説明

機能部品取付構造及び二輪車

【課題】簡易な構成により機能部品をブラケットに回動可能に取り付けることができ、回動操作性を向上することができる機能部品取付構造及び二輪車を得る。
【解決手段】ランプ取付装置10は、二輪車1のハンドル2に取付ネジ26とナット28により固定されるブラケット12を備えている。ブラケット12には、ボルト34の軸部34Aを中心に回動可能に連結された連結部材14が設けられている。連結部材14には、長円状の開口部42が形成されており、ブラケット12をハンドル2に固定した状態で、取付ネジ26の軸部26Aの先端部26Bがブラケット12から突出して開口部42に挿入されている。取付ネジ26の先端部26Bが開口部42の内壁に当接することで、ブラケット12に対する連結部材14の回動範囲が規制される。連結部材14には、ランプ16が固定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機能部品取付構造及び二輪車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、二輪車等のハンドルに取り付けるヘッドランプの取付装置が設けられている。
【0003】
特許文献1に記載される取付装置では、第1の取付部品に第3の取付部品が回動可能に配置されており、第1の取付部品は第3の取付部品とともにボルトとナットによってハンドルに締結固定されている。第3の取付部品の上には第2の取付部品が着脱自在に取付けられており、第2の取付部品の上にはヘッドランプがヘッドランプ取付ねじによって固定されている。第3の取付部品は、第1の取付部品と第2の取付部品とを相対的に回転自在としており、ボルトを緩めて第3の取付部品を所定位置に回動させ、ボルトを締付けることで、第3の取付部品及び第1の取付部品がハンドルに固定される。これによって、第2の取付部品に固定されたヘッドランプの角度が調整されるようになっている。
【0004】
特許文献2に記載される取付装置では、ブラケットは取付ネジとナットによりハンドルに締結固定されており、ブラケットには、撓み変形可能な突出片が設けられ、突出片に設けられた突起に凸部が形成されている。ブラケットには、ランプが取り付けられた回動部材が回動可能に設けられ、回動部材の端面には、突出片の凸部と係合する複数の凹部が設けられている。回動部材の回動角度を変更するときは、突出片を下方側に撓み変形させ、凸部と凹部との係合を解除し、回動部材を回動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3668765号公報
【特許文献2】特開2009−154666号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の取付装置では、第1の取付部品と第2の取付部品と第3の取付部品の形状が複雑であると共に、第1の取付部品をボルトで固定すると、第2の取付部品等の回動角度を変更したくてもボルトを緩めないと回動できない。より具体的には、第1の取付部品をハンドルに固定する縦方向の固定と、第2の取付部品及び第3の取付部品を所定の回動位置で固定する横方向の固定とを1セットのボルトとナットで行うので、2軸の固定を同時に行う必要があり、回動操作性が低下する。つまり、第2の取付部品及び第3の取付部品の横方向の向きだけを変更しようとしても、縦方向も動く場合があり、また、第1の取付部品の縦方向の向きだけを変更しようとしても、横方向も動く場合がある。
【0007】
また、特許文献2では、突出片の突起に凸部を備えたブラケットと、複数の凹部を備えた回動部材が設けられており、回動部材とブラケットの形状が複雑となる。また、突出片が外力等により下方側に撓み変形し、凸部と凹部の係合が外れることで、ブラケットに対するランプの回動位置が動いてしまう可能性がある。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、簡易な構成により機能部品をブラケットに回動可能に取り付けることでき、回動操作性を向上することができる機能部品取付構造及び二輪車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明に係る機能部品取付構造は、締結具により二輪車本体に固定されるブラケットと、前記ブラケットに回動可能に連結され、前記ブラケットが前記二輪車本体に固定された状態で前記ブラケットから突出した前記締結具に当接して前記ブラケットに対する回動範囲を規制する規制部を備え、機能部品が固定され又は一体的に設けられた連結部材と、を有するものとする。
