説明

樹脂組成物及び表示装置

【課題】表示部の変形に起因する表示不良を生じさせることなく、表示部の高輝度及び高
コントラスト表示が可能な薄型の表示装置を提供する。
【解決手段】本発明の表示装置は、画像表示部2と、画像表示部2上配置された透光性の
保護部3とを有する。表示部2と保護部3との間に樹脂硬化物層5が介在する。樹脂硬化
物層5は、可視光領域の透過率が90%以上、25℃における貯蔵弾性率が1×10
a以下である。樹脂硬化物層5は、硬化収縮率が5%以下の樹脂組成物から形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば携帯電話等に用いられる液晶表示装置(LCD)等の画像表示装置に関し、特に、画像表示部上に透明な保護部を設け、画像表示部と保護部との間に樹脂硬化物を介在させた画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の表示装置としては、例えば図4に示すような液晶表示装置101が知られている。この液晶表示装置101は、液晶表示パネル102上に、例えば、ガラスやプラスチックスからなる透明な保護部103が設けられている。
【0003】
この場合、液晶表示パネル102表面及び偏光板(図示せず)を保護するため、保護部103との間にスペーサ104を介在させることによって液晶表示パネル102と保護部103との間に空隙105が設けられている。
【0004】
しかし、液晶表示パネル102と保護部103との間の空隙105の存在により、光の散乱が起き、それに起因してコントラストや輝度が低下し、また、空隙105の存在は表示装置の薄型化の妨げとなる。
【0005】
このような問題に鑑み、液晶表示パネルと保護部との間の空隙に樹脂を充填することも提案されているが(例えば特許文献1参照)、樹脂硬化物の硬化収縮の際の応力によって液晶表示パネルに変形が生じ、液晶材料の配向乱れ等の表示不良の原因となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005-55641号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような従来の技術の課題を考慮してなされたもので、その目的とするところは、画像表示部の変形に起因する表示不良を生じさせることなく、表示部の高輝度及び高コントラスト表示が可能な薄型の表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため本発明者らは鋭意努力を重ねた結果、樹脂が硬化する際に蓄積される内部応力が、硬化後の貯蔵弾性率と硬化収縮率の積で近似できることに鑑み、表示部と保護部との間の空隙に充填する樹脂組成物について、硬化収縮率が少なく、かつ硬化後の貯蔵弾性率が好適な範囲となるものを見出し、本発明を完成するに到った。
【0009】
かかる知見に基づいてなされた本発明は、画像表示部と、画像表示部上に配置された透光性の保護部とを有し、画像表示部と保護部との間に樹脂硬化物層が介在し、樹脂硬化物層は、可視光領域の透過率が90%以上、25℃における貯蔵弾性率が1×10Pa以下である画像表示装置を提供する。
【0010】
また本発明は、この樹脂硬化物層、即ち、画像表示装置の画像表示部と、透光性の保護部との間に介在する樹脂硬化物層であって、その可視光領域の透過率が90%以上、25℃における貯蔵弾性率が1×10Pa以下である樹脂硬化物層を提供する。
【0011】
またさらに、本発明は、上述の樹脂硬化物層を形成するための樹脂組成物であって、硬化収縮率が5%以下、それを硬化させた樹脂硬化物の可視光領域の透過率が厚さ100μmの場合に90%以上、25℃における貯蔵弾性率が1×10Pa以下である樹脂組成物を提供する。
【0012】
本発明では、画像表示部を、液晶表示パネルとすることができる。
本発明では、保護部を、アクリル樹脂からなるものとすることができる。
本発明では、保護部を、光学ガラスからなるものとすることもできる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の樹脂組成物によれば、それを画像表示部と保護部との間に適用して硬化させたときの樹脂硬化収縮による応力を最小限に抑えることができるので、この応力の画像表示部と保護部とに対する影響も最小限に抑えることができる。したがって、本発明の画像表示装置によれば、画像表示部及び保護部において歪みがほとんどない。
