歩行姿勢判定装置
【課題】精度よく歩行姿勢を判定する。
【解決手段】本体部を装着するユーザの歩行に従って加速度センサ40から出力される時系列の加速度を受理する手段と、受理される時系列の加速度のうちから、1歩行期間に相当する加速度を抽出する歩行期間抽出手段と、1歩行期間の加速度を積分する積分手段と、積分手段が出力する積分値に基づき、1歩行期間内における本体部の移動の軌跡を取得する取得手段と、取得された軌跡に基づき、所定の判定基準に従って歩行姿勢を判定する判定手段と、を含む。取得手段は、1歩行期間の積分値から、当該1歩行期間の加速度に含まれる誤差成分を導出する誤差導出手段と、導出された誤差成分を用いて、1歩行期間の積分値を補正する補正手段と、を有する。
【解決手段】本体部を装着するユーザの歩行に従って加速度センサ40から出力される時系列の加速度を受理する手段と、受理される時系列の加速度のうちから、1歩行期間に相当する加速度を抽出する歩行期間抽出手段と、1歩行期間の加速度を積分する積分手段と、積分手段が出力する積分値に基づき、1歩行期間内における本体部の移動の軌跡を取得する取得手段と、取得された軌跡に基づき、所定の判定基準に従って歩行姿勢を判定する判定手段と、を含む。取得手段は、1歩行期間の積分値から、当該1歩行期間の加速度に含まれる誤差成分を導出する誤差導出手段と、導出された誤差成分を用いて、1歩行期間の積分値を補正する補正手段と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、歩行姿勢判定装置に関し、特に、当該装置を所定部位に装着するユーザの歩行姿勢を判定するのに適した歩行姿勢判定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザが装着する加速度センサからの3軸の加速度信号に基づいて、腰部の移動軌跡を算出し、移動軌跡から歩行姿勢を判定する装置が提供されている。
【0003】
移動軌跡は、加速度信号を2回積分することから算出できる。しかし、単純な2回積分では、積分定数項の初期値を決める手段が別途必要であり、また、誤差が累積し、正確な軌跡が得られない。つまり、加速度信号と人体の動作は、それぞれ誤差成分を含む。誤差成分は、加速度センサのゼロドリフト誤差、加速度センサの位置ズレ、不定周期の人体動作などに起因する。したがって、単純に2回積分した場合には、誤差が累積されてしまい、累積された誤差により軌跡に誤差成分が含まれる。
【0004】
誤差を補正する技術としては、例えば特許文献1(特開2006−177749号公報)および特許文献2(特開2003−130629号公報)に示す回帰線を用いて誤差を除去する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−177749号公報
【特許文献2】特開2003−130629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の回帰線を用いて誤差を除去する方法は、測定中の誤差補正処理ができない。
【0007】
また、回帰式算出には、測定開始から完了までの全データを必要とするため、回帰曲線とデータとの相関が低い場合、誤差が補正できない。例えば、加速度信号の周期が変化する場合、相関が低くなり、補正による誤差が生じる。したがって、これら技術を適用しても、正確な歩行姿勢の判定は困難である。
【0008】
それゆえに、本発明の目的は、加速度に含まれる誤差を除去して歩行姿勢を判定する歩行姿勢判定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、本体部と、本体部の加速度を検出するための加速度センサと、本体部を装着するユーザの歩行姿勢を判定するための制御手段と、を備える。
【0010】
制御手段は、本体部を装着するユーザの歩行に従って加速度センサから出力される時系列の加速度を受理する手段と、受理される時系列の加速度のうちから、1歩行期間に相当する加速度を抽出する歩行期間抽出手段と、1歩行期間の加速度を積分する積分手段と、積分手段が出力する積分値に基づき、1歩行期間内における本体部の移動の軌跡を取得する取得手段と、取得された前記軌跡に基づき、所定の判定基準に従って歩行姿勢を判定する判定手段と、を含み、取得手段は、1歩行期間の前記積分値から、当該1歩行期間の加速度に含まれる誤差成分を導出する誤差導出手段と、導出された誤差成分を用いて、1歩行期間の積分値を補正する補正手段と、を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、加速度に含まれる誤差を除去して歩行姿勢を判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態に係る活動量計の外観図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る活動量計の使用状態を示す図である。
【図3】ユーザの歩行時の腰の軌跡を歩行の進行方向から見た例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る活動量計のハードウェア構成図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る活動量計の機能の概略を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るメインフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態に係るサブフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態に係るサブフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態に係る歩行に伴う加速度の変化を模式的に示す図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る補正の概念を説明するための図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る区間平均を用いた補正を説明するための図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る1歩行期間毎の補正を説明するための図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る1歩行期間毎の補正を説明するための図である。
【図14】本発明の実施の形態に係る姿勢の判定手順を説明するための図である。
【図15】本発明の実施の形態に係る1歩行期間毎の他の補正を説明するための図である。
【図16】本発明の実施の形態に係る1歩行期間毎の他の補正を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0014】
本実施の形態においては、歩行姿勢判定装置が、歩数測定だけでなく、運動や生活活動(たとえば、掃除機をかける、軽い荷物運び、炊事など)における活動量(運動量ともいう)も測定することが可能な活動量計であることとして実施の形態を説明する。しかし、これに限定されず、歩行姿勢判定装置は、歩数測定が可能な歩数計であってもよい。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態に係る活動量計100の外観図である。図1を参照して、活動量計100は、本体部191およびクリップ部192から主に構成される。クリップ部192は、活動量計100をユーザの着衣などに固定するために用いられる。
【0016】
本体部191には、後述する操作部30の一部を構成する表示切替/決定スイッチ131、メモリスイッチ132および133、ならびにディスプレイ20が設けられる。
【0017】
ディスプレイ20に表示される情報には、ユーザである被測定者について測定された歩数、活動量(消費カロリーなど)および姿勢判定の結果などが含まれる。表示切替/決定スイッチ131は、ディスプレイ20に表示されるべき情報の種類を切替えるために操作される。また、歩数、活動量および姿勢判定の結果は、測定日時と関連付けされて後述のメモリ50に格納される。ユーザは、メモリスイッチ132,133を操作することにより、測定日時の順番に従ってメモリ50から情報を読出し、ディスプレイ20に表示することができる。
【0018】
本実施の形態においては、ディスプレイ20は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)で構成されるが、これに限定されず、EL(Electro Luminescence)ディスプレイなど他の種類のディスプレイであってもよい。
【0019】
図2は、本発明の実施の形態に係る活動量計100の使用状態を示す図である。図2を参照して、活動量計100は、たとえば、ユーザの腰部のベルトに、クリップ部192を用いて装着される。この実施の形態においては、活動量計100は、ユーザの腰の近辺に固定して装着されることが望ましい。
【0020】
なお、本実施の形態において、歩行時のユーザの進行方向をZ軸(進む向きを正方向)とし、歩行時のユーザの左右方向をX軸(右向きを正方向)とし、鉛直方向をY軸(鉛直上向きを正方向)とする座標系を用いることとする。
【0021】
図3は、ユーザの歩行時の腰の軌跡を歩行の進行方向から見た例を示す図である。図3の(A)は、歩行時の腰の軌跡をユーザの画像と重ねた図である。図3の(B)は、ユーザの歩行時の腰の軌跡をグラフで模式的に表わした図である。
【0022】
図3に示す軌跡は、歩行時において、Z軸に垂直な面であるXY平面に投影した軌跡である。XY平面は、X軸と、これに直交するY軸で規定される座標平面に相当する。
【0023】
歩行においては、通常、右足の踵が地面から離されてから、右足が最も高い位置に到達した後に、右足の踵が地面に接触し、次に、左足の踵が地面から離されてから、左足が最も高い位置に到達した後に、左足の踵が地面に接触するといった過程で足が動かされる。ここでは、一方の足(たとえば、右足)の踵の1回目の接地から、当該一方の足の踵の次の接地までの期間を、踵接地期間と言う。