【0010】
請求項1に記載の発明では、締結具によりブラケットが二輪車本体に固定されており、ブラケットに連結部材が回動可能に連結されると共に、連結部材に機能部品が固定され、又は連結部材に一体的に機能部品が設けられている。ブラケットが二輪車本体に固定された状態でブラケットから締結具が突出しており、連結部材に設けられた規制部が締結具に当接することで、ブラケットに対する連結部材の回動範囲が規制される。これにより、簡易な構成により機能部品をブラケットに回動可能に取り付けることができ、回動操作性を向上することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の機能部品取付構造において、前記規制部は、前記連結部材に形成された凹状部であり、前記締結具は、前記ブラケットを前記二輪車本体に固定したときに前記ブラケットから前記凹状部内に延びるねじ部を備えるものである。
【0012】
請求項2に記載の発明では、連結部材に凹状部が形成されており、ブラケットを二輪車本体に固定したときにブラケットから凹状部内にねじ部が延びている。ブラケットに対して連結部材を回動させたときに、ねじ部に凹状部の内壁が当接することで、ブラケットに対する連結部材の回動範囲が規制される。これにより、簡易な構成により機能部品をブラケットに回動可能に取り付けることができ、回動操作性をより一層向上することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の機能部品取付構造において、前記凹状部に、前記ねじ部に当接して回動時の摺動抵抗を与える弾性部材が配置されているものである。
【0014】
請求項3に記載の発明では、凹状部にねじ部に当接する弾性部材が配置されており、ブラケットに対して機能部品(連結部材)を回動させるときに、弾性部材により摺動抵抗が与えられる。これにより、ブラケットに対して機能部品を所定の回動位置で固定する固定力を上げることができる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の機能部品取付構造において、前記凹状部の内壁には、前記ねじ部の位置を固定する複数の係合部が設けられているものである。
【0016】
請求項4に記載の発明では、凹状部の内壁には、ねじ部の位置を固定する複数の係合部が設けられており、ねじ部が複数の係合部のいずれか1つと係合されることで、ブラケットに対して機能部品(連結部材)を所定の回動位置で固定することができる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の機能部品取付構造において、前記連結部材は、前記連結部材を前記ブラケットに取り付ける取付用ねじ部を中心に回動するものである。
【0018】
請求項5に記載の発明では、連結部材は、連結部材をブラケットに取り付ける取付用ねじ部を中心に回動するものであり、取付用ねじ部の締付け力の設定により、ブラケットに対する連結部材の回動抵抗を所定値に設定できる。これにより、ブラケットに対して機能部品(連結部材)を所定の回動位置で固定させると共に、ブラケットに対する機能部品の回動角度を容易に変更することができる。
【0019】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の機能部品取付構造において、前記取付用ねじ部は、前記連結部材を貫通して前記連結部材の裏面側に配置された前記ブラケットに螺合されており、前記連結部材の表面上に前記機能部品が固定されているものである。
【0020】
請求項6に記載の発明では、取付用ねじ部が、連結部材を貫通して連結部材の裏面側に配置されたブラケットに螺合されて、連結部材がブラケットに取り付けられている。さらに、連結部材の表面上に機能部品が固定されている。これにより、ブラケットに対する機能部品の組み付け作業性が向上する。
【0021】
請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の機能部品取付構造において、前記二輪車本体がハンドルであり、前記機能部品がランプであるものである。
【0022】
請求項7に記載の発明では、ブラケットがハンドルに固定されており、ランプが連結部材によりブラケットに対して回動可能である。その際、ブラケットがハンドルに固定された状態で、ランプの回動角度を変更することができ、回動操作性が向上する。
【0023】
