説明

機械エネルギーを電気エネルギーに変換するための変換器および方法

本願では、たとえば脈動挙動等の自然力によって間接的または直接的に駆動され流体機械を駆動するために構成されたポンプを備えた変換器を開示している。この流体機械は、ジェネレータまたはモータとして機能することができる電気機器に力結合されている。本発明では、ポンプに作用する力を自然力の振動パラメータに依存して、制御回路によって調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載の流体圧/電気変換器と、機械エネルギーを変換器によって電気エネルギーに変換するための、請求項21に記載の上位概念に記載の方法とに関する。
【0002】
流体圧/電気変換器はたとえば、US6300698B1に記載されているような脈動発生器において使用される。この公知のウェーブジェネレータは、ブイに作用結合された流体圧シリンダを有し、この流体圧シリンダは脈動挙動と該ブイの相応の運動とによって操作され、圧力手段は流体圧回路内に圧送される。この流体圧シリンダには流体圧整流器が配属されており、流体圧シリンダの運動方向に依存せずに圧力手段を流体圧回路内に圧送することにより、流体圧整流器に後置接続された流体蓄圧器に蓄圧し、一定モータ(Konstantmotor)を駆動する。このような一定モータの駆動軸はジェネレータに接続され、上記の流体回路内の流体エネルギーは電気エネルギーに変換される。この脈動挙動では、脈動レベルも周波数も大きく変動するので、ジェネレータ出力電圧を均質にするために面倒な電子回路を設けなければならない。
【0003】
本願出願後に公開された同出願人の第102007018600号には、脈動挙動によって駆動されるポンプを備えた変換器が開示されている。このポンプによって流体蓄圧器が蓄圧され、流体圧モータが駆動されてジェネレータを駆動する。この変換器では流体圧モータは圧力ネットワークに接続され、回転数制御されるように構成されており、流体回路側の圧力変動に依存して該流体圧モータの旋回角の調整によって、ジェネレータを広範囲で所定の回転数で駆動することができる。圧力ネットワークで作動される回転数制御式の容量形モータによるこのような方式は2次制御とも称され、このような2次制御では、容量形モータの回転数がその時点の負荷圧力に依存せずに、該圧力ネットワークに加えられる圧力で得られるように、該回転数が調整される。この圧力は実質的に、流体蓄圧器の蓄圧状態に依存する。ここでは、モータトルクと負荷とが均衡状態になり、かつ目標回転数に達するまで、流体圧モータの吸入容量を変化しなければならない。
【0004】
このような方式の回転数制御では、変換器に装置技術的かつ制御技術的に大きな手間が必要とされる。
【0005】
それに対して本発明の課題は、装置技術的に小さな手間で振動性の自然力を、たとえば脈動挙動を利用して、電気エネルギーを供給できる変換器および方法を提供することである。
【0006】
前記課題は、変換器に関しては請求項1の構成によって解決され、方法に関しては請求項21の特徴によって解決される。
【0007】
本発明による変換器は、たとえば脈動挙動である振動性の自然力によって駆動されるポンプを有し、該ポンプは、少なくとも1つの流体機械によって構成された流体機械システムを駆動するために構成されており、該流体機械システムは、機械エネルギーを電気エネルギーに変換するための電気機器に結合されている。前記変換器は、ピストンポンプのピストンに所定の力または所定の差圧が加えられるように可調整の前記流体機械を調整するための制御回路とともに構成されている。圧力制御または力制御は、力ないしは圧力が調整された場合に、自然力(脈動挙動)によって入力されたエネルギーが流体エネルギーに最適に変換されるのが保証されるように行われる。このことに相応して、調整される圧力または調整される力は、自然力(脈動挙動)の振動パラメータに依存して可変である。このようにして本発明は、ジェネレータ回転数を制御するための手間が比較的大きかった冒頭に記載のコンセプトから出発して、機械エネルギーが流体エネルギーに最適に変換されるように振動パラメータに依存してポンプを調整し、たとえばピストンポンプの力‐ストローク特性曲線を調整することを解決し、実際にこのことを対象とする。このような圧力/力制御は、特に小さい手間で実現することができる。
【0008】
本発明の有利な実施例では、ポンプはピストンポンプとして構成され、有利には一定挙動シリンダ(Gleichgangzylinder)またはプランジャポンプとして構成されており、該ピストンポンプの圧力室はそれぞれ、圧力管路を介して流体機械のジョイントに接続されている。
【0009】
非常に高速のピストン運動で圧力室が拡大される場合に該圧力室内においてキャビテーションを回避するために、各圧力管路内にそれぞれ流体蓄圧器を設けることができる。
【0010】
1つの実施例では、流体機械システムは2つの小さな流体機械によって構成されている。圧送体積が等しい場合、このような小さい流体機械は、比較的大きな圧送体積流を有する流体機械より高い効率で作動することができるという利点を有する。この実施例では、両流体機械を同時に駆動制御することにより、圧送体積流は最大になる。
【0011】
本発明では、両流体機械を同期して駆動制御するか、または相互に異なって駆動制御することができる。後者として挙げた択一的手段では、第2の流体機械をトルク制御し、第1の流体機械を‐冒頭で説明したように‐力制御または圧力制御することができる。
【0012】