【0024】
このような歩行の過程において、ユーザの腰の軌跡は、まず、右下から左上に向かい、左上の最も高い位置に到達した後に、左下に向かい、左下の最も低い位置に到達した後に、右上に向かい、右上の最も高い位置に到達した後に、右下に向かい、右下の最も低い位置に到達するといった特定のパターンとなる。したがって、ユーザの歩行時の腰の軌跡の、理想的な歩行の軌跡との相関を測定することで、歩行時の姿勢を判定することができる。
【0025】
図4は、本発明の実施の形態に係る活動量計100のハードウェア構成図である。図4を参照して、活動量計100は、全体を制御するためのCPU(Central Processing Unit)10、ディスプレイ20、表示切替/決定スイッチ131、ならびにメモリスイッチ132および133を有する操作部30、加速度センサ40、CPU10で実行されるプログラムおよび各種データを格納するためのメモリ50、タイマ60、電池等の電源70、および外部のコンピュータと有線/無線で通信するための通信I/F(インターフェイスの略)80を含む。さらに、活動量計100は、音声を出力するための機能を含むようにしてもよい。
【0026】
操作部30は、前述の表示切替/決定スイッチ131、ならびにメモリスイッチ132および133を含み、これらのスイッチが操作されたことを示す操作信号をCPU10に送信する。
【0027】
加速度センサ40は、ユーザの歩行などにより活動量計100に加わる加速度成分を得るため、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術の半導体式のものが用いられるが、これに限定されず、機械式または光学式など他の方式のものであってもよい。加速度センサ40は、本実施の形態においては、3軸方向それぞれの加速度を示す検出信号をCPU10に出力する。なお、加速度センサ40は、直交する3軸方向のうちの少なくともX,Y軸方向の加速度を測定できる。
【0028】
メモリ50は不揮発性のメモリを含む。具体的には、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)などを含む。
【0029】
メモリ50は、活動量計100を制御するためのプログラムのデータ、活動量計100を制御するために用いられるデータ、活動量計100の各種機能を設定するための設定データ、および、歩数や活動量などの測定日時と対応する測定結果のデータなどを記憶する。また、メモリ50は、プログラムが実行されるときのワークメモリなどとして用いられる。
【0030】
CPU10は、メモリ50に記憶された活動量計100を制御するためのプログラムに従って、操作部30からの操作信号に応じて、加速度センサ40からの検出信号に基づいて、演算処理を行い、またメモリ50についてのデータの読み書き、およびディスプレイ20に対する表示を制御する。電源70は、取替可能な電池を含み、活動量計100の各部に電力を供給する。
【0031】
活動量計100は、通信I/F80を介して外部のコンピュータ600と通信する。コンピュータ600は、CPU601、メモリ602、通信のための通信I/F(インターフェイス)603、表示など情報の出力機能を担う出力部604、および外部から記録媒体606が着脱自在に装着されて装着された記録媒体606をアクセスするメモリドライバなどのI/F(インターフェイス)605を備える。コンピュータ600は、活動量計100で測定された加速度データを、活動量計100から受信し、受信したデータに基づき歩行姿勢の判定、活動量の評価など、を行う。したがって、本実施の形態に係る歩行姿勢の判定は、活動量計100に代替してコンピュータ600に行わせることもできる。
【0032】
図5は、本発明の実施の形態に係る活動量計100の機能の概略を示すブロック図である。図5を参照して、活動量計100のCPU10は、加速度受理部101、歩行期間抽出部102、位置取得部103、軌跡取得部104、姿勢判定部105、および表示制御部106を含む。
【0033】
また、活動量計100のメモリ50は、記憶領域に相当する加速度データ記憶部51、歩行期間記憶部53、位置記憶部55、軌跡記憶部57、および判定結果記憶部59を含む。
【0034】
なお、本実施の形態においては、CPU10に含まれるこれらの各部は、CPU10によって、後述する図6〜図8のためのプログラムが実行されることによって、CPU10に構成されることとする。しかし、これに限定されず、CPU10に含まれるこれらの各部は、それぞれ、ハードウェア回路として構成されてもよく、またはプログラムとハードウェア回路との組合せにより構成されるとしてもよい。
【0035】
また、メモリ50に含まれるこれらの各部は、メモリ50に構成されることに替えて、レジスタなどのCPU10の内蔵メモリに一時的に構成されるようにしてもよい。
【0036】
加速度受理部101は、加速度センサ40からの出力信号に基づき、3軸方向の加速度データAx(t),Ay(t),Az(t)を検出する。
【0037】
そして、加速度受理部101は、サンプリング周期ごとの加速度データAx(t),Ay(t),Az(t)をメモリ50の加速度データ記憶部51に格納する。変数tは時間(例えば、単位はsec)を指す。なお、サンプリング周期は、後述の1歩行期間に比べて十分に短い。
【0038】
歩行期間抽出部102は、加速度データ記憶部51に記憶された加速度データAx(t),Ay(t)に基づいて踵接地点による歩行期間を特定する。歩行期間抽出部102は、上下軸方向(y方向)の加速度データAy(t)のうち、右足歩行期間の加速度および左足歩行期間の加速度を判定する。ここで、一方の足での歩行期間(すなわち一歩分の歩行期間)は、踵接地区間に相当し、当該足の踵の接地から次の踵の接地までの期間とする。右足歩行期間では左右軸方向(x方向)の加速度データAx(t)のうちの右側加速度が最大となり、左足歩行期間では左右軸方向(x方向)の加速度データAx(t)のうちの左側加速度が最大となる。
【0039】
図9は、本発明の実施の形態に係る歩行に伴う加速度の変化を模式的に示す図である。図9を参照して、歩行期間について説明する。図9の下段の実線で表わされた加速度データAx(t)の変化においては、右側加速度が正、左側加速度が負で表わされているので、上に凸の加速度変化期間が右足歩行期間を表わし、下に凸の加速度変化期間が左足歩行期間を表わしている。
【0040】
上下軸方向(y方向)の加速度データAy(t)については、一方の足での歩行期間に、加速度が0から徐々に増加して最大値に達した後、徐々に減少して0を経て最小値に至り、その後再び徐々に増加して0に戻る、という変化を示す。図9の上段の破線で表わされた加速度データAy(t)の変化においては、加速度の増加側が正、減速側が負で表わされているので、上に凸および下に凸の一組の周期が一方の足の歩行期間(すなわち一歩分の歩行期間)を表わしている。
【0041】
そこで、歩行期間抽出部102は、図9に示されるように、加速度データ記憶部51の左右軸方向の加速度データAx(t)の周期を上下軸方向の加速度データAy(t)の周期に測定時刻を同期させて重ねるように処理することで、上下軸方向の加速度データAy(t)変化の周期が、右足歩行期間の上下軸方向の加速度データAy(t)の変化を表わしたものであるか、左足歩行期間の上下軸方向の加速度データAy(t)変化を表わしたものであるかを判定し、判定結果に基づき、加速度データ記憶部51の加速度データAx(t)およびAy(t)から、それぞれの歩行期間(踵接地区間)の加速度データを読出し、歩行期間記憶部53に格納する。
【0042】
位置取得部103は、歩行期間記憶部53の歩行期間の加速度データを用いてX軸およびY軸それぞれの活動量計100の短時間(ここでは、1歩分の時間(T秒))での相対位置X(t)およびY(t)を算出する。
【0043】
具体的には、積分処理部110は、1歩行期間の加速度データAx(t)およびAy(t)それぞれを積分することによって、X軸およびY軸方向それぞれの速度データVx(t)およびVy(t)を算出する。
【0044】
次いで、速度データVx(t)およびVy(t)それぞれを積分することによって、X軸およびY軸方向それぞれのT時間での初期位置に対する相対位置X(t)およびY(t)を算出する。ここで、初期位置はXY平面における歩行を開始した位置に相当する。
【0045】
本実施の形態では、1歩行期間毎に算出された積分値を上述した誤差を除去する目的で、補正部112によって補正する。図10は、本発明の実施の形態に係る補正の概念を説明する図である。図11は、本発明の実施の形態に係る平均を用いた補正を説明するための図である。ここでは、加速度データAx(t)を用いた補正を説明するが、同様に、加速度データAy(t)の補正にも適用することができる。
【0046】
図10を参照して、1歩行期間の加速度データAx(t)のデータの理想的な波形は、誤差を含まない正弦波波形200であると想定すると、その積分処理によって得られる波形201は、積分定数が0の波形201を指す。一方、誤差が含まれる場合には積分処理により得られる波形202は積分定数C(≠0)を有する。この積分定数Cは、元の加速度データAx(t)のデータに含まれる誤差に起因する。そこで、補正部112は積分定数がゼロとなるように、積分処理結果の値(積分値という)を補正する。
【0047】
図11を参照して、補正部112は、1歩行期間毎に、当該1歩行期間に取得された信号を用いて補正する。補正手順を以下に説明する。
【0048】
(ステップ1):積分処理部110は、歩行期間記憶部53から読出された1歩行期間毎に加速度データAx(t)のデータ(値)を、1階積分することにより速度成分である速度データVx(t)を取得する。
【0049】
(ステップ2):補正部112は、(ステップ1)で取得された速度データVx(t)について、その区間平均MVxを算出する(図11を参照)。なお、区間平均MVxは、速度データVx(t)の積分区間(1歩行期間)における平均値を指し、公知の演算によって算出することができる。