請求項8に記載の発明に係る二輪車は、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の機能部品取付構造を備えるものである。
【0024】
請求項8に記載の発明では、ブラケットを二輪車本体に固定した状態で、機能部品の回動角度を変更することができ、回動操作性が向上する。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る機能部品取付構造によれば、簡易な構成により機能部品をブラケットに回動可能に取り付けることができ、回動操作性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1実施形態に係るランプ取付構造を示す斜視図である。
【図2】図1に示すランプ取付構造を他の方向から見た斜視図である。
【図3】図1に示すランプ取付構造の分解斜視図である。
【図4】図3に示すランプ取付構造を別の方向から見た分解斜視図である。
【図5】ランプ取付構造に用いられるブラケット及び連結部材の組み付け状態を示す斜視図である。
【図6】ランプ取付構造に用いられるブラケット及び連結部材の組み付け状態を他の方向から見た斜視図である。
【図7】ランプ取付構造を示す断面図である。
【図8A】ブラケットに対して連結部材を開口部の一端側に回動させた状態を示す平面図である。
【図8B】ブラケットに対して連結部材を開口部の他端側に回動させた状態を示す平面図である。
【図9】本発明の第1実施形態に係るランプ取付構造が適用される二輪車のハンドル付近を示す斜視図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係るランプ取付構造を示す断面図である。
【図11】本発明の第3実施形態に係るランプ取付構造に用いられる連結部材の開口部とブラケットの取付ねじの先端部の状態を示す平面図である。
【図12】本発明の第4実施形態に係るランプ取付構造に用いられる連結部材の開口部とブラケットの取付ねじの先端部の状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図1〜図9を用いて、本発明に係る機能部品取付構造の第1実施形態について説明する。図1には、機能部品取付構造の一例としてのランプ取付装置10の斜視図が示されている。図2には、図1に示すランプ取付装置10を別の方向から見た斜視図が示されている。
【0028】
図9に示されるように、ランプ取付装置10は、二輪車1に設けられたハンドル2に取付けられている。ハンドル2は、ヘッドパイプ4の上部に略T字状に配設され、ヘッドパイプ4と相対回転可能に設けられている。ハンドル2の両端部にはグリップ6が取付けられており、ランプ取付装置10は、ハンドル2の幅方向右側のグリップ6の近くに取付けられている。
【0029】
図1〜図6に示されるように、ランプ取付装置10は、ハンドル2に取付けられるブラケット12と、ブラケット12に回動可能に設けられた連結部材14と、を備えている。連結部材14には、機能部品の一例としてのランプ16が固定されている。
【0030】
図3及び図4に示されるように、ブラケット12は、ハンドル2の外周面に沿って湾曲した形状の凹部20Aが形成された挟持部20を備えている。挟持部20には、凹部20Aの周方向の一部を切り離して形成された開口部21が設けられており、挟持部20の一端部20Bと他端部20Cが開口部21を挟んで図4中の上下方向に対向している。一端部20B及び他端部20Cには、締結具としての取付ネジ(ねじ部)26が挿通される挿通孔22A、22Bが形成されている。挟持部20の一端部20B(図4中の他端部20Cの上方)の上面には、締結具としてのナット28が嵌合される孔部24が形成されている。ナット28の上端部には、矩形状の嵌合部28Aが形成されており、挟持部20の一端部20Bの孔部24の上端部には、嵌合部28Aが嵌合される矩形状の嵌合孔24Aが形成されている。
【0031】
挟持部20の一端部20Bと連続する上面部20Dには、ナット36が埋め込まれている。ナット36には、挟持部20に対して連結部材14を回動可能に支持する軸部を構成するボルト(取付用ねじ部)34が螺合される。連結部材14にはボルト34が挿通される挿通孔32が設けられている。挿通孔32の上端部には、ボルト34の頭部が挿入される大径孔が形成されている。ボルト34は、連結部材14の上方側から連結部材14の挿通孔32に挿通され、挟持部20の上面部20Dのナット36に螺合されることで、連結部材14がブラケット12に対してボルト34の軸部34Aを中心として回動可能となっている(図5及び図6参照)。ボルト34は、図5中のブラケット12及び連結部材14の上下方向(ブラケット12が固定されるハンドル2の軸方向と直交する方向)に沿って配設されており、連結部材14は、ブラケット12に対してボルト34の軸部34Aを中心として横方向に回動可能に構成されている。本実施形態では、ボルト34のナット36への締付け力の設定により、ブラケット12に対する連結部材14の回動抵抗を所定値に設定できる構成となっている。
