説明

樹脂成形品の生産システム

【課題】 樹脂成形品に塗装又は印刷を施す場合、樹脂成形品を塗装工場又は印刷工場に搬送しなければならないという問題があった。
【解決手段】 建物の内部に設置され、樹脂成形品を製造する成形装置と、建物の外部において成形装置の近傍に配置した塗装車輌内に搭載された塗装装置とを、着脱可能な搬送装置で連結し、成形装置によって製造された樹脂成形品に対して、塗装装置によって塗装を施したので、成形工程により製造された樹脂成形品をそのまま塗装車輌に搭載された塗装工程に導いて塗装を施すことができ、成形工程と塗装工程間の仕掛かり在庫をなくし、ハンドリングや埃等の付着による不良の発生をなくすことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の内部の成形装置で成形された樹脂成形品に、塗装または印刷を施す樹脂成形品の生産システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表面に塗装または印刷を施す必要のある樹脂成形品は、成形装置を有する成形工場等において成形加工された後、箱詰めし、トラック等の車輌を用いて塗装工場または印刷工場に運搬し、そこで塗装または印刷を行っていた。
すなわち、成形工場、塗装工場および印刷工場において、樹脂成形品の多くの仕掛かり在庫を抱えていた。
【0003】
かかる塗装工場及び印刷工場は、塗装及び印刷を専門に行っているものが多いため、塗装等がなされた樹脂成形品は、さらに箱詰めして車輌を用いて組立等の次工程に搬送する必要があった。つまり、組立工程においても多くの仕掛かり在庫を抱えていた。
【0004】
また、塗装を必要としている場所に、塗装工程を移動させる塗装車輌は数多く提案されているが、これらは、被塗装物として不動産を対象とするものであった。
【特許文献1】特開平1−231955号公報
【特許文献2】実開昭59−82570号公報
【特許文献3】特開昭57−7277号公報
【特許文献4】特開昭54−45348号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このため、樹脂成形品の運搬費用、仕掛かり在庫に要する費用のみならず、運搬、箱詰め等のハンドリング中に生じるキズ等の不良や、運搬中に付着したゴミ・埃等が原因となる塗装不良及び印刷不良の発生が樹脂成形品のコストを高額化しているという問題があった。
【0006】
さらに、塗装方法(塗装工程)、塗料の種類、印刷方法(印刷工程)またはインク(インキ)の種類を変更する場合は、樹脂成形品を運搬すべき塗装工場及び印刷工場を変更する必要があるという問題があった。
【0007】
本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、塗装または印刷を要する樹脂成形品の生産に要する費用を低減させ、かつ、樹脂成形品の表面に施す塗装及び印刷の方法・種類を容易に変更することができる樹脂成形品の生産システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の樹脂成形品の生産システムは、建物の内部に設置され、樹脂成形品を製造する成形装置と、建物の外部において成形装置の近傍に配置した塗装車輌内に搭載された塗装装置とを、着脱可能な搬送装置で連結し、成形装置によって製造された樹脂成形品に対して、塗装装置によって塗装を施すので、成形装置により製造された樹脂成形品をそのまま塗装車輌に搭載された塗装装置に導いて塗装を施すことができ、成形装置と塗装工程間の仕掛かり在庫をなくし、埃等の付着による不良の発生をなくすことができる。
【0009】
さらに、塗装車輌に搭載した塗装装置と、成形装置とは着脱可能な搬送装置で連結されているため、塗装車輌を変えることにより、容易に塗装したい塗料を塗装できる生産システムを構築できる。
【0010】
請求項2に記載の樹脂成形品の生産システムは、塗料製造装置を搭載した塗料製造車輌を、前記塗装車輌の近傍に配置し、塗料製造車輌の塗料製造装置から塗装車輌の塗装装置に塗料を供給するので、容易かつフレキシブルに樹脂成形品に塗布する塗料の種類を変更することができる。
【0011】
請求項3に記載の樹脂成形品の生産システムは、建物の内部に設置され、樹脂成形品を製造する成形装置と、建物の外部において成形装置の近傍に配置した印刷車輌に搭載された印刷装置とを、着脱可能な搬送手段で連結し、建物内部に設置された成型装置によって製造された樹脂成形品に対して、印刷車輌に搭載された印刷装置によって印刷を施すので、成形装置により製造された樹脂成形品をそのまま印刷車輌に搭載された印刷装置に導いて印刷を施すことができ、成形装置と印刷装置間の仕掛かり在庫をなくし、埃等の付着による不良の発生をなくすことができる。