【0050】
(ステップ3):補正部112は、(ステップ2)で取得された区間平均Mxを用いて速度データVx(t)を補正する。具体的には、Vx(t)=Vx(t)−MVxにより、1歩行期間毎に算出された速度成分を補正(更新・変更)する。
【0051】
(ステップ4):積分処理部110は、1歩行期間毎に速度データVx(t)を、1階積分することにより変位(距離)成分である変位データDx(t)を取得する。ここで、変位(距離)は、初期位置からの移動距離を指す。
【0052】
(ステップ5):補正部112は、(ステップ4)で取得された変位データDx(t)について、その区間平均Mdxを算出する(図11を参照)。なお、区間平均Mdxは、変位データDx(t)の積分区間(1歩行期間)における平均値を指し、公知の演算によって算出することができる。
【0053】
(ステップ6):補正部112は、(ステップ5)で取得された区間平均Mdxを用いて変位データDx(t)を補正する。具体的には、Dx(t)=Dx(t)−Mdxにより、1歩行期間毎に算出された変位を補正する。
【0054】
このように加速度から、積分により1歩行期間毎に速度および変位(距離)を算出し、算出した速度および距離を積分区間平均を用いて補正することによって、1歩行期間毎の速度および変位に関する積分定数をゼロにする、またはゼロに近づけることができ、さらに、1歩行期間毎の積分を繰返すことによる誤差の累積をゼロにする、またはゼロに近づけることが可能となる。
【0055】
図12と図13は、本発明の実施の形態に係る1歩行期間毎の補正を説明するための図である。図12の(C)には、加速度センサ40から取得する加速度データAx(t)による波形に一例が示される。この波形を上述の補正をすることなく2階積分によって変位(距離)を取得すると、変位は図12の(A)の波形300ように変化する。これは、積分定数の累積による誤差301が含まれるからである。同様にして、加速度データAy(t)についても、補正することなく積分により変位(距離)を取得すると、その変位にも累積誤差が含まれることになる。したがって、XY平面において、取得されたX,Y軸方向について変位をプロットした場合には図12の(B)のように、歩行による移動の軌跡を一意に特定することができなくなり、後述する歩行姿勢の判定が困難となる。
【0056】
これに対して、本実施の形態のように補正を行った場合には、取得される距離は、図13の(A)の波形400ように変化する。これは、積分定数の累積による誤差401が排除(ゼロに近づける)されるからである。したがって、XY平面において、誤差を含まない距離(変位)をX,Y軸方向についてプロットした場合には図13の(B)のように、歩行による移動の軌跡を一意に特定することが可能となり、後述する歩行姿勢の判定精度を得ることができる。
【0057】
(処理フローチャート)
図6は、本発明の実施の形態に係るメインフローチャートである。図7と図8は、本発明の実施の形態に係るサブフローチャートである。これらフローチャートを参照して、被測定者の歩行姿勢判定の処理について説明する。
【0058】
まず、ユーザは活動量計100を装着し、操作部30の図示がない測定スイッチを操作して、測定開始の指示を入力し、また、再度、測定スイッチを操作することにより測定終了の指示を入力することができる。ユーザは、測定開始の指示を入力すると歩行を開始する。
【0059】
CPU10が測定開始の指示を入力すると、加速度受理部101は加速度センサ40からの出力に基づき、加速度データAx(t)およびAy(t)のデータを入力し、入力したデータを加速度データ記憶部51に格納する(ステップS1)。
【0060】
歩行期間抽出部102は、加速度データ記憶部51から読出す加速度データから、上述した手順に従って、X軸およびY軸方向のそれぞれの加速度データAx(t)およびAy(t)について1歩行期間に相当するデータを抽出する。抽出した1歩行期間のデータを歩行期間記憶部53に格納する(ステップS5)。
【0061】
続いて、位置取得部103によりX軸およびY軸に係る位置が取得される(ステップSS7)。この詳細を図7と図8を参照して説明する。
【0062】
図7を参照して、まず1歩行期間の加速度データAx(t)を用いてX軸方向の変位が取得されて(ステップS20)、また、当該1歩行期間の加速度データAy(t)を用いてY軸方向の変位が取得される(ステップS23)。ステップS20とステップS23の処理は、図8に示す手順を同様に適用することができるので、ここではX軸方向の変位の取得について説明する。
【0063】
まず、積分処理部110は、歩行期間記憶部53から読出された1歩行期間毎に加速度データAx(t)のデータ(値)を、1階積分することにより速度成分である速度データVx(t)を取得する(ステップS30)。
【0064】
補正部112は、取得された速度データVx(t)について、その区間平均MVxを算出し、算出した区間平均MVxを用いて、Vx(t)=Vx(t)−MVxにより、1歩行期間毎に算出された速度成分を補正する(ステップS33)。
【0065】
続いて、積分処理部110は、1歩行期間毎に速度成分であるVx(t)のデータを、1階積分することにより変位(距離)成分である変位データDx(t)を取得する(ステップS35)。補正部112は、取得された変位データDx(t)について、その区間平均Mdxを算出し、算出した区間平均Mdxを用いて、Dx(t)=Dx(t)−Mdxにより、1歩行期間毎に算出された変位成分を補正する(ステップS37)。補正後の変位成分であるDx(t)は位置記憶部55に格納される(ステップS39)。
【0066】
これにより、ステップS20におけるX軸方向の変位成分の取得が終了する。ステップS23では、図8の手順に従って、Y方向の変位成分を取得する。この結果、位置記憶部55には、1歩行期間について取得された変位データDx(t)およびDy(t)が格納が完了する。その後、処理は図6の元の処理に戻る。
【0067】
図6を参照して、CPU10は操作部30から測定終了の指示を入力したか否かを判定する(ステップS9)。この指示は、姿勢判定の要求指示であってもよい。
【0068】
CPU10は、指示を入力したと判定すると(ステップS9でYES)、処理を後述のステップS11へ移行させるが、指示を入力しないと判定すると(ステップS9でNO)、処理はステップS1に戻す。これにより、加速度受理部101および歩行期間抽出部102には、加速度センサ40の出力に基づき次の1歩行期間の加速度データAx(t)およびAy(t)のデータが取得されて、位置取得部103によりデータが積分処理および補正処理されることにより変位が取得される。
【0069】
指示を入力した場合には(ステップS9でYES)、軌跡取得部104は、位置記憶部55から1歩行期間の変位である変位データDx(t)とDy(t)を読出し、読出した両データを同一時間tに基づく座標(Dx(t),Dy(t))として、XY平面にプロットすることにより、軌跡データ(たとえば、図13の(B)を参照)を取得する(ステップS11)。軌跡データは、軌跡記憶部57において、たとえば配列型のデータとして格納される。
【0070】
続いて、姿勢判定部105は、軌跡記憶部57から読出した軌跡データに基づき歩行時の姿勢を判定し、判定の結果を判定結果記憶部59に格納するとともに、表示制御部106に出力する(ステップS13)。表示制御部106は、姿勢判定部105から入力する判定結果、または判定結果記憶部59から読出した判定結果をディスプレイ20に出力する(ステップS15)。なお、判定結果は、表示とともに音声にて出力してもよく、または表示に代替して音声で出力してもよい。
【0071】
(姿勢の判定)
図14は、本発明の実施の形態に係る姿勢の判定手順を説明するための図である。姿勢判定部105による判定処理を説明する。ここでは、軌跡記憶部57の1歩行期間のデータに基づき、図14のような軌跡がプロットされると想定する。
【0072】
図14には、XY平面に投影した軌跡のパターンによって示される特徴点(1)〜(8)が例示される。特徴点(1)は、歩行期間のうち、右足が接地したときの点であり、特徴点(2)は、歩行期間のうち、右足が立脚しているときの点(特に鉛直方向に最も高い位置にユーザの腰があるときの点)であり、特徴点(3)は、歩行期間のうち、左足が接地したときの点であり、特徴点(4)は、歩行期間のうち、左足が立脚しているときの点(特に鉛直方向に最も高い位置にユーザの腰があるときの点)であり、特徴点(5)は、歩行期間のうち、右足が接地したときの点である。
【0073】
特徴点(6)は、歩行期間のうち、最も右側にユーザの腰があるときの点であり、特徴点(7)は、歩行期間のうち、最も左側にユーザの腰があるときの点であり、特徴点(8)は、歩行期間における、腰の軌跡の交点である。
【0074】
姿勢判定部105は、図14の軌跡に基づき、図示されるような各特徴点間の距離HL,HR,WLおよびWRを取得し、取得した距離に基づき、たとえば以下のようなロジックに従って姿勢を判定する。
【0075】
腰上下運動の左右バランス:
RL=(HL−HR)/(HL+HR)
IF|RL|≧0.15 THEN“姿勢バランス悪い”
ELSE“姿勢バランス良い”
腰左右運動の左右バランス:
RL=(WL−WR)/(WL+WR)
IF|RL|≧1.0 THEN“姿勢バランス悪い”
ELSE“姿勢バランス良い”
(他の補正方法)
位置取得部103は、誤差を排除するために積分の区間平均を用いたが、区間平均に代替して、回帰式を用いて誤差を排除するための補正をしてもよい。
【0076】
図15と図16は、本発明の実施の形態に係る1歩行期間毎の他の補正を説明するための図である。図15の(A)と(B)は、たとえば図12の(C)の加速度データAx(t)のデータから、補正をすることなく2階積分によって変位(距離)を取得すると、変位は図15の(A)の波形300ように変化する。これは、積分定数の累積による誤差301が含まれるからであり、同様にして、加速度データAy(t)についても、補正することなく積分により変位(距離)を取得すると、その変位にも累積誤差が含まれることになる。したがって、取得される軌跡(図15の(B)参照)からは、歩行による移動軌跡を一意に特定することができない。
