また、光ディスクドライブ306は、CPU301の制御にしたがって光ディスク307に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。光ディスク307は、光ディスクドライブ306の制御にしたがってデータが読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク307は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。着脱可能な記録媒体として、光ディスク307のほか、MO、メモリカードなどであってもよい。
【0040】
磁気ディスク305および光ディスク307に記録される情報の一例としては、所定の順序で記憶された複数の楽曲が挙げられる。各楽曲は連続した音声データにより構成されている。また、各楽曲と前後の楽曲との間には、無音領域があってもよい。また、各楽曲に関連付けられて楽曲連続性情報が記録されていてもよい。そして、光ディスク307や磁気ディスク305に記録された楽曲を再生する際には、選択された楽曲に含まれる音声データを光ディスクドライブ306や磁気ディスクドライブ304によって読み取り、音声I/F308を介してスピーカ309から出力する。さらに、光ディスク307や磁気ディスク305には、所定の順序で楽曲を書き込むことができる。
【0041】
なお、オーディオ装置300は、図示を省略するが、フラッシュメモリを備えていてもよい。フラッシュメモリは、書き換え自在な不揮発性半導体メモリであり、CPU301の制御にしたがってデータの読み取り/書き込みをおこなう。フラッシュメモリには、たとえば、NAND型フラッシュメモリやNOR型フラッシュメモリなどを用いることができる。フラッシュメモリに記録される情報の一例としては、上述した楽曲などが挙げられる。また、フラッシュメモリは、ROM302としての機能を有していてもよい。すなわち、フラッシュメモリは、上述の各プログラムを記録していてもよい。
【0042】
音声I/F308は、音声出力用のスピーカ309に接続される。スピーカ309からは、所定の音声信号を音声I/F308内でD/A変換した音声が出力される。
【0043】
入力デバイス310は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、タッチパネルなどが挙げられる。入力デバイス310は、リモコン、キーボード、タッチパネルのうちいずれか一つの形態によって実現されてもよいが、複数の形態によって実現することも可能である。また、入力デバイス310は、利用者から、ランダム再生入力、楽曲の再生を停止する再生停止入力、所定の順序で楽曲を再生する通常再生入力、楽曲の早送りや巻き戻し、頭出しなどの入力を受け付けるためのキーを備えていてもよい。
【0044】
映像I/F311は、ディスプレイ312に接続される。映像I/F311は、具体的には、たとえば、ディスプレイ312全体を制御するグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいてディスプレイ312を制御する制御ICなどによって構成される。
【0045】
ディスプレイ312には、アイコン、カーソル、メニュー、ウインドウ、あるいは文字や画像などの各種データが表示される。ディスプレイ312には、たとえば再生中の楽曲に関する情報が描画される。楽曲に関する情報は、具体的には、たとえばアルバム名、アーティスト名、楽曲名、アルバムやシングルのジャケットの画像、各楽曲の再生時間、再生中の楽曲の残り時間などが挙げられる。が、2次元または3次元に描画される。ディスプレイ312としては、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを用いることができる。
【0046】
通信I/F313は、無線を介してネットワークに接続され、オーディオ装置300とCPU301とのインターフェースとして機能する。通信I/F313は、さらに、無線を介してインターネットなどの通信網に接続され、この通信網とCPU301とのインターフェースとしても機能する。また、通信I/F313は、無線を介して楽曲配信サーバなどに接続され、楽曲配信サーバなどから楽曲を配信されることができる。配信された楽曲は、たとえば磁気ディスクドライブ304や光ディスクドライブ306に出力され、磁気ディスク305や光ディスク307に記録されてもよい。