【0012】
さらに、印刷車輌に搭載した印刷工程と、成形工程とは着脱可能な搬送手段で連結されているため、印刷車輌を変えることにより、容易かつフレキシブルに所望の印刷を樹脂成形品に施すことができる。
【0013】
請求項4に記載の樹脂成形品の生産システムは、インク製造装置を搭載したインク製造車輌を、印刷車輌の近傍に配置し、インク製造車輌のインク製造装置から印刷車輌の印刷装置にインクを供給するので、容易かつフレキシブルに樹脂成形品に印刷するインクの種類を変更することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、表面に塗装または印刷を施した樹脂成形品の生産に要する費用を低減させることができる。また、樹脂成形品の表面に施す塗装または印刷の方法・種類を容易かつフレキシブルに変更することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に本発明を図面を用いて詳細に説明する。
【実施例1】
【0016】
図1は、本発明の第1実施例に係る樹脂成形品の生産システムの平面図であり、建物1の屋根と、塗装車輌2に搭載された塗装ブース3の天井板を取り外した図である。
【0017】
(成形装置)
成形装置は、図1に示すように、射出成形装置4と、取出搬送装置6により構成される。
建物1の内部に設置された射出成形装置4は、可動型と固定型からなる金型を閉じて溶融樹脂を射出し、溶融樹脂を冷却して硬化させた後、可動型を移動させて金型を開け、樹脂成形品を取り出すという動作を繰り返すことにより、略一定の周期で連続的に樹脂成形品5を成形する。
金型からの樹脂成形品5の取り出しは、2軸ロボットとハンドから構成される取出搬送装置6により行われる。取出搬送装置6は、金型が開いたときに、一方の一軸ロボットでハンドを可動型と固定型の間に侵入させ、該ハンドにより樹脂成形品5を把持した後、可動型と固定型の間から待避させ、他方の一軸ロボットを往復動させて樹脂成形品5を所望の位置に搬送する。射出成形装置は、押し出し成形装置、圧空成形装置、真空成形装置であってもよい。
(搬送装置)
搬送装置7は、複数のコンベア71、72及び73から構成される。
成形装置の取出搬送装置6のハンドに把持された樹脂成形品5は、他方の一軸ロボットによりコンベア71の上方に搬送され、ハンドを開くことにより、樹脂成形品5は、コンベア71の上に置かれる。
コンベア73は、塗装車輌2に設置された車載コンベア8と着脱可能に構成されている。
【0018】
該コンベア73は、建物1の壁9にあけられた開口部10から出し入れ可能に構成されており、塗装車輌の車載コンベア8と連結させるときのみ、その先端部74を壁9から突出させることができる。
【0019】
前記搬送装置7により搬送された樹脂成形品5は、塗装車輌2に導かれる。この塗装車輌の車載コンベア8は、塗装ブース3内に設置され、その先端部81が塗装ブース3に設けられた開口部12から突出しているため、該先端部81と、コンベア73の先端部74を連結させることにより、樹脂成形品5を塗装ブース3内に搬入することができる。
【0020】
ここで、車載コンベア8の先端部81と、コンベア73の先端部74の連結とは、樹脂成形品5の受け渡しを可能にすることをいい、金具及びボルト等で互いに連結しても良いが、一般には先端部同士を突き合わせて設置すれば足りる。
【0021】
(塗装車輌)
塗装ブース3内に搬入された樹脂成形品5は、塗装ブース3内にある塗装装置52において塗装される。
【0022】
該塗装装置52は、前記した車載コンベア8と、塗料成分を吸収し、塗装ブース3内のエアーを循環させる循環式エアーダクト14と、塗装時に樹脂成形品5を置くターンテーブル15と、塗装後の樹脂成形品5を乾燥させる乾燥装置16と、塗装後の樹脂成形品5を塗装ブース3の外に排出する車載コンベア17から構成されている。
【0023】
塗装ブース3内の作業者13は、車載コンベア8により搬入されてきた樹脂成形品5をターンテーブル15に乗せ、ターンテーブル15を回転させながら図示しないスプレーガンにより樹脂成形品5に塗料を塗布する。
【0024】
塗装を完了した樹脂成形品5は、作業者13により乾燥装置16に入れられ、所定時間、乾燥される。その後、樹脂成形品は、車載コンベア17により塗装ブース3外に排出される。
【0025】
図1に示した実施例は、その後、コンベア18により再び建築物1の内部に搬送され、さらにコンベア19により次工程(例えば、組立工程)に搬送される。尚、車載コンベア17とコンベア18とは、前記した車載コンベア8とコンベア73と同様の方法で連結されている。
【0026】
