説明

機器情報管理システム

【課題】自動取引装置の情報管理システムを利用して、任意の様々な機器の情報を容易に利用可能な形式で収集し蓄積する。
【解決手段】 機種毎に任意のデータ処理構造を持つ複数の自動取引装置12から、予め指定された共通する形式のデータ構造の管理データ20収集する。前記自動取引装置以外の機器も、自動取引装置と区別することなく同様の形式の管理データを収集する。各管理データは、管理対象を区別する識別情報21を含む。管理データ20は、管理サーバの情報記憶装置30に一括して記憶される。機器管理手段46は、識別情報21によって情報記憶装置30から機器の情報を読み出し、機器データ37に変換して、機器データ記憶装置38に記憶区させる。これを、機器管理ユーザ端末44に閲覧させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、様々な機器の情報を容易に利用可能な形式で収集し蓄積することができる機器情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
金融機関の本支店や営業所等の各所に設置された自動取引装置(ATM)を集中管理するために、各自動取引装置による取引の記録(ジャーナル)や自動取引装置の状態情報を、ネットワークを通じて収集し監視するシステムがある。収集された情報は所定の形式でサーバ用コンピュータの記憶装置に蓄積され、管理者等の閲覧に供される(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−251564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
既知の従来の技術には、次のような解決すべき課題があった。
金融機関には、自動取引装置の他にも、両替機や通帳記帳機、ロビー入金機、監視カメラ等、様々な顧客対応機器が設置されている。自動取引装置以外の機器は、金融機関の各店舗毎にそれぞれ、適切な管理がなされている。しかしながら、自動取引装置以外の機器の管理にも相応の手数がかかる。また、例えば、振り込め詐欺等の金融犯罪の捜査資料の収集と保管体制の強化の要求もある。
上記の課題を解決するために、本発明は、自動取引装置の情報管理システムを利用して、任意の様々な機器の情報を容易に利用可能な形式で収集し蓄積することができる機器情報管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下の構成はそれぞれ上記の課題を解決するための手段である。
〈構成1〉
機種毎に任意のデータ処理構造を持つ複数の自動取引装置から、データ形式変換手段を介して、予め指定された共通する形式のデータ構造の管理データであって、前記各自動取引装置を区別する識別情報を含むものを収集する情報収集手段と、前記情報収集手段が収集した管理データを記憶して蓄積する情報記憶装置とを備え、前記情報収集手段は、前記自動取引装置以外の機器から、各機器固有のデータ形式変換手段を介して、前記自動取引装置のために予め指定された共通する形式のデータ構造の管理データであって、前記各自動取引装置と前記機器とを区別する識別情報を含むものを収集して、前記情報記憶装置に蓄積し、前記情報記憶装置から、前記管理データを読み出して、前記識別情報を使用して、前記各自動取引装置毎の管理データを抽出する自動取引装置管理手段と、予め設定したタイミングで、前記情報記憶装置から、前記識別情報を使用して、前記機器の前記管理データを読み出して、各機器固有の形式の機器データに変換して機器データ記憶装置に記憶させ、機器管理ユーザ端末に対して、前記機器データを送信する、機器管理手段とを備えたことを特徴とする機器情報管理システム。
【0006】
〈構成2〉
構成1に記載の機器情報管理システムにおいて、前記各機器側には、当該機器を特定する識別情報と当該機器の内部情報とこの内部情報の収集時刻を示すデータ収集時刻情報とを、前記予め指定された共通する形式のデータ構造の管理データに変換して、前記機器の内部に設けた転送用記憶領域に記憶させるデータ形式変換手段が設けられていることを特徴とする機器情報管理システム。
【0007】
〈構成3〉
構成2に記載の機器情報管理システムにおいて、機器側には、複数の機器のデータを収集する機器管理ローカル端末が設けられており、この機器管理ローカル端末に、収集したデータを前記共通する形式の管理データに変換するデータ形式変換手段が設けられていることを特徴とする機器情報管理システム。
【0008】
〈構成4〉
