説明

構造体系スペーサー建築システム

構造体系スペーサー建築システムは、建設産業において工業化された建築システムのコンセプトを利用した、簡単な既成の組み立てである。したがって、モジュラー式の工業化された建築システム(IBS)における物理的建築部材のための、設計組み立てを改良するために利用される、骨組建設のための構造体系スペーサー建築システムであって、構造体系スペーサー建築システムは、建築部材のモジュール式形式を組むために利用されるための所定の形状を有するスペーサーを含み、スペーサーはまた、既成の様々な物理的建築部材に一体化される、物理的建築組み立て部材の一部である。スペーサーシステムの利用は、矩形、正方形、多角形、三角形等のような、多次元建築形式(例えば、形状)を獲得するための柔軟性の度合いを増すことができる。したがって、スペーサーは、コンポジットキールーフコネクタを利用することにより、ピラミッドルーフ、マンサードルーフ(double slope)、コーンルーフのような、ルーフの柔軟な組み立てのための設計原理として改良されてもよい。前記スペーサーは、下位および超高度の構造のための、予め組み立てられたおよび標準化された物理的建築部材で構成されている、設計統合の工業化された建築システムの柔軟性のある組み立てをサポートする、主要な設計組み立てシステムである。スペーサー設計の組み立てシステムは、工業化された部材の組み立てを完全に完結する。同様のスペーサー設計の組み立てシステムはまた、家具等の他の工業または産業の応用に利用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的にはスペーサー建築システムに関し、特に、設計方式の柔軟性、および、プレカット材料を利用した物理的建築構成部材の組み立てにおける柔軟性を考慮にいれた、構造体系スペーサー建築システムに関する。
【背景技術】
【0002】
プレハブのまたは工業化された建築システム(IBS)部材は、大量生産を促進する住宅建設セクターにおいて広く利用されてきた。IBS建築は、プレハブ方式、標準化された製造方法および品質管理等の構成要素を利用する(Gann, 1996)。建設においてIBSを利用する工学的利点は、廃棄物の撤廃、精密性、および、製造における品質管理、時間の最適化、および、製造中の環境の維持および保護を含む。これらの利益は、IBSを建設技術として振興し、この要因は、世界中でIBS建築システムを推進するための主要因の1つである。残念ながら、設計士達は、建築プロジェクトの設計段階およびプレハブにおけるIBS部材に創造性を試行するのにいまだ問題を抱えている。
【0003】
標準化およびプレハブ化のレベルは、とても低いと考えられている(Noguchi, 2003)。建設産業におけるその早計な成長にも関わらず、IBS建設は、途上国における好ましい建設方法である。IBS導入の目標とする利益は、建設プロジェクトにおける外国人労働者への依存を最小化するという目的にある。しかしながら、IBSの導入は、需給障壁にぶつかる。IBSの経済規模、全体的な即応能力および社会的受容性は、その建設技術の魅力を低くしている(Zuhairi, 2008)。さらに、既成の建築工程が大量生産に重点を置いているとはいえ、反復的な設計レイアウトは、単調なバラックのような複合体を生み出すことを理由に批判されている(Thanoon, 2003)。
【0004】
Gib(1999)は、3つのカテゴリーのオフサイトにおける事前製作の3種のカテゴリー、すなわち、非容積式(non-volumetric)、容積式(volumetric)、および、モジュール式(modular)建築を特定したが、彼は、それぞれの種類を分ける線は柔軟であると論じている。Gibのコンセプトが、建築学的視点でプレハブ住宅設計に適応された場合、物理的建築部材の空間的な寸法と、機能的な建築設計部材との間に不一致が起こり、したがって、住宅の空間設計の制作へ変化させるのに適していない。さらに、Gibのシステムはまた、工業化された建築システムの組み立ておよび分解に取り組んでいない。また、プレハブ工程においては、従来の木造建設ジョイントが利用され続けてきているため、プレハブのための木材建築システムが存在していない。加えて、容積式プレ組み立ておよび/またはモジュール式建築のための非容積式の形式における工業化された建築システムの組み立て方がない。
【0005】
