説明

機密情報表示媒体

【課題】 表示された機密情報が消去後は情報の痕跡が残りにくい機密情報表示媒体を提供すること。
【解決手段】 基板上の少なくとも一部にフォトクロミック化合物を含んだ記録層を有し、機密情報の表示媒体として用いる情報表示媒体であって、前記機密情報が前記媒体に記録される以前に、任意形状のパターンが記録層に記録・消去されていることを特徴とする機密情報表示媒体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可視光により消色するフォトクロミック化合物を記録層に用いた情報記録媒体、特に機密情報表示媒体、該機密情報表示媒体の製造方法、及び該機密情報表示媒体を用いた機密情報の表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2001−171235号公報(特許文献1)、特開2001−171236号公報(特許文献2)、特開2001−171237号公報(特許文献3)には、感熱転写リボンに含んだフォトクロミック化合物をサーマルプリンタによってハガキやカードに印字し、印字時は透明であり、見るときに紫外線を照射して発色させる秘密情報を有するシートが記載されている。
また、特開平05−262086号公報(特許文献4)にも、同一平面内に、表示空間を共有する2元以上の互いに異なる有意味画像を、全体として「地」の領域を形成するように類似した色相環に位置し、かつ互いに光学的反射特性の異なる一定の規則的パターンからなるフォトクロミック色材等による印刷画素による潜像、または特定の正多角形印刷画素による潜像と、任意の形状の印刷画素による顕像として構成した、多元画像を有することを特徴とする表示体が記載されている。
また、紫外線照射によって発光または発色する第一記録層と紫外線照射によって紫外線非透過性に変化するフォトクロミック材料からなる第二記録層とを積層させてなる媒体についての技術がある(例えば、特許文献5の特開2000−348156公報参照。)。
この方法では、第二記録層をパターン上に露光し、それをマスクに紫外線照射をおこない、第一記録層を発光・発色させることで情報を見ることができる。しかしながらこの方法においても、受け取り人が情報を読み取るためには紫外光源が必要となり、一般的に普及するのは難しいものと考えられる。
【0003】
また、我々の開発に係る特願2003−359895号明細書(特許文献6)においては、基板上の少なくとも一部に熱不可逆性フォトクロミック化合物を含んだ記録層を有し、さらに該記録層の情報を隠蔽する手段を有することを特徴とする機密情報表示媒体を提案している。
現在、情報に対するセキュリティーの要求が高くなっており、印刷した情報のセキュリティー管理が非常に重要になっている。印刷した文書情報をうっかり机上などに置き忘れたりしたならば、他の人に情報を見られる可能性が発生してしまう。さらに、情報を破棄するに際して、完全に消去するには焼却するしか方法がない。シュレッダにかけても修復することは可能である。焼却するにはゴミ箱から多くの工程を経て焼却炉にいくのが通常であり、第三者に情報を見られる可能性が生じてしまう。
【0004】
上記の対策として、我々は先に、前記特願2003−359895号明細書において、基板上の少なくとも一部に熱不可逆性フォトクロミック化合物を含んだ記録層を有する機密情報表示媒体を提案した。この媒体の特徴としては、特許文献1記載の技術のように情報を直接印字するのではなく、基本的に記録層はベタ塗りにすることである。この記録層に情報を記録する場合は、全面が消色状態の媒体に部分的に紫外線を照射することによって、フォトクロミック記録層を部分発色させることにより情報を表示する方法、もしくは全面に紫外線を照射して全面を発色状態にしたあとに、部分的に可視光を照射することによって、フォトクロミック記録層を部分消色させることにより情報を表示する方法の2種類の方法がある。
この方法によれば、フォトクロミック層自体はベタ塗りしてあるため、情報を表示させた後に、全面に紫外線を照射または全面に可視光を照射することによって、表示した情報は消去できるため、消去する前にどんな情報があったかは判らないメリットがある。またシュレッダや焼却処分の必要がないため、機密度の高い情報に関しては非常に有用な方法となる。
しかしながら、企業や国家のトップシークレットなど特別に機密度の高い文書の場合、我々が先に、特願2003−359895号明細書において提案した方法においては、以下のような問題が懸念される。
【0005】