本発明の1つの変形態様では、第1の流体機械では圧力手段体積流を送給することができなくなった場合に初めて、第2の流体機械を駆動制御する。その際には、第1の流体機械は最大吸入/圧送容量に調整される。
【0013】
本発明の1つの変形態様では、第2の流体機械の高圧側に蓄圧器が配属される。変換器では高圧側および低圧側は脈動運動に起因して常に変化するので、この蓄圧器には流体圧整流器を配属しなければならない。
【0014】
漏れ損失を補償して低圧分岐においてキャビテーションを回避し、圧力手段回路内の圧力手段の交換を行うためには、変換器と供給/フラッシュ(Spuelen)ユニットとを接続し、該供給/フラッシュユニットを介して、冒頭に述べたポンプに連通された圧力管路とタンクまたは供給ポンプとを連通することにより、圧力手段を下流に圧送するかタンクへ流出させ、たとえば圧力手段の過熱が阻止されるようにすることができる。
【0015】
変換器を流体力学的に保護するために、両圧力管路間に双方向に開弁する圧力制限弁を配置することができる。1つの圧力管路において最大圧力を超えると、この圧力制限弁は圧力手段接続部を別の圧力管路に対して開口する。
【0016】
流体機械と電気機器との間の接続系統には有利には、トルク変動がばね弾性吸収および/または減衰されるように構成された連結部が設けられる。
【0017】
流体機械は有利には、4象限モードで作動するように構成される。このような構成により、流体圧整流器または電気的な整流器を省略することができる。このような流体機械によって、ピストンポンプの死点の領域において旋回角を0より大きく調整することができ、ピストン運動方向が反転した場合に該流体機械の回転方向が維持されるようにすることができる。
【0018】
本発明の構成では有利には、電気機器は所定の回転数で回転し、たとえば一定の回転数で回転する。この回転数はたとえば、電気機器が接続された系統電力網の周波数によって設定される。
【0019】
変換器は有利には、脈動挙動が浮動体に作用して該浮動体の往復運動に相応してピストンポンプが駆動される脈動発生器において使用される。
【0020】
本発明によるコンセプトによれば、下降方向に作用する脈動発生器の自重が補償され、とりわけ浮動体の自重が補償されるように力制御を行う。
【0021】
ピストンポンプの圧力室内の圧力を調整するために、各圧力室内の圧力を測定するための圧力センサを設けることができる。
【0022】
流体機械と電気機器との間の接続系統に、トルク変動を補償するためのフライホイール質量体を設けることができる。この場合に有利なのは、電気機器を非同期機として構成することである。
【0023】
変換器の作動確実性を上昇するために、振動性の自然力の振幅が非常に大きい場合、たとえば脈動が非常に大きい場合に、ピストンポンプのピストンが死点に到達する前に、該ピストンに及ぼされる力を上昇することによって該ピストンを制動し、該ピストンポンプが当接するのが阻止されるように、制御を行うことができる。
【0024】
ピストンポンプに及ぼされる力は基本的には、流体モータの旋回角を調整することによって調整される。
【0025】
本発明の制御コンセプトでは、流体機械を駆動制御するための制御信号に‐すなわち、アキシャルピストンポンプの場合には旋回角を調整するための制御信号に‐、力制御器または圧力制御器の出力信号と、パイロット信号とが組み入れられる。このパイロット信号はたとえば、脈動挙動によって動かされる質量体の運動速度またはポンプのピストン速度に依存して次のように生成される。すなわち、このパイロット信号のパイロット値に依存してすでに予め流体機械が調整され、その後は圧力制御器の出力信号を介して、所望の力制御または他の制御パラメータにしたがってシステムのバイアスのみが行われるように生成される。
【0026】
それによって得られる制御信号はさらに、非線形の適合によって適切に条件に適合することができ、その後に、旋回角調整のための調整機器等に供給することができる。
【0027】
他の従属請求項に、本発明の他の有利な実施形態が記載されている。
【0028】
以下で本発明の有利な実施例を、概略的な図面に基づいて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の流体圧/電気変換器(脈動発生器)の回路図である。
【図2】脈動挙動によって生成された力を時間に依存して示すグラフである。
【図3】変換器の流体機械の出力軸において測定可能なパワーを時間に依存して示す図である。
【図4】図1の変換器の変形態様を示す。
【図5】同期で駆動制御される2つの流体機械を備えた変換器の実施例を示す。
【図6】図5に示された変換器の供給フラッシュユニットおよび圧力保護部を示す。
【図7】両流体機械が異なって駆動制御される、図5に示された変換器の変形態様を示す。
【図8】図7に示された変換器の調整ユニットの制御回路を示す。
【図9】比較的小さい2つの流体機械を備えた変換器の別の実施例を示す。
【0030】
以下で説明する実施例では、流体圧/電気変換器は脈動発生器1として構成され、この脈動発生器1を介して脈動挙動で供給されたエネルギーは流体エネルギーに変換され、その後に電気エネルギーに変換される。この脈動発生器1は基本的に浮動体2から成り、脈動挙動によって発生した該浮動体2の振動性の運動はピストンポンプへ伝達される。このピストンポンプは図中の実施例では、一定挙動シリンダ(プランジャポンプ)4として構成されている。これは、流体力学的な閉循環路を介して流体機械6に接続されており、該流体機械6の旋回角は可変に構成されており、圧送/吸入容量を変化するように該旋回角は調整される。この流体機械6はたとえばアキシャルピストン型に構成することができる。流体機械6の旋回角は制御回路8を介して調整され、これによって、一定挙動シリンダ4に及ぼされる力が調整される。流体機械6は電気機器に力結合されている。以下では、この電気機器をジェネレータ10と称する。このジェネレータ10は通常は流体機械6によって駆動され、生成された電気エネルギーは、図1において参照番号12によって示された系統電力網に供給することができる。
