説明

樹脂組成物

本発明は、分子中に2個またはそれ以上のエポキシ基を有する化合物と、分子中に2個の第2級アミノ基を有するヒダントインまたはその誘導体とを反応させて得られる反応性オリゴマーまたはポリマーを含むことを特徴とする硬化性樹脂組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、表示装置分野、照明装置分野、光学分野、光情報伝送分野または光情報処理分野等で用いられる、高い透明性、耐熱性および耐UV性(耐黄変性)を有する、熱硬化性または放射硬化性樹脂に関するものである。
【背景技術】
近年、多くの光半導体装置は、光半導体素子をエポキシ樹脂組成物で封止することによって製造されており、そのような組成物の主成分として、ビスフェノールAグリシジルエーテル構造の繰返し単位を有するビスフェノールA型エポキシ樹脂が広く用いられている。
一方、現在では、半導体素子はInGan組成を有する発光ダイオードなど、発光波長の紫外領域、近紫外領域などの短波長化が進んでいる。このような紫外‐近紫外線発光ダイオードを封止するためには、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を使用することは好ましくない。なぜなら、そのようなビスフェノールA型エポキシ樹脂は、分子中の芳香環が紫外線を吸収することにより黄変するからである。
そのため、紫外‐近紫外線発光ダイオードの透明樹脂部材として、芳香環を有さない水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂または脂環式エポキシ樹脂を使用することが提案されている。
この点、上記の紫外‐近紫外線発光ダイオードを封止するのに適した透明性および耐UV性を有するエポキシ樹脂は、すべて低分子量のもので、常温で液状のものばかりである。なぜなら、このようなエポキシ樹脂の分子量を加熱またはカルボン酸等の添加などにより上昇させることはできるが、かかる工程を経ることにより、樹脂自体が変色ないし黄変してしまい、これら樹脂の透明性という特徴を損なうからである。
現在、液状の樹脂部材を使用した半導体パッケージ封止は、一般にディスペンサーと呼ばれるノズルから押し出しながらパターンを作る方法や、半導体パッケージを樹脂の中に直接つけた状態で熱硬化するポッティングと呼ばれる方法が主流となっている。
一般的にこれらの液状封止は、固体の樹脂部材を使用する半導体パッケージ封止に比べて、以下のような点で劣っている:
・液状封止は、生産性に課題がある、特に時間当たりの生産量が小さい、
・液状の樹脂部材は、固体の樹脂部材に比較して一般的に耐湿信頼性が低い。
またこれらの液状封止は、固体樹脂を用いる封止の主流であるトランスファー成形と比べて、以下のような点で劣っている:
・トランスファー成形は樹脂硬化時に加圧を行うのに対して、液状封止では無圧状態で封止を行うため、パッケージ内ボイドが発生しやすい、
・トランスファー成形は厚み精度や外形精度が金型で規定されるのに対して、液状封止では樹脂流動が生ずるため、封止品の寸法精度が悪い。
【発明の開示】
従って、紫外‐近紫外線発光ダイオードを固体樹脂を用いて封止するため、特にトランスファー成形で封止するために、透明性および耐UV性を有し、かつ室温で固体であるエポキシ樹脂組成物に対する要求が高まっている。
そこで本発明は、分子中に2個またはそれ以上のエポキシ基を有する化合物と、分子中に2個の第2級アミノ基を有するヒダントインまたはその誘導体とを反応させて得られる反応性オリゴマーまたはポリマーを含むことを特徴とする硬化性樹脂組成物を提供する。
2個またはそれ以上のエポキシ基を有する化合物とヒダントインまたはその誘導体とを用いることで、1段階の反応で容易にオリゴマー化またはポリマー化されたエポキシ樹脂を得ることができる。こうして得られた本発明の反応性オリゴマーまたはポリマーは、その製造工程が少ないという理由により、樹脂自体の変色が少なく、出発物質の光学特性を維持することができる。
また、本発明の反応性オリゴマーまたはポリマーから得られる硬化性樹脂組成物は、粘度が高く、成形性が良好である。また本発明の硬化性樹脂組成物から得られる硬化物は、透明性、耐UV性が良好である。
発明を実施するための形態
本発明の硬化性樹脂組成物は、分子中に2個またはそれ以上のエポキシ基を有する化合物と、分子中に2個の第2級アミノ基を有するヒダントインまたはその誘導体とを反応させて得られる反応性オリゴマーまたはポリマーを含むことを特徴とする。
反応性オリゴマーまたはポリマーを製造するために、エポキシ基を有する化合物として、基本的にあらゆるエポキシ樹脂を使用し得る。エポキシ樹脂の具体例としては、脂環式エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル骨格を有するビフェニル型エポキシ樹脂、芳香環などを水素添加した水添系エポキシ樹脂、ナフタレン環含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格を有するジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、臭素含有エポキシ樹脂、脂肪族系エポキシ樹脂、イソシアヌル酸骨格エポキシ樹脂、ヒダントイン骨格エポキシ樹脂等を挙げることができる。ここで「エポキシ樹脂」には、繰返し単位が1つだけの低分子量化合物(モノマー化合物)も含まれる。例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂には、ビスフェノールAグリシジルエーテルが含まれる。
これらの中から、水素添加系エポキシ樹脂、特に水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、飽和脂肪族から構成される環の上にエポキシ基を有する脂環式エポキシ樹脂、イソシアヌル酸骨格を有するエポキシ樹脂またはこれらの混合物を使用することが、その高い透明性および耐UV性(耐黄変性)の故に、特に望ましい。
本発明において使用し得るヒダントインまたはその誘導体は、好ましくは、一般式(A):