【0032】
ブラケット12は、挟持部20の他端部20Cが一端部20Bから離れる方向に撓み変形可能に構成されており、他端部20Cを一端部20Bから離れる方向に撓み変形させることで、ハンドル2に外挿可能となっている(図1及び図2参照)。本実施形態では、ブラケット12は樹脂で形成されている。
【0033】
ブラケット12がハンドル2に外挿された状態で、挟持部20の他端部20Cの挿通孔22Bの下方側から取付ネジ26を挿入し、挟持部20の一端部20Bに設けられたナット28に取付ネジ26の軸部26Aを螺合させることで、ブラケット12がハンドル2に固定される。取付ネジ26とナット28は、ブラケット12に図4中の上下方向に沿って締結されるため、ブラケット12をハンドル2に取付けた際に、取付ネジ26によりブラケット12のハンドル軸に対する回動方向(縦方向)の位置やハンドル2の軸方向の取付位置が調整可能である。
【0034】
図4及び図5に示されるように、連結部材14は、略矩形状の板状部材からなり、連結部材14の長手方向の一端面には、長手方向外側に延びた突出片40が形成されている。突出片40は、図5中の連結部材14の上面に対して交差する方向に撓み変形可能に形成されている。突出片40の先端には、後述するランプ16の内部に形成された段部52に係止される係止部40Aが形成されている。係止部40Aは、図5中の突出片40の上面から下方側に突出するように形成されている。
【0035】
図5〜図7に示されるように、連結部材14には、取付ネジ26の軸部26Aをナット28に螺合させてブラケット12をハンドル2に固定したときに、軸部26Aの先端部26Bが挿入される規制部(凹状部)の一例としての開口部42が形成されている。本実施形態では、平面視にて開口部42は長円状に形成されており、ボルト34の軸部34Aを中心として円弧状に湾曲している。
【0036】
図8A及び図8Bに示されるように、ブラケット12に対して連結部材14をボルト34の軸部34Aを中心として回動させたときに、取付ネジ26の軸部26Aの先端部26Bが開口部42の一端側の内壁と、開口部42の他端側の内壁に当接することで、ブラケット12に対する連結部材14の回動範囲が規制される(制限される)ようになっている。
【0037】
また、連結部材14には、開口部42に対して挿通孔32と反対側に開口44が形成されている。この開口44は、ランプ16の内部に配置される基板からのケーブルを外部に引き出すために設けたものである。
【0038】
連結部材14の長手方向と直交する方向における両側壁部には、ランプ16をスライド可能に装着する凸部46が形成されている。また、図3等に示されるように、ランプ16の下面16Aには、略矩形状の窪み部16Bが形成されており、窪み部16Bの側壁には、連結部材14の凸部46にスライド可能に係合される凹部16Cがランプ16の長手方向に沿って形成されている。
【0039】
図5及び図6に示されるように、ボルト34をナット36に螺合させて連結部材14をブラケット12に取り付けた後、連結部材14の凸部46にランプ16の凹部16Cを係合させてスライドさせることで、ランプ16が連結部材14に装着されるようになっている。
【0040】
図3及び図7に示されるように、ランプ16の下面16Aの窪み部16Bには、ランプ16を連結部材14に装着する際に、連結部材14の突出片40が挿入される開口50が設けられている。突出片40の係止部40Aは、ランプ16を連結部材14に装着する過程で窪み部16Bの側壁に当たり、突出片40が弾性変形によりランプ16の内側に撓んで開口50に挿入される。さらに、ランプ16の開口50内の内壁部には、ランプ16の連結部材14への装着位置で、突出片40の係止部40Aが係止される段部52が形成されている。
【0041】
図1及び図2に示されるように、ランプ16は、長手方向に対して直交する断面が長円状に形成されており、長手方向の一端側の端面に2つの点灯部60が設けられている。
【0042】
