説明

機械式駐車装置用充電スタンド

【課題】充電ケーブルがパレットの外側へと飛び出すことなく、簡単かつ確実に束ねておくことが可能な、機械式駐車装置用充電スタンドを提供する。
【解決手段】ケーブル収容部32の、比較的上方部分32Uに配置されたコンセント34と、コンセント34に接続される充電ケーブル36の、充電プラグ36aとその近傍のみが、案内壁38と共にスタンド扉40によって覆われることで、充電ケーブル36は、ケーブル収容部32内に覆い隠される。一方、充電ケーブル36のスタンド扉40により覆われない部分では、充電ケーブル36は、ケーブル収容部の少なくとも二面の案内壁38A、38Bによって、パレット12の外側へと飛び出すことが阻止された状態で、スタンド扉40により覆われない部分に設けられた巻き付けフック42に、その長さに応じて幾重にも巻き付けることによって束ねられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械式駐車装置用充電スタンドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電気自動車やプラグインハイブリッド車のように、電動モータを動力源に含む自動車の普及を考慮して、かかる自動車のためのバッテリー充電用スタンドの設置が求められている。又、このような要請に応じて、機械式駐車装置にバッテリー充電用スタンドを設置する例も散見されるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。図4に示された機械式駐車装置10は、本発明者が開発中のもの(非公知)であり、待機状態で入出庫面GLに位置する上段パレット12に、バッテリー充電用スタンド24が設けられたものである。
機械式駐車装置用充電スタンド24には、車両22と機械式駐車装置用充電スタンド24とを接続するための、着脱式の充電ケーブル24bのコンセント24cが、ケーブル収容部24dに設けられており、使用者H’によりスタンド扉24aが閉じられ、ケーブル収容部24dが塞がれることで、コンセント24cの電極部が雨滴に曝されることを防いでいる。
【0003】
図4に示される機械式駐車装置10は、複数のパレット12、13、14が上下一列に固定されてなるパレット昇降体16が、地表面GLを掘り下げて形成されたピット18内に、左右に隣接して複数(図示の例では、161、162の2機)配置された、いわゆる昇降式の立体駐車装置である。各パレット昇降体161、162には、上下に昇降させる昇降機構が各々設けられており、独立して上下に昇降可能である。そして、使用者Hは、ピット18に隣接して設けられた操作盤20のスイッチを操作して、目的のパレットを地表面(入出庫面)GLに呼び出し、車両22の入出庫を行うものである。通常は、図示の如く上段のパレット12が入出庫面GLにある状態が、待機状態における定位置である。
なお、パレット昇降体16の昇降機構についての詳しい説明は省略するが、電動モータや油圧等を動力源とし、パレット昇降体16を昇降させるための動力伝達手段として、ワイヤ等が用いられるものである。(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
又、図5には、機械式駐車装置10の別例である、いわゆる横行昇降式の立体駐車装置が示されている。この機械式駐車装置は地上4段、地下1段の5段構成であり、地上第4段(最上段)及び地下段には、入出庫段である地上第1段へと昇降可能な昇降パレット12A、12Eが3台づつ配置されている。これらの昇降パレット12A、12Eは、何れも、昇降駆動機構を備えている。又、地上第2段、第3段には、横行可能かつ地上第1段へと昇降可能な横行・昇降パレット12B、12Cが2台づつ配置されている。横行・昇降パレット12B、12Cは、横行レール上を走行車輪によって走行することにより、横行する横行フレームを備え、該横行フレームに、昇降パレット12Aと同様の昇降駆動機構が設けられたものである。更に、入出庫面に位置する地上第1段には、横行パレット12Dが2台配置されている。横行パレット12Dは、横行レール上を走行車輪によって走行するための横行駆動機構を備えている。なお、図4の機械式駐車装置10は、横方向に3列構成となっているが、必要に応じて列の増減が可能である。
【0005】
この機械式駐車装置10において、地上第2段〜第4段の昇降パレット12A〜12C、及び、地下段パレット12Eに対し車両を入出庫させる際には、地上第1段のパレット12Dが横行退避することにより、昇降パレット12A〜12C、12Eの1台分のスペースを確保する。そして、地上第1段に形成されたスペースへと、目的の昇降パレット12A、12Eが昇降移動し、又は、横行昇降パレット12C、12Dが、横行・昇降する。よって、入出庫段に位置する横行パレット12Dを含む、全てのパレットへの入出庫が可能となるものである。又、機械式駐車装置10には、その待機時や、入出庫に係るパレットの地上第1段への移動を完了する間、機械式駐車装置内部への人や車の誤進入を防止するため、地上第1段を塞ぐ昇降式のゲート15が設けられている(例えば、非特許文献1参照。)。
