機械的に換気される患者の診断評価を簡略化する方法及び装置
本発明は、幾つかの変化値を取得し、かつモニタスクリーン上に取得した値を表示する方法、並びに患者の換気中に取得された変化値を表示するためにスクリーンを有する装置に関する。装置は、異なる起源の少なくとも3つの変化値を取得する手段と、取得した値が単一の図形要素内に一緒にスクリーン上に質的に表示されることを可能にする、値を表示する手段とを含む。この図形要素は、肺形状の絵表示を有する。本発明は、各呼吸内で検出される、換気された肺の容量変化が、この対応する容量変化に対応する肺形状の大きさ変化を用いて動画化された方法で表示されるように、値を表示する手段が設計されることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者の換気中にモニタされる幾つかの変化値を取得し、かつ値をスクリーン上に表示する方法及び装置に関する。
【0002】
患者の機械換気は、場合により、患者を生存状態に保つために必要である。このことは、例えば麻酔に関して、又は疾患若しくは事故後に関しても当てはまる。しかしながら、機械換気は、患者の肺に損傷を与えることがある。従って、できるだけ短時間に、かつできるだけ低い強度で実施することが、あらゆる換気治療の目的でもある。患者パラメータ及び装置の設定は、換気の必要性、並びに必要な換気強度を推測するために使用されることとなっている。
【0003】
可能な場合に換気を患者の要求に適応させるために、患者の状態の連続した新規な評価と、機械換気に対する患者の依存状態の同様に連続した新規な評価が必要である。患者の依存状態は、一方で換気装置で設定された装置パラメータから認識できる、現在の換気状態から得ることができ、かつ他方で患者パラメータから認識可能な患者の状態から得ることができる。
【背景技術】
【0004】
従来の換気装置、麻酔装置又はモニタ装置は、センサを用いて測定された患者パラメータ、及び/又は機械換気の設定がリアルタイムで表示できるディスプレイとしてスクリーンを有する。
【0005】
患者パラメータの表示は、数値の形、又はグラフの形での表示の間で大部分が選択できる。若干のかかるグラフは、いずれの場合にも時間の経過における個々の患者パラメータを示し、x軸は時間を表示し、かつ所与の時点でのパラメータの測定又は計算された値は、y軸に示される。従って曲線は、いずれの場合にも表示される過去の時点での、及び特にリアルタイムでのパラメータの示度を示す。幾つかのかかるグラフは、互いに隣り合って、又は互いに重ねて表示できる。2本の曲線は、単一のグラフに同時に表示できる。若干のグラフは、いわゆるループ内で互いに対して示される2つの患者パラメータを示す。一方のパラメータの値はx軸に示され、かつ他方のパラメータの値はy軸に示される。時間の経過において、いずれの場合にも両方の示度を表示する点は、閉曲線、いわばループに沿って走る。これらのループは、これを用いて継続的に更新される。いずれの場合にも両方の示度を表示する点は、リアルタイムでの測定の現在値を示す。
【0006】
かかる示度の公知の図形表示は、従って1つの患者パラメータ、又は2つの患者パラメータをリアルタイムでのループの特別な形で表示する二次元曲線である。示度の変化は、ループ又はグラフの形状変化をもたらす。
【0007】
患者パラメータの示度及び/又はそこから計算された値の表示は、患者の状態を推測するために、医師によって使用される。医師は、これらの示度及びグラフを、医師が知っている正常値及びそれからの許容偏差と比較することによって、患者がその瞬間にどのような具合であるか推測する。
【0008】
機械換気を有する装置設定は、一連の数値で表示された設定値から読み取ることができる。これらの値の評価は、機械換気に対する患者の依存状態を推測することが可能であるために、かつ迅速な停止を達成するために必要である。
【0009】
かかる数値及び図形表示は、多大な経験によって自発的に評価できるだけである。医師は、状況を正しく評価することが可能であるために、表示値を集中的に扱わねばならない。停止を支持しない、強度減少を促す、又は強度増加を支持する個別のパラメータを見落とすことは、深刻な問題を導くことがある。
【0010】
研究作業が、非特許文献1に発表された。この中で、麻酔薬のための肺機能の図形表示の開発は、統合使用性試験との対話型適合方法の例として特定されている。
【0011】
例として特定された設計により、使用性試験は、表示の解剖学的有意性の直観知覚能力の25%の増加を引き起こした。可変表示手段の有意性の直観知覚能力は、34%増加し、かつ診断内容の精度は、4%減少したのみであった。これらの最良の試験値を作り出す設計は、次の画像要素:2つの肺葉を有する図形的に非常に簡略化された肺と、肺葉に到達する2つの気管支枝を有する図形的に非常に簡略化された気管とを含む図形要素を最終的に表示し、かつ膨張するベローズが、気管支に接続されて表示され、その高さは一回換気量を表示する。長方形がベローズの左に表示され、その色は呼吸気の酸素含有量を表示し、かつ長方形がベローズの右に表示され、その高さは呼吸終期のCO2値を表す。呼吸速度は、数としてベローズの上にある。
【0012】
呼吸抵抗を象徴する三角形を、気管内及び気管支内に描くことができる。肺葉の色は、肺の酸素供給を象徴する。肺のコンプライアンスは、肺葉の2つの異なる外形によって表示される:フォームバブルを表示する外形は、増加するコンプライアンスを表示し、かつグリッド入りケージは、減少したコンプライアンスを表示する。
【0013】
図形表示は動画化されない。表示がリアルタイムデータによって動画化される時に、表示の直観知覚能力が変化することが、記載中で重要な側面として特定されている。しかしながら、将来の研究は、表示が患者データによって動画化される時に、それが直観知覚可能、かつ使用可能なままであるかどうかを、いつかは示さねばならない。
【0014】
【非特許文献1】「The Employment of an Iterative Design Process to Develop a Pulmonaa Graphical Display」、Journal of the American Medical Informatics Association、Volume 10、Number 4 、2003年7/8月
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
従って、換気を受ける患者の診断評価を簡略化すること、又は患者の換気によって評価されるべきパラメータの評価を簡略化することが、本発明の目的である。評価すべきパラメータを処理し、表示することが、本発明の更なる目的である。本発明の更なる目的は、患者の状態又は機械換気に対する患者の依存状態を、迅速かつできるだけ直観的な方法で知覚可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明によれば、この目的は、請求項1に記載の方法によって達成される。
【0017】
現状技術による、機械的に換気された患者の異なる起源の幾つかの変化値を検出し、かつモニタスクリーン上に値を表示する、かかる方法は、これらの値の少なくとも3つが取得され、かつ肺形状の絵表示を含む単一の図形要素内に一緒に、質的に表示されるという特徴を有する。それは、換気される肺の現在の容量変化が、各呼吸によって大きさの増減する肺形状を用いて表示されることにおいて、この現状技術と異なる。
【0018】
肺の動画化は、動いている肺が、患者の肺を表示する図形として直接的に理解されるという利点を有する。それは、速度を示し、かつ大きさの変化を用いて、呼吸量を質的に示すこともできる。更に、肺が本当に動くか、すなわち患者が本当に人工呼吸されているか、又は例えば閉塞又は切断が存在するか(その場合、肺は、特に有利には、一定の大きさを有する)が直接的に認識できる。
【0019】
肺の動画化は、ベローズの動画化と比較して、目に見えるようになるのが換気装置の作業ではなく、換気の効果であるという利点を有する。
【0020】
肺形状が、一次元での大きさ変化を起こすことが可能であるだけならば、いずれの場合にも肺形状が、肺形状の輪郭まで正常に大きさを増減されることが好ましい。このことは、呼吸運動を表示する動きとして非常に直観的に知覚できる。かかる大きさの動きは、肺の吸入及び肺の排出として知覚される。従ってそれは、受動的患者を示す。患者自身の活動は、横隔膜側の肺形状の外形が、肺形状の大きさ変化の間にその様式で変えられることにおいて、目に見えるようになる。従って、肺形状の大きさの変化は、2つの方法で行うことができ、その結果、患者が能動的に呼吸しているか、又は換気されているだけであるかに関して区別できる。トリガ信号は、患者が能動的に呼吸しているかどうか検出するためにそれ自体公知の方法で取得できる。
【0021】
変化値は、センサを用いて、換気されているか又は場合により換気されるべき患者に関して、有効に測定される。それらは、かかる示度からの計算によっても判定できる。
【0022】
有効には、呼吸流量及び/又は患者側の圧力状態は、呼吸管内で検出される。これにより、患者の自身の活動は別として、切断又は閉塞が存在するか否かに関してモニタすることもできる。定数値は、切断又は閉塞が確認される場合に肺形状の大きさに割り当てられる。肺形状は、閉塞を、切断から直観的に区別することが可能であるように、閉塞が確認される場合に大きく、かつ切断が確認される場合に小さく表示される。動く、又は動かない肺形状に重ね合わされた、比較値としての正常な肺形状の大きさを検討できる。このことは、一定である大きさか、又は大きさが増減する肺形状によって、線又は肺形状を有する背景区域として例えば表示できる。かかる線又は区域は、肺のコンプライアンスのための比較形状を同様に表示できる。
【0023】
気道形状は、公知の方法で肺形状に統合されて表示される。この気道形状の特性の、かつ気道を特徴付ける少なくとも1つの変化値は、この気道形状に与えられる。好ましくは、呼吸抵抗が、気道形状の幅に割り当てられる。狭い気道は、高い呼吸抵抗によって表示され、かつ広い気道は、低い、すなわち正常な呼吸抵抗によって表示される。気道形状の幅を別として、気道形状の色又は輝度レベルは、呼吸抵抗に関する質的情報を提供することもできる。両方の特性は、互いに組み合わせられるか、又は個別に使用することができる。
【0024】
更に、図形要素は、同様に肺形状の横隔膜側の下で横隔膜形状の肺筋系のように、心臓形状又は血管形状を有することができる。血液循環を特徴付ける少なくとも1つの変化値が、心臓形状又は血管形状の特性に割り当てられる。かかる値は:血管幅を用いて表示される血圧;血管形状又は心臓形状の一部領域で2つの色によって表示される酸素飽和及びCO2分圧;血管形状又は心臓内の点滅又は移動する記号によって表示される脈拍であっても良い。呼吸作業における患者の関与を特徴付ける変化値は、この筋系形状の特性に割り当てられる。かかる値は、例えば筋アーチの点滅を用いて表示されるトリガ信号であっても良い。関与の強度は、筋形状の大きさによっても表示できる。肺筋系の活動に関する質的な情報は、迅速かつ直観的に知覚できるように提供できる。肺筋系の活動は、幾つかの、例えば3、4、5又は6つの目盛りで表示される。
【0025】
筋系形状の変化は、肺筋系の活動(強−弱)、及び呼吸運動(吸入、浅くなるアーチ;吐出、筋アーチのアーチ化)と同期して有効に行われる。
【0026】
肺形状が、コンプライアンスに関する質的情報を提供することが更に望ましい。好適には、このことは、硬い肺に関して太く、及び/又は不均等に太く、かつ柔軟な肺に関して細い輪郭線によって達成される。肺形状の輪郭様式は、肺の剛性又は膨張性(コンプライアンス)に関する質的な情報を同様に提供できる。硬い肺に関して、このことは、例えば角度的に表示され、柔軟な肺に関して、膨れて、又は皺が寄って表示される。肺区域のパターン形成は、同様にコンプライアンスを表示できる。パターン形成は、コンプライアンスの値が正常範囲内に位置しないならば、好適には非対称を有する。パターン形成は、例えばグリッドを表示でき、そのグリッド領域は、硬いコンプライアンスに関して角張っており、かつ軟らかいコンプライアンスに関して丸い。外形、パターン形成及び輪郭線の特性はまた、好適には、コンプライアンスを一緒に質的に表示でき、かつこれに注意を引き付けることができる。更に肺は、正常値からの偏差増加によって、偏差をより明白にするために、非対称的に同様に表示されるべきである。
【0027】
脈拍は、更に、心臓形状若しくは血管形状の輪郭変化、又は心臓形状若しくは血管形状の輝度変化若しくは色変化の律動によって表示できる。
【0028】
気道を有する肺及び筋系形状は、全体として読まれるべき単一の図形要素を一緒に有効に形成する。個別の成分は、互いに一定の関係を有する。通常、筋及び肺葉は、同期して動く。患者が、換気装置の律動に反して呼吸するならば、筋形状及び肺形状の動きが、肺及び筋の間の非同期性に従って、非同期であることが観察される。血管/心臓形状は、この図形要素に組み込まれる。このことは、符号が、ヒトの器官によって知覚されるので、符号の直観的な可読性を増加する。肺のような肺形状の可読性は、横隔膜のような筋形状の可読性を増加する。これらの絵構成要素の可読性は、観察者にとり、血管形状が血管を表示し、かつ心臓形状が心臓を表示することを再度明瞭にする。図形要素内での、一方の形状の他方の形状に対する緊密な関係は、患者の活動及び機械換気の非同期性が目に見えるようになるという利点を更に有する。
【0029】
器官表示においてこの要約によって容易に知覚可能にされる患者パラメータを別として、医師は、通例状況を正しく推測するために装置パラメータを同様に必要とする。これらは、第2図形においてより良く示される。この理由で、次のパラメータ:
− 適用される酸素濃度「FiO2」、
− 呼気終末陽圧「PEEP」、
− 吸気圧「Pinsp」、又は吸気の平均圧「Pimean」、
− 制御された換気と、自発的呼吸との間の比「RRtot/RRspont」、又は速く、浅い呼吸「RSB」、
− (例えばIBWから導かれる)理論分時拍出量の現在の分時拍出量に対する比「MV」、
− 変動指数、及び/又は
− 患者の呼吸動作指数(例えば、患者によって発生した真空によって呼吸動作を判定するP0.1、又は例えば患者によって発生した流動力学を用いて呼吸動作を判定する代替的指数)、の3つ、好ましくは3つを超え、特に好ましくは全部を図形表示する、スクリーン上に第2図形要素を表示することが提案される。
【0030】
医師は、これらのパラメータ、又は3つのパラメータの選択により、患者が装置にどの程度依存しているか推測できる。これらのパラメータも、できるだけ速く知覚可能にされ得るべきである。
【0031】
このために、これらの値は、取得され、かつスケール上で分割又は位置変化する構成要素の位置によって、アナログ又は準アナログ的に表示される。各スケールは、これらのパラメータの1つに与えられる。各表示パラメータの現在値は、好適にはいずれの場合にも、ある範囲上に示され、前記範囲は、いずれの場合にも一端にそれぞれのパラメータの不良値と、そこから離れて良好値とを表示し、かつこれらの範囲は、全ての範囲の良好値が、互いに対して設定されるように配設される。このことは、表示された値の評価を著しく簡略化する。
【0032】