【0077】
ここで、発明者らは、誤差301は、ゼロからほぼ単調的に増加することに着目し、直線近似によって誤差を推定(算出)する。
【0078】
具体的には、積分処理部110は、歩行期間記憶部53から読出した1歩行期間の加速度データを所定区間毎に(たとえば1サンプリング周期毎に)積分する、いわゆる区分求積法に従って所定区間毎に積分値を算出する。補正部112は、算出した各積分値を最小2乗法などに従って回帰分析することによって、誤差301の単調増加を示す近似式である一次回帰式F(t)(F(t)=at+b)を導出する。なお、a,bは分析により求まる係数である。ここで、所定区間は1歩行期間に比較して十分に短い期間である。
【0079】
補正部112は式F(t)を用いて、所定区間毎に対応する誤差を算出し、算出した誤差を、積分処理部110によって算出された当該所定区間の積分値から減じることによって、当該積分値を補正する。したがって、区間平均よりも精度よく誤差を算出することができる。
【0080】
このような回帰式を用いた補正を、加速度データAx(t),Ay(t)の1階積分に適用することにより速度データVx(t),Vy(t)を算出し、さらに速度データVx(t),Vy(t)の1階積分に適用することにより変位データDx(t),Dy(t)を算出する。これにより、上述の区間平均を用いる場合よりも、補正の精度を高くすることができる。
【0081】
回帰式を用いた補正により取得される距離(変位データDx(t),Dy(t))は、図16の(A)の波形500のように変化する。これは、積分定数の累積による誤差501が排除される(または、ゼロに近づく)からである。したがって、軌跡記憶部57において取得される軌跡からは、図16の(B)のように、歩行による移動軌跡を一意に特定することが可能となる。
【0082】
(さらなる他の補正方法)
上述した区間平均を、ユーザの歩行周期に基づき算出するようにしてもよい。ここで、歩行周期とは、1歩行期間の長さ(時間)を指す。
【0083】
活動量計100のサンプリング周期は常に同じであるとしても、活動量計100を装着するユーザによって歩行の仕方は異なる、または同一ユーザであっても路面などの条件によって歩行の仕方は異なることから、1歩行期間の長さは同じとはならない。したがって、歩行周期のばらつきから、加速度センサ40が1歩行期間毎にサンプリングする(出力する)加速度データの個数は相違することになる。
【0084】
そこで、補正部112は、移動平均により区間平均を算出する。すなわち、1歩行期間に加速度受理部101が受理した加速度データの個数に応じて異なる大きさの重み値を算出し、算出した重み値を、区間平均を算出するための各積分データに付加し、重み付けされた積分データを用いて区間平均を算出する。
【0085】
これにより、重み付けのない区間平均に比べて、歩行周期の変化に従う重み付けがなされた区間平均を用いて補正する方が、歩行周期の長さに依存しない補正が可能となる。
【0086】
(さらなる他の補正方法)
本実施の形態では、1歩行期間毎に積分処理することにより、速度および変位を算出する。したがって、1歩行期間の積分処理毎に、図10で説明した当該1歩行期間の累積誤差成分である積分定数Cが導出される。このような積分定数について何ら処理をしないと、次位の1歩行期間の積分処理に対する誤差として累積されることになる。その場合には、次位の1歩行期間の開始位置は、本来は初期位置に一致するべきところ、累積された積分定数に相当する距離だけ初期位置からずれた位置を指すことになる。したがって、歩行の全期間に渡って、このように積分定数が累積加算されると、ユーザの移動軌跡を一意に特定することができず、歩行姿勢の判定が困難となる。
【0087】
そこで、補正部112は、1歩行期間毎に、次位の1歩行期間の開始位置が初期位置に一致するように、当該1歩行期間の積分処理によって算出された誤差(積分定数に相当)を算出し、算出した誤差を用いて当該1歩行期間の積分処理によって算出される終了位置の積分値を、初期位置に対する相対位置X(t)およびY(t)を指示するように補正する。これにより、次位の1歩行期間の開始位置は、初期位置に対する相対位置X(t)およびY(t)を指示することになる。これにより、各1歩行期間について、1歩行期間の開始位置を初期位置に一致させることが可能となり、その結果、ユーザの移動軌跡を一意に特定することが可能となる。
【0088】
これに代替して、1歩行期間の積分処理により算出された誤差(積分定数に相当)を用いて、次位の1歩行期間の開始位置の積分値を、初期位置に対する相対位置X(t)およびY(t)を指示するように補正してもよい。
【0089】
上述した実施の形態では、加速度データを2階積分することにより変位を導出し、各階の積分毎に補正をすることにより、補正を2回行うが、補正の回数は1回でもよい。たとえば、加速度から速度への積分に関しては補正を省略し、速度から変位への積分に関してのみ補正を行うようにしてもよい。または、加速度から速度への積分に関してのみ補正を行い、速度から変位への積分に関しては補正を省略するようにしてもよい。
【0090】
このように各補正の方法によれば、1歩行期間毎に補正をするとしたので、歩行周期によらず誤差のない軌跡を取得することができる。また、歩行中に補正を行うことができることから、歩行中にリアルタイムに歩行姿勢判定の結果を出力することができる。また、補正は1歩行期間毎に行うことから、歩行中の全ての加速度、速度および変位のデータを格納しておく必要は無く、メモリの使用量を少なくできる。
【0091】
(他の実施の形態)
上述の実施の形態の活動量計100による歩行期間の判定、軌跡取得、姿勢判定および出力の機能は、コンピュータ600が備えてもよい。
【0092】
コンピュータ600は、活動量計100で測定された加速度データを、活動量計100から受信し、受信したデータに基づき歩行姿勢の判定、活動量の評価など、を行う。したがって、本実施の形態に係る歩行姿勢の判定は、活動量計100に代替してコンピュータ600に行わせることもできる。
【0093】
コンピュータ600は、典型的には、汎用のコンピュータで構成される。コンピュータ600で実行される上述の各種機能に係るプログラムは、CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)などの記録媒体606に格納されて流通する。記録媒体606に格納されたプログラムは、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)ドライブに相当の機能を有するI/F25によって読取られ、コンピュータ600内のメモリ602の一部であるハードディスク(図示せず)などへ格納される。あるいは、上位のホストコンピュータなどからネットワークを通じてプログラムをダウンロードするように構成してもよい。
【0094】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0095】
40 加速度センサ、51 加速度データ記憶部、53 歩行期間記憶部、55 位置記憶部、57 軌跡記憶部、59 判定結果記憶部、100 活動量計、101 加速度受理部、102 歩行期間抽出部、103 位置取得部、104 軌跡取得部、105 姿勢判定部、106 表示制御部、110 積分処理部、112 補正部。
【技術分野】
【0001】
この発明は、歩行姿勢判定装置に関し、特に、当該装置を所定部位に装着するユーザの歩行姿勢を判定するのに適した歩行姿勢判定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザが装着する加速度センサからの3軸の加速度信号に基づいて、腰部の移動軌跡を算出し、移動軌跡から歩行姿勢を判定する装置が提供されている。
【0003】
移動軌跡は、加速度信号を2回積分することから算出できる。しかし、単純な2回積分では、積分定数項の初期値を決める手段が別途必要であり、また、誤差が累積し、正確な軌跡が得られない。つまり、加速度信号と人体の動作は、それぞれ誤差成分を含む。誤差成分は、加速度センサのゼロドリフト誤差、加速度センサの位置ズレ、不定周期の人体動作などに起因する。したがって、単純に2回積分した場合には、誤差が累積されてしまい、累積された誤差により軌跡に誤差成分が含まれる。
【0004】
誤差を補正する技術としては、例えば特許文献1(特開2006−177749号公報)および特許文献2(特開2003−130629号公報)に示す回帰線を用いて誤差を除去する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−177749号公報
【特許文献2】特開2003−130629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の回帰線を用いて誤差を除去する方法は、測定中の誤差補正処理ができない。
【0007】
また、回帰式算出には、測定開始から完了までの全データを必要とするため、回帰曲線とデータとの相関が低い場合、誤差が補正できない。例えば、加速度信号の周期が変化する場合、相関が低くなり、補正による誤差が生じる。したがって、これら技術を適用しても、正確な歩行姿勢の判定は困難である。
【0008】
それゆえに、本発明の目的は、加速度に含まれる誤差を除去して歩行姿勢を判定する歩行姿勢判定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、本体部と、本体部の加速度を検出するための加速度センサと、本体部を装着するユーザの歩行姿勢を判定するための制御手段と、を備える。
【0010】