構成1乃至3のいずれかに記載の機器情報管理システムにおいて、前記管理データは、自動取引装置の出力するイメージデータファイル及びテキストデータファイルを含むことを特徴とする機器情報管理システム。
【0009】
〈構成5〉
コンピュータを、機種毎に任意のデータ処理構造を持つ複数の自動取引装置から、データ形式変換手段を介して、予め指定された共通する形式のデータ構造の管理データであって、前記各自動取引装置を区別する識別情報を含むものを収集する情報収集手段と、前記情報収集手段が収集した管理データを記憶して蓄積する情報記憶装置とを備え、前記情報収集手段は、前記自動取引装置以外の機器から、各機器固有のデータ形式変換手段を介して、前記自動取引装置のために予め指定された共通する形式のデータ構造の管理データであって、前記各自動取引装置と前記機器とを区別する識別情報を含むものを収集して、前記情報記憶装置に蓄積し、前記情報記憶装置から、前記管理データを読み出して、前記識別情報を使用して、前記各自動取引装置毎の管理データを抽出する自動取引装置管理手段と、予め設定したタイミングで、前記情報記憶装置から、前記識別情報を使用して、前記機器の前記管理データを読み出して、各機器固有の形式の機器データに変換して機器データ記憶装置に記憶させ、機器管理ユーザ端末に対して、前記機器データを送信する、機器管理手段として機能させる機器情報管理プログラム。
【0010】
〈構成6〉
構成5に記載の機器情報管理プログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【発明の効果】
【0011】
〈構成1の効果〉
機種毎に任意のデータ処理構造を持つ複数の自動取引装置を接続できるシステムを利用して自動取引装置以外の機器の出力データを収集できる。このシステムは、各自動取引装置から、データ形式変換手段を介して、予め指定された共通する形式のデータ構造の管理データを取得し、記憶装置に蓄積する機能を持つ。この機能を利用して、自動取引装置以外の機器を自動取引装置の一機種とみなして、各機器の出力データを収集することができる。
〈構成2の効果〉
機器側に、データ形式変換手段が設けられて、機器データに必要なデータ収集時刻情報等が付加されてから、管理データを管理サーバに転送することができる。
〈構成3の効果〉
機器管理ローカル端末が、複数の機器の管理データを収集して、データ形式変換をした後に、情報収集手段に渡すことができる。
〈構成4の効果〉
既存の自動取引装置の管理用データファイルはイメージデータファイル及びテキストデータファイルの2種類の形式を含むので、これを利用して、各種の機器の出力データを、自動取引装置用の管理データと同形式にして収集することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例1の機器情報管理システムを示すブロック図である。
【図2】機器情報管理システムの動作シーケンスチャートである。
【図3】実施例2の情報収集手段の動作フローチャートである。
【図4】機器管理コンピュータの動作フローチャートである。
【図5】機器管理手段の動作フローチャートである。
【図6】ユーザ認証処理手段の動作フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のシステムは、自動取引装置の情報管理システムを利用して、自動取引装置以外の機器の情報を収集し管理する。この自動取引装置の情報管理システムは、機種毎に任意のデータ処理構造を持つ複数の自動取引装置を混在させて、それらの情報を収集する機能を持つ。各自動取引装置の出力データは、それぞれデータ形式変換手段を用いて、予め指定された共通する形式のデータ構造の管理データに変換される。
【0014】
例えば、金融機関に、複数のメーカーの自動取引装置を混在させた自動機コーナーがあるとする。各メーカーのデータ構造が全て開示されていれば、これらの情報を収集する情報収集装置側に、自動取引装置毎のデータ形式変換プログラムをインストールしておくとよい。また、データ仕様が開示されていない自動取引装置については、その自動取引装置の内部に、データ形式変換プログラムを組み込んでもらう。
【0015】
管理データには、各自動取引装置を区別する識別情報を含めておく。その管理データを情報記憶装置に記憶して蓄積する。その後は、自動取引装置管理用のプログラムが、情報記憶装置から管理データを読み出して、識別情報を使用して、各自動取引装置毎の管理データを生成し、金融機関等に送信する。
【0016】
