構造部品
【課題】補強材を追加することなく、剛性を確保し、しかも、軽量化する。
【解決手段】構造部品10には、全体として板厚方向一方側(矢印Z1側)に凸をなす板状部12が備えられており、この板状部12は、表面14が平滑な凸曲面状の意匠面とされる一方で、裏面16が複数の多角形平面18を凹曲面状に組み合わせた多角凹曲面とされている。この構成によれば、板状部12の裏面16において複数の多角形平面18によって角部22が形成された部分が局所的に肉薄(t1>t2)となるので、軽量化できる。また、板状部12に対して荷重Fが作用した場合でも、複数の多角形平面18が荷重Fに対して突っ張ることで剛性を確保することができる。
【解決手段】構造部品10には、全体として板厚方向一方側(矢印Z1側)に凸をなす板状部12が備えられており、この板状部12は、表面14が平滑な凸曲面状の意匠面とされる一方で、裏面16が複数の多角形平面18を凹曲面状に組み合わせた多角凹曲面とされている。この構成によれば、板状部12の裏面16において複数の多角形平面18によって角部22が形成された部分が局所的に肉薄(t1>t2)となるので、軽量化できる。また、板状部12に対して荷重Fが作用した場合でも、複数の多角形平面18が荷重Fに対して突っ張ることで剛性を確保することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造部品に係り、特に剛性を確保する構成を備えた構造部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の構造部品として利用可能な部材としては、例えば、次のものが知られている(特許文献1参照)。つまり、特許文献1には、樹脂材料部に繊維が混入されると共に、この樹脂材料部に網状金属板が埋設された複合材の例が開示されている。
【特許文献1】特開平5−38774号公報
【特許文献2】実開平5−1619号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、例えば自動車用バンパカバーのような樹脂製の構造部品において、軽量化を図るためには板厚を薄くすれば良いが、板厚を薄くした場合には背反事項として剛性が低下する。
【0004】
一方、剛性を確保するために、上述の特許文献1に記載の複合材のように、樹脂材料部に繊維を混入したり網状金属板を埋設したりする手法もあるが、繊維や網状金属板等の補強材の追加に伴ってコストが増加したり、製造工程が複雑化したりするなどの問題が発生する。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、補強材を追加することなく、剛性を確保でき、しかも、軽量化を図ることができる構造部品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の構造部品は、板厚方向一方側の面が凸曲面状とされると共に、板厚方向他方側の面が複数の多角形平面を凹曲面状に組み合わせた多角凹曲面とされて、全体として板厚方向一方側に凸をなす板状部を備えた、ことを特徴とする。
【0007】
このように、請求項1に記載の構造部品には、全体として板厚方向一方側に凸をなす板状部が備えられており、この板状部は、その板厚方向一方側の面が凸曲面状とされる一方で、その板厚方向他方側の面が複数の多角形平面を凹曲面状に組み合わせた多角凹曲面とされている。
【0008】
従って、請求項1に記載の構造部品によれば、従来の構造部品(すなわち、例えば、板状部の板厚方向一方側の面及び他方側の面がいずれも平滑な曲面とされ、且つ、板状部全体が本発明における板状部の最大板厚と同一の板厚で形成されたもの)に比して、板状部の板厚方向他方側の面において複数の多角形平面によって角部が形成された部分が局所的に肉薄となるので、軽量化できる。
【0009】
また、請求項1に記載の構造部品によれば、板状部に対して板厚方向一方側から他方側へ荷重が作用した場合でも、板状部における板厚方向他方側の面に形成された複数の多角形平面が、この荷重に対して突っ張るように働くため、上述の従来の構造部品と同等又はそれ以上の剛性を確保することができる。
【0010】
このように、請求項1に記載の構造部品によれば、補強材を追加することなく、剛性を確保でき、しかも、軽量化を図ることができる。
【0011】
ここで、請求項2に記載のように、構造部品の全体が樹脂により形成されていると、例えば樹脂成形等により、板状部における板厚方向他方側の面を容易に多角凹曲面とすることができる。
【0012】
また、請求項3に記載のように、板厚方向一方側の面が一定の曲率半径を有し、複数の多角形平面の各中央部が板厚方向一方側の面の曲率半径よりも小さい一定の曲率半径を有する仮想曲面上を通過する構成とされていると、板状部に対して板厚方向一方側から他方側へ荷重が作用した場合でも、この荷重に対して複数の多角形平面がバランス良く突っ張ることができる。
【0013】
なお、請求項4に記載のように、複数の多角形平面が互いに同一形状とされていると、複数の多角形平面の各中央部が上述の仮想曲面上を通過することができるので好適である。この互いに同一形状となる複数の多角形平面の形態としては、例えば、次のものがある。
【0014】
すなわち、請求項5に記載の構造部品では、複数の多角形平面が、複数の六角形平面とされており、この複数の六角形平面は、特定の六角形平面とこの特定の六角形平面の周囲に位置された他の六角形平面とで辺を一つずつ共有するように平面横方向及び平面縦方向に複数並べられた配列とされている。
【0015】
また、請求項6に記載の構造部品では、複数の多角形平面が、複数の三角形平面とされており、この複数の三角形平面は、特定の三角形平面とこの特定の三角形平面の周囲に位置された他の三角形平面とで辺を一つずつ共有するように平面横方向及び平面縦方向に複数並べられた配列とされている。
【0016】
さらに、請求項7に記載の構造部品では、複数の多角形平面が、複数の三角形平面とされており、この複数の三角形平面は、平面横方向に隣り合う三角形平面同士で斜辺を共有すると共に、平面縦方向に隣り合う一方の三角形平面の底辺の中央部に他方の三角形平面の頂点が接続されるように平面横方向及び平面縦方向に複数並べられた配列とされている。
【0017】
また、請求項8に記載の構造部品では、複数の多角形平面が、複数の正方形平面とされており、この複数の正方形平面は、平面横方向に隣り合う正方形平面同士で縦辺を共有する平面横方向列をなすように平面横方向に複数並べられると共に、特定の平面横方向列を構成する正方形平面の横辺の中央部に特定の平面横方向列と平面縦方向に隣接する他の平面横方向列を構成する正方形平面の縦辺の端部が接続されることで特定の平面横方向列に対して他の平面横方向列が平面横方向にずれるように平面横方向列が平面縦方向に複数並べられた配列とされている。
【0018】
この配列によれば、平面縦方向に並ぶ正方形平面からなる多角形平面同士が互いに平面横方向にずれているので、板状部の中心部に対して板厚方向一方側から他方側へ荷重が作用した場合でも、この荷重を平面縦方向及び平面横方向に分散させることができる。これにより、荷重に対して複数の多角形平面がバランス良く突っ張ることができる。
【0019】
なお、複数の多角形平面は、正多角形平面でも良く、また、平面横方向又は平面縦方向に長い形態とされても良い。
【0020】
また、複数の多角形平面は、板状部の平面縦方向両端側が拘束部によって平面縦方向に拘束される場合、例えば、次の形態とされていても良い。
【0021】
すなわち、請求項9に記載の構造部品では、複数の多角形平面が、複数の長方形平面とされており、この複数の長方形平面は、平面縦方向に沿って長辺からなる縦辺が延在され且つ平面縦方向に隣り合う長方形平面同士で横辺を共有する平面縦方向列をなすように平面縦方向に複数並べられると共に、特定の平面縦方向列を構成する長方形平面の縦辺の中央部に特定の平面縦方向列と平面横方向に隣接する他の平面縦方向列を構成する長方形平面の横辺の端部が接続されることで特定の平面縦方向列に対して他の平面縦方向列が平面縦方向にずれるように平面縦方向列が平面横方向に複数並べられた配列とされている。
【0022】