そして、前述のようなバッテリー充電用スタンド24の設置は、かかる横行昇降式の立体駐車装置の、各パレット12A〜12Eにも、同様に望まれているところである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−222793号公報
【特許文献2】特開2001−164780号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】「東急ネオ・トーパーク 地上4・3段・地下1段(横行昇降式・ピット式)駐車装置TPKc型」製品パンフレット,東急パーキングシステムズ株式会社
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、図4に例示されるように、機械式駐車装置10のパレット12に設置される機械式駐車装置用充電スタンド24は、パレット12の外側へと飛び出すことなく、かつ、パレット12の駐車スペースを侵食することなく設置される必要がある。又、車両22の入出庫や運転者の乗降の際の障害物となることも避ける必要がある。このため、機械式駐車装置用充電スタンド24を平面視で平面視で四角形をなす前記パレットの奥方の隅部に、柱状にして設置することが望ましい。又、機械式駐車装置用充電スタンド24のケーブル収容部24dに許容される容積、特に横断面積は、自ずと制限されることとなる。
【0009】
一方、充電ケーブル24bは、公共の機械式駐車装置用充電スタンドや家庭用電源等、様々な電力供給源において使用することを考慮した、十分な長さのものが車両22の付属品として車載されていることから、機械式駐車装置用充電スタンド24と、車両22のコンセントとが近いような場合には、充電ケーブル24bの長さに余りが生じることとなる。しかも、充電ケーブル24bは、通電容量、耐久性、安全性等を考慮して十分な太さの銅線が用いられ、その被覆厚も十分に与えられていることから比較的曲げ難く、小さく束ねてケーブル収容部24dに収めることが困難である。このように、ケーブル収容部24dに収まりきらない充電ケーブル24bが、パレット12の外側へと飛び出した状態を放置しておくと、パレット12の移動に支障を来たすこととなる。
【0010】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電動モータを動力源に含む自動車の、バッテリー充電用の充電ケーブルの長さに余りが生じるような場合であっても、充電ケーブルがパレットの外側へと飛び出すことなく、簡単かつ確実に束ねておくことが可能な、機械式駐車装置用充電スタンドを提供することにある。
【0011】
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
【0012】
(1)可動式のパレットに設置される、電動モータを動力源に含む自動車のバッテリー充電用スタンドであって、充電ケーブルを接続するためのコンセントが操作上適切な高さに配置されると共に、該コンセントに接続された状態の前記充電ケーブルの、前記パレット外側への飛び出しを阻止するための案内壁を少なくとも二面備える、ケーブル収容部が設けられている機械式駐車装置用充電スタンド(請求項1)。
本項に記載の機械式駐車装置用充電スタンドは、車両と機械式駐車装置用充電スタンドとを接続するための着脱式の充電ケーブルが、ケーブル収容部のコンセントに接続された状態で、車両と機械式駐車装置用充電スタンドとの間に取り回される充電ケーブルが、ケーブル収容部の少なくとも二面の案内壁によって、パレット外側へと飛び出すことが阻止されるものである。
【0013】
(2)上記(1)項において、前記ケーブル収容部は、比較的上方に位置するケーブル封止部と、比較的下方に位置するケーブル開放部とを含む機械式駐車装置用充電スタンド(請求項2)。
本項に記載の機械式駐車装置用充電スタンドは、車両と機械式駐車装置用充電スタンドとを接続するための着脱式の充電ケーブルが、ケーブル収容部のコンセントに接続された状態で、車両と機械式駐車装置用充電スタンドとの間に取り回される充電ケーブルは、比較的上方に位置するケーブル封止部では、ケーブル収容部内に覆い隠されるものである。一方、ケーブル収容部の比較的下方に位置するケーブル開放部では、小さく束ねることが困難な充電ケーブルを、無理にケーブル収容部に収めることなく、ケーブル収容部の少なくとも二面の案内壁によって、パレット外側へと飛び出すことが阻止された状態で、案内するものである。
【0014】
(3)上記(2)項において、前記ケーブル収容部の、比較的上方部分に前記コンセントが配置され、前記コンセント及び前記コンセントに接続される前記充電ケーブルの充電プラグとその近傍のみを、前記案内壁と共に覆うスタンド扉を開閉自在に設け、該スタンド扉により覆われない部分に、前記充電ケーブルの巻き付けフックが設けられている機械式駐車装置用充電スタンド(請求項3)。
