説明

欄間パネル用金具及びこの金具により欄間に取り付けられた欄間パネル構造、ならびに、この欄間パネルを欄間に取り付ける方法

【解決手段】枠体Bの少なくとも左右の縦枠b,bに取り付け得る左右一対の固定ガイド部材2,2と、この左右一対の固定ガイド部材2,2の少なくとも一方に長手方向の一端側が枢支された支持アーム3と、この支持アーム3の他端側が枢支されていて欄間パネルDを支持するための支持部材4,4とからなる。前記支持部材4,4には、1枚の欄間パネルDの両側面を固定する。前記左右の縦枠b,bに仮固定された上下2つのビス5,5に、左右一対の固定ガイド部材2,2に形成されている上下2つの係合溝8,8を係合させると、家屋内の躯体Aに設置される枠体Bの左右の縦枠b,bに、欄間パネルDを有する左右一対の固定ガイド部材2,2を仮固定(仮止め)できる。
【効果】一人ででも、高いところでの欄間パネルDの取付作業を極めて容易に行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物内の枠体内に開閉可能に設けられるドアなどの建具の上方において、前記枠体内に欄間パネルを開閉可能に配置させるために用いる金具及びこの金具により欄間に取り付けられた欄間パネル構造、ならびに、この欄間パネルを欄間に取り付ける方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建物内の枠体内に開閉可能に設けられるドアの上方において、前記枠体内に欄間パネルを開閉可能に配置した技術が、すでに提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】登録実用新案第3070818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この欄間パネルはかなりの幅と重さとを有しており、しかも、前記ドアの上方の高いところに配置しなければならないから、その取付作業が極めて厄介である。通常、取付金具を介して前記枠体に取り付けられるが、従来の場合には、上記の理由から一人では到底施工できず、二人以上での作業になっていた。
【0005】
この欠点を解消するために鋭意研究を重ねた結果、前記取付作業中において、前記枠体と欄間パネルとそれを前記枠体に取り付けるための取付金具とのいずれかを、他の部材に対して一旦仮止めすることができれば、一人ででも前記取付作業を極めて容易に行うことができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明による欄間パネル用金具は、建物内の枠体内に開閉可能に設けられるドアなどの建具の上方において、前記枠体内に欄間パネルを開閉可能に配置させるために用いる金具であって、少なくとも、前記枠体の少なくとも左右の縦枠に取り付け得る一対の固定ガイド部材と、この一対の固定ガイド部材に軸支されていて前記欄間パネルを支持するための支持部材とからなるものであって、前記支持部材に前記欄間パネルを取り付けた後の前記一対の固定ガイド部材を、少なくとも前記左右の縦枠に仮固定させるための仮止め手段を設けたことを特徴とするものである。
【0007】
この仮止め手段を設けたことにより、欄間パネルを取り付けた一対の固定ガイド部材を、枠体の少なくとも左右の縦枠に仮固定することができる。この仮固定により、かなりの幅と重さとを有する欄間パネルをずっと持っている必要がなく、一人ででも、高いところでの取付作業を極めて容易に行うことができる。そして、仮固定後の前記一対の固定ガイド部材を前記枠体の少なくとも左右の縦枠に本固定することができる。
【0008】
また、上記の場合とは異なり、本発明による欄間パネル用金具を次のように構成することにより、上記と同様の効果を達成することができる。すなわち、建物内の枠体内に開閉可能に設けられるドアなどの建具の上方において、前記枠体内に欄間パネルを開閉可能に配置させるために用いる金具であって、少なくとも、前記枠体の少なくとも左右の縦枠に取り付け得る一対の固定ガイド部材と、この一対の固定ガイド部材に軸支されていて前記欄間パネルを支持するための支持部材とからなり、少なくとも前記左右の縦枠に前記一対の固定ガイド部材を取り付けた後の前記支持部材に、前記欄間パネルを仮固定させるための仮止め手段を設ければよい。
【0009】
すなわち、この仮止め手段を設けたことにより、少なくとも前記左右の縦枠に前記一対の固定ガイド部材を取り付けた後の前記支持部材に、前記欄間パネルを仮固定させることができる。この仮固定により、かなりの幅と重さとを有する欄間パネルをずっと持っている必要がなく、一人ででも、高いところでの取付作業を極めて容易に行うことができる。そして、仮固定後の欄間パネルを有する前記一対の固定ガイド部材を前記枠体の少なくとも左右の縦枠に本固定することができる。
【0010】
一対の固定ガイド部材を前記枠体の少なくとも左右の縦枠に位置固定するための手段をさらに備えていることが望ましい。このようにした場合には、前記枠体内に開閉可能に設けられるドアの上方における枠体の少なくとも左右の縦枠の正規の位置に、一対の固定ガイド部材を取り付け、最終的な位置の固定を行うことができる。
【0011】
