説明

機能化主鎖高分子

【課題】高分子電解質膜として、燃料電池等に有用な主鎖機能化高分子を提供する。
【解決手段】ポリアリールエーテルケトン類及びポリエーテルスルホン類等のフッ素フリー高分子の主鎖にスルホン酸リチウム塩のような機能性官能基を導入し、非架橋高分子、共有結合性架橋および/または任意のイオン結合性架橋高分子として使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
これまでNafion(登録商標)等のフッ素化カチオン交換体の代替品として、スルホン化ポリアリールエーテルケトンやポリエーテルスルホン等のフッ素フリー機能化主鎖高分子がデュポン社により開発されてきた。これらの高分子は、膜化することにより、膜プロセス、特に水素燃料電池における用途が見出されている。そのような水素燃料電池は、少なくとも2つのタイプのPEM水素燃料電池(高分子電解質膜水素燃料電池)に分類される。一つは水素、もう一つはメタノールを転換するものである。直接メタノール燃料電池(DMFC)では、水素のみで作動する水素燃料電池に比べ、膜に対する条件が厳しい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
イオン結合性架橋膜はKerresらによって開発された。これらは酸塩基高分子ブレンドおよび高分子(ブレンド)膜である。イオン結合性架橋酸塩基ブレンド膜の一つの利点は、イオン結合が比較的柔軟であること、そしてこれらの高分子/膜が比較的高温でも容易に乾燥しないため、急速な脆化が防がれるということである。しかしながら、イオン結合性架橋は、温度が60℃を超えると急激に膨潤し始め膜が分解してしまうという欠点がある。
【0003】
過去の適用例では、スルホン化主鎖高分子の第二高分子ネットワークへの封入という方法が示唆されている。この方法では水素燃料電池に実用化可能な膜が形成されるが、DMFCに対しては、作動の間にスルホン化成分が溶出する危険性があるという欠点がある。したがって、水中あるいは水性アルコール中への溶出が微量であるあるいは全くない高分子を開発することが課題であった。「溶出」という言葉は、水溶性成分が溶解することを意味する。
【0004】
さらに、高分子は可能な限り高い機械的安定性を示し、また膨潤特性が抑制されなければならない。膨潤特性としては、脱イオン水中での寸法(長さ、幅、高さ)の増大が、望ましくは30℃での対照値に対し90℃で約90%以下とならなければならない。
【0005】
他の目的は、燃料電池に用いられる架橋高分子を明記することである。特に架橋高分子は80℃以上、特に100℃以上での燃料電池の使用に適するべきである。高分子から形成された膜は、特に直接メタノール燃料電池に好適となるものである。
【0006】
スルホン化ポリアリールエーテルケトンやスルホン化ポリスルホン等のフッ素フリー高分子性カチオン交換体のさらなる欠点は、専門家により比較標準と見なされているデュポン社のNafion(登録商標)等の高分子性フッ素化スルホン酸と比較して酸強度が低いことである。したがって、主鎖スルホン化ポリスルホンあるいは主鎖スルホン化ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)または主鎖スルホン化PEKEKKより高い酸強度を有する高分子を利用可能とすることが課題となる。
【0007】
またさらに、簡便な方法で望ましい高分子を製造することができる架橋高分子の製造方法を提供することが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これらの目的およびここでは明示されていないさらなる目的は、本特許請求項1に記載した本発明の非架橋高分子、共有結合性架橋高分子、および/またはイオン結合性架橋高分子を用いて達成される。本発明のポリマーの重要な変形とそれによる組み合わせは、従属項中に記載されている。本発明の高分子の調製法は、製法の請求項中に記載されている。さらに本発明の高分子の使用に関する請求項が示されている。
本発明に従う高分子が、本発明および応用に従い酸強度が増加したスルホン酸、ホスホン酸、および/または炭酸等のプロトン交換基を有する高分子であれば、共有結合性および/またはイオン結合性の架橋は必須ではない。
【0009】
本発明に従う非架橋高分子、共有結合性架橋および/または任意のイオン結合性架橋高分子、特に共有結合性架橋および/または任意のイオン結合性華僑ポリマーは、一般式(1)の繰り返し単位から成り、
【化1】


式中Qは結合、酸素、硫黄、
【化2】


または
【化3】


であり、
R基は芳香族または複素環芳香族または脂肪族化合物の二価の基である。
【0010】
さらに本発明は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリクロロトリフルオロエチレン、およびKel−F(登録商標)およびNeoflon(登録商標)等の類似体等、主鎖にフッ素を含むポリマーに関する。これらの高分子は周知であり本発明の高分子に変化する。
【0011】
本発明の高分子は、一般式(1)の出発高分子の一つ以上の変性段階を経て得ることができる。一般式(I)の繰り返し単位を有する高分子は既に知られている。そのような高分子としては、例えばポリフェニレンやポリピレン等のポリアリーレン、ポリスチレン、ポリビニルピリジン、およびポリフェニレンビニレン等の芳香族ポリビニル化合物、ポリフェニレンオキシド等の芳香族ポリエーテル、硫化ポリフェニレン等の芳香族チオエーテルRadel(登録商標)およびUltrason(登録商標)等のポリスルホンPEK、PEEK、PEKK、およびPEKEKK等のポリエーテルケトンが含まれる。さらに、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリベンズイミダゾール等のポリアゾール、ポリアニリン、ポリアズレン、ポリカルバゾール、ポリインドフェニン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン、およびKel−F(登録商標)やNeoflon(登録商標)等の類似体も含まれる。
一般式(1)の繰り返し単位の一つ以上の変性により、驚異的な特性を有する本発明に従う高分子が生成する。
【0012】
一般式(1)の繰り返し単位から成り、次のように特徴付けられる本発明の高分子が有用である事実によって、直ちに予想することができなかった、改善された特性、とくに膜としての応用においては改善された膨潤特性、高いプロトン伝導性を有する高分子、そしてその他のほとんどの工業的用途に対してはさらに確実で調整可能な官能基を有する高分子が入手可能になっている。
(a)R基は少なくとも一部に一般式(4J)、(4K)、(4L)、(4M)、(4N)、(4O)、(4P)、(4Q)および/または(4R)の置換基を有し、
【化4−1】


【化4−2】


式中、Rは互いに独立して一般式(888−1)または(888−2)を示し、
【化5】


式中、Mは互いに独立して水素、一価または多価カチオン、好ましくはLi、Na、K、Rb、Cs、TiO2+、ZrO2+、Ti4+、Zr4+、Ca2+、Mg2+またはアルキル化されていてもよいアンモニウムであり、
Xはハロゲンまたはアルキル化されていてもよいアミノ基であり、
また式中R、R、R、Rは互いに独立して水素、(4A)、(4B)、(4C)、(4D)、(4E)、(4F)、(4G)、(4H)、(4I)、(4J)、(4K)、(4L)、(4M)、(4N)、(4O)、(4P)、(4Q)および/または(4R)、または1〜40の炭素原子を有する基、好ましくは分岐状または直鎖状のアルキル基またはシクロアルキル基、またはアルキル化されていてもよいアリール基またはヘテロアリール基であり、これらはその一部またはすべてがフッ素化されていてもよく、R基、R基、およびR基のうち少なくとも2つの基が閉環して任意の芳香族環を形成していてもよく、および/または、Rは一般式(5A)、(5B)、(5C)、(5D)、(5E)、(5F)、(5G)および/または(5H)の基であり、
【化6−1】


