説明

歩行者検出装置

【課題】車両に搭載したカメラとして可視光領域の安価なカメラを用いることができる安価(低コスト)な構成により、横断歩道以外であっても歩行者を精度よく検出する。
【解決手段】変化領域初期検出部4により、車両1搭載したカメラ2の撮影画像に出現した画像個所を変化領域として初期検出し、検出窓設定部5、変化領域更新部6により、撮影画像の前記変化領域の周辺に複数の検出窓を初期設定し、各検出窓のいずれかに新たに出現した画像個所を変化領域として検出して更新し、その後に得られる撮影画像の更新した変化領域の周辺に各検出窓を設定することをくり返して歩行者特有の動きを検知し、可視光領域の安価なカメラを用いて横断歩道以外であっても歩行者を精度よく検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両に搭載したカメラの車両周囲(例えば前方)の撮影画像から歩行者を検出する歩行者検出装置に関し、詳しくは、安価に検出精度を向上する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両(自動車)のヘッドライトの有効な照明範囲には限りがあり、その範囲が天候等にも左右されることから、車両の夜間走行等においては、ヘッドライトに照らされた歩行者の視認が容易でなく、歩行者が突然出現して接近したり横切ったりする可能性がある。
【0003】
このような場合の安全走行を図るため、従来、車両に赤外線カメラを搭載し、歩行者が発する赤外線を検出して歩行者を検出することが考えられているが、赤外線カメラは高価であり、車両コストが大幅にアップする。
【0004】
そこで、車両に通常のCCD単眼カメラのような可視光領域で使用可能な安価なカメラを搭載し、このカメラが撮影する車両前方の前後する2フレームの撮影画像の差から移動する縦長の画像を歩行者(人)として検出することが提案されている(例えば、特許文献1(段落[0003]−[0006]、[0009]−[0012]、図1等)参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−31230号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の検出装置の場合、安価な可視光領域のカメラを用いることができるので低コストではあるが、縦長の画像は歩行者(人)でない場合もあり、逆に、例えば歩行者の足先だけがヘッドライトに照らされるような場合には歩行者であっても縦長の画像になるとは限らない。そのため、歩行者の検出精度が低く、とくに横断歩道以外では、路側の看板や標識等の縦長の画像となるものが多数存在し、それらと区別して歩行者を検出することは容易でない。
【0007】
本発明は、車両に搭載したカメラとして可視光領域の安価なカメラを用いることができる安価(低コスト)な構成により、横断歩道以外であっても歩行者を精度よく検出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した目的を達成するために、本発明の歩行者検出装置は、車両に搭載したカメラの車両周囲の撮影画像から歩行者を検出する歩行者検出装置であって、前記カメラの撮影画像に出現した画像個所を変化領域として初期検出し、その後に得られる撮影画像の前記変化領域の周辺に複数の検出窓を初期設定する初期設定手段と、前記各検出窓のいずれかに新たに出現した画像個所を前記変化領域として検出して前記変化領域を更新し、その後に得られる撮影画像の更新した前記変化領域の周辺に前記各検出窓を設定することをくり返し、前記各検出窓のいずれかに新たな画像個所が出現することのくり返しから歩行者特有の動きを検知して歩行者を検出する検出手段とを備えたことを特徴としている(請求項1)。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、車両に搭載したカメラの時間が前後する車両周囲の撮影画像の差から歩行者を検出するため、可視光領域の安価なカメラを用いることができ、安価(低コスト)な構成である。
