説明

機器・装置用図記号検索用プログラム

【課題】より容易に機器・装置の図記号を検索することのできる機器・装置用図記号検索用プログラムを提供すること。
【解決手段】コンピュータに、手書入力モジュールを表示させる手段、手書入力モジュールに図形データを表示させる手段、手書入力モジュールに表示された図形データに基づき図記号データを抽出する手段、抽出した図記号データを表示させる手段、として機能させる機器・装置用図記号検索用プログラムとする。なおこの場合において、図記号データは、IEC60417の図記号データであることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器・装置用図記号検索用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
機器や装置における国際的な規格・基準の整合は、国際貿易活性化に対する障害を除去、低減するために極めて有用なものである。この規格・基準の整合のため、現在、IEC(International Electrotechnical Communication)規格や、ISO(International Organization for Standardization)規格といった規格が検討、採用されてきている。
【0003】
しかしながら、近年の技術の複雑化に伴い機器や装置の図記号も多種多様となってきており、これらのうち所望の機器、装置の図記号を即時に抽出することは困難であるといった課題がある。
【0004】
なお、コンピュータを用いた記号検索用プログラムの例として、例えば、下記特許文献1には、家紋記号を手書で認識するためのプログラムが開示されている。
【特許文献1】特開平10−198699号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載のプログラムであっても、機器・装置用図記号検索については検討がなされていない。機器や装置は、特徴的な機能を有するものが多いため、機能等のカテゴリーで分類するのが一般的である一方、分かりやすさから図記号の簡便・単純化が図られているため、図記号の形状からカテゴリーや機器・装置の類推、抽出が困難であるといった課題がある。
【0006】
そこで、本発明は、上記課題を鑑み、より容易に機器・装置の図記号を検索することのできる機器・装置用図記号検索用プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための第一の手段として、本発明の一観点に係る機器・装置用図記号検索用プログラムは、コンピュータに、手書入力モジュールを表示させる手段、手書入力モジュールに手書入力した図形データを表示させる手段、手書入力モジュールに表示された手書入力した図形データに基づき図記号データを抽出する手段、抽出した図記号データを表示させる手段、として機能させる。
【0008】
なおこの観点において、限定されるわけではないが、図記号データは、IEC60417の図記号データであることが好ましい。
【0009】
また、この観点において、限定されるわけではないが、一画入力毎に前記手書入力モジュールに表示された手書入力した図形データに基づき図記号データを抽出し、抽出した図記号データを表示させることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
以上、本発明によって、より容易に機器・装置の図記号を検索することのできる機器・装置用図記号検索用プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。ただし、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に示す実施形態に限定されるものではない。
【0012】
図1は、本実施形態に係る機器・装置用図記号検索処理(以下「本処理」という。)のフローを示す図である。本図で示すように、本処理は、手書入力モジュールを表示させ(S1)、手書入力モジュールに手書入力した図形データを表示させ(S2)、手書入力モジュールに表示された手書入力した図形データに基づき図記号データを抽出し(S3)、抽出した図記号データを表示させる(S4)。
【0013】
本処理は、実現できる限りにおいて限定されず、種々の方法により実現することができるが、図2で示すような表示装置及び情報処理装置を含む機器・装置用図形記号検索装置により実現することができる。図2は、本実施形態に係る機器・装置用図形記号検索装置(以下「本装置」という。)の構成概略図である。本図で示すように、本装置1は、表示装置2と、情報処理装置3と、を少なくとも有して構成されている。
【0014】
本装置1において表示装置2は、情報処理装置3と接続され、情報処理装置3の処理の結果を表示するための装置であり、限定されるわけではないが、例えば液晶表示装置やCRT(Cathode Ray Tube)表示装置を採用することができる。
【0015】
本装置において情報処理装置3は、入力された情報に対して計算処理を行い一定の結果を出力することのできる装置であって、限定されるわけではないがいわゆるコンピュータを採用することができる。より具体的には、CPU3111等の演算装置及びRAM3121やハードディスク装置3122といったデータを記録する記録部312を有する本体部31と、キーボード321やマウス322、タブレット等のポインティングデバイスといった入力を可能とする入力部32と、を有して構成されている。なお、ハードディスク3122には、基本プログラム(OS)や本処理を行うためのプログラムが格納されており、本処理を行おうとする者(以下「ユーザー」という。)は、入力部32を操作することで本処理を行うためのプログラムを実行し、本処理を開始することができる。つまり本実施形態に係る機器・装置用図記号検索用プログラム(以下「本プログラム」という。)は、コンピュータに、手書入力モジュールを表示させる手段、手書入力モジュールに手書入力した図形データを表示させる手段、手書入力モジュールに表示された手書入力した図形データに基づき図記号データを抽出する手段、抽出した図記号データを表示させる手段、として機能させる。