スケールは、好適には少なくとも2つの領域に分割される。少なくとも1つの領域が、良好値のため、1つが不良値のため、かつ場合によっては中央値のためである。これらは、その色、輝度又はパターン形成によって異なっていても良い。これらの領域の1つの色、輝度又はパターン形成を用いて、表示パラメータ値が、良好値を有する領域内又は領域外に位置するかを表示する。好適には、各範囲又は背景の領域の色、輝度又はパターン形成を用いて、全ての表示された示度が良好値を有する領域内に位置するかに関して表示される。全ての値が、良好値の領域に位置するならば、その場合、換気装置から患者の接続を外すことが検討できる。少なくとも1つの値が、この良好な領域内にまだないのであれば、換気装置から患者の接続を外すことを無視できる。
【0033】
領域の境界値は、装置内で固定でき、かつそれ故に不変である。方法の好ましい実施態様において、それらは事前設定できるが、それらは利用者によって定義可能、及び/又は調整可能である。領域を定義又は調整するために、利用者は、インタフェースを使用して、一方の領域と隣接領域との間の境界値を定義又は調整する。
【0034】
本発明に従った、かつ上記方法に対応する装置は、以下のように設計される:
【0035】
装置は、公知の方法で、患者の換気に関する検出された変化値を表示するためにスクリーンを備え、かつ異なる起源の少なくとも3つの変化値を検出する手段と、値を表示する手段とを含む。これらの手段により、取得した値が、単一の図形要素内で一緒にスクリーン上に質的に表示されることが可能になる。この図形要素は、公知の方法で、肺形状の絵表示を有する。
【0036】
しかしながら、この装置は、各呼吸に関して検出される換気される肺の容量変化が、この対応する容量変化に対応する肺形状の大きさ変化を用いて動画化して表示されるように、値を表示する手段が設計されることにおいて、当初言及した現状技術と異なる。従って、絵によって表示されるのは、呼吸容量だけでなく、肺に対する換気の影響が、リアルタイムで絵によって表示される。このために、センサが、有効に提供される。好ましい実施態様において、呼吸の圧力及び/又は流量をモニタするセンサは、呼吸チューブ上の患者側に存在する。これにより、切断又は閉塞が存在するか、又は患者が効果的に換気されているかが確認できる。動画化された肺は、患者の肺が換気空気によって膨張し、かつ肺に圧縮されたこの空気が再度出される時に、モニタ上に表示される。換気が起こらない、言及した2つの場合において、肺形状は、しかしながら一定の大きさによってスクリーン上に示される。このことは、換気装置内に設定されたタスクではなく、患者に対する影響を目に見えるようにする。
【0037】
肺形状の一定の大きさは、閉塞が確認される場合に大きく、かつ切断が確認される場合に小さいことが有効である。呼吸を表示する肺形状の表面変化は、好適には測定された一回換気量と関係する。
【0038】
表示された肺形状は、気道形状(気管支を有する気管)も有することが望ましい。気道に関する少なくとも変化値、特に抵抗がこれによって表示される。気道形状の色又は輝度レベルによって、現在の換気抵抗も表示できるか、又は正常値からの偏差が強調できる。
【0039】
肺形状は、分割できる。肺形状の区域の区域分割は、好適には、理想肺容量と、実際に換気される肺容量との差を表示する。絵によって述べられるかかる分割は、肺中の「水」として知覚され、かつ好適には、肺のいずれの部分が呼吸に関与しないか、に関する情報を含む。
【0040】
肺形状の輪郭線の現在の設計及び/又は肺形状の外形の現在の構成は、好適には、肺の剛性又はコンプライアンスに関する質的情報を含む。この輪郭線と外形は動画化される。それらは、各呼吸によって大きくなり、かつ小さくなる。すでに記載したように、輪郭線は、コンプライアンスに対応する太さを有し、かつ外形構成が、直線かつ角張っているほど肺は硬く、かつ丸くかつギザギザが付いているほど肺は柔軟である。張りつめた丸い線の、又はかかる背景表面の形状の比較値は、比較のために混ぜ合わせることができる。このことは、理想肺形状の外形を辿る線、又は理想肺形状を有する区域として、理想的なコンプライアンスを表示する。これにより、理想呼吸量を更に表示できる。
【0041】
図形要素の一部は、更に好適には筋系形状である。肺の下に表示された横隔膜として有効に表示されるこの筋形状により、呼吸作業における患者の関与に関する変化値を表示できる。かかる表示は、直観的に読むことができる。例えば太い筋は、大きな関与として、かつ細いものは、弱い関与として認識できる。筋形状の外観及び筋形状上の不存在は、患者のトリガ信号として、又はその不存在として直接的に認識可能である。
【0042】
図形要素の更なる成分は、好適には血管形状又は心臓形状である。このことは、血液循環に関する変化値を表示するために適している。現在の血圧又は他のいずれかの血行動態指数、特に現在の平均血圧は、血管形状の現在の幅によって表示できる。現在の酸素飽和又は他のいずれかの酸素化指数、及び血液の現在のCO2分圧又は他のいずれかの換気指数は、血管形状及び/又は心臓形状の一領域の少なくとも現在の色を用いて表示できる。
【0043】
脈拍は、血管形状に沿って走るか又は点滅する符号を用いて、好適には示すことができる。
【0044】
起源に対応する少なくとも3つの異なる第1の図形パラメータが、異なる起源の少なくとも3つの値に割り当てることができ、第1の図形パラメータが、要素及び背景の異なる図形基本特性を定義することを一般的に述べることができる。以下は、例えば表示された要素及びその背景の図形基本特性として理解されるべきである:
・ 要素の、スクリーン上での又は他の要素に対する位置
・ 基本形状
・ 輪郭線
・ 着色
・ 輝度
・ パターン形成
・ 分割、又は
・ 位置変化する成分、等。
【0045】
これらの基本特性は、いずれの場合にも要素及び/又は背景の特性に関係する。
【0046】
要素又はその背景の基本特性と起源との、この関連付けの利点は、各々が異なる起源の3、4、5、6又はそれ以上のデータが、表示され、かつ更に単一の要素内で質的に評価されることが可能なことである。このことは、いずれの場合にもデータの特定の起源が割り当てできる上記の異なる基本特性を、要素が有するからである。
【0047】
示度又は装置設定の質的表示は、次に表示されたパラメータの値によって行われる。それぞれの基本特性の異なる条件を定義する第2の図形パラメータは、同じ起源の異なる値に特異的に割り当てられる。基本特性の条件として:
・ 形状の大きさ及び設計、
・ 輪郭線の太さ、
・ 色スケールから定義された色、
・ いずれの場合にも要素区域、背景、輪郭線、動く構成要素、又は一部区域等の輝度目盛りからの特定の輝度、
・ 既存区域上のパターン形成の設計、
・ パターン形成のコントラスト、
・ 現在の分割の位置決め、分割の定義、境界領域の幅、
・ 現在の、位置変化する構成要素の位置等、を挙げることができる。
【0048】
比較値又は比較値範囲に対する表示値の1つ以上の評価が表示されるならば、これは、値の評価を迅速に行うことができ、かつそれ故に処置が、より迅速に開始できるという利点を有し、それは患者の利益に適う。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
方法によって達成される表示の例が図に示される。説明及び図に従った形状や関連付けは、例示的であり、かつ請求項に定義された発明から逸脱することなく、変更できる。
【0050】
図1から3に表示されたスクリーン11は、本発明に従った方法によって発生した表示を示す。これらの表示は、器官を連想させる要素を含む患者パラメータを有する第1領域13と、スケールバーを有する装置パラメータを有する領域15とを含む。このスケールバーのスケールは異なる。示度及び装置設定は、位置変化する構成要素21によってこれらのスケール上に表示される。図1において、これら2つの領域13と15は、事実上全スクリーンを占める。図3において、ウインドウが下方領域の周りに開かれるので、それらは、スクリーンの上半分に一緒に押し込まれる。かかるウインドウは、選択ボタン19によって選択し、開くことができ、その後図1に従った表示は、図2に従った表示に変化する。図3において、上記の両方の領域の表示は、スクリーンの一部領域を占めるのみであり、他方で上部領域は、2つのグラフを従来の方法で提示し、かつ左スクリーン領域は、数値で満たされる。
【0051】
これらの異なるスクリーン設計は、装置に特異的に提供できるか、又は装置によって選択可能である。
【0052】
容易な解釈のために処理される装置パラメータが表示される領域15は、図4及び5に示される。例において、次の装置パラメータが特定される(左から右):
FiO2、パーセントでの呼吸空気の酸素含有量;
PEEP、cmH2Oでの呼気終末陽圧;
ExpMinVol、リットル/分での呼気分時拍出量;
PINSP、cmH2Oでの吸気の過剰圧力;
RSB(速く、浅い呼吸)、f/Vt(一回換気量で除した呼吸頻度)での呼吸の浅さ又は効率の指数;
変動性、絶対的に規則正しい呼吸からの偏差を示す指数;
呼吸動作を示す指数。公知のかかる指数は、P0.1と呼ばれる。これは、患者の活動によって短期間にわたって達成される換気系の真空によって測定される。P0.1に匹敵する指数は、患者によって作られる換気ガスの流量の力学を測定することによって得ることができる。
【0053】
第1の2つのスケールは、患者への酸素供給に関する情報を提供し、それは、それらが「酸素化」と表題を付けられる理由であり、中間の2つは、換気用であり、それは、それらが「CO2除去」と表題を付けられる理由であり、かつ最後の2つは、患者自身のイニシアチブあり、それは、それらが「Spont/Activity」と表題を付けられる理由である。
【0054】
各スケールは、垂直的に向けられ、かつ値が患者にとって、及び病気の過程にとって好ましいと推測できる正常範囲27を含む。この範囲は、着色され、かつ輝度に対して強調される。例において、それは明るい緑であり、他方で、スケールの残部は、暗い灰色であり、スクリーンの黒い背景から非常に弱く強調されるのみである。正確な示度は、各スケールの下に数字によって特定される。同じ値は、スケール内の位置変化する指示器29の助けにより、アナログで表示される。
【0055】
図4において、PEEP、PINSP、RSBのスケール上に表示された示度は、各々が正常範囲27内に位置する。このために、これらの正常範囲は、健康又は正常と分類されるべきでない範囲を示す、スケールのその隣接する正常範囲、明るい緑で明るくなる。図5において、全ての示度は、正常範囲内にある。このために、全ての正常範囲は、この明るい緑で明るくなる。更にデジタルディスプレイの背景は、全てのスケールが正常範囲27内に位置する値を示すことを示すために、同様にこの緑で明るくなる。
【0056】
好ましくは、正常範囲内の示度を有する単一のパラメータは、色によって強調されず、それは示した変形と異なる。対照的に正常範囲内での示度の発生からの期間は、表示される。全てのパラメータが、正常範囲内で示度を有する場合に、全ての正常範囲は、一緒に色によって強調される。第1の青は、全ての示度が、正常範囲内にまだ位置しないことを示す。これと比較して明るい青は、全ての示度が正常範囲内に位置し、かつ停止が検討できることを示す。
【0057】
それ故にこの装置パラメータ領域15は、互いに隣り合って配設された6つのスケールを含み、いずれの場合にも互いに隣り合って位置する2つのスケールが、少なくとも表題又は共通のフレームによって一緒にグループ化される。6つのスケールは、図5に示すように、共通のフレームによって一緒にグループ化される。1つのスケールは、数値の詳細と共に、要素として考慮できる。以下の値は、この要素内に表示される:示度の起源は、従って他のスケールに対するスケールの位置を定義する。各スケールは、(白から黒に変化する)数字を上に有する(黒から緑に変化する)数字ディスプレイの背景と、(その輝度が変化する)色によって強調される正常領域と、(スケール上でその位置を変化させる)位置変化可能な指示器29と、(位置変化の傾向に応じて、指示器31の上又は下であり、かつ値変化(又は位置変化)の速度に応じて短いか長くても良い)傾向を表示するための軌跡31とを有する要素である。
【0058】
ある種の位置に提供されるスケールの示度又は設定値は、それ故にアナログ及び数字で表示される(この2つのディスプレイタイプの一致は、残念なことに必ずしも図中に与えられない)。アナログ表示は、位置変化する指示器29の位置を介して行われる。
【0059】
第2の起源を有する値は、この示度が、正常領域内に又は外に位置するかに関する事実である。この事実は、色を用いて強調された正常範囲27の輝度によっても表示できる。
【0060】
第3の起源を有する値は、全ての残りの値が、それぞれの正常範囲27内に同様に位置するかどうかに関する事実である。この事実は、数字ディスプレイの数字の背景の輝度及び色、並びにこの背景の正面の数字を用いて、及び/又は全ての正常範囲の輝度又は色を用いて表示できる。
【0061】
第4の起源を有する値は、表示値の発達の傾向である。この傾向は、位置変更可能な構成要素29の軌跡31によって表示できる。
【0062】
第5の起源を有する値は、この方向の変化速度であり、前記速度は、軌跡の長さによって表示できる。
【0063】
従って、単一の要素を一瞥することによって、例えばFiO2のためにいずれの値が設定されているか、この値が正常範囲内に位置するか、最後の設定補正がいずれの方向でなされたか、かつFiO2が正常範囲内に位置するならば、他の示度及び設定値がすでに同様に各々正常領域内に位置するか、を認識できる。
【0064】
ExpMinVolの場合に、好ましくない値を表示する、正常範囲27の両側にスケール領域がある。これらの正常範囲27は、残りのスケールに対して端部にある。図中に表示された設計と対照的に、個別又は全てのスケールに対して、スケールの正常範囲と好ましくない範囲の間に、もう1つの色、パターン形成又はもう1つの輝度によって区別される、移行領域を同様に追加できる。正常範囲27は、表示した実施形態において好ましくない範囲に対してぼやかされるだけである。
【0065】
スケールは、正常範囲が単一の長さを有するように圧縮又は伸長される。スケールは、他方で、要素の長さの別々に長い範囲を前提とする。明瞭な表示が、これを用いて生じ、それにより正常範囲への個別の値の概算が、素晴らしく認識できる。ディスプレイのかかる容易な読み取り可能性は、別々に長い正常範囲27によって達成できないことがある。
【0066】
スケールの正常範囲は、全てに共通する中心軸上に配設される。正常領域が異なる長さを有するならば、このことは、ディスプレイの明瞭さを同様に増加させるであろう。
【0067】
要素のスケールに表示され、かつその下に数字により表示された示度は、換気装置の一部示度であり、かつ一部設定値である。換気ガスFiO2の酸素含有量は、装置の設定前に、又はセンサを用いた測定によって減少され得る。
【0068】
PEEPは、通常、同様に設定値である。ExpMinVol、毎分呼気量は、呼気段階中の流量測定から計算され、かつ幾つかの呼吸にわたって平均化される。
【0069】
Pinspは、大部分が設定値である。この圧力は、しかしながらセンサによってもモニタできる。RSB、「速く、浅い呼吸」は、測定から計算される。それは、速度及び呼吸容量の測定に基づく。
【0070】
変動性は、呼吸の時間距離の差、呼吸の長さの差及び/又は呼吸との容量の差によって計算される。良好な変動性は、換気からの患者の大きな非依存状態を示すが、しかしながら少ない変動性は、大きな依存状態を示す。
【0071】
患者パラメータの表示を有する領域13は、絵による、かつ質的なディスプレイを有し、それは、幾つかの示度の数字による、かつ質的なディスプレイを伴う。示度の数字明細は、異なる位置で同様になされても良い。示度の容易な可読性及び解釈能力を可能にするのは、明らかに図形要素の成分ではない。
【0072】
領域13内の患者パラメータの表示は、2つの肺葉を有する概略の肺31を含む。肺葉は、健康なコンプライアンスに関して対照的に形成される。それらは両方とも同じ情報を含む。更に、表示は、概略の気道樹33と、概略の筋系35と、概略の血管37とを有する。これらの一部領域は、異なる量の情報を含む。それらは、以下で更に詳細に記載される。
【0073】
領域13内に表示される図形要素の2つの代表的な設計は、図6及び7において比較される。形作られた要素の形成の差は、見た目に直ちに明白であり、他方で、図形要素の周囲の数値は、最初に読まれねばならず、かつ次に解釈される必要がある。
【0074】
グラフ及び数値を用いた示度及び設定値の従来の処理と比較して、本発明に従った処理の利点は、それぞれのデータのこの表示を用いて非常に明らかになる。数値及び示度、並びにグラフ形状の関連付けは、学習した位置関連付け、形状推測又は文字読み取りを介してのみ可能であるが、かかる関連付けは、器官を連想させる絵の表示によって直観的に認識できる。肺の理想全容量又は筋35の筋活動からの差23は、例えば絵表示において直ちに認識でき、他方で数値は、解釈することが著しくより困難である。例えばコンプライアンスは、要素の数値及び図形設計として表示される。図6における角張り、かつ太い輪郭線41は、硬度を明白に示し、他方で、丸い形状は、張りつめており、かつ図7における輪郭線の細さは、肺の健康なコンプライアンスとして誰にでも直ちに認識できる。値20ml/cmH2O又は60ml/cmH2Oの、対応する物質の状態との関連付けは、しかしながら経験豊かな医師にとっても遙かに難解であり、かつそれ故に遅くかつ信頼性低く認識される。それは、思考作業を必要とし、それは新規なタイプのデータ処理のために、治療処置の検討及び選択における多大な用途に対して投資され得る。
【0075】
肺31:
肺形状31は、2つの鏡像の肺葉からなる。示した例を有する葉は、鏡に映されたように同一に、形成される。しかしながらそれらは、例えばそれらの間に心臓のための場所を作るために、不均等にも形成できる
【0076】
肺葉の大きさは、肺容量を非常に粗く示す。図8及び10において、肺は空気で満たされ、図9において、それは吐出された状態である。
【0077】
肺葉は、外形形状を有する。この外形形状は、肺のコンプライアンスに応じて別々に設計され、肺の形状は、従って示度起源「コンプライアンス」に割り当てられる。不良コンプライアンスが図15に、正常なものが図16に、かつ大きすぎるコンプライアンスが図17に示される。コンプライアンスは、外形形状を介した表示に加えて、輪郭線41を介しても表示される。低いコンプライアンスは、直線かつ角張った太い輪郭線によって認識できる。高いコンプライアンス、すなわち柔軟な肺は、正常形状に対して膨張される形状に沿った細い輪郭線によって認識できる。5又は6つの目盛りが与えられる:1つは、柔軟な肺用であり、1つは正常な肺用であり、かつ3又は4つは、別々に硬い肺用である。肺のコンプライアンスは、大きな帯域幅を有し、かつ各呼吸によって新規に判定できる。
【0078】
能動的な呼吸によって、肺形状は、肺の呼吸条件に応じて異なる。肺は、図10において能動的に吸入されている。肺葉の内側隅43は、下方に引っ張られ、その結果肺葉は、共通する直線上の底部で終わる。呼気で、肺領域は減少し、かつ肺葉の内側隅は、図9による呼気状態に戻る。この状態において、肺葉の内側隅43は、頂部に後退させられ、その結果肺葉の下縁部は、中央に対して上昇する。
【0079】
肺形状は、活動しない患者に関して類似したままである。それは次に肺形状が、(例えば上部肺葉先端で)中心から広げられて、その区域を変化させるのみである。
【0080】
図9から図10への、又は図9から図8への例えば10のレベルが、表示のために提供される。肺の区域は、吸気で容量曲線と同期して増加し、かつ現在の流量測定によって呼気で減少する。
【0081】
図11において、肺形状は、示度なしに示されるように表示される。
【0082】
このために、患者の能動性/受動性の値の起源は、肺の呼吸形状変化に割り当てられる。肺の大きさ、又は呼吸の大きさ変化は、肺の呼吸状態を示す。
【0083】
いずれの場合にも、比較値としての健康な、吸入する肺の輪郭45が、図8から11及び15から17に描かれる。示度の表示において、この比較線は、表示された肺の大きさ及び表示されたコンプライアンスの評価のために役立つ。肺の形状と大きさが、これを用いて改良され、かつ曖昧でなく読み取ることができる。
【0084】
肺葉は、区域を持ち、かつ区域の着色された分割を有する(図12及び13)。図14による表示は、機能残気量の測定が存在しないことを示す。測定が利用できないならば、肺は、灰色であり、かつ区域は分割されない。測定が利用できるならば、肺は、上部の青く僅かにパターン形成された領域と、下部の白い領域23とに分割される。移行部は、ぼやかされて示される。分割は、肺の機能残気量(FRC)の大きさに応じて異なる方法で設計される。図12による表示は正常なFRCを示し、図13による表示は、不良FRCを示す。ディスプレイは、約60分後毎に新規なFRC示度によって支援される。
【0085】
従って、肺の着色と上部の割り当て分(share)は、患者の体の大きさによって計算される理想肺容量(上部プラス下部割り当て分)と比較される、呼吸容量測定及び機能残気量の測定に割り当てられる。示度は、それぞれの図形パラメータによって定義された分割位置に映される。
【0086】
一回換気量、機能残気量、コンプライアンス、肺の大きさ、能動/受動呼吸及び肺の呼吸状態のパラメータ、並びにそれ故に呼吸頻度も一瞥で、別々に大きな形状の時系列の形で、従って事実上知覚できる。異なるパラメータが、表示において重なり合う。低いコンプライアンスを有する肺は、正常又は高いコンプライアンスの肺に関するような、それぞれのデータが利用可能である場合に、同様にその大きさと形状を変化させても良い。肺葉の動きは、理想全容量及び所与の全容量からの差23への肺の分割に関与し、かつコンプライアンスとは無関係である。機能残気量の割り当て分は、それらが呼気表示(図9)に現れる時に、分割の上の肺葉を満たす。吸気表示(図12又は13)において、上部割り当て分は、肺の現在の全容量を含む。好ましい実施形態において、従って少なくとも4又は5の異なるパラメータが、各々質的に表示される。
【0087】
気道樹33
肺に属する図形要素は、気道樹33である。気道樹33は、2つの気管支と更なる分枝を有して、簡略化されて表示される気管を有する。この気道樹の基本形状は、すでに変化しない状態のままであり、かつ輪郭線47との比較値として表示される。この気道樹は、呼吸抵抗、又は抵抗を図形表示する。示度は、この基本形状では、内部に着色された気道樹49の形で表示される。高い呼吸抵抗用の示度に関して、着色された気道樹49は、まばらに分枝して設計され、他方で低い呼吸抵抗用の示度に関して、示度は、密集して分枝された気道樹49として表示される。従って、内部の着色された気道樹49と、輪郭線47との間の中間空間を満たす白線は、高い呼吸抵抗により太く、かつ低い呼吸抵抗により細いか存在しない。内部気道樹49の輝度又は着色は、呼吸抵抗に適合させられる。高い抵抗に関して、低い抵抗に関するよりも色が明るく、及び/又は強度が低い。発色の良いピンクから淡いピンクが色として好ましい。しかしながら、かかる適合は、記載されたものと異なる方法でも行うことができる。それ故に気道樹は、高い抵抗に関して警報色で表示できる。
【0088】
呼吸抵抗の測定は、各呼吸によってなされる。それは、0から50cmH2O/ml/sの帯域幅を有するデータを発生させる。3つのレベルが、抵抗の表示のために提供される。着色された気道樹49でなく、基本形状の輪郭のみが、示度なしで表示される。
【0089】
横隔膜35
様式化された横隔膜として表示される筋35は、同様に肺に属すると見なすことができる。筋35の寸法は、患者自身が、どれ程大きく呼吸をするかを示す。図23による強い筋は、呼吸作業における患者の大きな関与を示す。図22による弱い筋は、呼吸作業における患者の乏しい関与を示す。筋の不存在は、患者が呼吸作業に関与しないこと、又は示度が存在しないことを示す。図24による筋線は、トリガ信号が存在することを示す。この筋線は、トリガ信号によって明るくなり、その後再度消える。
【0090】
筋35は、患者の活動によってその形状を変化させるが、同等に強い状態に留まる。それは、息を吸うと伸長し、かつ息を吐くと屈曲する。肺葉の形状は、記載したようにそれと平行に動く。いずれの場合にも、吸入及び吐出された肺の間の10のレベルが、動きを表示するための両方の筋の強度用に提供される。
【0091】
血管37:
血液、特に平均血圧、脈拍、及び酸素での血液飽和、例えば動脈血CO2分圧に対する値の表示は、肺、気道及び筋系と図形的に無関係である。これらの値は、様式化された血管37によって表示される。心臓は、血液動脈37の代わりに表示することもできる。
【0092】
血管27は、左及び右側を有し、それらは、図25から30による表示において、区域の輝度及び/又は形状によってのみ分離される。実際には、着色された差も存在するが、しかしながらそれは、本文献で絵表示されない。示度及び脈動がない場合に関して、図28による血管の輪郭線51のみが表示される。血液の酸素飽和に関して示度が存在せず、血圧に関するもののみが存在するならば、区域は、血圧を示すことが可能であるように灰色で表示される(図25〜27)。1つの脈動のみが表示されるならば、血管は、図27に表示されるように、灰色で満たされる。
【0093】
ガス交換が、血管の中央部で概略的に行われる。この中央部は、ある形状、例えば円、点又は肺形状によってマークできる。圧力波符号の形状での位置変化可能な構成要素(図29)は、左から右に脈拍の律動によって走る。血液は、同じ方向に「走る」。このことは:血管が中央左にガス交換前に表示される、ことを意味する。そこでその色は、場合により動脈血CO2分圧を示すことができる。血液は、中央右にガス交換後に表示される。そこで、色は、動脈圧の酸素飽和を示す。CO2分圧を示す示度は、青色の2つの目盛りで質的に示される。酸素飽和を示す示度は、赤色、特にピンク及びマゼンタの2つの目盛りで質的に示される。高い酸素飽和は、図29及び30において右血管側に完全なマゼンタによって表示される。
【0094】
血行動態評価は、着色された、又は灰色の充填区域53の幅によって表示される。充填区域53の幅を、血管の左部分で一定のままにすることが、提案される。充填区域53の幅は、平均動脈圧を質的に表示するために、血管の右側で変動する。左側の充填区域53の幅、及び血管の比較輪郭51を超える右側充填区域53の広い形成は、高血圧の示度を示す(図26)。しかしながら狭い右側充填区域53は、血圧の低い示度を示す(図25)。正常血圧は、一定の広さの充填区域53によって表示される(図27)。
【0095】
血圧は、上記の方法と異なる方法で示すこともできる。それは、例えば左から右への血管全体の形状を狭めるか、又は広げるために、領域を膨張又は収縮させるために、血圧により可能である。血圧は、充填区域53の幅、血管輪郭線の太さ、又は表示の他の変化特性によって、血管の全長にわたって表示できる。
【0096】
4つのみの表示が区別される:高血圧、正常血圧、低血圧、測定なしである。表示は、いずれの場合にも新規な示度に基づき5から60分後に終結される。それは、平均動脈圧を表示し、かつ0から250mmHgの帯域幅を有する。
【0097】
血圧の測定が存在しないならば、血液の飽和又はそれぞれの動脈血分圧は、例えば左及び右側で着色された点を用いて表示できる(図中に示さず)。
【0098】
このために、次の3つのパラメータは、例えば形状、色及び動く構成要素を用いて、血管37の助けにより質的に表示される:血圧;酸素飽和、脈動。更に、CO2分圧を場合により表示できる。
【0099】
コンプライアンス及び抵抗の値は、息を吸って吐くことに関して流量及び圧力の測定を介して判定され、かつ数字及び図形表示される。これらの測定は、例えば患者に近い双方向流量センサ、及び換気装置に属する圧力センサによってなされ、かつコンプライアンス及び抵抗の値を得るために公知の方法で変換される。判定された値は、その規模によって6つの内1つ(コンプライアンス)又は3つの内1つ(抵抗)の異なる図形パラメータ値に割り当てられる。
【0100】
毎分呼吸数の値は、換気装置から取られ、かつ場合により、患者によって起動されたトリガ信号と組み合わせられる。例えば、時間測定は、8つの呼吸にわたってなされ、かつ毎分呼吸数に変換される。この計算値は、丸められ、かつ整数で数字表示される。しかしながら肺運動の表示は、上述の流量測定によって判定される容量と同期して呼吸運動を示す。個別の短い呼吸、及び呼吸運動中の休止は、そのように表示される。
【0101】
呼気一回換気量VTEは、呼気段階にわたる流量測定の統合によって判定される。この測定及び計算値は、容量の数字表示の基礎を形成するが、肺の大きさの図形、絵表示の基礎も形成する。絵表示された肺の大きさを計算するために、体の大きさを利用する。肺の大きさは、一回換気量及び機能残気量(上部割り当て分)、並びに理想の肺の大きさへの差から構成される。一回換気量は、各呼吸によって測定される。機能残気量は、特に呼吸空気中の酸素濃度が、定義された範囲内に変えられ、かつ吐出された空気のCO2含有量及びO2含有量に対する影響が測定される操作によって判定される。次に、これらの示度及び設定値に基づき、計算を用いて機能残気量に関する結論を出すことができる。
【0102】
肺表示の区域全体の上部割り当て分は、次に一回換気量及び機能残気量から計算され、かつそれぞれの区域割り当て分は、理想肺容量への差から計算される。息を吸ってかつ吐くと、呼吸ガスの容量が測定され、かつ肺表示の大きさに従って変えられる。息を吸って吐くことに関する肺の大きさのこの適合によって、いずれの場合にも一回換気量及び残気量の最近の評価を利用し、かつ現在測定される呼吸容量が加えられるか、減じられる。最大の肺の大きさは、IBWと比較した実際の、理想の肺の大きさに関して無関係である。肺の大きさの変化は、そこで変化率を表示する。
【0103】
呼気空気のCO2含有量は、適切なセンサによって測定される。血液のCO2分圧は、同様に経皮的に、場合により侵襲的にも測定できる。この示度は、数字表示されるが、記載された操作の助けにより、機能残気量を判定するためにも使用される。
【0104】
血圧は、袖によって散発的に、又はカテーテルによって侵襲的に測定される。平均動脈圧mABPは示度から判定される。この示度は、正確に数字表示されるが、3つの図形パラメータ値、具体的には低、正常及び高に割り当てられるだけである。
【0105】
酸素飽和及び脈拍は、脈拍酸素濃度計によって測定される。しかしながら、侵襲的又は経皮的測定も、可能である。飽和の代わりに分圧を測定することもできる。血液の酸素含有量の示度は、数字表示されるが、2つの図形パラメータ、具体的には不良及び良好に割り当てられるだけである。脈拍の示度は、毎分脈拍数に変換され、かつ数字表示される。しかしながら各脈拍動は、血管37の長さにわたって左から右に走り始めるために、圧力波符号39をもたらす。符号39の速度は、可変であっても良く、かつ脈拍数により増減され得る。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明に従った方法によって発生した14の値、及び患者パラメータの概略器官表示の形状でのこれらの値の追加の評価、及び換気装置に対する患者の依存状態を示す装置パラメータの比較スケールバーの表示を有する換気装置のスクリーンを示す。
【図2】警報ウインドウを開放した後の同じスクリーンを示す。
【図3】本発明に従った方法によって発生した表示、及び2つの患者パラメータの追加の従来の表示を有する換気装置のスクリーンを示す。
【図4】示度が内部に表示され、幾つかの示度が、呼吸の機械支援の継続を必要とする範囲内に位置する、比較スケールバーを表示するスクリーンセクションを示す。
【図5】全ての示度が、呼吸の機械支援の終了を可能にできた範囲内に位置する、図4に従ったスクリーンセクションを示す。
【図6】示度が内部に表示され、正常な肺容量、正常な機能残気量、不良コンプライアンス、比較的高い呼吸抵抗、大きな筋力、及び高血圧が表示される器官表示を表示するスクリーンセクションを示す。
【図7】図6に従っているが、しかしながら不健康な機能残気量、正常なコンプライアンス、不良呼吸抵抗、低い筋力、及び低血圧が表示されるスクリーンセクションを示す。
【図8】要素形状及び細い輪郭線によって表示される正常なコンプライアンスを有する、要素の大きさを用いた正常な容量の表示を示す。
【図9】正常なコンプライアンスを有する、比較線又は比較区域と比較した、要素の大きさを用いた低い肺容量の表示を示す。
【図10】比較線又は比較区域と比較した、肺形状の変化を用いて患者の能動的な呼吸を示す。
【図11】示度のない表示された絵を示す(比較線又は比較区域のみ)。
【図12】要素区域の分割を用いて正常な機能残気量を示す。
【図13】要素区域の分割を用いて不健康な機能残気量を示す。
【図14】示度のない表示された絵を示す
【図15】非対称の角張った形状、及び太さが可変である要素の輪郭線を用いて不良コンプライアンス(硬い肺)を示す。
【図16】線の張りつめた、丸い輪郭によって対称な外形形状を用いて正常なコンプライアンスを示す。
【図17】比較区域を一部超える非対称な、縮められ、膨らまされた形状、かつ要素の非常に薄く、ほぼ存在しない輪郭線によって表示される、コンプライアンスの過剰な値を示す。
【図18】色、及び色の輝度による要素の完全な充填を用いて正常な呼吸抵抗を示す。
【図19】要素の着色した充填と、輪郭線との間の距離、及び明るい色を用いて増加した呼吸抵抗を示す。
【図20】薄い着色領域及びそのなおも明るい色を用いて極めて高い呼吸抵抗を示す。
【図21】呼吸抵抗の示度がない要素を示す。
【図22】要素の低い厚さを用いて患者の低い筋活動を示す。
【図23】要素の大きな厚さを用いて患者の高い筋活動を示す。
【図24】測定可能な筋活動のないトリガ信号を示す。
【図25】左から右への、表示された血管の直径減少を用いて低血圧を示す。
【図26】左から右への、表示された血管の直径拡大を用いて高血圧を示す。
【図27】正常な血圧を示す。
【図28】血圧の示度の不存在を示す。
【図29】血管の常設の絵の上で動かされる要素を用いて脈拍を示す。
【図30】血管の右側での血液の色を用いて酸素での血液飽和を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者の換気中にモニタされる幾つかの変化値を取得し、かつ値をスクリーン上に表示する方法及び装置に関する。
【0002】
患者の機械換気は、場合により、患者を生存状態に保つために必要である。このことは、例えば麻酔に関して、又は疾患若しくは事故後に関しても当てはまる。しかしながら、機械換気は、患者の肺に損傷を与えることがある。従って、できるだけ短時間に、かつできるだけ低い強度で実施することが、あらゆる換気治療の目的でもある。患者パラメータ及び装置の設定は、換気の必要性、並びに必要な換気強度を推測するために使用されることとなっている。
【0003】
可能な場合に換気を患者の要求に適応させるために、患者の状態の連続した新規な評価と、機械換気に対する患者の依存状態の同様に連続した新規な評価が必要である。患者の依存状態は、一方で換気装置で設定された装置パラメータから認識できる、現在の換気状態から得ることができ、かつ他方で患者パラメータから認識可能な患者の状態から得ることができる。
【背景技術】
【0004】
従来の換気装置、麻酔装置又はモニタ装置は、センサを用いて測定された患者パラメータ、及び/又は機械換気の設定がリアルタイムで表示できるディスプレイとしてスクリーンを有する。
【0005】
患者パラメータの表示は、数値の形、又はグラフの形での表示の間で大部分が選択できる。若干のかかるグラフは、いずれの場合にも時間の経過における個々の患者パラメータを示し、x軸は時間を表示し、かつ所与の時点でのパラメータの測定又は計算された値は、y軸に示される。従って曲線は、いずれの場合にも表示される過去の時点での、及び特にリアルタイムでのパラメータの示度を示す。幾つかのかかるグラフは、互いに隣り合って、又は互いに重ねて表示できる。2本の曲線は、単一のグラフに同時に表示できる。若干のグラフは、いわゆるループ内で互いに対して示される2つの患者パラメータを示す。一方のパラメータの値はx軸に示され、かつ他方のパラメータの値はy軸に示される。時間の経過において、いずれの場合にも両方の示度を表示する点は、閉曲線、いわばループに沿って走る。これらのループは、これを用いて継続的に更新される。いずれの場合にも両方の示度を表示する点は、リアルタイムでの測定の現在値を示す。
【0006】
かかる示度の公知の図形表示は、従って1つの患者パラメータ、又は2つの患者パラメータをリアルタイムでのループの特別な形で表示する二次元曲線である。示度の変化は、ループ又はグラフの形状変化をもたらす。
【0007】
患者パラメータの示度及び/又はそこから計算された値の表示は、患者の状態を推測するために、医師によって使用される。医師は、これらの示度及びグラフを、医師が知っている正常値及びそれからの許容偏差と比較することによって、患者がその瞬間にどのような具合であるか推測する。
【0008】
機械換気を有する装置設定は、一連の数値で表示された設定値から読み取ることができる。これらの値の評価は、機械換気に対する患者の依存状態を推測することが可能であるために、かつ迅速な停止を達成するために必要である。
【0009】
かかる数値及び図形表示は、多大な経験によって自発的に評価できるだけである。医師は、状況を正しく評価することが可能であるために、表示値を集中的に扱わねばならない。停止を支持しない、強度減少を促す、又は強度増加を支持する個別のパラメータを見落とすことは、深刻な問題を導くことがある。
【0010】
研究作業が、非特許文献1に発表された。この中で、麻酔薬のための肺機能の図形表示の開発は、統合使用性試験との対話型適合方法の例として特定されている。
【0011】
例として特定された設計により、使用性試験は、表示の解剖学的有意性の直観知覚能力の25%の増加を引き起こした。可変表示手段の有意性の直観知覚能力は、34%増加し、かつ診断内容の精度は、4%減少したのみであった。これらの最良の試験値を作り出す設計は、次の画像要素:2つの肺葉を有する図形的に非常に簡略化された肺と、肺葉に到達する2つの気管支枝を有する図形的に非常に簡略化された気管とを含む図形要素を最終的に表示し、かつ膨張するベローズが、気管支に接続されて表示され、その高さは一回換気量を表示する。長方形がベローズの左に表示され、その色は呼吸気の酸素含有量を表示し、かつ長方形がベローズの右に表示され、その高さは呼吸終期のCO2値を表す。呼吸速度は、数としてベローズの上にある。
【0012】
呼吸抵抗を象徴する三角形を、気管内及び気管支内に描くことができる。肺葉の色は、肺の酸素供給を象徴する。肺のコンプライアンスは、肺葉の2つの異なる外形によって表示される:フォームバブルを表示する外形は、増加するコンプライアンスを表示し、かつグリッド入りケージは、減少したコンプライアンスを表示する。
【0013】
図形表示は動画化されない。表示がリアルタイムデータによって動画化される時に、表示の直観知覚能力が変化することが、記載中で重要な側面として特定されている。しかしながら、将来の研究は、表示が患者データによって動画化される時に、それが直観知覚可能、かつ使用可能なままであるかどうかを、いつかは示さねばならない。
【0014】
【非特許文献1】「The Employment of an Iterative Design Process to Develop a Pulmonaa Graphical Display」、Journal of the American Medical Informatics Association、Volume 10、Number 4 、2003年7/8月
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
従って、換気を受ける患者の診断評価を簡略化すること、又は患者の換気によって評価されるべきパラメータの評価を簡略化することが、本発明の目的である。評価すべきパラメータを処理し、表示することが、本発明の更なる目的である。本発明の更なる目的は、患者の状態又は機械換気に対する患者の依存状態を、迅速かつできるだけ直観的な方法で知覚可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明によれば、この目的は、請求項1に記載の方法によって達成される。
【0017】
現状技術による、機械的に換気された患者の異なる起源の幾つかの変化値を検出し、かつモニタスクリーン上に値を表示する、かかる方法は、これらの値の少なくとも3つが取得され、かつ肺形状の絵表示を含む単一の図形要素内に一緒に、質的に表示されるという特徴を有する。それは、換気される肺の現在の容量変化が、各呼吸によって大きさの増減する肺形状を用いて表示されることにおいて、この現状技術と異なる。
【0018】
肺の動画化は、動いている肺が、患者の肺を表示する図形として直接的に理解されるという利点を有する。それは、速度を示し、かつ大きさの変化を用いて、呼吸量を質的に示すこともできる。更に、肺が本当に動くか、すなわち患者が本当に人工呼吸されているか、又は例えば閉塞又は切断が存在するか(その場合、肺は、特に有利には、一定の大きさを有する)が直接的に認識できる。
【0019】
肺の動画化は、ベローズの動画化と比較して、目に見えるようになるのが換気装置の作業ではなく、換気の効果であるという利点を有する。
【0020】
肺形状が、一次元での大きさ変化を起こすことが可能であるだけならば、いずれの場合にも肺形状が、肺形状の輪郭まで正常に大きさを増減されることが好ましい。このことは、呼吸運動を表示する動きとして非常に直観的に知覚できる。かかる大きさの動きは、肺の吸入及び肺の排出として知覚される。従ってそれは、受動的患者を示す。患者自身の活動は、横隔膜側の肺形状の外形が、肺形状の大きさ変化の間にその様式で変えられることにおいて、目に見えるようになる。従って、肺形状の大きさの変化は、2つの方法で行うことができ、その結果、患者が能動的に呼吸しているか、又は換気されているだけであるかに関して区別できる。トリガ信号は、患者が能動的に呼吸しているかどうか検出するためにそれ自体公知の方法で取得できる。
【0021】
変化値は、センサを用いて、換気されているか又は場合により換気されるべき患者に関して、有効に測定される。それらは、かかる示度からの計算によっても判定できる。
【0022】
有効には、呼吸流量及び/又は患者側の圧力状態は、呼吸管内で検出される。これにより、患者の自身の活動は別として、切断又は閉塞が存在するか否かに関してモニタすることもできる。定数値は、切断又は閉塞が確認される場合に肺形状の大きさに割り当てられる。肺形状は、閉塞を、切断から直観的に区別することが可能であるように、閉塞が確認される場合に大きく、かつ切断が確認される場合に小さく表示される。動く、又は動かない肺形状に重ね合わされた、比較値としての正常な肺形状の大きさを検討できる。このことは、一定である大きさか、又は大きさが増減する肺形状によって、線又は肺形状を有する背景区域として例えば表示できる。かかる線又は区域は、肺のコンプライアンスのための比較形状を同様に表示できる。
【0023】
気道形状は、公知の方法で肺形状に統合されて表示される。この気道形状の特性の、かつ気道を特徴付ける少なくとも1つの変化値は、この気道形状に与えられる。好ましくは、呼吸抵抗が、気道形状の幅に割り当てられる。狭い気道は、高い呼吸抵抗によって表示され、かつ広い気道は、低い、すなわち正常な呼吸抵抗によって表示される。気道形状の幅を別として、気道形状の色又は輝度レベルは、呼吸抵抗に関する質的情報を提供することもできる。両方の特性は、互いに組み合わせられるか、又は個別に使用することができる。
【0024】
更に、図形要素は、同様に肺形状の横隔膜側の下で横隔膜形状の肺筋系のように、心臓形状又は血管形状を有することができる。血液循環を特徴付ける少なくとも1つの変化値が、心臓形状又は血管形状の特性に割り当てられる。かかる値は:血管幅を用いて表示される血圧;血管形状又は心臓形状の一部領域で2つの色によって表示される酸素飽和及びCO2分圧;血管形状又は心臓内の点滅又は移動する記号によって表示される脈拍であっても良い。呼吸作業における患者の関与を特徴付ける変化値は、この筋系形状の特性に割り当てられる。かかる値は、例えば筋アーチの点滅を用いて表示されるトリガ信号であっても良い。関与の強度は、筋形状の大きさによっても表示できる。肺筋系の活動に関する質的な情報は、迅速かつ直観的に知覚できるように提供できる。肺筋系の活動は、幾つかの、例えば3、4、5又は6つの目盛りで表示される。
【0025】
筋系形状の変化は、肺筋系の活動(強−弱)、及び呼吸運動(吸入、浅くなるアーチ;吐出、筋アーチのアーチ化)と同期して有効に行われる。
【0026】
肺形状が、コンプライアンスに関する質的情報を提供することが更に望ましい。好適には、このことは、硬い肺に関して太く、及び/又は不均等に太く、かつ柔軟な肺に関して細い輪郭線によって達成される。肺形状の輪郭様式は、肺の剛性又は膨張性(コンプライアンス)に関する質的な情報を同様に提供できる。硬い肺に関して、このことは、例えば角度的に表示され、柔軟な肺に関して、膨れて、又は皺が寄って表示される。肺区域のパターン形成は、同様にコンプライアンスを表示できる。パターン形成は、コンプライアンスの値が正常範囲内に位置しないならば、好適には非対称を有する。パターン形成は、例えばグリッドを表示でき、そのグリッド領域は、硬いコンプライアンスに関して角張っており、かつ軟らかいコンプライアンスに関して丸い。外形、パターン形成及び輪郭線の特性はまた、好適には、コンプライアンスを一緒に質的に表示でき、かつこれに注意を引き付けることができる。更に肺は、正常値からの偏差増加によって、偏差をより明白にするために、非対称的に同様に表示されるべきである。
【0027】
脈拍は、更に、心臓形状若しくは血管形状の輪郭変化、又は心臓形状若しくは血管形状の輝度変化若しくは色変化の律動によって表示できる。
【0028】
気道を有する肺及び筋系形状は、全体として読まれるべき単一の図形要素を一緒に有効に形成する。個別の成分は、互いに一定の関係を有する。通常、筋及び肺葉は、同期して動く。患者が、換気装置の律動に反して呼吸するならば、筋形状及び肺形状の動きが、肺及び筋の間の非同期性に従って、非同期であることが観察される。血管/心臓形状は、この図形要素に組み込まれる。このことは、符号が、ヒトの器官によって知覚されるので、符号の直観的な可読性を増加する。肺のような肺形状の可読性は、横隔膜のような筋形状の可読性を増加する。これらの絵構成要素の可読性は、観察者にとり、血管形状が血管を表示し、かつ心臓形状が心臓を表示することを再度明瞭にする。図形要素内での、一方の形状の他方の形状に対する緊密な関係は、患者の活動及び機械換気の非同期性が目に見えるようになるという利点を更に有する。
【0029】
器官表示においてこの要約によって容易に知覚可能にされる患者パラメータを別として、医師は、通例状況を正しく推測するために装置パラメータを同様に必要とする。これらは、第2図形においてより良く示される。この理由で、次のパラメータ:
− 適用される酸素濃度「FiO2」、
− 呼気終末陽圧「PEEP」、
− 吸気圧「Pinsp」、又は吸気の平均圧「Pimean」、
− 制御された換気と、自発的呼吸との間の比「RRtot/RRspont」、又は速く、浅い呼吸「RSB」、
− (例えばIBWから導かれる)理論分時拍出量の現在の分時拍出量に対する比「MV」、
− 変動指数、及び/又は
− 患者の呼吸動作指数(例えば、患者によって発生した真空によって呼吸動作を判定するP0.1、又は例えば患者によって発生した流動力学を用いて呼吸動作を判定する代替的指数)、の3つ、好ましくは3つを超え、特に好ましくは全部を図形表示する、スクリーン上に第2図形要素を表示することが提案される。
【0030】
医師は、これらのパラメータ、又は3つのパラメータの選択により、患者が装置にどの程度依存しているか推測できる。これらのパラメータも、できるだけ速く知覚可能にされ得るべきである。
【0031】
このために、これらの値は、取得され、かつスケール上で分割又は位置変化する構成要素の位置によって、アナログ又は準アナログ的に表示される。各スケールは、これらのパラメータの1つに与えられる。各表示パラメータの現在値は、好適にはいずれの場合にも、ある範囲上に示され、前記範囲は、いずれの場合にも一端にそれぞれのパラメータの不良値と、そこから離れて良好値とを表示し、かつこれらの範囲は、全ての範囲の良好値が、互いに対して設定されるように配設される。このことは、表示された値の評価を著しく簡略化する。
【0032】
スケールは、好適には少なくとも2つの領域に分割される。少なくとも1つの領域が、良好値のため、1つが不良値のため、かつ場合によっては中央値のためである。これらは、その色、輝度又はパターン形成によって異なっていても良い。これらの領域の1つの色、輝度又はパターン形成を用いて、表示パラメータ値が、良好値を有する領域内又は領域外に位置するかを表示する。好適には、各範囲又は背景の領域の色、輝度又はパターン形成を用いて、全ての表示された示度が良好値を有する領域内に位置するかに関して表示される。全ての値が、良好値の領域に位置するならば、その場合、換気装置から患者の接続を外すことが検討できる。少なくとも1つの値が、この良好な領域内にまだないのであれば、換気装置から患者の接続を外すことを無視できる。
【0033】
領域の境界値は、装置内で固定でき、かつそれ故に不変である。方法の好ましい実施態様において、それらは事前設定できるが、それらは利用者によって定義可能、及び/又は調整可能である。領域を定義又は調整するために、利用者は、インタフェースを使用して、一方の領域と隣接領域との間の境界値を定義又は調整する。
【0034】
本発明に従った、かつ上記方法に対応する装置は、以下のように設計される:
【0035】
装置は、公知の方法で、患者の換気に関する検出された変化値を表示するためにスクリーンを備え、かつ異なる起源の少なくとも3つの変化値を検出する手段と、値を表示する手段とを含む。これらの手段により、取得した値が、単一の図形要素内で一緒にスクリーン上に質的に表示されることが可能になる。この図形要素は、公知の方法で、肺形状の絵表示を有する。
【0036】
しかしながら、この装置は、各呼吸に関して検出される換気される肺の容量変化が、この対応する容量変化に対応する肺形状の大きさ変化を用いて動画化して表示されるように、値を表示する手段が設計されることにおいて、当初言及した現状技術と異なる。従って、絵によって表示されるのは、呼吸容量だけでなく、肺に対する換気の影響が、リアルタイムで絵によって表示される。このために、センサが、有効に提供される。好ましい実施態様において、呼吸の圧力及び/又は流量をモニタするセンサは、呼吸チューブ上の患者側に存在する。これにより、切断又は閉塞が存在するか、又は患者が効果的に換気されているかが確認できる。動画化された肺は、患者の肺が換気空気によって膨張し、かつ肺に圧縮されたこの空気が再度出される時に、モニタ上に表示される。換気が起こらない、言及した2つの場合において、肺形状は、しかしながら一定の大きさによってスクリーン上に示される。このことは、換気装置内に設定されたタスクではなく、患者に対する影響を目に見えるようにする。
【0037】
肺形状の一定の大きさは、閉塞が確認される場合に大きく、かつ切断が確認される場合に小さいことが有効である。呼吸を表示する肺形状の表面変化は、好適には測定された一回換気量と関係する。
【0038】
表示された肺形状は、気道形状(気管支を有する気管)も有することが望ましい。気道に関する少なくとも変化値、特に抵抗がこれによって表示される。気道形状の色又は輝度レベルによって、現在の換気抵抗も表示できるか、又は正常値からの偏差が強調できる。
【0039】
肺形状は、分割できる。肺形状の区域の区域分割は、好適には、理想肺容量と、実際に換気される肺容量との差を表示する。絵によって述べられるかかる分割は、肺中の「水」として知覚され、かつ好適には、肺のいずれの部分が呼吸に関与しないか、に関する情報を含む。
【0040】
肺形状の輪郭線の現在の設計及び/又は肺形状の外形の現在の構成は、好適には、肺の剛性又はコンプライアンスに関する質的情報を含む。この輪郭線と外形は動画化される。それらは、各呼吸によって大きくなり、かつ小さくなる。すでに記載したように、輪郭線は、コンプライアンスに対応する太さを有し、かつ外形構成が、直線かつ角張っているほど肺は硬く、かつ丸くかつギザギザが付いているほど肺は柔軟である。張りつめた丸い線の、又はかかる背景表面の形状の比較値は、比較のために混ぜ合わせることができる。このことは、理想肺形状の外形を辿る線、又は理想肺形状を有する区域として、理想的なコンプライアンスを表示する。これにより、理想呼吸量を更に表示できる。
【0041】
図形要素の一部は、更に好適には筋系形状である。肺の下に表示された横隔膜として有効に表示されるこの筋形状により、呼吸作業における患者の関与に関する変化値を表示できる。かかる表示は、直観的に読むことができる。例えば太い筋は、大きな関与として、かつ細いものは、弱い関与として認識できる。筋形状の外観及び筋形状上の不存在は、患者のトリガ信号として、又はその不存在として直接的に認識可能である。
【0042】
図形要素の更なる成分は、好適には血管形状又は心臓形状である。このことは、血液循環に関する変化値を表示するために適している。現在の血圧又は他のいずれかの血行動態指数、特に現在の平均血圧は、血管形状の現在の幅によって表示できる。現在の酸素飽和又は他のいずれかの酸素化指数、及び血液の現在のCO2分圧又は他のいずれかの換気指数は、血管形状及び/又は心臓形状の一領域の少なくとも現在の色を用いて表示できる。
【0043】
脈拍は、血管形状に沿って走るか又は点滅する符号を用いて、好適には示すことができる。
【0044】
起源に対応する少なくとも3つの異なる第1の図形パラメータが、異なる起源の少なくとも3つの値に割り当てることができ、第1の図形パラメータが、要素及び背景の異なる図形基本特性を定義することを一般的に述べることができる。以下は、例えば表示された要素及びその背景の図形基本特性として理解されるべきである:
・ 要素の、スクリーン上での又は他の要素に対する位置
・ 基本形状
・ 輪郭線
・ 着色
・ 輝度
・ パターン形成
・ 分割、又は
・ 位置変化する成分、等。
【0045】
これらの基本特性は、いずれの場合にも要素及び/又は背景の特性に関係する。
【0046】
要素又はその背景の基本特性と起源との、この関連付けの利点は、各々が異なる起源の3、4、5、6又はそれ以上のデータが、表示され、かつ更に単一の要素内で質的に評価されることが可能なことである。このことは、いずれの場合にもデータの特定の起源が割り当てできる上記の異なる基本特性を、要素が有するからである。
【0047】
示度又は装置設定の質的表示は、次に表示されたパラメータの値によって行われる。それぞれの基本特性の異なる条件を定義する第2の図形パラメータは、同じ起源の異なる値に特異的に割り当てられる。基本特性の条件として:
・ 形状の大きさ及び設計、
・ 輪郭線の太さ、
・ 色スケールから定義された色、
・ いずれの場合にも要素区域、背景、輪郭線、動く構成要素、又は一部区域等の輝度目盛りからの特定の輝度、
・ 既存区域上のパターン形成の設計、
・ パターン形成のコントラスト、
・ 現在の分割の位置決め、分割の定義、境界領域の幅、
・ 現在の、位置変化する構成要素の位置等、を挙げることができる。
【0048】
比較値又は比較値範囲に対する表示値の1つ以上の評価が表示されるならば、これは、値の評価を迅速に行うことができ、かつそれ故に処置が、より迅速に開始できるという利点を有し、それは患者の利益に適う。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
方法によって達成される表示の例が図に示される。説明及び図に従った形状や関連付けは、例示的であり、かつ請求項に定義された発明から逸脱することなく、変更できる。
【0050】
図1から3に表示されたスクリーン11は、本発明に従った方法によって発生した表示を示す。これらの表示は、器官を連想させる要素を含む患者パラメータを有する第1領域13と、スケールバーを有する装置パラメータを有する領域15とを含む。このスケールバーのスケールは異なる。示度及び装置設定は、位置変化する構成要素21によってこれらのスケール上に表示される。図1において、これら2つの領域13と15は、事実上全スクリーンを占める。図3において、ウインドウが下方領域の周りに開かれるので、それらは、スクリーンの上半分に一緒に押し込まれる。かかるウインドウは、選択ボタン19によって選択し、開くことができ、その後図1に従った表示は、図2に従った表示に変化する。図3において、上記の両方の領域の表示は、スクリーンの一部領域を占めるのみであり、他方で上部領域は、2つのグラフを従来の方法で提示し、かつ左スクリーン領域は、数値で満たされる。
【0051】
これらの異なるスクリーン設計は、装置に特異的に提供できるか、又は装置によって選択可能である。
【0052】
容易な解釈のために処理される装置パラメータが表示される領域15は、図4及び5に示される。例において、次の装置パラメータが特定される(左から右):
FiO2、パーセントでの呼吸空気の酸素含有量;
PEEP、cmH2Oでの呼気終末陽圧;
ExpMinVol、リットル/分での呼気分時拍出量;
PINSP、cmH2Oでの吸気の過剰圧力;
RSB(速く、浅い呼吸)、f/Vt(一回換気量で除した呼吸頻度)での呼吸の浅さ又は効率の指数;
変動性、絶対的に規則正しい呼吸からの偏差を示す指数;
呼吸動作を示す指数。公知のかかる指数は、P0.1と呼ばれる。これは、患者の活動によって短期間にわたって達成される換気系の真空によって測定される。P0.1に匹敵する指数は、患者によって作られる換気ガスの流量の力学を測定することによって得ることができる。
【0053】
第1の2つのスケールは、患者への酸素供給に関する情報を提供し、それは、それらが「酸素化」と表題を付けられる理由であり、中間の2つは、換気用であり、それは、それらが「CO2除去」と表題を付けられる理由であり、かつ最後の2つは、患者自身のイニシアチブあり、それは、それらが「Spont/Activity」と表題を付けられる理由である。
【0054】
各スケールは、垂直的に向けられ、かつ値が患者にとって、及び病気の過程にとって好ましいと推測できる正常範囲27を含む。この範囲は、着色され、かつ輝度に対して強調される。例において、それは明るい緑であり、他方で、スケールの残部は、暗い灰色であり、スクリーンの黒い背景から非常に弱く強調されるのみである。正確な示度は、各スケールの下に数字によって特定される。同じ値は、スケール内の位置変化する指示器29の助けにより、アナログで表示される。
【0055】
図4において、PEEP、PINSP、RSBのスケール上に表示された示度は、各々が正常範囲27内に位置する。このために、これらの正常範囲は、健康又は正常と分類されるべきでない範囲を示す、スケールのその隣接する正常範囲、明るい緑で明るくなる。図5において、全ての示度は、正常範囲内にある。このために、全ての正常範囲は、この明るい緑で明るくなる。更にデジタルディスプレイの背景は、全てのスケールが正常範囲27内に位置する値を示すことを示すために、同様にこの緑で明るくなる。
【0056】
好ましくは、正常範囲内の示度を有する単一のパラメータは、色によって強調されず、それは示した変形と異なる。対照的に正常範囲内での示度の発生からの期間は、表示される。全てのパラメータが、正常範囲内で示度を有する場合に、全ての正常範囲は、一緒に色によって強調される。第1の青は、全ての示度が、正常範囲内にまだ位置しないことを示す。これと比較して明るい青は、全ての示度が正常範囲内に位置し、かつ停止が検討できることを示す。
【0057】
それ故にこの装置パラメータ領域15は、互いに隣り合って配設された6つのスケールを含み、いずれの場合にも互いに隣り合って位置する2つのスケールが、少なくとも表題又は共通のフレームによって一緒にグループ化される。6つのスケールは、図5に示すように、共通のフレームによって一緒にグループ化される。1つのスケールは、数値の詳細と共に、要素として考慮できる。以下の値は、この要素内に表示される:示度の起源は、従って他のスケールに対するスケールの位置を定義する。各スケールは、(白から黒に変化する)数字を上に有する(黒から緑に変化する)数字ディスプレイの背景と、(その輝度が変化する)色によって強調される正常領域と、(スケール上でその位置を変化させる)位置変化可能な指示器29と、(位置変化の傾向に応じて、指示器31の上又は下であり、かつ値変化(又は位置変化)の速度に応じて短いか長くても良い)傾向を表示するための軌跡31とを有する要素である。
【0058】
ある種の位置に提供されるスケールの示度又は設定値は、それ故にアナログ及び数字で表示される(この2つのディスプレイタイプの一致は、残念なことに必ずしも図中に与えられない)。アナログ表示は、位置変化する指示器29の位置を介して行われる。
【0059】
第2の起源を有する値は、この示度が、正常領域内に又は外に位置するかに関する事実である。この事実は、色を用いて強調された正常範囲27の輝度によっても表示できる。
【0060】
第3の起源を有する値は、全ての残りの値が、それぞれの正常範囲27内に同様に位置するかどうかに関する事実である。この事実は、数字ディスプレイの数字の背景の輝度及び色、並びにこの背景の正面の数字を用いて、及び/又は全ての正常範囲の輝度又は色を用いて表示できる。
【0061】
第4の起源を有する値は、表示値の発達の傾向である。この傾向は、位置変更可能な構成要素29の軌跡31によって表示できる。
【0062】
第5の起源を有する値は、この方向の変化速度であり、前記速度は、軌跡の長さによって表示できる。
【0063】
従って、単一の要素を一瞥することによって、例えばFiO2のためにいずれの値が設定されているか、この値が正常範囲内に位置するか、最後の設定補正がいずれの方向でなされたか、かつFiO2が正常範囲内に位置するならば、他の示度及び設定値がすでに同様に各々正常領域内に位置するか、を認識できる。
【0064】
ExpMinVolの場合に、好ましくない値を表示する、正常範囲27の両側にスケール領域がある。これらの正常範囲27は、残りのスケールに対して端部にある。図中に表示された設計と対照的に、個別又は全てのスケールに対して、スケールの正常範囲と好ましくない範囲の間に、もう1つの色、パターン形成又はもう1つの輝度によって区別される、移行領域を同様に追加できる。正常範囲27は、表示した実施形態において好ましくない範囲に対してぼやかされるだけである。
【0065】
スケールは、正常範囲が単一の長さを有するように圧縮又は伸長される。スケールは、他方で、要素の長さの別々に長い範囲を前提とする。明瞭な表示が、これを用いて生じ、それにより正常範囲への個別の値の概算が、素晴らしく認識できる。ディスプレイのかかる容易な読み取り可能性は、別々に長い正常範囲27によって達成できないことがある。
【0066】
スケールの正常範囲は、全てに共通する中心軸上に配設される。正常領域が異なる長さを有するならば、このことは、ディスプレイの明瞭さを同様に増加させるであろう。
【0067】
要素のスケールに表示され、かつその下に数字により表示された示度は、換気装置の一部示度であり、かつ一部設定値である。換気ガスFiO2の酸素含有量は、装置の設定前に、又はセンサを用いた測定によって減少され得る。
【0068】
PEEPは、通常、同様に設定値である。ExpMinVol、毎分呼気量は、呼気段階中の流量測定から計算され、かつ幾つかの呼吸にわたって平均化される。
【0069】
Pinspは、大部分が設定値である。この圧力は、しかしながらセンサによってもモニタできる。RSB、「速く、浅い呼吸」は、測定から計算される。それは、速度及び呼吸容量の測定に基づく。
【0070】
変動性は、呼吸の時間距離の差、呼吸の長さの差及び/又は呼吸との容量の差によって計算される。良好な変動性は、換気からの患者の大きな非依存状態を示すが、しかしながら少ない変動性は、大きな依存状態を示す。
【0071】
患者パラメータの表示を有する領域13は、絵による、かつ質的なディスプレイを有し、それは、幾つかの示度の数字による、かつ質的なディスプレイを伴う。示度の数字明細は、異なる位置で同様になされても良い。示度の容易な可読性及び解釈能力を可能にするのは、明らかに図形要素の成分ではない。
【0072】
領域13内の患者パラメータの表示は、2つの肺葉を有する概略の肺31を含む。肺葉は、健康なコンプライアンスに関して対照的に形成される。それらは両方とも同じ情報を含む。更に、表示は、概略の気道樹33と、概略の筋系35と、概略の血管37とを有する。これらの一部領域は、異なる量の情報を含む。それらは、以下で更に詳細に記載される。
【0073】
領域13内に表示される図形要素の2つの代表的な設計は、図6及び7において比較される。形作られた要素の形成の差は、見た目に直ちに明白であり、他方で、図形要素の周囲の数値は、最初に読まれねばならず、かつ次に解釈される必要がある。
【0074】
グラフ及び数値を用いた示度及び設定値の従来の処理と比較して、本発明に従った処理の利点は、それぞれのデータのこの表示を用いて非常に明らかになる。数値及び示度、並びにグラフ形状の関連付けは、学習した位置関連付け、形状推測又は文字読み取りを介してのみ可能であるが、かかる関連付けは、器官を連想させる絵の表示によって直観的に認識できる。肺の理想全容量又は筋35の筋活動からの差23は、例えば絵表示において直ちに認識でき、他方で数値は、解釈することが著しくより困難である。例えばコンプライアンスは、要素の数値及び図形設計として表示される。図6における角張り、かつ太い輪郭線41は、硬度を明白に示し、他方で、丸い形状は、張りつめており、かつ図7における輪郭線の細さは、肺の健康なコンプライアンスとして誰にでも直ちに認識できる。値20ml/cmH2O又は60ml/cmH2Oの、対応する物質の状態との関連付けは、しかしながら経験豊かな医師にとっても遙かに難解であり、かつそれ故に遅くかつ信頼性低く認識される。それは、思考作業を必要とし、それは新規なタイプのデータ処理のために、治療処置の検討及び選択における多大な用途に対して投資され得る。
【0075】
肺31:
肺形状31は、2つの鏡像の肺葉からなる。示した例を有する葉は、鏡に映されたように同一に、形成される。しかしながらそれらは、例えばそれらの間に心臓のための場所を作るために、不均等にも形成できる
【0076】
肺葉の大きさは、肺容量を非常に粗く示す。図8及び10において、肺は空気で満たされ、図9において、それは吐出された状態である。
【0077】
肺葉は、外形形状を有する。この外形形状は、肺のコンプライアンスに応じて別々に設計され、肺の形状は、従って示度起源「コンプライアンス」に割り当てられる。不良コンプライアンスが図15に、正常なものが図16に、かつ大きすぎるコンプライアンスが図17に示される。コンプライアンスは、外形形状を介した表示に加えて、輪郭線41を介しても表示される。低いコンプライアンスは、直線かつ角張った太い輪郭線によって認識できる。高いコンプライアンス、すなわち柔軟な肺は、正常形状に対して膨張される形状に沿った細い輪郭線によって認識できる。5又は6つの目盛りが与えられる:1つは、柔軟な肺用であり、1つは正常な肺用であり、かつ3又は4つは、別々に硬い肺用である。肺のコンプライアンスは、大きな帯域幅を有し、かつ各呼吸によって新規に判定できる。
【0078】
能動的な呼吸によって、肺形状は、肺の呼吸条件に応じて異なる。肺は、図10において能動的に吸入されている。肺葉の内側隅43は、下方に引っ張られ、その結果肺葉は、共通する直線上の底部で終わる。呼気で、肺領域は減少し、かつ肺葉の内側隅は、図9による呼気状態に戻る。この状態において、肺葉の内側隅43は、頂部に後退させられ、その結果肺葉の下縁部は、中央に対して上昇する。
【0079】
肺形状は、活動しない患者に関して類似したままである。それは次に肺形状が、(例えば上部肺葉先端で)中心から広げられて、その区域を変化させるのみである。
【0080】
図9から図10への、又は図9から図8への例えば10のレベルが、表示のために提供される。肺の区域は、吸気で容量曲線と同期して増加し、かつ現在の流量測定によって呼気で減少する。
【0081】
図11において、肺形状は、示度なしに示されるように表示される。
【0082】
このために、患者の能動性/受動性の値の起源は、肺の呼吸形状変化に割り当てられる。肺の大きさ、又は呼吸の大きさ変化は、肺の呼吸状態を示す。
【0083】
いずれの場合にも、比較値としての健康な、吸入する肺の輪郭45が、図8から11及び15から17に描かれる。示度の表示において、この比較線は、表示された肺の大きさ及び表示されたコンプライアンスの評価のために役立つ。肺の形状と大きさが、これを用いて改良され、かつ曖昧でなく読み取ることができる。
【0084】
肺葉は、区域を持ち、かつ区域の着色された分割を有する(図12及び13)。図14による表示は、機能残気量の測定が存在しないことを示す。測定が利用できないならば、肺は、灰色であり、かつ区域は分割されない。測定が利用できるならば、肺は、上部の青く僅かにパターン形成された領域と、下部の白い領域23とに分割される。移行部は、ぼやかされて示される。分割は、肺の機能残気量(FRC)の大きさに応じて異なる方法で設計される。図12による表示は正常なFRCを示し、図13による表示は、不良FRCを示す。ディスプレイは、約60分後毎に新規なFRC示度によって支援される。
【0085】
従って、肺の着色と上部の割り当て分(share)は、患者の体の大きさによって計算される理想肺容量(上部プラス下部割り当て分)と比較される、呼吸容量測定及び機能残気量の測定に割り当てられる。示度は、それぞれの図形パラメータによって定義された分割位置に映される。
【0086】
一回換気量、機能残気量、コンプライアンス、肺の大きさ、能動/受動呼吸及び肺の呼吸状態のパラメータ、並びにそれ故に呼吸頻度も一瞥で、別々に大きな形状の時系列の形で、従って事実上知覚できる。異なるパラメータが、表示において重なり合う。低いコンプライアンスを有する肺は、正常又は高いコンプライアンスの肺に関するような、それぞれのデータが利用可能である場合に、同様にその大きさと形状を変化させても良い。肺葉の動きは、理想全容量及び所与の全容量からの差23への肺の分割に関与し、かつコンプライアンスとは無関係である。機能残気量の割り当て分は、それらが呼気表示(図9)に現れる時に、分割の上の肺葉を満たす。吸気表示(図12又は13)において、上部割り当て分は、肺の現在の全容量を含む。好ましい実施形態において、従って少なくとも4又は5の異なるパラメータが、各々質的に表示される。
【0087】
気道樹33
肺に属する図形要素は、気道樹33である。気道樹33は、2つの気管支と更なる分枝を有して、簡略化されて表示される気管を有する。この気道樹の基本形状は、すでに変化しない状態のままであり、かつ輪郭線47との比較値として表示される。この気道樹は、呼吸抵抗、又は抵抗を図形表示する。示度は、この基本形状では、内部に着色された気道樹49の形で表示される。高い呼吸抵抗用の示度に関して、着色された気道樹49は、まばらに分枝して設計され、他方で低い呼吸抵抗用の示度に関して、示度は、密集して分枝された気道樹49として表示される。従って、内部の着色された気道樹49と、輪郭線47との間の中間空間を満たす白線は、高い呼吸抵抗により太く、かつ低い呼吸抵抗により細いか存在しない。内部気道樹49の輝度又は着色は、呼吸抵抗に適合させられる。高い抵抗に関して、低い抵抗に関するよりも色が明るく、及び/又は強度が低い。発色の良いピンクから淡いピンクが色として好ましい。しかしながら、かかる適合は、記載されたものと異なる方法でも行うことができる。それ故に気道樹は、高い抵抗に関して警報色で表示できる。
【0088】
呼吸抵抗の測定は、各呼吸によってなされる。それは、0から50cmH2O/ml/sの帯域幅を有するデータを発生させる。3つのレベルが、抵抗の表示のために提供される。着色された気道樹49でなく、基本形状の輪郭のみが、示度なしで表示される。
【0089】
横隔膜35
様式化された横隔膜として表示される筋35は、同様に肺に属すると見なすことができる。筋35の寸法は、患者自身が、どれ程大きく呼吸をするかを示す。図23による強い筋は、呼吸作業における患者の大きな関与を示す。図22による弱い筋は、呼吸作業における患者の乏しい関与を示す。筋の不存在は、患者が呼吸作業に関与しないこと、又は示度が存在しないことを示す。図24による筋線は、トリガ信号が存在することを示す。この筋線は、トリガ信号によって明るくなり、その後再度消える。
【0090】
筋35は、患者の活動によってその形状を変化させるが、同等に強い状態に留まる。それは、息を吸うと伸長し、かつ息を吐くと屈曲する。肺葉の形状は、記載したようにそれと平行に動く。いずれの場合にも、吸入及び吐出された肺の間の10のレベルが、動きを表示するための両方の筋の強度用に提供される。
【0091】
血管37:
血液、特に平均血圧、脈拍、及び酸素での血液飽和、例えば動脈血CO2分圧に対する値の表示は、肺、気道及び筋系と図形的に無関係である。これらの値は、様式化された血管37によって表示される。心臓は、血液動脈37の代わりに表示することもできる。
【0092】
血管27は、左及び右側を有し、それらは、図25から30による表示において、区域の輝度及び/又は形状によってのみ分離される。実際には、着色された差も存在するが、しかしながらそれは、本文献で絵表示されない。示度及び脈動がない場合に関して、図28による血管の輪郭線51のみが表示される。血液の酸素飽和に関して示度が存在せず、血圧に関するもののみが存在するならば、区域は、血圧を示すことが可能であるように灰色で表示される(図25〜27)。1つの脈動のみが表示されるならば、血管は、図27に表示されるように、灰色で満たされる。
【0093】
ガス交換が、血管の中央部で概略的に行われる。この中央部は、ある形状、例えば円、点又は肺形状によってマークできる。圧力波符号の形状での位置変化可能な構成要素(図29)は、左から右に脈拍の律動によって走る。血液は、同じ方向に「走る」。このことは:血管が中央左にガス交換前に表示される、ことを意味する。そこでその色は、場合により動脈血CO2分圧を示すことができる。血液は、中央右にガス交換後に表示される。そこで、色は、動脈圧の酸素飽和を示す。CO2分圧を示す示度は、青色の2つの目盛りで質的に示される。酸素飽和を示す示度は、赤色、特にピンク及びマゼンタの2つの目盛りで質的に示される。高い酸素飽和は、図29及び30において右血管側に完全なマゼンタによって表示される。
【0094】
血行動態評価は、着色された、又は灰色の充填区域53の幅によって表示される。充填区域53の幅を、血管の左部分で一定のままにすることが、提案される。充填区域53の幅は、平均動脈圧を質的に表示するために、血管の右側で変動する。左側の充填区域53の幅、及び血管の比較輪郭51を超える右側充填区域53の広い形成は、高血圧の示度を示す(図26)。しかしながら狭い右側充填区域53は、血圧の低い示度を示す(図25)。正常血圧は、一定の広さの充填区域53によって表示される(図27)。
【0095】
血圧は、上記の方法と異なる方法で示すこともできる。それは、例えば左から右への血管全体の形状を狭めるか、又は広げるために、領域を膨張又は収縮させるために、血圧により可能である。血圧は、充填区域53の幅、血管輪郭線の太さ、又は表示の他の変化特性によって、血管の全長にわたって表示できる。
【0096】
4つのみの表示が区別される:高血圧、正常血圧、低血圧、測定なしである。表示は、いずれの場合にも新規な示度に基づき5から60分後に終結される。それは、平均動脈圧を表示し、かつ0から250mmHgの帯域幅を有する。
【0097】
血圧の測定が存在しないならば、血液の飽和又はそれぞれの動脈血分圧は、例えば左及び右側で着色された点を用いて表示できる(図中に示さず)。
【0098】
このために、次の3つのパラメータは、例えば形状、色及び動く構成要素を用いて、血管37の助けにより質的に表示される:血圧;酸素飽和、脈動。更に、CO2分圧を場合により表示できる。
【0099】
コンプライアンス及び抵抗の値は、息を吸って吐くことに関して流量及び圧力の測定を介して判定され、かつ数字及び図形表示される。これらの測定は、例えば患者に近い双方向流量センサ、及び換気装置に属する圧力センサによってなされ、かつコンプライアンス及び抵抗の値を得るために公知の方法で変換される。判定された値は、その規模によって6つの内1つ(コンプライアンス)又は3つの内1つ(抵抗)の異なる図形パラメータ値に割り当てられる。
【0100】
毎分呼吸数の値は、換気装置から取られ、かつ場合により、患者によって起動されたトリガ信号と組み合わせられる。例えば、時間測定は、8つの呼吸にわたってなされ、かつ毎分呼吸数に変換される。この計算値は、丸められ、かつ整数で数字表示される。しかしながら肺運動の表示は、上述の流量測定によって判定される容量と同期して呼吸運動を示す。個別の短い呼吸、及び呼吸運動中の休止は、そのように表示される。
【0101】
呼気一回換気量VTEは、呼気段階にわたる流量測定の統合によって判定される。この測定及び計算値は、容量の数字表示の基礎を形成するが、肺の大きさの図形、絵表示の基礎も形成する。絵表示された肺の大きさを計算するために、体の大きさを利用する。肺の大きさは、一回換気量及び機能残気量(上部割り当て分)、並びに理想の肺の大きさへの差から構成される。一回換気量は、各呼吸によって測定される。機能残気量は、特に呼吸空気中の酸素濃度が、定義された範囲内に変えられ、かつ吐出された空気のCO2含有量及びO2含有量に対する影響が測定される操作によって判定される。次に、これらの示度及び設定値に基づき、計算を用いて機能残気量に関する結論を出すことができる。
【0102】
肺表示の区域全体の上部割り当て分は、次に一回換気量及び機能残気量から計算され、かつそれぞれの区域割り当て分は、理想肺容量への差から計算される。息を吸ってかつ吐くと、呼吸ガスの容量が測定され、かつ肺表示の大きさに従って変えられる。息を吸って吐くことに関する肺の大きさのこの適合によって、いずれの場合にも一回換気量及び残気量の最近の評価を利用し、かつ現在測定される呼吸容量が加えられるか、減じられる。最大の肺の大きさは、IBWと比較した実際の、理想の肺の大きさに関して無関係である。肺の大きさの変化は、そこで変化率を表示する。
【0103】
呼気空気のCO2含有量は、適切なセンサによって測定される。血液のCO2分圧は、同様に経皮的に、場合により侵襲的にも測定できる。この示度は、数字表示されるが、記載された操作の助けにより、機能残気量を判定するためにも使用される。
【0104】
血圧は、袖によって散発的に、又はカテーテルによって侵襲的に測定される。平均動脈圧mABPは示度から判定される。この示度は、正確に数字表示されるが、3つの図形パラメータ値、具体的には低、正常及び高に割り当てられるだけである。
【0105】
酸素飽和及び脈拍は、脈拍酸素濃度計によって測定される。しかしながら、侵襲的又は経皮的測定も、可能である。飽和の代わりに分圧を測定することもできる。血液の酸素含有量の示度は、数字表示されるが、2つの図形パラメータ、具体的には不良及び良好に割り当てられるだけである。脈拍の示度は、毎分脈拍数に変換され、かつ数字表示される。しかしながら各脈拍動は、血管37の長さにわたって左から右に走り始めるために、圧力波符号39をもたらす。符号39の速度は、可変であっても良く、かつ脈拍数により増減され得る。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明に従った方法によって発生した14の値、及び患者パラメータの概略器官表示の形状でのこれらの値の追加の評価、及び換気装置に対する患者の依存状態を示す装置パラメータの比較スケールバーの表示を有する換気装置のスクリーンを示す。
【図2】警報ウインドウを開放した後の同じスクリーンを示す。
【図3】本発明に従った方法によって発生した表示、及び2つの患者パラメータの追加の従来の表示を有する換気装置のスクリーンを示す。
【図4】示度が内部に表示され、幾つかの示度が、呼吸の機械支援の継続を必要とする範囲内に位置する、比較スケールバーを表示するスクリーンセクションを示す。
【図5】全ての示度が、呼吸の機械支援の終了を可能にできた範囲内に位置する、図4に従ったスクリーンセクションを示す。
【図6】示度が内部に表示され、正常な肺容量、正常な機能残気量、不良コンプライアンス、比較的高い呼吸抵抗、大きな筋力、及び高血圧が表示される器官表示を表示するスクリーンセクションを示す。
【図7】図6に従っているが、しかしながら不健康な機能残気量、正常なコンプライアンス、不良呼吸抵抗、低い筋力、及び低血圧が表示されるスクリーンセクションを示す。
【図8】要素形状及び細い輪郭線によって表示される正常なコンプライアンスを有する、要素の大きさを用いた正常な容量の表示を示す。
【図9】正常なコンプライアンスを有する、比較線又は比較区域と比較した、要素の大きさを用いた低い肺容量の表示を示す。
【図10】比較線又は比較区域と比較した、肺形状の変化を用いて患者の能動的な呼吸を示す。
【図11】示度のない表示された絵を示す(比較線又は比較区域のみ)。
【図12】要素区域の分割を用いて正常な機能残気量を示す。
【図13】要素区域の分割を用いて不健康な機能残気量を示す。
【図14】示度のない表示された絵を示す
【図15】非対称の角張った形状、及び太さが可変である要素の輪郭線を用いて不良コンプライアンス(硬い肺)を示す。
【図16】線の張りつめた、丸い輪郭によって対称な外形形状を用いて正常なコンプライアンスを示す。
【図17】比較区域を一部超える非対称な、縮められ、膨らまされた形状、かつ要素の非常に薄く、ほぼ存在しない輪郭線によって表示される、コンプライアンスの過剰な値を示す。
【図18】色、及び色の輝度による要素の完全な充填を用いて正常な呼吸抵抗を示す。
【図19】要素の着色した充填と、輪郭線との間の距離、及び明るい色を用いて増加した呼吸抵抗を示す。
【図20】薄い着色領域及びそのなおも明るい色を用いて極めて高い呼吸抵抗を示す。
【図21】呼吸抵抗の示度がない要素を示す。
【図22】要素の低い厚さを用いて患者の低い筋活動を示す。
【図23】要素の大きな厚さを用いて患者の高い筋活動を示す。
【図24】測定可能な筋活動のないトリガ信号を示す。
【図25】左から右への、表示された血管の直径減少を用いて低血圧を示す。
【図26】左から右への、表示された血管の直径拡大を用いて高血圧を示す。
【図27】正常な血圧を示す。
【図28】血圧の示度の不存在を示す。
【図29】血管の常設の絵の上で動かされる要素を用いて脈拍を示す。
【図30】血管の右側での血液の色を用いて酸素での血液飽和を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械的に換気された患者の異なる起源の幾つかの変化値を取得し、かつモニタスクリーン上に前記値を表示し、これらの値の少なくとも3つが取得され、かつ肺形状の絵表示を含む単一の図形要素内に一緒に、質的に表示される方法であって、換気される肺の現在の容量変化が、各呼吸内で大きさの増減する前記肺形状を用いて表示されることを特徴とする方法。
【請求項2】
いずれの場合にも前記肺形状は、前記肺形状の輪郭まで本質的に正常に大きさを増減されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記肺形状の大きさ変化の間に、横隔膜側の前記肺形状の外形は、患者が能動的に呼吸する場合に、上記のように変えられることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記変化値は、換気されているか又は場合により換気されるべき患者に関して、センサを用いて測定されるか、又は計算によりかかる示度から判定されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
切断又は閉塞が起きているかどうかをモニタするために、呼吸流量及び/又は圧力状態が取得され、かつ切断又は閉塞が確認される場合に、定数値が前記肺形状の大きさに与えられることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記肺形状は、閉塞が確認される場合に大きく、かつ切断が確認される場合に小さく表示されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記肺形状に統合された気道形状が表示され、かつ気道を特徴付ける少なくとも1つの変化値が、この気道形状の特性に与えられることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
換気抵抗に関する質的情報は、前記気道形状の幅を用いて、及び/又は前記気道形状の色又は輝度レベルを用いて作られることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記肺筋系の活動がモニタされ、かつ前記表示された図形要素は、肺筋系、特に横隔膜を表示する筋系形状を有し、かつ呼吸作業に対する患者の関与を特徴付ける変化値がこの筋系形状の特性に与えられることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記肺筋系の活動は、幾つかのレベルで表示されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記筋系形状の変化は、肺筋系の活動と同期して行われることを特徴とする請求項9から10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記図形要素は、心臓形状及び/又は血管形状を含み、かつ血液循環を特徴付ける少なくとも1つの変化値が、前記心臓形状及び/又は前記血管形状の特性に与えられることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
血行動態状態に関する質的情報、特に平均血圧は、前記血管形状の少なくとも一部領域の幅を用いて提供されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
血液の酸素飽和に関する質的情報は、前記血管形状及び/又は前記心臓形状の少なくとも領域の色を用いて提供されることを特徴とする請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
血液の二酸化炭素分圧に関する質的情報は、前記血管形状及び/又は前記心臓形状の少なくとも一領域の色を用いて提供されることを特徴とする請求項12から14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
脈拍は、前記心臓形状の輪郭の変化、又は前記心臓形状内の輝度の変化若しくは色の変化の律動を用いて表示されることを特徴とする請求項12から15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
脈拍は、前記血管形状に沿って走る符号によって、又は前記血管形状内若しくは前記血管形状で脈動する符号によって表示されることを特徴とする請求項12から15のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記心臓形状又は前記血管形状の色又は前記輝度レベルは、患者の酸素供給に関する質的情報を提供することを特徴とする請求項12から15のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
第2図形要素は、次のパラメータ:
− 適用される酸素濃度「FiO2」、
− 呼気終末陽圧「PEEP」、
− 吸気圧「Pinsp」、又は吸気の平均圧「Pimean」、
− 制御された換気と、自発的呼吸との間の比「RRtot/RRspont」、又は速く、浅い呼吸「RSB」、
− (例えばIBWから導かれる)理論分時拍出量の現在の分時拍出量に対する比「MV」、
− 変動指数、及び/又は
− 患者の呼吸動作指数、の少なくとも3つ、好ましくは3つを超え、特に好ましくは全部を図形表示する、スクリーン上に表示されることを特徴とする請求項1から18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記パラメータ値は、分割又は位置変化する構成要素の位置によって、アナログ又は準アナログ的に前記パラメータに割り当てられたスケール上に表示されることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
いずれの場合にも、各表示パラメータの現在値がある範囲上に表示され、前記範囲は、いずれの場合にも一端にそれぞれのパラメータの不良値と、そこから離れて良好値とを表示し、かつこれらの範囲は、全ての範囲の良好値が互いに関連して図形設定されるように配設されることを特徴とする請求項19又は20に記載の方法。
【請求項22】
良好値を有する少なくとも1つの領域と、不良値の領域と、かつ場合によっては中央値の1つとが表示され、かつそれらが、それらの色、それらの輝度を用いて、及び/又はそのパターン形成を用いて区別され、各範囲又は背景の領域の色、輝度又はパターン形成を用いて、全ての表示された示度が良好値を有する領域内に位置するかに関して表示されることを特徴とする請求項19から21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
前記領域は、一方の領域と隣接領域との間の境界値を定義又は調整する利用者によって定義又は調整されることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
肺の剛性又はコンプライアンスが測定され、及び/又は示度に基づき計算され、かつ輪郭線の現在の形成及び/又は前記肺形状の外形の現在の様式が、前記肺の前記剛性又はコンプライアンスに従って適合させられることを特徴とする請求項1から23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
患者の換気に関する取得された変化値を表示するためにスクリーンを有し、
異なる起源の少なくとも3つの変化値を取得する手段と、
取得した値が、単一の図形要素内で一緒にスクリーン上に質的に表示されることを可能にする、値を表示する手段とを有し、
前記図形要素が、肺形状の絵表示を含む装置であって、
前記値を表示する手段は、各呼吸に関して取得された換気される肺の容量変化が、この容量変化に対応する前記肺形状の大きさ変化を用いて動画化して表示されるように、設計されることを特徴とする装置。
【請求項26】
換気空気の圧力及び/又は流量をモニタするセンサは、切断又は閉塞を確認することが可能であるために存在し、かつ両方の場合において前記肺形状が、一定の大きさによってスクリーン上に表示されることを特徴とする請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記肺形状の前記一定の大きさは、閉塞が確認される場合に大きく、かつ前記肺形状の前記一定の大きさは、切断が確認される場合に小さいことを特徴とする請求項26に記載の装置。
【請求項28】
呼吸を表示する前記肺形状の区域変化は、測定された一回換気量と関係することを特徴とする請求項25から27のいずれかに記載の装置。
【請求項29】
理想肺容量と、換気される肺容量との間の差を表示する、前記肺形状の区域の区域分割が存在することを特徴とする請求項25から28のいずれかに記載の装置。
【請求項30】
輪郭線の現在の形成及び/又は前記肺形状の外形の現在の様式は、前記肺の剛性又はコンプライアンスの質的情報を有する請求項25から29のいずれかに記載の装置。
【請求項31】
理想肺容量及び/又は理想コンプライアンスは、理想肺形状の外形を辿る線として、又は色又は輝度に対して段状にされた前記理想肺形状を有する区域として表示されることを特徴とする請求項25から30のいずれかに記載の装置。
【請求項32】
前記表示される肺形状は、気道形状もまた含み、かつ気道に関する少なくとも1つの変化値は、前記気道形状によって表示されることを特徴とする請求項25から31のいずれかに記載の装置。
【請求項33】
現在の換気抵抗は、気道形状の現在の幅を用いて、及び/又は気道形状の色若しくは輝度レベルを用いて表示される請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記図形要素は、筋系、特に横隔膜を表示する筋系形状もまた含み、かつ呼吸作業における患者の関与に関する少なくとも1つの変化値は、前記筋形状によって表示されることを特徴とする請求項25から33のいずれかに記載の装置。
【請求項35】
前記図形要素は、血管形状もまた含み、かつ血液循環に関する少なくとも1つの変化値は、前記血管形状によって表示されることを特徴とする請求項25から34のいずれかに記載の装置。
【請求項36】
現在の血圧、特に現在の平均血圧は、血管形状の現在の幅によって表示されることを特徴とする請求項35に記載の装置。
【請求項37】
血液の現在の酸素飽和は、血管形状及び/又は心臓形状の一領域の少なくとも現在の色を用いて表示されることを特徴とする請求項35又は36に記載の装置。
【請求項38】
血管形状に沿って走るか又は点滅する脈拍の符号が、表示されることを特徴とする請求項35から37に記載の装置。
【請求項39】
第2図形要素は、次のパラメータ:
− 適用される酸素濃度「FiO2」、
− 呼気終末陽圧「PEEP」、
− 吸気圧「Pinsp」、又は吸気の平均圧「Pimean」、
− 制御された換気と自発的呼吸との間の比「RRtot/RRspont」、又は速く、浅い呼吸「RSB」、
− (例えばIBWから導かれる)理論分時拍出量の現在の分時拍出量に対する比「MV」、
− 変動指数、及び/又は
− 患者の呼吸動作指数、の少なくとも3つ、好ましくは3つを超え、特に好ましくは全部を図形表示する、スクリーン上に表示されることを特徴とする請求項25から38のいずれかに記載の装置。
【請求項40】
前記パラメータ値は、前記パラメータに割り当てられたスケール上に分割又は位置変化する構成要素の位置によって、アナログ又は準アナログ的に表示されることを特徴とする請求項39に記載の装置。
【請求項41】
各表示パラメータの現在値は、いずれの場合にもある範囲上に表示され、前記範囲は、いずれの場合にも一端にそれぞれのパラメータの不良値と、そこから離れて良好値とを表示し、かつこれらの範囲は、全ての範囲の良好値が、互いに関連して図形的に置かれるように配設されることを特徴とする請求項39又は40に記載の装置。
【請求項42】
一方の領域と、隣接領域との間の境界値を入力するインタフェースを特徴とする請求項41に記載の装置。
【請求項43】
良好値を有する少なくとも1つの領域と、不良値を有する領域と、場合によっては中央値を有する領域が表示され、かつそれらの色、それらの輝度によって、及び/又はそのパターン形成によって区別され、各範囲及び/又は背景の領域の色、輝度又はパターン形成を用いて、全ての表示された示度が良好値を有する領域内に位置するかに関して表示されることを特徴とする請求項39から42のいずれかに記載の装置。
【請求項1】
機械的に換気された患者の異なる起源の幾つかの変化値を取得し、かつモニタスクリーン上に前記値を表示し、これらの値の少なくとも3つが取得され、かつ肺形状の絵表示を含む単一の図形要素内に一緒に、質的に表示される方法であって、換気される肺の現在の容量変化が、各呼吸内で大きさの増減する前記肺形状を用いて表示されることを特徴とする方法。
【請求項2】
いずれの場合にも前記肺形状は、前記肺形状の輪郭まで本質的に正常に大きさを増減されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記肺形状の大きさ変化の間に、横隔膜側の前記肺形状の外形は、患者が能動的に呼吸する場合に、上記のように変えられることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記変化値は、換気されているか又は場合により換気されるべき患者に関して、センサを用いて測定されるか、又は計算によりかかる示度から判定されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
切断又は閉塞が起きているかどうかをモニタするために、呼吸流量及び/又は圧力状態が取得され、かつ切断又は閉塞が確認される場合に、定数値が前記肺形状の大きさに与えられることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記肺形状は、閉塞が確認される場合に大きく、かつ切断が確認される場合に小さく表示されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記肺形状に統合された気道形状が表示され、かつ気道を特徴付ける少なくとも1つの変化値が、この気道形状の特性に与えられることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
換気抵抗に関する質的情報は、前記気道形状の幅を用いて、及び/又は前記気道形状の色又は輝度レベルを用いて作られることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記肺筋系の活動がモニタされ、かつ前記表示された図形要素は、肺筋系、特に横隔膜を表示する筋系形状を有し、かつ呼吸作業に対する患者の関与を特徴付ける変化値がこの筋系形状の特性に与えられることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記肺筋系の活動は、幾つかのレベルで表示されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記筋系形状の変化は、肺筋系の活動と同期して行われることを特徴とする請求項9から10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記図形要素は、心臓形状及び/又は血管形状を含み、かつ血液循環を特徴付ける少なくとも1つの変化値が、前記心臓形状及び/又は前記血管形状の特性に与えられることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
血行動態状態に関する質的情報、特に平均血圧は、前記血管形状の少なくとも一部領域の幅を用いて提供されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
血液の酸素飽和に関する質的情報は、前記血管形状及び/又は前記心臓形状の少なくとも領域の色を用いて提供されることを特徴とする請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
血液の二酸化炭素分圧に関する質的情報は、前記血管形状及び/又は前記心臓形状の少なくとも一領域の色を用いて提供されることを特徴とする請求項12から14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
脈拍は、前記心臓形状の輪郭の変化、又は前記心臓形状内の輝度の変化若しくは色の変化の律動を用いて表示されることを特徴とする請求項12から15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
脈拍は、前記血管形状に沿って走る符号によって、又は前記血管形状内若しくは前記血管形状で脈動する符号によって表示されることを特徴とする請求項12から15のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記心臓形状又は前記血管形状の色又は前記輝度レベルは、患者の酸素供給に関する質的情報を提供することを特徴とする請求項12から15のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
第2図形要素は、次のパラメータ:
− 適用される酸素濃度「FiO2」、
− 呼気終末陽圧「PEEP」、
− 吸気圧「Pinsp」、又は吸気の平均圧「Pimean」、
− 制御された換気と、自発的呼吸との間の比「RRtot/RRspont」、又は速く、浅い呼吸「RSB」、
− (例えばIBWから導かれる)理論分時拍出量の現在の分時拍出量に対する比「MV」、
− 変動指数、及び/又は
− 患者の呼吸動作指数、の少なくとも3つ、好ましくは3つを超え、特に好ましくは全部を図形表示する、スクリーン上に表示されることを特徴とする請求項1から18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記パラメータ値は、分割又は位置変化する構成要素の位置によって、アナログ又は準アナログ的に前記パラメータに割り当てられたスケール上に表示されることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
いずれの場合にも、各表示パラメータの現在値がある範囲上に表示され、前記範囲は、いずれの場合にも一端にそれぞれのパラメータの不良値と、そこから離れて良好値とを表示し、かつこれらの範囲は、全ての範囲の良好値が互いに関連して図形設定されるように配設されることを特徴とする請求項19又は20に記載の方法。
【請求項22】
良好値を有する少なくとも1つの領域と、不良値の領域と、かつ場合によっては中央値の1つとが表示され、かつそれらが、それらの色、それらの輝度を用いて、及び/又はそのパターン形成を用いて区別され、各範囲又は背景の領域の色、輝度又はパターン形成を用いて、全ての表示された示度が良好値を有する領域内に位置するかに関して表示されることを特徴とする請求項19から21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
前記領域は、一方の領域と隣接領域との間の境界値を定義又は調整する利用者によって定義又は調整されることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
肺の剛性又はコンプライアンスが測定され、及び/又は示度に基づき計算され、かつ輪郭線の現在の形成及び/又は前記肺形状の外形の現在の様式が、前記肺の前記剛性又はコンプライアンスに従って適合させられることを特徴とする請求項1から23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
患者の換気に関する取得された変化値を表示するためにスクリーンを有し、
異なる起源の少なくとも3つの変化値を取得する手段と、
取得した値が、単一の図形要素内で一緒にスクリーン上に質的に表示されることを可能にする、値を表示する手段とを有し、
前記図形要素が、肺形状の絵表示を含む装置であって、
前記値を表示する手段は、各呼吸に関して取得された換気される肺の容量変化が、この容量変化に対応する前記肺形状の大きさ変化を用いて動画化して表示されるように、設計されることを特徴とする装置。
【請求項26】
換気空気の圧力及び/又は流量をモニタするセンサは、切断又は閉塞を確認することが可能であるために存在し、かつ両方の場合において前記肺形状が、一定の大きさによってスクリーン上に表示されることを特徴とする請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記肺形状の前記一定の大きさは、閉塞が確認される場合に大きく、かつ前記肺形状の前記一定の大きさは、切断が確認される場合に小さいことを特徴とする請求項26に記載の装置。
【請求項28】
呼吸を表示する前記肺形状の区域変化は、測定された一回換気量と関係することを特徴とする請求項25から27のいずれかに記載の装置。
【請求項29】
理想肺容量と、換気される肺容量との間の差を表示する、前記肺形状の区域の区域分割が存在することを特徴とする請求項25から28のいずれかに記載の装置。
【請求項30】
輪郭線の現在の形成及び/又は前記肺形状の外形の現在の様式は、前記肺の剛性又はコンプライアンスの質的情報を有する請求項25から29のいずれかに記載の装置。
【請求項31】
理想肺容量及び/又は理想コンプライアンスは、理想肺形状の外形を辿る線として、又は色又は輝度に対して段状にされた前記理想肺形状を有する区域として表示されることを特徴とする請求項25から30のいずれかに記載の装置。
【請求項32】
前記表示される肺形状は、気道形状もまた含み、かつ気道に関する少なくとも1つの変化値は、前記気道形状によって表示されることを特徴とする請求項25から31のいずれかに記載の装置。
【請求項33】
現在の換気抵抗は、気道形状の現在の幅を用いて、及び/又は気道形状の色若しくは輝度レベルを用いて表示される請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記図形要素は、筋系、特に横隔膜を表示する筋系形状もまた含み、かつ呼吸作業における患者の関与に関する少なくとも1つの変化値は、前記筋形状によって表示されることを特徴とする請求項25から33のいずれかに記載の装置。
【請求項35】
前記図形要素は、血管形状もまた含み、かつ血液循環に関する少なくとも1つの変化値は、前記血管形状によって表示されることを特徴とする請求項25から34のいずれかに記載の装置。
【請求項36】
現在の血圧、特に現在の平均血圧は、血管形状の現在の幅によって表示されることを特徴とする請求項35に記載の装置。
【請求項37】
血液の現在の酸素飽和は、血管形状及び/又は心臓形状の一領域の少なくとも現在の色を用いて表示されることを特徴とする請求項35又は36に記載の装置。
【請求項38】
血管形状に沿って走るか又は点滅する脈拍の符号が、表示されることを特徴とする請求項35から37に記載の装置。
【請求項39】
第2図形要素は、次のパラメータ:
− 適用される酸素濃度「FiO2」、
− 呼気終末陽圧「PEEP」、
− 吸気圧「Pinsp」、又は吸気の平均圧「Pimean」、
− 制御された換気と自発的呼吸との間の比「RRtot/RRspont」、又は速く、浅い呼吸「RSB」、
− (例えばIBWから導かれる)理論分時拍出量の現在の分時拍出量に対する比「MV」、
− 変動指数、及び/又は
− 患者の呼吸動作指数、の少なくとも3つ、好ましくは3つを超え、特に好ましくは全部を図形表示する、スクリーン上に表示されることを特徴とする請求項25から38のいずれかに記載の装置。
【請求項40】
前記パラメータ値は、前記パラメータに割り当てられたスケール上に分割又は位置変化する構成要素の位置によって、アナログ又は準アナログ的に表示されることを特徴とする請求項39に記載の装置。
【請求項41】
各表示パラメータの現在値は、いずれの場合にもある範囲上に表示され、前記範囲は、いずれの場合にも一端にそれぞれのパラメータの不良値と、そこから離れて良好値とを表示し、かつこれらの範囲は、全ての範囲の良好値が、互いに関連して図形的に置かれるように配設されることを特徴とする請求項39又は40に記載の装置。
【請求項42】
一方の領域と、隣接領域との間の境界値を入力するインタフェースを特徴とする請求項41に記載の装置。
【請求項43】
良好値を有する少なくとも1つの領域と、不良値を有する領域と、場合によっては中央値を有する領域が表示され、かつそれらの色、それらの輝度によって、及び/又はそのパターン形成によって区別され、各範囲及び/又は背景の領域の色、輝度又はパターン形成を用いて、全ての表示された示度が良好値を有する領域内に位置するかに関して表示されることを特徴とする請求項39から42のいずれかに記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
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【図28】
【図29】
【図30】
【公表番号】特表2009−524455(P2009−524455A)
【公表日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−551621(P2008−551621)
【出願日】平成19年1月30日(2007.1.30)
【国際出願番号】PCT/CH2007/000041
【国際公開番号】WO2007/085109
【国際公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【出願人】(508180482)ハミルトン・メディカル・アーゲー (7)
【公表日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月30日(2007.1.30)
【国際出願番号】PCT/CH2007/000041
【国際公開番号】WO2007/085109
【国際公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【出願人】(508180482)ハミルトン・メディカル・アーゲー (7)
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