こうすれば、情報記憶装置へ管理データを収集した後は、使用されている自動取引装置の機種に関係なく、共通のプログラムでデータの解析処理等ができる。金融機関に対しては、要求された一定の形式の入出金管理データを送信できる。また、機器の状態を監視する監視センターにも、要求された一定の形式の監視用データを送信できる。
【0017】
自動機コーナー等には、自動取引装置の他に、様々な機器が設置されている。例えば、防犯用の監視カメラ等もその一つである。このシステムでは、自動取引装置以外の機器を、管理対象の自動取引装置の一機種として取り扱う。即ち、機器毎に、機器固有のデータ形式変換手段を介して、機器の出力データを管理データに変換する。この管理データは、自動取引装置のために予め指定された共通する形式のデータ構造の管理データである。この管理データには、各自動取引装置と機器とを区別する識別情報を含める。識別情報も各自動取引装置相互を区別するものと全く同一の形式とすればよい。
【0018】
その結果、機器から収集された管理データは、外見上は自動取引装置から収集された管理データと全く同一の形式のデータになり、自動取引装置に対する場合と全く同様の処理で、情報記憶装置に記憶して蓄積することができる。例えば、自動取引装置の入出金管理データは、ジャーナル等の印刷データをイメージデータ形式のデータファイルにして保管する。一方、一般の取引データはテキストデータ形式のデータファイルとして保管する。
【0019】
従って、機器の出力データも、イメージデータ形式のデータファイルまたはテキストデータ形式のデータファイルのいずれか一方あるいは両方の形式に変換されて、管理データとする。その後、機器管理プログラムを起動させて、情報記憶装置から、機器の管理データを読み出して、機器データ記憶装置に記憶させる。機器データ記憶装置を情報記憶装置とは別に設ければ、情報記憶装置のセキュリティを高くし、目的外の使用を拒絶できる。
【0020】
管理データを機器データ記憶装置に記憶させるときに、機器管理プログラムは、機器の管理データを機器固有の形式の機器データに変換する。機器の当初の出力データと同一の形式に戻してもよいし、機器の状態を監視する側の要求する適当な形式のデータ形式に変換してもよい。
【0021】
上記の機器の出力データには、例えば、監視カメラの場合に、撮影画像データと、撮影時刻やカメラの識別記号、撮影条件等のデータが含まれる。撮影画像データはイメージデータ形式のデータファイルにされる。また、撮影時刻や撮影条件等のデータはテキストデータ形式のデータファイルにされる。カメラの識別記号は自動取引装置と機器とを区別する識別情報にされる。
【0022】
上記の機器の管理データには、上記の機器の出力データに加えて、データ形式逆変換用の情報を含めることもできる。機器データ変換プログラムはこのデータ形式逆変換用の情報を参照して、機器データを生成するとよい。この変換処理のタイミングは、機器監視側の要求に応じて予め設定しておくとよい。例えば、数秒置きとか数分置きとかに設定される。
【0023】
機器データ記憶装置に記憶された機器データは、機器管理ユーザ端末からの要求により、あるいは、自動的に定期的に、機器管理ユーザ端末に対して送信される。この処理は、機器管理プログラムにより実行される。以下、本発明の実施の形態を実施例毎に詳細に説明する。
【実施例1】
【0024】
図1は実施例1の機器情報管理システム10を示すブロック図である。
図の機器情報管理システム10は、ネットワーク16に接続された自動取引装置12から管理サーバ18が管理データ20を取得して管理するように構成されている。
【0025】
図のネットワーク16には、自動取引装置12の他に、自動取引装置以外の機器14が接続されている。このシステムは自動取引装置以外の任意の様々な機器の情報を収集することができるが、ここでは、防犯カメラとその録画装置等を備えた機器の情報を収集する例を説明する。なお、自動取引装置12から収集された管理データ20は、自動取引装置12を管理する金融機関の端末装置22や保守管理サービス用の監視端末装置23に送信される。自動取引装置以外の機器14から取得された情報は、例えば、機器管理ユーザ端末44に送信されて利用される。
【0026】
管理サーバ18の内部には、演算処理装置24と情報記憶装置30と機器データ記憶装置38が設けられている。演算処理装置24中に記入された各手段は、それぞれ管理サーバ18上で動作するコンピュータプログラムである。より正確には、各プログラムモジュールにより演算処理機能が付与されて動作するコンピュータ内部の機能ブロックである。
【0027】