【化6−2】


【化6−3】


b)R基は一般式(6A)、(6B)、および/または(6C)の架橋を有していてもよく、
【化7】


該架橋は、少なくとも二つのR基を互いに接合させ、Yは1〜40の炭素原子を有する基で、好ましくは分岐状もしくは直鎖状のアルキル基またはシクロアルキル基、またはアルキル化されていてもよいアリール基であり、Zはヒドロキシル基、一般式(7)の基、
【化8】


または分子量が14g/molより大きく、任意成分として(5A)、(5B)、(5C)、(5D)、(5E)、(5F)、(5G)、(5H)、(4A)、(4B)、(4C)、(4D)、(4E)、(4F)、(4G)、(4H)、(4I)、(4J)、(4K)、(4L)、(4M)、(4N)、(4O)、(4P)、(4Q)、(4R)、H、C、O、N、S、P、ハロゲン原子、一価または多価カチオンを有する基であり、またmは2またはそれより大きい整数である。
【0013】
同時に本発明の高分子および架橋高分子はさらなる多くの利点を表す。
これらには中でも以下が含まれる。
−ドープした高分子膜は低い固有の体積抵抗を有し、好ましくは20℃で100Ωcmまたはそれ未満である。
−ドープした高分子膜は水素、酸素、ならびにメタノールに関して、非常に低い透過性を有する。
−本発明の高分子は全厚さが10〜100μmの間と極めて薄く、60℃〜82℃での十分によい物性を有し、特に機械的安定性に非常に優れ、水素、酸素およびメタノールに対する浸透性が低い。
−ドープした高分子膜は80℃以上、ある場合には100℃以上、時には110℃以上の燃料電池への用途に適する。
−特に標準圧力下で、ドープした高分子膜は82℃以上の燃料電池への用途に適する。
−ドープした高分子膜は、工業スケールで生産され得る。
【0014】
本発明では、高分子は共有結合性および/またはイオン結合性の架橋を形成している。本発明では、架橋高分子は、同一または異なる化学的同一性を有し、集合形態で存在する線状または分岐状高分子が互いに結合して、3次元高分子ネットワークを形成しているものである。この場合において、架橋は共有結合の形成方法およびイオン結合の形成方法の両方に影響される。
【0015】
本発明の架橋高分子は、好ましくは酸でドープされる。本発明において、ドープした高分子は、ドープされていない高分子と比べて、ドープ剤によりプロトン伝導性の増大を示す高分子である。本発明の高分子のドーパントは酸である。本発明における酸は公知のルイスおよびブレンステッド酸を含み、好ましくは無機のルイスおよびブレンステッド酸である。多酸の使用も可能であり、特にはイソポリ酸、ヘテロポリ酸、および異なった酸の混合物である。本発明の目的のためには、ヘテロポリ酸は少なくとも二つの異なった中心原子を持ち、それはいずれにしても金属元素(好ましくはCr、Mo、V、W)および非金属元素(好ましくはAs、I、P、Se、Si、Te)の弱い多塩基酸素酸由来の、部分的に混合した無機物として形成される無機の多酸である。中でも、12−モリブダトリン酸および12−タングストリン酸を含む。
【0016】
本発明によれば特に好ましいドーパントは硫酸およびリン酸である。さらに好ましいドーパントはリン酸(HPO)である。
【0017】
さらに好ましいのは、当業者の方法によるリン酸ジルコニウムおよび硫酸チタンの使用であり、最も好ましくは、改質または非改質のフィロ珪酸塩またはテクト珪酸塩である。この改質法に関しては、モンモリロナイトが特に好ましく、膜形成プロセスの間に添加される。ドーププラスチック膜の製造方法は周知である。
【0018】
ドーピング剤を膜の焼成過程で固定し、強いルイス酸を形成させる。特に好ましくは、膜中の硫酸チタンおよびリン酸ジルコニウムの焼成である。焼成は、任意に新たなドーピングおよび/または繰り返しのドーピングの後に行われる。好ましいドーピング剤はここでも、リン酸、硫酸、および上記のヘテロポリ酸である。処理は任意の回数繰り返すことができる。
適切な焼成温度範囲は、60℃からドープされる高分子の分解温度までである。フッ素化高分子およびポリベンズイミダゾールに対しては300℃以上となる。特に好ましい温度範囲は、100℃から300℃である。
【0019】
いくつかのドーピング剤は、技術的に適用可能な時間焼成を行うことにより膜に固定化される。
【0020】
本発明の架橋高分子は一般式(1)の繰り返し単位を有し、特に繰り返し単位は一般式(1A)、(1B)、(1C)、(1D)、(1E)、(1F)、(1G)、(1H)、(1I)、(1J)、(1K)、(1L)、(1M)、(1N)、(1O)、(1P)、(1Q)、(1R)、(1S)および/または(1T)に相当する:
【化9】


ここで、すべての繰り返し単位の数を基にして
0<X、Y<100%であり、
【化10】


ここで、0<X、Y<100%であり、
【化11】


ここでR6基は互いに独立して、同一または異なって、1,2−フェニレン、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、4,4'−ビフェニル、複素環式芳香族化合物の二価の基、C10芳香族化合物の二価の基、C14芳香族化合物の二価の基および/または二価のピレン基である。C10芳香族化合物の例としてはナフタリン;C14芳香族化合物の例は、フェナントレンである。芳香族化合物および/または複素環芳香族化合物の置換反応のパターンは任意で、フェニレンの場合、例えばR6はオルト−、メタ−、パラ−フェニレンである。
【0021】
、RおよびR基は一価、四価、および三価の芳香族または複素環式芳香族化合物基をそれぞれ表し、U基は繰りかえし単位内では同一で、酸素原子、硫黄原子、またはアミノ基であり、これらは水素原子を運搬し、1〜20の炭素原子を有する基で、好ましくは分岐状もしくは直鎖状のアルキル基もしくはアルコキシ基、または他の基(further radical)としてのアリール基である。
【0022】
本発明において、さらに好ましい一般式(1)の繰り返し単位を有する高分子としては、Victrex720P(登録商標)およびAstrel(登録商標)のような、例えばランダムコポリマー等のホモポリマーおよびコポリマーが挙げられる。特に好ましい高分子は、ポリアリールエーテル、ポリアリールチオエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアゾール、フェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアニリンと、ポリアズレン、ポリカルバゾール、ポリピレン、ポリインドフェニン、ポリビニルピリジン、特にポリアリールエーテル:
【化12−1】