シンドラー(Schindler)は、建設システムが、建設コストを減らし、建築効率を改善し、製造スピードの増加、パーツの互換性、労働者の数の減少、耐久性の提供、および、好適な設計を提供することを可能にする、住宅のための新しい建設システムの開発を試みていると報じられた(Jon Ho Park, 2004)。シンドラーは、プレハブにおける建築組み立ての必要性を特定していたが、彼の建設システムは複雑で、設計されたプレハブの組み立ての柔軟性を損なうものであった。これまで、特に、組み立てシステムはプレキャストコンクリートパネルシステムにおいてのみ適応可能で、開発の遅れた木造建築組み立てについては、プレハブ木造建築の建設における組み立てを簡素化するのに十分な柔軟性を有する、プレ組み立てシステムが欠如していた。
【0006】
歴史的に見て、標準化に真剣に取り組んできた人々は、均一性および変動の間の矛盾、標準化および柔軟性の間の矛盾を解決するのに常に苦心してきている(Gibb, 2004)。この矛盾は、いまだ解決されていない。
先行技術の1つにおいて、複数の矩形フローリングモジュールを有するプレハブデスクシステムを含む、モジュール式建築システムが開示されている。しかしながら、システムは、モジュール式の形式であって、建築部材組み立ての形式ではない。さらに、この先行技術のフロアモジュールは、梁(joist)およびコネクタで挟まれている。
【0007】
他の先行技術は、ジョイントコネクタデバイス、および、プレハブ建築パネルを組み立てるための方法を開示している。この先行技術発明は、事前組み立てしてある構造的建築パネルを連結するためのL形状コーブチャネルジョイントコネクタデバイスおよびその組み立て方法を含む。しかしながら、角度のあるまたは放射状の壁の建設のための柔軟性を有さない。
本発明は、設計形式における柔軟性の度合いをさらに高めることができる、工業化された建築システムのための設計組み立てに重点を置いている。プレハブ建築組み立てを記載するこの発明は、工学プロセスだけではない。それは設計および工学的方法と力学の融合である。
【発明の開示】
【0008】
本発明は、設計形式の柔軟性、および、プレカット建築材料を利用したプレハブモジュール式部材の組み立てにおける柔軟性を可能にする、構造体系スペーサー建築システムに関する。したがって、工業化された建築システムのための、物理的建築部材設計組み立て原理に関する。
【0009】
本発明の好ましい態様によれば、骨組建設のための構造体系スペーサー建築システムは、モジュール式の工業化された建築システム(IBS)における物理的建築部材のための設計組み立てを改良するために利用され、構造体系スペーサー建築システムは、建築部材の組まれたモジュール式形式で利用するための所定の形状を有するスペーサーを含むことを特徴とし、スペーサーは、プレハブにおける様々な物理的建築部材と一体化される物理的建築組み立て部材の一部である。
【0010】
したがって、スペーサーは、矩形、正方形、三角形または多角形の形状であってもよい。スペーサーは、モジュール式フロアジョイスト(modular floor joist)およびコーナー、十字ジャンクション、角度のあるおよび放射状の壁を組むために利用される、好ましくは少なくとも0.1m(100mm)の長さを有する。スペーサーは、好ましくはまた、少なくとも0.001m(1mm)の厚さを有する。
したがって、スペーサーは、フロアジョイストダウエルコネクタ(floor joist dowel connector)、コンポジットキールーフコネクタ(composite key roof connector)、隣接および/または交差する壁パネルのブレーシング(bracing)である。コンポジットキールーフコネクタは、モジュール隅垂木(modular hip rafter)、キーブラケットスペーサー(key bracket spacers)、キープレートスペーサー( key plate spacers)およびキータイ( key ties)を含む。
【0011】
当然ながらスペーサーは、フロアジョイスト、壁パネルおよびルーフトラスフォーメーション(roof truss formation)のような物理的建築部材に、水平および垂直に構造的に安定になるために要求される断面積をもたせるために利用される。したがって、スペーサーは、ビーム(beam)またはジョイスト(joist)のような、長いスパンの水平な物理的建築部材を作るための、長さ延長またはコネクタに利用することもできる。さらに、スペーサーは、角度のあるまたは放射状の壁の“柔軟な形状”を形成する所定の寸法を有するモジュール式パネルに利用されてもよい。
【0012】
当然ながらスペーサーは、プレハブ建築構造の下位および上位構造としての骨組み(armature)を組み合わせるためのモジュール式物理的建築部材に親和的な方法におけるインターロッキングジグソーピース(interlocking jigsaw piece)としての役割を果たすことが可能なものであってもよい。スペーサーはまた、建築構造の荷重負荷、側方運動または床振動のような、建築の任意の構造的機構のためのショックアブソーバーとして作動する傾向を有する。