【0031】
浮動体2としてはたとえば、Archimedes Wave Swing, Ltd. 社によって開発された構造を使用することができる。このような浮動体2は海底18に係留され、完全に水中に配置される。振動質量体14に脈動挙動によって、該脈動挙動に相応して不規則な振幅かつ不規則な周波数で振動する力FWが与えられる。それぞれの脈動環境に典型的なこのような不規則な力特性が、図2のグラフに示されている。このような力の時間的特性は、適切なモデル計算によって、実際にはそれぞれの脈動環境に対して近似的に計算するか、または理想的に計算することができる。このFTプロフィールはデータメモリに格納され、以下で説明する制御で考慮される。
【0032】
図1の概略図からさらに理解できるように、高周波の変動または過剰な加速度が抑圧または低減されるように、浮動体14の上下運動はばね弾性吸収/減衰システム16を介して調整される。このような浮動体2の構成の詳細に関しては、AWS Ocean Energy 社のドメイン(www.awsocean.com)を参照されたい。したがって、さらに詳細な説明は必要ない。
【0033】
浮動体2の振動質量体14が一定挙動シリンダ4のピストン22のピストンバー20に作用することにより、該一定挙動シリンダ4は該振動質量体14の垂直運動に追従する。ピストン22は一定挙動シリンダ4を2つの環状空間24,26に分けており、これらの環状空間24,26は圧力管路28ないしは30を介して、流体機械6のジョイントAないしはBに連通されている。流体機械6は4象限モードで作動することができ、回転方向もトルク方向も反転することができる。したがって流体機械6は、回転方向が切り替わる流体機械としても流体ポンプとしても作動することができる。流体機械6と電気機器10との間の接続系統32に連結部34を配置することにより、系統電力網12または変換器領域において障害が発生した場合には、力結合を分離することができる。この連結部34は通常は、スパイク状のトルク変動が均質化されるように、ばね弾性吸収および減衰の作用を有するように構成される。
【0034】
上述のように、このような流体力学的循環路は一定挙動シリンダ4と流体機械6とによって、閉循環路として形成される。キャビテーションを回避するために、両圧力管路28,30にそれぞれ流体蓄圧器36,38が設けられ、該流体蓄圧器36,38には一定挙動シリンダ4を介して蓄圧され、環状空間24,26のうち1つの拡大が非常に迅速である場合、圧力手段を後方に流す。
【0035】
制御回路8を介して、脈動環境(図2参照)に依存して一定挙動シリンダ4のピストン22に力Fが与えられるように構成されている。この力Fの振舞いは、図2に示された力Fの振舞いと同様に不規則である。力Fは脈動環境に依存して、すなわち記憶されたF‐t特性に依存して計算され、目標量として制御回路8において処理される。図1に示されているように、この目標量Fは、適切なセンサによって検出されたピストン22の運動速度vと減衰パラメータβとから計算することができる。その際には、F=v×βである。この場合、βも脈動環境(図2)に依存して、図1に示されていない変換器1の電子制御ユニットのデータメモリに格納される。上記の計算の結果も目標力Fである。
【0036】
図中の実施例では、環状空間24,26内に発生した圧力は圧力センサ37,39を介して検出され、相応の圧力pおよびpが実際量として力制御器40へ供給される。この力制御器40はたとえばp制御器として構成される。力制御器40では、検出された圧力とピストン22の有効面積とから瞬時力FISTが計算され、目標力Fと比較され、偏差している場合には出力信号が調整ポンプ6へ出力され、該調整ポンプの旋回角αが調整されるようにされる。旋回角αの調整は、ピストン22に及ぼされる力が目標力Fに等しくなるまで行われる。この力は脈動環境に依存して、運動力学的な脈動エネルギーが流体エネルギーに最適に変換され、装置技術的に最小の手間で設備の効率が最大限になるように選択される。
【0037】
ピストン22の両死点のうち1つに到達すると、力制御器40を介して調整ポンプ6の旋回角αが0を超えるように調整され、該ピストン22の運動方向が反転した場合に調整ポンプ6の回転方向が変化しないようにされる。このような調整ポンプ6のオーバーゼロ調整によって、冒頭で説明した従来技術で使用されるような流体圧整流器または電子的な整流器を省略することができ、構成をさらに簡略化することができる。図3に、このような制御で接続系統32に発生するパワーが示されている。これによれば、発電のためにジェネレータに出力されるこのパワーも、‐脈動環境と同様に‐変動するが整流され、該ジェネレータを介して電気エネルギーに変換される機械エネルギーの積分は、一定挙動シリンダ4の最適な力制御によって、従来の構成と比較して高くなる。
【0038】
トルク特性を平滑化するために、接続系統32にフライホイール質量体42を設けることができる。このフライホイール質量体42は破線で示されており、接続系統32におけるトルク変動を平滑化するのに使用することができる。この場合には、電気機器10を非同期機として構成することができる。というのもこのような非同期機によって、フライホイール質量体42の質量慣性トルクによって発生するトラクションが可能になるからである。