〔式中、Rは、水素またはC〜Cアルキル基を表し、Rは、水素またはC〜Cアルキル基を表す。〕
で示されるヒダントインまたはその誘導体である。
上記の一般式(A)において、Rが、水素またはメチル基を表し、Rが、水素、メチル基またはイソプロピル基を表すヒダントインまたはその誘導体が、より好ましい。ヒダントイン誘導体としてジメチルヒダントインまたはメチルヒダントインが、さらに好ましい。反応性、耐UV性、安定性において優れた特性を有しているため、5,5−ジメチルヒダントインを使用することが特に望ましい。
エポキシ化合物およびヒダントインまたはその誘導体を、例えば、それぞれの融点以上の温度で溶融させ、必要であれば触媒を添加して、攪拌混合することにより反応させることができる。反応性オリゴマーまたはポリマーの分子量は、エポキシ基を有する化合物とヒダントインまたはその誘導体とのモル比を制御することによりコントロールすることができる。
本発明の反応性オリゴマーまたはポリマーは、分子量が高く、常温で固体である。またこの反応性オリゴマーまたはポリマーは、エポキシモノマーよりも可塑性があり、透明性が高く、UV照射に対して黄変しにくいという特徴を持っている。さらにこの反応性オリゴマーまたはポリマーは、窒素原子を多く含んでいて燃えにくいので、封止材や積層板電子機器への使用において望ましい性質を有している。
本発明の硬化性樹脂組成物は、上記反応性オリゴマーまたはポリマーを含むことを特徴とする。本発明の硬化性樹脂組成物は、好ましくは、光や電子線などの活性エネルギー線あるいは熱によって樹脂の硬化反応を開始する硬化触媒を含む。
本発明の硬化性樹脂組成物は、上記反応性オリゴマー以外に、あらゆるエポキシ樹脂を含むことができる。エポキシ樹脂として、例えば、エポキシ基を有する化合物として上で記載したエポキシ樹脂の具体例を挙げることができる。これらのエポキシ樹脂の1種のみ、または2種若しくはそれ以上を使用することができる。
また本発明の硬化性樹脂組成物において、硬化物中で3次元網目構造を形成する、いわゆる硬化剤を使用することができる。透明性や耐熱性などを害さない範囲であれば、分子中に酸無水物の基を有する酸無水物硬化剤、例えばテトラヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物または水素化メチルナジック酸無水物、分子中にフェノール性水酸基を2つ以上有するフェノール系硬化剤、例えばビスフェノールA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックまたはナフトールノボラック、または第1級アミンなどの硬化剤を使用できる。また限定する趣旨ではないが、硬化剤は、透明性、硬化時の高温や硬化後の環境から受ける高温により着色しにくいため、酸無水物であるものが好ましい。
上記のエポキシ樹脂(「主剤」と称する)と硬化剤との化学量論上の反応基のモル比、即ち、主剤当量と硬化剤当量との比率(当量比)は、好ましくは100:60〜100:120、より好ましくは100:75〜100:110である。主剤当量100に対して硬化剤当量が60未満であると、組成物が硬化し難くなったり、硬化しても硬化物の耐熱性が低下したり、硬化物の強度が低下したりする恐れがある。また逆に、硬化剤当量が120を超えると、硬化物の耐熱性が低下したり、硬化後の接着強度が低下したり、硬化物の吸湿率が高くなったりする恐れがある。
本発明において使用し得る硬化開始剤としては、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、シラノールアルミニウム錯体類などの光や熱でカチオン重合を開始させるものや、ジアザビシクロアルケン類若しくはその塩、イミダゾール類若しくはその塩、有機酸金属塩、第4級アンモニウム塩、ホスフィン類などを例示することができる。これらは、硬化触媒とも言われるものであり、エポキシ基の硬化反応を引き起こすものであれば良い。
さらに本発明の樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない限り、必要に応じて他の物質を配合することもできる。このような物資としては、紫外線吸収剤、ラジカル安定剤、酸化防止剤、難燃剤、低弾性化剤、着色剤、希釈剤、消泡剤、イオントラップ剤等を例示することができる。
また、本発明の樹脂樹脂組成物中で、脂環式エポキシ樹脂またはトリアジン骨格エポキシ樹脂を併用することが好ましい。これらを併用することによって、硬化物の透明性を高めること、ガラス転移温度を調整すること、耐熱性を向上させることができる。
さらに、本発明の樹脂組成物中で、脂環式エポキシ樹脂を併用することが好ましい。これを併用することによって、硬化物の透明性を高め、屈折率を低く調整することができる。また脂環式エポキシ樹脂の中でも分子構造中にエステル基を持たないものが、耐加水分解性に優れるので、特に好ましい。例えば、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂または水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂、あるいはビシクロヘキセンまたはシクロオクタジエンなどの環状構造と炭素−炭素二重結合とを持つオレフィンをエポキシ化して得られるもの等を、挙げることができる。
最後に、本発明の樹脂組成物中に含まれる反応性オリゴマーまたはポリマーの化学構造の例を以下に示す。
反応性オリゴマーまたはポリマーを製造するために、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂として、例えば水添ビスフェノールAグリシジルエーテルを使用した場合、その反応性オリゴマーまたはポリマーは、一般式(B):