【化12−2】


ここで、n<0であり、
【化13−1】


【化13−2】


【化13−3】


【化13−4】

【0023】
本発明において特に好ましくは、一般式(1A−1)、(1B−1)、(1C−1)、(1I−1)、(1G−1)、(1E−1)、(1H−1)、(1I−1)、(1F−1)、(1J−1)、(1K−1)、(1L−1)、(1M−1)および/または(1N−1)の繰り返し単位を有する架橋高分子である。
【0024】
本発明では、nは架橋高分子の一つの高分子鎖における繰り返し単位数を表す。架橋高分子の一つの高分子鎖における一般式(1)の繰り返し単位数は、好ましくは10またはそれより大きい、特に100またはそれより大きい整数である。架橋高分子の一つの高分子鎖における一般式(1A)、(1B)、(1C)、(1D)、(1E)、(1F)、(1G)、(1H)、(1I)、(1J)、(1K)、(1L)、(1M)、(1N)、(1O)、(1P)、(1Q)、(1R)、(1S)および/または(1T)の繰り返し単位数は、好ましくは10またはそれより大きい、特に100またはそれより大きい整数である。
【0025】
本発明の特に好ましい実施形態は、高分子鎖の数平均分子量は2,5000g/mol、好ましくは50,000g/mol以上で、特には100,000g/mol以上である。
【0026】
また、本発明の架橋高分子は、原則として一つの高分子鎖において、異なった繰り返し単位を含んでもよい。しかしながら好ましくは、一般式(1A)、(1B)、(1C)、(1D)、(1E)、(1F)、(1G)、(1H)、(1I)、(1J)、(1K)、(1L)、(1M)、(1N)、(1O)、(1P)、(1Q)、(1R)、(1S)および/または(1T)の同一の繰り返し単位のみを含む。
【0027】
本発明では、R基は一般式(4A)、(4B)、(4C)、(4D)、(4E)、(4F)、(4G)、(4H)、(4I)、(4J)、(4K)、(4L)、(4M)、(4N)、(4O)、(4P)、(4Q)および/または(4R)、好ましくは一般式(4A)、(4B)、(4C)、(4D)、(4J)、(4K)、および/または(4M)、より好ましくは一般式(4A)、(4B)、(4C)、(4J)および/または(4L)、特に一般式(4J)および/または(4K)の置換基を少なくとも一部に有する:
【化14−1】


【化14−2】


【化14−3】


ここで、R1基は互いに独立して結合または1〜40の炭素原子を有し、好ましくは分岐状または直鎖状のアルキル基またはシクロアルキル基、もしくはアルキル化されていてもよいアリール基を有する基である。
本発明における特に好ましい実施形態では、Rは、メチレン基(−CH−)、および/または部分フッ化メチレン基(−CFH−)もしくは全フッ化メチレン基(−CF−)である。前記で定義される構造に加え、さらに好ましい実施形態では、Rは結合である。Rは式(888−1)または(888−2)を含む。
【0028】
Mは水素、一価または多価の金属カチオン、好ましくはLi、Na、K、Rb、Cs、Zr4+、Ti4+、ZrO2+、またはアルキル化されていてもよいアンモニウムイオン、より好ましくは水素またはLi、特には水素を表す。
【0029】
Xはハロゲンまたはアルキル化されていてもよいアミノ基である。
【0030】
さらに、本発明によれば、R基は一般式(5A、(5C)、(5D)、(5E)、(5F)、(5G)、(5H)、および/または(5B)、好ましくは(5E))の置換基を一部に有し、
【化15】


および/またはR基は一部が一般式(5G)および/または(5H)、好ましくは(5G)の基である。
【化16】


式中、R、R、R,およびRは互いに独立して水素、1〜40の炭素原子を含む基であり、好ましくは分岐状もしくは直鎖状のアルキル基またはシクロアルキル基、またはアルキル化されていてもよいアリール基で、R、R、およびR基の少なくとも二つは閉環して任意の芳香環を形成していてもよい。
【0031】
もしRが一般式(5A−1)および/または(5A−2)の置換基を少なくとも一部に持つならば、特に有効な効果が生じる。
【化17】


ここで、R10基はアルキル化されていてもよいアリール基を表し、少なくとも一つのアルキル化されていてもよいアミノ基、またはアルキル化されていてもよい複素環式芳香族化合物を含み、複素環式芳香族化合物の環において少なくとも一つの任意なアルキル化アミノ基を有するか、少なくとも一つの窒素原子を有するかのどちらかである。R11は水素、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、もしくはヘテロアリール基、および上記で明記した定義のR10基であり、R10およびR11は同一または異なっていてもよい。
【0032】
本発明において特に好ましいものは、R10がアルキル化されていてもよいアニリン基またはピリジン基であり、好ましくはアルキル化されたアニリン基である式(5A−1)の置換基である。また特に好ましいのはR10およびR11がアルキル化されていてもよいアニリン基またはピリジン基であり、好ましくはアルキル化アニリン基である式(5A−2)の置換基である。
【0033】
本発明において、R基は一般式(6)の架橋を一部に持っていてもよく、
【化18】


該架橋は、少なくとも二つのR基を互いに接合させ、Yは1〜40の炭素原子を含む基であり、好ましくは分岐状もしくは直鎖状のアルキル基もしくはシクロアルキル基、またはアルキル化されていてもよいアリール基、好ましくは1〜6の炭素原子を含む直線状または分岐状アルキル基である。
【0034】
Zはヒドロキシル基、一般式(7)の基、
【化19】


または20g/molを超える分子量を有する基であり、任意の要素H、C、O、N、S、P、ハロゲン原子から成り、またmは2またはそれより大きい整数で、好ましくは2の整数を表す。
【0035】
本発明の架橋高分子は、好ましくは酸でドープされる。本発明において、ドープした高分子は、ドープされていない高分子と比べて、ドープ剤によりプロトン伝導性の増大を示す高分子である。本発明の高分子のドーパントは酸である。本発明における酸は公知のルイスおよびブレンステッド酸を含み、好ましくは無機のルイスおよびブレンステッド酸である。多酸の使用も可能であり、特にはイソポリ酸、ヘテロポリ酸、および異なった酸酸の混合物である。本発明の目的のためには、ヘテロポリ酸は少なくとも二つの異なった中心原子を持ち、それはいずれにしても金属元素(好ましくはCr、Mo、V、W)および非金属元素(好ましくはAs、I、P、Se、Si、Te)の弱い多塩基酸素酸由来の、部分的に混合した無機物として形成される無機の多酸である。中でも、12−モリブダトリン酸および12−タングストリン酸を含む。
【0036】
本発明によれば特に好ましいドーパントは硫酸およびリン酸である。さらに好ましいドーパントはリン酸(HPO)である。
【0037】
ドーピング度により、本発明の高分子膜の伝導性が影響され得る。ドーパントの濃度が上がるに連れ、伝導性は増加し、最大値まで達する。本発明においては、ドーピング度は高分子のモル繰り返し単位あたりのモル酸として記載されている。本発明においては、3〜15の間のドーピング度、特に6〜12の間が好ましい。
【0038】
ドープした高分子膜の製造方法は公知である。本発明の好ましい実施形態においては、ドープした高分子膜は、適切な時間、好ましくは0.5〜96時間、特に好ましくは1〜72時間、室温から100℃の間で、好ましくは、濃酸と加圧下、好ましくは高濃縮のリン酸でぬらすことにより得られる。
【0039】
本発明の架橋高分子の特性のスペクトルは、イオン交換容量を変えることで変化する。該イオン交換容量は好ましくは0.5meq/g〜1.9meq/gの間にあり、それぞれにおいて高分子の全質量をもとにしている。
【0040】
本発明の高分子は低い固有の体積抵抗を有し、それぞれ25℃において、好ましくは100Ωcm以下、より好ましくは50Ωcm以下、特に好ましくは20Ωcm以下である。
【0041】
本発明の高分子膜の特性は、全厚さにより部分的に制御できる。しかし、極めて薄い高分子膜であっても、非常によい機械特性および水素、酸素、およびメタノールに関して、比較的低い浸透性を有する。それゆえ、膜電極接合体のエッジ域を補強する必要もなく、それらは80℃以上の燃料電池への用途に適し、好ましくは100℃以上、特に120℃以上の燃料電池への用途に適する。本発明のドープされた高分子膜の全厚さは好ましくは50〜100μmの間で、好ましくは10〜90μmの間、特に20〜80μmの間である。
【0042】
本発明の特に好ましい実施形態においては、90℃の脱イオン水中でほぼ100%未満、膨潤する。
【0043】
本発明の架橋高分子膜の製造方法は当業者に明らかである。そうではあるが、本発明において、特に好ましいことが明らかとなった手順は、1つまたは複数の前駆体高分子が、個々にまたは全部でa)、b)、およびd)を含み、一般式(6)のスルフィナート基を意味するd)
【化20】