【0010】
そして、例えば歩行者の脚部に注目すると、左足と右足は交互に前(進む方向)に移動し、夜間等において歩行者が前進して車両に接近する場合、前側に移動した左足又は右足(一方の足)が突然車両のヘッドライトに照らさて撮影画像に出現する。
【0011】
さらに、歩行者は、一方の足を軸足として他方の足(右足又は左足)を前に移動して前進し、その後、一方の足と他方の足を交互に前方に移動する。そのため、カメラの撮影画像に新たに出現する前方の足は、一方の足と他方の足とに交互に変化する。
【0012】
そして、初期設定手段により、最初に出現した一方の足、例えば左足の画像個所を変化領域として初期検出し、その周辺である変化領域の左右両側に検出窓を初期設定すると、その後の撮影画像の右側の検出窓に他方の足である右足が出現する。
【0013】
さらに、検出手段により、変化領域を、出現した右足の画像個所に変更し、変更した変化領域の左右両側に検出窓を設定すると、その後の撮影画像の左側の検出窓に左足が出現し、変化領域を、出現した左足の画像個所に再変更し、再変更した変化領域の左右両側に検出窓を設定すると、その後の撮影画像の右側の検出窓に右足が出現し、左右の足を交互に前に出すという歩行者特有の動きに基づき、以降同様にして、変更した変化領域の左右両側の検出窓に交互に新たな前側の足が出現し、必ず、変化領域の左右両側の検出窓のいずれか一方(片側)に新たな画像個所が出現する。
【0014】
また、歩行者が前進して車両の前方を左右方向に横断する場合は、左右の足を交互に前方に出すという歩行者特有の動きに基づいて歩行者が前進して横断すると、撮影画像上では移動方向に進むように歩行者の左足と右足が交互に出現する。そして、出現した足の画像個所を変化領域として検出・更新するとともに、変化領域の左右両側に検出窓を設定すると、その後の画像には前方に出した足が移動方向側の検出窓に出現する。そのため、この場合も、必ず、変化領域の左右両側の検出窓のいずれか一方(片側)に新たな画像個所が出現する。
【0015】
なお、左右の足を交互に前に出す動きをしない車両や路側の標識・看板等の障害物であれば、撮影画像に少しずつ大きくなる同じ画像が出現するだけなので、変化領域や検出窓を設定することができず、変化領域の左右両側の検出窓のいずれか一方(片側)に新たな画像個所が出現するようなことはない。
【0016】
したがって、検出手段は、例えば歩行者の脚部に注目すると、変化領域の左右両側の検出窓のいずれか一方(片側)に新たな画像個所が出現することのくり返しから、横断歩道の有無等にかかわらず、左右の足を交互に前方に出すという歩行者特有の動きを検知して歩行者を精度よく検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の歩行者検出装置の一実施形態のブロック図である。
【図2】歩行者の撮影例の説明図である。
【図3】車両に向かって前進する歩行者の検出の説明図である。
【図4】図1の歩行者検出装置の動作説明用のフローチャートである。
【図5】車両の前を横切って前進する歩行者の検出の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。
【0019】
図1は車両1が備える本発明の歩行者検出装置の一例の構成を示し、車両1は、車両周囲の撮影画像として例えば1/30秒のフレーム周期で撮影した自車前方の撮影画像を出力するカメラ2が搭載される。カメラ2は安価な可視光領域の撮影用のカメラであり、具体的にはモノクロ又はカラーの単眼CCDカメラである。
【0020】
3は夜間等にドライバの操作によって又は自動的に点灯する車両1のヘッドライト(前照灯)であり、車両1の前部左右に設けられて車両1の前方を照らし、カメラ2の照明光源も兼ねる。図2は矢印線aの方向に走行する車両1のヘッドライト3の前方照射例を示し、図中の2点破線はヘッドライト3の左右の照射範囲であり、Pは矢印線bに示すように前進する前方の歩行者である。この場合、歩行者Pのヘッドライト3の照射範囲より遠くにある部分は、図中の斜線に示すように暗く、カメラ2では撮影されない。一方、歩行者Pのヘッドライト3の照射範囲内の部分はカメラ2で撮影され、その際、車両1に近い部分程、明るく(高輝度に)撮影される。