【0039】
しかし、原則的には同期機を使用することもできる。その際には、接続された送電網12から無効電力が常に取り出され、脈動発生器を介して生成された電気エネルギーは有効電力として系統電力網12へ供給される。上記の実施例では、ジェネレータ10の回転数を系統電力網12の周波数によって設定し、たとえば50Hz系統電力網では該ジェネレータが約1700rpmで回転するようにしている。冒頭に述べた構成における回転数制御は必要ない。
【0040】
脈動挙動が非常に小さく、流体力学的な閉循環路にポンプによって循環される圧力手段体積流が相応に小さい場合、流体モータ6が電気機器10を制動してしまう事態になることがある。しかしこの場合には、電気機器10はモータとして機能し、流体機械6は相応にポンプとして機能することにより、圧力手段は調整された旋回角αに相応して、環状空間24,26のうちいずれかに圧送され、ピストン22は相応の方向に移動/加速化される。すなわち、脈動環境に応じて、流体機械6および電気機器10を、モータ/ジェネレータまたはポンプ/モータとして機能させることができる。
【0041】
図4に、図1の変換器より簡略化された変形態様が示されている。この変形態様では、圧力管路28,30に設けられる両流体蓄圧器36,38およびフライホイール質量体42は省略されている。驚くべきことに、このような変換器はより良好にコントロールすることができる。というのも、この変換器はより安定的な制御特性を示すからである。その他の点では、図4の実施例は図1の実施例に相応するので、さらに詳細な説明は必要ない。
【0042】
図5に、図1および図4に示された変換器の1つの変形態様が示されている。この変形態様では、比較的大きな流体機械を1つ使用する代わりに、2つの比較的小さい流体機械6,44を使用する。これらも、0を上回って旋回可能なアキシャルピストン機器として構成され、たとえば、同出願人から販売されている型式A4Vのアキシャルピストン機器として構成されている。
【0043】
これら2つの小さな流体機械6,44も、力制御器として構成された制御器46によって駆動制御される。両流体機械6,44はともに接続系統32に作用結合されており、ジェネレータ10は両流体機械6,44によって同時に駆動される。
【0044】
両流体機械6,44の旋回角αは、制御ユニット46の1つの信号のみに依存して調整され、該1つの信号を介して、両流体機械6,44の旋回角を調整するための調整機器が同時に駆動制御される。この制御信号は信号線路48を介して、旋回角を電気流体力学的に調整するための両調整機器に供給される。このような調整機器は同出願人によって、製品名HS4で販売されており、その作動に関しては、www.boschrexroth.de で公開されているこの調整機器に関する説明を参照することができる。
【0045】
この変換器の基本的な構成は、浮動体2とピストンポンプ4(一定挙動シリンダ9)と電気機器10との領域においては、図1および図4の冒頭に述べた変換器の相応の構成要素と基本的に同一であるため、重複を回避するため、これらの実施形態を参照されたい。
【0046】
図5に示された変換器では、圧力手段を交換し、キャビテーションを回避し、漏れ損失を補償するために、供給フラッシュユニット48が設けられている。さらに、変換器の作動確実性が圧力保護部50によって改善されている。
【0047】
供給フラッシュユニット48および圧力保護部50の具体的な構成を、図6に基づいて説明する。同図では、両ユニット48,50を拡大して示している。変換器1の作動時には、浮動体2の振動性運動によって圧力管路28,30において高圧側と低圧側とが常に、比較的高い周波数で交換を行う。ここで不所望の条件の場合には、低圧側にキャビテーションが発生する可能性がある。このキャビテーションは供給フラッシュユニット48によって阻止することができる。このような供給フラッシュユニット48の基本的構成は、たとえばDE102005051324A1または本願出願後に公開されたDE102007018600にすでに記載されているので、ここでは、理解するのに必要な構成要素のみを説明する。
【0048】
供給フラッシュユニット48は、一定ポンプとして構成された供給ポンプ52を有し、この供給ポンプ52の圧力継手は、分岐する圧力管路54を介して圧力管路28,30に接続されている。これらの圧力管路28,30に連通された両分岐56,58にそれぞれ、各圧力管路28ないしは30の方向に開放される逆止弁60,62が設けられている。圧力管路28,30のうちいずれか1つにおいて圧力が降下した場合、この供給ポンプ52を介して圧力手段をタンクTからそれぞれの低圧側へ圧送することができる。この供給ポンプ52は一定の回転数で回転し、最大圧力は供給圧制限弁64によって制限されているので、この供給圧制限弁64において設定された圧力を超えた場合には一定ポンプ52が回転して圧送する。
【0049】