制御手段は、本体部を装着するユーザの歩行に従って加速度センサから出力される時系列の加速度を受理する手段と、受理される時系列の加速度のうちから、1歩行期間に相当する加速度を抽出する歩行期間抽出手段と、1歩行期間の加速度を積分する積分手段と、積分手段が出力する積分値に基づき、1歩行期間内における本体部の移動の軌跡を取得する取得手段と、取得された前記軌跡に基づき、所定の判定基準に従って歩行姿勢を判定する判定手段と、を含み、取得手段は、1歩行期間の前記積分値から、当該1歩行期間の加速度に含まれる誤差成分を導出する誤差導出手段と、導出された誤差成分を用いて、1歩行期間の積分値を補正する補正手段と、を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、加速度に含まれる誤差を除去して歩行姿勢を判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態に係る活動量計の外観図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る活動量計の使用状態を示す図である。
【図3】ユーザの歩行時の腰の軌跡を歩行の進行方向から見た例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る活動量計のハードウェア構成図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る活動量計の機能の概略を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るメインフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態に係るサブフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態に係るサブフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態に係る歩行に伴う加速度の変化を模式的に示す図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る補正の概念を説明するための図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る区間平均を用いた補正を説明するための図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る1歩行期間毎の補正を説明するための図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る1歩行期間毎の補正を説明するための図である。
【図14】本発明の実施の形態に係る姿勢の判定手順を説明するための図である。
【図15】本発明の実施の形態に係る1歩行期間毎の他の補正を説明するための図である。
【図16】本発明の実施の形態に係る1歩行期間毎の他の補正を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0014】
本実施の形態においては、歩行姿勢判定装置が、歩数測定だけでなく、運動や生活活動(たとえば、掃除機をかける、軽い荷物運び、炊事など)における活動量(運動量ともいう)も測定することが可能な活動量計であることとして実施の形態を説明する。しかし、これに限定されず、歩行姿勢判定装置は、歩数測定が可能な歩数計であってもよい。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態に係る活動量計100の外観図である。図1を参照して、活動量計100は、本体部191およびクリップ部192から主に構成される。クリップ部192は、活動量計100をユーザの着衣などに固定するために用いられる。
【0016】
本体部191には、後述する操作部30の一部を構成する表示切替/決定スイッチ131、メモリスイッチ132および133、ならびにディスプレイ20が設けられる。
【0017】
ディスプレイ20に表示される情報には、ユーザである被測定者について測定された歩数、活動量(消費カロリーなど)および姿勢判定の結果などが含まれる。表示切替/決定スイッチ131は、ディスプレイ20に表示されるべき情報の種類を切替えるために操作される。また、歩数、活動量および姿勢判定の結果は、測定日時と関連付けされて後述のメモリ50に格納される。ユーザは、メモリスイッチ132,133を操作することにより、測定日時の順番に従ってメモリ50から情報を読出し、ディスプレイ20に表示することができる。
【0018】
本実施の形態においては、ディスプレイ20は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)で構成されるが、これに限定されず、EL(Electro Luminescence)ディスプレイなど他の種類のディスプレイであってもよい。
【0019】
図2は、本発明の実施の形態に係る活動量計100の使用状態を示す図である。図2を参照して、活動量計100は、たとえば、ユーザの腰部のベルトに、クリップ部192を用いて装着される。この実施の形態においては、活動量計100は、ユーザの腰の近辺に固定して装着されることが望ましい。
【0020】
なお、本実施の形態において、歩行時のユーザの進行方向をZ軸(進む向きを正方向)とし、歩行時のユーザの左右方向をX軸(右向きを正方向)とし、鉛直方向をY軸(鉛直上向きを正方向)とする座標系を用いることとする。
【0021】
図3は、ユーザの歩行時の腰の軌跡を歩行の進行方向から見た例を示す図である。図3の(A)は、歩行時の腰の軌跡をユーザの画像と重ねた図である。図3の(B)は、ユーザの歩行時の腰の軌跡をグラフで模式的に表わした図である。
【0022】
図3に示す軌跡は、歩行時において、Z軸に垂直な面であるXY平面に投影した軌跡である。XY平面は、X軸と、これに直交するY軸で規定される座標平面に相当する。
【0023】
歩行においては、通常、右足の踵が地面から離されてから、右足が最も高い位置に到達した後に、右足の踵が地面に接触し、次に、左足の踵が地面から離されてから、左足が最も高い位置に到達した後に、左足の踵が地面に接触するといった過程で足が動かされる。ここでは、一方の足(たとえば、右足)の踵の1回目の接地から、当該一方の足の踵の次の接地までの期間を、踵接地期間と言う。
【0024】
このような歩行の過程において、ユーザの腰の軌跡は、まず、右下から左上に向かい、左上の最も高い位置に到達した後に、左下に向かい、左下の最も低い位置に到達した後に、右上に向かい、右上の最も高い位置に到達した後に、右下に向かい、右下の最も低い位置に到達するといった特定のパターンとなる。したがって、ユーザの歩行時の腰の軌跡の、理想的な歩行の軌跡との相関を測定することで、歩行時の姿勢を判定することができる。
【0025】
図4は、本発明の実施の形態に係る活動量計100のハードウェア構成図である。図4を参照して、活動量計100は、全体を制御するためのCPU(Central Processing Unit)10、ディスプレイ20、表示切替/決定スイッチ131、ならびにメモリスイッチ132および133を有する操作部30、加速度センサ40、CPU10で実行されるプログラムおよび各種データを格納するためのメモリ50、タイマ60、電池等の電源70、および外部のコンピュータと有線/無線で通信するための通信I/F(インターフェイスの略)80を含む。さらに、活動量計100は、音声を出力するための機能を含むようにしてもよい。
【0026】
操作部30は、前述の表示切替/決定スイッチ131、ならびにメモリスイッチ132および133を含み、これらのスイッチが操作されたことを示す操作信号をCPU10に送信する。
【0027】
加速度センサ40は、ユーザの歩行などにより活動量計100に加わる加速度成分を得るため、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術の半導体式のものが用いられるが、これに限定されず、機械式または光学式など他の方式のものであってもよい。加速度センサ40は、本実施の形態においては、3軸方向それぞれの加速度を示す検出信号をCPU10に出力する。なお、加速度センサ40は、直交する3軸方向のうちの少なくともX,Y軸方向の加速度を測定できる。
【0028】
メモリ50は不揮発性のメモリを含む。具体的には、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)などを含む。
【0029】
メモリ50は、活動量計100を制御するためのプログラムのデータ、活動量計100を制御するために用いられるデータ、活動量計100の各種機能を設定するための設定データ、および、歩数や活動量などの測定日時と対応する測定結果のデータなどを記憶する。また、メモリ50は、プログラムが実行されるときのワークメモリなどとして用いられる。
【0030】
CPU10は、メモリ50に記憶された活動量計100を制御するためのプログラムに従って、操作部30からの操作信号に応じて、加速度センサ40からの検出信号に基づいて、演算処理を行い、またメモリ50についてのデータの読み書き、およびディスプレイ20に対する表示を制御する。電源70は、取替可能な電池を含み、活動量計100の各部に電力を供給する。
【0031】
活動量計100は、通信I/F80を介して外部のコンピュータ600と通信する。コンピュータ600は、CPU601、メモリ602、通信のための通信I/F(インターフェイス)603、表示など情報の出力機能を担う出力部604、および外部から記録媒体606が着脱自在に装着されて装着された記録媒体606をアクセスするメモリドライバなどのI/F(インターフェイス)605を備える。コンピュータ600は、活動量計100で測定された加速度データを、活動量計100から受信し、受信したデータに基づき歩行姿勢の判定、活動量の評価など、を行う。したがって、本実施の形態に係る歩行姿勢の判定は、活動量計100に代替してコンピュータ600に行わせることもできる。
【0032】
図5は、本発明の実施の形態に係る活動量計100の機能の概略を示すブロック図である。図5を参照して、活動量計100のCPU10は、加速度受理部101、歩行期間抽出部102、位置取得部103、軌跡取得部104、姿勢判定部105、および表示制御部106を含む。