この配列によれば、拘束部による拘束方向と垂直な方向に沿って長方形平面からなる多角形平面の横辺が延在されるので、板状部の中心部に対して板厚方向一方側から他方側へ荷重が作用した場合でも、この荷重を複数の長方形平面からなる多角形平面の縦辺に分散させることができる。これにより、荷重に対して複数の多角形平面がバランス良く突っ張ることができる。
【0023】
また、複数の多角形平面の各中央部が上述の仮想曲面上を通過するのであれば、複数の多角形平面は、次の形態とされていても良い。
【0024】
すなわち、請求項10に記載の構造部品では、複数の多角形平面が、異なる二種類以上の複数の多角形平面とされている。このように構成されていても、板状部に対して板厚方向一方側から他方側へ荷重が作用した場合には、この荷重に対して複数の多角形平面がバランス良く突っ張ることができる。
【0025】
なお、複数の多角形平面が異なる二種類以上の複数の多角形平面とされる場合にも、複数の多角形平面は、正多角形平面でも良く、また、平面横方向又は平面縦方向に長い形態とされても良い。
【0026】
また、板厚方向一方側の面は、請求項11に記載のように、平滑な凸曲面状の意匠面とされていても良く、また、微少な凹凸(所謂、シボ)を有する凸曲面状の意匠面とされていても良い。
【発明の効果】
【0027】
以上詳述したように、本発明によれば、補強材を追加することなく、剛性を確保でき、しかも、軽量化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図面を参照しながら、本発明の構造部品の一実施形態について説明する。
【0029】
図1には、本発明の一実施形態に係る構造部品10の一部を構成する板状部12が斜視図にて示されており、図2及び図3には、この板状部12が側面断面図及び底面図にて示されている。また、図4には、この板状部12が要部拡大底面図にて示されている。
【0030】
これらの図に示される板状部12は、例えば自動車用バンパカバーのような全体が樹脂により形成された構造部品(意匠部品)10の一部を構成するものであり、図2に示されるように、全体として板厚方向一方側(矢印Z1側)に凸をなす構成とされている。
【0031】
板状部12の板厚方向一方側の面(すなわち、表面14)は、一定の曲率半径R1を有すると共に平滑な凸曲面状の意匠面とされており、板状部12の板厚方向他方側の面(すなわち、裏面16)は、複数の多角形平面18を凹曲面状に組み合わせた多角凹曲面(すなわち、補強面)とされている。
【0032】
複数の多角形平面18は、より具体的には、図3に示されるように、互いに同一形状とされた複数の六角形平面とされている。この複数の六角形平面からなる多角形平面18は、図4に示されるように、特定の六角形平面(例えば、多角形平面18A)とこの特定の六角形平面の周囲に位置された他の六角形平面(例えば、多角形平面18B〜18G)とで辺20B〜20Gを一つずつ共有するように平面横方向(X方向)及び平面縦方向(Y方向)に複数並べられた配列とされている。なお、本実施形態では、六角形平面からなる多角形平面18の対角及び対辺の長さτが同一とされている。
【0033】
また、図2に示されるように、この板状部12は、複数の多角形平面18の各略中央部が一定の曲率半径R2(R1>R2)を有する仮想曲面S上を通過する構成とされている。なお、符合Oは、曲率半径R1,R2の中心である。
【0034】
そして、上記構成からなる構造部品10によれば、以下の特有な効果を奏する。
【0035】
すなわち、本発明の一実施形態に係る構造部品10には、全体として板厚方向一方側(矢印Z1側)に凸をなす板状部12が備えられており、この板状部12は、表面14が平滑な凸曲面状の意匠面とされる一方で、裏面16が複数の多角形平面18を凹曲面状に組み合わせた多角凹曲面とされている。
【0036】
従って、本発明の一実施形態に係る構造部品10によれば、図26に示される従来の構造部品110(すなわち、表面114及び裏面116がいずれも平滑な曲面とされ、且つ、板状部112全体が本実施形態における板状部12の最大板厚t1と同一の板厚で形成されたものであって、裏面116が図2に示される曲率半径R2と同一の曲率半径を有するもの)に比して、図2に示される如く、板状部12の裏面16において複数の多角形平面18によって角部22が形成された部分が局所的に肉薄(t1>t2)となるので、軽量化できる。
【0037】
すなわち、本発明の一実施形態に係る構造部品10によれば、図26に示される従来の構造部品110に対して、図5の斜線部分Hを省くことができるので、軽量化できる。
【0038】
また、本発明の一実施形態に係る構造部品10によれば、図2に示されるように、板状部12に対して板厚方向一方側から他方側へ荷重Fが作用した場合でも、板状部12の裏面16に形成された複数の多角形平面18が、この荷重Fに対して突っ張るように働くため、上述の従来の構造部品110と同等又はそれ以上の剛性を確保することができる。
【0039】
このように、本発明の一実施形態に係る構造部品10によれば、補強材(例えば、繊維や網状金属板の他、リブなど)を追加することなく、剛性を確保でき、しかも、軽量化を図ることができる。
【0040】
また、本発明の一実施形態に係る構造部品10によれば、この構造部品10の全体が樹脂により形成されているので、例えば樹脂成形等により、板状部12の裏面16を容易に多角凹曲面とすることができる。
【0041】
また、本発明の一実施形態に係る構造部品10によれば、板状部12は、複数の多角形平面18の各略中央部が一定の曲率半径R2を有する仮想曲面S上を通過する構成とされているので、板状部12に対して板厚方向一方側から他方側へ荷重Fが作用した場合でも、この荷重に対して複数の多角形平面18がバランス良く突っ張ることができる。
【0042】
なお、上記説明では、本発明の一実施形態に係る構造部品10の奏する特有な効果について、剛性を確保でき、しかも、軽量化を図ることができるとしたが、軽量化した分の材料を高剛性化に還元すれば、従来の構造部品110と同等の重量で、高剛性化を図ることができる。
【0043】
続いて、板状部12について剛性解析を行い、構造部品10が上記特有の効果を奏する場合の板状部12の表面14の曲率半径R1及び多角形平面18の寸法τを求める。
【0044】
すなわち、ここでは、図1に示される板状部12の四隅13A〜13Dを板厚方向(Z方向)に拘束した状態で板状部12に板厚方向一方側から他方側へ荷重F=196[N]を加え、このときの板状部12の中央部における最大たわみ量Ψ[mm]を、板状部12の曲率半径R1及び多角形平面18の寸法τを変えて求める。
【0045】
そして、この結果から、構造部品10が上記特有の効果を奏する場合の板状部12の表面14の曲率半径R1及び多角形平面18の寸法τを求める。
【0046】
なお、表面14の曲率半径は、R1=2700,2800,2900,3000,3100,3200[mm]とする。また、多角形平面18の寸法τとしては、図4に示されるように、六角形平面からなる多角形平面18の対角及び対辺の長さとし、具体的には、τ=5,20,25,50,60,70[mm]とする。
【0047】
また、その他の条件は次の通りとする。すなわち、板状部12の最大板厚t1(図2参照)=2.7[mm]、板状部12の縦方向長さL1(図3参照)=300[mm]、横方向長さL2(図3参照)=300[mm]とする。また、板状部12を含む構造部品10全体の樹脂材料として、プラスチック(ヤング率=2.2×109[N/m2]、ポアソン比=0.38、密度=1.2[g/cm3])を用いる。
【0048】
図6〜図12には、この板状部12についての剛性解析結果が示されている。すなわち、図6には、寸法τ[mm]をパラメータとして、曲率半径R1[mm]と最大たわみ量Ψ[mm]との関係が示されている。また、図7〜図12には、各寸法τ[mm]毎に曲率半径R1[mm]と最大たわみ量Ψ[mm]との関係が示されている。
【0049】
なお、図7〜図12において示されるグラフG1は、本発明の一実施形態に係る構造部品10について示しており、グラフG2は、上記と同一条件下における上述の従来の構造部品110(図26参照)について示している。
【0050】
これらの解析結果について考察すると、図7に示されるように、本発明の一実施形態に係る構造部品10は、寸法τ=5[mm]に設定した場合、曲率半径R1=約2700〜3100[mm]において、上述の従来の構造部品110と同等又はそれ以上の剛性を有する。