【0014】
また、本発明の樹脂組成物の樹脂硬化物は、その屈折率が、従来、液晶表示パネルと保護部との間に設けられていた空隙に比して画像表示部の構成パネルや保護部の構成パネルの屈折率に近く、保護部と樹脂硬化物との界面や樹脂硬化物と画像表示部との界面での光の反射が抑制される。
【0015】
その結果、本発明の画像表示装置によれば、表示不良のない高輝度及び高コントラスト表示が可能になる。
【0016】
特に、画像表示部が液晶表示パネルである場合には、液晶材料の配向乱れ等の表示不良を確実に防止して高品位の表示を行うことができる。
【0017】
さらに、本発明の画像表示装置によれば、画像表示部と保護部との間に樹脂硬化物が介在するので、衝撃に強くなる。
【0018】
加えて、本発明によれば、画像表示部と保護部との間に空隙を設けていた従来例に比して薄型の画像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る表示装置の実施形態の要部を示す断面図
【図2】本発明に係る表示装置の実施形態の要部を示す断面図
【図3】本発明に係る表示装置の実施形態の要部を示す断面図
【図4】従来技術に係る表示装置の要部を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一符号は同一又は同等の構成要素を表している。
【0021】
図1及び図2は、本発明に係る画像表示装置の一実施形態の要部を示す断面図である。
【0022】
図1に示すように、本実施形態の表示装置1は、図示しない駆動回路に接続され所定の画像表示を行う表示部2と、この表示部2に所定の距離をおいて近接対向配置された透光性の保護部3とを有している。
【0023】
この実施形態の表示装置1において表示部2は、液晶表示装置の液晶表示パネルである。
【0024】
ここで、液晶表示装置としては、特に限定されるものではなく、種々のものに適用することができる。このような液晶表示装置としては、例えば、携帯電話、携帯ゲーム機器等の電子機器があげられる。
【0025】
なお、表示部2が液晶表示パネルである場合には、図2に示すように、その表側面に偏光板6、7が設けられている。
【0026】
保護部3は、表示部2と同程度の大きさの板状の部材からなるもので、例えば、光学ガラスやプラスチック(アクリル樹脂等)を好適に用いることができる。
【0027】
この保護部3は、表示部2の周縁部に設けられたスペーサ4を介して表示部2上に設けられている。このスペーサ4の厚さは0.05〜1.5mm程度であり、これにより表示部2と保護部3との表面間距離が1mm程度に保持されるようになっている。
【0028】
表示装置1には、表示部2と保護部3との間に、樹脂硬化物層5が設けられている。
【0029】
本発明の場合、この樹脂硬化物層5は、可視光領域の透過率が90%以上、25℃における貯蔵弾性率が1.0×10Pa以下、好ましくは1×103〜1×106Paであり、この樹脂硬化物層5を形成する樹脂組成物としては硬化収縮率が5%以下、好ましくは4.5%以下、さらに好ましくは0〜2%であるものを用いる。
【0030】
本発明の画像表示装置においては、図1及び図2に示した実施形態の表示装置1のようにスペーサ4を設けることなく、図3に示す表示装置1Bのように、表示部2上に樹脂組成物層5と保護部3とを順次積層し、樹脂組成物を硬化させることにより、スペーサを省略することが好ましい。その場合、表示部2と保護部3との距離(即ち、樹脂硬化物層5の厚さ)は樹脂組成物の粘度、密度、保護部3の重さ等に応じて定まるが、通常50〜200μmとすることができ、これにより、画像表示装置の薄型化を図ることができる。
【0031】
本発明の揚合、樹脂硬化物層5の原料としては、特に限定されることはないが、生産性向上の観点からは、光硬化型樹脂組成物を用いることが好ましい。
【0032】