は一般式(7)の化合物と反応する。
【化21】


式中、Lは脱離基であり、好ましくはF、Cl、Br、I、トシレートで、nは2またはそれより大きい整数、好ましくは2である。それぞれの前駆体高分子は一般式(1)の繰り返し単位を有することが好ましい。なお、好ましくは共有結合性の架橋ではない。
ここで、少なくとも一つの前駆体高分子において、R基は少なくとも部分的に一般式(5A)の置換基を有し、または少なくとも一部が一般式(5C)の基であり、それゆえ化合物(7)との反応はまた、一般式(8)および/または(9)の架橋形成を誘導する。
【化22】


また考えられるのは、一般式(5A)の異なる置換基、および/または一般式(5C)の異なる置換基の間の架橋形成である。
【0044】
本発明の特に好ましい実施形態においては、
1)官能基a)を有する少なくとも一つの前駆体高分子、
2)官能基b)を有する少なくとも一つの前駆体高分子、および
3)官能基d)を有する少なくとも一つの前駆体高分子
からなる高分子混合物が用いられる。
【0045】
本発明の特に好ましい実施形態においては、
1)官能基a)およびb)を有する少なくとも一つの前駆体高分子、および
2)官能基d)を有する少なくとも一つの前駆体高分子
からなる高分子混合物が用いられる。
【0046】
本発明の他の特に好ましい実施形態においては、
1)官能基a)およびd)を有する少なくとも一つの前駆体高分子、および
2)官能基b)を有する少なくとも一つの前駆体高分子
からなる高分子混合物が用いられる。
【0047】
さらに、
1)官能基a)を有する少なくとも一つの前駆体高分子、および
2)官能基b)およびd)を有する少なくとも一つの前駆体高分子
からなる高分子混合物の使用方法も、本発明の特に好ましい実施形態を構成する。
【0048】
本発明によれば、また一般式a)、b)、c)の官能基をもつ少なくとも一つの高分子を使うのは非常にふさわしい。
【0049】
本発明の使用に関する前駆体高分子または高分子は、原則としては一般式(1)の異なる繰り返し単位を有してもよい。しかし、好ましくは、それらは一般式(1A)、(1B)、(1C)、(1D)、(1E)、(1F)、(1G)、(1H)、(1I)、(1J)、(1K)、(1L)、(1M)、(1N)、(1O)、(1P)、(1Q)、(1R)、(1S)および/または(1T)の等しい繰り返し単位のみを有する。
【0050】
一般式(1A)、(1B)、(1C)、(1D)、(1E)、(1F)、(1G)、(1H)、(1I)、(1J)、(1K)、(1L)、(1M)、(1N)、(1O)、(1P)、(1Q)、(1R)、(1S)および/または(1T)の繰り返し単位数は、好ましくは10またはそれより大きい整数で、より好ましくは少なくとも100の繰り返し単位である。
【0051】
本発明の特に好ましい実施形態において、前駆体高分子または高分子の数平均分子量は2,5000g/molより大きく、好ましくは50,000g/molより大きく、特には100,000g/molより大きい。
【0052】
一般式a)、b)および/またはd)の官能基をもつ前駆体高分子の合成はすでに知られている。それは、例えば乾燥した非プロトン溶媒、好ましくはテトラヒドロフラン(THF)中、不活性ガス、好ましくはアルゴン雰囲気下で、n−ブチルリチウムと、一般式(1)の高分子を反応させ位、それをリチュートする。
【0053】
官能基を導入するために、適した機能化物質、好ましくは一般式(10)のアルキル化物質によって、リチュートされた高分子を[脱落]させる。
【化23】