塗装車輌は、必要に応じて、前処理装置(除電装置、エアーブロー装置、水洗装置、水切り乾燥装置等)、ボイラー、エアコン等が搭載されていてもよい。本実施例ではターンテーブルを例示したが、これに限定されるものでない。
【0027】
また、塗装車輌2は、タンク20にシンナー、タンク21及びタンク22に生塗料を入れてこれらをベッセル23に投入して攪拌することにより、スプレーガンに所望の塗料を供給することができる。このときに、エアーコンプレッサー240により生成される圧縮空気が使用される。
【0028】
(塗料)
樹脂成形品に塗布する塗料は、一般の樹脂成形品の塗装に使用される塗料であれば全て使用可能であるが、環境負荷(VOC)を考慮すると、溶剤型塗料よりもエマルション型塗料の方が望ましい。
この場合の塗装環境(ブース内)は、温度及び湿度を一定にコントロールすることが望ましいため、前記した塗装車輌2にはエアコン11が搭載されている。このため、容易にエマルション型塗料の塗装に適した環境を塗装ブース3内に作り出すことができる。
【0029】
尚、スプレーガンにエマルション型塗料を供給するためには、タンク20に脱イオン水、タンク21にアルコール等の溶剤、タンク23に生塗料を入れ、これらをベッセル23により攪拌する必要がある。
【0030】
また、樹脂成形品のリサイクルを考慮すると、樹脂成形品に塗装する塗料は、樹脂成形品を構成する樹脂と相容(溶)性を持つことが望ましい。かかる塗料については、国際公開公報WO97/38838に詳細が記載されている。
【0031】
(樹脂成形品の生産システム)
本実施例1に示した樹脂成形品の生産システムは、搬送手段を構成するコンベア73と塗装車輌2に搭載された塗装装置52とが着脱可能に構成されており、かつ、コンベア18と塗装装置52とも着脱可能に構成されているため、塗装車輌2を変更することにより容易かつフレキシブルに塗装方法および塗料を変更することができる。
【0032】
また、建物1内の成形装置4の近くに塗装装置52を配置することができるため、成形直後または成形されて間もない樹脂成形品5に塗装を施すことができ、不良品の数を減少させることができる。つまり、成形直後または成形されて間もない樹脂成形品5は、埃及びゴミの付着量が少ないため、樹脂成形品5の表面に品質の高い塗膜を形成することができる。
また、樹脂成形品5自体を作業者等がハンドリングをする機会が少ないため、ハンドリングミスによる不良(例えば、汚れた手で触れることによる皮脂やキズの付着等)を無くすこともできる。
さらに、水系塗料を塗布する場合は、塗装前に被塗装物を加熱する必要があるが、本発明においては、成形直後または成形されて間もない樹脂成形品5を被塗装物とするため、塗装前に加熱を要しない。樹脂成形品の加熱を要する塗料を塗布する場合であっても、樹脂成形品は、成形直後または成形されて間もないため、昇温が早く省エネルギーとなる。
【実施例2】
【0033】
以下、本発明の第2実施例について、図2を用いて説明する。説明を簡単にするため、実施例1と同一の箇所については、同一の符号を付して説明を省略し、実施例1との相違点についてのみ詳細に説明する。
【0034】
図2は、本発明に係る樹脂成形品の生産システムの平面図である。図2に示すように、実施例1で説明した樹脂成形品の生産システムの塗装車輌2の隣に、塗料製造車輌24を配置し、該塗料製造車輌24に搭載された塗料製造装置54から直接、塗装車輌2に搭載された塗装装置52に塗料を供給する点のみが実施例1との相違点である。
【0035】
ここで、塗料製造車輌とは、塗料製造工程としての塗料の製造に必要な原料(例えば、溶剤、種塗料、添加剤等)を入れた各種タンクと、混ぜ合わせて塗料化する装置(例えば、ベッセル、ホモミキサー、ミル、ロール等)と、これらをつなぐパイプラインが少なくとも搭載された車輌をいう。かかる車輌を用いることにより、塗装を実施する場所において容易に塗料を製造することができる。また、塗料製造車輌24には、製造した塗料の品質確認をする為の評価装置が搭載されていてもよい。
【0036】
図2に示すように、塗料製造車輌24上に搭載されている塗料製造装置54は、塗料の原料(例えば、シンナー、生塗料等)が入れられるタンク25〜33と、塗料の原料を攪拌するベッセル34〜37と、これらを連結するパイプラインで構成されている。パイプラインは、公知のものを用いることができ、具体的には、各タンク内の原料を所定量ポンプで移すことができるものである。
【0037】
図2に基づいて、塗料の製造工程を説明すると、ベッセル34にタンク25中のシンナーと、タンク29及びタンク30中の生塗料を所定量入れ、所定時間の攪拌を行う。次に、攪拌されたベッセル34中の原料をベッセル35に移すとともに、タンク26中のシンナーと、タンク31中の生塗料を入れてさらに攪拌を行うことにより、最終的な塗料を製造することができる。