本発明による欄間パネル構造は、建物内の枠体内に開閉可能に設けられるドアなどの建具の上方において、一対の固定ガイド部材に軸支されている支持部材に欄間パネルを取り付け、この一対の固定ガイド部材を仮止め手段により前記枠体の少なくとも左右の縦枠に仮固定し、仮固定後の前記一対の固定ガイド部材を少なくとも前記左右の縦枠に本固定したことを特徴とするものである。
【0012】
この仮固定により、かなりの幅と重さとを有する欄間パネルを極めて容易に取り付けることができ、特に、一人ででも、高いところでの取付作業を極めて容易に行うことができるので、工事代が安価で済むだけでなく、安価な欄間パネル構造を容易に提供できる。
【0013】
また、上記の場合とは異なり、本発明による欄間パネル構造を次のように構成することにより、上記と同様の効果を達成することができる。すなわち、建物内の枠体内に開閉可能に設けられるドアなどの建具の上方において、前記枠体の少なくとも左右の縦枠に一対の固定ガイド部材を取り付け、この一対の固定ガイド部材に軸支されている支持部材に、仮止め手段により前記欄間パネルを仮固定し、仮固定後の前記欄間パネルと前記支持部材とを本固定するとよい。
【0014】
この欄間パネル構造によれば、この仮固定により、かなりの幅と重さとを有する欄間パネルを極めて容易に取り付けることができ、特に、一人ででも、高いところでの取付作業を極めて容易に行うことができるので、工事代が安価で済むだけでなく、安価な欄間パネル構造を容易に提供できる。
【0015】
一方、本発明による欄間パネルを欄間に取り付ける方法は、建物内の枠体内に開閉可能に設けられるドアなどの建具の上方において、一対の固定ガイド部材に軸支されている支持部材に欄間パネルを取り付け、この一対の固定ガイド部材を前記枠体の少なくとも左右の縦枠に仮固定し、しかる後、仮固定された前記一対の固定ガイド部材を少なくとも左右の縦枠に本固定することにより、欄間パネルを欄間に取り付けるものである。
【0016】
この方法により、かなりの幅と重さとを有する欄間パネルを極めて容易に取り付けることができ、特に、一人ででも、高いところでの取付作業を極めて容易に行うことができる。
【0017】
また、本発明による欄間パネルを欄間に取り付ける別の方法は、建物内の枠体内に開閉可能に設けられるドアなどの建具の上方において、前記枠体の少なくとも左右の縦枠に一対の固定ガイド部材を取り付け、この一対の固定ガイド部材の支持部材に軸支されている支持部材に欄間パネルを仮固定し、しかる後、仮固定後の前記欄間パネルと前記支持部材とを本固定することにより、欄間パネルを欄間に取り付けるものである。
【0018】
この場合においても、かなりの幅と重さとを有する欄間パネルを極めて容易に取り付けることができ、特に、一人ででも、高いところでの取付作業を極めて容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0019】
請求項1記載の欄間パネル用金具を用いれば、かなりの幅と重さとを有する欄間パネルをずっと持っている必要がなく、一人ででも、高いところでの取付作業を極めて容易に行うことができる。
【0020】
請求項2記載の欄間パネル用金具を用いても、かなりの幅と重さとを有する欄間パネルをずっと持っている必要がなく、一人ででも、高いところでの取付作業を極めて容易に行うことができる。
【0021】
請求項3記載の欄間パネル用金具を用いれば、枠体内に開閉可能に設けられるドアの上方における枠体の少なくとも左右の縦枠の正規の位置に、一対の固定ガイド部材を取り付け、最終的な位置の固定を行うことができる。
【0022】
請求項4記載の発明によれば、かなりの幅と重さとを有する欄間パネルを極めて容易に取り付けることができ、特に、一人ででも、高いところでの取付作業を極めて容易に行うことができるので、工事代が安価で済むだけでなく、安価な欄間パネル構造を容易に提供できる。
【0023】
請求項5記載の発明においても、かなりの幅と重さとを有する欄間パネルを極めて容易に取り付けることができ、特に、一人ででも、高いところでの取付作業を極めて容易に行うことができるので、工事代がかからないだけでなく、安価な欄間パネル構造を容易に提供できる。
【0024】
請求項6記載の欄間パネル取付方法を採用すれば、かなりの幅と重さとを有する欄間パネルを極めて容易に取り付けることができ、特に、一人ででも、高いところでの取付作業を極めて容易に行うことができる。
【0025】
請求項7記載の欄間パネル取付方法を採用しても、かなりの幅と重さとを有する欄間パネルを極めて容易に取り付けることができ、特に、一人ででも、高いところでの取付作業を極めて容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明による欄間パネル用金具の一例を示す一部切欠の側面図である。
【図2】本発明による欄間パネル構造の一例を示す概略図で、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図3】本発明による欄間パネル用金具により欄間に取り付けられた欄間パネル構造を示す拡大側面図である。
【図4】本発明による欄間パネルを欄間に取り付ける方法の一例を工程順に示す側面図である。