本項に記載の機械式駐車装置用充電スタンドは、ケーブル収容部の、比較的上方部分に配置されたコンセントと、コンセントに接続される充電ケーブルの、充電プラグとその近傍のみが、案内壁と共にスタンド扉によって覆われることで、ケーブル収容部内に覆い隠される。一方、充電ケーブルのスタンド扉により覆われない部分は、ケーブル収容部の少なくとも二面の案内壁によって、パレット外側へと飛び出すことが阻止された状態で、スタンド扉により覆われない部分に設けられた巻き付けフックに、その長さに応じて幾重にも巻き付けることによって束ねられるものである。しかも、小さく束ねることが困難な充電ケーブルを、無理にケーブル収容部に収めることなく、かつ、ケーブル収容部の少なくとも二面の案内壁によって、パレット外側へと飛び出すことなく、巻き付けフックに巻き付けて束ねることが可能となる。
【0015】
(4)上記(3)項において、前記巻き付けフックの先端部は上方に折り曲げられ、その上端の高さが、前記スタンド扉の、下端部と同一ないし若干低い位置若しくは下端部よりも高い位置に設定されている機械式駐車装置用充電スタンド(請求項4)。
本項に記載の機械式駐車装置用充電スタンドは、上方に折り曲げられた巻き付けフックの先端部の、上端の高さが、スタンド扉の、下端部と同一ないし若干低い位置若しくは下端部よりも高い位置に設定されていることにより、スタンド扉が、巻き付けフックに巻き付けられた充電ケーブルの脱落防止手段として機能する。又、ケーブル収容部の、案内壁とスタンド扉とにより形成される下方開口が、巻き付けフックとそれに巻き付けられた充電ケーブルによって塞がれる。このため、かかる下方開口から手を差し込んでの、コンセントに対する、充電ケーブルの充電プラグの不正な着脱操作が確実に阻止され、巻き付けフックがスタンド扉の機能を補完ものとなる。
【0016】
(5)上記(4)項において、前記巻き付けフックが、平面視で前記案内壁と前記スタンド扉とで囲まれる範囲に収められている機械式駐車装置用充電スタンド(請求項5)。
本項に記載の機械式駐車装置用充電スタンドは、巻き付けフックが、平面視で案内壁とスタンド扉とで囲まれる範囲に収められていることから、巻き付けフックに巻き付けて束ねられる充電ケーブルの巻き付け上端部は、ケーブル収容部の案内壁とスタンド扉とで囲まれる範囲に収まるようにして束ねられ、それ以外の部分は、無理にケーブル収容部に収めることなく、かつ、ケーブル収容部の少なくとも二面の案内壁によって、パレット外側へと飛び出すことなく束ねられる。
【0017】
(6)上記(1)から(5)項において、平面視で四角形をなす前記パレットの、一箇所の隅部又はその近傍に配置され、前記案内壁が前記一箇所の隅部を頂点とするパレット側辺と平行に配置されている機械式駐車装置用充電スタンド(請求項6)。
本項に記載の機械式駐車装置用充電スタンドは、平面視で四角形をなすパレットの、一箇所の隅部又はその近傍に配置されるものである。そして、充電ケーブルがケーブル収容部のコンセントに接続された状態で、車両と機械式駐車装置用充電スタンドとの間に取り回されるケーブルが、一箇所の隅部を頂点とするパレット側辺と平行に配置された案内壁によって、パレット外側へと飛び出すことが阻止されるものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明はこのように構成したので、電動モータを動力源に含む自動車の、バッテリー充電用の充電ケーブルの長さに余りが生じるような場合であっても、充電ケーブルがパレットの外側へと飛び出すことなく、機械式駐車装置用充電スタンドに、簡単かつ確実に束ねておくことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に係る機械式駐車装置用充電スタンドを示す模式図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図2】(a)は図1(b)のA−A断面図、(b)は同B−B断面図、(c)は同C−C断面図、(d)は同D−D断面図である。
【図3】図1に示される機械式駐車装置用充電スタンドの使用状態を示す立体図であり、(a)は全体視図、(b)はスタンド扉を開いた状態を示す図である。
【図4】従来の昇降式の機械式駐車装を示す模式図である。
【図5】従来の横行昇降式の機械式駐車装置を示す立体模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための形態を添付図面に基づいて説明する。本発明の実施の形態において、機械式駐車装置用充電スタンドが設置される、機械式駐車装置の全体構成は、図4、図5に示される従来の機械式駐車装置10と同じである。よって、以下の説明においては、適宜図4、図5も参照されたい。又、従来技術と同一部分、若しくは相当する部分については、同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0021】
