機器の防水カバー
【課題】機器周辺の美観に影響を与えることなく、長期にわたって適正に防水効果を発揮させることができ、さらに、非常時に容易かつ迅速に設置することができる機器の防水カバーを提供すること。
【解決手段】あらかじめ機器が載置され、前記機器の底部と略同一の面積を有するカバー底部2と、このカバー底部2に着脱可能に取り付けられて、前記機器を覆うカバー本体11と、を備えることを特徴とする。これにより、機器周辺の美観に影響を与えることなく、非常時に容易かつ迅速にカバーを設置することができる。
【解決手段】あらかじめ機器が載置され、前記機器の底部と略同一の面積を有するカバー底部2と、このカバー底部2に着脱可能に取り付けられて、前記機器を覆うカバー本体11と、を備えることを特徴とする。これにより、機器周辺の美観に影響を与えることなく、非常時に容易かつ迅速にカバーを設置することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種機器を水害などから保護するための機器の防水カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、台風や大雨によって水が建物内に浸水した場合など(非常時)において、窓口用の現金処理装置や壁面設置型のATMなどの各種機器を水害から保護するために種々のカバーが考えられている。
これらカバーの中には、機器全体を包み込める分の面積を有するシート状のカバーを機器の下にあらかじめ敷いておき、非常時には、敷いてあったカバーの前後左右の端部を起こして、機器を包むようにして機器の上方で端部同士を紐止めするものが提案されている。なお、このカバーは、必ずしもあらかじめ敷いておく必要はなく、非常時にのみ、機器の下に敷いて使用することもできる。
【特許文献1】登録実用新案第3009737号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載のカバーのように、所定の面積を有するカバーを機器の下にあらかじめ敷いておくと、店舗内などの美観が損なわれるだけでなく、平常時にカバーの上を人や物が通ることから、カバーに損傷を与えてしまうという問題がある。一方、非常時にのみ、カバーを敷いて使用する場合、以下の問題がある。すなわち、水害から保護すべき機器は一般的に非常に重く(ATMは400kg程度、窓口用の現金処理装置は200kg程度)、また、それら重量のある機器の設置には耐震対策などがなされているため、それら設置された機器の下にカバーを敷いたり、敷かれたカバーを抜いたりすることは極めて困難となる。
【0004】
本発明は、上記従来の事情に鑑みて案出されたものであり、機器周辺の美観に影響を与えることなく、長期にわたって適正に防水効果を発揮させることができ、さらに、非常時に容易かつ迅速に設置することができる機器の防水カバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明に係る機器の防水カバーは、あらかじめ機器が載置され、前記機器の底部と略同一の面積を有するカバー底部と、このカバー底部に着脱可能に取り付けられて、前記機器を覆うカバー本体と、を備えることを特徴とする。
【0006】
この発明に係る機器の防水カバーにおいては、カバー底部の面積が機器の底部と略同一の面積を有することから、カバー底部に機器が載置されると、機器によってカバー底部が隠される。そのため、平常時にあらかじめカバー底部に機器を載置しておいても、カバー底部が露出することはない。
一方、非常時になると、あらかじめ機器が載置された状態のカバー底部にカバー本体が取り付けられ、機器全体が覆われる。
これにより、非常時にもカバー本体を容易かつ迅速に設置することができる。
【0007】
また、本発明に係る機器の防水カバーは、前記カバー底部と前記カバー本体とが、防水用連結部によって着脱可能に取り付けられることを特徴とする。
【0008】
この発明に係る機器の防水カバーにおいては、カバー底部とカバー本体とを取り付けたときの防水効果を向上させることができる。
【0009】
また、本発明に係る機器の防水カバーは、前記カバー本体が、前記機器の前部を覆うカバー前部と、前記機器の後部を覆うカバー後部とを備え、前記カバー前部と前記カバー後部とが、着脱可能に取り付けられることを特徴とする。
【0010】
この発明に係る機器の防水カバーにおいては、カバー前部とカバー後部とに分けられていることから、窓口用現金処理機を前後から挟むようにして覆うことができる。そのため、カバー本体をカバー底部に容易に取り付けることができる。
また、平常時にあらかじめカバー底部にカバー後部を取り付けておいても、少なくともカバー前部を外しておけば、機器を使用することができ、非常時にはカバー前部を取り付けるだけで、機器を容易に覆うことができる。
【0011】
また、本発明に係る機器の防水カバーは、前記カバー前部と前記カバー後部とが、防水用連結部によって着脱可能に取り付けられることを特徴とする。
【0012】
この発明に係る機器の防水カバーにおいては、カバー前部とカバー後部とを取り付けたときの防水効果を向上させることができる。
【0013】
また、本発明に係る機器の防水カバーは、前記カバー後部が、あらかじめ前記カバー底部に取り付けられることを特徴とする。
【0014】
この発明に係る機器の防水カバーにおいては、カバー後部をあらかじめカバー底部に取り付けておき、非常時に、カバー前部をカバー後部及びカバー底部に取り付ける。
これにより、カバー本体をさらに容易かつ迅速に設置することができる。
【0015】
また、本発明に係る機器の防水カバーは、前記カバー後部又は前記カバー底部に、前記機器のケーブルが挿通される伸縮可能な保護部材が設けられていることを特徴とする。
【0016】
この発明に係る機器の防水カバーにおいては、保護部材に機器のケーブルが挿通され、非常時には、保護部材が伸ばされて、ケーブルが保護される。