したがって、モジュール式壁パネルに利用されるスペーサーは、壁パネルのコーナーまたは十字ジャンクションにおいてジョイントする一方で、2つの部分建築材料の間にスリットを作り出し、設備配管用のコンジット(conduit)がそこに収容されることを可能にする。
【0013】
したがって、スペーサーは、角度のあるおよび多角形の壁パネルを形成するための多次元形状であってもよい。スペーサーはまた、メインの垂木(main rafter)を保持するためのコンポジットキールーフコネクタを利用することにより、ピラミッドルーフ、マンサードルーフ(double slope)およびコーンルーフ(cone roof)のような、ルーフのための柔軟な組み立てのための原理として改良されてもよく、また、それはより長いスパントラスを形成してもよい。前記コンポジットキールーフコネクタは、ライトを受け入れるための二重構造ルーフィングおよび上部キューポラ(cupola)を簡単に形成することができる。構造体系スペーサー建築システムの利用は、木材、金属等のような、工業化されたプレハブ建築システムに利用される材料の量を節約する。
【0014】
添付の図面は、この明細書の一部を構成しており、様々な形式で具現化できる、本発明の例示または好ましい態様を含む。しかし当然のことながら、記載されている好ましい態様は、本発明の例示に過ぎない。各組み立て形式は、釘、ネジ、コーキング等による好ましい締結方法と一緒に締結してもよい。したがって、ここに記載されている図は、限定として解釈されるものではなく、請求項および当業者のための根拠に過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1(a)−1(e)は、本発明の好ましい態様にしたがった、構造体系スペーサー建築システムに利用されるスペーサーおよびインターロッキングスペーサーの様々な幾何学的形状を示し、スペーサーは、その形式において空洞、中空でない、または押し出されたものである。
【図2】図2(a)−2(c)は、異なる構造体系スペーサーにより形成される壁パネルの様々な組み立ての例を示し、スペーサーは、隣接する壁パネルのためのブレーシングとして利用される。
【図3】図3は、グリッドモジュール式フロアジョイスト組み立ての例を示し、スペーサーは、モジュール式フロアジョイスト組み立ての上方および下方層における固定(anchorage)ダウエルコネクタとして利用される。
【図4】図4は、壁パネルコーナー組み立ておよび十字ジャンクション組み立ての例を示し、スペーサーは、プレハブ壁パネルにおけるコーナーまたは壁ジャンクション組み立てを作り出すために利用される。
【図5a】図5(a)‐5(b)は、ピラミッドルーフのためのキールーフコネクタの組み立てを示し、スペーサーは、コンポジットキールーフコネクタとして利用される。
【図5b】図5(a)‐5(b)は、ピラミッドルーフのためのキールーフコネクタの組み立てを示し、スペーサーは、コンポジットキールーフコネクタとして利用される。
【図6a】図6a‐6dは、キーブラケットスペーサー、キープレートスペーサーおよびキータイのそれぞれを含む、キールーフコネクタの物理的建築部材を示す。
【図6b−d】図6a‐6dは、キーブラケットスペーサー、キープレートスペーサーおよびキータイのそれぞれを含む、キールーフコネクタの物理的建築部材を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の好ましい態様の詳細な説明がここに示される。しかし当然ながら、説明される好ましい態様は、様々な形式で具現化してもよい、本発明の例示に過ぎない。各組み立て形式は、釘、ネジ、コーキング等による好ましい締結方法と一緒に締結してもよい。したがって、ここに記載されている図は、限定として解釈されるものではなく、請求項および当業者のための根拠に過ぎない。
【0017】
本発明は、工業化された建築システムのための物理的建築部材設計組み立て原理に関する。このシステムは、柔軟性のある設計形状の建設のための、矩形、正方形、三角形または多角形のような様々なスペーサーの幾何学的形状を利用する。例えば、図1(a)−1(e)は、構造体系スペーサー建築システムに利用される、スペーサー(2、4、6、10)およびインターロッキングスペーサー(8、10)の可能性のある様々な幾何学的形状を示す。スペースは、スペーサーの利用に応じて、単一パートまたは二つの分離したインターロッキングパーツのどちらかの、矩形、正方形、三角形または多角形の形状であってもよいが、それに限定されない。
【0018】