本発明の実施の形態に係る、機械式駐車装置用充電スタンド30は、図1〜図3に示されるように、全体として四角柱状をなしており、上下方向の一定範囲に渡り、ケーブル収容部32が設けられている。ケーブル収容部32は、充電ケーブル36を接続するためのコンセント34が操作上適切な高さに配置されると共に、コンセント34に接続された状態の充電ケーブル36の、パレット12の外側への飛び出しを阻止するための、案内壁38を少なくとも二面(38A、38B)備えている。なお、本発明の実施の形態では、図3(a)に示されるように、平面視で四角形をなすパレット12の、一箇所の隅部又はその近傍に配置され、案内壁38A、38Bが、各々、一箇所の隅部を頂点とするパレット側辺と平行に配置されており、ケーブル収容部32は断面L字状の(図2(c)参照)二方向に開放された空間となっている。
【0022】
又、コンセント34は、ケーブル収容部32の比較的上方部分32Uに配置され、コンセント34及びコンセント34に接続される充電ケーブル36の充電プラグ36aとその近傍のみを、案内壁38A、38Bと共に覆うスタンド扉40が、ヒンジによって開閉自在に設けられている。図示の例では、スタンド扉40は、概ね平面視L字状をなしている。そして、ケーブル収容部32の比較的下方の、コンセントスタンド扉40により覆われない部分32Lに、充電ケーブルの巻き付けフック42が設けられている。案内壁38及びスタンド扉40は、何れもステンレス板等を適宜加工することにより、形成されるものである。又、巻き付けフック42は、アルミやステンレスの帯状素材等をクランク状に折り曲げて形成した部品であり、その先端部42aは上方に折り曲げられている。そして、先端部42aの上端の高さが、スタンド扉40の、下端部40aと同一ないし若干低い位置若しくは下端部よりも高い位置に設定されている。しかも、巻き付けフック42は、案内壁38とスタンド扉40とで囲まれる範囲に収まるように形成されている。
【0023】
なお、図示の例では、機械式駐車装置用充電スタンド30の上端部に設けられたケース44には、充電ケーブル36の通電状態等を表示する表示灯46が設けられている。又、図1中符号48は、スタンド扉40の開閉操作用のハンドルであり、符号50はスタンド扉40のロック装置である。又、図示は省略するが、ケーブル収容部32の比較的上方部分32Uには、夜間操作用の照明等を具備している。
【0024】
さて、上記構成をなす本発明の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能である。
すなわち、本発明の実施の形態に係る機械式駐車装置用充電スタンド30は、図3に具体的に例示されているように、車両22と機械式駐車装置用充電スタンド30とを接続するための着脱式の充電ケーブル36が、ケーブル収容部32のコンセント34に接続された状態で、車両22(図4参照)と機械式駐車装置用充電スタンド30との間に取り回される充電ケーブル36が、ケーブル収容部32の少なくとも二面の案内壁38A、38Bによって、パレット12の外側へと飛び出すことが阻止されるものである。
【0025】
又、ケーブル収容部32の、比較的上方部分32Uに配置されたコンセント34と、コンセント34に接続される充電ケーブル36の、充電プラグ36aとその近傍のみが、案内壁38と共にスタンド扉40によって覆われることで、ケーブル収容部32の比較的上方部分32Uは「ケーブル封止部」となり、充電ケーブル36は、ケーブル収容部32内に覆い隠される。一方、充電ケーブル36のスタンド扉40により覆われない部分は、「ケーブル開放部」となり、ケーブル収容部の少なくとも二面の案内壁38A、38Bによって、パレット12の外側へと飛び出すことが阻止された状態で、スタンド扉40により覆われない部分に設けられた巻き付けフック42に、その長さに応じて幾重にも巻き付けることによって束ねられるものである。しかもこのとき、小さく束ねることが困難な充電ケーブル36を、無理にケーブル収容部32に収めることなく、かつ、ケーブル収容部32の少なくとも二面の案内壁38A、38Bによって、パレット12の外側へと飛び出すことなく、巻き付けフック42に巻き付けて束ねることが可能となる。
【0026】
又、上方に折り曲げられた巻き付けフック42の先端部42aの、上端の高さが、スタンド扉40の、下端部40aと同一ないし若干低い位置若しくは下端部よりも高い位置に設定されていることにより、スタンド扉40が、巻き付けフック42に巻き付けられた充電ケーブル36の脱落防止手段として機能することとなる。更に、ケーブル収容部32の、案内壁38とスタンド扉40とにより形成される下方開口が、巻き付けフック42とそれに巻き付けられた充電ケーブル36によって、図3(a)に示されるように塞がれることとなる。このため、ケーブル収容部32の、案内壁38とスタンド扉40とにより形成される下方開口から手を差し込んでの、コンセント34に対する、充電ケーブル36の充電プラグ36aの不正な着脱操作が確実に阻止されるものである。すなわち、巻き付けフック42は、コンセント34と、コンセント34に接続される充電ケーブル36の、充電プラグ36aとその近傍をケーブル収容部32内に覆い隠すという、スタンド扉40の機能を補完するものとなる。