【0047】
図1に示した楽曲再生装置100が備える記憶部101、再生部102、入力部103、選択部104、制御部110、第1判定部111、第2判定部112は、図3に示したオーディオ装置300におけるROM302、RAM303、磁気ディスク305、光ディスク307などに記録されたプログラムやデータを用いて、CPU301が所定のプログラムを実行し、オーディオ装置300における各部を制御することによってその機能を実現する。
【0048】
すなわち、実施例のオーディオ装置300は、オーディオ装置300における記録媒体としてのROM302に記録されている楽曲再生プログラムを実行することにより、図1に示した楽曲再生装置100が備える機能を、図2に示した楽曲再生処理手順で実行することができる。
【0049】
(オーディオ装置の処理の内容)
つぎに、オーディオ装置300の処理の内容について説明する。図4は、オーディオ装置の処理の内容を示すフローチャートである。図4のフローチャートにおいて、まず、入力デバイス310からランダム再生入力を受け付けるまで待機する(ステップS401:Noのループ)。ステップS401においてランダム再生入力を受け付けた場合(ステップS401:Yes)、楽曲選択プログラムを実行して複数の楽曲から一の楽曲を再生対象楽曲としてランダムに選択する(ステップS402)。
【0050】
そして、ステップS402において選択された再生対象楽曲に応じた楽曲連続性情報を取得する(ステップS403)。そして、楽曲群判定プログラムを実行して、ステップS403において取得された楽曲連続性情報に基づいて、再生対象楽曲と再生対象楽曲の一つ前の楽曲との音声データがつながっているか否かを判断する(ステップS404)。
【0051】
ステップS404において再生対象楽曲と再生対象楽曲の一つ前の楽曲との音声データがつながっていると判定された場合(ステップS404:Yes)、再生対象楽曲の一つ前の楽曲を再生対象楽曲とする(ステップS405)。そして、ステップS403に戻り、以降の処理を、ステップS404において再生対象楽曲と再生対象楽曲の一つ前の楽曲との音声データがつながっていないと判定されるまで、すなわち楽曲群の最初の楽曲であると判定されるまで繰り返しおこなう。
【0052】
そして、ステップS404において再生対象楽曲と再生対象楽曲の一つ前の楽曲との音声データがつながっていないと判定された場合(ステップS404:No)、一つ前の楽曲との音声データがつながっていないと判断された再生対象楽曲を楽曲群の最初の楽曲であると判断して、この再生対象楽曲を再生する(ステップS406)。そして、再生対象楽曲の再生が終了したと判断されるまで待機する(ステップS407:Noのループ)。
【0053】
ステップS407において再生対象楽曲の再生が終了したと判断された場合(ステップS407:Yes)、再生が終了した再生終了楽曲と再生終了楽曲の一つ後の楽曲との音声データがつながっているか否かを判定する(ステップS408)。
【0054】
ステップS408において再生終了楽曲と再生終了楽曲の一つ後の楽曲との音声データがつながっていると判定された場合(ステップS408:Yes)、再生終了楽曲の一つ後の楽曲を再生対象楽曲とする(ステップS409)。そして、ステップS406に戻り、以降の処理を、ステップS408において再生終了楽曲と再生終了楽曲の一つ後の楽曲との音声データがつながっていないと判定されるまで、すなわち楽曲群の最後の楽曲であると判定されるまで繰り返しおこなう。
【0055】
そして、ステップS408において再生終了楽曲と再生終了楽曲の一つ後の楽曲との音声データがつながっていないと判定された場合(ステップS408:No)、一つ後の楽曲との音声データがつながっていないと判断された再生終了楽曲を楽曲群の最後の楽曲であると判定して、ステップS402に戻り、複数の楽曲から新たに一の楽曲を再生対象楽曲としてランダムに選択して、以降の処理を繰り返しおこなう。
【0056】
なお、図4のフローチャートにおいては、入力デバイス310により再生停止入力や通常再生入力などが受け付けられた場合、一連の処理を終了してもよい。
【0057】
(楽曲群の内容について)