このような樹脂組成物としては、例えば、ポリウレタンアクリレート、ポリイソプレン系アクリレート又はそのエステル化物、テルペン系水素添加樹脂、ブタジエン重合体等の1種以上のポリマーと、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート等の1種以上のアクリレート系モノマーと、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン等の光重合開始剤とを含有する樹脂組成物を好適に用いることができる。
【0033】
なお、保護部3は、表示部2に対する紫外線保護の観点から紫外線領域をカットする機能が付与されていることが多いため、光重合開始剤としては、可視光領域でも硬化できる光重合開始剤(例えば、商品名SpeedCureTPO、日本シイベルヘグナー(株)社製等)を併用することが好ましい。
【0034】
この樹脂組成物は、それをUV照射により硬化させて得られる樹脂硬化物の貯蔵弾性率(25℃)を1×10Pa以下、好ましくは1×10〜1×106Paとし、樹脂硬化物の屈折率を好ましくは1.45以上1.55以下、より好ましくは1.51以上1.52以下とし、さらに、樹脂硬化物の厚さが100μmの場合の可視光領域の透過率を90%以上とするように調製したものである。樹脂組成物を構成する主要な樹脂成分としては共通でも、共に配合する樹脂成分あるいはモノマー成分等が異なると、それを硬化させた樹脂硬化物の貯蔵弾性率(25℃)が1×10Paを超える場合があるが、そのような樹脂硬化物となる樹脂組成物は、本発明の樹脂組成物には含まれない。
【0035】
また、この樹脂組成物は硬化収縮率が、好ましくは5%以下、より好ましくは4.5%以下、さらに好ましくは0〜2%となるように調製したものである。そのため、樹脂組成物が硬化する際に樹脂硬化物に蓄積される内部応力を低減させることができ、樹脂硬化物層5と表示部2又は保護部3との界面に歪みができることを防止できる。
【0036】
したがって、樹脂組成物を表示部2と保護部3との間に介在させ、その樹脂組成物を硬化させた場合に、樹脂硬化物層5と表示部2又は保護部3との界面で生じる光の散乱を低減させることができ、表示画像の輝度を高めると共に、視認性を向上させることができる。
【0037】
なお、この樹脂組成物が硬化する際に樹脂硬化物に蓄積される内部応力の程度は、樹脂組成物を平板上に滴下し、それを硬化させて得られる樹脂硬化物の平均表面粗度によって評価することができる。例えば、樹脂組成物2mgをガラス板上に滴下し、それをUV照射により90%以上の硬化率で硬化させて得られる樹脂硬化物の平均表面粗度が6nm以下であれば、表示部2と保護部3との間に樹脂組成物を介在させ、それを硬化させた場合にそれらの界面に生じる歪みが実用上無視できるが、本発明の樹脂組成物によれば、この平均表面粗度を6nm以下、好ましくは1〜3nmにすることができる。
【0038】
本発明の表示装置1を作製する場合には、例えば、表示部2上の周縁部に、スペーサ4と図示しない突堤部を設け、これらの内側の領域に上述した光硬化型の樹脂組成物を所定量滴下する。
【0039】
そして、表示部2のスペーサ4上に保護部3を配置し、表示部2と保護部3との間の空隙に樹脂組成物を隙間なく充填する。
【0040】
その後、保護部3を介して樹脂組成物に対して紫外線を照射することにより、樹脂組成物を硬化させる。これにより、目的とする表示装置1を得る。
【0041】
また、図3に示すようにスペーサ4を省略した表示装置1Bを作製する場合には、表示部2上に上述した光硬化型の樹脂組成物を塗布し、その上に保護部3を重ね、保護部3側から紫外線を照射すればよい。
【0042】
こうして得られる本発明の画像表示装置1、1Bによれば、表示部2及び保護部3に対し樹脂硬化収縮時の応力の影響を最小限に抑えることができるので、表示部2及び保護部3において歪みがほとんど発生せず、その結果、製造の際に表示部2に変形が発生しないので、表示不良のない高輝度及び高コントラスト表示が可能になる。
【0043】
さらに、本実施の形態によれば、表示部2と保護部3との間に樹脂硬化物5が充填されているので、衝撃に強く、より薄型の表示装置1を提供することができる。
【0044】
特に、表示部2が液晶表示パネルである揚合には、液晶材料の配向乱れ等の表示不良を確実に防止して高品位の表示を行う液晶表示装置を提供することができる。
【0045】
なお、本発明は、上述した液晶表示装置に好適に適用することができるが、これに限らず、例えば、有機EL装置、プラズマディスプレイ装置等の種々のパネルディスプレイに適用することができる。