【0051】
また、図8に示されるように、本発明の一実施形態に係る構造部品10は、寸法τ=20[mm]に設定した場合、曲率半径R1=約2800〜3100[mm]において、上述の従来の構造部品110と同等又はそれ以上の剛性を有する。
【0052】
また、図9に示されるように、本発明の一実施形態に係る構造部品10は、寸法τ=25[mm]に設定した場合、曲率半径R1=約2800〜3100[mm]において、上述の従来の構造部品110と同等又はそれ以上の剛性を有する。
【0053】
また、図10に示されるように、本発明の一実施形態に係る構造部品10は、寸法τ=50[mm]に設定した場合、曲率半径R1=約2900〜3100[mm]において、上述の従来の構造部品110と同等又はそれ以上の剛性を有する。
【0054】
また、図11に示されるように、本発明の一実施形態に係る構造部品10は、寸法τ=60[mm]に設定した場合、曲率半径R1=約3000[mm]において、上述の従来の構造部品110と同等の剛性を有する。
【0055】
一方、図12に示されるように、本発明の一実施形態に係る構造部品10は、寸法τ=70[mm]に設定した場合、いずれの曲率半径R1[mm]においても、上述の従来の構造部品110より剛性が低くなる。
【0056】
図13(A)には、図6〜図12におけるグラフG1,G2の基礎となるデータが示されており、図13(B)には、本発明の一実施形態に係る構造部品10について、上述の従来の構造部品110と同等又はそれ以上の剛性を有するか否かの比較が示されている。この図13(A),図13(B)において網掛部分は、本発明の一実施形態に係る構造部品10について上述の従来の構造部品110と同等又はそれ以上の剛性を有する場合を示している。
【0057】
また、図14には、図13(B)に基づいたグラフ、すなわち、本発明の一実施形態に係る構造部品10について上述の従来の構造部品110と同等の剛性を有する場合の寸法τ[mm]と曲率半径R1[mm]との関係が示されている。すなわち、この図14に示されるグラフG3の内側(斜線部分)は、本発明の一実施形態に係る構造部品10について上述の従来の構造部品110と同等又はそれ以上の剛性を有する場合を示している。
【0058】
このように、本発明の一実施形態に係る構造部品10では、剛性を確保しつつ軽量化を図るためには、又は、重量の増加を抑制しつつ高剛性化を図るためには、板状部12の表面14の曲率半径R1及び多角形平面18の寸法τを図14に示されるグラフG3の内側(斜線部分)で設定すれば良い。
【0059】
なお、本発明は、剛性を確保しつつ軽量化を図ることができるように、又は、重量の増加を抑制しつつ高剛性化を図ることができるように、板状部の表面の曲率半径及び多角形平面の寸法を上述の如く最適に設定したことをその主旨とするものである。
【0060】
また、ここでは、多角形平面18として六角形平面を用いた場合の剛性解析について説明したが、多角形平面18としてその他の形態が用いられた場合にも同様な傾向が得られる。従って、上述の表面14の曲率半径R1及び多角形平面18の寸法τの算出手法は、多角形平面18としてその他の形態(例えば、以下に示す変形例の形態)が用いられた場合にも適用可能である。
【0061】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施することが可能であることは勿論である。
【0062】
例えば、上記実施形態において、多角形平面18は、対角及び対辺の長さτが同一の六角形平面とされていたが、図15に示される変形例のように、正六角形平面とされていても良い。
【0063】
また、上記実施形態において、複数の多角形平面18は、複数の六角形平面とされていたが、次の形態とされていても良い。
【0064】
すなわち、図16に示される変形例では、複数の多角形平面18が、複数の正三角形平面とされている。この複数の正三角形平面からなる多角形平面18は、特定の正三角形平面(例えば、多角形平面18A)と特定の正三角形平面の周囲に位置された他の正三角形平面(例えば、多角形平面18B〜18D)とで辺24B〜24Dを一つずつ共有するように平面横方向(X方向)及び平面縦方向(Y方向)に複数並べられた配列とされている。
【0065】
また、図17に示される変形例では、複数の正三角形平面からなる多角形平面18が、平面横方向(X方向)に隣り合う正三角形平面同士(例えば、多角形平面18A,18B同士)で斜辺26を共有すると共に、平面縦方向(Y方向)に隣り合う一方の正三角形平面(例えば、多角形平面18A)の底辺28の略中央部に他方の正三角形平面(例えば、多角形平面18C)の頂点30が接続されるように平面横方向及び平面縦方向に複数並べられた配列とされている。
【0066】
さらに、図18に示される変形例では、複数の多角形平面18が、複数の正方形平面とされている。この複数の正方形平面からなる多角形平面18は、平面横方向(X方向)に隣り合う正方形平面同士(例えば、多角形平面18A,18B同士又は多角形平面18C,18D同士)で縦辺32を共有する平面横方向列34(34A)をなすように平面横方向に複数並べられると共に、特定の平面横方向列34Aを構成する正方形平面(例えば、多角形平面18A)の横辺36の略中央部に特定の平面横方向列34Aと平面縦方向(Y方向)に隣接する他の平面横方向列34Bを構成する正方形平面(例えば、多角形平面18E)の縦辺32の端部が接続されることで特定の平面横方向列34Aに対して他の平面横方向列34Bが平面横方向にずれるように平面横方向列34が平面縦方向に複数並べられた配列とされている。
【0067】
この配列によれば、平面縦方向に並ぶ正方形平面からなる多角形平面18同士が互いに平面横方向にずれているので、板状部12の中心部に対して板厚方向一方側から他方側へ荷重Fが作用した場合でも、この荷重Fを平面縦方向及び平面横方向に分散させることができる。これにより、荷重Fに対して複数の多角形平面18がバランス良く突っ張ることができる。
【0068】
また、これらの変形例のように、複数の多角形平面18が互いに同一形状とされていると、複数の多角形平面18の略中央部が上述の仮想曲面S上を通過することができるので好適である。
【0069】
なお、複数の多角形平面18は、その略中央部が上述の仮想曲面S上を通過することができるのであれば、正多角形平面の他にも、例えば、図19に示されるように、平面横方向に長い多角形平面(この図では六角形平面)とされていても良い。また、複数の多角形平面18は、特に図示しないが、平面縦方向(Y方向)に長い多角形平面とされていても良い。
【0070】
また、複数の多角形平面18は、板状部12における平面縦方向(Y方向)の両端側が拘束部によって平面縦方向に拘束される場合、例えば、次の形態とされていても良い。
【0071】
すなわち、図20に示される変形例では、複数の多角形平面18が、複数の長方形平面とされている。この複数の長方形平面からなる多角形平面18は、平面縦方向(Y方向)に沿って長辺からなる縦辺40が延在され且つ平面縦方向に隣り合う長方形平面同士(例えば、多角形平面18A,18B同士又は多角形平面18C,18D同士)で横辺42を共有する平面縦方向列44(44A)をなすように平面縦方向に複数並べられると共に、特定の平面縦方向列44Aを構成する長方形平面(例えば、多角形平面18A)の縦辺40の略中央部に特定の平面縦方向列44Aと平面横方向(X方向)に隣接する他の平面縦方向列44Bを構成する長方形平面(例えば、多角形平面18E)の横辺42の端部が接続されることで特定の平面縦方向列44Aに対して他の平面縦方向列44Bが平面縦方向にずれるように平面縦方向列44が平面横方向に複数並べられた配列とされている。また、板状部12の平面縦方向両端側46は、拘束部48によって平面縦方向に拘束されている。
【0072】
この配列によれば、拘束部48による拘束方向(Y方向)と垂直な方向(X方向)に沿って長方形平面からなる多角形平面18の横辺42が延在されるので、板状部12の中心部に対して板厚方向一方側から他方側へ荷重Fが作用した場合でも、この荷重Fを複数の長方形平面からなる多角形平面18の縦辺40に分散させることができる。これにより、荷重Fに対して複数の多角形平面18がバランス良く突っ張ることができる。