情報収集手段26は、各自動取引装置12から管理データ20を収集する機能を持つ。ネットワーク16に接続された各自動取引装置12は、機種毎に任意のデータ処理構造を持つことができる。即ち、全て単一の機種でなくてもよい。そのために、各自動取引装置12の出力信号を、データ形式変換手段42を介して管理データ20を収集する。図の例では、データ形式変換手段42が管理サーバ8側に設けられている。しかしながら、各自動取引装置12にデータ形式変換手段42が設けられていてもよい。
【0028】
管理データ20は、予め指定された共通する形式のデータ構造とする。従って、データ形式変換手段42は、各自動取引装置の固有の出力データを上記の共通形式の管理データに変換する機能を持つ。図のように、データ形式変換手段42を管理サーバ側に設けたときには、自動取引装置の機種の数だけ、データ形式変換プログラムを準備していて、そのいずれかを選択して起動するようにするとよい。なお、管理データ20には、各自動取引装置を区別する識別情報21が含まれているものとする。
【0029】
ユーザ認証処理手段32は、情報記憶装置30に記憶された情報について、利用権限の有無を判断してアクセスを許可する機能を持つ。自動取引装置12を管理する金融機関の端末装置22や監視端末装置23からのアクセス要求に対して、既知の認証処理をする。さらに、自動取引装置以外の機器14から取得された情報であって、機器データ記憶装置38に記憶された機器データ37へのアクセス要求に対して、機器管理ユーザ端末44と通信を行い、認証処理をする。
【0030】
管理データ20は、自動取引装置12の取引業務の遂行履歴や取引装置の状態情報等を含む。取引装置の状態情報は、装置各部の動作と機能を表示するデータや、金庫の有高管理データや、通信記録(ログデータ)である。これらのデータは、例えば、テキスト形式のデータファイルとして情報記憶装置30に記憶される。管理データ20には、預貯金の入出金取引金額を印刷して顧客に発行するレシートのイメージを読み取ったデータも含まれる。このデータは、画像データファイルとして情報記憶装置30に記憶される。
【0031】
情報収集手段26は、情報収集のタイミングと、情報収集先とを指定する機能を持つ。このシステムでは、情報収集手段26は、自動取引装置12と、自動取引装置以外の機器14とを区別することなく、それぞれ機種の異なる自動取引装置であるかのようにして情報収集処理を実行する。即ち、情報収集手段26は、予め設定したタイミングで全ての自動取引装置からの管理データを取得する。
【0032】
なお、全ての自動取引装置から一定時間毎に周期的に情報収集をしてもよいし、イベントが発生して管理データ20の収集要求があった自動取引装置から不定期に情報収集をしてもよい。収集された管理データ20は、全て一定の形式で情報記憶装置30に記憶される。
【0033】
機器管理手段46は、情報記憶装置30に記憶された管理データの中から、自動取引装置以外の機器から収集したものを読み出して、各機器固有のデータ形式に変換して、機器データ記憶装置38に記憶させる機能を持つ。機器データ37は、機器管理ユーザ端末44に対して所定のタイミングで一括送信してもよいし、機器管理ユーザ端末44から閲覧をして、機器管理ユーザ端末44側にダウンロードできるようにしてもよい。そのときは、ユーザ認証処理手段32が、認証処理を実行することは、既に説明した。
【0034】
自動取引装置以外の機器14には、それぞれ各機器を制御する機器管理ローカル端末34が設けられている。その演算処理装置35には、機器管理手段48とデータ収集手段50とデータ形式変換手段62とが設けられている。データ収集手段50は、機器管理手段48の指定したタイミングで、機器の内部情報を収集する機能を持つ。データ形式変換手段62は、収集されたデータを、自動取引装置12用として予め指定された共通する形式のデータ構造の管理データに変換する機能を持つ。変換後のデータは、転送用記憶領域60に記憶される。
【0035】
例えば、この例では、転送用記憶領域60に記憶された管理データには、カメラシステムの状態情報72、カメラシステムの動作履歴74、撮影画像データ76等が含まれる。データ形式変換手段62は、これらの情報に、さらに、当該機器を他の自動取引装置と区別する識別情報54とデータの収集時刻を示すデータ収集時刻情報56とを付加する。図の例のような監視カメラ装置では、収集時刻情報56が重要なため、これを収集するが、機器毎に固有の主要な情報があれば、それを収集するとよい。
【0036】