【0016】
ここで、本処理の詳細につき具体的に説明する。まず、ユーザーは、本プログラムを実行し、手書入力モジュールを表示させる(S1)。具体的には、表示装置2の表示画面に例えば図3で示すような手書入力モジュールMを表示させる。なお本実施形態において、限定されるわけではないが、操作の容易性の観点から、手書入力モジュールMは、ウェブブラウザを実行し、ブラウザのウインドウWを表示させ、その中に表示されるようにすることが好ましい一例である。
【0017】
次に、ユーザーは、この表示された手書入力モジュールMに手書入力した図形データを表示させる(S2)。具体的に説明すると、上記図3で示されるように、手書入力モジュールMには、手書入力した図形データを表示させるための表示領域MR1、手書入力した図形データを消去するクリアボタンMB1、抽出結果を表示させるための抽出結果表示領域MR2、が設けられており、ユーザーは、例えば手書入力モジュールM上に表示されるポインタP1を操作し、表示領域MR1に検索したい図記号の所望の一部分を図形データFDとして書き込み、表示させる。一方で、検索をやり直したい場合等はクリアボタンMB1をクリックして手書入力した図形データを消去する。
【0018】
そして、手書入力モジュールに、ユーザーから手書入力した図形データFDが入力されると、この手書入力した図形データFDに基づき図記号データが抽出される(S3)。具体的には、手書入力モジュールM上に表示された図形データFDに基づき図記号データが抽出される。なお本装置において、図記号データ(図記号データのデータベース)は、本プログラムとは別に又は本プログラムの一部としてハードディスク3122に格納されており、手書入力された図形データとこの図記号データとを対比比較することでユーザーが所望とすると思われる図記号データを抽出する。なおこの観点において、図記号データは、国際的な電気電子分野、例えばIEC60417の図記号データであること、又はISO7000のものであることが好ましい。また、IEC60417等の国際的な規格・基準については、頻繁な変更、更新がなされる場合も多いため、正確性や迅速性確保の観点から、図記号データのデータベースとしては本装置におけるハードディスクの一領域ではなく、例えばHTTP等のプロトコルでネットワークを経由して図記号データを本装置に転送して利用する形態もより好ましい一形態である。
【0019】
ここで、図記号データの抽出の処理としては、限定されるわけではないが、手書文字認識処理を用いることで対応が可能であり、例えばTomoe(Tegaki Online MOji−ninshiki Engine)のような文字認識処理を用いることが好適である。ただし、本実施形態における手書文字認識処理においては、図記号データの要素において要素の書き順や画数の限定を外しておくことはより広範な検索を行なう上で有用である。
【0020】
そして、抽出した図記号データを表示させる(S4)。具体的には、上記抽出した図記号データを抽出結果表示領域MR2に一覧として表示する。なお、この際、一画入力毎に前記手書入力モジュールに表示された手書入力した図形データに基づき図記号データを抽出し、抽出した図記号データを表示させることは好ましい。このようにすることで一画入力していく毎に抽出の範囲を徐々に狭めていくことができ、検索の制度を高めていくことができる点において好ましい。なお抽出した図記号データは、図3で示すように、図記号データのうち画像データを一覧表示とすることが有用であり、かつその横に図記号データのうちの番号データを表示しておくことも有用である。
【0021】
この結果、ユーザーは、抽出結果表示領域MR2に表示された図記号データのうち、自己が参照することを希望した図記号データを選択し、その図記号データの意味・内容・詳細を別途表示させ、その意味等を知ることができる。
【0022】
以上、本実施形態に係るによると、より容易に機器・装置の図記号より好ましくはIEC60417又はISO7000の図記号を参照することが可能な機器・装置用図記号検索用プログラムを提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明は、機器・装置用図記号検索用プログラム、更にはこれを記録し、実行することのできる機器・装置用図記号検索装置として産業上の利用可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本処理のフローを示す図である。
【図2】本装置の概略図である。
【図3】本処理において表示される手書入力モジュールの例を示す図である。
【符号の説明】
【0025】
1…機器・装置用図記号検索装置、2…表示装置、3…情報処理装置、31…本体部、32…入力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
手書入力モジュールを表示させる手段、
前記手書入力モジュールに手書入力した図形データを表示させる手段、
前記手書入力モジュールに表示された前記手書入力した図形データに基づき図記号データを抽出する手段、
抽出した前記図記号データを表示させる手段、として機能させる機器・装置用図記号検索用プログラム。
【請求項2】
前記図記号データは、IEC60417の図記号データである請求項1記載の機器・装置用図記号検索用プログラム。
【請求項3】
一画入力毎に前記手書入力モジュールに表示された前記手書入力した図形データに基づき図記号データを抽出し、抽出した前記図記号データを表示させる、請求項1記載の機器・装置用図記号検索用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−92230(P2010−92230A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−260952(P2008−260952)
【出願日】平成20年10月7日(2008.10.7)
【出願人】(304021831)国立大学法人 千葉大学 (601)
【Fターム(参考)】