つぎに、楽曲群の内容について説明する。図5は、楽曲群の内容について示す説明図である。図5に示すように、たとえば一つのアルバム(または、フォルダ)500に、楽曲Aから楽曲Gが記録されていることとする。楽曲には、音声データ502が含まれており、楽曲Aから楽曲Gのうちの、楽曲Cから楽曲Fは、音声データ502がつながっている楽曲群510である。
【0058】
ここで、音声データ502がつながっているか否かの判断は、たとえば各楽曲に対して前後の楽曲と音声データがつながっているか否かの楽曲連続性情報に基づいて判断する。楽曲連続性情報は、具体的には、たとえば各楽曲と、前後の楽曲と、の間に無音領域503があるか否かの情報であり、各楽曲と、前後の楽曲と、の間に無音領域503がない場合、一つ前または一つ後ろの楽曲と音声データ502がつながっていると判定される。
【0059】
したがって、楽曲Aなどのアルバム500の最初の楽曲501は、一つ前の楽曲と音声データがつながっていないと判定し、楽曲Gなどのアルバム500の最後の楽曲は、一つ後の楽曲と音声データがつながっていないと判定する。
【0060】
また、楽曲を再生する際には、たとえば楽曲A、楽曲Bまたは楽曲Gが再生対象楽曲として選択された場合、これらの楽曲をそのまま再生する。そして、楽曲A、楽曲Bまたは楽曲Gの再生が終了した場合、新たな一の楽曲がランダムを選択する。一方、楽曲群510に含まれる楽曲Cから楽曲Fのいずれかが再生対象楽曲として選択された場合、楽曲群510の最初の楽曲である楽曲Cを再生する。続けて、楽曲D、楽曲E、楽曲Fをこの順に再生し、楽曲Fの再生が終了したら、新たに一の楽曲がランダムを選択する。
【0061】
上述したように、本実施例のオーディオ装置300によれば、入力デバイス310からランダム再生の入力を受け付けた場合、磁気ディスク305や光ディスク307に所定の順序で記録された複数の楽曲から一の楽曲を再生対象楽曲として選択する。そして、選択された再生対象楽曲と再生対象楽曲の一つ前の楽曲との音声データがつながっている場合、一つ前の楽曲を再生対象楽曲とすることができる。これらの処理を、一つ前の楽曲と音声データがつながっていない再生対象楽曲が見つかるまで繰り返すことで、楽曲間にまたがった音声データを最初から再生することができる。
【0062】
また、本実施例のオーディオ装置300によれば、再生対象楽曲の再生が終了した際に、再生が終了した再生終了楽曲と再生終了楽曲の一つ後の楽曲との音声データがつながっている場合、一つ後の楽曲を再生対象楽曲として次に再生することができる。これらの処理を、一つ後の楽曲と音声データがつながっていない楽曲が見つかるまで繰り返すことで、楽曲間にまたがる音声データを最後まで再生することができる。これによって、利用者は、ランダム再生をおこなっている際にも、音声データが途中で不自然に途切れたように聞こえることを回避することができる。
【0063】
以上説明したように、本発明の楽曲再生装置、楽曲再生方法、楽曲再生プログラムおよび記録媒体によれば、ランダム再生の際に、ランダムに選択された再生対象楽曲が音声データのつながっている楽曲群に含まれる場合、楽曲群の最初の楽曲から最後の楽曲までを続けて再生することができる。
【0064】
なお、本実施の形態で説明した楽曲再生方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータ、ワークステーション、携帯端末装置(携帯電話)などのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本実施の形態にかかる楽曲再生装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】楽曲再生装置の楽曲再生処理手順を示すフローチャートである。
【図3】本実施例にかかるオーディオ装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】オーディオ装置の処理の内容を示すフローチャートである。
【図5】楽曲群の内容について示す説明図である。
【符号の説明】
【0066】
100 楽曲再生装置
101 記憶部
102 再生部
103 入力部
104 選択部
110 制御部
111 第1判定部
112 第2判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の楽曲のデータを所定の順序で記憶する記憶手段と、前記複数の楽曲のうちの一の楽曲を再生する再生手段と、を備える楽曲再生装置であって、