スペーサーは、隣接する壁パネル(12)のブレーシング、ダウエルコネクタ(2、10)およびコンポジットキールーフコネクタ(22、24、26)のような、物理的建築部材におけるカギとなる付属品(key accessory)として働くことも注意すべきである。図2(a)−2(c)は、異なるスペーサー(2、4、6、8)により形成することができる壁パネルの様々な可能性のある組み立ての例を示し、ここで、スペーサーは、隣接する壁パネル(12)のためのブレーシングとして利用される。図3は、グリッドモジュラー式床根太(floor joist)組み立ての例を示し、ここで、スペーサー(2、10)は、モジュラー式フロアジョイスト組み立て(18)の上方および下方層(14、16)において固定されたダウエルコネクタとして利用される。
【0019】
図4は、壁パネルコーナー組み立ておよび十字ジャンクション組み立ての例を示し、ここで、スペーサー(2)は、プレハブ壁パネルにおいて、コーナーまたは壁ジャンクション組み立てを作り出すのに利用される。図5(a)−5(b)は、ピラミッドルーフ(20)のためのキールーフコネクタの組み立てを示し、ここで、スペーサー(22、24、26)は、コンポジットキールーフコネクタとして利用される。したがって、図6(a)−6(d)にそれぞれ示されるように、キールーフコネクタのための物理的建築部材は、キーブラケットスペーサー(22)、キープレートスペーサー(24)およびキータイ(26)を含む。
【0020】
スペーサーは、中間に走るために役立つコンジットのためのこくわずかなスリットを作るため、およびまた、壁パネルおよびルーフ接続のための柔軟な回転および許容値を実現するために、少なくとも0.001m(1mm)の最小厚さを伴う、0.1m(100mm)以下の長さを有する。スパンに基づいたスペーサー間隔のために、2つのスペーサーの中心間の1.8m(1800mm)のスパンのための最小2つのスペーサーを必要とする。スペーサーまたは固定ダウエルは、グリッドタイプモジュラー式スペーサー床根太(floor joist)、壁パネルおよびキールーフコネクタを固定するために利用される。
【0021】
スペーサーは、関数空間の寸法の偏差によるモジュラー式壁パネルにより残る余剰長さを補うために利用されてもよい。さらに、スペーサーはまた、フロアジョイスト、壁パネル、ルーフ状トラスフォーメーション等のような物理的建築部材に、垂直および水平に構造的に安定するために要求される断面を達成することを可能にする。前記スペーサーは、プレハブ建築建設に利用される建築材料の大きい断面の利用を最適化する工学的利点を付加する。
【0022】
スペーサーは、梁(beam)、根太(joist)または垂木(rafter)のような建築部材の長いスパンを作るための発展長さまたはコネクタとして利用されてもよいモジュラー式またはプレカット物理的部材としての役割を果たしてもよい。前記スペーサーは、物理的建築部材を、容易な操縦および操作のための組み立て部品としてモジュール化することを可能にする。好ましくは、その外形が空洞、押し出された、または中空でないものであってよい、矩形、正方形、三角形または多角形のような、様々な形状のスペーサーは、角度のあるまたは放射状の壁の“柔軟な形状”を形成するための好ましくは1.8m×2.7m(1800mm×2700mm)の、所定の寸法のモジュラー式壁パネルに利用してもよい。
【0023】
したがって、スペーサーは、プレハブ建築構造の下位構造および上位構造の骨組みを組み合わせるためのモジュール式物理的建築部材に親和的な方法におけるインターロッキングジグソーピースとしての役割を果たすことが可能なものであってもよい。スペーサーはまた、建築構造の荷重負荷、側方運動または床振動のような、建築の任意の構造的機構のためのショックアブソーバーとして作動する傾向となるようにもできる。モジュール式壁パネルに使用されるスペーサーは、壁パネルのコーナーまたは十字ジャンクションにおいて壁パネルをジョイントする一方で、2つの部分要素の間にスリットを作り出し、設備配管用のコンジットを収容する。
【0024】
スペーサーシステムを導入することにより、複雑な従来のジョイントを不要とすることを可能にし、よって、建設における効率性および正確性を改善する。スペーサーは、角度のあるおよび多角形の壁パネルを形成するための多次元形状(例えば、三角形、多角形、矩形および正方形)であってもよい。したがって、工業化された建築システムにおける形状の柔軟性の程度が増加する。スペーサーはまた、主垂木(main rafter)を保持するためのコンポジットキールーフコネクタを利用することにより、ピラミッドルーフ、マンサードルーフ(double slope)およびコーンルーフのような、屋根のための柔軟な組み立てのための原理として改良されてもよく、また、それはより長いスパントラスを形成してもよい。さらに、コンポジットキールーフコネクタにおけるルーフ原理のためのスペーサーシステムは、外光を受け入れるための二重構造ルーフィングおよび上部キューポラを簡単に形成することができる。