両分岐56,58に対して平行に、圧力管路28,30から2つのフラッシュ管路(Spuelleitung)66,68が出ており、これらのフラッシュ管路66,68はフラッシュバルブ70の入口継手P1,P2に接続されている。このフラッシュバルブ70は、図中の実施形態では3方向切替弁として構成されており、該3方向切替弁は、ばねでプリロードされる基本位置(0)では、両入口継手P1,P2とタンク継手Tとが連通されるのをブロックする。フラッシュバルブ(Spuelventil)70は、圧力管路28ないしは30に連通された各フラッシュ制御管路(Spuelsteuerleitung)72ないしは74を介して操作される。フラッシュ制御管路72内で作用する制御圧はフラッシュバルブ70に切換位置(a)の方向に加えられ、この切換位置(a)では入口継手P2がタンク継手Tに連通され、他方の入口継手P1はブロックされる。このことに相応して、フラッシュ制御管路74内の圧力はフラッシュバルブ70のバルブゲートに、切換位置(b)の方向に加えられ、この切換位置(b)では圧力継手P2がブロックされ、圧力継手P1がタンク継手Tに連通される。後者はタンク管路76および該タンク管路76に配置された圧力制限弁78を介してタンクTに連通されている。圧力制限弁78は次のように、すなわち、タンク管路76内の圧力が所定の圧力を超えた場合にフラッシュバルブ70が切り換えられた(切換位置(a),(b))場合、タンクTへ流出する圧力手段体積流が小さくなり、かつ、供給ポンプ52と直ちに交代して圧力手段の損失が発生しないように調整されている。このことにより、圧力手段は圧力手段循環路内で連続的に交換され、該圧力手段の加熱ひいては変換器の効率の低下を阻止できるようになる。
【0050】
圧力管路28,30を保護するために圧力保護部50が設けられている。図6によればこの圧力保護部50は、並列接続されて両圧力管路28,30を連通する2つの負荷低減管路80,82を有する。これらの負荷低減管路80,82にはそれぞれ、圧力制限弁として構成された圧力保護弁84,86が配置されており、圧力保護弁86は圧力管路30内の圧力を制限し、このことに相応して圧力保護弁84も圧力管路28内の圧力を制限し、この最大圧を超えた場合、そのつど他方の圧力管路との圧力手段接続部を開放制御する。
【0051】
もちろん、図1および図4に示された上記の実施例でも、供給フラッシュユニット48および/または圧力保護部50を使用することができる。
【0052】
上記の実施例と同様に、両流体機械6,44は力制御によって、脈動挙動ひいては一定挙動シリンダ4のピストン22のストロークxと速度xpと加速度xppとに依存し該一定挙動シリンダ4に作用する力が調整されるように駆動制御され、ジェネレータ10を介して系統電力網に供給される電力が比較的高くなるようにされる。
【0053】
図5および6に示された実施例では、2つの流体機械6,44を有する流体機械システムが使用され、これらは制御ユニット46を介して同期で駆動制御される。図7に示された実施例が図5および6に示された実施例と異なる点は、両流体機械6,44が異なって駆動制御されることである。浮動体2と一定挙動シリンダ4と圧力管路28,30と供給フラッシュユニット48と圧力保護部50とを備える他の構成と、ジェネレータ10の構成は、上記の実施例に相応するので、以下では図7の変換器1と上記の変換器との相違点のみを説明する。
【0054】
流体機械6,44は上記の流体機械と同一であり、制御側のみが相違する。制御ユニット46によって‐冒頭に述べたように‐一定挙動シリンダ4の圧力室内の圧力と、浮動体2またはピストン22の移動距離xと、該浮動体2または該ピストン22の移動速度または加速度とに依存してそのつど、調整すべき旋回角度に相応する出力信号が生成され、該出力信号はそのつど、信号線路47ないしは88を介して、流体機械6,44にそれぞれ配属された調整機器(HS4)へ供給される。すなわち、制御ユニット46を介して、流体機械6,44にそれぞれ所属する旋回角度信号α1,α2が生成される。1つの制御ストラテジーでは、まず第2の流体機械44が0まで旋回され、一定挙動シリンダ4には、力制御される流体機械6を介してのみ、脈動特性に依存する所定の力が与えられるように構成される。流体機械6が完全に旋回され、一定挙動シリンダ4の運動によって生成される圧力手段体積流と、調整すべき力とがさらに上昇すると、付加的に第2の流体機械44も駆動制御される。しかし原則的には、両流体機械6,44をこのようなカスケード制御によって駆動制御する必要はなく、一方の流体機械または双方の流体機械6,44を異なる作動パラメータに依存して異なって駆動制御するか、または同期して駆動制御することができる。
【0055】
図8に、図7に示された変換器の制御回路を示す。この制御回路は開ループ制御回路として構成されている。
【0056】
図8によればまず、運動パラメータx、xpおよびxppと、脈動環境を表す特性値βとに依存して、一定挙動シリンダ4に作用する目標力FSOLLを求め、相応の電圧信号を生成する。両圧力センサ37,39を介して圧力pAおよびpBが検出され、これらの圧力から得られる圧力差と有効ピストン面積Aとから、作用する流体力学的力FISTが計算される。目標力FSOLLと瞬時力FISTとの差が力制御器40へ供給される。この力制御器40はたとえばP制御器として構成されている。瞬時力FISTと目標力FSOLLとの比較結果に依存して、力制御器40から出力信号が出力される。しかし、図8に示された制御ストラテジーでは、‐冒頭に記載した構成のように‐この出力信号は所属の流体機械を調整するための旋回角度に直接変換されることはなく、一種の制御量割込み(Steuergroesseraufschaltung)が行われる。この制御量割込みでは、ピストン22の速度xpとピストン面積とから、一定挙動シリンダ4においてスライドされる圧力手段体積が計算され、その後にこれに相応して、所属の流体機械を相応の吸入体積に調整するために理論的に該流体機械において調整しなければならない旋回角α0に直接計算される。この値α0は、速度xpに依存する旋回角の基本設定を表し、この基本設定は、一定挙動シリンダ4を調整(Einspannen)するために、力制御器40を介して生成される値によって補正される。