ここで、Subst.は導入されるべき置換基で;ケトンおよび/またはアルデヒドを有し、それらが対応するアルコキシドと反応する;および/またはカルボン酸エステルおよび/またはカルボニルハロゲン化物を有し、それらが対応するケトンと反応する。スルフィナート基の導入はリチュートされた高分子とSOと反応させ、および酸化リチウム化高分子をSOとの反応によるスルフィナート基の導入により生じる。
【0054】
二つまたはより多くの異なる機能化物質との連続反応から、少なくとも二つの置換基を有する高分子が得られる。
【0055】
より詳細は、US4,833,219、J.Kerres、W.Cui、S.Reichle;New sulfonated engineering polymers via the melation route.1.Sulfonated poly−(ethersulfone) PSU Udel(登録商標)via metalation−sulfination−oxidation”J.Polym.Sci:Part A:Polym.Chem.34,2421−2438(1996)、WO00/09588A1などの技術状況を参照のこと。引用文献によりこれらの開示内容は、参照として当然に取り入れられる。
【0056】
前駆体高分子の機能化度は、繰り返し単位あたり0.1〜3基が好ましい範囲にあり、好ましくは繰り返し単位あたり0.2〜2.2基である。さらに好ましいものは繰り返し単位あたり0.2〜0.8のa)基、特に好ましくはスルホナート基を有する前駆体高分子である。さらに、繰り返し単位あたり0.8〜2.2のb)基をもつ前駆体高分子が特にふさわしいことが判明した。その上、繰り返し単位あたり0.8〜1.3のd)基をもつ前駆体高分子で有利な結果が生じる。
【0057】
本発明によれば、二極性非プロトン溶媒、好ましくはジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、またはスルホラン中で、前駆体高分子または高分子を溶解させ、該溶媒を攪拌し、ハロゲン化物と反応させることが特にふさわしいことが明らかとなった。
【0058】
特に有利な結果が、
a)前記高分子溶液を基板に、好ましくはガラス板、織布、または不織布に、薄膜状に塗布し、
b)好ましくは25℃より高められた温度で、および/または1,000mbar未満の減圧下で溶媒を蒸発させ、高分子膜を得るのであれば、もたらされ得る。
【0059】
また、本発明の高分子特性は、
a)第一の段階で、高分子を酸で処理し、また
b)次の段階で、高分子を脱イオン水で処理する、ことによっても高められる。
ここで、第一の段階より先に、該高分子を水溶性アルカリで適切に処理する。
【0060】
本発明の共有結合性およびイオン結合性架橋高分子の使用可能分野は熟練した者に明らかである。固有の体積抵抗、好ましくは25℃で、100Ωcm未満の架橋高分子を要するすべての応用に特に適している。それらの特性を基にそれらは電気化学的電池において、好ましくは二次電池、セル、および高分子電解質膜燃料電池、特に水素燃料電池、直接メタノール燃料電池において、適している。
【0061】
さらに膜分離作用、好ましくはガス分離、パーベーパレーション、パーストラクション、逆透析、ナノフィルトレーション、電気透析、および拡散透析において特有の利点のために、それらは用いられ得る。
【実施例】
【0062】
本発明を実施例および比較例を用いてより詳細に説明するが、本発明の教示がこれらの実施例に制限されるものではない。上述のように表した特性値は下記のように測定した:
イオン交換容量、IECを測定するため、プロトン化イオノマー膜の一片を一定重量にまで乾燥させた。前記の膜1mgを約50mlの飽和NaCl溶液に添加した。その結果、H+イオンが該飽和溶液へ移動するとともに、スルホナート基にイオン交換があった。膜の入った該溶液を、約24時間、振り混ぜるか、または攪拌した。その後、該溶液にブロモチモールブルーの指示薬を2滴加え、0.1標準NaOH溶液で黄色から青へ色が変わるまで滴定した。IECは次のように算出した:
IEC[meq/g]=(NaOHのNaOH[ml]*ファクターのNaOH[meq/ml]*の消費量の規定度)/膜質量[g]
【0063】
金が被覆された銅電極(電極面積0.25cm)のプレキシグラス単位測定装置で、インピーダンス分光分析法(IM6インピーダンス計、Zahner elektrik社製)により、膜の固有の体積抵抗Rspを測定した。ここで、本発明において、電流の強さと電圧間の位相が0のインピーダンスが固有の体積抵抗を表した。実際の測定条件は次のようになる:0.5N HClを用い、測定中の膜を二つのナフィオン117膜の間に詰め、ナフィオン117/膜/ナフィオン117の膜の多層配列を電極二枚の間に挟んだ。このようにして、はじめに三つの膜すべての全多層配列、そのあと二つのナフィオン117膜のみの測定により、膜および電極間の界面抵抗を除去した。ナフィオン膜のインピーダンスは三つの膜すべてインピーダンスからサブストレート(substrated)された。本発明の実施形態において、固有の体積抵抗は25℃で測定した。
【0064】
膨潤を測定するために、それぞれの温度の脱イオン水中で膜を平衡にし、秤量した(=mswollen)。そして膜を乾燥器中、高温で乾燥させ、再び秤量した(=mdry)。膨潤度は次のように算出した:
Q=(mswollen−mdry)/mdry
【0065】
a)次の高分子を用いた
a−1)PSU Udel(登録商標)
PSU P1800(Amoco)
【0066】
a−2)PEK−SOLi:
スルホナートポリエーテルケトンPEKのリチウム塩;
【化24】


製造:
1.8meqSOH/g高分子のイオン交換容量を有する100gのPEK−SOHを1000mlの10重量%強度の水溶性LiOH溶液で24時間、攪拌した。その後、Li−交換したPEK−SOLiを濾過し、中性反応になるまで水で洗浄し、100℃で、48時間、乾燥した。生じた高分子は繰り返し単位(イオン化形状のイオン交換容量(IEC)=1.8meqSOH/g)あたり0.4SOLi単位を含んでいた。
【0067】
a−3)PSU−SO2Li:
スルフィナート化されたポリエーテルスルホンのリチウム塩
PSU Udel(登録商標)
【化25】


は、US4,833,219またはJ.Kerres、W.Cui、S.Reichle;New sulfonated engineering polymers via the melation route.1.Sulfonated poly−(ethersulfone)PSU Udel(登録商標)via metalation−sulfination−oxidation"J.Polym.Sci:Part A:Polym.Chem.34、2421−2438(1996)に従って得られた。イオン化形状のIEC=1.95meqSOLi/g
【0068】
a−4)PSU−DPK:
【化26】


は、2,2 '−ジピリジルケトンとリチュートされたPSU Udelを反応させることで得られる(WO00/09588A1に従った);
繰り返し単位あたり一つの2,2'−ジピリジルケトンである。
【0069】
a−5)PSU−P3−SOLi、PSU−EBD−SOLiの合成
PSU−P3−SOLi,
【化27】


PSU−EBD−SOLi
【化28】

【0070】
まず始めに、乾燥THF中で、PSU Udel(登録商標)を全て溶解させ、溶液をアルゴン下、−75℃に冷却した。反応混合物中の極微量の水を2.5Mのn−ブチルリチウム(n−BuLi)で除去した。溶解した高分子は10M n−BuLiでリチュートされた。一時間、反応のためバッチをそのままにし、そしてピリジン−3−アルデヒド、または4,4'−ビス(N,N−ジエチルアミノ)ベンゾフェノンを加えた。それから反応温度を一時間で−20℃まで上げた。その後、SOとの反応のため再び−75℃まで冷却しSOを通した。
【0071】
作り上げるために、過剰の10mlのイソプロパノール/水の混合物をシリンジで該反応溶液に添加し、室温に加熱し、過剰のイソプロパノールの下で、多く高分子が沈殿し、生じた高分子を濾過し、好ましくはイソプロパノールで洗浄した。精製のため、高分子をメタノール中に懸濁させ、再び濾過した。真空中、好ましくは80℃で高分子を乾燥させた。H NMRスペクトルの定量的評価により置換度が得られた。
【0072】
【表1】

【0073】
b)膜の製造
PEK−SOLi、PSU−P3−SOLi、PSU−EBD−SOLi、PSU−DPKおよび/またはPSUSOLiを表2に表すようにNMP中に溶解し、濾過した。高分子溶液を真空中で脱気し、ついで1,4−ジヨードブタンと混ぜた。その後、それをガラス板上に注ぎ、ドクターブレードで引き延ばした。ガラス板を60℃の乾燥器で乾燥させ、そしてさらに一時間、90℃にし、最後に一晩中、真空下、120℃にした。板を室温まで冷却し、水浴に置いた。膜をガラス板から分離し、一日中、90℃の乾燥器中で10%HClに貯蔵した。その後60℃の脱イオン水中で、調節した。
【0074】
これまで説明された本発明の高分子およびその可能な組み合わせは、少なくとも一部に一般式(4J)、(4K)、(4L)、(4M)、(4N)、(4O)、(4P)、(4Q)および/または(4R)の置換基を有することを特徴とする。上記の置換基がない場合は、少なくとも一般式(5C)、(5D)、(5G)、(5H)の置換基を有し、または一般式(6B)および/または(6C)の架橋形成により架橋される。
【0075】
特に好ましくは、置換基(2J)および/または(2K)を有することである。
高分子−(2J)
高分子−(2K)
【0076】
驚くべきことに、プロトン交換基を生成する炭素原子にスルホ基がある場合、プロトンを交換する酸、特にスルホン酸およびリン酸の強度が増加する。
【化29−1】