【0025】
十字ジャンクション、放射状の壁、および、角度のある壁を作るために、様々な形状のスペーサーおよびインターロッキングスペーサーが、壁パネルの側面に任意の角度で設置されてもよい。したがって、このスペーサーシステムは、任意の種類のクラッディング(cladding)を取り付けるための好適な直角クリアコーナー(clear corner)を確立する、壁パネルの組み立てを提供するのに役立つ。さらに、モジュール式隅垂木(hip rafter)、キーブラケットスペーサー(22)、キープレートスペーサー(24)を含む、コンポジットキールーフコネクタは、ピラミッドルーフ(20)を損なわずに保持するために、4つの垂直キータイ(26)に支えられる。
【0026】
当然のことながら、構造体系スペーサー建築システムは、設計形状における柔軟性、プレカット材料を利用する物理的建築部材の組み立てにおける柔軟性を可能にする、モジュラー式組み立てシステムを提供する。構造体系スペーサー建築システムは、モジュラー式の工業化された建築システムにおける物理的建築部材のための設計組み立てをサポートする。したがって、スペーサーは、様々な物理的建築部材を、構造体系と呼ばれる、既成のおよび現場の架設において一体化するための組み立てシステムのための、重要な物理的建築部材である。構造体系は、組織化された構造およびスペーサーにより組み合わされた物理的建築部材の形式の融合として定義される。組み合わせ設計組み立ては、グリッドモジュラー式ジョイスト、スリット壁パネル、および、コンポジットキールーフコネクタのような、様々な物理的建築部材のための重要な発明である。
【0027】
構造体系スペーサー建築システムは、工業化された建築システムに一体化される、完全に事前組立で柔軟設計の組み立てである。この設計組み立てシステムにおいて、スペーサーは、床垂木(floor joist)のための固定ダウエル、長スパン梁(long span beam)のための延長コネクター、コーナーおよび交叉ジャンクション壁パネル、長いスパントラス、ピラミッドルーフおよびそれらの派生品を利用するユニークルーフ組み立てシステムのような、様々な物理的建築部材のための鍵となる付属品として利用される。スペーサー設計の組み立てシステムは、組み立ておよび分解のための、どのような複雑な従来のジョイントをも利用していない。スペーサーシステムの利用は、ポストおよびビームのような、従来の既成方法と比べると、(木材が25%減らされるように)材料の活用を最適化する。このスペーサーシステムは、建築物の重さを軽くする。超高度の構造において、一種の断面建築材料が、すべてにおいて利用されてもよく、それは、構造的安定のためのスペーサーによる要求された断面を達成する。
【0028】
本発明の態様が示され、説明される一方、これらの態様は、本発明の可能性のあるすべての形態を示すおよび説明することを意図したものではない。明細書に利用される言葉は、限定のためではなく、説明のための言葉であり、本発明の範囲から逸脱することなく様々な変更を行うことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュラー式の工業化された建築システム(IBS)における物理的建築部材のための、設計組み立てを改良するために利用される、骨組建設のための構造体系スペーサー建築システムであって、i)建築部材のモジュール式形式を組むために利用されるための所定の形状を有するスペーサーを含み;スペーサーはまた、事前組立において様々な物理的建築部材に一体化される、物理的建築組み立て部材の一部である、前記システム。
【請求項2】
スペーサーが、矩形、正方形、三角形または多角形の形状である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
スペーサーが、異なる外形形状の、中実の、中空のまたは押し出された形式のものである、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
スペーサーが、モジュール式床根太(floor joist)、コーナーおよび十字ジャンクション、角度のあるおよび放射状の壁を組むために利用される、少なくとも0.1m(100mm)の長さを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
スペーサーが、少なくとも0.001m(1mm)の厚さを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
スペーサーが、固定されたダウエルコネクタ、コンポジットキールーフコネクタおよび/または隣接する壁パネルのブレーシングである、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