【図5】本発明による欄間パネル用金具の仮止手段と、その変形例を示す概略図で、(a)は仮止手段としてのビスと専用パーツを、(b)は仮止手段としてのプレートを、(c)は仮止手段としてのブラケットを、(d)は仮止手段の一方の取付位置を、(e)は仮止手段による仮止め状況を、(f)〜(i)は別の仮止手段による仮止め状況をそれぞれ示す。
【図6】仮止手段の2つの例を示す図で、(a)は、仮止手段の1つが縦枠と上枠に取り付けられた場合と、その場合の仮止手段のもう1つのプレートとを、(b)は、仮止手段の1つが縦枠と無目(枠材)に取り付けられた場合と、その場合の仮止手段のもう1つのプレートとを示す。
【図7】仮止手段の変形例を示す図で、(a)は、仮止手段の1つを欄間パネル側に取り付け、これを縦枠側に取り付けたもう1つの仮止手段に係合させる場合を、(b)は、縦枠側に取り付けるもう1つの仮止手段の変形例を、(c)は、欄間パネル用金具の支持部材に欄間パネルを仮止めする場合の変形例を、(d)は、(a)の場合のさらなる変形例を、(e)は、縦枠側に取り付けるもう1つの仮止手段の変形例を、(f)は、(a)の場合のさらなる変形例を、(g)、(h)は、仮止手段の1つであるプレートのさらなる変形例を示す。
【図8】本発明による欄間パネル用金具の支持アームの仮固定方法を示す側面図で、(a)は凹凸嵌合による場合を、(b)は着脱自在の嵌合部材を用いた場合を、(c)は粘着材料を用いた場合を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明による欄間パネル用金具及びこの金具により欄間に取り付けられた欄間パネル構造、ならびに、この欄間パネルを欄間に取り付ける方法のそれぞれの一例と、その変形例とを、図面に基づいて詳細に説明する。
【0028】
本発明による欄間パネル用金具1とは、図2に示すように、建物内の躯体Aに設置される枠体B内に、開閉可能に設けられるドアCの上方において、前記枠体B内に欄間パネルDを開閉可能に配置させるために用いるものである。
この欄間パネル用金具1は、基本的には、前記枠体Bの少なくとも左右の縦枠b,bに取り付け得る左右一対の固定ガイド部材2,2と、この一対の固定ガイド部材2,2の少なくとも一方に長手方向の一端側が枢支された支持アーム3と、この支持アーム3の他端側が枢支されていて前記欄間パネルDの両端を支持するための左右一対の支持部材4,4とからなっている。
なお、支持アーム3は左右一対の固定ガイド部材2,2及び支持部材4,4に対して1本でもよいが、力のバランスを考えれば左右に2本配置するのが好ましい。
【0029】
左右一対の支持部材4,4の上隅部分には係合ピン4a,4aが設けられ、各係合ピン4a,4aは左右一対の固定ガイド部材2,2に形成されているガイド溝2a,2aに係合させてある。ガイド溝2a,2aは、図1に示すように、ほぼ垂直な部分とこれに連続して上に行くに従って奥(図1の左側)に食い込む形状をしており、前記係合ピン4a,4aがガイド溝2a,2aの下端にある場合には、前記支持アーム3,3を介して前記支持部材4,4が開いた状態に、前記係合ピン4a,4aがガイド溝2a,2aの上端にある場合には、前記支持アーム3,3を介して前記支持部材4,4が起きて閉じた垂直の状態に位置させることができる。
したがって、建物内の躯体Aに設置される枠体B内に開閉可能に設けられるドアCの上方において、前記支持部材4,4に側面が取り付けられている欄間パネルDを開閉可能に配置させることができる。
【0030】
前記欄間パネルDを取り付けた前記一対の固定ガイド部材2,2を、前記枠体Bの少なくとも左右の縦枠b,bに仮固定させるための仮止め手段が設けられている。本来、前記一対の固定ガイド部材2,2は前記左右の縦枠b,bに固定されるが、この固定ガイド部材2,2に対して支持アーム3,3、支持部材4,4が上述したように連関しているので、前記一対の固定ガイド部材2,2を前記左右の縦枠b,bに固定した後、前記支持部材4,4に1枚の欄間パネルDの両側面を固定しても良いが、欄間パネルDはかなりの幅と重さとを有する1枚ものであるから、一人では到底施工できず、二人以上での作業になっていた。
【0031】
ところが、近年、工場等において前記支持部材4,4に1枚の欄間パネルDの両側面を予め固定しておき、この組み上がったものを施工現場に持ち込んで作業能率を向上させるようになって来た。
そこで、この組み上がったものを施工現場に持ち込んで前記左右の縦枠b,bに固定する作業を一人で行うことができるようになれば、工事代その他様々な面で有利である。
そのために、本発明においては、前記枠体Bの左右の縦枠b,bと欄間パネルDとそれを前記枠体Bの左右の縦枠b,bに取り付けるための金具1とのいずれかを、他の部材に対して一旦仮止めすることができるようにしてある。この仮止め手段を設けたことにより、かなりの幅と重さとを有する欄間パネルを極めて容易に取り付けることができ、特に、一人ででも、高いところでの取付作業を比較的容易に行うことができる。
【0032】
この仮止め手段として、様々なものが考えられるので、それらについて以下詳細に説明する。その一つは、前記欄間パネルDを取り付けた前記一対の固定ガイド部材2,2を、前記枠体Bの少なくとも左右の縦枠b,bに仮固定させる場合である。
この場合においては、例えば、前記左右の縦枠b,b側に仮止め手段の1つである部材を、そして、前記一対の固定ガイド部材2,2側に仮止め手段のもう一方の部材を、取り付ける。
【0033】