ランダム再生入力を受け付ける入力手段と、
前記ランダム再生入力を受け付けた際に、前記複数の楽曲から一の楽曲を再生対象楽曲としてランダムに選択する選択手段と、
音声データがつながっている楽曲群に前記選択手段で選択された再生対象楽曲が含まれる場合には、当該楽曲群に含まれる楽曲を最初から順に前記再生手段に再生させるとともに、当該楽曲群の最後の楽曲の再生が終了したら前記選択手段に新たな再生対象楽曲を選択させる制御手段と、
を備えることを特徴とする楽曲再生装置。
【請求項2】
前記制御手段は、音声データがつながっている楽曲群に前記選択手段で選択された再生対象楽曲が含まれない場合には、当該再生対象楽曲を前記再生手段に再生させるとともに、当該再生が終了したら前記選択手段に新たな再生対象楽曲を選択させることを特徴とする請求項1に記載の楽曲再生装置。
【請求項3】
前記記憶手段は、各楽曲に対して前後の楽曲と音声データがつながっているか否かの情報である楽曲連続性情報を記憶し、
前記制御手段は、前記楽曲連続性情報に基づいて、音声データがつながっている楽曲群に前記選択手段で選択された再生対象楽曲が含まれるか否かを判定することを特徴とする請求項1または2に記載の楽曲再生装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記選択手段で選択された再生対象楽曲と当該再生対象楽曲の一つ前の楽曲との音声データがつながっているか否かを判定する第1判定処理をおこなうとともに、音声データがつながっていると判定した場合には当該一つ前の楽曲を再生対象楽曲として前記第1判定処理をおこなうことを音声データがつながっていない再生対象楽曲が見つかるまで繰り返す第1判定手段をさらに備え、
前記第1判定手段で音声データがつながっていないと判定された再生対象楽曲を前記再生手段に再生させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の楽曲再生装置。
【請求項5】
前記制御手段は、
前記再生手段で再生が終了した再生終了楽曲と当該再生終了楽曲の一つ後の楽曲との音声データがつながっているか否かを判定する第2判定処理をおこなう第2判定手段をさらに備え、
前記第2判定手段によって音声データがつながっていると判定された場合には、当該再生終了楽曲の一つ後の楽曲を再生対象楽曲として前記再生手段に再生させ、
前記第2判定手段によって音声データがつながっていないと判定された場合には、前記選択手段に新たな再生対象楽曲を選択させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の楽曲再生装置。
【請求項6】
複数の楽曲のデータを所定の順序で記憶する記憶部と、前記複数の楽曲のうちの一の楽曲を再生する再生部と、を備える楽曲再生装置における楽曲再生方法であって、
ランダム再生入力を受け付ける入力工程と、
前記ランダム再生入力を受け付けた際に、前記複数の楽曲から一の楽曲を再生対象楽曲としてランダムに選択する選択工程と、
音声データがつながっている楽曲群に前記選択工程で選択された再生対象楽曲が含まれる場合には、当該楽曲群に含まれる楽曲を最初から順に前記再生部に再生させるとともに、当該楽曲群の最後の楽曲の再生が終了したら前記選択工程に新たな再生対象楽曲を選択させる制御工程と、
を含むことを特徴とする楽曲再生方法。
【請求項7】
請求項6に記載の楽曲再生方法をコンピュータに実行させることを特徴とする楽曲再生プログラム。
【請求項8】
請求項7に記載の楽曲再生プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータに読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−152994(P2010−152994A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−331200(P2008−331200)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(500403929)パイオニアシステムテクノロジー株式会社 (58)
【出願人】(502196463)株式会社テック・エキスパーツ (37)
【Fターム(参考)】