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0043】
図1〜図4に示されるように、ブラケット12をハンドル2に取付ける際には、挟持部20の他端部20Cを一端部20Bから離れる方向に弾性変形させて、凹部20Aをハンドル2の外周面に外挿する。そして、他端部20Cの下方側から他端部20Cの挿通孔22B及び一端部20Bの挿通孔22Aに取付ネジ26の軸部26Aを挿入し、一端部20Bの孔部24に嵌合されているナット28に取付ネジ26の軸部26Aを螺合させることで、ブラケット12がハンドル2に固定される。
【0044】
また、図5及び図6に示されるように、連結部材14の裏面は、ブラケット12の一端部20Bの上面部20Dに面接触状態で配置されており、連結部材14の挿通孔32の上方側からボルト34が挿通され、ブラケット12の一端部20Bに固着されたナット36にボルト34の軸部34Aが螺合される。その際、図7に示されるように、取付ネジ26の軸部26Aの先端部26Bを連結部材14の開口部42に挿入する。これによって、取付ネジ26の軸部26Aの先端部26Bが連結部材14の開口部42に挿入された状態で、ブラケット12に対して連結部材14がボルト34の軸部34Aを中心に回動可能となる。
【0045】
図8A及び図8Bに示されるように、開口部42は長円状に形成されており、ブラケット12に対して連結部材14を回動させたときに、取付ネジ26の軸部26Aの先端部26Bが開口部42の一端側の内壁と他端側の内壁に当接することで、連結部材14の回動範囲が規制される(制限される)。
【0046】
また、連結部材14をブラケット12に取り付けた後、図1、図2、図5及び図6等に示されるように、連結部材14の凸部46にランプ16の凹部16Cを係合させてスライドさせることで、ランプ16が連結部材14の表面上に装着される。その際、連結部材14の突出片40が、ランプ16を連結部材14に装着する過程でランプ16の窪み部16Bの側壁に当たり、弾性変形によりランプ16の内部側に撓んで開口50に挿入される。そして、ランプ16の連結部材14への装着位置で、突出片40の係止部40Aが弾性復元力によりランプ16の奥側の段部52に係止されることで、ランプ16が連結部材14に固定される。
【0047】
このようなランプ取付装置10では、取付ネジ26の軸部26Aの先端部26Bが連結部材14の開口部42に挿入された状態で、連結部材14がブラケット12に対して回動するため、取付ネジ26の先端部26Bが開口部42の内壁に当接することで、ブラケット12に対する連結部材14の回動範囲が規制される。
【0048】
その際、ブラケット12をハンドル2に固定する取付ネジ26を用い、取付ネジ26をナット28に螺合させてブラケット12をハンドル2に固定した状態で、ブラケット12から突出する取付ネジ26の軸部26Aの先端部26Bが連結部材14の開口部42に挿入される。このため、簡易な構成により連結部材14に固定されるランプ16をブラケット12に対して回動可能に取り付けると共に、ランプ取付装置10の組み付け時の回動操作性を向上することができる。
【0049】
連結部材14は、連結部材14をブラケット12に取り付けるボルト34の軸部34Aを中心に回動するものであり、ボルト34のナット36への締付け力の設定により、ブラケット12に対する連結部材14の回動抵抗を所定値に設定できる。これにより、ブラケット12に対して連結部材14を所定の回動位置で固定させることができ、ブラケット12に対する連結部材14の回動角度を調整することができる。
【0050】
また、ボルト34は、連結部材14を貫通して連結部材14の裏面側に配置されたブラケット12に螺合されることで、連結部材14がブラケット12に取り付けられ、さらに、連結部材14の表面上にランプ16が取り付けられている(固定されている)。これにより、ブラケット12への連結部材14の取り付け、及び連結部材14へのランプ16の取り付けが容易となり、ランプ取付装置10の組み付け作業性をより一層向上することができる。
【0051】
次に、本発明の第2実施形態のランプ取付装置について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0052】