前記左右の縦枠b,b側に設けられる仮止め手段の1つである部材とは、例えば、図5(a)に示す4種類のビス5で、1つ目に示すトラスビス、2つ目に示す低頭ビスなどがあるが、ビス頭(抜け止め用の突起形状)を有する市販のビスはほとんど使用する事ができる。また、市販のビスではなくて様々な形状のものが考えられるが、3つ目に示すような仮止め手段専用パーツとしてのビス、4つ目に示すような引掛り抜け防止機能を有する仮止め手段専用ビスなどを挙げることができる。
これらのビスは、仮固定専用のものとして使用することができるだけでなく、本固定用にも兼用できる。このように、仮固定のためにビスを用いた場合には、それらを全て本固定用に兼用できる。
なお、前記左右の縦枠b,bには、このようなビス5を取り付けるための下穴を工場であらかじめ開けておくと良い。
図示したビスの他にも、本固定はできないが仮止め手段としてピン(図示しない)を用い、このピンを嵌合する方式を採用することもできる。
【0034】
また、このビス5に代わるものとして、図5(b)に示す上下2つの突起6a、6aを有する縦長状のプレート6や、図5(c)に示す上下2つの係合爪7a、7aを有する縦長状のブラケット7を挙げることができる。なお、プレート6やブラケット7は、金属製でも樹脂製でも良い。
なお、前記左右の縦枠b,bには、これらのプレート6やブラケット7を工場であらかじめ取り付けておいても良い。
【0035】
一方、前記左右一対の固定ガイド部材2,2側に設けられる仮止め手段のもう一方の部材とは、例えば、図1、図5(b)、(c)に示すように、前記ビス5、突起6a、係合爪7aに係合させ得る係合溝8,9や係合孔10を挙げることができる。
例えば、係合溝8には、前記左右の縦枠b,bに仮固定したビス5,5を係合させることにより、仮固定できる。また、係合溝9には、前記左右の縦枠b,bに固定したプレート6の突起6aを、係合孔10には、前記左右の縦枠b,bに固定したプレート7の係合爪7aを係合させることにより、仮固定できる。
【0036】
したがって、例えば、上下2つのビス5,5と上下2つの係合溝8,8とからなる仮止め手段を用いた場合の作業について説明すると、まず、前記左右の縦枠b,bには、上下2つのビス5,5を取り付けるための下穴を工場であらかじめ開けておき、施工者が現場にて建物内の躯体Aの所定位置に前記左右の縦枠b,bを取り付け、これらに開けられている上下2つの下穴に図4(a)に示すようにビス5,5を仮固定し、これらのビス5,5に左右一対の固定ガイド部材2,2の上下2つの係合溝8,8をそれぞれ係合させると良い。そして、施工者が現場にて前記左右一対の固定ガイド部材2,2に枢着されている支持部材4,4に欄間パネルDの両側面を固定すれば良い。
なお、工場で前記支持部材4,4に1枚の欄間パネルDの両側面をあらかじめ固定しておいても良く、この場合には現場での上記欄間パネルDの取付作業を省略できる。
【0037】
次に、図4(b)に示すように、前記支持アーム3を介して前記一対の固定ガイド部材2,2に対して左右一対の支持部材4,4を倒伏させた状態で、すなわち、前記一対の固定ガイド部材2,2と前記一対の支持部材4,4に取り付けられている欄間パネルDとが、同図矢印で示す角度を有して開いている状態で、図4(c)に示すように、前記左右の縦枠b,bに仮固定された上下2つのビス5,5のうち下側のビス5に、前記支持部材4,4の下側の係合溝8をそれぞれ係合させる。そして、図4(d)の矢印で示すように、下側のビス5,5を中心に左右一対の固定ガイド部材2,2を順次起して行く。
すると、図4(e)とその一部を拡大して示すように、上側の係合溝8の始端部から順次係合して行き、やがて前記左右の縦枠b,bに仮固定された上下2つのビス5,5のうち上側のビス5,5に、前記支持部材4,4の上側の係合溝8,8の折曲部分付近がそれぞれ係合するに至る。
【0038】
そして、下側のビス5,5を中心に左右一対の固定ガイド部材2,2を垂直状態になるまで起すと、欄間パネルDの自重で左右一対の固定ガイド部材2,2が仮固定位置まで下がり、前記上側の係合溝8,8の終端部分が下側のビス5,5に係合する。
かくして、上下2つのビス5,5と上下2つの係合溝8,8とからなる仮止め手段を用いることにより、建物内の躯体Aに設置される枠体B内に開閉可能に設けられるドアCの上方において、前記支持部材4,4に側面が取り付けられている欄間パネルDを仮固定(仮止め)することができる。
したがって、建物内の躯体Aに設置される枠体Bの左右の縦枠b,bに欄間パネルDを取り付けるに当って、上下2つのビス5,5と上下2つの係合溝8,8とからなる仮止め手段を設けたことにより、かなりの幅と重さとを有する欄間パネルDをずっと持っている必要がなく、極めて容易に取り付けることができ、特に、一人ででも、高いところでの取付作業を極めて容易に行うことができる。
【0039】
上下2つの突起6a,6aと上下2つの係合溝9,9とからなる仮止め手段の場合でも、また、上下2つの係合爪7a,7aと上下2つの係合孔10,10とからなる仮止め手段の場合でも、上下2つのビス5,5と上下2つの係合溝8,8とからなる仮止め手段を設けた場合と同様の要領で、一人ででも、高いところでの取付作業を極めて容易に行うことができる。