これにより、機器を確実に保護することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、平常時にあらかじめカバー底部に機器を載置しておいても、カバー底部が露出することを防止することができることから、機器周辺の美観に影響を与えることなく、また、カバー底部を損傷することを防止することができる。そのため、長期にわたって適正に防水効果を発揮させることができる。さらに、カバー底部にあらかじめ機器を載置しておき、非常時にのみカバー本体を取り付けることができることから、非常時に容易かつ迅速にカバー本体を設置することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(実施形態1)
以下、本発明の第1実施形態における機器の防水カバーについて、図面を参照して詳細に説明する。なお、ここでは、窓口用現金処理機(機器)の防水カバーとして説明する。
図1において、符号1は防水カバーを示すものである。
【0019】
防水カバー1は、可撓性防水素材からなるカバー底部2を備えている。可撓性防水素材としたのは、窓口用現金処理機(図4に示す)3の設置工事の際に設置し易くするためである。カバー底部2は、窓口用現金処理機3が載置される矩形状の底面部6を備えている。底面部6は、窓口用現金処理機3の底部と略同一の面積を有している。なお、過重制限のある場合には、底面部6の下或いは上に鉄板を設けるようにする。
【0020】
また、底面部6には、その四辺部から立ち上げられた周壁部7が設けられている。周壁部7の高さ寸法は、美観を考慮すると、短いほど好ましいが、浸水が生じた場合にカバー底部2のみで防水効果を発揮させるには長いほど好ましい。そこで、美観と防水効果とのバランスを考えて、また、機器に(図示しない)通風口を備えている場合は、当該通風口をふさがないよう、適切な高さ寸法に設定される。周壁部7の上端には、矩形状の開口端の全長にわたって防水ジッパー(防水用連結部)8が設けられている。
【0021】
また、カバー底部2には、窓口用現金処理機3を覆うためのカバー本体11が取り付けられるようになっている。カバー本体11は、防水素材からなっている。また、カバー本体11は、窓口用現金処理機3の少なくとも前部を覆うためのカバー前部12と、窓口用現金処理機3の少なくとも後部を覆うためのカバー後部13とを備えている。
カバー前部12は、矩形状の前面部16を備えており、前面部16の一方の短辺部16aには、窓口用現金処理機3の上部を覆うための天面部17が設けられている。これら前面部16と天面部17とは一体的に形成されており、前面部16の一方の短辺部16aを中心として互いに回転可能に形成されている。さらに、カバー前部12の外縁部には、全長にわたって防水ジッパー8が設けられている。
【0022】
また、カバー後部13は、矩形状の後面部20を備えており、その二つの長辺部20bには、窓口用現金処理機3の両側部を覆うための一対の側面部21がそれぞれ設けられている。これら後面部20と一対の側面部21とは一体的に形成されており、後面部20の長辺部20bを中心として互いに回転可能に形成されている。さらに、カバー後部13の外縁部には、全長にわたって防水ジッパー8が設けられている。
【0023】
このような構成のもと、カバー前部12とカバー後部13とは、それぞれの防水ジッパー8を介して、互いに着脱可能に取り付けられるようになっている。すなわち、前面部16の二つの長辺部16bと、側面部21の長辺部21bとが防水ジッパー8によって連結され、天面部17の先端辺17aと、後面部20の上端の短辺部20aとが連結され、さらに、天面部17の側端辺17bと、側面部21の上端の短辺部21aとが連結されるようになっている。
また、カバー本体11は、防水ジッパー8を介して、カバー底部2に着脱可能に取り付けられるようになっている。すなわち、カバー本体11の開口端の各辺が、カバー底部2の開口端の各辺に、防水ジッパー8によって連結されるようになっている。
【0024】
次に、本実施形態における防水カバー1の使用方法について説明する。
なお、床面の所定の位置にカバー底部2が設置されているものとする。カバー底部2は、アンカーボルト工事時に、コーキング処理が施されている。
【0025】
まず、図2に示すように、カバー底部2にカバー後部13を取り付ける。すなわち、窓口用現金処理機3の後方側に配されるカバー底部2の辺部に、防水ジッパー8によって、後面部20の下端の短辺部20aを連結する。
それから、図3に示すように、上記連結した状態で、カバー後部13を折り畳んで、カバー底部2の後方に配しておく。このとき、窓口用現金処理機3の排気口を塞がない位置に配する。
【0026】
そして、図4に示すように、カバー底部2の底面部6上に窓口用現金処理機3を設置する。すなわち、カバー底部2とカバー後部13とは、あらかじめ(平常時に)設置されるものである。窓口用現金処理機3を底面部6上に載置するときには、カバー底部2の防水ジッパー8に保護板を設置し、この保護板上を通して、窓口用現金処理機3を底面部6上に移動させる。これにより、防水ジッパー8の破損が防止される。窓口用現金処理機3が底面部6上に載置されると、底面部6の面積が窓口用現金処理機3の底部の面積と略同一であることから、底面部6が窓口用現金処理機3によって隠された状態となる。同様に、カバー後部13も窓口用現金処理機3の背後に隠された状態となる。台風や大雨などのない平常時には、この状態で、窓口用現金処理機3が使用される。なお、平常時には、カバー前部12をバックヤードなどに保管しておく。
【0027】
一方、非常時には、以下のようにして防水カバー1が設置される。すなわち、図5に示すように、窓口用現金処理機3の背後に配されていたカバー後部13を広げて立ち上げる。それから、図6に示すように、側面部21を手前側に向けて折り返し、側面部21の下端の短辺部21aと、カバー底部2の対応する辺部とを防水ジッパー8によって取り付ける。さらに、図7に示すように、カバー前部12を広げて、逆L字状に配する。それから、カバー前部12をカバー後部13に取り付けるとともに、カバー前部12をカバー底部2に取り付ける。