図10に示されるように、ランプ取付装置100は、連結部材14の開口部42に弾性部材の一例としてのゴム部材102が挿入されている。取付ネジ26の軸部26Aをナット28に螺合させてブラケット12をハンドル2に固定した状態で、ゴム部材102は、ブラケット12から突出する取付ネジ26の軸部26Aの先端部26Bと、連結部材14の開口部42の内壁の少なくとも一部に当接している。また、連結部材14にはランプ16が取り付けられており、ゴム部材102の上面はランプ16の窪み部16Bに当接している。本実施形態では、ゴム部材102は、平面視にて開口部42の内形とほぼ同じ外形形状とされている。
【0053】
このようなランプ取付装置100は、連結部材14の開口部42に挿入されたゴム部材102が、取付ネジ26の軸部26Aの先端部26Bと、ランプ16の窪み部16B等に当接することで、ブラケット12に対して連結部材14及びランプ16が回動するときに、ゴム部材102により摺動抵抗が与えられる。これにより、ブラケット12に対してランプ16を所定の回動位置で固定する固定力を上げることができる。
なお、本実施形態では、ゴム部材102を用いたが、その他、板バネなどの弾性部材を用いてもよい。
【0054】
次に、本発明の第3実施形態のランプ取付装置について説明する。なお、前述した第1及び第2実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0055】
図11に示されるように、ランプ取付装置110には、連結部材14に規制部(凹状部)の一例としての長円状の開口部112が形成されており、開口部112の内壁面に複数の凸部114が形成されている。凸部114は、開口部112の長手方向と直交する壁面の両側に対向するように配置されている。開口部112の壁面に対向する一対の凸部114は、開口部112の長手方向に沿って複数(本実施形態では3つ)配置されている。凸部114は、連結部材14の平面視にて断面が円弧状に突出した湾曲面とされている。複数の凸部114は、連結部材14と一体的に形成されており、本実施形態では樹脂製とされている。複数の凸部114は、取付ネジ26の先端部26Bを乗り越えるときに、弾性的に変形するようになっている。
【0056】
開口部112の内壁には、開口部112の壁面に対向する一対の凸部114の間に、取付ネジ26の先端部26Bの位置を固定する係合部の一例としての谷部116が設けられている。本実施形態では、谷部116は、開口部112の長手方向に沿って2つ配置されている。取付ネジ26の先端部26Bが開口部112に挿入された状態で、連結部材14をブラケット12(図1参照)に対して回動させると、開口部112で対向する一対の凸部114が取付ネジ26の先端部26Bを乗り越えることで、開口部112と取付ネジ26の先端部26Bとが相対的に移動する。そして、取付ネジ26の先端部26Bが開口部112で対向する一対の凸部114の間の谷部116に位置したときに連結部材14が停止する。このため、簡易な構成によりブラケット12に対して連結部材14を所定の回動位置で固定することができる。
【0057】
次に、本発明の第4実施形態のランプ取付装置について説明する。なお、前述した第1〜第3実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0058】
図12に示されるように、ランプ取付装置120には、連結部材14に規制部(凹状部)の一例としての長円状の開口部122が形成されており、開口部122における長手方向の一方の内壁面に係合部の一例としての複数の凹凸部124が設けられている。複数の凹凸部124は、連結部材14の平面視にて尖形状に形成されている。
【0059】
取付ネジ26の軸部26Aの先端部26Bには、被係合部としての環状部126が取り付けられており、環状部126の外周面には、複数の凹凸部124に係合される複数の凹凸部126Aが形成されている。この環状部126は、取付ネジ26の先端部26Bに固定されている。取付ネジ26の先端部26Bは、開口部122に挿入された状態で、環状部126の凹凸部126Aが開口部122の凹凸部124に係合する。
【0060】
このようなランプ取付装置120では、ブラケット12(図1参照)に対して連結部材14を回動させると、取付ネジ26の先端部26Bに取り付けられた環状部126の凹凸部126Aが開口部122の凹凸部124のいずれかに係合する。このため、簡易な構成によりブラケット12に対して連結部材14を所定の回動位置で固定することができる。
【0061】
なお、上記の第4実施形態では、開口部122に複数の尖形状の凹凸部124を設け、取付ネジ26の先端部26Bに取り付けられた環状部126に複数の尖形状の凹凸部126Aを設けたが、これに限定されず、両者が係合可能な形状であれば他の形状でもよい。