【化29−2】


【化29−3】


【化29−4】

【0077】
本発明における高分子はまた、スルフィナート化された一般式(1)の高分子のみから出発し、スルフィナート基がその後の反応で一部または全部が炭素含有基により別のスルフィナート化された高分子と架橋したスルホ基に転換するポリマーである。炭素含有基Rは官能基を有する。これらは、酸および/または塩基となり得る。
【化30】

【0078】
本発明の高分子およびそれらから製造される膜は、膜電極アレイの製造に適している。例えば、ペーストやインクの形態で、または粉末の被覆方法により膜に適用される電極は、反応基を有する架橋剤のアルキル化により膜と共有結合性の架橋を形成し得る。膜および適用された電極は、反応前に未反応のスルフィン酸、特に好ましくはスルフィナートを含む。必要に応じて官能基(4A)〜(4R)を含有するジ−またはオリゴハロゲノ架橋剤は、高分子性スルフィナートだけでなく高分子性カチオン交換体の前駆体を含む電極ペーストに添加され、電極ペーストの高分子性スルフィナートは膜の自由な高分子性スルフィナートと反応する。結果生じる共有結合性架橋は、電極と膜との結合力が乏しいという現在の問題を解決する。
【0079】
本発明の高分子、および共有結合性および/またはイオン結合性高分子の使用可能分野は熟練した者に明らかである。特にイオン伝導性を有する架橋高分子を要するすべての応用に好適である。特に電気化学的電池において、好ましくは二次電池、セル、および高分子電解質膜燃料電池、特に水素燃料電池、直接メタノール燃料電池において、適している。
【0080】
さらに、本発明の高分子は、他の膜分離作用、好ましくはガス分離、パーベーパレーション、パーストラクション、逆透析、ナノフィルトレーション、電気透析、パーストラクションおよび拡散透析において用いられ得る。
【0081】
本発明を実施例を用いてより説明するが、本発明の教示がこれらの実施例に制限されるものではない。
【0082】
異なる方法を用いて新たな高分子を調製することができる。
【0083】
実施例として、高分子性スルフィン酸を介した経路を示す。高分子性スルフィン酸は、GuiverらやKerresらにより述べられている調整法により得ることができる。高分子性スルフィン酸は、モノまたはオリゴハライドと反応し、Liハライドの脱離やサルファアルキル化またはサルファアリール化により、少なくとも別の官能基(4A)〜(4I)化合物を生成する。ハライド化合物の開裂可能なアニオンとしてのハロゲンは、好ましくはフッ素、塩素、臭素および/またはヨウ素である。ヨウ素は室温(25℃)程度で脱離し、臭素は30℃以上、また塩素は激しい条件下でのみ脱離する。フッ素原子がアリール基またはヘテロアリール基に結合している場合は、フッ素は脱離基となり、単純な例としてはp−フッ素ベンゼンスルホン酸塩が挙げられる。
こうして(4A)〜(4I)等の残基は、望ましい官能基を有する。隣接するスルホ基により、酸強度は顕著に上昇する。スルホン酸等のスルホ基とプロトン交換基の間には、少なくとも1つの炭素原子、好ましくはメチレン基−CH−およびエチレン基−CH−CH−が存在する。プロトン交換基へ繋がる直線上の最大二つの炭素原子で、酸強度の増大は明確に確認され得る。本発明の高分子から製造された膜は、直接芳香族環に結合したプロトン交換基を有する高分子のものと比べ、より高いプロトン伝導性を示す。隣接した水素原子の1つがさらにフッ素で置換された場合、酸強度がさらに増大する。
【0084】
次に、隣接基SO−CH−により酸強度が急激に増加するスルホン酸の調製法を示す。
スルフィナート化ポリスルホンPSU−SO−Liは、下記a−3)で説明されるように調製される。イオン化形状のIECは1.95meqSOLi/gである。NMPに溶解した後、臭素メタンスルホン酸塩のナトリウム塩の等量を添加する。加熱すると、NMPに溶解した化合物PSU−SO−CH−SO−Naが得られ、IECは1,95meqSOLi/gである。
次の実施例では、臭素メタンスルホン酸塩の代わりに臭素エタンスルホン酸塩(ナトリウム塩)をPSU−SO−Liと反応させた。反応終了後、溶媒の蒸発と再結晶の結果、純化合物PSU−SO−CHCH−SO−Naを得た。この実施例において臭素エタンスルホン酸塩(ナトリウム塩)を等量ではなくその半分のみを添加した場合は、得られるPSU−SO−CHCH−SO−NaのIECは0.9meqSOLi/gであり、IEC1,0meqSOLi/gは同分子に留まった。溶媒は、溶液の濃度が約10〜15重量%となるまで、約80℃の乾燥器で蒸発させた。次に、室温(25℃)まで冷却し、ジヨードブタンを等量添加した。ジヨードブタンの量は、自由なスルフィナート基の架橋に基づいて算出された。次に溶液をガラス板上で膜状にし、残余溶媒NMPを乾燥器中で蒸発させた。対照よりもプロトン交換基が極めて高い酸強度を有する共有結合性架橋膜が得られた。また、余分なスルフィナート基のスルホン酸基への酸化は、対照の場合と同様有効に行われた。PSU−SO−CHCH−SOHを用いた膜のプロトン伝導性は、プロトン交換基としてPSU−SOHのみを有する対照より20%低かった。
【0085】
IECが2,3meqSOLi/gであるPEEK−SO−Liを使用することにより、膜の安定性が著しく向上した。以下に図を用いて反応を説明する。
【化31】

【0086】
膜は水溶性鉱酸および水を用いた後処理により酸性型に変えられた。さらに、形成した塩を除去した。以下に図を用いて本発明の高分子の一つの実施例を説明する。
【化32】


30は(4A)、(4B)、(4C)、(4F)、(4G)、(4H)および/または
【化33】


であり、
式中窒素上のHはアリール基またはアルキル基で置換されていてもよい。Rはさらに、(4A)から(4R)までの官能基、および(5A)から(5H)までの基を含有してもよい。
【0087】
特に好ましい実施例で調製される高分子は、以下のグループのうちの一つで表される:
【化34】


式中Pは9〜16ページで説明される高分子である。Rは、前述の説明に従い、(4A)、(4B)、(4C)、(4D)、(4E)、(4F)、(4G)、(4H)、(4I)、(4J)、(4K)、(4L)、(4M)、(4N)、(4O)、(4P)、(4Q)および/または(4R)の置換基として定義される。
55は(4A)、(4B)、(4C)、(4D)、(4E)、(4F)、(4G)、(4H)、(4I)、(4J)、(4K)、(4L)、(4M)、(4N)、(4O)、(4P)、(4Q)および/または(4R)の置換基のうちの一つである。
【0088】
さらに好ましい高分子は、以下のグループのうちの一つで示され、
【化35】