フォトクロミック化合物は紫外線の照射により発色し、可視光の照射により消色するという特徴を持つが、発色状態から消色状態へ変化する際、また、消色状態から発色状態へ変化する際に、分子の形状変化を伴うことを特徴としている。すなわち、形状変化により分子が吸収する光の波長が変わるため可視領域の光を吸収したり(発色状態)、可視領域の光を透過したり(消色状態)する。
【0006】
上記の発色状態及び消色状態が2つの安定状態であるが、水分や酸素などの影響を受けて別の物質に変化したり、発色状態から消色状態(または消色状態から発色状態)へ分子の形状変化を起こす際にある確率で別の物質に変化する場合がある。フォトクロミック化合物が別の物質に変化した場合、光による発色反応や消色反応は起こらず、その変化した物質特有の色を呈することになる。変化した物質特有の色としては、可視光の吸収を持つ(着色している)場合と可視光の吸収を持たない(着色していない)場合がある。
【0007】
例えば、発色状態で水分や酸素などの影響を受けて別の物質に変化したり、発色状態から消色状態へ分子の形状変化を起こす際に別の物質に変化し、変化した物質が着色している場合、記録層に情報を表示させた後に、全面に可視光を照射しても、変化した物質が着色しているため、表示された情報の痕跡が残り、消去する前にどんな情報があったかが判明してしまう。
【0008】
また仮に、変化した物質が着色していない場合においても、分子の構造を調べる最新の分析機器を用いれば、変化した物質が記録層のどの位置にあるかを検出することも不可能ではない。したがって、変化した物質が着色していない場合においても、消去する前にどんな情報があったかが判明してしまう恐れがある。
【0009】
【特許文献1】特開2001−171235号公報
【特許文献2】特開2001−171236号公報
【特許文献3】特開2001−171237号公報
【特許文献4】特開平05−262086号公報
【特許文献5】特開2000−348156公報
【特許文献6】特願2003−359895号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上述の従来技術の状況および問題を鑑みてなされたものであり、表示された機密情報が消去後は情報の痕跡が残りにくい機密情報表示媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
即ち、上記課題は、本発明の(1)「基板上の少なくとも一部にフォトクロミック化合物を含んだ記録層を有し、機密情報の表示媒体として用いる情報表示媒体であって、前記機密情報が前記媒体に記録される以前に、任意形状のパターンが記録層に記録・消去されていることを特徴とする機密情報表示媒体」により解決される。
【0012】
また、本発明の(2)「前記任意形状のパターンは周期的な構造を持たないことを特徴とする前記第(1)項に記載の機密情報表示媒体」により解決される。
【0013】
また、本発明の(3)「前記任意形状のパターンは複数の媒体間で異なることを特徴とする前記第(2)項に記載の機密情報表示媒体」により解決される。
【0014】
さらに、本発明の(4)「基板上の少なくとも一部にフォトクロミック化合物を含んだ記録層を形成する工程、形成した記録層に任意形状のパターンを記録する工程、記録層に記録した任意形状のパターンを消去する工程を含むことを特徴とする機密情報表示媒体の製造方法」により解決される。
【0015】
さらにまた、本発明の(5)「ランダムな任意形状のパターンを発生する工程、発生したランダムな任意形状のパターンを前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の表示媒体の記録層に記録する工程、記録層に記録した特定形状のパターンを消去する工程を含むことを特徴とする機密情報表示媒体の製造方法」により解決される。
【0016】
さらにまた、本発明の(6)「前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の機密情報表示媒体を用いることを特徴とする機密情報の表示システム」によって解決される。
【発明の効果】
【0017】
(請求項1)
基板上の少なくとも一部にフォトクロミック化合物を含んだ記録層を有した媒体を機密情報の表示媒体として用いる場合において、前記機密情報が前記媒体に記録される以前に、任意形状のパターンが記録層に記録・消去されていることで機密情報を消去した際に、機密情報の消去の痕跡が残ったとしても、任意形状のパターンの消去の痕跡と重なるため、機密情報の内容を判別することができなくなり、機密性が向上する。
(請求項2)