〔式中、Rは、水添ビスフェノールAグリシジルエーテルからグリシジル基を除いて得られる部分、即ち、

を表し、Rは、水素またはC〜Cアルキル基を表し、Rは、水素またはC〜Cアルキル基を表し、1は、0以上の数を表す。〕
で示される構造をとる。
反応性オリゴマーまたはポリマーを製造するために脂環式エポキシ樹脂を使用した場合、その反応性オリゴマーまたはポリマーは、例えば一般式(C):

〔式中、Rは、脂環式エポキシ樹脂から環状構造を除いて得られる部分、例えば、

を表し、Rは、水素またはC〜Cアルキル基を表し、Rは、水素またはC〜Cアルキル基を表し、mは、0以上の数を表す。〕
で示される構造をとる。
反応性オリゴマーまたはポリマーを製造するためにイソシアヌル酸骨格を有するエポキシ樹脂を使用した場合、その反応性オリゴマーまたはポリマーは、例えば一般式(D):

〔式中、Rは、グリシジル基を表し、R10は、グリシジル基またはアリル基を表し、R11は、水素またはC〜Cアルキル基を表し、R12は、水素またはC〜Cアルキル基を表し、nは、0以上の数を表す。〕
で示される構造をとる。
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
オリゴマーの合成
オリゴマー1の合成
水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ株式会社製、品番「EXA−7015」、分子量402)20.1g、ジメチルヒダントイン(三井化学ファイン株式会社製、品番「5,5DMH」、分子量126)6.3g、および有機リン系硬化触媒(日本化学工業株式会社製、品番「PX−4ET」)0.074gを、ステンレスフラスコに入れ、150℃で溶融させながら1時間攪拌混合した後、フラスコから取り出して室温まで放冷し、融点75℃のオリゴマー1を得た。GPC分析を行うとモノマーピークは認められず、オリゴマー化していた。JIS K7236に準拠したエポキシ当量測定を行ったところエポキシ当量は264であった。
オリゴマー2の合成
トリグリシジルイソシアヌレート(日産化学株式会社製、品番「TEPIC−S」、分子量297)29.7gとジメチルヒダントイン(三井化学ファイン株式会社製、品番「5,5DMH」、分子量126)6.3gとを、ステンレスフラスコに入れ、150℃で溶融させながら1時間攪拌混合した後、フラスコから取り出して室温まで放冷し、融点70℃のオリゴマー2を得た。GPC分析を行うとモノマーピークは認められず、オリゴマー化していた。JIS K7236に準拠したエポキシ当量測定を行ったところエポキシ当量は180であった。
オリゴマー3の合成
モノアリルジグリシジルイソシアヌレート(四国化成工業株式会社製、品番「MA−DGIC」、分子量281)56.2g、ジメチルヒダントイン(三井化学ファイン株式会社製、品番「5,5DMH」、分子量126)12.6g、および有機リン系硬化触媒(日本化学工業株式会社製、品番「PX−4ET」)0.148gを、ステンレスフラスコに入れ、150℃で溶融させながら1時間攪拌混合した後、フラスコから取り出して室温まで放冷し、融点70℃のオリゴマー3を得た。GPC分析を行うとモノマーピークは認められず、オリゴマー化していた。JIS K7236に準拠したエポキシ当量測定を行ったところエポキシ当量は344であった。
オリゴマー4の合成
脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学株式会社製、品番「CEL−2021P」、分子量256〜280)25.6g、ジメチルヒダントイン(三井化学ファイン株式会社製、品番「5,5DMH」、分子量126)6.3g、および有機リン系硬化触媒(日本化学工業株式会社製、品番「PX−4ET」)0.074gを、ステンレスフラスコに入れ、150℃で溶融させながら1時間攪拌混合した後、フラスコから取り出して室温まで放冷し、融点70℃のオリゴマー4を得た。GPC分析を行うとモノマーピークは認められず、オリゴマー化していた。JIS K7236に準拠したエポキシ当量測定を行ったところエポキシ当量は319であった。
オリゴマーの溶融粘度測定
本発明のオリゴマー1〜4の溶融粘度を測定した。比較用として、オリゴマー1および4の合成に使用した水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(品番「EXA−7015」)および脂環式エポキシ樹脂(品番「CEL−2021P」)、並びに以下に記載する樹脂組成物の調製(比較例1)で使用したビスフェノールA型エポキシ樹脂(品番「1006FS」)の溶融粘度も測定した。
溶融粘度は、ICI粘度計を150℃設定で使用して測定した。