この場合において、上下2つのビス5,5に代わるものが上下2つの突起6a,6a、あるいは係合爪7a,7aであり、上下2つの係合溝8,8に代わるものが上下2つの係合溝9,9、あるいは上下2つの係合孔10,10であり、それぞれの関係については上で説明した場合と同様であるから、ここでは詳細な説明を省略する。
【0040】
前記左右の縦枠b,b側に設けられる仮止め手段であるビス5、突起6a、あるいは係合爪7aについては、図5(d)に示すように、左右の縦枠b,bに対して1つの場合でも、また、上下2つの場合でも良い。
【0041】
係合溝については、図5(e)の左側に示すように上下2つでも、また、同図右側に示すように1つでも良い。また、引っ掛け方については、図5(e)に示すように、差込んだら落とし込むことができるように、係合溝の途中から折曲して終端が窪む形状にしておいても良いし、図5(f)に示すように、下側の係合溝を下側のビスに係合させ、このビスを軸にして起すと、上側の係合溝を上側のビスに係合させ得るようにしても良い。
なお、上側のビスについては、左右のうち片側だけでも良い。
【0042】
また、突起6aについては、図5(b)に示すように丸い形状をしていても良いし、また、係合爪7aについては、図5(c)及び図5(g)に示すように側面L字形で正面方形状にしても良い。
【0043】
また、プレート6、ブラケット7については、前記突起6a、係合爪7aに代えて図5(h)に示すようにその途中を一定長さで突出させ、相手側である固定ガイド部材2には、前記突出部における突出段部6b、7bに係合させ得る切欠2bを形成しても良い。なお、両者の係合状態を、図5(h)の右端に示す。
【0044】
さらに、プレート6、ブラケット7については、図5(i)に示すように、プレート6、ブラケット7の下端を横L字状に折曲し、相手側である固定ガイド部材2の下端には、この横L字状に折曲した折曲部の溝6c、7cに差し込み得る爪ないし突起2cを形成しても良い。なお、両者の係合状態を、図5(i)の右端に示す。
【0045】
一方、仮止め手段の1つであるビス5については、枠体Bの左右の縦枠b,b側に設けるのに代えて、図6(a)に示すように、枠体Bの左右の縦枠b,bと両縦枠b,b間の上側に配置される横枠bとに設けても良く、また、図6(b)に示すように、枠体Bの左右の縦枠b,bと前記ドアCの上側であって両縦枠b,b間に配置される無目と称する横方向の枠材bとに設けても良い。
【0046】
前者の場合、すなわち、2つのビス5,5を枠体Bの左右の縦枠b,bと横枠bとに設けた場合においては、相手側である固定ガイド部材2を図6(a)に示すような形状のものとし、上側を水平状に折曲した水平部材と垂直方向の部材とに係合溝8,8を設けておけば良い。
そして、側面から見た図である図6(c)に示すように、左右一対の固定ガイド部材2,2の下側の係合溝8,8を両縦枠b,bに設けたビス5,5に係合させ、両ビス5,5を軸に起す。
すると、上から見た図6(d)の左端の状態から、同図の中央の上側に示すように、左右一対の固定ガイド部材2,2の水平方向の部材にそれぞれ形成した係合溝8,8を前記横枠bに設けたビス5,5に係合させることができる。この途中の状態では、同図の中央の下側に示すように、左右一対の固定ガイド部材2,2の垂直方向の部材が撓むが、同図右端の上側に示すように、係合溝8,8の終端にビス5,5が来た仮固定状態になると、同図右端の下側に示すように、元の状態に戻り、仮固定(仮止め)状態となる。
【0047】
また、後者の場合、すなわち、2つのビス5,5を枠体Bの左右の縦枠b,bと無目と称する枠材bとに設けた場合においては、相手側である固定ガイド部材2を図6(b)に示すような形状のものとし、垂直方向の部材の上側と水平状に折曲した下側の水平部材とに係合溝8,8を設けておけば良い。
そして、側面から見た図である図6(e)に示すように、左右一対の固定ガイド部材2,2の下側の係合溝8,8を横方向の枠材bに設けたビス5,5にそれぞれ係合させ、そのまま起す。
すると、図6(e)の左から2番目に示すように、左右一対の固定ガイド部材2,2の垂直方向の部材の上側に形成された係合溝8,8が枠体Bの左右の縦枠b,bに設けたビス5,5に引っ掛かり、さらにその右に示すように、順次係合溝8,8の奥にビス5,5がそれぞれ係合し、最終的に左右一対の固定ガイド部材2,2が下がって前記枠材bに乗り、仮固定(仮止め)状態となる。
【0048】
上述した場合においては、支持部材4,4に欄間パネルDの端面を取り付けた一対の固定ガイド部材2,2を、枠体Bの少なくとも左右の縦枠b,bに仮固定させる場合について説明したが、この場合とは逆に、すなわち、枠体Bの少なくとも左右の縦枠b,bに左右一対の固定ガイド部材2,2を取り付けておき、取り付けられた左右一対の固定ガイド部材2,2に軸支されている支持部材4,4に、1枚の欄間パネルDを仮固定(仮止め)させる場合にも本発明を適用することができる。
【0049】
この場合においては、前記枠体Bの少なくとも左右の縦枠b,bの所定位置に、ボルト等の締付具(図示しない)を用いて左右一対の固定ガイド部材2,2を取り付ける。左右一対の固定ガイド部材2,2に軸支されている支持部材4,4には、図7(a)の右側に示すように、仮止め手段の1つである上下2つの係合溝8’,8’が形成されている。