これにより、窓口用現金処理機3の全面が覆われる。
【0028】
以上より、本実施形態における防水カバー1によれば、カバー底部2の底面部6に窓口用現金処理機3を載置することにより、底面部6を隠すことができ、底面部6の露出を防止することができる。そのため、平常時に、カバー底部2が損傷することを防止することができる。さらに、非常時には、カバー後部13を広げた状態で、カバー前部12をカバー後部13及びカバー底部2に取り付けるだけで、窓口用現金処理機3の全面を迅速かつ容易に覆うことができる。
したがって、平常時においては窓口用現金処理機3周辺の美観に影響を与えることなく、長期にわたって適正に防水効果を発揮させることができ、さらに、非常時には容易かつ迅速に防水カバー1を設置することができる。
【0029】
また、防水ジッパー8によって連結していることから、防水効果を向上させることができる。
また、カバー前部12とカバー後部13とに分けられていることから、窓口用現金処理機3を前後から挟むようにして覆うことができる。そのため、カバー本体11をカバー底部2に容易に取り付けることができる。
さらに、あらかじめ(平常時に)、カバー後部13を折り畳んで、カバー底部2に連結したまま後方に配することにより、カバー後部13を隠すことができ、カバー後部13の損傷を防止することができる。そして、非常時には、カバー後部13を広げるだけで、窓口用現金処理機3の後部や側部を覆うことができるので、カバー本体11をさらに容易かつ迅速に設置することができる。
【0030】
なお、本実施形態においては、カバー前部12に天面部17を設け、カバー後部13に側面部21を設けるとしたが、これに限ることはなく、天面部17や側面部21は、カバー前部12及びカバー後部13のどちらに設けてもよい。例えば、天面部17及び一対の側面部21をカバー前部12に設けることにより、カバー後部13の全体の面積を小さくすることができ、カバー後部13をより小さく折り畳んでおくことができる。
また、天面部17や側面部21は、必ずしもカバー前部12及びカバー後部13のいずれかに設けられていなくてもよい。すなわち、天面部17や側面部21を、カバー前部12及びカバー後部13とは別個の部材とすることもできる。
【0031】
さらに、カバー前部12及びカバー後部13を別部材とすることなく、それらを一体としてカバー本体11を構成してもよい。この場合、窓口用現金処理機3の上方からカバー本体11を被せることにより、防水カバー1を設置することができる。
【0032】
(実施形態2)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図8から図10は、本発明の第2の実施形態を示したものである。
図8から図10において、図1から図7に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
この実施形態と上記第1の実施形態とは基本的構成は同一であり、ここでは異なる点についてのみ説明する。
【0033】
本実施形態におけるカバー本体11は、側面部21の短手方向の途中位置から切り離されたカバー前部12´とカバー後部13´とを備えて構成されている。
カバー前部12´の前面部16には、その上端の短辺部16aと、二つの長辺部16bとに、天面部17F又は側面部21Fが設けられている。
また、カバー後部13´の後面部20には、その上端の短辺部20aと、二つの長辺部20bとに、天面部17R又は側面部21Rが設けられている。
さらに、カバー前部12´及びカバー後部13´の外縁部の全長にわたって、防水ジッパー8が設けられている。
【0034】
このような構成のもと、天面部17Fと天面部17R、及び、側面部21Fと側面部21Rとが一致するように、カバー前部12´とカバー後部13´とが防水ジッパー8を介して取り付けられるようになっている。そして、カバー前部12´とカバー後部13´とが取り付けられると、側面部21Fの短辺部21aと、側面部21Rの短辺部21aとにわたった全長が、カバー底部2の両辺部7aの全長とそれぞれ等しくなるようになっている。
【0035】
次に、本実施形態における防水カバー1の使用方法について説明する。
なお、本実施形態における機器としては、壁面に設置されるATMであるものとして説明する。
【0036】
本実施形態においては、図9に示すように、壁面25にATM(機器)24を設置する際に、カバー底部2とカバー後部13´とを、互いに連結させた状態で、あらかじめ設置するものである。すなわち、床面の所定の位置にカバー底部2を設置し、カバー後部13´を、開放端を手前側に向けて壁面25に設置する。このとき、カバー底部2とカバー後部13´とを防水ジッパー8によって連結しておく。この状態で、ATM24を底面部6に載置して、壁面25に設置する。そして、防水ジッパー8が壁面25の手前側に配されるようにする。
【0037】
これにより、底面部6はATM24によって隠され、カバー後部13は、壁面25内に隠された状態となっている。この状態で、平常時にはATM24が利用される。
一方、非常時には、図10に示すように、カバー後部13´及びカバー底部2にカバー前部12´を防水ジッパー8を介して取り付ける。これにより、ATM24の全面が覆われる。
【0038】
以上より、本実施形態における防水カバー1によれば、実施形態1と同様の効果を奏することができる。
【0039】
(実施形態3)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図11から図13は、本発明の第3の実施形態を示したものである。
図11から図13において、図1から図10に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
この実施形態と上記第1の実施形態とは基本的構成は同一であり、ここでは異なる点についてのみ説明する。
【0040】