こうした機器データを無条件でサーバに転送しそのまま蓄積することもできるが、それぞれ独自のデータ転送システムやデータ管理システム及びユーザインタフェースを新設しなければならない。そこで、本発明では、自動取引装置12の情報管理システムをそのまま利用して機器データ記憶装置38に集めるので、システム構築のためのコストを最小限にできる。また、収集する管理データを共通形式化することにより、きわめて多種の機器の情報収集処理を一本化できる。
【0037】
例えば、上記の機器管理ローカル端末34は、例えば、営業店内部の閉鎖されたネットワーク内で、多数の機器からデータを収集する。そのとき、データを共通形式の管理データに変換しておけば、その後セキュリティの高いシステムにより、営業店外部にある自動取引装置を管理する管理サーバに転送される。監視カメラその他の多数の機器を設置したときに、見かけ上、自動取引装置が一台追加されたかのようにして、これらの機器の情報を収集できる。さらに、管理サーバに集められた管理データが、機器のものだけ抽出されて、機器データ記憶装置に蓄積されるので、自動取引装置の管理データと隔離されて、自動取引装置側のデータの安全も確保できる。
【実施例2】
【0038】
図2は、機器情報管理システム10の動作シーケンスチャートである。
以下、このシーケンスチャートと、プログラムのフローチャートを使用して、コンピュータプログラムの実施例を説明する。図2に示すように、情報収集手段26は、自動取引装置12の情報の収集を行う。即ち、管理サーバ18からタイミングT1で、自動取引装置12に対して情報転送要求があり、タイミングT2でデータ形式の変換処理がされる。この例では、各自動取引装置側で、それぞれ自己の機種に応じた共通形式へのデータ形式の変換がされる。タイミングT3で、自動取引装置12から管理サーバ18に装置の情報が転送される。
【0039】
これは、例えば、情報収集手段26が、自動取引装置12の所定の記憶領域から管理データを読み取るといった方法で実現される。タイミングT4で、管理サーバ18では、情報記憶装置30に対して収集した管理データ20が記憶される。
【0040】
一方、自動取引装置以外の機器14については、タイミングT5で、予め機器の内部のデータ収集処理が行われる。続いて、タイミングT5で、そのデータ形式を自動取引装置式に変換して、転送用記憶領域60に記憶する。タイミングT6で管理サーバ18から情報の転送要求がある。タイミングT6でデータ形式変換処理が行なわれ、変換後の管理データが転送用記憶装置60に記憶される。
【0041】
タイミングT7で管理サーバ18からデータ転送要求があると、タイミングT8でその管理データが管理サーバ18に転送される。タイミングT9で、転送された管理データが情報記憶装置30に記憶される。ここまでは、自動取引装置12も自動取引装置以外の機器14も全く区別無く管理データの蓄積がされる。
【0042】
次に、タイミングT10で、機器管理手段46が起動する。これにより、情報記憶装置30に記憶された管理データ20が形式変換されて、機器データ記憶装置38に記憶される。その後は、情報記憶装置30に記憶された管理データ20が金融機関の端末装置22や監視端末装置23に送信される。また、機器データ記憶装置38に記憶された機器データは、自動取引装置以外の機器14を管理するシステム保守管理ベンダーに送信される。さらに、要求があったときには、蓄積したデータの中から、犯罪捜査用のデータを抽出して、捜査当局へ転送する。これらの処理は、別途、業務管理担当者等の監督指示により実行されるとよい。
【0043】
図3は情報収集手段26の動作フローチャートである。
管理サーバ18の情報収集手段26は、まず、ステップS11で、予め設定した収集スケジュールのチェックをする。例えば、1時間に1回、全ての自動取引装置の情報を収集するといったスケジュールである。ステップS12では、自動取引装置の選択をする。ステップS13では、ネットワーク16に接続をする。ステップS14で、該当する装置の転送用記憶領域をアクセスする。
【0044】
ステップS15でその情報(管理データ)を取得する。取得した情報は、情報記憶装置30に記憶する。なお、自動取引装置の機種毎に情報収集タイミングが相違してよい。従って、ステップS17で、いずれかの自動取引装置の、情報収集を要求する割り込みを受け付けてよい。割り込みかあれば、ステップS12に戻る。また、ステップS18では、スケジュールどおり選択をする自動取引装置の有無を判断して、別の装置を選択するのであれば、ステップS11に戻る。ひととおりの情報収集が終了したときは、ステップS18を経て処理を終了する。
【0045】
図4は機器管理ローカル端末の動作フローチャートである。