【0073】
なお、図20に示される構造部品10は、例えば、図21に示される車両60のロッカモール50(図22も参照)として好適に用いることが可能である。
【0074】
また、複数の多角形平面18の略中央部が上述の仮想曲面S上を通過するのであれば、複数の多角形平面18は、次の形態とされていても良い。
【0075】
すなわち、図23〜図25に示される変形例では、複数の多角形平面18が、異なる二種類以上の複数の多角形平面とされている。つまり、より具体的に説明すると、図23に示される変形例では、複数の多角形平面18が六角形平面(多角形平面18A)とひし形平面(多角形平面18B)とを組み合わせた形態とされている。また、図24に示される変形例では、複数の多角形平面18が正五角形平面(多角形平面18A)の周囲に正六角形平面(多角形平面18B〜18G)が配置された形態とされている。また、図25に示される変形例では、複数の多角形平面18が正三角形平面(多角形平面18A)の周囲に正五角形平面(多角形平面18B〜18D)が配置された形態とされている。
【0076】
このように構成されていても、板状部12に対して板厚方向一方側から他方側へ荷重Fが作用した場合には、この荷重Fに対して複数の多角形平面18がバランス良く突っ張ることができる。
【0077】
なお、複数の多角形平面18が異なる二種類以上の複数の多角形平面18とされる場合にも、複数の多角形平面18は、正多角形平面でも良く、また、平面横方向(X方向)又は平面縦方向(Y方向)に長い形態とされても良い。
【0078】
また、上記実施形態において、構造部品10は、全体が樹脂により形成されていたが、例えばプレス成形等によって板状部12の裏面16に複数の多角形平面18を形成することができるのであれば、その他にも、例えば鉄やアルミニウム等の金属により形成されていても良い。
【0079】
また、上記実施形態において、構造部品10は、例えば自動車用バンパカバーに適用されていたが、その他にも、例えばインストルメントパネル等の意匠部品に適用されても良い。また、構造部品10は、意匠部品の他にも、例えばドアの内部にある部品やエンジンルームの内部に配置される部品等に適用されても良い。
【0080】
また、上記実施形態において、構造部品10は、自動車に適用されていたが、例えば、その他の乗物(例えば、二輪車、電車、船舶等)や、住宅等に適用されても良い。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の一実施形態に係る構造部品の一部を構成する板状部を示す斜視図である。
【図2】板状部の側面断面図である。
【図3】板状部の底面図である。
【図4】板状部の要部拡大底面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る構造部品の効果を説明する図である。
【図6】板状部についての剛性解析結果を示す図である。
【図7】板状部についての剛性解析結果を示す図である。
【図8】板状部についての剛性解析結果を示す図である。
【図9】板状部についての剛性解析結果を示す図である。
【図10】板状部についての剛性解析結果を示す図である。
【図11】板状部についての剛性解析結果を示す図である。
【図12】板状部についての剛性解析結果を示す図である。
【図13】(A)は図6〜図12におけるグラフの基礎となるデータを示す図、(B)は本発明の一実施形態に係る構造部品と従来の構造部品との剛性を比較する図である。
【図14】本発明の一実施形態に係る構造部品について従来の構造部品と同等の剛性を有する場合の多角形平面の寸法と曲率半径との関係を示す図である。
【図15】本発明の一実施形態に係る構造部品の変形例を示す図である。
【図16】本発明の一実施形態に係る構造部品の変形例を示す図である。
【図17】本発明の一実施形態に係る構造部品の変形例を示す図である。
【図18】本発明の一実施形態に係る構造部品の変形例を示す図である。
【図19】本発明の一実施形態に係る構造部品の変形例を示す図である。
【図20】本発明の一実施形態に係る構造部品の変形例を示す図である。
【図21】本発明の一実施形態に係る構造部品の変形例を示す図である。
【図22】本発明の一実施形態に係る構造部品の変形例を示す図である。
【図23】本発明の一実施形態に係る構造部品の変形例を示す図である。
【図24】本発明の一実施形態に係る構造部品の変形例を示す図である。
【図25】本発明の一実施形態に係る構造部品の変形例を示す図である。
【図26】従来の構造部品の一部を構成する板状部を示す側面断面図である。
【符号の説明】
【0082】
10 構造部品
12 板状部
14 表面(板厚方向一方側の面)
16 裏面(板厚方向他方側の面)
18 多角形平面
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造部品に係り、特に剛性を確保する構成を備えた構造部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の構造部品として利用可能な部材としては、例えば、次のものが知られている(特許文献1参照)。つまり、特許文献1には、樹脂材料部に繊維が混入されると共に、この樹脂材料部に網状金属板が埋設された複合材の例が開示されている。
【特許文献1】特開平5−38774号公報
【特許文献2】実開平5−1619号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、例えば自動車用バンパカバーのような樹脂製の構造部品において、軽量化を図るためには板厚を薄くすれば良いが、板厚を薄くした場合には背反事項として剛性が低下する。
【0004】
一方、剛性を確保するために、上述の特許文献1に記載の複合材のように、樹脂材料部に繊維を混入したり網状金属板を埋設したりする手法もあるが、繊維や網状金属板等の補強材の追加に伴ってコストが増加したり、製造工程が複雑化したりするなどの問題が発生する。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、補強材を追加することなく、剛性を確保でき、しかも、軽量化を図ることができる構造部品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の構造部品は、板厚方向一方側の面が凸曲面状とされると共に、板厚方向他方側の面が複数の多角形平面を凹曲面状に組み合わせた多角凹曲面とされて、全体として板厚方向一方側に凸をなす板状部を備えた、ことを特徴とする。
【0007】
このように、請求項1に記載の構造部品には、全体として板厚方向一方側に凸をなす板状部が備えられており、この板状部は、その板厚方向一方側の面が凸曲面状とされる一方で、その板厚方向他方側の面が複数の多角形平面を凹曲面状に組み合わせた多角凹曲面とされている。
【0008】
従って、請求項1に記載の構造部品によれば、従来の構造部品(すなわち、例えば、板状部の板厚方向一方側の面及び他方側の面がいずれも平滑な曲面とされ、且つ、板状部全体が本発明における板状部の最大板厚と同一の板厚で形成されたもの)に比して、板状部の板厚方向他方側の面において複数の多角形平面によって角部が形成された部分が局所的に肉薄となるので、軽量化できる。
【0009】
また、請求項1に記載の構造部品によれば、板状部に対して板厚方向一方側から他方側へ荷重が作用した場合でも、板状部における板厚方向他方側の面に形成された複数の多角形平面が、この荷重に対して突っ張るように働くため、上述の従来の構造部品と同等又はそれ以上の剛性を確保することができる。
【0010】
このように、請求項1に記載の構造部品によれば、補強材を追加することなく、剛性を確保でき、しかも、軽量化を図ることができる。
【0011】
ここで、請求項2に記載のように、構造部品の全体が樹脂により形成されていると、例えば樹脂成形等により、板状部における板厚方向他方側の面を容易に多角凹曲面とすることができる。
【0012】
また、請求項3に記載のように、板厚方向一方側の面が一定の曲率半径を有し、複数の多角形平面の各中央部が板厚方向一方側の面の曲率半径よりも小さい一定の曲率半径を有する仮想曲面上を通過する構成とされていると、板状部に対して板厚方向一方側から他方側へ荷重が作用した場合でも、この荷重に対して複数の多角形平面がバランス良く突っ張ることができる。