本実施形態においては、図11に示すように、底面部6の周壁部7に、ATM24のケーブルが挿通される蛇腹ダクト(保護部材)28が設けられている。蛇腹ダクト28は、その長さ方向に伸縮可能に構成されている。
【0041】
このような構成のもと、底面部6にATM24が設置されて、ATM24に接続されたケーブルが蛇腹ダクト28に挿通される。このとき、各種ケーブルの長さ寸法を大きく設定しておく。すなわち、ケーブルに余長を持たせておく。そして、図12に示すように、平常時には、蛇腹ダクト28を縮ませて、ケーブルの余長分を外に出しておく。
【0042】
一方、非常時には、図13に示すように、蛇腹ダクト28を伸ばしてケーブルを覆っていき、蛇腹ダクト28をケーブルごと上方に立ち上げる。そして、カバー本体11の上部において、蛇腹ダクト28又はケーブルを紐などで固定する。
以上より、本実施形態における防水カバー1によれば、非常時に、ATM24から各種ケーブルを分離させる必要がなく、緊急対処時間を削減することができるとともに、復旧作業時にも、ケーブルの再接続が不要となり、復旧時間を短縮することができる。
なお、蛇腹ダクト28を底面部2に設けるとしたが、これに代えて、カバー後部13に設けてもよい。
【0043】
なお、上記第1から第3実施形態においては、機器として、窓口用現金処理機3又はATM24としたが、これらに限ることはなく、適宜変更可能である。例えば、機器として、家具や他のコンピュータなどであってもよい。
また、ガスボンベなどを設置し、防水カバー1の使用時に、ガスボンベから防水カバー1内に不燃性ガスを注入し、カバー内の気圧を高めるようにしてもよい。これにより、耐水性を向上させることができる。この場合、カバー本体11などに、ガスの注入口などを設けてもよいし、カバー内にガスボンベを設置するようにしてもよい。
さらに、ガスボンベだけでなく、底面部6に浸水センサを設置していもよい。この場合、浸水センサに制御部を電気的に接続し、制御部とガスボンベの開閉機構駆動部とを電気的に接続する。このような構成のもと、浸水センサによって浸水が検知されると、その検知信号が制御部に入力される。すると制御部は、開閉機構駆動部を駆動し、ガスボンベを開放する。これにより、ガスボンベから防水カバー1内に不燃性ガスが注入され、カバー内の気圧が高められる。
【0044】
また、図14に示すように、カバー本体11の長辺部に、浸水確認テープ30を貼り付けてもよい。浸水確認テープ30は、水分を吸収すると色が変わるようになっている。これにより、浸水の状態を容易に視認することができる。
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明に係る機器の防水カバーの第1の実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】図1のカバー底部にカバー後部を取り付けた様子を示す説明図である。
【図3】図2のカバー後部を折り畳んだ様子を示す説明図である。
【図4】図3のカバー底部に機器を載置した様子を示す説明図である。
【図5】図4のカバー底部を広げて持ち上げた様子を示す説明図である。
【図6】図5の側面部を、折り返してカバー底部に取り付けた様子を示す説明図である。
【図7】図6のカバー底部及びカバー後部にカバー前部を取り付けて、機器を覆った様子を示す説明図である。
【図8】本発明に係る機器の防水カバーの第2の実施形態を示す分解斜視図である。
【図9】図8のカバー底部及びカバー後部を設置し、カバー底部に機器を載置した様子を示す説明図である。
【図10】図9のカバー底部及びカバー後部にカバー前部を取り付けて、機器を覆った様子を示す説明図である。
【図11】本発明に係る機器の防水カバーの第3の実施形態を示す図であって、底面部を示す斜視図である。
【図12】図11の底面部に機器を設置した様子を示す側面図である。
【図13】図12の底面部にカバー本体を取り付け、保護部材を伸ばしてカバー本体の上部に取り付けた様子を示す側面図である。
【図14】図10の防水カバーに浸水確認テープを設けた様子を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0046】
1 防水カバー
2 カバー底部
3 窓口用現金処理機(機器)
8 防水ジッパー(防水用連結部)
11 カバー本体
12,12´ カバー前部
13,13´ カバー後部
24 ATM(機器)
28 蛇腹ダクト(保護部材)
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種機器を水害などから保護するための機器の防水カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、台風や大雨によって水が建物内に浸水した場合など(非常時)において、窓口用の現金処理装置や壁面設置型のATMなどの各種機器を水害から保護するために種々のカバーが考えられている。
これらカバーの中には、機器全体を包み込める分の面積を有するシート状のカバーを機器の下にあらかじめ敷いておき、非常時には、敷いてあったカバーの前後左右の端部を起こして、機器を包むようにして機器の上方で端部同士を紐止めするものが提案されている。なお、このカバーは、必ずしもあらかじめ敷いておく必要はなく、非常時にのみ、機器の下に敷いて使用することもできる。
【特許文献1】登録実用新案第3009737号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載のカバーのように、所定の面積を有するカバーを機器の下にあらかじめ敷いておくと、店舗内などの美観が損なわれるだけでなく、平常時にカバーの上を人や物が通ることから、カバーに損傷を与えてしまうという問題がある。一方、非常時にのみ、カバーを敷いて使用する場合、以下の問題がある。すなわち、水害から保護すべき機器は一般的に非常に重く(ATMは400kg程度、窓口用の現金処理装置は200kg程度)、また、それら重量のある機器の設置には耐震対策などがなされているため、それら設置された機器の下にカバーを敷いたり、敷かれたカバーを抜いたりすることは極めて困難となる。