機器14側では、ステップS31で、データ収集手段50が、データ収集の開始をする。この例では、機器管理ローカル端末のプログラムに汎用性を持たせた。従って、複数の機器から情報を収集する。例えば、無人店舗に複数台の監視カメラを設置したとき、各カメラを1台ずつ特定の機種の自動取引装置とみなして情報収集することもできる。管理サーバが管理可能な自動取引装置の数量が限定されていないときはそれでよい。
【0046】
しかしながら、多数のカメラが設置してあるときには、一括して情報収集をし、まとめてデータ形式変換をしたほうが効率がよいこともある。同一営業店の内部であれば、データ収集は比較的安全で簡単である。機器管理ローカル端末34は、そのために設けられた。ステップS32で機器(ここでは各カメラ)の識別をし、ステップS33でデータ形式を判別する。そして、ステップS34でデータ形式変換手段62が変換処理をする。
【0047】
ステップS35で、情報収集時刻情報を付加し、ステップS36で識別情報を付加する。これで、自動取引装置形式の管理データに変換された。その後、このデータを転送用記憶領域60に記憶する。なお、ステップS31〜ステップS37の制御は、多数の監視カメラがあったら、全てのデータを収集するために繰り返し実行される。
【0048】
図5は機器管理手段46の動作フローチャートである。
管理サーバ18において、管理データが収集されると、設定されたタイミングで、機器管理手段46が起動する(ステップS51)。そして、ステップS52で、情報記憶装置30の管理データの読み取りをする。機器管理手段46は、予め管理対象の機器の識別情報を取得しているから、該当する機器の管理データを選択して読み出す。そして、機器毎に用意されたデータ変換テーブルを参照し(ステップS53)、ステップS54で、データ形式の変換処理を実行する。その結果をステップS55で、機器データ記憶装置に記憶する。
【0049】
図6はユーザ認証処理手段32の動作フローチャートである。
金融機関の端末装置22や、自動取引装置を監視する監視端末装置23(図1)から情報閲覧要求があると、ステップS61〜63の処理が実行される。機器管理ユーザ端末44から該当する機器の情報閲覧要求があると、ステップS61と、ステップS64〜65の処理が実行される
【0050】
ステップS61では、アクセスした端末装置の認証処理をする。ステップS62では、自動取引装置の情報の閲覧操作を許可するかどうかという判断をする。この判断の結果がイエスのときはステップS63の処理に移行し、ノーのときはステップS64の処理に移行する。ステップS63では、情報記憶装置30の自動取引装置用記憶領域の開放をする。
【0051】
ステップS64では、特定機器の情報の閲覧操作を許可するかどうかという判断をする。この判断の結果がイエスのときはステップS65の処理に移行し、ノーのときは処理を終了する。ステップS65では、機器データ記憶装置38の、該当する機器のユーザ専用の特定記憶領域を開放する。
【0052】
以上のように、機種毎に任意のデータ処理構造を持つ複数の自動取引装置から、予め指定された共通する形式の管理データを取得するシステムでは、その機能をそのまま利用して、他の機器から自動的に管理データの収集ができる。営業店毎に収集した管理データを管理サーバに転送する場合に、全ての管理データを自動取引装置のものとみなして高いセキュリティをかけて転送できる。機器専用のデータ送信制御が不用なので、低コストで信頼性の高いデータ転送と保存ができる。
【0053】
なお、上記の演算処理装置で実行されるコンピュータプログラムは、機能ブロックで図示した単位でモジュール化されてもよいし、複数の機能ブロックを組み合わせて一体化されてもよい。また、上記のコンピュータプログラムは、既存のアプリケーションプログラムに組み込んで使用してもよい。本発明を実現するためのコンピュータプログラムは、例えばCD−ROMのようなコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して、任意の情報処理装置にインストールして利用することができる。
【符号の説明】
【0054】
12 自動取引装置
14 自動取引装置以外の機器
16 ネットワーク
18 管理サーバ
20 管理データ
21 識別情報
22 金融機関の端末装置
23 監視端末装置
24 演算処理装置
26 情報収集手段
30 情報記憶装置
32 ユーザ認証処理手段
34 機器管理ローカル端末
35 演算処理装置
37 機器データ
38 機器データ記憶装置
44 機器管理ユーザ端末
46 機器管理手段
48 機器管理手段
50 データ収集手段