【0038】
ベッセル35において製造された塗料は、パイプラインにより塗装車輌2のベッセル23に移すことにより、塗装成形品に該塗料を塗布することができる。
【0039】
ここでは、溶剤型塗料を例にして説明したが、例えば、タンク27に脱イオン水、タンク28にアルコール等の溶剤、タンク32及びタンク33に生塗料を入れ、所定量の配合を行ってベッセル36及びベッセル37で攪拌して塗装車輌に供給すれば、直ちにエマルション型塗料を塗装成形品5に塗装することができる。
【0040】
また、塗料製造車輌24を、異なる種類の生塗料等を入れた塗料製造車輌に変えることにより、容易かつフレキシブルに樹脂成形品に塗布する塗料の種類を変更することができる。
【実施例3】
【0041】
以下、本発明の第3実施例について、図3を用いて説明する。説明を簡単にするため、実施例1と同一の箇所については、同一の符号を付して説明を省略し、実施例1との相違点についてのみ詳細に説明する。
【0042】
図3は、本発明に係る樹脂成形品の生産システムの平面図である。図3に示すように、実施例1で説明した樹脂成形品の生産システムの塗装車輌2が印刷車輌50となっている点のみが実施例1との相違点である。具体的には、実施例1で説明した塗装ブース3内の各種設備を印刷用の設備としている。
【0043】
ここで、印刷車輌とは、樹脂成形品に印刷を施す各種設備からなる印刷装置53を搭載したトラック等の車輌をいう。該印刷車輌には、必要に応じて、前処理装置(除電装置、エアーブロー装置、水洗装置、水乾燥装置等)、ボイラー、エアコン等を搭載しても良い。
【0044】
図3に示すように、車載コンベア8により印刷車輌50に搭載された印刷ブース330内に搬入された樹脂成形品5は、作業者13によりテーブル150に乗せられ、シルク印刷等のスクリーン印刷またはパッド(タンポ)印刷等が施される。
【0045】
その後、印刷された樹脂成形品5は台車38に入れられ、所定数貯まった時点で、台車38を乾燥機39に入れ、インクの乾燥が行われる。印刷工程を終えた樹脂成形品5は、乾燥機39から取り出した台車38から1個づつ車載コンベア17により印刷ブース330から搬出され、次工程に送られる。
【0046】
尚、印刷装置で使用するインクは、実施例1の場合と同様に、タンク20〜22に入れられた原料を用いてベッセル23により製造される。
環境負荷の少ないエマルション型インクの製造も可能である。かかるインクを使用する場合は、塗装の場合と同じ様に温度及び湿度を一定にコントロールする事が望ましいため、エアコン11を用いることにより、印刷ブース330内に印刷に適した環境を作りだすことができる。
【0047】
本実施例3に示した樹脂成形品の生産システムは、搬送装置を構成するコンベア73と印刷車輌50に搭載された印刷装置53とが着脱可能に構成されており、かつ、コンベア18と印刷装置53とも着脱可能に構成されているため、印刷車輌を変更することにより容易かつフレキシブルに印刷方法および印刷用のインクを変更することができる。
【0048】
また、建物1内の成形装置4の近くに印刷工程を構築することができるため、成形直後または成形されて間もない樹脂成形品5に印刷を施すことができ、不良品の数を減少させることができる。つまり、成形直後または成形されて間もない樹脂成形品5は、埃及びゴミの付着量が少ないため、樹脂成形品5の表面に品質の高い印刷を施すことができる。また、樹脂成形品5自体を作業者等がハンドリングをする機会が少ないため、ハンドリングミスによる不良を無くすこともできる。さらに、水系のインクを塗布する場合は、塗装前に被塗装物を加熱する必要があるが、本発明においては、成形直後または成形されて間もない樹脂成形品5を被塗装物とするため、塗装前に加熱を要しない。
【実施例4】
【0049】
以下、本発明の第4実施例について説明する。説明を簡単にするため、実施例3との相違点についてのみ詳細に説明する。
【0050】
実施例3との相違点は、図3に示した樹脂成形品の生産システムを構成する印刷車輌50の隣にインク製造車輌を停車させ、該インク製造車輌からインクを供給する点のみである。
ここで、インク製造車輌とは、インク製造装置としてのインクの製造に必要な原料(例えば、溶剤、種インク、添加剤等)を入れた各種タンクと、混ぜ合わせてインク化する装置(例えば、ベッセル、ホモミキサー、ミル、ロール等)と、これらをつなぐパイプラインが少なくとも搭載された車輌をいう。かかる車輌を用いることにより、印刷を施す場所において容易にインクを製造することができる。
また、インク製造車輌には、製造したインクの品質確認をする為の評価装置が搭載されていてもよい。