【0004】
本発明は、上記従来の事情に鑑みて案出されたものであり、機器周辺の美観に影響を与えることなく、長期にわたって適正に防水効果を発揮させることができ、さらに、非常時に容易かつ迅速に設置することができる機器の防水カバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明に係る機器の防水カバーは、あらかじめ機器が載置され、前記機器の底部と略同一の面積を有するカバー底部と、このカバー底部に着脱可能に取り付けられて、前記機器を覆うカバー本体と、を備えることを特徴とする。
【0006】
この発明に係る機器の防水カバーにおいては、カバー底部の面積が機器の底部と略同一の面積を有することから、カバー底部に機器が載置されると、機器によってカバー底部が隠される。そのため、平常時にあらかじめカバー底部に機器を載置しておいても、カバー底部が露出することはない。
一方、非常時になると、あらかじめ機器が載置された状態のカバー底部にカバー本体が取り付けられ、機器全体が覆われる。
これにより、非常時にもカバー本体を容易かつ迅速に設置することができる。
【0007】
また、本発明に係る機器の防水カバーは、前記カバー底部と前記カバー本体とが、防水用連結部によって着脱可能に取り付けられることを特徴とする。
【0008】
この発明に係る機器の防水カバーにおいては、カバー底部とカバー本体とを取り付けたときの防水効果を向上させることができる。
【0009】
また、本発明に係る機器の防水カバーは、前記カバー本体が、前記機器の前部を覆うカバー前部と、前記機器の後部を覆うカバー後部とを備え、前記カバー前部と前記カバー後部とが、着脱可能に取り付けられることを特徴とする。
【0010】
この発明に係る機器の防水カバーにおいては、カバー前部とカバー後部とに分けられていることから、窓口用現金処理機を前後から挟むようにして覆うことができる。そのため、カバー本体をカバー底部に容易に取り付けることができる。
また、平常時にあらかじめカバー底部にカバー後部を取り付けておいても、少なくともカバー前部を外しておけば、機器を使用することができ、非常時にはカバー前部を取り付けるだけで、機器を容易に覆うことができる。
【0011】
また、本発明に係る機器の防水カバーは、前記カバー前部と前記カバー後部とが、防水用連結部によって着脱可能に取り付けられることを特徴とする。
【0012】
この発明に係る機器の防水カバーにおいては、カバー前部とカバー後部とを取り付けたときの防水効果を向上させることができる。
【0013】
また、本発明に係る機器の防水カバーは、前記カバー後部が、あらかじめ前記カバー底部に取り付けられることを特徴とする。
【0014】
この発明に係る機器の防水カバーにおいては、カバー後部をあらかじめカバー底部に取り付けておき、非常時に、カバー前部をカバー後部及びカバー底部に取り付ける。
これにより、カバー本体をさらに容易かつ迅速に設置することができる。
【0015】
また、本発明に係る機器の防水カバーは、前記カバー後部又は前記カバー底部に、前記機器のケーブルが挿通される伸縮可能な保護部材が設けられていることを特徴とする。
【0016】
この発明に係る機器の防水カバーにおいては、保護部材に機器のケーブルが挿通され、非常時には、保護部材が伸ばされて、ケーブルが保護される。
これにより、機器を確実に保護することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、平常時にあらかじめカバー底部に機器を載置しておいても、カバー底部が露出することを防止することができることから、機器周辺の美観に影響を与えることなく、また、カバー底部を損傷することを防止することができる。そのため、長期にわたって適正に防水効果を発揮させることができる。さらに、カバー底部にあらかじめ機器を載置しておき、非常時にのみカバー本体を取り付けることができることから、非常時に容易かつ迅速にカバー本体を設置することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(実施形態1)
以下、本発明の第1実施形態における機器の防水カバーについて、図面を参照して詳細に説明する。なお、ここでは、窓口用現金処理機(機器)の防水カバーとして説明する。
図1において、符号1は防水カバーを示すものである。
【0019】
防水カバー1は、可撓性防水素材からなるカバー底部2を備えている。可撓性防水素材としたのは、窓口用現金処理機(図4に示す)3の設置工事の際に設置し易くするためである。カバー底部2は、窓口用現金処理機3が載置される矩形状の底面部6を備えている。底面部6は、窓口用現金処理機3の底部と略同一の面積を有している。なお、過重制限のある場合には、底面部6の下或いは上に鉄板を設けるようにする。
【0020】
また、底面部6には、その四辺部から立ち上げられた周壁部7が設けられている。周壁部7の高さ寸法は、美観を考慮すると、短いほど好ましいが、浸水が生じた場合にカバー底部2のみで防水効果を発揮させるには長いほど好ましい。そこで、美観と防水効果とのバランスを考えて、また、機器に(図示しない)通風口を備えている場合は、当該通風口をふさがないよう、適切な高さ寸法に設定される。周壁部7の上端には、矩形状の開口端の全長にわたって防水ジッパー(防水用連結部)8が設けられている。
【0021】
また、カバー底部2には、窓口用現金処理機3を覆うためのカバー本体11が取り付けられるようになっている。カバー本体11は、防水素材からなっている。また、カバー本体11は、窓口用現金処理機3の少なくとも前部を覆うためのカバー前部12と、窓口用現金処理機3の少なくとも後部を覆うためのカバー後部13とを備えている。