任意形状のパターンが周期的な構造を持たないことにより、周期的なパターンの消去の痕跡を除いて、機密情報の消去の痕跡を割り出すことができなくなるため、機密性がより向上する。
(請求項3)
任意形状のパターンを複数の媒体間で異なるパターンにすることにより、複数の媒体に共通する消去の痕跡を除いて、機密情報の消去の痕跡を割り出すことができなくなるため、機密性がより向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を詳細かつ具体的に説明する。
本発明の機密情報表示媒体の構成例を図1に示す。本発明の機密情報表示媒体は、基板上の全面または一部にフォトクロミック化合物を含んだ記録層を形成し、基板上の少なくとも一部にフォトクロミック化合物を含んだ記録層を有した媒体を機密情報の表示媒体として用いる場合において、機密情報が媒体に記録される以前に、任意形状のパターンが記録層に記録・消去されていることを特徴とするものである。
これにより、機密情報を消去した際に、機密情報の消去の痕跡が残ったとしても、任意形状のパターンの消去の痕跡と重なるため、機密情報の内容を判別することができなくなる。この点で、本発明のものは、図2、図3に1例が示されるような文字を消去した場合でも薄く残り、記録した情報が読み取れる危険性がある従来のものとは基本的に相違している。
【0019】
本発明で用いられるフォトクロミック化合物としては、以下の材料を列挙することができる。
フォトクロミック化合物は、紫外光を照射することで消色体から発色体になり、可視光を照射することで消色体になる化合物である。フォトクロミック化合物には熱可逆性フォトクロミック化合物と熱不可逆性フォトクロミック化合物がある。前者は発色体が熱的に消色体になる性質を併せ持つ化合物であり、後者は発色体が熱的に安定であり、可視光照射によってのみ消色体になる化合物である。代表的な熱可逆性フォトクロミック化合物としては、スピロピラン、スピロオキサジン、アゾベンゼンなどがあり、これらの発色体は室温暗所下で数秒〜数日で消色体になる。また、代表的な熱不可逆性フォトクロミック化合物としては、フルギド、ジアリールエテンなどがある。
【0020】
本発明の機密情報表示媒体への情報記録方法としては、記録層に対して所望の画像パターン(例えば文字など)の紫外光を露光することにより、露光した部分のみを発色反応させ、対応した画像を記録層に形成する。また、情報を消去するには記録層に対して強めの可視光を照射する、例えば卓上蛍光灯などに近づけるような操作をするだけでよい。材料や光源のパワーによって異なるが、数秒〜数十秒程度で消去できる。また、記録層を室内の蛍光灯下に放置しておいても自然に消去される。材料によるが、一般オフィスの蛍光灯下(700lx程度)では数十分〜数時間程度で消去される。
【0021】
本発明の機密情報表示媒体に情報記録するための紫外光源および書き込み方式としては、紫外光レーザを走査する方法、紫外光LEDチップを並べて順次発光させる方法、紫外光ランプ光源と液晶シャッター等の光変調素子を組み合わせる方法などがあるが、どのような方法でも構わない。
【0022】
本発明の機密情報表示媒体に使用する基板は、用途に応じてどのような形態のものでも構わない。
本発明の機密情報表示媒体の記録層に含むフォトクロミック化合物は1種類でも構わないし、複数種類あっても構わない。
複数種類のフォトクロミック化合物を使用する場合、各々の化合物の発色する色が異なれば、より有用な機密情報表示媒体になる。
【0023】
例えば、イエロー、マゼンタ、シアンを発色する3種類のフォトクロミック化合物を混合し、同時に発色させれば黒色を得ることができ、視認性のとても優れた機密情報表示媒体になる。また、イエロー、マゼンタ、シアンを発色する3種類のフォトクロミック化合物を個別に発色させればフルカラー記録が可能であり、利用価値が広がる。
【0024】
イエローを発色する熱不可逆性フォトクロミック化合物としては、例えば、「1,2−ビス(2−フェニル−4−トリフルオロメチルチアゾール)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン」、「2,3−ジ(2−メチルベンゾチエニル)マレイン酸ジメチル」、「1,2−ビス(5−エトキシ−2−メチルチアゾ−ル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン」、「2−[1−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)エチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸無水物」、「2−[1−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸無水物」、「2−[1−(2−フェニル−5−メチル−4−オキサゾリル)ステアリリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸無水物」などが挙げられる。