すなわち、パイロット旋回角α0は力制御器40の出力信号に相応して、力FSOLLに調整するために低減される。このことにより、‐パイロット制御とも称される‐このような妨害量割込み(Stoergroessenaufschaltung)により、制御系が非常に安定的になる。というのも力制御器40では、調整すべき力に相応する小さな旋回角差を設定すればよいからである。この妨害量割込みを介して生成された信号はさらに、非線形の適合90,92によって各流体機械6,44に対して個別に適合される。この適合後は各流体機械6,44ごとに異なる制御信号は、流体機械6ないしは流体機械44のHS4‐旋回角調整機器94,96に印加され、相応に流体機械6の旋回角α6actと流体機械44の旋回角α44actが調整される。制御を最適化するためには、各調整機器94,96へ出力される目標信号α6nomないしはα44nomを検出し、実際に調整された旋回角と比較して、場合によってはこの旋回角を追従制御することができる。
【0057】
上記の制御ストラテジーによる力制御によって、流体力学系は非常に安定的になるように調整され、変換器の効率はテスト試験時に、図1および4の変形態様より高くなることが実証された。旋回角目標値(α6/44nom)と旋回角瞬時値(α6/44act)との間の偏差は最小になり、カスケード接続で作動するシステムの場合、効率は最適になる。
【0058】
図9に変換器1の1つの実施例を示す。この変換器1の基本構成は、図7の構成に相応する。図9では、浮動体2および一定挙動シリンダ4は詳細に示しておらず、これらの構成要素をシンボル的に示すに留めている。
【0059】
両圧力管路28,30は上記の実施例と同様に、比較的小さい2つの流体機械6,44のジョイントに連通されている。後者の流体機械44は、0を超えて旋回できないようにしなければならない。両流体機械6,44は、電気機器10を駆動するかまたは該電気機器10によって駆動されるように、同一の接続系統32に作用する。
【0060】
この流体力学的循環路は、供給フラッシュユニット48と圧力保護部50とを使用して構成されており、これらの基本的構成は、図6に示された構成に相応する。ここで相違するのは、フラッシュバルブ70の構成のみである。図9に示された実施例では、フラッシュバルブ70は圧力管路28,30内の圧力によって調整されるのではなく、電磁石98,200を介して調整される。この電磁石の駆動制御は制御ユニット46を介して、一定挙動シリンダ4のピストン22の運動速度xpに依存して行われる。
【0061】
フラッシュバルブ70はばね装置によって閉位置(0)にプリロードされており、この閉位置では、ジョイントP1,P2およびTは相互間で閉鎖されている。図9において上方に示された電磁石100が通電されると、フラッシュバルブ70は切換位置(a)に移動され、入口継手P2がタンクジョイントTに接続される。その際には、入口継手P1は閉鎖される。他方の電磁石98が通電されると、フラッシュバルブ70は切換位置(b)に調整され、入口継手P1はタンクジョイントTに接続され、他方の入口継手P2は閉鎖される。このようにして、圧力手段の交換は電磁石98,100の通電によって制御されるが、‐原則的には、図8に示された実施例と格段に異なる点はないので、これ以上詳細な説明は必要ない。電磁石の98,100の代わりに別の調整要素を使用することもできる。
【0062】
図7に示された実施例では、1つの制御ユニット46が両流体機械6,44に所属しているが、図9に示された実施例では流体機械6の旋回角は、所定の力によって一定挙動シリンダ4が調整(einspannen)されるかまたは該一定挙動シリンダ4に所定の力が印加されるように、力制御器として構成された制御ユニット46を介してパラメータx,xp,xpp,pおよびpに依存して調整される。力制御による流体機械6の旋回角α6の調整は基本的に、上記の実施例と相違しない。第2の流体機械44はトルク制御される。したがって流体機械44の旋回角は、ジェネレータ10との接続系統32が常に近似的に等しいトルクを供給するように調整される。
【0063】
第2の流体機械44の高圧側に流体蓄圧器102が配属されている。このような変換器1では高圧側と低圧側とが常に交代するので、この流体機械44にはさらに付加的に、流体圧整流器104を配属しなければならない。このような流体圧整流器は公知であり、たとえば方向弁によって構成するか、または‐図中の実施例のように‐逆止弁装置によって構成することができる。図9に示された実施例では、高圧側で両圧力管路28,30は高圧管路106を介して相互に連通されており、低圧側では低圧管路108を介して相互に連通されている。高圧管路106に、圧力管路30への方向ないしは圧力管路28への方向に阻止する2つの高圧逆止弁110,112が配置されており、これら高圧逆止弁間において流入管路114が、流体機械44の流入継手まで分岐している。この流体機械44の流出継手は流出管路116を介して、2つの低圧逆止弁118,120間に配置された低圧管路108の管路区分に連通されており、これらの低圧逆止弁118,120は、隣接する圧力管路28,30に対してそれぞれ開放される。逆止弁装置110,112,118,120によって構成されたこの流体圧整流器によって、流入管路114には常に、圧力管路28,30内の圧力のうち高い圧力が印加される。流体蓄圧器102は、両高圧逆止弁110,112間の管路区分に接続されている。このような整流器によって、流体機械44を0より大きく調整できるように構成する必要がなくなる。逆止弁装置の代わりに、たとえば本願出願後に公開されたDE102007018600に開示されたような方向弁を使用することもできる。