【0013】
なお、請求項4に記載のように、複数の多角形平面が互いに同一形状とされていると、複数の多角形平面の各中央部が上述の仮想曲面上を通過することができるので好適である。この互いに同一形状となる複数の多角形平面の形態としては、例えば、次のものがある。
【0014】
すなわち、請求項5に記載の構造部品では、複数の多角形平面が、複数の六角形平面とされており、この複数の六角形平面は、特定の六角形平面とこの特定の六角形平面の周囲に位置された他の六角形平面とで辺を一つずつ共有するように平面横方向及び平面縦方向に複数並べられた配列とされている。
【0015】
また、請求項6に記載の構造部品では、複数の多角形平面が、複数の三角形平面とされており、この複数の三角形平面は、特定の三角形平面とこの特定の三角形平面の周囲に位置された他の三角形平面とで辺を一つずつ共有するように平面横方向及び平面縦方向に複数並べられた配列とされている。
【0016】
さらに、請求項7に記載の構造部品では、複数の多角形平面が、複数の三角形平面とされており、この複数の三角形平面は、平面横方向に隣り合う三角形平面同士で斜辺を共有すると共に、平面縦方向に隣り合う一方の三角形平面の底辺の中央部に他方の三角形平面の頂点が接続されるように平面横方向及び平面縦方向に複数並べられた配列とされている。
【0017】
また、請求項8に記載の構造部品では、複数の多角形平面が、複数の正方形平面とされており、この複数の正方形平面は、平面横方向に隣り合う正方形平面同士で縦辺を共有する平面横方向列をなすように平面横方向に複数並べられると共に、特定の平面横方向列を構成する正方形平面の横辺の中央部に特定の平面横方向列と平面縦方向に隣接する他の平面横方向列を構成する正方形平面の縦辺の端部が接続されることで特定の平面横方向列に対して他の平面横方向列が平面横方向にずれるように平面横方向列が平面縦方向に複数並べられた配列とされている。
【0018】
この配列によれば、平面縦方向に並ぶ正方形平面からなる多角形平面同士が互いに平面横方向にずれているので、板状部の中心部に対して板厚方向一方側から他方側へ荷重が作用した場合でも、この荷重を平面縦方向及び平面横方向に分散させることができる。これにより、荷重に対して複数の多角形平面がバランス良く突っ張ることができる。
【0019】
なお、複数の多角形平面は、正多角形平面でも良く、また、平面横方向又は平面縦方向に長い形態とされても良い。
【0020】
また、複数の多角形平面は、板状部の平面縦方向両端側が拘束部によって平面縦方向に拘束される場合、例えば、次の形態とされていても良い。
【0021】
すなわち、請求項9に記載の構造部品では、複数の多角形平面が、複数の長方形平面とされており、この複数の長方形平面は、平面縦方向に沿って長辺からなる縦辺が延在され且つ平面縦方向に隣り合う長方形平面同士で横辺を共有する平面縦方向列をなすように平面縦方向に複数並べられると共に、特定の平面縦方向列を構成する長方形平面の縦辺の中央部に特定の平面縦方向列と平面横方向に隣接する他の平面縦方向列を構成する長方形平面の横辺の端部が接続されることで特定の平面縦方向列に対して他の平面縦方向列が平面縦方向にずれるように平面縦方向列が平面横方向に複数並べられた配列とされている。
【0022】
この配列によれば、拘束部による拘束方向と垂直な方向に沿って長方形平面からなる多角形平面の横辺が延在されるので、板状部の中心部に対して板厚方向一方側から他方側へ荷重が作用した場合でも、この荷重を複数の長方形平面からなる多角形平面の縦辺に分散させることができる。これにより、荷重に対して複数の多角形平面がバランス良く突っ張ることができる。
【0023】
また、複数の多角形平面の各中央部が上述の仮想曲面上を通過するのであれば、複数の多角形平面は、次の形態とされていても良い。
【0024】
すなわち、請求項10に記載の構造部品では、複数の多角形平面が、異なる二種類以上の複数の多角形平面とされている。このように構成されていても、板状部に対して板厚方向一方側から他方側へ荷重が作用した場合には、この荷重に対して複数の多角形平面がバランス良く突っ張ることができる。
【0025】
なお、複数の多角形平面が異なる二種類以上の複数の多角形平面とされる場合にも、複数の多角形平面は、正多角形平面でも良く、また、平面横方向又は平面縦方向に長い形態とされても良い。
【0026】
また、板厚方向一方側の面は、請求項11に記載のように、平滑な凸曲面状の意匠面とされていても良く、また、微少な凹凸(所謂、シボ)を有する凸曲面状の意匠面とされていても良い。
【発明の効果】
【0027】
以上詳述したように、本発明によれば、補強材を追加することなく、剛性を確保でき、しかも、軽量化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図面を参照しながら、本発明の構造部品の一実施形態について説明する。
【0029】
図1には、本発明の一実施形態に係る構造部品10の一部を構成する板状部12が斜視図にて示されており、図2及び図3には、この板状部12が側面断面図及び底面図にて示されている。また、図4には、この板状部12が要部拡大底面図にて示されている。
【0030】
これらの図に示される板状部12は、例えば自動車用バンパカバーのような全体が樹脂により形成された構造部品(意匠部品)10の一部を構成するものであり、図2に示されるように、全体として板厚方向一方側(矢印Z1側)に凸をなす構成とされている。
【0031】
板状部12の板厚方向一方側の面(すなわち、表面14)は、一定の曲率半径R1を有すると共に平滑な凸曲面状の意匠面とされており、板状部12の板厚方向他方側の面(すなわち、裏面16)は、複数の多角形平面18を凹曲面状に組み合わせた多角凹曲面(すなわち、補強面)とされている。
【0032】
複数の多角形平面18は、より具体的には、図3に示されるように、互いに同一形状とされた複数の六角形平面とされている。この複数の六角形平面からなる多角形平面18は、図4に示されるように、特定の六角形平面(例えば、多角形平面18A)とこの特定の六角形平面の周囲に位置された他の六角形平面(例えば、多角形平面18B〜18G)とで辺20B〜20Gを一つずつ共有するように平面横方向(X方向)及び平面縦方向(Y方向)に複数並べられた配列とされている。なお、本実施形態では、六角形平面からなる多角形平面18の対角及び対辺の長さτが同一とされている。
【0033】
また、図2に示されるように、この板状部12は、複数の多角形平面18の各略中央部が一定の曲率半径R2(R1>R2)を有する仮想曲面S上を通過する構成とされている。なお、符合Oは、曲率半径R1,R2の中心である。
【0034】
そして、上記構成からなる構造部品10によれば、以下の特有な効果を奏する。
【0035】
すなわち、本発明の一実施形態に係る構造部品10には、全体として板厚方向一方側(矢印Z1側)に凸をなす板状部12が備えられており、この板状部12は、表面14が平滑な凸曲面状の意匠面とされる一方で、裏面16が複数の多角形平面18を凹曲面状に組み合わせた多角凹曲面とされている。
【0036】
従って、本発明の一実施形態に係る構造部品10によれば、図26に示される従来の構造部品110(すなわち、表面114及び裏面116がいずれも平滑な曲面とされ、且つ、板状部112全体が本実施形態における板状部12の最大板厚t1と同一の板厚で形成されたものであって、裏面116が図2に示される曲率半径R2と同一の曲率半径を有するもの)に比して、図2に示される如く、板状部12の裏面16において複数の多角形平面18によって角部22が形成された部分が局所的に肉薄(t1>t2)となるので、軽量化できる。
【0037】
すなわち、本発明の一実施形態に係る構造部品10によれば、図26に示される従来の構造部品110に対して、図5の斜線部分Hを省くことができるので、軽量化できる。
【0038】
また、本発明の一実施形態に係る構造部品10によれば、図2に示されるように、板状部12に対して板厚方向一方側から他方側へ荷重Fが作用した場合でも、板状部12の裏面16に形成された複数の多角形平面18が、この荷重Fに対して突っ張るように働くため、上述の従来の構造部品110と同等又はそれ以上の剛性を確保することができる。