54 識別情報
56 データ収集時刻情報
60 転送用記憶領域
62 データ形式変換手段
72 カメラシステムの状態情報
74 カメラシステムの動作履歴
76 撮影画像データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機種毎に任意のデータ処理構造を持つ複数の自動取引装置から、データ形式変換手段を介して、予め指定された共通する形式のデータ構造の管理データであって、前記各自動取引装置を区別する識別情報を含むものを収集する情報収集手段と、
前記情報収集手段が収集した管理データを記憶して蓄積する情報記憶装置とを備え、
前記情報収集手段は、前記自動取引装置以外の機器から、各機器固有のデータ形式変換手段を介して、前記自動取引装置のために予め指定された共通する形式のデータ構造の管理データであって、前記各自動取引装置と前記機器とを区別する識別情報を含むものを収集して、前記情報記憶装置に蓄積し、
前記情報記憶装置から、前記管理データを読み出して、前記識別情報を使用して、前記各自動取引装置毎の管理データを抽出する自動取引装置管理手段と、
予め設定したタイミングで、前記情報記憶装置から、前記識別情報を使用して、前記機器の前記管理データを読み出して、各機器固有の形式の機器データに変換して機器データ記憶装置に記憶させ、機器管理ユーザ端末に対して、前記機器データを送信する、機器管理手段とを備えたことを特徴とする機器情報管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の機器情報管理システムにおいて、
前記各機器側には、当該機器を特定する識別情報と当該機器の内部情報とこの内部情報の収集時刻を示すデータ収集時刻情報とを、前記予め指定された共通する形式のデータ構造の管理データに変換して、前記機器の内部に設けた転送用記憶領域に記憶させるデータ形式変換手段が設けられていることを特徴とする機器情報管理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の機器情報管理システムにおいて、
機器側には、複数の機器のデータを収集する機器管理ローカル端末が設けられており、この機器管理ローカル端末に、収集したデータを前記共通する形式の管理データに変換するデータ形式変換手段が設けられていることを特徴とする機器情報管理システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の機器情報管理システムにおいて、
前記管理データは、自動取引装置の出力するイメージデータファイル及びテキストデータファイルを含むことを特徴とする機器情報管理システム。
【請求項5】
コンピュータを、
機種毎に任意のデータ処理構造を持つ複数の自動取引装置から、データ形式変換手段を介して、予め指定された共通する形式のデータ構造の管理データであって、前記各自動取引装置を区別する識別情報を含むものを収集する情報収集手段と、
前記情報収集手段が収集した管理データを記憶して蓄積する情報記憶装置とを備え、
前記情報収集手段は、前記自動取引装置以外の機器から、各機器固有のデータ形式変換手段を介して、前記自動取引装置のために予め指定された共通する形式のデータ構造の管理データであって、前記各自動取引装置と前記機器とを区別する識別情報を含むものを収集して、前記情報記憶装置に蓄積し、
前記情報記憶装置から、前記管理データを読み出して、前記識別情報を使用して、前記各自動取引装置毎の管理データを抽出する自動取引装置管理手段と、
予め設定したタイミングで、前記情報記憶装置から、前記識別情報を使用して、前記機器の前記管理データを読み出して、各機器固有の形式の機器データに変換して機器データ記憶装置に記憶させ、機器管理ユーザ端末に対して、前記機器データを送信する、機器管理手段として機能させる機器情報管理プログラム。
【請求項6】
請求項5に記載の機器情報管理プログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−128539(P2012−128539A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−277570(P2010−277570)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【出願人】(500351000)日本エイ・ティー・エム株式会社 (21)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】