表1にみられるように、本発明のオリゴマー1〜4はいずれも、比較用エポキシ樹脂と比較すると、溶融粘度が高い。また本発明のオリゴマー1〜4は、常温で固体のエポキシ樹脂である。従って本発明のオリゴマー1〜4は、固体樹脂を用いる封止(例えばトランスファー成形)に使用するために適している。
硬化性樹脂組成物の調製
【実施例1〜4】
本発明のオリゴマー1〜4を使用して、下記の表2に示す配合量(質量部)で、硬化触媒以外の成分を80℃のオイルバス中においてディスパー(特殊機化学工業製)を用いて約1時間分散・混合した後、硬化触媒を加え1分程度攪拌し、フラスコから取り出して室温まで放冷し、樹脂組成物を調製した。
比較例1
本発明のオリゴマー1〜4を使用する代りに下記のエポキシ樹脂を使用したこと以外は、実施例と同様に樹脂組成物を調製した。
表2に記載する原料は、次のものである:
エポキシ樹脂:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン、品番「1006FS」、分子量1918)
硬化剤:ヘキサヒドロフタル酸無水物(HHPA、日本理科化学工業株式会社製、品番「HHPA」、酸無水物当量154)
硬化触媒:リン系有機塩(日本化学工業株式会社製、品番「PX−4ET」)
透過率および黄色度の測定
実施例1〜4、および比較例1の樹脂組成物から得られる硬化物の透過率および黄色度(イエローインデックス)を、次の方法で測定した。測定結果を下記の表2に示す。
(1)UV未照射の初期透過率および黄色度
厚み1mmのシリコンゴムシートをスペーサーとし、エポキシ樹脂組成物をステンレス板で挟み込んで20mm×40mmの注型品を作成した。硬化条件は、120℃1時間、その後150℃3時間である。こうして得られたテストピースを島津製作所製分光光度計UV−3100PCに積分球を搭載したシステムで、800nm〜250nmにおける透過率および黄色度を計測する。
(2)UV照射後の透過率および黄色度
厚み1mmのシリコンゴムシートをスペーサーとし、エポキシ樹脂組成物をステンレス板で挟み込んで20mm×40mmの注型品を作成した。硬化条件は、120℃1時間、その後150℃3時間である。こうして得られたテストピースに、340nmにピークを有する高出力UV高圧水銀灯を光源に使用して、UV照射する(20000lm)。UV照射後に得られたサンプルの透過率および黄色度を上記の方法で計測する。

表2に見られるように、実施例1〜4の樹脂組成物から得られた硬化物はいずれも、比較例1の樹脂組成物から得られた硬化物と比較すると、UV照射後の光透過率および黄色度の変化が小さく、耐UV性が優れていることが確認される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分子中に2個またはそれ以上のエポキシ基を有する化合物と、分子中に2個の第2級アミノ基を有するヒダントインまたはその誘導体とを反応させて得られる反応性オリゴマーまたはポリマーを含むことを特徴とする硬化性樹脂組成物。
【請求項2】
分子中に2個の第2級アミノ基を有するヒダントインまたはその誘導体が、一般式(A):

〔式中、Rは、水素またはC〜Cアルキル基を表し、Rは、水素またはC〜Cアルキル基を表す。〕
で示されるヒダントインまたはその誘導体であることを特徴とする、請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項3】
分子中に2個またはそれ以上のエポキシ基を有する化合物が、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、飽和脂肪族から構成される環の上にエポキシ基を有する脂環式エポキシ樹脂、イソシアヌル酸骨格を有するエポキシ樹脂またはこれらの混合物であることを特徴とする、請求項1または2に記載の硬化性樹脂組成物。

【国際公開番号】WO2005/012383
【国際公開日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【発行日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−507373(P2005−507373)
【国際出願番号】PCT/JP2003/009647
【国際出願日】平成15年7月30日(2003.7.30)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】