【0039】
このように、本発明の一実施形態に係る構造部品10によれば、補強材(例えば、繊維や網状金属板の他、リブなど)を追加することなく、剛性を確保でき、しかも、軽量化を図ることができる。
【0040】
また、本発明の一実施形態に係る構造部品10によれば、この構造部品10の全体が樹脂により形成されているので、例えば樹脂成形等により、板状部12の裏面16を容易に多角凹曲面とすることができる。
【0041】
また、本発明の一実施形態に係る構造部品10によれば、板状部12は、複数の多角形平面18の各略中央部が一定の曲率半径R2を有する仮想曲面S上を通過する構成とされているので、板状部12に対して板厚方向一方側から他方側へ荷重Fが作用した場合でも、この荷重に対して複数の多角形平面18がバランス良く突っ張ることができる。
【0042】
なお、上記説明では、本発明の一実施形態に係る構造部品10の奏する特有な効果について、剛性を確保でき、しかも、軽量化を図ることができるとしたが、軽量化した分の材料を高剛性化に還元すれば、従来の構造部品110と同等の重量で、高剛性化を図ることができる。
【0043】
続いて、板状部12について剛性解析を行い、構造部品10が上記特有の効果を奏する場合の板状部12の表面14の曲率半径R1及び多角形平面18の寸法τを求める。
【0044】
すなわち、ここでは、図1に示される板状部12の四隅13A〜13Dを板厚方向(Z方向)に拘束した状態で板状部12に板厚方向一方側から他方側へ荷重F=196[N]を加え、このときの板状部12の中央部における最大たわみ量Ψ[mm]を、板状部12の曲率半径R1及び多角形平面18の寸法τを変えて求める。
【0045】
そして、この結果から、構造部品10が上記特有の効果を奏する場合の板状部12の表面14の曲率半径R1及び多角形平面18の寸法τを求める。
【0046】
なお、表面14の曲率半径は、R1=2700,2800,2900,3000,3100,3200[mm]とする。また、多角形平面18の寸法τとしては、図4に示されるように、六角形平面からなる多角形平面18の対角及び対辺の長さとし、具体的には、τ=5,20,25,50,60,70[mm]とする。
【0047】
また、その他の条件は次の通りとする。すなわち、板状部12の最大板厚t1(図2参照)=2.7[mm]、板状部12の縦方向長さL1(図3参照)=300[mm]、横方向長さL2(図3参照)=300[mm]とする。また、板状部12を含む構造部品10全体の樹脂材料として、プラスチック(ヤング率=2.2×109[N/m2]、ポアソン比=0.38、密度=1.2[g/cm3])を用いる。
【0048】
図6〜図12には、この板状部12についての剛性解析結果が示されている。すなわち、図6には、寸法τ[mm]をパラメータとして、曲率半径R1[mm]と最大たわみ量Ψ[mm]との関係が示されている。また、図7〜図12には、各寸法τ[mm]毎に曲率半径R1[mm]と最大たわみ量Ψ[mm]との関係が示されている。
【0049】
なお、図7〜図12において示されるグラフG1は、本発明の一実施形態に係る構造部品10について示しており、グラフG2は、上記と同一条件下における上述の従来の構造部品110(図26参照)について示している。
【0050】
これらの解析結果について考察すると、図7に示されるように、本発明の一実施形態に係る構造部品10は、寸法τ=5[mm]に設定した場合、曲率半径R1=約2700〜3100[mm]において、上述の従来の構造部品110と同等又はそれ以上の剛性を有する。
【0051】
また、図8に示されるように、本発明の一実施形態に係る構造部品10は、寸法τ=20[mm]に設定した場合、曲率半径R1=約2800〜3100[mm]において、上述の従来の構造部品110と同等又はそれ以上の剛性を有する。
【0052】
また、図9に示されるように、本発明の一実施形態に係る構造部品10は、寸法τ=25[mm]に設定した場合、曲率半径R1=約2800〜3100[mm]において、上述の従来の構造部品110と同等又はそれ以上の剛性を有する。
【0053】
また、図10に示されるように、本発明の一実施形態に係る構造部品10は、寸法τ=50[mm]に設定した場合、曲率半径R1=約2900〜3100[mm]において、上述の従来の構造部品110と同等又はそれ以上の剛性を有する。
【0054】
また、図11に示されるように、本発明の一実施形態に係る構造部品10は、寸法τ=60[mm]に設定した場合、曲率半径R1=約3000[mm]において、上述の従来の構造部品110と同等の剛性を有する。
【0055】
一方、図12に示されるように、本発明の一実施形態に係る構造部品10は、寸法τ=70[mm]に設定した場合、いずれの曲率半径R1[mm]においても、上述の従来の構造部品110より剛性が低くなる。
【0056】
図13(A)には、図6〜図12におけるグラフG1,G2の基礎となるデータが示されており、図13(B)には、本発明の一実施形態に係る構造部品10について、上述の従来の構造部品110と同等又はそれ以上の剛性を有するか否かの比較が示されている。この図13(A),図13(B)において網掛部分は、本発明の一実施形態に係る構造部品10について上述の従来の構造部品110と同等又はそれ以上の剛性を有する場合を示している。
【0057】
また、図14には、図13(B)に基づいたグラフ、すなわち、本発明の一実施形態に係る構造部品10について上述の従来の構造部品110と同等の剛性を有する場合の寸法τ[mm]と曲率半径R1[mm]との関係が示されている。すなわち、この図14に示されるグラフG3の内側(斜線部分)は、本発明の一実施形態に係る構造部品10について上述の従来の構造部品110と同等又はそれ以上の剛性を有する場合を示している。
【0058】
このように、本発明の一実施形態に係る構造部品10では、剛性を確保しつつ軽量化を図るためには、又は、重量の増加を抑制しつつ高剛性化を図るためには、板状部12の表面14の曲率半径R1及び多角形平面18の寸法τを図14に示されるグラフG3の内側(斜線部分)で設定すれば良い。
【0059】
なお、本発明は、剛性を確保しつつ軽量化を図ることができるように、又は、重量の増加を抑制しつつ高剛性化を図ることができるように、板状部の表面の曲率半径及び多角形平面の寸法を上述の如く最適に設定したことをその主旨とするものである。
【0060】
また、ここでは、多角形平面18として六角形平面を用いた場合の剛性解析について説明したが、多角形平面18としてその他の形態が用いられた場合にも同様な傾向が得られる。従って、上述の表面14の曲率半径R1及び多角形平面18の寸法τの算出手法は、多角形平面18としてその他の形態(例えば、以下に示す変形例の形態)が用いられた場合にも適用可能である。
【0061】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施することが可能であることは勿論である。
【0062】
例えば、上記実施形態において、多角形平面18は、対角及び対辺の長さτが同一の六角形平面とされていたが、図15に示される変形例のように、正六角形平面とされていても良い。
【0063】
また、上記実施形態において、複数の多角形平面18は、複数の六角形平面とされていたが、次の形態とされていても良い。
【0064】
すなわち、図16に示される変形例では、複数の多角形平面18が、複数の正三角形平面とされている。この複数の正三角形平面からなる多角形平面18は、特定の正三角形平面(例えば、多角形平面18A)と特定の正三角形平面の周囲に位置された他の正三角形平面(例えば、多角形平面18B〜18D)とで辺24B〜24Dを一つずつ共有するように平面横方向(X方向)及び平面縦方向(Y方向)に複数並べられた配列とされている。
【0065】
また、図17に示される変形例では、複数の正三角形平面からなる多角形平面18が、平面横方向(X方向)に隣り合う正三角形平面同士(例えば、多角形平面18A,18B同士)で斜辺26を共有すると共に、平面縦方向(Y方向)に隣り合う一方の正三角形平面(例えば、多角形平面18A)の底辺28の略中央部に他方の正三角形平面(例えば、多角形平面18C)の頂点30が接続されるように平面横方向及び平面縦方向に複数並べられた配列とされている。