【0051】
インク製造車輌は、図2に示した塗料製造車輌24と同じ構造であり、タンク内の原料をインク用のものとしたものである。すなわち、タンク25〜28には、例えば、インク製造用のシンナー等の溶剤を入れ、タンク29〜33には種インクや増粘剤等のインク用添加剤を入れる。インクの製造方法は、塗料の製造方法と略同じであり、かかる方法は、実施例3において説明したので省略する。
【0052】
インク製造車輌を図3に示す樹脂成形品の生産システムを構成する印刷車輌50の隣に停車させ、該インク製造車輌からインクを供給する。かかる構成により、異なる種類の生インク等を入れたインク製造車輌に変えることにより、容易かつフレキシブルに樹脂成形品に印刷するインクの種類を変更することができる。
【0053】
前記した実施例は、説明のために例示したものであって、本発明としてはそれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲、発明の詳細な説明および図面の記載から当業者が認識することができる本発明の技術的思想に反しない限り、変更および付加が可能である。
【0054】
例えば、塗装車輌の隣に印刷車輌を停車させ、塗装車輌と印刷車輌をコンベア等の搬送手段で連結すれば、樹脂成形品に容易に塗装と印刷を施すことができる。
また、塗装車輌又は印刷車輌の隣に組立車輌を停車させ、そこで最終製品を組み立てても良い。
さらに、成形装置で成形された樹脂成形品を棚等に貯め、該棚から搬送手段に樹脂成形品を供給しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、樹脂成形品の生産に適用される。
本発明によれば、樹脂成形品は成形後にそのまま塗装工程または印刷工程に搬送されるので、樹脂成形品の生産時間の短縮になり、仕掛かり在庫を無くし、不良品の発生を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明に係る樹脂成形品の生産システムの平面図である(実施例1)。
【図2】本発明に係る樹脂成形品の生産システムの平面図である(実施例2)。
【図3】本発明に係る樹脂成形品の生産システムの平面図である(実施例3)。
【符号の説明】
【0057】
1 建物
2 塗装車輌
4 成形装置
5 樹脂成形品
7 搬送装置
24 塗料製造車輌
30 塗料製造装置
50 印刷車輌
51 成形装置
52 塗装装置
53 印刷装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の内部に設置され、樹脂成形品を製造する成形装置と、
前記建物の外部において前記成形装置の近傍に配置した塗装車輌内に搭載された塗装装置とを、
着脱可能な搬送装置で連結し、
前記成形装置によって製造された樹脂成形品に対して、前記塗装装置によって塗装を施すことを特徴とする樹脂成形品の生産システム
【請求項2】
塗料製造装置を搭載した塗料製造車輌を、前記塗装車輌の近傍に配置し、
前記塗料製造車輌の前記塗料製造装置から前記塗装車輌の前記塗装装置に塗料を供給することを特徴とする請求項1に記載の樹脂成形品の生産システム
【請求項3】
建物の内部に設置され、樹脂成形品を製造する成形装置と、
前記建物の外部において前記成形装置の近傍に配置した印刷車輌に搭載された印刷装置とを、
着脱可能な搬送手段で連結し、
前記建物内部に設置された前記成型装置によって製造された樹脂成形品に対して、前記印刷車輌に搭載された印刷装置によって印刷を施すことを特徴とする樹脂成形品の生産システム
【請求項4】
インク製造装置を搭載したインク製造車輌を、前記印刷車輌の近傍に配置し、
前記インク製造車輌の前記インク製造装置から前記印刷車輌の前記印刷装置にインクを供給することを特徴とする請求項3に記載の樹脂成形品の生産システム

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【国際公開番号】WO2005/065842
【国際公開日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【発行日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−516883(P2005−516883)
【国際出願番号】PCT/JP2005/000077
【国際出願日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【特許番号】特許第3852943号(P3852943)
【特許公報発行日】平成18年12月6日(2006.12.6)
【出願人】(000251288)鈴鹿富士ゼロックス株式会社 (156)
【Fターム(参考)】