【0025】
また、マゼンタを発色する熱不可逆性フォトクロミック化合物としては、例えば、「1,2−ビス(3−(2−メチル−6−(2−(4−メトキシフェニル)エチニル)ベンゾチエニル))−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン」、「1,2−ビス(5−メチル−2−フェニルチアゾ−ル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン」、「1−(1,2−ジメチル−3−インドリル)−2−(2−メチル−3−ベンゾチエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン」、「2−[1−(2,5−ジメチル−1−フェニルピラゾリル)エチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸無水物」、「2−[1−(3−メトキシ−5−メチル−1−フェニル−4−ピラゾリル)エチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸無水物」、「2−[1−(2−メチル−5−スチリル−3−チエニル)エチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸無水物」などが挙げられる。
【0026】
また、シアンを発色する熱不可逆性フォトクロミック化合物としては、例えば、「1−(5−メトキシ−1,2−ジメチル−3−インドリル)−2−(5−シアノ−2,4−ジメチル−3−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン」、「1−(5−メトキシ−1,2−ジメチル−3−インドリル)−2−(6−カルボキシル−2−メチル−3−ベンゾチエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン」、「1−(6−シアノ−2−メチル−3−ベンゾチエニル)−2−(5−メトキシ−1,2−ジメチル−3−インドリル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン」、「2−[1−(1,2,5−トリメチル−3−ピロリル)エチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸無水物」、「2−[2,6−ジメチル−3,5−ビス(p−ジメチルアミノスチリル)ベンジリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸無水物」、1,2−ビス(2−メチル−5−フェニル−3−チエニル)−3,3,4,4,5,5−パーフルオロシクロペンテンなどが挙げられる。
【0027】
記録層内のフォトクロミック化合物は、アクリル系樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂あるいはウレタン樹脂等の樹脂に分散されていてもよいし、マイクロカプセル中に封入されていてもよい。
【0028】
記録層にイエロー、マゼンタ、シアンを発色するフォトクロミック化合物を含んだ機密情報表示媒体を用いてフルカラー表示を行なうには、まずイエロー発色化合物、マゼンタ発色化合物、シアン発色化合物を全面発色させた後、発色した各々のフォトクロミック化合物の極大吸収波長に対応した波長域の可視光を、それぞれ所望の領域に照射することにより、各フォトクロミック化合物を選択的に消色する方法が最もよい。
【0029】
本発明の機密情報表示媒体は、使用した後に廃棄しても構わないが、繰り返し使用することもできる。フォトクロミック化合物は光照射によって、発色体と消色体とを繰り返し形成する。従って、一度記録された情報を可視光照射によって消去した後、再び紫外光を所望の範囲に照射すれば何度も利用できる。例えば、情報記録装置に白色光源を設置しておき、はじめに記録層全面に照射した後、紫外光による記録を行なうようにすればよい。
【0030】