【0064】
流体機械44の旋回角α44の調整は専用の制御器を介して行われる。この制御器は図9に概略的に示されている。原則的に流体機械44の駆動制御はトルク制御で行われ、旋回角α44は、接続系統32に作用するトルクがほぼ一定に維持されるように調整される。トルク制御を行うための制御回路は図9では示されておらず、上記の実施例に相応して構成することができる。
【0065】
流体機械44のトルク制御に圧力制御が重ねられる。こうするためには、流体機械44の流入口ひいては流体蓄圧器102内において圧力が所定の圧力に調整されるように、図9に示された制御ユニット122が旋回角α44を調整する。この圧力は圧力センサ124によって検出され、脈動環境に依存する所定のシステム圧pSYSと比較される。この差は制御ユニット122に供給され、該制御ユニット122の出力信号は、流体機械44の旋回角α44を調整するための調整機器96へ印加されることが保証される。
【0066】
図9に示された実施例で実現される制御ストラテジーを脈動サイクルに基づいて説明する。ここでは、浮動体2が脈動の谷の領域にあると仮定する。このことに相応して、一定挙動シリンダ4によって圧送される圧力手段体積流および力要求は比較的小さく、力制御は流体機械6によってのみ実施することができる。それと同時に第2の流体機械44は、蓄圧されていた流体蓄圧器102を空にし、トルク制御にしたがって接続系統32に所定のトルクを印加する。
【0067】
浮動体2がこの脈動の谷から運動すると、該浮動体2と一定挙動シリンダ4のピストン22とが比較的大きく加速され、このことに相応して、有効力FWおよび圧力手段体積流が流体機械6を介して上昇される。流体機械6が完全に旋回しても該流体機械6の吸入容積が、一定挙動シリンダ4によって圧送される圧力手段体積流より小さい時点で、システム内の圧力は上昇し、圧力手段体積流の一部が高圧側の高圧逆止弁110または112を介して流体蓄圧器102に流入し、該流体蓄圧器102に蓄圧する。この流体蓄圧器102に蓄圧される速度は、第2の流体機械44の旋回角α44に依存する。すなわち、この旋回角α44を調整することにより、システム圧を比較的リアルタイムで調整することができる。
【0068】
浮動体が脈動の山の方向にさらに移動すると、上記の圧力手段体積流と、一定挙動シリンダに作用するプリロード力とが低減し、このことに相応して流体機械6を介して力制御を行うことができ、それと同時に第2の流体機械44は、蓄圧された流体蓄圧器102を空にし、接続系統に所定のトルクを印加する。ここで、この脈動サイクルは新たに開始することができる。
【0069】
上記の個々の制御ストラテジーは原則的に、上記のすべての変換器で使用することができる。複数の小さい流体機械を備えた変換器の場合、これらの流体機械を同期して、または相互に依存せずに、ほぼ任意のシステムパラメータに依存して駆動制御することができる。
【0070】
本願では、たとえば脈動挙動等の自然力によって間接的または直接的に駆動され流体機械を駆動するために構成されたポンプを備えた変換器を開示している。この流体機械は、ジェネレータまたはモータとして機能することができる電気機器に力結合されている。本発明では、ポンプに作用する力を自然力の振動パラメータに依存して、制御回路によって調整する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自然力によって駆動されるポンプ(4)を備えた流体圧/電気変換器であって、
前記ポンプ(4)を介して、機械エネルギーを電気エネルギーに変換するための電気機器(10)に結合された流体機械システム(6)が駆動されるように構成されている、流体圧/電気変換器において、
前記流体機械システムの流体機械(6)は調整可能に構成されており、
前記ポンプ(4)には、該ポンプ(4)に所定の力(F)または所定の圧力が印加されるように前記流体機械(6)を調整するために構成された制御回路(8)が配属されていることを特徴とする、流体圧/電気変換器。
【請求項2】
前記ポンプはピストンポンプであり、有利には一定挙動シリンダ(4)であり、
前記ピストンポンプまたは一定挙動シリンダ(4)の圧力室(24,26)はそれぞれ、圧力管路(28,30)を介して前記流体機械(6)のジョイントに接続されている、請求項1記載の流体圧/電気変換器。
【請求項3】
前記圧力管路(28,30)のうち少なくとも1つに流体蓄圧器(36,38)が設けられている、請求項2記載の流体圧/電気変換器。
【請求項4】
前記流体機械システムは、前記電気機器(10)を駆動するための第2の流体機械(44)を有する、請求項1から3までのいずれか1項記載の流体圧/電気変換器。
【請求項5】
前記第2の流体機械(44)はトルク制御される、請求項4記載の流体圧/電気変換器。
【請求項6】
前記2つの流体機械(6,44)は異なって駆動制御できるように構成されている、請求項4または5記載の流体圧/電気変換器。
【請求項7】
前記第2の流体機械(44)は、前記第1の流体機械(6)が最大吸入容量に調整された後に駆動制御できるように構成されている、請求項6記載の流体圧/電気変換器。
【請求項8】
前記2つの流体機械(6,44)は同期して駆動制御される、請求項4または5記載の流体圧/電気変換器。
【請求項9】
前記第2の流体機械(44)には高圧側に、蓄圧器(102)および流体圧整流器(104)が配属されている、請求項4から8までのいずれか1項記載の流体圧/電気変換器。
【請求項10】