【実施例】
【0046】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0047】
<実施例1>
ポリウレタンアクリレート50重量部、イソボルニルアクリレート30重量部、光重合開始剤3重量部、可視光領域用光重合開始剤1重量部を、混練機にて混練して実施例1の樹脂組成物を調製した。
【0048】
<実施例2>
ポリイソプレン重合物の無水マレイン酸付加物と2−ヒドロキシエチルメタクリレートとのエステル化物70重量部、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート30重量部、2−ヒドロキシブチルメタクリレート10重量部、テルペン系水素添加樹脂30重量部、ブタジエン重合体140重量部、光重合開始剤4重量部、可視光領域用光重合開始剤0.5重量部を混練機にて混練して実施例2の樹脂組成物を調製した。
【0049】
<実施例3>
ポリイソプレン重合物の無水マレイン酸付加物と2−ヒドロキシエチルメタクリレートとのエステル化物100重量部、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート30重量部、2−ヒドロキシブチルメタクリレート10重量部、テルペン系水素添加樹脂30重量部、ブタジエン重合体210重量部、光重合開始剤7重量部、可視光領域用光重合開始剤1.5重量部を混練機にて混練して実施例3の樹脂組成物を調製した。
【0050】
<比較例1>
ポリブタジエンアクリレート50重量部、ヒドロキシルエチルメタクリレート20重量部、光重合開始剤3重量部、可視光領域用光重合開始剤1部重量部を混練機にて混練して比較例1の樹脂組成物を調製した。
【0051】
<比較例2>
ポリウレタンアクリレート50重量部、トリシクロデカンジメタノールアクリレート30重量部、光重合開始剤3重量部、可視光領域用光重合開始剤1重量部を混練機にて混練して比較例2の樹脂組成物を調製した。
【0052】
<比較例3>
ポリブタジエンアクリレート50重量部、イソボルニルアクリレート20重量部、光重合開始剤3重量部、可視光領域用光重合開始剤1重量部を混練機にて混練して比較例3の樹脂組成物を調製した。
【0053】
評価1
実施例1〜3、比較例1〜3で調製した樹脂組成物を、厚さ100μmの白色のガラス板上に、所定の膜厚となるように滴下してUVコンベアにて搬送し、所定の厚さの樹脂硬化物を得、これを試料とした。
【0054】
各試料の光透過率、弾性率、硬化収縮率及び表面粗度を、以下のようにして求めた。
【0055】
〔光透過率〕
各試料(樹脂硬化物の厚さ100μm)について、紫外可視分光光度計(日本分光(株)製V-560)によって可視光領域の透過率を測定したところ、全て90%以上であった。
【0056】
〔弾性率〕
各試料(樹脂硬化物の厚さ2mm)について、粘弾性測定装置(セイコーインスツルメンツ(株)製DMS6100)を用い、測定周波数1Hzで弾性率(25℃)を測定した。
【0057】
〔硬化収縮率〕
さらに、硬化収縮率については、硬化前の樹脂液と硬化後の固体の比重を電子比重計(MIRAGE社製SD-120L)を用いて測定し、両者の比重差から次式により算出した。
【0058】
【数1】

【0059】
〔表面粗度の測定〕
各試料(樹脂硬化物の厚さ1mm)について、UV硬化の際に生ずる内部応力により発生するガラス板表面の所定領域(2.93mm×2.20mm)の歪み(Ra:平均表面粗度)を、Zygo社製3次元非接触表面粗度測定計にて測定した。
これらの結果を表1に示す。
【0060】
【表1】

【0061】
表1から明らかなように、実施例1〜3は、平均表面粗度Ra=1.5〜5.5nmで歪みがほとんどなく、良好な結果が得られた。
【0062】
これに対し、比較例1(Ra=12.4nm)、比較例2(Ra=36.5nm)、比較例3(Ra=64.2nm)は、Raが大きく、樹脂が硬化する際の内部応力により、樹脂とガラス板との界面が歪んでいることが理解される。
【0063】
評価2〔耐衝撃性〕