次いで、図7(a)の左側に示すように、欄間パネルDの左右の端面にもう1つの仮止め手段である上下2つのビス5,5を取り付ける。
そして、同図矢印で示すように、上下2つの前記係合溝8’,8’に、欄間パネルDの左右の端面に設けた上下2つのビス5,5を差込んで係合溝8’,8’の終端である垂直溝まで下げると、仮固定(仮止め)状態となる。しかる後、欄間パネルDを開いた状態で、仮止め用に用いた上下2つのビス5,5をねじ込んで、前記支持部材4,4に欄間パネルDを固定(本固定)する。
【0050】
図7(a)においては、左右一対の固定ガイド部材2,2に軸支されている支持部材4,4に上下2つの係合溝8’,8’を形成したが、図7(b)に示すように、支持部材4の係合溝8’を1つとし、左右の支持部材4,4に形成されたこの係合溝8’に欄間パネルDの左右の端面に設けたビス5を差込んでも良い。
この場合には、仮固定(仮止め)状態が少々揺れることも考えられるが、特に支障はない。そして、仮固定(仮止め)後、欄間パネルDを開いた状態で、仮止め用に用いたビス5をねじ込んで、前記支持部材4,4に欄間パネルDを固定(本固定)する。
なお、係合溝8’が1つの場合には、欄間パネルDの左右の端面に設けるビス5については、前記係合溝8’に対応する位置に1つ設ければ良い。
【0051】
一方、図7(a)、(b)では、支持部材4,4を垂直状態にして欄間パネルDを取り付ける場合について説明したが、図7(c)に示すように、左右の縦枠b,bの所定位置に取り付けた左右一対の固定ガイド部材2,2に対して、支持部材4,4を支持アーム3,3を介して開いた状態とし、開かれた両支持部材4,4の上下2つの係合溝8’,8’に欄間パネルDの左右の端面に設けたビス5,5を差込んで仮固定し、さらに、両ビス5,5をねじ込んで固定(本固定)しても良い。
【0052】
また、突起6aを有するプレート6や係合爪7aを有するブラケット7を用いる場合においては、例えば、欄間パネルDの両端面にブラケット7,7を取り付けた場合を例に挙げて説明すると、前記枠体Bの少なくとも左右の縦枠b,bの所定位置に、ボルト等の締付具(図示しない)を用いて左右一対の固定ガイド部材2,2を取り付ける。左右一対の固定ガイド部材2,2に軸支されている支持部材4,4には、図7(d)の右側に示すように、仮止め手段の1つである上下2つの係合溝8”,8”が形成されている。
次いで、図7(d)の左側に示すように、欄間パネルDの左右の端面にもう1つの仮止め手段であるブラケット7,7を取り付ける。
そして、同図矢印で示すように、上下2つの前記係合溝8”,8”に、欄間パネルDの左右の端面に取り付けた設けたブラケット7,7の上下2つの係合爪7a,7aを差込んで係合溝8”,8”の爪受けまで下げると、仮固定(仮止め)状態となる。しかる後、前記上下2つの係合爪7a,7aと前記上下2つの係合溝8”,8”とを固定(本固定)する。
この場合の本固定については、上下2つの係合爪7a,7aにネジ孔(図示しない)を形成しておき、支持部材4,4に形成しておいたビス挿通用の孔を経て前記ネジ孔に本固定用のビス(図示しない)をねじ込むか、あるいは、前記上下2つの係合爪7a,7aに本固定用の部材(図示しない)を係合させることにより、欄間パネルDと支持部材4,4とを固定(本固定)することができる。
【0053】
図7(d)においては、左右一対の固定ガイド部材2,2の支持部材4,4に上下2つの係合溝8”,8”を形成したが、図7(e)に示すように、支持部材4の係合溝8”を1つとし、左右の支持部材4,4に形成されたこの係合溝8”に欄間パネルDの左右の端面に設けたブラケット7の係合爪7aを差込んでも良い。
この場合には、仮固定(仮止め)状態が少々揺れることも考えられるが、特に支障はない。この場合の本固定についても、前記係合爪7aにネジ孔(図示しない)を形成しておき、支持部材4,4に形成しておいたビス挿通用の孔を経て前記ネジ孔に本固定用のビス(図示しない)をねじ込むか、あるいは、前記係合爪7aに本固定用の部材(図示しない)を係合させることにより、欄間パネルDと支持部材4,4とを固定(本固定)することができる。
なお、係合溝8”が1つの場合には、欄間パネルDの左右の端面に設けるブラケット7の係合爪7aについては、前記係合溝8”に対応する位置に1つ設ければ良い。
【0054】
一方、図7(d)、(e)では、支持部材4,4を垂直状態にして欄間パネルDを取り付ける場合について説明したが、図7(f)に示すように、左右の縦枠b,bの所定位置に取り付けた左右一対の固定ガイド部材2,2に対して、支持部材4,4を支持アーム3,3を介して開いた状態とし、開かれた両支持部材4,4の上下2つの係合溝8”,8”に欄間パネルDの左右の端面に設けた係合爪7a,7aを差込むようにしても良い。
【0055】
また、プレート6、ブラケット7については、図7(g)に示すように、突起6aや係合爪7aに代えてその途中を一定長さで突出させ、相手側である支持部材4については、前記突出部における突出段部6b、7bに係合させ得る上下2つの切欠4c,4cを形成し、支持部材4,4の各切欠4c,4cに欄間パネルDの両端面に取り付けたプレート6やブラケット7の突出段部6b、7bを係合させても良い。なお、両者の係合状態を、図7(g)の左端に示す。
【0056】