【0033】
また、活動量計100のメモリ50は、記憶領域に相当する加速度データ記憶部51、歩行期間記憶部53、位置記憶部55、軌跡記憶部57、および判定結果記憶部59を含む。
【0034】
なお、本実施の形態においては、CPU10に含まれるこれらの各部は、CPU10によって、後述する図6〜図8のためのプログラムが実行されることによって、CPU10に構成されることとする。しかし、これに限定されず、CPU10に含まれるこれらの各部は、それぞれ、ハードウェア回路として構成されてもよく、またはプログラムとハードウェア回路との組合せにより構成されるとしてもよい。
【0035】
また、メモリ50に含まれるこれらの各部は、メモリ50に構成されることに替えて、レジスタなどのCPU10の内蔵メモリに一時的に構成されるようにしてもよい。
【0036】
加速度受理部101は、加速度センサ40からの出力信号に基づき、3軸方向の加速度データAx(t),Ay(t),Az(t)を検出する。
【0037】
そして、加速度受理部101は、サンプリング周期ごとの加速度データAx(t),Ay(t),Az(t)をメモリ50の加速度データ記憶部51に格納する。変数tは時間(例えば、単位はsec)を指す。なお、サンプリング周期は、後述の1歩行期間に比べて十分に短い。
【0038】
歩行期間抽出部102は、加速度データ記憶部51に記憶された加速度データAx(t),Ay(t)に基づいて踵接地点による歩行期間を特定する。歩行期間抽出部102は、上下軸方向(y方向)の加速度データAy(t)のうち、右足歩行期間の加速度および左足歩行期間の加速度を判定する。ここで、一方の足での歩行期間(すなわち一歩分の歩行期間)は、踵接地区間に相当し、当該足の踵の接地から次の踵の接地までの期間とする。右足歩行期間では左右軸方向(x方向)の加速度データAx(t)のうちの右側加速度が最大となり、左足歩行期間では左右軸方向(x方向)の加速度データAx(t)のうちの左側加速度が最大となる。
【0039】
図9は、本発明の実施の形態に係る歩行に伴う加速度の変化を模式的に示す図である。図9を参照して、歩行期間について説明する。図9の下段の実線で表わされた加速度データAx(t)の変化においては、右側加速度が正、左側加速度が負で表わされているので、上に凸の加速度変化期間が右足歩行期間を表わし、下に凸の加速度変化期間が左足歩行期間を表わしている。
【0040】
上下軸方向(y方向)の加速度データAy(t)については、一方の足での歩行期間に、加速度が0から徐々に増加して最大値に達した後、徐々に減少して0を経て最小値に至り、その後再び徐々に増加して0に戻る、という変化を示す。図9の上段の破線で表わされた加速度データAy(t)の変化においては、加速度の増加側が正、減速側が負で表わされているので、上に凸および下に凸の一組の周期が一方の足の歩行期間(すなわち一歩分の歩行期間)を表わしている。
【0041】
そこで、歩行期間抽出部102は、図9に示されるように、加速度データ記憶部51の左右軸方向の加速度データAx(t)の周期を上下軸方向の加速度データAy(t)の周期に測定時刻を同期させて重ねるように処理することで、上下軸方向の加速度データAy(t)変化の周期が、右足歩行期間の上下軸方向の加速度データAy(t)の変化を表わしたものであるか、左足歩行期間の上下軸方向の加速度データAy(t)変化を表わしたものであるかを判定し、判定結果に基づき、加速度データ記憶部51の加速度データAx(t)およびAy(t)から、それぞれの歩行期間(踵接地区間)の加速度データを読出し、歩行期間記憶部53に格納する。
【0042】
位置取得部103は、歩行期間記憶部53の歩行期間の加速度データを用いてX軸およびY軸それぞれの活動量計100の短時間(ここでは、1歩分の時間(T秒))での相対位置X(t)およびY(t)を算出する。
【0043】
具体的には、積分処理部110は、1歩行期間の加速度データAx(t)およびAy(t)それぞれを積分することによって、X軸およびY軸方向それぞれの速度データVx(t)およびVy(t)を算出する。
【0044】
次いで、速度データVx(t)およびVy(t)それぞれを積分することによって、X軸およびY軸方向それぞれのT時間での初期位置に対する相対位置X(t)およびY(t)を算出する。ここで、初期位置はXY平面における歩行を開始した位置に相当する。
【0045】
本実施の形態では、1歩行期間毎に算出された積分値を上述した誤差を除去する目的で、補正部112によって補正する。図10は、本発明の実施の形態に係る補正の概念を説明する図である。図11は、本発明の実施の形態に係る平均を用いた補正を説明するための図である。ここでは、加速度データAx(t)を用いた補正を説明するが、同様に、加速度データAy(t)の補正にも適用することができる。
【0046】
図10を参照して、1歩行期間の加速度データAx(t)のデータの理想的な波形は、誤差を含まない正弦波波形200であると想定すると、その積分処理によって得られる波形201は、積分定数が0の波形201を指す。一方、誤差が含まれる場合には積分処理により得られる波形202は積分定数C(≠0)を有する。この積分定数Cは、元の加速度データAx(t)のデータに含まれる誤差に起因する。そこで、補正部112は積分定数がゼロとなるように、積分処理結果の値(積分値という)を補正する。
【0047】
図11を参照して、補正部112は、1歩行期間毎に、当該1歩行期間に取得された信号を用いて補正する。補正手順を以下に説明する。
【0048】
(ステップ1):積分処理部110は、歩行期間記憶部53から読出された1歩行期間毎に加速度データAx(t)のデータ(値)を、1階積分することにより速度成分である速度データVx(t)を取得する。
【0049】
(ステップ2):補正部112は、(ステップ1)で取得された速度データVx(t)について、その区間平均MVxを算出する(図11を参照)。なお、区間平均MVxは、速度データVx(t)の積分区間(1歩行期間)における平均値を指し、公知の演算によって算出することができる。
【0050】
(ステップ3):補正部112は、(ステップ2)で取得された区間平均Mxを用いて速度データVx(t)を補正する。具体的には、Vx(t)=Vx(t)−MVxにより、1歩行期間毎に算出された速度成分を補正(更新・変更)する。
【0051】
(ステップ4):積分処理部110は、1歩行期間毎に速度データVx(t)を、1階積分することにより変位(距離)成分である変位データDx(t)を取得する。ここで、変位(距離)は、初期位置からの移動距離を指す。
【0052】
(ステップ5):補正部112は、(ステップ4)で取得された変位データDx(t)について、その区間平均Mdxを算出する(図11を参照)。なお、区間平均Mdxは、変位データDx(t)の積分区間(1歩行期間)における平均値を指し、公知の演算によって算出することができる。
【0053】
(ステップ6):補正部112は、(ステップ5)で取得された区間平均Mdxを用いて変位データDx(t)を補正する。具体的には、Dx(t)=Dx(t)−Mdxにより、1歩行期間毎に算出された変位を補正する。
【0054】
このように加速度から、積分により1歩行期間毎に速度および変位(距離)を算出し、算出した速度および距離を積分区間平均を用いて補正することによって、1歩行期間毎の速度および変位に関する積分定数をゼロにする、またはゼロに近づけることができ、さらに、1歩行期間毎の積分を繰返すことによる誤差の累積をゼロにする、またはゼロに近づけることが可能となる。
【0055】
図12と図13は、本発明の実施の形態に係る1歩行期間毎の補正を説明するための図である。図12の(C)には、加速度センサ40から取得する加速度データAx(t)による波形に一例が示される。この波形を上述の補正をすることなく2階積分によって変位(距離)を取得すると、変位は図12の(A)の波形300ように変化する。これは、積分定数の累積による誤差301が含まれるからである。同様にして、加速度データAy(t)についても、補正することなく積分により変位(距離)を取得すると、その変位にも累積誤差が含まれることになる。したがって、XY平面において、取得されたX,Y軸方向について変位をプロットした場合には図12の(B)のように、歩行による移動の軌跡を一意に特定することができなくなり、後述する歩行姿勢の判定が困難となる。
【0056】
これに対して、本実施の形態のように補正を行った場合には、取得される距離は、図13の(A)の波形400ように変化する。これは、積分定数の累積による誤差401が排除(ゼロに近づける)されるからである。したがって、XY平面において、誤差を含まない距離(変位)をX,Y軸方向についてプロットした場合には図13の(B)のように、歩行による移動の軌跡を一意に特定することが可能となり、後述する歩行姿勢の判定精度を得ることができる。
【0057】
(処理フローチャート)
図6は、本発明の実施の形態に係るメインフローチャートである。図7と図8は、本発明の実施の形態に係るサブフローチャートである。これらフローチャートを参照して、被測定者の歩行姿勢判定の処理について説明する。
【0058】
まず、ユーザは活動量計100を装着し、操作部30の図示がない測定スイッチを操作して、測定開始の指示を入力し、また、再度、測定スイッチを操作することにより測定終了の指示を入力することができる。ユーザは、測定開始の指示を入力すると歩行を開始する。
【0059】
CPU10が測定開始の指示を入力すると、加速度受理部101は加速度センサ40からの出力に基づき、加速度データAx(t)およびAy(t)のデータを入力し、入力したデータを加速度データ記憶部51に格納する(ステップS1)。
【0060】
歩行期間抽出部102は、加速度データ記憶部51から読出す加速度データから、上述した手順に従って、X軸およびY軸方向のそれぞれの加速度データAx(t)およびAy(t)について1歩行期間に相当するデータを抽出する。抽出した1歩行期間のデータを歩行期間記憶部53に格納する(ステップS5)。