式中Pは9〜16ページで説明される高分子である。Rは、前述の説明に従い、(4A)、(4B)、(4C)、(4D)、(4E)、(4F)、(4G)、(4H)、(4I)、(4J)、(4K)、(4L)、(4M)、(4N)、(4O)、(4P)、(4Q)および/または(4R)の置換基として定義される。
55は(4A)、(4B)、(4C)、(4D)、(4E)、(4F)、(4G)、(4H)、(4I)、(4J)、(4K)、(4L)、(4M)、(4N)、(4O)、(4P)、(4Q)および/または(4R)の置換基のうちの一つである。
【0089】
以下に、(15−1)、(15−2)、(15−3)、(15−4)、(15−5)または(15−6)のうち少なくとも一つを調製するための他の経路を当業者に示す。
【0090】
Guiverら、またはKerresら、および未公開特許を通して、高分子性スルフィン酸は先端技術である。高分子性スルフィン酸は、以下の一般式からアルキル化される。
【化36】

【0091】
この例に対し、スルフィナート化ポリスルホンはNMPに溶解され、等量の炭酸ヨウ素エタンと混合する。わずかな加熱の後で既に、ヨウ化リチウムが脱離し、最終的にカルボキシル基を有する対応したスルフォンが形成される。
【化37】

【0092】
別の実施例は、スルフィネートト化されたPEEK、PEK、PEKEKKまたはPEEKKである。
【化38】

【0093】
他の経路:
Guiverによる方法等で、従来技術に従いブチルリチウムを用いて−60℃でポリスルホンのメタレーションを行う。そして、等量のヨウ化メチルを添加する。ポリスルホンを完全にメチル化するために、−10℃まで温度を上昇させる。メチル化されたポリスルホンを再び−60℃に冷却し、等量のブチルリチウムを加えてメタレーションを生じさせる。次に、最低一回メタレーションを行ったメチル基あたり一つのSO2Cl2分子の等量を添加し、THF中に溶解したヨウ素を注入する。調製法は特許出願DE3636854A1に詳細に説明されている。生成した高分子は、一般に知られるFinkelstein反応によりフッ化し、溶媒を除去する。次に、高分子を水、酸および/または塩基で加水分解させ、スルホン酸を解放する。
PSU−Li+CHJ−>PSU−CH+LiJ
【0094】
PSU−CHは例えば、
【化39−1】


【化39−2】

【0095】
他の経路:
【化40】

【0096】
他の経路:
【化41】

【0097】
他の経路:
【化42】

【0098】
高分子性スルフィン酸(P−SOLi)。P(高分子)は求核剤として以下と反応することができ:
【化43】


式中、RはRから選択することができる。
【0099】
他のアルキル化剤は、
【化44】


および
【化45】


および
【化46】


であり、
Rは互いに独立してRから選択することができる。
【0100】
以下に、本発明の好適態様を開示する。
<1> 一般式(1)の繰り返し単位を有する非架橋高分子、共有結合性および/またはイオン結合性架橋高分子、
【化47】


式中Kは結合、酸素、硫黄、
【化48】


または
【化49】


であり、
R基は芳香族または複素環式芳香族化合物の二価の基であり、
a)R基は一般式(2I)、(2K)、(4L)、(4M)、(4N)、(4O)、(4P)、(4Q)または(4R)の置換基を少なくとも一部に有し、
【化50−1】


【化50−2】


式中、R基は互いに独立して結合または1〜40の炭素原子を含む基で、好ましくは分岐状もしくは直鎖状のアルキル基またはシクロアルキル基、またはアルキル化されていてもよいアリール基であり、
Mは水素、金属カチオン、好ましくはLi、Na、K、Rb、Cs、TiO2+、ZrO2+、またはアルキル化されていてもよいアンモニウムイオンであり、
Xはハロゲンまたはアルキル化されていてもよいアミノ基であり、
b)R基は一般式(5E)および/または(5F)の置換基を少なくとも一部に有し、
【化51】


式中、R、R、R、およびRは互いに独立して水素、1〜40の炭素原子を含む基であり、好ましくは分岐状もしくは直鎖状のアルキル基またはシクロアルキル基、またはアルキル化されていてもよいアリール基であり、R、R、およびR基の少なくとも二つは閉環して任意の芳香環を形成していてもよく、
および/またはR基は少なくとも一部が一般式(5C)および/または(5D)の基であり、
【化52】


および、
c)R基は少なくとも一般式(6)の架橋を一部に有し、
【化53】


該架橋は、少なくとも二つのR基を互いに接合させ、Yは1〜40の炭素原子を有する基で、好ましくは分岐状もしくは直鎖状のアルキル基またはシクロアルキル基、またはアルキル化されていてもよいアリール基であり、
Zはヒドロキシル基、一般式(7)の基、
【化54】


または任意成分H、C、O、N、S、P、もしくはハロゲン原子からなる、20g/molより大きい分子量を有する基で、またmは2またはそれより大きい整数であることを特徴とする。
<2> 一般式(1)の繰り返し単位が、一般式(1A)、(1B)、(1C)、(1D)、(1E)、(1F)、(1G)、(1H)、(1I)、(1J)、(1K)、(1L)、(1M)、(1N)、(1O)、(1P)、(1Q)、(1R)、(1S)および/または(1T)に一致する単位であることを特徴とする、<1>の高分子、
【化55】


ここで、すべての繰り返し単位の数を基にして、
0<X、Y<100%であり、
【化56】


ここで、0<Y<100%であり、
【化57】


式中、R基は互いに独立して、同一または異なって、1,2−フェニレン、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、4,4'−ビフェニル、複素環式芳香族化合物の二価の基、C10芳香族化合物の二価の基、C14芳香族化合物の二価の基および/または二価のピレン基であり、R、R、およびR基は、それぞれ一価、四価、もしくは三価の芳香族または複素環式芳香族化合物基であり、U基は繰りかえし単位内では同一で、水素原子を運搬する酸素原子、硫黄原子、またはアミノ基で、1〜20の炭素原子をもち、好ましくは分岐状もしくは直鎖状のアルキル基またはアルコキシ基、または他の基としてのアリール基である。
<3> 酸でドープされてなることを特徴とする、<1>または<2>に記載の高分子。
<4> 25℃で、100Ωcm以下の固有の体積抵抗を有することを特徴とする、<1>〜<3>のいずれか1項に記載の高分子。
<5> 90℃の脱イオン水中、100%未満、膨潤することを特徴とする、<1>〜<4>のいずれか1項に記載の高分子。
<6> それぞれの場合において、高分子の全質量を基にして、0.5meq/g〜1.9meq/gのイオン交換容量を有することを特徴とする、<1>〜<5>のいずれか1項に記載の高分子。
<7> 一つまたは複数の前駆体高分子が、個々にまたは全部で官能基a)、b)、c)、およびd)を含み、a)およびb)は請求項1で定義したものであり、一般式(6)のスルフィナート基を意味するd)
【化58】