本発明の機密情報表示媒体の記録層の表面には保護層を形成することができる。フォトクロミック化合物の光劣化の原因としては、光化学反応中の酸素の結合などが挙げられており、保護層により大気を遮断すれば繰り返し耐久性が向上する。
【実施例】
【0031】
(実施例1)
フォトクロミック化合物として、1,2−ビス(2−メチル−5−フェニル−3−チエニル)−3,3,4,4,5,5−パーフルオロシクロペンテン(以下、PC1と略す)を用いた。PC1の発色体の極大吸収波長は600nmであり、青色を示した。また、消色体の吸収帯は400nm以下であり透明であった。
PC1をポリスチレン中に10重量%分散し、白色ポリエチレンテレフタレート基板(厚さ188μm)上にスピンコートすることで、記録層を作製した。
【0032】
(実施例2)
実施例1で作製したサンプルを、記録層に任意形状のパターンを主波長365nmの紫外線(強度10mW/cm)を用いて10秒間照射したところ、照射部が青色に発色した。その後、約2週間発色させたまま暗所に放置し、その後前記の任意形状のパターンを消色したところ、わずかではあるが任意形状のパターンの青色の痕跡が目視で確認できた。
その後、任意形状ではなく、情報として意味のある文字情報パターンを主波長365nmの紫外線(強度10mW/cm)を用いて10秒間照射して文字情報を表示させ、その後、約2週間発色させたまま暗所に放置し、その後前記の文字情報のパターンを消色したところ、消色した痕跡が残ったが、任意形状のパターンの痕跡と文字情報の痕跡が重なり、どんな文字情報が記録されていたかを判別することはできなかった。
図4には、このような本発明の媒体に、予め任意のパターンがけ異性、消去されている状態の1例を、図5には、本発明の媒体に文字を記録した常態の1例を示す。
【0033】
(比較例1)
実施例1で作製したサンプルを、記録層に文字情報パターンを主波長365nmの紫外線(強度10mW/cm)を用いて10秒間照射したところ、照射部が青色に発色した。その後、約2週間発色させたまま暗所に放置し、その後前記の文字情報パターンを消色したところ、わずかではあるが文字情報パターンの青色の痕跡が目視で確認でき、どんな文字情報が記録されていたかを判別することが可能であった。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明における機密情報表示媒体の構成例を表わす図である。
【図2】従来技術の一例を示す図である。
【図3】図2で示した従来技術の媒体で文字を消去した場合の例を示す図である。
【図4】本発明における媒体の例を示す図である。
【図5】本発明の媒体に文字を記録した状態を示す図である。
【図6】図5で示した本発明の媒体で文字を消去した場合の例を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上の少なくとも一部にフォトクロミック化合物を含んだ記録層を有し、機密情報の表示媒体として用いる情報表示媒体であって、前記機密情報が前記媒体に記録される以前に、任意形状のパターンが記録層に記録・消去されていることを特徴とする機密情報表示媒体。
【請求項2】
前記任意形状のパターンは周期的な構造を持たないことを特徴とする請求項1に記載の機密情報表示媒体。
【請求項3】
前記任意形状のパターンは複数の媒体間で異なることを特徴とする請求項2に記載の機密情報表示媒体。
【請求項4】
基板上の少なくとも一部にフォトクロミック化合物を含んだ記録層を形成する工程、形成した記録層に任意形状のパターンを記録する工程、記録層に記録した任意形状のパターンを消去する工程を含むことを特徴とする機密情報表示媒体の製造方法。
【請求項5】
ランダムな任意形状のパターンを発生する工程、発生したランダムな任意形状のパターンを請求項1乃至4のいずれかに記載の表示媒体の記録層に記録する工程、記録層に記録した特定形状のパターンを消去する工程を含むことを特徴とする機密情報表示媒体の製造方法。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれかに記載の機密情報表示媒体を用いることを特徴とする機密情報の表示システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−259008(P2006−259008A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−74083(P2005−74083)
【出願日】平成17年3月15日(2005.3.15)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】