【0061】
続いて、位置取得部103によりX軸およびY軸に係る位置が取得される(ステップSS7)。この詳細を図7と図8を参照して説明する。
【0062】
図7を参照して、まず1歩行期間の加速度データAx(t)を用いてX軸方向の変位が取得されて(ステップS20)、また、当該1歩行期間の加速度データAy(t)を用いてY軸方向の変位が取得される(ステップS23)。ステップS20とステップS23の処理は、図8に示す手順を同様に適用することができるので、ここではX軸方向の変位の取得について説明する。
【0063】
まず、積分処理部110は、歩行期間記憶部53から読出された1歩行期間毎に加速度データAx(t)のデータ(値)を、1階積分することにより速度成分である速度データVx(t)を取得する(ステップS30)。
【0064】
補正部112は、取得された速度データVx(t)について、その区間平均MVxを算出し、算出した区間平均MVxを用いて、Vx(t)=Vx(t)−MVxにより、1歩行期間毎に算出された速度成分を補正する(ステップS33)。
【0065】
続いて、積分処理部110は、1歩行期間毎に速度成分であるVx(t)のデータを、1階積分することにより変位(距離)成分である変位データDx(t)を取得する(ステップS35)。補正部112は、取得された変位データDx(t)について、その区間平均Mdxを算出し、算出した区間平均Mdxを用いて、Dx(t)=Dx(t)−Mdxにより、1歩行期間毎に算出された変位成分を補正する(ステップS37)。補正後の変位成分であるDx(t)は位置記憶部55に格納される(ステップS39)。
【0066】
これにより、ステップS20におけるX軸方向の変位成分の取得が終了する。ステップS23では、図8の手順に従って、Y方向の変位成分を取得する。この結果、位置記憶部55には、1歩行期間について取得された変位データDx(t)およびDy(t)が格納が完了する。その後、処理は図6の元の処理に戻る。
【0067】
図6を参照して、CPU10は操作部30から測定終了の指示を入力したか否かを判定する(ステップS9)。この指示は、姿勢判定の要求指示であってもよい。
【0068】
CPU10は、指示を入力したと判定すると(ステップS9でYES)、処理を後述のステップS11へ移行させるが、指示を入力しないと判定すると(ステップS9でNO)、処理はステップS1に戻す。これにより、加速度受理部101および歩行期間抽出部102には、加速度センサ40の出力に基づき次の1歩行期間の加速度データAx(t)およびAy(t)のデータが取得されて、位置取得部103によりデータが積分処理および補正処理されることにより変位が取得される。
【0069】
指示を入力した場合には(ステップS9でYES)、軌跡取得部104は、位置記憶部55から1歩行期間の変位である変位データDx(t)とDy(t)を読出し、読出した両データを同一時間tに基づく座標(Dx(t),Dy(t))として、XY平面にプロットすることにより、軌跡データ(たとえば、図13の(B)を参照)を取得する(ステップS11)。軌跡データは、軌跡記憶部57において、たとえば配列型のデータとして格納される。
【0070】
続いて、姿勢判定部105は、軌跡記憶部57から読出した軌跡データに基づき歩行時の姿勢を判定し、判定の結果を判定結果記憶部59に格納するとともに、表示制御部106に出力する(ステップS13)。表示制御部106は、姿勢判定部105から入力する判定結果、または判定結果記憶部59から読出した判定結果をディスプレイ20に出力する(ステップS15)。なお、判定結果は、表示とともに音声にて出力してもよく、または表示に代替して音声で出力してもよい。
【0071】
(姿勢の判定)
図14は、本発明の実施の形態に係る姿勢の判定手順を説明するための図である。姿勢判定部105による判定処理を説明する。ここでは、軌跡記憶部57の1歩行期間のデータに基づき、図14のような軌跡がプロットされると想定する。
【0072】
図14には、XY平面に投影した軌跡のパターンによって示される特徴点(1)〜(8)が例示される。特徴点(1)は、歩行期間のうち、右足が接地したときの点であり、特徴点(2)は、歩行期間のうち、右足が立脚しているときの点(特に鉛直方向に最も高い位置にユーザの腰があるときの点)であり、特徴点(3)は、歩行期間のうち、左足が接地したときの点であり、特徴点(4)は、歩行期間のうち、左足が立脚しているときの点(特に鉛直方向に最も高い位置にユーザの腰があるときの点)であり、特徴点(5)は、歩行期間のうち、右足が接地したときの点である。
【0073】
特徴点(6)は、歩行期間のうち、最も右側にユーザの腰があるときの点であり、特徴点(7)は、歩行期間のうち、最も左側にユーザの腰があるときの点であり、特徴点(8)は、歩行期間における、腰の軌跡の交点である。
【0074】
姿勢判定部105は、図14の軌跡に基づき、図示されるような各特徴点間の距離HL,HR,WLおよびWRを取得し、取得した距離に基づき、たとえば以下のようなロジックに従って姿勢を判定する。
【0075】
腰上下運動の左右バランス:
RL=(HL−HR)/(HL+HR)
IF|RL|≧0.15 THEN“姿勢バランス悪い”
ELSE“姿勢バランス良い”
腰左右運動の左右バランス:
RL=(WL−WR)/(WL+WR)
IF|RL|≧1.0 THEN“姿勢バランス悪い”
ELSE“姿勢バランス良い”
(他の補正方法)
位置取得部103は、誤差を排除するために積分の区間平均を用いたが、区間平均に代替して、回帰式を用いて誤差を排除するための補正をしてもよい。
【0076】
図15と図16は、本発明の実施の形態に係る1歩行期間毎の他の補正を説明するための図である。図15の(A)と(B)は、たとえば図12の(C)の加速度データAx(t)のデータから、補正をすることなく2階積分によって変位(距離)を取得すると、変位は図15の(A)の波形300ように変化する。これは、積分定数の累積による誤差301が含まれるからであり、同様にして、加速度データAy(t)についても、補正することなく積分により変位(距離)を取得すると、その変位にも累積誤差が含まれることになる。したがって、取得される軌跡(図15の(B)参照)からは、歩行による移動軌跡を一意に特定することができない。
【0077】
ここで、発明者らは、誤差301は、ゼロからほぼ単調的に増加することに着目し、直線近似によって誤差を推定(算出)する。
【0078】
具体的には、積分処理部110は、歩行期間記憶部53から読出した1歩行期間の加速度データを所定区間毎に(たとえば1サンプリング周期毎に)積分する、いわゆる区分求積法に従って所定区間毎に積分値を算出する。補正部112は、算出した各積分値を最小2乗法などに従って回帰分析することによって、誤差301の単調増加を示す近似式である一次回帰式F(t)(F(t)=at+b)を導出する。なお、a,bは分析により求まる係数である。ここで、所定区間は1歩行期間に比較して十分に短い期間である。
【0079】
補正部112は式F(t)を用いて、所定区間毎に対応する誤差を算出し、算出した誤差を、積分処理部110によって算出された当該所定区間の積分値から減じることによって、当該積分値を補正する。したがって、区間平均よりも精度よく誤差を算出することができる。
【0080】
このような回帰式を用いた補正を、加速度データAx(t),Ay(t)の1階積分に適用することにより速度データVx(t),Vy(t)を算出し、さらに速度データVx(t),Vy(t)の1階積分に適用することにより変位データDx(t),Dy(t)を算出する。これにより、上述の区間平均を用いる場合よりも、補正の精度を高くすることができる。
【0081】
回帰式を用いた補正により取得される距離(変位データDx(t),Dy(t))は、図16の(A)の波形500のように変化する。これは、積分定数の累積による誤差501が排除される(または、ゼロに近づく)からである。したがって、軌跡記憶部57において取得される軌跡からは、図16の(B)のように、歩行による移動軌跡を一意に特定することが可能となる。
【0082】
(さらなる他の補正方法)
上述した区間平均を、ユーザの歩行周期に基づき算出するようにしてもよい。ここで、歩行周期とは、1歩行期間の長さ(時間)を指す。
【0083】
活動量計100のサンプリング周期は常に同じであるとしても、活動量計100を装着するユーザによって歩行の仕方は異なる、または同一ユーザであっても路面などの条件によって歩行の仕方は異なることから、1歩行期間の長さは同じとはならない。したがって、歩行周期のばらつきから、加速度センサ40が1歩行期間毎にサンプリングする(出力する)加速度データの個数は相違することになる。
【0084】
そこで、補正部112は、移動平均により区間平均を算出する。すなわち、1歩行期間に加速度受理部101が受理した加速度データの個数に応じて異なる大きさの重み値を算出し、算出した重み値を、区間平均を算出するための各積分データに付加し、重み付けされた積分データを用いて区間平均を算出する。
【0085】
これにより、重み付けのない区間平均に比べて、歩行周期の変化に従う重み付けがなされた区間平均を用いて補正する方が、歩行周期の長さに依存しない補正が可能となる。
【0086】
(さらなる他の補正方法)
本実施の形態では、1歩行期間毎に積分処理することにより、速度および変位を算出する。したがって、1歩行期間の積分処理毎に、図10で説明した当該1歩行期間の累積誤差成分である積分定数Cが導出される。このような積分定数について何ら処理をしないと、次位の1歩行期間の積分処理に対する誤差として累積されることになる。その場合には、次位の1歩行期間の開始位置は、本来は初期位置に一致するべきところ、累積された積分定数に相当する距離だけ初期位置からずれた位置を指すことになる。したがって、歩行の全期間に渡って、このように積分定数が累積加算されると、ユーザの移動軌跡を一意に特定することができず、歩行姿勢の判定が困難となる。
【0087】