さらに、プレート6、ブラケット7については、図7(h)に示すように、プレート6、ブラケット7の下端に爪ないし突起6d,7dを形成し、相手側である支持部材4,4の下端を横L字状に折曲し、横L字状に折曲したこの折曲部の溝4eに前記爪ないし突起2cを差込んでも良い。なお、両者の係合状態を、図7(h)の左端に示す。
【0057】
また、支持部材4,4に欄間パネルDを取り付けるに当って、支持アーム3を支持部材4,4に対して仮固定させ得るようにしておくと良い。このようにすることができれば、欄間パネルDの取付作業時において、欄間パネルDを開いた状態に保持できるので、前記取付作業に極めて有利である。
この具体的手段を例示すると、図8(a)に示すように、支持部材4,4に係合孔4dを形成する一方、支持アーム3に係合突起3aを形成し、前記係合孔4dに前記係合突起3aを嵌合させる場合を挙げることができる。また、図8(b)に示すように、着脱可能な嵌合部材11を用いて支持アーム3を仮固定させても良い。さらに、図8(c)に示すように、支持アーム3と支持部材4とに跨って粘着材料12を貼着し、両者を仮固定させても良い。
【0058】
上述した欄間パネル用金具1を用いれば、上述したように、欄間パネルDを取り付けた左右一対の固定ガイド部材2,2を、枠体Bの少なくとも左右の縦枠b,bに仮固定させることができる。また、上述した欄間パネル用金具1を用いれば、上述したように、枠体Bの少なくとも左右の縦枠b,bに取り付けた一対の固定ガイド部材2,2に軸支されている支持部材4,4に、欄間パネルDを仮固定させることができる。
したがって、かなりの幅と重さとを有する欄間パネルDをずっと持っている必要がなく、極めて容易に取り付けることができ、特に、一人ででも、高いところでの取付作業を極めて容易に行うことができる。
【0059】
ここには、固定後の左右一対の固定ガイド部材2,2を、枠体Bの少なくとも左右の縦枠b,bに位置固定するための手段をさらに備えている場合を例示する。
この位置固定手段としては、例えば、左右一対の固定ガイド部材2,2に形成した孔2d(図1参照)と、この孔2dに挿通するボルト等の締付具13(図3参照)とからなる場合を挙げることができる。そして、枠体Bの少なくとも左右の縦枠b,bに固定された左右一対の固定ガイド部材2,2の孔2dに、前記締付具13をねじ込んで最終的な位置の固定を行えば良い。なお、図3においては、上下2本のビス5,5と本固定手段としての締付具13を便宜上鎖線で示す。
なお、図2(b)及び図3において、符号Eは戸当たりである。
【0060】
一方、上述した欄間パネル用金具1を用いれば、上述したように、建物内の躯体Aに設置される枠体B内に開閉可能に設けられるドアCの上方において、欄間パネルDを取り付けた左右一対の固定ガイド部材2,2が、前記仮止め手段により前記枠体Bの少なくとも左右の縦枠b,bに仮固定され、仮固定後の前記左右一対の固定ガイド部材2,2が前記枠体Bの少なくとも左右の縦枠b,bに本固定された欄間パネル構造とすることができる。
【0061】
また、上述した欄間パネル用金具1を用いれば、上述したように、建物内の躯体Aに設置される枠体B内に開閉可能に設けられるドアCの上方において、前記枠体Bの少なくとも左右の縦枠b,bに左右一対の固定ガイド部材2,2を取り付け、この左右一対の固定ガイド部材2,2に軸支されている支持部材4,4に、前記仮止め手段により前記欄間パネルDが仮固定され、仮固定後の前記欄間パネルDと前記支持部材4,4とが本固定された欄間パネル構造とすることができる。
【0062】
このような仮固定により、かなりの幅と重さとを有する欄間パネルDを極めて容易に取り付けることができ、特に、一人ででも、高いところでの取付作業を極めて容易に行うことができるので、工事代が安価で済むだけでなく、安価な欄間パネル構造を容易に提供できる。
【0063】
さらに、上述した欄間パネル用金具1を用いれば、上述したように、建物内の躯体Aに設置される枠体B内に開閉可能に設けられるドアCの上方において、欄間パネルDを取り付けた左右一対の固定ガイド部材2,2を、前記枠体Bの少なくとも左右の縦枠b,bに仮固定し、しかる後、仮固定された前記左右一対の固定ガイド部材2,2を前記枠体Bの少なくとも左右の縦枠b,bに本固定することにより、欄間パネルDを欄間に取り付けることができる。
【0064】
また、建物内の躯体Aに設置される枠体B内に開閉可能に設けられるドアCの上方において、前記枠体Bの少なくとも左右の縦枠b,bに左右一対の固定ガイド部材2,2を取り付け、この左右一対の固定ガイド部材2,2に軸支されている支持部材4,4に、欄間パネルDを仮固定し、しかる後、仮固定された欄間パネルDと前記支持部材4,4とを本固定することにより、欄間パネルDを欄間に取り付けることができる。
【0065】
このような欄間パネル取付方法を採用することにより、かなりの幅と重さとを有する欄間パネルDを極めて容易に取り付けることができ、特に、一人ででも、高いところでの取付作業を極めて容易に行うことができる。
【0066】
ここでは、左右一対の固定ガイド部材2,2を左右両側において、前記枠体Bの少なくとも左右の縦枠b,bにそれぞれ仮固定し、また、欄間パネルDの左右両側を左右一対の支持部材4,4にそれぞれ仮固定した場合について説明したが、仮固定は左右のうち一方のみでも良い。
【産業上の利用可能性】
【0067】