大きさ50mm×50mm、厚さ0.5mmのガラス板(表示部)と、大きさ50mm×50mm、厚さ0.5mmのポリカーボネート板(保護部)の間に、実施例1の樹脂組成物を厚さ0.1mmに硬化させたものを実施例のパネル試料とした。この場合、スペーサは用いておらず、パネル試料の総厚さは、1.1mmである。なお、このパネル試料の作製方法としては、ガラス板上に実施例1の樹脂組成物を塗布し、その上にポリカーボネート板を重ね、ポリカーボネート板側からUV照射することにより樹脂組成物を硬化させた。
【0064】
一方、図4に示す従来技術の構成のパネル試料を作成した。この場合、液晶表示パネル(表示部)102及び保護部103として、上述の実施例のパネル試料と同一の部材を用い、表示部と保護部との間に厚さ1.0mmのスペーサを介在させて、エアギャップが1.0mmで総厚さ2.0mmの比較例のパネル試料を作成した。
【0065】
実施例及び比較例のパネル試料について、所定の治具を用いて縁部分を固定し、直径5mmの押圧部を用い、保護部表面に対して垂直方向から押し付け速度1mm/秒で押圧部を保護部表面に押し付けてパネル破壊試験を行った。
【0066】
表示部及び保護部間にエアギャップが存在する比較例のパネル試料の場合は、パネル破壊試験の結果が1N/cm2であったのに対し、本発明のパネル試料の場合は1.43N/cm2であった。
【0067】
この結果、実施例のパネルによれば、押し付け強度が43%向上し、しかも比較例のパネルに比べて薄型のパネルが得られることが理解される。
【符号の説明】
【0068】
1、1B…表示装置
2…表示部
3…保護部
4…スペーサ
5…樹脂硬化物又は樹脂硬化物層
6、7…偏光板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像表示部と、該画像表示部上に配置された透光性の保護部とを有する画像表示装置であって、
画像表示部と保護部との間に樹脂硬化物層が介在し、
樹脂硬化物層は、可視光領域の透過率が90%以上、25℃における貯蔵弾性率が1×10Pa以下である画像表示装置。
【請求項2】
樹脂硬化物の貯蔵弾性率が1×10〜1×106Paである請求項1記載の画像表示装置。
【請求項3】
樹脂硬化物層の厚みが50〜200μmである請求項1又は2記載の樹脂組成物。
【請求項4】
画像表示部が、液晶表示パネルである請求項1〜3のいずれかに記載の画像表示装置。
【請求項5】
保護部が、アクリル樹脂からなる請求項1〜4のいずれかに記載の画像表示装置。
【請求項6】
保護部が、光学ガラスからなる請求項1〜4のいずれかに記載の画像表示装置。
【請求項7】
画像表示装置の画像表示部と、透光性の保護部との間に介在させる樹脂硬化物層を形成するための樹脂組成物であって、硬化収縮率が5%以下、それを硬化させた樹脂硬化物の可視光領域の透過率が厚さ100μmの場合に90%以上、25℃における貯蔵弾性率が1×10Pa以下である樹脂組成物。
【請求項8】
ポリウレタンアクリレート、ポリイソプレン系アクリレート又はそのエステル化物、テルペン系水素添加樹脂及びブタジエン重合体から選ばれる1種以上のポリマーと、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート及び2−ヒドロキシブチルメタクリレートから選ばれる1種以上のアクリレート系モノマーと、光重合開始剤とを含有する請求項7記載の樹脂組成物。
【請求項9】
樹脂組成物2mgをガラス板上に滴下し、それをUV照射により硬化させた樹脂硬化物の平均表面粗度が6nm以下である請求項7又は8記載の樹脂組成物。
【請求項10】
画像表示装置の画像表示部と、透光性の保護部との間に介在する樹脂硬化物層であって、その可視光領域の透過率が90%以上、25℃における貯蔵弾性率が1×10Pa以下である樹脂硬化物層。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−11897(P2013−11897A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−181768(P2012−181768)
【出願日】平成24年8月20日(2012.8.20)
【分割の表示】特願2008−98342(P2008−98342)の分割
【原出願日】平成19年7月17日(2007.7.17)
【出願人】(000108410)デクセリアルズ株式会社 (595)
【Fターム(参考)】