カバー前部12は、矩形状の前面部16を備えており、前面部16の一方の短辺部16aには、窓口用現金処理機3の上部を覆うための天面部17が設けられている。これら前面部16と天面部17とは一体的に形成されており、前面部16の一方の短辺部16aを中心として互いに回転可能に形成されている。さらに、カバー前部12の外縁部には、全長にわたって防水ジッパー8が設けられている。
【0022】
また、カバー後部13は、矩形状の後面部20を備えており、その二つの長辺部20bには、窓口用現金処理機3の両側部を覆うための一対の側面部21がそれぞれ設けられている。これら後面部20と一対の側面部21とは一体的に形成されており、後面部20の長辺部20bを中心として互いに回転可能に形成されている。さらに、カバー後部13の外縁部には、全長にわたって防水ジッパー8が設けられている。
【0023】
このような構成のもと、カバー前部12とカバー後部13とは、それぞれの防水ジッパー8を介して、互いに着脱可能に取り付けられるようになっている。すなわち、前面部16の二つの長辺部16bと、側面部21の長辺部21bとが防水ジッパー8によって連結され、天面部17の先端辺17aと、後面部20の上端の短辺部20aとが連結され、さらに、天面部17の側端辺17bと、側面部21の上端の短辺部21aとが連結されるようになっている。
また、カバー本体11は、防水ジッパー8を介して、カバー底部2に着脱可能に取り付けられるようになっている。すなわち、カバー本体11の開口端の各辺が、カバー底部2の開口端の各辺に、防水ジッパー8によって連結されるようになっている。
【0024】
次に、本実施形態における防水カバー1の使用方法について説明する。
なお、床面の所定の位置にカバー底部2が設置されているものとする。カバー底部2は、アンカーボルト工事時に、コーキング処理が施されている。
【0025】
まず、図2に示すように、カバー底部2にカバー後部13を取り付ける。すなわち、窓口用現金処理機3の後方側に配されるカバー底部2の辺部に、防水ジッパー8によって、後面部20の下端の短辺部20aを連結する。
それから、図3に示すように、上記連結した状態で、カバー後部13を折り畳んで、カバー底部2の後方に配しておく。このとき、窓口用現金処理機3の排気口を塞がない位置に配する。
【0026】
そして、図4に示すように、カバー底部2の底面部6上に窓口用現金処理機3を設置する。すなわち、カバー底部2とカバー後部13とは、あらかじめ(平常時に)設置されるものである。窓口用現金処理機3を底面部6上に載置するときには、カバー底部2の防水ジッパー8に保護板を設置し、この保護板上を通して、窓口用現金処理機3を底面部6上に移動させる。これにより、防水ジッパー8の破損が防止される。窓口用現金処理機3が底面部6上に載置されると、底面部6の面積が窓口用現金処理機3の底部の面積と略同一であることから、底面部6が窓口用現金処理機3によって隠された状態となる。同様に、カバー後部13も窓口用現金処理機3の背後に隠された状態となる。台風や大雨などのない平常時には、この状態で、窓口用現金処理機3が使用される。なお、平常時には、カバー前部12をバックヤードなどに保管しておく。
【0027】
一方、非常時には、以下のようにして防水カバー1が設置される。すなわち、図5に示すように、窓口用現金処理機3の背後に配されていたカバー後部13を広げて立ち上げる。それから、図6に示すように、側面部21を手前側に向けて折り返し、側面部21の下端の短辺部21aと、カバー底部2の対応する辺部とを防水ジッパー8によって取り付ける。さらに、図7に示すように、カバー前部12を広げて、逆L字状に配する。それから、カバー前部12をカバー後部13に取り付けるとともに、カバー前部12をカバー底部2に取り付ける。
これにより、窓口用現金処理機3の全面が覆われる。
【0028】
以上より、本実施形態における防水カバー1によれば、カバー底部2の底面部6に窓口用現金処理機3を載置することにより、底面部6を隠すことができ、底面部6の露出を防止することができる。そのため、平常時に、カバー底部2が損傷することを防止することができる。さらに、非常時には、カバー後部13を広げた状態で、カバー前部12をカバー後部13及びカバー底部2に取り付けるだけで、窓口用現金処理機3の全面を迅速かつ容易に覆うことができる。
したがって、平常時においては窓口用現金処理機3周辺の美観に影響を与えることなく、長期にわたって適正に防水効果を発揮させることができ、さらに、非常時には容易かつ迅速に防水カバー1を設置することができる。
【0029】
また、防水ジッパー8によって連結していることから、防水効果を向上させることができる。
また、カバー前部12とカバー後部13とに分けられていることから、窓口用現金処理機3を前後から挟むようにして覆うことができる。そのため、カバー本体11をカバー底部2に容易に取り付けることができる。
さらに、あらかじめ(平常時に)、カバー後部13を折り畳んで、カバー底部2に連結したまま後方に配することにより、カバー後部13を隠すことができ、カバー後部13の損傷を防止することができる。そして、非常時には、カバー後部13を広げるだけで、窓口用現金処理機3の後部や側部を覆うことができるので、カバー本体11をさらに容易かつ迅速に設置することができる。
【0030】
なお、本実施形態においては、カバー前部12に天面部17を設け、カバー後部13に側面部21を設けるとしたが、これに限ることはなく、天面部17や側面部21は、カバー前部12及びカバー後部13のどちらに設けてもよい。例えば、天面部17及び一対の側面部21をカバー前部12に設けることにより、カバー後部13の全体の面積を小さくすることができ、カバー後部13をより小さく折り畳んでおくことができる。
また、天面部17や側面部21は、必ずしもカバー前部12及びカバー後部13のいずれかに設けられていなくてもよい。すなわち、天面部17や側面部21を、カバー前部12及びカバー後部13とは別個の部材とすることもできる。
【0031】