【0066】
さらに、図18に示される変形例では、複数の多角形平面18が、複数の正方形平面とされている。この複数の正方形平面からなる多角形平面18は、平面横方向(X方向)に隣り合う正方形平面同士(例えば、多角形平面18A,18B同士又は多角形平面18C,18D同士)で縦辺32を共有する平面横方向列34(34A)をなすように平面横方向に複数並べられると共に、特定の平面横方向列34Aを構成する正方形平面(例えば、多角形平面18A)の横辺36の略中央部に特定の平面横方向列34Aと平面縦方向(Y方向)に隣接する他の平面横方向列34Bを構成する正方形平面(例えば、多角形平面18E)の縦辺32の端部が接続されることで特定の平面横方向列34Aに対して他の平面横方向列34Bが平面横方向にずれるように平面横方向列34が平面縦方向に複数並べられた配列とされている。
【0067】
この配列によれば、平面縦方向に並ぶ正方形平面からなる多角形平面18同士が互いに平面横方向にずれているので、板状部12の中心部に対して板厚方向一方側から他方側へ荷重Fが作用した場合でも、この荷重Fを平面縦方向及び平面横方向に分散させることができる。これにより、荷重Fに対して複数の多角形平面18がバランス良く突っ張ることができる。
【0068】
また、これらの変形例のように、複数の多角形平面18が互いに同一形状とされていると、複数の多角形平面18の略中央部が上述の仮想曲面S上を通過することができるので好適である。
【0069】
なお、複数の多角形平面18は、その略中央部が上述の仮想曲面S上を通過することができるのであれば、正多角形平面の他にも、例えば、図19に示されるように、平面横方向に長い多角形平面(この図では六角形平面)とされていても良い。また、複数の多角形平面18は、特に図示しないが、平面縦方向(Y方向)に長い多角形平面とされていても良い。
【0070】
また、複数の多角形平面18は、板状部12における平面縦方向(Y方向)の両端側が拘束部によって平面縦方向に拘束される場合、例えば、次の形態とされていても良い。
【0071】
すなわち、図20に示される変形例では、複数の多角形平面18が、複数の長方形平面とされている。この複数の長方形平面からなる多角形平面18は、平面縦方向(Y方向)に沿って長辺からなる縦辺40が延在され且つ平面縦方向に隣り合う長方形平面同士(例えば、多角形平面18A,18B同士又は多角形平面18C,18D同士)で横辺42を共有する平面縦方向列44(44A)をなすように平面縦方向に複数並べられると共に、特定の平面縦方向列44Aを構成する長方形平面(例えば、多角形平面18A)の縦辺40の略中央部に特定の平面縦方向列44Aと平面横方向(X方向)に隣接する他の平面縦方向列44Bを構成する長方形平面(例えば、多角形平面18E)の横辺42の端部が接続されることで特定の平面縦方向列44Aに対して他の平面縦方向列44Bが平面縦方向にずれるように平面縦方向列44が平面横方向に複数並べられた配列とされている。また、板状部12の平面縦方向両端側46は、拘束部48によって平面縦方向に拘束されている。
【0072】
この配列によれば、拘束部48による拘束方向(Y方向)と垂直な方向(X方向)に沿って長方形平面からなる多角形平面18の横辺42が延在されるので、板状部12の中心部に対して板厚方向一方側から他方側へ荷重Fが作用した場合でも、この荷重Fを複数の長方形平面からなる多角形平面18の縦辺40に分散させることができる。これにより、荷重Fに対して複数の多角形平面18がバランス良く突っ張ることができる。
【0073】
なお、図20に示される構造部品10は、例えば、図21に示される車両60のロッカモール50(図22も参照)として好適に用いることが可能である。
【0074】
また、複数の多角形平面18の略中央部が上述の仮想曲面S上を通過するのであれば、複数の多角形平面18は、次の形態とされていても良い。
【0075】
すなわち、図23〜図25に示される変形例では、複数の多角形平面18が、異なる二種類以上の複数の多角形平面とされている。つまり、より具体的に説明すると、図23に示される変形例では、複数の多角形平面18が六角形平面(多角形平面18A)とひし形平面(多角形平面18B)とを組み合わせた形態とされている。また、図24に示される変形例では、複数の多角形平面18が正五角形平面(多角形平面18A)の周囲に正六角形平面(多角形平面18B〜18G)が配置された形態とされている。また、図25に示される変形例では、複数の多角形平面18が正三角形平面(多角形平面18A)の周囲に正五角形平面(多角形平面18B〜18D)が配置された形態とされている。
【0076】
このように構成されていても、板状部12に対して板厚方向一方側から他方側へ荷重Fが作用した場合には、この荷重Fに対して複数の多角形平面18がバランス良く突っ張ることができる。
【0077】
なお、複数の多角形平面18が異なる二種類以上の複数の多角形平面18とされる場合にも、複数の多角形平面18は、正多角形平面でも良く、また、平面横方向(X方向)又は平面縦方向(Y方向)に長い形態とされても良い。
【0078】
また、上記実施形態において、構造部品10は、全体が樹脂により形成されていたが、例えばプレス成形等によって板状部12の裏面16に複数の多角形平面18を形成することができるのであれば、その他にも、例えば鉄やアルミニウム等の金属により形成されていても良い。
【0079】
また、上記実施形態において、構造部品10は、例えば自動車用バンパカバーに適用されていたが、その他にも、例えばインストルメントパネル等の意匠部品に適用されても良い。また、構造部品10は、意匠部品の他にも、例えばドアの内部にある部品やエンジンルームの内部に配置される部品等に適用されても良い。
【0080】
また、上記実施形態において、構造部品10は、自動車に適用されていたが、例えば、その他の乗物(例えば、二輪車、電車、船舶等)や、住宅等に適用されても良い。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の一実施形態に係る構造部品の一部を構成する板状部を示す斜視図である。
【図2】板状部の側面断面図である。
【図3】板状部の底面図である。
【図4】板状部の要部拡大底面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る構造部品の効果を説明する図である。
【図6】板状部についての剛性解析結果を示す図である。
【図7】板状部についての剛性解析結果を示す図である。
【図8】板状部についての剛性解析結果を示す図である。
【図9】板状部についての剛性解析結果を示す図である。
【図10】板状部についての剛性解析結果を示す図である。
【図11】板状部についての剛性解析結果を示す図である。
【図12】板状部についての剛性解析結果を示す図である。
【図13】(A)は図6〜図12におけるグラフの基礎となるデータを示す図、(B)は本発明の一実施形態に係る構造部品と従来の構造部品との剛性を比較する図である。
【図14】本発明の一実施形態に係る構造部品について従来の構造部品と同等の剛性を有する場合の多角形平面の寸法と曲率半径との関係を示す図である。
【図15】本発明の一実施形態に係る構造部品の変形例を示す図である。
【図16】本発明の一実施形態に係る構造部品の変形例を示す図である。
【図17】本発明の一実施形態に係る構造部品の変形例を示す図である。
【図18】本発明の一実施形態に係る構造部品の変形例を示す図である。
【図19】本発明の一実施形態に係る構造部品の変形例を示す図である。
【図20】本発明の一実施形態に係る構造部品の変形例を示す図である。
【図21】本発明の一実施形態に係る構造部品の変形例を示す図である。
【図22】本発明の一実施形態に係る構造部品の変形例を示す図である。
【図23】本発明の一実施形態に係る構造部品の変形例を示す図である。
【図24】本発明の一実施形態に係る構造部品の変形例を示す図である。
【図25】本発明の一実施形態に係る構造部品の変形例を示す図である。
【図26】従来の構造部品の一部を構成する板状部を示す側面断面図である。
【符号の説明】
【0082】
10 構造部品
12 板状部