は一般式(7)の化合物と反応する、
【化59】


式中、Lは脱離基であり、nは2またはそれより大きい整数である、
ことを特徴とする、<1>〜<6>のいずれか1項に記載の高分子の製造方法。
<8> 1)官能基a)を有する少なくとも一つの前駆体高分子
2)官能基b)を有する少なくとも一つの前駆体高分子、および
3)官能基d)を有する少なくとも一つの前駆体高分子
からなる高分子混合物を用いることを特徴とする、<7>に記載の製造方法。
<9> 1)官能基a)およびb)を有する少なくとも一つの前駆体高分子、および
2)官能基d)を有する少なくとも一つの前駆体高分子
を用いることを特徴とする、<7>に記載の製造方法。
<10> 1)官能基a)およびd)を有する少なくとも一つの前駆体高分子、および
2)官能基b)を有する少なくとも一つの前駆体高分子
を用いることを特徴とする、<7>に記載の製造方法。
<11> 1)官能基a)を有する少なくとも一つの前駆体高分子、および
2)官能基b)およびd)を有する少なくとも一つの前駆体高分子
を用いることを特徴とする、<7>に記載の製造方法。
<12> 一般式a)、b)、およびd)の官能基を有する少なくとも一つの高分子を用いることを特徴とする、<7>に記載の製造方法。
<13> 前駆体高分子または高分子を、支払能力があった状態であるか、または二極性非プロトン溶媒、好ましくはN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、またはスルホランに溶解し、該溶液を攪拌しながら、ハロゲン化合物と反応させることを特徴とする、<7>〜<12>のいずれか1項に記載の製造方法。
<14> a)前記高分子溶液を基板に薄膜状に塗布し、
b)好ましくは25℃より高められた温度で、および/または1000mbar未満の減圧下で溶媒を蒸発させ、高分子膜を得る
ことを特徴とする、<13>に記載の方法。
<15> a)第一の段階で、前記高分子を酸で処理し、および
b)次の段階で、該高分子を脱イオン水で処理し、
第一の段階より先に、好ましくは水溶性アルカリで該高分子を処理する
ことを特徴とする、<7>〜<14>のいずれか1項に記載の製造方法。
<16> 該高分子が酸、好ましくはリン酸でドープされてなることを特徴とする、<7>〜<15>のいずれか1項に記載の製造方法。
<17> 電気化学的電池、好ましくは二次電池、セル、および高分子電解質膜燃料電池、特に水素燃料電池と直接、および直接メタノール燃料電池における、<1>〜<6>のいずれか1項に記載の高分子の使用。
<18> 膜分離作用、好ましくはガス分離、パーベーパレーション、パーストラクション、逆透析、ナノフィルトレーション、電気透析、および拡散透析における、<1>〜<6>のいずれか1項に記載の高分子の使用。
<19> 説明に示される一般式(1)の共有結合性架橋高分子。
<20> (4J)から(4R)の基うち少なくとも一つの基を含む本発明の高分子。
<21> 電極から膜への共有結合性架橋による結合。
<22> 膜プロセス、特に燃料電池における高分子および電極の使用。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つまたは複数の前駆体高分子が、個々にまたは全部で官能基a)、b)、およびd)を含み、
a)は一般式(4J)、(4K)、(4L)、(4M)、(4N)、(4O)、(4P)、(4Q)または(4R):
【化1−1】





【化1−2】


[式中、R基は、互いに独立して結合または1〜40の炭素原子を含む分岐状もしくは直鎖状のアルキレン基またはシクロアルキレン基、またはアルキル化されていてもよいアリーレン基であり、Mは、水素、Li、Na、K、Rb、Cs、TiO2+、ZrO2+、またはアルキル化されていてもよいアンモニウムイオンであり、Xは、ハロゲンまたはアルキル化されていてもよいアミノ基である]で表わされる官能基であり、
b)は一般式(5E)および/または(5F):
【化2】


[式中、Rは、互いに独立して結合または1〜40の炭素原子を含む分岐状もしくは直鎖状のアルキレン基またはシクロアルキレン基、またはアルキル化されていてもよいアリーレン基であり、R、RおよびRは互いに独立して水素、1〜40の炭素原子を含む分岐状もしくは直鎖状のアルキル基またはシクロアルキル基、またはアルキル化されていてもよいアリール基であり、R、RおよびR基の少なくとも二つは閉環して任意の芳香環を形成していてもよい]で表わされる官能基であり、
一般式(6)のスルフィナート基を意味するd)
【化3】


[式中、R基は、互いに独立して結合または1〜40の炭素原子を含む分岐状もしくは直鎖状のアルキレン基またはシクロアルキレン基、またはアルキル化されていてもよいアリーレン基であり、Mは、水素、Li、Na、K、Rb、Cs、TiO2+、ZrO2+、またはアルキル化されていてもよいアンモニウムイオンである]が一般式(7)の化合物と反応する、
【化4】


[式中、Yは1〜40の炭素原子を含む基であり、Lは脱離基であり、mは2またはそれより大きい整数である]方法で得られたことを特徴とする、高分子。
【請求項2】
1)官能基a)を有する少なくとも一つの前駆体高分子、
2)官能基b)を有する少なくとも一つの前駆体高分子、および
3)官能基d)を有する少なくとも一つの前駆体高分子
からなる高分子混合物を用いることを特徴とする、請求項1に記載の高分子。
【請求項3】
1)官能基a)およびb)を有する少なくとも一つの前駆体高分子、および
2)官能基d)を有する少なくとも一つの前駆体高分子
を用いることを特徴とする、請求項1に記載の高分子。
【請求項4】
1)官能基a)およびd)を有する少なくとも一つの前駆体高分子、および
2)官能基b)を有する少なくとも一つの前駆体高分子
を用いることを特徴とする、請求項1に記載の高分子。
【請求項5】
1)官能基a)を有する少なくとも一つの前駆体高分子、および
2)官能基b)およびd)を有する少なくとも一つの前駆体高分子
を用いることを特徴とする、請求項1に記載の高分子。
【請求項6】
一般式a)、b)、およびd)の官能基を有する少なくとも一つの高分子を用いることを特徴とする、請求項1に記載の高分子。
【請求項7】
前駆体高分子または高分子を、二極性非プロトン溶媒に溶解し、該溶液を攪拌しながら、ハロゲン化合物と反応させることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の高分子。
【請求項8】
前記二極性非プロトン溶媒が、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、またはスルホランであることを特徴とする、請求項7に記載の高分子。
【請求項9】
a)第一の段階で、前記高分子を酸で処理し、および
b)次の段階で、該高分子を脱イオン水で処理し、
第一の段階より先に、水溶性アルカリで該高分子を処理する
ことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の高分子。
【請求項10】
前記高分子が酸でドープされてなることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の高分子。
【請求項11】
前記高分子がリン酸でドープされてなることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の高分子。

【公開番号】特開2009−35743(P2009−35743A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−256892(P2008−256892)
【出願日】平成20年10月1日(2008.10.1)
【分割の表示】特願2003−560104(P2003−560104)の分割
【原出願日】平成14年11月22日(2002.11.22)
【出願人】(501421498)
【出願人】(507055877)
【Fターム(参考)】