さらに、カバー前部12及びカバー後部13を別部材とすることなく、それらを一体としてカバー本体11を構成してもよい。この場合、窓口用現金処理機3の上方からカバー本体11を被せることにより、防水カバー1を設置することができる。
【0032】
(実施形態2)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図8から図10は、本発明の第2の実施形態を示したものである。
図8から図10において、図1から図7に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
この実施形態と上記第1の実施形態とは基本的構成は同一であり、ここでは異なる点についてのみ説明する。
【0033】
本実施形態におけるカバー本体11は、側面部21の短手方向の途中位置から切り離されたカバー前部12´とカバー後部13´とを備えて構成されている。
カバー前部12´の前面部16には、その上端の短辺部16aと、二つの長辺部16bとに、天面部17F又は側面部21Fが設けられている。
また、カバー後部13´の後面部20には、その上端の短辺部20aと、二つの長辺部20bとに、天面部17R又は側面部21Rが設けられている。
さらに、カバー前部12´及びカバー後部13´の外縁部の全長にわたって、防水ジッパー8が設けられている。
【0034】
このような構成のもと、天面部17Fと天面部17R、及び、側面部21Fと側面部21Rとが一致するように、カバー前部12´とカバー後部13´とが防水ジッパー8を介して取り付けられるようになっている。そして、カバー前部12´とカバー後部13´とが取り付けられると、側面部21Fの短辺部21aと、側面部21Rの短辺部21aとにわたった全長が、カバー底部2の両辺部7aの全長とそれぞれ等しくなるようになっている。
【0035】
次に、本実施形態における防水カバー1の使用方法について説明する。
なお、本実施形態における機器としては、壁面に設置されるATMであるものとして説明する。
【0036】
本実施形態においては、図9に示すように、壁面25にATM(機器)24を設置する際に、カバー底部2とカバー後部13´とを、互いに連結させた状態で、あらかじめ設置するものである。すなわち、床面の所定の位置にカバー底部2を設置し、カバー後部13´を、開放端を手前側に向けて壁面25に設置する。このとき、カバー底部2とカバー後部13´とを防水ジッパー8によって連結しておく。この状態で、ATM24を底面部6に載置して、壁面25に設置する。そして、防水ジッパー8が壁面25の手前側に配されるようにする。
【0037】
これにより、底面部6はATM24によって隠され、カバー後部13は、壁面25内に隠された状態となっている。この状態で、平常時にはATM24が利用される。
一方、非常時には、図10に示すように、カバー後部13´及びカバー底部2にカバー前部12´を防水ジッパー8を介して取り付ける。これにより、ATM24の全面が覆われる。
【0038】
以上より、本実施形態における防水カバー1によれば、実施形態1と同様の効果を奏することができる。
【0039】
(実施形態3)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図11から図13は、本発明の第3の実施形態を示したものである。
図11から図13において、図1から図10に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
この実施形態と上記第1の実施形態とは基本的構成は同一であり、ここでは異なる点についてのみ説明する。
【0040】
本実施形態においては、図11に示すように、底面部6の周壁部7に、ATM24のケーブルが挿通される蛇腹ダクト(保護部材)28が設けられている。蛇腹ダクト28は、その長さ方向に伸縮可能に構成されている。
【0041】
このような構成のもと、底面部6にATM24が設置されて、ATM24に接続されたケーブルが蛇腹ダクト28に挿通される。このとき、各種ケーブルの長さ寸法を大きく設定しておく。すなわち、ケーブルに余長を持たせておく。そして、図12に示すように、平常時には、蛇腹ダクト28を縮ませて、ケーブルの余長分を外に出しておく。
【0042】
一方、非常時には、図13に示すように、蛇腹ダクト28を伸ばしてケーブルを覆っていき、蛇腹ダクト28をケーブルごと上方に立ち上げる。そして、カバー本体11の上部において、蛇腹ダクト28又はケーブルを紐などで固定する。
以上より、本実施形態における防水カバー1によれば、非常時に、ATM24から各種ケーブルを分離させる必要がなく、緊急対処時間を削減することができるとともに、復旧作業時にも、ケーブルの再接続が不要となり、復旧時間を短縮することができる。
なお、蛇腹ダクト28を底面部2に設けるとしたが、これに代えて、カバー後部13に設けてもよい。
【0043】
なお、上記第1から第3実施形態においては、機器として、窓口用現金処理機3又はATM24としたが、これらに限ることはなく、適宜変更可能である。例えば、機器として、家具や他のコンピュータなどであってもよい。
また、ガスボンベなどを設置し、防水カバー1の使用時に、ガスボンベから防水カバー1内に不燃性ガスを注入し、カバー内の気圧を高めるようにしてもよい。これにより、耐水性を向上させることができる。この場合、カバー本体11などに、ガスの注入口などを設けてもよいし、カバー内にガスボンベを設置するようにしてもよい。
さらに、ガスボンベだけでなく、底面部6に浸水センサを設置していもよい。この場合、浸水センサに制御部を電気的に接続し、制御部とガスボンベの開閉機構駆動部とを電気的に接続する。このような構成のもと、浸水センサによって浸水が検知されると、その検知信号が制御部に入力される。すると制御部は、開閉機構駆動部を駆動し、ガスボンベを開放する。これにより、ガスボンベから防水カバー1内に不燃性ガスが注入され、カバー内の気圧が高められる。
【0044】