14 表面(板厚方向一方側の面)
16 裏面(板厚方向他方側の面)
18 多角形平面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板厚方向一方側の面が凸曲面状とされると共に、板厚方向他方側の面が複数の多角形平面を凹曲面状に組み合わせた多角凹曲面とされて、全体として板厚方向一方側に凸をなす板状部を備えた、
ことを特徴とする構造部品。
【請求項2】
全体が樹脂により形成された、
ことを特徴とする請求項1に記載の構造部品。
【請求項3】
前記板厚方向一方側の面は、一定の曲率半径を有し、
前記複数の多角形平面の各中央部は、前記板厚方向一方側の面の曲率半径よりも小さい一定の曲率半径を有する仮想曲面上を通過する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の構造部品。
【請求項4】
前記複数の多角形平面は、互いに同一形状とされている、
ことを特徴とする請求項3に記載の構造部品。
【請求項5】
前記複数の多角形平面は、複数の六角形平面とされ、
前記複数の六角形平面は、特定の六角形平面と前記特定の六角形平面の周囲に位置された他の六角形平面とで辺を一つずつ共有するように平面横方向及び平面縦方向に複数並べられた配列とされている、
ことを特徴とする請求項4に記載の構造部品。
【請求項6】
前記複数の多角形平面は、複数の三角形平面とされ、
前記複数の三角形平面は、特定の三角形平面と前記特定の三角形平面の周囲に位置された他の三角形平面とで辺を一つずつ共有するように平面横方向及び平面縦方向に複数並べられた配列とされている、
ことを特徴とする請求項4に記載の構造部品。
【請求項7】
前記複数の多角形平面は、複数の三角形平面とされ、
前記複数の三角形平面は、平面横方向に隣り合う三角形平面同士で斜辺を共有すると共に、平面縦方向に隣り合う一方の三角形平面の底辺の中央部に他方の三角形平面の頂点が接続されるように平面横方向及び平面縦方向に複数並べられた配列とされている、
ことを特徴とする請求項4に記載の構造部品。
【請求項8】
前記複数の多角形平面は、複数の正方形平面とされ、
前記複数の正方形平面は、平面横方向に隣り合う正方形平面同士で縦辺を共有する平面横方向列をなすように平面横方向に複数並べられると共に、特定の平面横方向列を構成する正方形平面の横辺の中央部に前記特定の平面横方向列と平面縦方向に隣接する他の平面横方向列を構成する正方形平面の縦辺の端部が接続されることで前記特定の平面横方向列に対して前記他の平面横方向列が平面横方向にずれるように前記平面横方向列が平面縦方向に複数並べられた配列とされている、
ことを特徴とする請求項4に記載の構造部品。
【請求項9】
前記複数の多角形平面は、複数の長方形平面とされ、
前記複数の長方形平面は、平面縦方向に沿って長辺からなる縦辺が延在され且つ平面縦方向に隣り合う長方形平面同士で横辺を共有する平面縦方向列をなすように平面縦方向に複数並べられると共に、特定の平面縦方向列を構成する長方形平面の縦辺の中央部に前記特定の平面縦方向列と平面横方向に隣接する他の平面縦方向列を構成する長方形平面の横辺の端部が接続されることで前記特定の平面縦方向列に対して前記他の平面縦方向列が平面縦方向にずれるように前記平面縦方向列が平面横方向に複数並べられた配列とされ、
前記板状部は、その平面縦方向両端側が拘束部によって平面縦方向に拘束される、
ことを特徴とする請求項4に記載の構造部品。
【請求項10】
前記複数の多角形平面は、異なる二種類以上の複数の多角形平面とされている、
ことを特徴とする請求項3に記載の構造部品。
【請求項11】
前記板厚方向一方側の面は、平滑な凸曲面状の意匠面とされている、
ことを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか一項に記載の構造部品。
【請求項1】
板厚方向一方側の面が凸曲面状とされると共に、板厚方向他方側の面が複数の多角形平面を凹曲面状に組み合わせた多角凹曲面とされて、全体として板厚方向一方側に凸をなす板状部を備えた、
ことを特徴とする構造部品。
【請求項2】
全体が樹脂により形成された、
ことを特徴とする請求項1に記載の構造部品。
【請求項3】
前記板厚方向一方側の面は、一定の曲率半径を有し、
前記複数の多角形平面の各中央部は、前記板厚方向一方側の面の曲率半径よりも小さい一定の曲率半径を有する仮想曲面上を通過する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の構造部品。
【請求項4】
前記複数の多角形平面は、互いに同一形状とされている、
ことを特徴とする請求項3に記載の構造部品。
【請求項5】
前記複数の多角形平面は、複数の六角形平面とされ、
前記複数の六角形平面は、特定の六角形平面と前記特定の六角形平面の周囲に位置された他の六角形平面とで辺を一つずつ共有するように平面横方向及び平面縦方向に複数並べられた配列とされている、
ことを特徴とする請求項4に記載の構造部品。
【請求項6】
前記複数の多角形平面は、複数の三角形平面とされ、
前記複数の三角形平面は、特定の三角形平面と前記特定の三角形平面の周囲に位置された他の三角形平面とで辺を一つずつ共有するように平面横方向及び平面縦方向に複数並べられた配列とされている、
ことを特徴とする請求項4に記載の構造部品。
【請求項7】
前記複数の多角形平面は、複数の三角形平面とされ、
前記複数の三角形平面は、平面横方向に隣り合う三角形平面同士で斜辺を共有すると共に、平面縦方向に隣り合う一方の三角形平面の底辺の中央部に他方の三角形平面の頂点が接続されるように平面横方向及び平面縦方向に複数並べられた配列とされている、
ことを特徴とする請求項4に記載の構造部品。
【請求項8】
前記複数の多角形平面は、複数の正方形平面とされ、
前記複数の正方形平面は、平面横方向に隣り合う正方形平面同士で縦辺を共有する平面横方向列をなすように平面横方向に複数並べられると共に、特定の平面横方向列を構成する正方形平面の横辺の中央部に前記特定の平面横方向列と平面縦方向に隣接する他の平面横方向列を構成する正方形平面の縦辺の端部が接続されることで前記特定の平面横方向列に対して前記他の平面横方向列が平面横方向にずれるように前記平面横方向列が平面縦方向に複数並べられた配列とされている、
ことを特徴とする請求項4に記載の構造部品。
【請求項9】
前記複数の多角形平面は、複数の長方形平面とされ、
前記複数の長方形平面は、平面縦方向に沿って長辺からなる縦辺が延在され且つ平面縦方向に隣り合う長方形平面同士で横辺を共有する平面縦方向列をなすように平面縦方向に複数並べられると共に、特定の平面縦方向列を構成する長方形平面の縦辺の中央部に前記特定の平面縦方向列と平面横方向に隣接する他の平面縦方向列を構成する長方形平面の横辺の端部が接続されることで前記特定の平面縦方向列に対して前記他の平面縦方向列が平面縦方向にずれるように前記平面縦方向列が平面横方向に複数並べられた配列とされ、
前記板状部は、その平面縦方向両端側が拘束部によって平面縦方向に拘束される、
ことを特徴とする請求項4に記載の構造部品。
【請求項10】
前記複数の多角形平面は、異なる二種類以上の複数の多角形平面とされている、
ことを特徴とする請求項3に記載の構造部品。
【請求項11】
前記板厚方向一方側の面は、平滑な凸曲面状の意匠面とされている、
ことを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか一項に記載の構造部品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2009−190666(P2009−190666A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−36068(P2008−36068)
【出願日】平成20年2月18日(2008.2.18)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月18日(2008.2.18)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
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