【0027】
更に、巻き付けフック42が、平面視で案内壁38とスタンド扉40とで囲まれる範囲に収められていることから、巻き付けフック42に巻き付けて束ねられる充電ケーブル36の巻き付け上端部(図3(a)の符号36b参照)は、ケーブル収容部32の案内壁38とスタンド扉40とで囲まれる範囲に収まるようにして束ねられ、それ以外の部分は、無理にケーブル収容部32に収めることなく、かつ、ケーブル収容部32の少なくとも二面の案内壁38A、38Bによって、パレット12の外側へと飛び出すことなく束ねられるものである。
【0028】
なお、本発明の実施の形態に係る機械式駐車装置用充電スタンド30は、平面視で四角形をなすパレット12の、一箇所の隅部又はその近傍に配置されるものであり、充電ケーブル36がケーブル収容部32のコンセント34に接続された状態で、車両22と機械式駐車装置用充電スタンド30との間に取り回されるケーブル36が、一箇所の隅部を頂点とするパレット12の側辺と平行に配置された二面の案内壁38A、38Bによって、パレット外側へと飛び出すことが阻止されるものである。
【0029】
しかしながら、パレット12の隅部位外の場所に設置される場合には、案内壁38及びスタンド扉40の形状を、適宜、充電ケーブル36が、ケーブル収容部32のコンセント34に接続された状態で、車両22と機械式駐車装置用充電スタンド30との間に取り回される充電ケーブル36が、パレット12の外側へと飛び出すことの無いよう、構成するものとする。従って、案内壁38が平面視コ字状に三面設けられ、スタンド扉40が平面状をなしていても良い。更には、スタンド扉40が、図示の例のごとくヒンジによって開閉するもののみならず、上下に昇降するシャッター状のものであっても良い。
【符号の説明】
【0030】
30:機械式駐車装置用充電スタンド、 32、32L、32U:ケーブル収容部、34:コンセント、36:充電ケーブル、 38、38A、38B:案内壁、40:スタンド扉、40a:下端部、42:巻き付けフック、42a:先端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動式のパレットに設置される、電動モータを動力源に含む自動車のバッテリー充電用スタンドであって、
充電ケーブルを接続するためのコンセントが操作上適切な高さに配置されると共に、該コンセントに接続された状態の前記充電ケーブルの、前記パレット外側への飛び出しを阻止するための案内壁を少なくとも二面備える、ケーブル収容部が設けられていることを特徴とする機械式駐車装置用充電スタンド。
【請求項2】
前記ケーブル収容部は、比較的上方に位置するケーブル封止部と、比較的下方に位置するケーブル開放部とを含むことを特徴とする請求項1記載の機械式駐車装置用充電スタンド。
【請求項3】
前記ケーブル収容部の、比較的上方部分に前記コンセントが配置され、前記コンセント及び前記コンセントに接続される前記充電ケーブルの充電プラグとその近傍のみを、前記案内壁と共に覆うスタンド扉を開閉自在に設け、該スタンド扉により覆われない部分に、前記充電ケーブルの巻き付けフックが設けられていることを特徴とする請求項2記載の機械式駐車装置用充電スタンド。
【請求項4】
前記巻き付けフックの先端部は上方に折り曲げられ、その上端の高さが、前記スタンド扉の、下端部と同一ないし若干低い位置若しくは下端部よりも高い位置に設定されていることを特徴とする請求項3記載の機械式駐車装置用充電スタンド。
【請求項5】
前記巻き付けフックが、平面視で前記案内壁と前記スタンド扉とで囲まれる範囲に収められていることを特徴とする請求項4記載の機械式駐車装置用充電スタンド。
【請求項6】
平面視で四角形をなす前記パレットの、一箇所の隅部又はその近傍に配置され、前記案内壁が前記一箇所の隅部を頂点とするパレット側辺と平行に配置されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の機械式駐車装置用充電スタンド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−136869(P2012−136869A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−289952(P2010−289952)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000003377)東急車輛製造株式会社 (332)