前記圧力管路(28,30)をタンク(T)または供給ポンプ(52)に接続するために供給フラッシュユニット(48)を備えている、請求項1から9までのいずれか1項記載の流体圧/電気変換器。
【請求項11】
前記2つの圧力管路(28,30)間に高圧保護部(50)が設けられている、請求項1から10までのいずれか1項記載の流体圧/電気変換器。
【請求項12】
前記流体機械(6,44)と前記電気機器(10)との間の接続系統(32)に連結部(34)が設けられている、請求項1から11までのいずれか1項記載の流体圧/電気変換器。
【請求項13】
前記接続系統(32)にフライホイール質量体(42)が設けられている、請求項4記載の流体圧/電気変換器。
【請求項14】
少なくとも1つの流体機械(6,44)が4象限モードで作動できるか、または0を超えて旋回できるように構成されている、請求項1から13までのいずれか1項記載の流体圧/電気変換器。
【請求項15】
前記電気機械(10)はほぼ一定の回転数で回転する、請求項1から14までのいずれか1項記載の流体圧/電気変換器。
【請求項16】
前記自然力は、前記ポンプ(4)を駆動するために設けられた浮動体(2)に作用する脈動挙動である、請求項1から15までのいずれか1項記載の流体圧/電気変換器。
【請求項17】
前記力(F)は、下降方向に作用する前記浮動体(2)の比重が補償されるように調整される、請求項1から16までのいずれか1項記載の流体圧/電気変換器。
【請求項18】
前記ピストンポンプ(4)の環状スペース(24,26)内の圧力を検出するための圧力センサ(37,39)が設けられている、請求項2から17までのいずれか1項記載の流体圧/電気変換器。
【請求項19】
前記電気機械(10)は非同期機である、請求項1から18までのいずれか1項記載の流体圧/電気変換器。
【請求項20】
前記流体機械システムの1つまたは双方の流体機械(6,44)を調整するための制御ユニット(46,122)が設けられている、請求項1から19までのいずれか1項記載の流体圧/電気変換器。
【請求項21】
自然力によって駆動されるポンプ(4)と、該ポンプ(4)の力/圧力制御部とを備えた変換器(1)によって、機械エネルギーを電気エネルギーに変換するための方法であって、
前記ポンプ(4)は、0を超えて旋回可能な流体機械(6,44)を駆動するために設けられており、
前記流体機械(6,44)は電気機器(10)に結合されている方法において、
前記自然力の運動パラメータに依存して前記流体機械(6,44)を調整することにより、前記ポンプ(4)のピストン(22)に及ぼされる力(F)を調整することを特徴とする方法。
【請求項22】
前記ポンプ(4)の力/圧力制御を、前記ピストンポンプ(4)のピストン速度、ストローク、該ピストンポンプ(4)の圧力室(24,26)内の圧力および/または前記自然力の振幅および周波数に依存して行う、請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記流体機械(6,44)の旋回角(α)を調整することによって前記力を調整する、請求項21または22記載の方法。
【請求項24】
前記ピストン(22)が該ピストンの死点の領域で制動されるように、前記力を調整する、請求項21から23までのいずれか1項記載の方法。
【請求項25】
前記電気機器(10)を別の流体機械(44)によって駆動し、前記流体機械(6)と該別の流体機械(44)とを同期で駆動制御する、請求項21から24までのいずれか1項記載の方法。
【請求項26】
前記電気機器(10)を別の流体機械(44)によって駆動し、前記流体機械(6)と該別の流体機械(44)とを異なって駆動制御する、請求項21から24までのいずれか1項記載の方法。
【請求項27】
前記流体機械(6)および前記別の流体機械(44)のうち一方(6)を力制御し、他方(44)をトルク制御する、請求項26記載の方法。
【請求項28】
前記トルク制御される流体機械(44)に流体蓄圧器(102)および整流器が配属されており、
前記力制御される他方の流体機械(6)が最大吸入容量に調整されると、前記トルク制御される流体機械(44)の旋回角によって、前記流体蓄圧器(102)内でも作用するシステム圧を調整することができる、請求項26または27記載の方法。
【請求項29】
圧力手段体積流が小さい場合、まずは前記流体機械および前記別の流体機械のうち一方(6)のみを調整し、
前記一方の流体機械(6)が最大吸入/圧送容量に調整されると、他方の流体機械(44)を駆動制御する、請求項26記載の方法。
【請求項30】
前記流体機械(6,44)を駆動制御するための制御信号には、制御ユニット(46,122)の出力信号と、該流体機械(6,44)をパイロット調整するためのパイロット値とが含まれる、請求項21から29までのいずれか1項記載の方法。
【請求項31】
非線形の適合を介して、前記出力信号と前記パイロット値とから得られる制御信号を、流体機械(6,44)を調整するための制御信号に変換する、請求項30記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2010−531947(P2010−531947A)
【公表日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−513734(P2010−513734)
【出願日】平成20年6月20日(2008.6.20)
【国際出願番号】PCT/EP2008/004988
【国際公開番号】WO2009/003598
【国際公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany