説明

機構体装置および記録媒体駆動装置

【課題】メンテナンスなどのために基板を装置本体から容易に取り外すことができる機構体装置を提供すること。
【解決手段】第一部品として記録媒体を装着する装着部、ディスク処理部、および情報処理部が取り付けられるベースシャーシ51と、このベースシャーシ51と所定間隔離して対向配置され第二部品として搬送機構が取り付けられるサブシャーシとを備えた装置本体5と、ベースシャーシ51とサブシャーシとを結合する結合部材53と、ベースシャーシ51とサブシャーシとが結合部材53により結合された状態で装置本体5に対して抜き差しされる基板6と、を具備して機構体装置2を構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板が装置本体に設けられる機構体装置、および機構体装置を備えた記録媒体駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
CDやDVDなどのディスク上の記録媒体への記録または再生を行うために記録媒体駆動装置が用いられている。この記録媒体駆動装置として、ベース本体と蓋体とからシャーシ外装が構成され、このシャーシ外装のフロント面にベゼルが装着され、このベゼルに設けたディスク挿入口からディスクが直接挿入されるディスク装置がある(例えば、特許文献1)。
この特許文献1の従来例において、ベース本体には、トラバースベースと、内部トレイと、スライダ機構とが設けられている。トラバースベースには、スピンドルモータ、ピックアップおよびこのピックアップを移動させる駆動手段が設けられている。トラバースベースのリア側には、プリント基板が配設される基板ベースが取り付けられている。内部トレイにはディテクトスイングレバー、ディテクトレバー、チェックスライダーなどのディスクを搬送しあるいはガイドするための機構が取り付けられている。
【0003】
このような構造のディスク装置では、スライダ機構をはじめとする複雑な機構や、プリント基板などの電子部品が設けられた基板ベースがねじ等の結合部材によってベース本体に組み付けられており、この上から、ディスクをガイドするレバー類が取り付けられた内部トレイが組み付けられる。そして、電子部品とモータ類とはコネクタを介して互いに接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−165875公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
組立完成状態のディスク装置からプリント基板が配設された基板ベースを取り外してメンテナンスをすることがある。
特許文献1の従来例では、プリント基板が設けられた基板ベースやスライダ機構などの複雑な機構はベース本体などの筐体にねじなどで固定されているため、基板ベースを取り外すには、まず、筐体からねじを外して筐体を取り外し、さらに、内部トレイのねじを外し、内部トレイを取り外し、スライダ機構などのレバー群を外し、筐体に設けられたシートを外し、コネクタを外した後に基板を外すという煩雑な工程が必要とされる。
つまり、特許文献1の従来例では、基板ベースが装置の内部に取り付けられているため、基板ベースの取り外しのためには、前述のような煩雑な工程が必要とされ、工程や時間のロスが発生し、さらには、取外作業に伴う部品の変形という不具合も生じることがある。
【0006】
本発明は、このような点等に鑑みて、メンテナンスなどのために基板を装置本体から容易に取り外すことができる機構体装置および記録媒体駆動装置を提供することを1つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の機構体装置は、第一部品が取り付けられる第一支持体と、前記第一支持体と所定間隔離して対向配置され第二部品が取り付けられる第二支持体とを備えた装置本体と、前記第一支持体と前記第二支持体とを結合する結合部材と、前記第一支持体と前記第二支持体とが前記結合部材により結合された状態で前記装置本体に対して抜き差しされる基板と、を具備することを特徴とする。
【0008】
本発明の記録媒体駆動装置は、前述の構成の機構体装置を備えた記録媒体駆動装置であって、前記第一部品は、少なくとも記録媒体を装着する装着部、および前記記録媒体への情報の書き込みと前記記録媒体からの情報の読み出しとの少なくとも一方を行う情報処理部を備え、前記第二部品は少なくとも前記記録媒体を前記装着部に装着するための搬送機構を備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態にかかる記録媒体駆動装置の正面から見た斜視図。
【図2】記録媒体駆動装置の分解斜視図。
【図3】記録媒体駆動装置の底面から見た斜視図。
【図4】記録媒体駆動装置の要部を示す分解斜視図。
【図5】ベースシャーシの斜視図。
【図6】基板をサブシャーシに取り付ける状態の斜視図。
【図7】サブシャーシをベースシャーシに取り付ける状態の斜視図。
【図8】サブシャーシをベースシャーシに取り付ける状態の底面から見た斜視図。
【図9】記録媒体駆動装置の底面から見た分解斜視図。
【図10】基板を装置本体から抜き出す状態を示す概略図。
【図11】基板を装置本体へ差し込む状態を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について説明する。
[ディスク装置の構成]
図1から図4には本実施形態の記録媒体駆動装置の全体構成が示されている。図1には記録媒体駆動装置の正面から見た斜視図が示され、図2には記録媒体駆動装置の分解斜視図が示され、図3には記録媒体駆動装置を底面から見た斜視図が示され、図4には記録媒体駆動装置の要部を示す分解斜視図が示されている。
図1から図4に示される通り、記録媒体駆動装置は、例えば、ノート型のパーソナルコンピュータなどの携帯型の電気機器や、車両などに搭載される電気機器などに装着される、いわゆるスロットインタイプと称されるディスク装置1である。
このディスク装置1は、BD(Blu-ray Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)であるディスク状の記録媒体Dに情報を記録したり、記録媒体Dに記録された情報を再生したりする。
そして、ディスク装置1は、記録媒体Dが内部に収納可能な機構体装置2と、この機構体装置2の一面を覆う板金製のカバー3と、機構体装置2の正面に設けられ記録媒体Dを挿入するための挿入口4Aが形成されたベゼル4とを備えて構成されている。
そして、ディスク装置1は、本実施形態で示される機構体装置2を備える電子装置のうち、記録媒体Dを内部に収容可能であって、記録媒体Dを装着する装着部、および記録媒体Dへの情報の書き込みと記録媒体Dからの情報の読み出しを行い、記録媒体Dの搬送機構を備える一つの装置の形態である。また、スロットインタイプでは、装置正面に記録媒体Dを挿入するための挿入口4Aが形成されたベゼル4とを備えている。
機構体装置2は、この機構体装置2の一面を覆う板金製のカバー3を備えている。
【0011】
また、機構体装置2は、装置本体5と、この装置本体5に矢印P方向に抜き差し自在に設けられた基板6と備えている。
装置本体5は、第一支持体としてのベースシャーシ51と、このベースシャーシ51と対向配置される第二支持体としてのサブシャーシ52と、基板6を結合する複数(図4では3本)のねじからなる結合部材53と、これらの結合部材53で結合した状態の基板6を着脱可能とするために着脱のガイド、高さ方向の支持、および位置決めを行う構成である基板着脱部54(図5、6、7参照)とを備えて構成されている。
ベースシャーシ51は、金属の板材の周辺を折り曲げて平面が矩形状に形成されたものであり、平板部51Aと、この平板部51Aの周辺部に起立して設けられた起立部51Bと、この起立部51Bの所定位置に折り曲げて形成されカバー3と当接する接合片部51Cとを備え、この接合片部51Cが複数のビス55でカバー3の周辺部に接合されている。
ベースシャーシ51の平板部51Aには、後述するように複数の開口が形成されており、これらの開口や結合部材53の頭部を閉塞するために平板部51Aの底面には2枚のシート56A,56Bが貼付されている(図9参照)。
【0012】
図5にはベースシャーシ51の斜視図が示され、図6には基板6をサブシャーシ52に取り付ける状態の斜視図が示され、図7にはサブシャーシ52をベースシャーシ51に取り付ける状態の斜視図が示され、図8にはサブシャーシ52をベースシャーシ51に取り付ける状態を底面から見た斜視図が示され、図9には記録媒体駆動装置の底面から見た分解斜視図が示されている。
図5および図7に示される通り、ベースシャーシ51には、第一部品71として、装着部711、情報処理部713を備えるトラバースメカと称されるディスク処理部712が取り付けられている。装着部711は、情報記録・再生時に記録媒体Dを装着し、情報処理部713は記録媒体Dへの情報の書き込みと情報の読み出しとの少なくとも一方を行う。
ディスク処理部712は、例えば金属板にて略板状に形成されたものであり、その先端部に台座部712Aを有する。ディスク処理部712は、装置本体5の厚み方向(高さ方向)に略沿って揺動可能にベースシャーシ51に配設されている。
装着部711はベースシャーシ51の中央部分に設けられ得たターンテーブルであり、下方に電気駆動部としてのスピンドルモータを備える。このターンテーブルは記録媒体Dの中央部に形成された係合孔に係合される。
情報処理部713は台座部712Aの長手方向に略沿った中心軸を有する一対のガイドシャフト(図示せず)間に架橋する状態に支持されており、図示しない光源と、この光源からの光を収束するピックアップレンズと記録媒体Dで反射された出射光を検出する図示しない光センサとを有するヘッド713Aとを備えたピックアップ機構である。ヘッド713Aは図示しない電気的な移動機構により装着部711に対して近接離隔される。
スピンドルモータとピックアップのヘッド移動機構は駆動側コネクタと接続されている。
【0013】
図6および図7に示される通り、サブシャーシ52は金属の板材を折り曲げて形成されたものであり、第二部品72として、記録媒体Dを装着部711に装着するための搬送機構720が取り付けられている。この搬送機構720は、記録媒体Dを搬入・搬出するための複数のアーム721およびスライダ722と歯車機構723とを備えて構成されており、この歯車機構723はベースシャーシ51に設けられた歯車機構724と連結されている。
この歯車機構724、ピックアップ機構、ターンテーブルなどは電気駆動部としてのモータ(図示せず)と連結されている。モータは図示しない駆動側コネクタと接続されており、この駆動側コネクタとモータとはそれぞれベースシャーシ51に取り付けられている。
サブシャーシ52とベースシャーシ51とは複数のねじ57で互いに接合される。これらのねじ57は基板6の抜き差しに邪魔にならない位置に設けられている。ベースシャーシ51の平板部51Aには、サブシャーシ52とベースシャーシ51との間の位置決めを行うための突起部510が複数形成されている。この突起部510はねじ57と螺合されるねじ受けである。
【0014】
基板6は、板部60と、この板部60にそれぞれ設けられた複数の電子部品61と、端子部62と、基板側コネクタ63A,63B,63Cとを有する。
板部60は、昇降動作するディスク処理部712と干渉しないようにするために、抜き差し方向Pに延びる長手状板部601と、この長手状板部601の長手方向と交差する方向に一体に形成されるとともに切欠き602Aを有する延出部602とを備え、板部60の側縁部はディスク処理部712の側面と離れるように平面L字形とされた形状である。
板部60には結合部材53の軸部を挿通するための挿通孔60Aが形成されている。
電子部品61は、端子部62と基板側コネクタ63A,63B,63Cとに接続される電子回路部品である。
端子部62は板部60のサブシャーシ52と対向する側に取り付けられた短寸板状のケース621に端子本体622が設けられた構造である。この端子本体622を通じて外部電源が供給され、装置内外での情報のやりとりがされる。
【0015】
図6、図8および図9に示される通り、基板側コネクタ63A,63B,63Cは板部60の情報処理部713と近接する側縁部に沿って取り付けられる。このうち、基板側コネクタ63Aは基板6の抜き差し方向Pに延びる位置に設けられ、基板側コネクタ63B,63Cは基板側コネクタ63Aが設けられた方向と交差する方向に延びる位置に設けられている。
基板側コネクタ63Aはフレキシブル基板64Aの先端部と着脱自在に接続され、基板側コネクタ63Bはフレキシブル基板64Bの先端部と着脱自在に接続され、基板側コネクタ63Cはフレキシブル基板64Cの先端部と着脱自在に接続されている。
これらのフレキシブル基板64A,64B,64Cはベースシャーシ51に形成され基板側コネクタ63A,63B,63Cをベースシャーシ51の底面から臨むような、換言すれば、基板側コネクタ63A,63B,63Cより大きな窓部51Dに挿通される。この窓部51Dはシート56Aで閉塞される。
フレキシブル基板64A,64B,64Cは、その他端部が前述の駆動側コネクタと接続されている。
機構体装置2の一つの端面には基板6を装着した状態で端子部62の側方に開口部50Aが形成され、この開口部50Aを覆う蓋64が機構体装置2に設けられている。
開口部50Aは基板6を抜き差しする大きな基板着脱開口50の一部で端子部62の側方に位置する。
【0016】
図5から図7に示される通り、基板着脱部54は、基板6を抜き差し方向Pに案内するガイド部541と、ベースシャーシ51およびサブシャーシ52にそれぞれ設けられベースシャーシ51とサブシャーシ52との間の間隔に対応する位置(高さ)を規制する高さ規制部542と、基板6の差し込み方向の位置を規制する位置決部543とを有する。
ガイド部541は、板部60の長手状板部601の端縁部を案内するためにベースシャーシ51の起立部51Bに設けられた内壁面541Aと、板部60の延出部602の端縁部を案内するためにベースシャーシ51の起立部51Bに設けられた端縁541Bと、
長手状板部601の端縁部を案内するためにベースシャーシ51の平板部51Aに起立して設けられた折曲片541Cとから構成されている。折曲片541Cは基板6の挿入時に板部60の先端部を案内するために折り曲げた平面形状とされる。
【0017】
高さ規制部542は、ベースシャーシ51の平板部51Aにそれぞれ形成された複数の略半球状の突起部542Aおよび円錐台状の突起部542Bと、サブシャーシ52にそれぞれ形成された直線状突起部542Cと、ねじ止め用突起部542Dとから構成されている。突起部542Bの平面部の中央には結合部材53を挿通するための孔が形成されており、ねじ止め用突起部542Dは結合部材53を受ける受け部とされる。
これらの突起部542Aおよび円錐台状の突起部542Bと、直線状突起部542Cおよびねじ止め用突起部542Dとは基板6を挟んで配置されている。
位置決部543は、サブシャーシ52に形成された突起であり、基板6の長手状板部601に形成された係合用切欠60Bに係合される。
【0018】
[装置の作用]
次に、本実施形態の作用について、図10および図11を参照して説明する。
{基板の取外}
機構体装置2において、基板6を取り外す方法を説明する。
まず、図3で示される完成されたディスク装置1において、図4で示される通り、蓋64を機構体装置2から外し、ベースシャーシ51の底面からシート56Aを剥がし、基板側コネクタ63A,63B,63Cからフレキシブル基板64A,64B,64Cを外す。さらに、図10に示される通り、結合部材53を装置本体5から取り外す。これにより、基板6と装置本体5との係合が解除されることになる。なお、図10では、基板6は、板部60のみが図示されている。
そして、基板6を機構体装置2の基板着脱開口50から抜き出し、必要に応じて電子部品61などをメンテナンスする。基板6の抜き出しに際して、板部60は高さ規制部542を構成する突起部542A,542Bおよびねじ止め用突起部542Dに高さ位置がガイドされ、また、内壁面541Aと端縁541Bと折曲片541Cに平面方向をガイド規制されながら、装置内部からスムーズに取り出される。
【0019】
{基板の装着}
基板6を機構体装置2に装着するには、図11に示される通り、基板6の板部60を機構体装置2の基板着脱開口50から内部に向けて差し込む。すると、板部60は、突起部542A,542Bおよびねじ止め用突起部542Dに高さ位置をガイドされ、また、内壁面541Aと端縁541Bと折曲片541Cに平面方向をガイドされながら、装置内部にスムーズに送られる。
基板6は板部60の先端部に形成された係合用切欠60Bが位置決部543に嵌合および当接されることで、装置本体5に対する位置決めがされる。
その後、図4に示される通り、結合部材53を装置本体5に対してねじ込み、基板側コネクタ63A,63B,63Cとフレキシブル基板64A,64B,64Cとを接続し、さらに、蓋64を機構体装置2に取り付ける。さらに、ベースシャーシ51の底面にシート56Aを貼付する。
また、基板6の装着は、装置を最初に組み立てる際には、図6に示されるように、先に基板6をサブシャーシ52にねじ53によって装着した後、図7に示されるように、ベースシャーシ51に組み立ててもよい。
【0020】
[装置の効果]
前述したように、本実施形態では、以下のような作用効果を奏することができる。
(1)第一部品71として記録媒体Dを装着する装着部711、情報処理部713を保持・支持するディスク処理部712が取り付けられるベースシャーシ51と、このベースシャーシ51と所定間隔離して対向配置され第二部品72として搬送機構720などが取り付けられるサブシャーシ52とを備えた装置本体5と、ベースシャーシ51とサブシャーシ52が結合された状態で装置本体5に対して抜き差しされる基板6と、基板6を結合するサブシャーシ52に結合する結合部材53と、を具備して機構体装置2を構成した。そのため、メンテナンスなどのために、完成した機構体装置2から基板6を抜き出すには、結合部材53を装置本体5から取り外せばよく、カバー3、ベゼル4の取り外し工程や、ベースシャーシ51からディスク処理部712を取り外す工程や、サブシャーシ52の取り外し工程や、サブシャーシ52から搬送機構720を取り外す工程などの煩雑な取外工程が不要とされるから、取外工程や時間のロスが少なくなり、しかも、基板6が円滑に装置本体5から取り外せるので、基板6やその他の部品の変形という不具合を回避することができる。
【0021】
(2)ベースシャーシ51とサブシャーシ52との双方にはこれらが結合部材57により結合された状態で基板6を装置本体5に対して着脱可能とする基板着脱部54が設けられるから、この基板着脱部54によって基板6が円滑に装置本体5に抜き差しすることができる。
【0022】
(3)基板着脱部54は、基板6の板部60を抜き差し方向Pに案内するガイド部541を有するから、基板6が抜き差し方向Pに対して左右にずれることがない。そのため、基板6の抜き差しに伴って基板6ならびに装置本体5の内部部品を損傷することがない。
【0023】
(4)基板着脱部54は、ベースシャーシ51およびサブシャーシ52にそれぞれ設けられ基板6の厚み方向(高さ方向)の位置を規制する高さ規制部542を有するから、基板6を装置本体5に差し込む場合に、板部60の先端でベースシャーシ51などを損傷させることがない。
【0024】
(5)基板着脱部54は、基板6の差し込み方向の位置を規制する位置決部543を有するから、基板6を差し込み過ぎて抜けなくなるという不都合を回避することができる。
【0025】
(6)基板6は電子部品61を有し、第一部品71は電気駆動部であるモータとこのモータに通電する駆動側コネクタとを有し、基板6は基板側コネクタ63A,63B,63Cを有し、これらの基板側コネクタ63A,63B,63Cと駆動側コネクタとはフレキシブル基板64A,64B,64Cで接続され、フレキシブル基板64A,64B,64Cはベースシャーシ51に形成され基板側コネクタ63A,63B,63Cより大きな窓部51Dに挿通される。そのため、ベースシャーシ51に大きな窓部51Dが形成されることで、基板側コネクタ63A,63B,63Cとフレキシブル基板64A,64B,64Cとの取付作業や取外作業を容易に行うことができる。
【0026】
(7)基板6の板部60は、その側縁部が第一部品71のディスク処理部712の側面と離れるように平面L字形に形成されるから、基板6を差し込んだ状態でディスク処理部712との干渉を防止することができる。そのため、ディスク処理部712が昇降動作を円滑に行うことができるだけでなく、基板6とディスク処理部712とを並べて配置することによって、ディスク装置1の薄型化を達成することができる。
【0027】
(8)基板側コネクタ63A,63B,63Cは基板6の板部60のディスク処理部712と近接する側縁部に沿って取り付けられるから、フレキシブル基板64A,64B,64Cの長さを短いものにすることができる。
【0028】
(9)基板側コネクタ63A,63B,63Cは基板6の抜き差し方向Pに延びる位置と、この位置と交差する方向に延びる位置との複数箇所にそれぞれ設けられるから、基板6の板部60のディスク処理部712と近接する側縁部に沿って基板側コネクタ63A,63B,63Cを並べて配置することで、狭いスペースでの基板側コネクタ63A,63B,63Cとフレキシブル基板64A,64B,64Cとの取付作業や取外作業を容易に行うことができる。
【0029】
(10)基板6を装着した状態で機構体装置2に開口部50Aが形成され、開口部50Aを覆う蓋64が機構体装置2に取り付けられてある。開口部50Aを含めた大きな基板着脱開口50が機構体装置2に形成されることから、この基板着脱開口50に基板6を容易に差し込み、取り外しを行うことができる。基板6を差し込んで形成された開口部50Aを蓋64で覆うので、外部のゴミなどが機構体装置2の内部に浸入することがない。
【0030】
(11)結合部材53をねじで構成したから、基板6とベースシャーシ51およびサブシャーシ52への着脱を簡単に行える。
(12)機構体装置2を前述の構成としたから、基板6を装置本体5から容易に取り外すことができるディスク装置1を提供することができる。
【0031】
[変形例]
なお、本発明は前述の一実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、ベースシャーシ51とサブシャーシ52との双方に基板着脱部54を設けたが、本発明では、ベースシャーシ51とサブシャーシ52のいずれが一方に基板着脱部54を設けるものでもよい。
【0032】
前記実施形態では、基板着脱部54は、基板6の板部60を抜き差し方向Pに案内するガイド部541と、ベースシャーシ51およびサブシャーシ52にそれぞれ設けられベースシャーシ51とサブシャーシ52との間の間隔に対応する位置(高さ)を規制する高さ規制部542と、基板6の差し込み方向の位置を規制する位置決部543とを有する構成としたが、本発明では、これらのうち1つあればよい。
さらに、蓋64を必ずしも設けることを要しない。この場合、基板6を差し込むための開口を小さくすればよい。
また、基板6を蓋64で挟み込み、基板を固定する構成とすることによって結合部材53をなくす構成としてもよい。
また、本発明では、機構体装置2をディスク装置1以外の電子装置に適用するものでもよい。
【符号の説明】
【0033】
1…ディスク装置(記録媒体駆動装置)、2…機構体装置、5…装置本体、6…基板、50…基板着脱開口、50A…開口部、51…ベースシャーシ(第一支持体)、51D…窓部、52…サブシャーシ(第二支持体)、53…結合部材、54…基板着脱部、60…板部、60A…挿通孔、61…電子部品、62…端子部、63A,63B,63C…基板側コネクタ、64…蓋、64A,64B,64C…フレキシブル基板、71…第一部品、72…第二部品、541…ガイド部、541A…内壁面、541B…端縁、541C…折曲片、542…高さ規制部、542A,542B…突起部、542C…直線状突起部、542D…、ねじ止め用突起部、601…長手状板部、602…延出部、711…装着部、712点ディスク処理部、713…情報処理部、720…搬送機構、D…記録媒体、P…抜き差し方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一部品が取り付けられる第一支持体と、前記第一支持体と所定間隔離して対向配置され第二部品が取り付けられる第二支持体とを備えた装置本体と、
前記第一支持体と前記第二支持体とを結合する結合部材と、
前記第一支持体と前記第二支持体とが前記結合部材により結合された状態で前記装置本体に対して抜き差しされる基板と、を具備する
ことを特徴とする機構体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の機構体装置において、
前記第一支持体と前記第二支持体との少なくとも一方には前記第一支持体と前記第二支持体とが前記結合部材により結合された状態で前記基板を前記装置本体に対して着脱可能とする基板着脱部が設けられる
ことを特徴とする機構体装置。
【請求項3】
請求項2に記載の機構体装置において、
前記基板着脱部は、前記基板を前記抜き差し方向に案内するガイド部を備えている
ことを特徴とする機構体装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の機構体装置において、
前記基板着脱部は、前記第一支持体および前記第二支持体にそれぞれ設けられ前記第一支持体と前記第二支持体との間の間隔に対応する位置を規制する高さ規制部を備えている
ことを特徴とする機構体装置。
【請求項5】
請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の機構体装置において、
前記基板は電子部品を有し、
前記第一部品は電気駆動部とこの電気駆動部に通電する駆動側コネクタとを有し、前記基板は基板側コネクタを有し、この基板側コネクタと前記駆動側コネクタとはフレキシブル基板で接続され、
前記フレキシブル基板は前記第一支持体に形成され前記基板側コネクタより大きな窓部に挿通される
ことを特徴とする機構体装置。
【請求項6】
請求項2ないし請求項5のいずれかに記載の機構体装置において、
前記基板は、その側縁部が前記第一部品の側面と離れるように平面L字形に形成される
ことを特徴とする機構体装置。
【請求項7】
請求項6に記載の機構体装置において、
前記基板側コネクタは前記基板の前記第一部品と近接する側縁部に沿って取り付けられる
ことを特徴とする機構体装置。
【請求項8】
請求項7に記載の機構体装置において、
前記基板側コネクタは前記基板の抜き差し方向に延びる位置と、この位置と交差する方向に延びる位置との複数箇所に設けられる
ことを特徴とする機構体装置。
【請求項9】
請求項2ないし請求項8のいずれかに記載の機構体装置において、
前記基板を装着した状態で前記第一支持体と前記第二支持体との少なくとも一方には開口部が形成され、この開口部を覆う蓋が前記第一支持体と前記第二支持体との少なくとも一方に取り付けられている
ことを特徴とする機構体装置。
【請求項10】
請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の機構体装置を備えた記録媒体駆動装置であって、
前記第一部品は、少なくとも記録媒体を装着する装着部、および前記記録媒体への情報の書き込みと前記記録媒体からの情報の読み出しとの少なくとも一方を行う情報処理部を備え、
前記第二部品は少なくとも前記記録媒体を前記装着部に装着するための搬送機構を備える
ことを特徴とする記録媒体駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−243344(P2012−243344A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−111549(P2011−111549)
【出願日】平成23年5月18日(2011.5.18)
【出願人】(510130675)パイオニアデジタルデザインアンドマニュファクチャリング株式会社 (7)