そこで、補正部112は、1歩行期間毎に、次位の1歩行期間の開始位置が初期位置に一致するように、当該1歩行期間の積分処理によって算出された誤差(積分定数に相当)を算出し、算出した誤差を用いて当該1歩行期間の積分処理によって算出される終了位置の積分値を、初期位置に対する相対位置X(t)およびY(t)を指示するように補正する。これにより、次位の1歩行期間の開始位置は、初期位置に対する相対位置X(t)およびY(t)を指示することになる。これにより、各1歩行期間について、1歩行期間の開始位置を初期位置に一致させることが可能となり、その結果、ユーザの移動軌跡を一意に特定することが可能となる。
【0088】
これに代替して、1歩行期間の積分処理により算出された誤差(積分定数に相当)を用いて、次位の1歩行期間の開始位置の積分値を、初期位置に対する相対位置X(t)およびY(t)を指示するように補正してもよい。
【0089】
上述した実施の形態では、加速度データを2階積分することにより変位を導出し、各階の積分毎に補正をすることにより、補正を2回行うが、補正の回数は1回でもよい。たとえば、加速度から速度への積分に関しては補正を省略し、速度から変位への積分に関してのみ補正を行うようにしてもよい。または、加速度から速度への積分に関してのみ補正を行い、速度から変位への積分に関しては補正を省略するようにしてもよい。
【0090】
このように各補正の方法によれば、1歩行期間毎に補正をするとしたので、歩行周期によらず誤差のない軌跡を取得することができる。また、歩行中に補正を行うことができることから、歩行中にリアルタイムに歩行姿勢判定の結果を出力することができる。また、補正は1歩行期間毎に行うことから、歩行中の全ての加速度、速度および変位のデータを格納しておく必要は無く、メモリの使用量を少なくできる。
【0091】
(他の実施の形態)
上述の実施の形態の活動量計100による歩行期間の判定、軌跡取得、姿勢判定および出力の機能は、コンピュータ600が備えてもよい。
【0092】
コンピュータ600は、活動量計100で測定された加速度データを、活動量計100から受信し、受信したデータに基づき歩行姿勢の判定、活動量の評価など、を行う。したがって、本実施の形態に係る歩行姿勢の判定は、活動量計100に代替してコンピュータ600に行わせることもできる。
【0093】
コンピュータ600は、典型的には、汎用のコンピュータで構成される。コンピュータ600で実行される上述の各種機能に係るプログラムは、CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)などの記録媒体606に格納されて流通する。記録媒体606に格納されたプログラムは、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)ドライブに相当の機能を有するI/F25によって読取られ、コンピュータ600内のメモリ602の一部であるハードディスク(図示せず)などへ格納される。あるいは、上位のホストコンピュータなどからネットワークを通じてプログラムをダウンロードするように構成してもよい。
【0094】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0095】
40 加速度センサ、51 加速度データ記憶部、53 歩行期間記憶部、55 位置記憶部、57 軌跡記憶部、59 判定結果記憶部、100 活動量計、101 加速度受理部、102 歩行期間抽出部、103 位置取得部、104 軌跡取得部、105 姿勢判定部、106 表示制御部、110 積分処理部、112 補正部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、
前記本体部の加速度を検出するための加速度センサと、
前記本体部を装着するユーザの歩行姿勢を判定するための制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記本体部を装着するユーザの歩行に従って前記加速度センサから出力される時系列の加速度を受理する手段と、
受理される時系列の加速度のうちから、1歩行期間に相当する加速度を抽出する歩行期間抽出手段と、
前記1歩行期間の加速度を積分する積分手段と、
前記積分手段が出力する積分値に基づき、1歩行期間内における前記本体部の移動の軌跡を取得する取得手段と、
取得された前記軌跡に基づき、所定の判定基準に従って歩行姿勢を判定する判定手段と、を含み、
前記取得手段は、
前記1歩行期間の前記積分値から、当該1歩行期間の加速度に含まれる誤差成分を導出する誤差導出手段と、
導出された前記誤差成分を用いて、前記1歩行期間の前記積分値を補正する補正手段と、を有する、歩行姿勢判定装置。
【請求項2】
前記1歩行期間は、ユーザの一方の足の接地から、当該一方の足の次の接地までに要する時間を指す、請求項1に記載の歩行姿勢判定装置。
【請求項3】
前記誤差導出手段は、
前記誤差成分として、前記1歩行期間の前記積分値の区間平均を算出する、請求項1または2に記載の歩行姿勢判定装置。
【請求項4】
前記誤差導出手段は、
前記誤差成分として、前記積分手段による前記1歩行期間の積分における累積誤差を算出する、請求項1または2に記載の歩行姿勢判定装置。
【請求項5】
前記誤差導出手段は、
前記誤差成分を、前記1歩行期間の前記積分値を用いた回帰式から算出する、請求項1または2に記載の歩行姿勢判定装置。
【請求項6】
前記誤差導出手段は、
前記誤差成分を、前記1歩行期間の前記積分値の移動平均から算出する、請求項1または2に記載の歩行姿勢判定装置。
【請求項7】
前記加速度センサが検出する加速度は、
前記本体部の鉛直方向および左右方向の直交する2軸の各方向の加速度を含む、請求項1から6のいずれかに記載の歩行姿勢判定装置。
【請求項8】
本体部を装着するユーザの歩行に従って、本体部に加わる時系列の加速度を受理する手段と、
受理される時系列の加速度のうちから、1歩行期間に相当する加速度を抽出する歩行期間抽出手段と、
前記1歩行期間の加速度を積分する積分手段と、
前記積分手段が出力する積分値に基づき、1歩行期間内における前記本体部の移動の軌跡を取得する取得手段と、
取得された前記軌跡に基づき、所定の判定基準に従って歩行姿勢を判定する判定手段と、を備え、
前記取得手段は、
前記1歩行期間の前記積分値から、当該1歩行期間の加速度に含まれる誤差成分を導出する誤差導出手段と、
導出された前記誤差成分を用いて、前記1歩行期間の前記積分値を補正する補正手段と、を含む、歩行姿勢判定装置。
【請求項1】
本体部と、
前記本体部の加速度を検出するための加速度センサと、
前記本体部を装着するユーザの歩行姿勢を判定するための制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記本体部を装着するユーザの歩行に従って前記加速度センサから出力される時系列の加速度を受理する手段と、
受理される時系列の加速度のうちから、1歩行期間に相当する加速度を抽出する歩行期間抽出手段と、
前記1歩行期間の加速度を積分する積分手段と、
前記積分手段が出力する積分値に基づき、1歩行期間内における前記本体部の移動の軌跡を取得する取得手段と、
取得された前記軌跡に基づき、所定の判定基準に従って歩行姿勢を判定する判定手段と、を含み、
前記取得手段は、
前記1歩行期間の前記積分値から、当該1歩行期間の加速度に含まれる誤差成分を導出する誤差導出手段と、
導出された前記誤差成分を用いて、前記1歩行期間の前記積分値を補正する補正手段と、を有する、歩行姿勢判定装置。
【請求項2】
前記1歩行期間は、ユーザの一方の足の接地から、当該一方の足の次の接地までに要する時間を指す、請求項1に記載の歩行姿勢判定装置。
【請求項3】
前記誤差導出手段は、
前記誤差成分として、前記1歩行期間の前記積分値の区間平均を算出する、請求項1または2に記載の歩行姿勢判定装置。
【請求項4】
前記誤差導出手段は、
前記誤差成分として、前記積分手段による前記1歩行期間の積分における累積誤差を算出する、請求項1または2に記載の歩行姿勢判定装置。
【請求項5】
前記誤差導出手段は、
前記誤差成分を、前記1歩行期間の前記積分値を用いた回帰式から算出する、請求項1または2に記載の歩行姿勢判定装置。
【請求項6】
前記誤差導出手段は、
前記誤差成分を、前記1歩行期間の前記積分値の移動平均から算出する、請求項1または2に記載の歩行姿勢判定装置。
【請求項7】
前記加速度センサが検出する加速度は、
前記本体部の鉛直方向および左右方向の直交する2軸の各方向の加速度を含む、請求項1から6のいずれかに記載の歩行姿勢判定装置。
【請求項8】
本体部を装着するユーザの歩行に従って、本体部に加わる時系列の加速度を受理する手段と、
受理される時系列の加速度のうちから、1歩行期間に相当する加速度を抽出する歩行期間抽出手段と、
前記1歩行期間の加速度を積分する積分手段と、
前記積分手段が出力する積分値に基づき、1歩行期間内における前記本体部の移動の軌跡を取得する取得手段と、
取得された前記軌跡に基づき、所定の判定基準に従って歩行姿勢を判定する判定手段と、を備え、
前記取得手段は、
前記1歩行期間の前記積分値から、当該1歩行期間の加速度に含まれる誤差成分を導出する誤差導出手段と、
導出された前記誤差成分を用いて、前記1歩行期間の前記積分値を補正する補正手段と、を含む、歩行姿勢判定装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−205816(P2012−205816A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−74680(P2011−74680)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(503246015)オムロンヘルスケア株式会社 (584)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(503246015)オムロンヘルスケア株式会社 (584)
【Fターム(参考)】
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