また、図14に示すように、カバー本体11の長辺部に、浸水確認テープ30を貼り付けてもよい。浸水確認テープ30は、水分を吸収すると色が変わるようになっている。これにより、浸水の状態を容易に視認することができる。
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明に係る機器の防水カバーの第1の実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】図1のカバー底部にカバー後部を取り付けた様子を示す説明図である。
【図3】図2のカバー後部を折り畳んだ様子を示す説明図である。
【図4】図3のカバー底部に機器を載置した様子を示す説明図である。
【図5】図4のカバー底部を広げて持ち上げた様子を示す説明図である。
【図6】図5の側面部を、折り返してカバー底部に取り付けた様子を示す説明図である。
【図7】図6のカバー底部及びカバー後部にカバー前部を取り付けて、機器を覆った様子を示す説明図である。
【図8】本発明に係る機器の防水カバーの第2の実施形態を示す分解斜視図である。
【図9】図8のカバー底部及びカバー後部を設置し、カバー底部に機器を載置した様子を示す説明図である。
【図10】図9のカバー底部及びカバー後部にカバー前部を取り付けて、機器を覆った様子を示す説明図である。
【図11】本発明に係る機器の防水カバーの第3の実施形態を示す図であって、底面部を示す斜視図である。
【図12】図11の底面部に機器を設置した様子を示す側面図である。
【図13】図12の底面部にカバー本体を取り付け、保護部材を伸ばしてカバー本体の上部に取り付けた様子を示す側面図である。
【図14】図10の防水カバーに浸水確認テープを設けた様子を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0046】
1 防水カバー
2 カバー底部
3 窓口用現金処理機(機器)
8 防水ジッパー(防水用連結部)
11 カバー本体
12,12´ カバー前部
13,13´ カバー後部
24 ATM(機器)
28 蛇腹ダクト(保護部材)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
あらかじめ機器が載置され、前記機器の底部と略同一の面積を有するカバー底部と、
このカバー底部に着脱可能に取り付けられて、前記機器を覆うカバー本体と、を備えることを特徴とする機器の防水カバー。
【請求項2】
前記カバー底部と前記カバー本体とが、防水用連結部によって着脱可能に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の機器の防水カバー。
【請求項3】
前記カバー本体が、前記機器の前部を覆うカバー前部と、前記機器の後部を覆うカバー後部とを備え、
前記カバー前部と前記カバー後部とが、着脱可能に取り付けられることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の機器の防水カバー。
【請求項4】
前記カバー前部と前記カバー後部とが、防水用連結部によって着脱可能に取り付けられることを特徴とする請求項3に記載の機器の防水カバー。
【請求項5】
前記カバー後部が、あらかじめ前記カバー底部に取り付けられることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の機器の防水カバー。
【請求項6】
前記カバー後部又は前記カバー底部に、前記機器のケーブルが挿通される伸縮可能な保護部材が設けられていることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の機器の防水カバー。
【請求項1】
あらかじめ機器が載置され、前記機器の底部と略同一の面積を有するカバー底部と、
このカバー底部に着脱可能に取り付けられて、前記機器を覆うカバー本体と、を備えることを特徴とする機器の防水カバー。
【請求項2】
前記カバー底部と前記カバー本体とが、防水用連結部によって着脱可能に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の機器の防水カバー。
【請求項3】
前記カバー本体が、前記機器の前部を覆うカバー前部と、前記機器の後部を覆うカバー後部とを備え、
前記カバー前部と前記カバー後部とが、着脱可能に取り付けられることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の機器の防水カバー。
【請求項4】
前記カバー前部と前記カバー後部とが、防水用連結部によって着脱可能に取り付けられることを特徴とする請求項3に記載の機器の防水カバー。
【請求項5】
前記カバー後部が、あらかじめ前記カバー底部に取り付けられることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の機器の防水カバー。
【請求項6】
前記カバー後部又は前記カバー底部に、前記機器のケーブルが挿通される伸縮可能な保護部材が設けられていることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の機器の防水カバー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−217032(P2007−217032A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−40910(P2006−40910)
【出願日】平成18年2月17日(2006.2.17)
【出願人】(000102728)株式会社エヌ・ティ・ティ・データ (438)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月17日(2006.2.17)
【出願人】(000102728)株式会社エヌ・ティ・ティ・データ (438)
【Fターム(参考)】
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