ここでは、左右一対の固定ガイド部材2,2に縦長状のガイド溝2a,2aを形成し、欄間パネルDを支持する支持部材4,4の係合ピン4a,4aが、前記ガイド溝2a,2aの上端に位置しているとき前記支持部材4,4ならびにこれらに支持されている欄間パネルDが閉じた状態にあり、前記支持部材4,4ならびにこれらに支持されている欄間パネルDが順次開いて行くに従って、前記係合ピン4a,4aが縦長状のガイド溝2a,2a内を滑動してその位置を変え、前記係合ピン4a,4aが縦長状のガイド溝2a,2aの下端に位置したとき、前記支持部材4,4ならびにこれらに支持されている欄間パネルDが完全に開いた状態になり、しかも、当該支持部材4,4ならびにこれらに支持されている欄間パネルDは、外側に開く形式のものを例に挙げて本発明を説明したが、例えば、前記係合ピンのような枢軸が定位置にあって当該枢軸を中心として支持部材ならびにこれらに支持されている欄間パネルが単に開閉する形式のもの(支持部材ならびにこれらに支持されている欄間パネルに対し、枢軸が上端に位置する場合、ほぼ中央に位置する場合、下端に位置する場合の全てを含む)にも適用可能であり、さらに、内・外いずれの方向にも開くことができる形式のものにも、本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0068】
1…欄間パネル用金具、2…固定ガイド部材、2a…ガイド溝、2b…切欠、2c…爪ないし突起、2d…孔、3…支持アーム、3a…係合突起、4…支持部材、4a…係合ピン、4c…切欠、4d…係合孔、5…ビス、6…プレート、6a…突起、6b…突出段部、6c…溝、6d…爪ないし突起、7…ブラケット、7a…係合爪、7b…突出段部、7c…溝、7d…爪ないし突起、8,8’,8”,9…係合溝、10…係合孔、11…嵌合部材、A…躯体、B…枠体、b…縦枠、b…横枠、b…枠材、C…ドア、D…欄間パネル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物内の枠体内に設けられるドアなどの建具の上方において、前記枠体内に欄間パネルを開閉可能に配置させるために用いる金具であって、少なくとも、前記枠体の少なくとも左右の縦枠に取り付け得る一対の固定ガイド部材と、この一対の固定ガイド部材に軸支されていて前記欄間パネルを支持するための支持部材とからなり、前記支持部材に前記欄間パネルを取り付けた後の前記一対の固定ガイド部材を、少なくとも前記左右の縦枠に仮固定させるための仮止め手段を設けたことを特徴とする欄間パネル用金具。
【請求項2】
建物内の枠体内に設けられるドアなどの建具の上方において、前記枠体内に欄間パネルを開閉可能に配置させるために用いる金具であって、少なくとも、前記枠体の少なくとも左右の縦枠に取り付け得る一対の固定ガイド部材と、この一対の固定ガイド部材に軸支されていて前記欄間パネルを支持するための支持部材とからなり、少なくとも前記左右の縦枠に前記一対の固定ガイド部材を取り付けた後の前記支持部材に、前記欄間パネルを仮固定させるための仮止め手段を設けたことを特徴とする欄間パネル用金具。
【請求項3】
一対の固定ガイド部材を枠体の少なくとも左右の縦枠に位置固定するための手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の欄間パネル用金具。
【請求項4】
建物内の枠体内に設けられるドアなどの建具の上方において、一対の固定ガイド部材に軸支されている支持部材に欄間パネルを取り付け、この一対の固定ガイド部材を仮止め手段により前記枠体の少なくとも左右の縦枠に仮固定し、仮固定後の前記一対の固定ガイド部材を少なくとも前記左右の縦枠に本固定したことを特徴とする欄間パネル構造。
【請求項5】
建物内の枠体内に設けられるドアなどの建具の上方において、前記枠体の少なくとも左右の縦枠に一対の固定ガイド部材を取り付け、この一対の固定ガイド部材に軸支されている支持部材に、仮止め手段により欄間パネルを仮固定し、仮固定後の前記欄間パネルと前記支持部材とを本固定したことを特徴とする欄間パネル構造。
【請求項6】
建物内の枠体内に設けられるドアなどの建具の上方において、一対の固定ガイド部材に軸支されている支持部材に欄間パネルを取り付け、この一対の固定ガイド部材を前記枠体の少なくとも左右の縦枠に仮固定し、しかる後、仮固定された前記一対の固定ガイド部材を少なくとも前記左右の縦枠に本固定することにより、欄間パネルを欄間に取り付ける方法。
【請求項7】
建物内の枠体内に設けられるドアなどの建具の上方において、前記枠体の少なくとも左右の縦枠に一対の固定ガイド部材を取り付け、この一対の固定ガイド部材に軸支されている支持部材に欄間パネルを仮固定し、しかる後、仮固定後の前記欄間パネルと前記支持部材とを本固定することにより、欄間パネルを欄間に取り付ける方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−36581(P2012−36581A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−175083(P2010−175083)
【出願日】平成22年8月4日(2010.8.4)
【出願人】(591145461)榎本金属株式会社 (40)
【Fターム(参考)】