コンポジットキールーフコネクタが、モジュール式隅垂木(hip rafter)、キーブラケットスペーサー、キープレートスペーサーおよびキータイを含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
スペーサーが、床根太(floor joist)、壁パネル、ルーフ状トラスフォーメーション等のような垂直および水平の物理的建築部材に、必要な構造的安定性のための要求される断面積をもたせるために利用される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
スペーサーが、梁(beam)、根太(joist)または垂木(rafter)のような、長いスパンの水平な物理的建築部材を作るための、長さ延長またはコネクタとして利用可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
スペーサーが、角度のある壁、放射状の壁、または多角形の壁の“柔軟な形状”を形成するための所定の寸法を有する、モジュラー式壁パネルに利用可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
スペーサーが、建築のための下位構造および上位構造のプレハブの骨組みを組み合わせるためのモジュール式物理的建築部材に親和的な方法において、ジグソーピースとしての役割を果たすことが可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
スペーサーが、建築構造の荷重負荷、側方運動または床振動のような、建築の任意の荷重付加機構のためのショックアブソーバーとして作動する傾向にある、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
モジュール式壁パネルに利用されるスペーサーが、壁パネルをコーナーまたは十字ジャンクションにおいてジョイントする一方で、2つの部分要素の間であって、壁パネルの内部に、設備配管用のコンジットが収容されるのに役立つスリットを作り出す、、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
スペーサーが、角度のあるおよび多角形の壁パネル組み立てを形成するための多次元形状である、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
スペーサーがまた、主垂木(main rafter)を保持するためのコンポジットキールーフコネクタを利用することにより、ピラミッドルーフ、マンサードルーフ(double slope)およびコーンルーフのような、屋根のための柔軟な組み立てのための改良された原理である、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
コンポジットキールーフコネクタは、ライトを受け入れるための二重構造ルーフィングおよび上部キューポラを簡単に形成することができる、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
システムが、建築物の重さを軽くし、超高度の構造において、一種の断面建築要素が、すべてにおいて利用されてもよく、それは、構造的安定のためのスペーサーによる要求された断面を達成する、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
工業的ジョイントまたはエクステンション、家具組み立てのような、非建築システムに応用可能な、請求項1に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6a】
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【図6b−d】
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【公表番号】特表2013−506776(P2013−506776A)
【公表日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−532029(P2012−532029)
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【国際出願番号】PCT/MY2009/000203
【国際公開番号】WO2011/040802
【国際公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(505291413)ユニバーシティー プトラ マレーシア (11)