【0062】
また、上記の第3及び第4実施形態では、開口部112、122の内部に連結部材の回動時に摺動抵抗を与えるためのゴム部材を配置してもよい。
【0063】
また、上記の第1〜第4実施形態では、連結部材14に取付ネジ26の先端部26Bが挿入される開口部を設けたが、これに限定されず、連結部材に窪み部などの凹状部を設けてもよい。すなわち、本発明の「凹状部」には、窪み部の他、開口部を含んでいる。
また、規制部は、取付ネジ26の先端部26Bが挿入され、連結部材14が回動したときに取付ネジ26の先端部26Bが当たり、連結部材14の回動範囲を規制できる形状であれば、開口部や窪み部に限定されず、他の形状に変更可能である。
【0064】
また、上記の第1〜第4実施形態では、連結部材14の開口部に取付ネジ26の先端部26Bが挿入される構成であるが、ブラケットに取り付けられる締結具としてのナットが連結部材の開口部(凹状部)に挿入され、連結部材の回動範囲が規制される構成でもよい。
【0065】
また、上記の第1〜第4実施形態では、ランプ16(図1参照)は連結部材14に固定されているが、これに限らず、ランプが連結部材に一体的に設けられる構成でもよい。すなわち、ランプが連結部材に対して、(1)別体で着脱可能、(2)別体でも着脱不可(接着固定など)、(3)一体的に設けられる3種の構成のいずれでもよい。
また、機能部品は、ランプ16に限らず、リフレクターやスピードメータなど、二輪車本体に対して回動位置の調整が必要な他の機能部品でもよい。
【符号の説明】
【0066】
1 二輪車
2 ハンドル(二輪車本体)
10 ランプ取付装置(機能部品取付構造)
12 ブラケット
14 連結部材
16 ランプ(機能部品)
26 取付ネジ(締結具)
26B 先端部(ねじ部)
28 ナット(締結具)
34 ボルト(取付用ねじ部)
42 開口部(凹状部)
100 ランプ取付装置
102 ゴム部材
110 ランプ取付装置
112 開口部(凹状部)
114 凸部
116 谷部(係合部)
120 ランプ取付装置
122 開口部(凹状部)
124 凹凸部(係合部)
126A 凹凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
締結具により二輪車本体に固定されるブラケットと、
前記ブラケットに回動可能に連結され、前記ブラケットが前記二輪車本体に固定された状態で前記ブラケットから突出した前記締結具に当接して前記ブラケットに対する回動範囲を規制する規制部を備え、機能部品が固定され又は一体的に設けられた連結部材と、
を有する機能部品取付構造。
【請求項2】
前記規制部は、前記連結部材に形成された凹状部であり、
前記締結具は、前記ブラケットを前記二輪車本体に固定したときに前記ブラケットから前記凹状部内に延びるねじ部を備える請求項1に記載の機能部品取付構造。
【請求項3】
前記凹状部に、前記ねじ部に当接して回動時の摺動抵抗を与える弾性部材が配置されている請求項2に記載の機能部品取付構造。
【請求項4】
前記凹状部の内壁には、前記ねじ部の位置を固定する複数の係合部が設けられている請求項2又は請求項3に記載の機能部品取付構造。
【請求項5】
前記連結部材は、前記連結部材を前記ブラケットに取り付ける取付用ねじ部を中心に回動する請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の機能部品取付構造。
【請求項6】
前記取付用ねじ部は、前記連結部材を貫通して前記連結部材の裏面側に配置された前記ブラケットに螺合されており、
前記連結部材の表面上に前記機能部品が固定されている請求項5に記載の機能部品取付構造。
【請求項7】
前記二輪車本体がハンドルであり、前記機能部品がランプである請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の機能部品取付構造。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の機能部品取付構造を備える二輪車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−254700(P2012−254700A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−128506(P2011−128506)
【出願日】平成23年6月8日(2011.6.8)
【出願人】(000112978)ブリヂストンサイクル株式会社 (78)