【0021】
歩行者Pは、左右の両足を交互に前に出して前進(歩行)し、その際、両手も両足とは逆に交互に前後する。また、頭部は上下に変動する。これらの動きが歩行者特有の動きである。
【0022】
図3(a)は図2に示したように夜間等に歩行者Pが前進し、車両1に歩行者Pが前方から近づく状況を横から眺めた模式図であり、この場合、歩行者Pの脚部に注目すると、車両1と歩行者Pとがある距離まで近づき、歩行者Pの前に出した一方の足(ここでは右足とする)がヘッドライト3の照射範囲内に入ることにより、図3(b)に示すように、カメラ2の撮影画像に突然歩行者Pの一方の足(○印の左足l)が反射光の画像として出現し、つぎに、図3(c)に示すように前に出した他方の足(ここでは●印の右足r)が一方の足より明るい反射光の画像として撮影画像に出現し、以降、図3(d)、(e)に示すように、一方の足と他方の足とが交互に前になってより明るい反射光の画像として撮影画像に出現する。この現象は歩行者Pの腕部に注目した場合には左右の両手について同様に出現する。また、頭部については、歩行者Pが歩行すると、頭部が上下動して少なくともその上端がヘッドライト3の照射範囲の上端より上下に移動して撮影画像に周期的に出現する。
【0023】
図1の4、5、6、7はマイクロコンピュータのプログラム(ソフトウェア処理)によって形成される変化領域初期検出部、検出窓設定部、変化領域更新部、歩行者検出部であり、変化領域初期検出部4は本発明の初期設定手段を形成し、検出窓設定部5、変化領域更新部6、歩行者検出部7が本発明の検出手段を形成する。
【0024】
そして、歩行者Pの脚部に注目すると、変化領域初期検出部4は、カメラ2の撮影画像の各部の輝度が一定値以下であれば、カメラ2の毎フレームの撮影画像の輝度の差をくり返し演算する。このとき、歩行者Pが前に出しつつある一方の足が前記照射範囲に入ると、時間が前後する時系列の複数フレームの撮影画像は前記一方の足の反射によって明るくなる部分が次第に大きくなり、前記一方の足が着地して最も前に出たときに極大になる。変化領域検出部4は、前記極大になる大きさを予想して設定された基準面積以上の大きさの部分の輝度がしきい値以上になると、それを歩行者Pの新たな足の画像個所の出現ととらえ、その画像個所を予め設定された矩形や円形の変化領域Aとして初期検出する図3(b)。検出窓設定部5は、初期検出された変化領域Aの周辺である変化領域Aの左右に、予め設定された大きさの矩形や円形の検出窓Bを初期設定し、変化領域Aとその左右の検出窓Bで構成された検出枠を形成する(図3(c))。なお、図3(b)〜(e)のtn〜tn+3は新たな足の出現が検出された時間順の各フィールドを示す。
【0025】
変化領域更新部6は、その後のカメラ2の撮影画像に前記検出枠を重ねて左右の検出窓Bの部分の輝度の変化を監視する。そして、歩行者Pが最初に出現した一方の足を軸にして他方の足を前に出すと、両検出窓Bはそれぞれ足の反射画像を確実に捕捉するように大きさ等が設定されているので、前に出された他方の足の反射画像の出現によって両検出窓Bのいずれかの輝度が前記しきい値以上に明るくなる(ここでは図3(c)の○印を付した検出窓Bが明るくなる)。この検出窓Bの明るさの変化から、変化領域更新部6は、新たに出現した画像個所を変化領域Aとして検出し、他方の足の反射画像が出現した検出窓Bを変化領域Aに設定して変化領域Aを更新する(図3(d))。
【0026】
さらに、検出窓設定部5により、更新された変化領域Aの左右に検出窓Bを設定し(図3(d))、変化領域更新部6は、その後のカメラ2の撮影画像に前記検出枠を重ねて左右の検出窓Bの部分の輝度の変化を監視する。そして、前進する歩行者Pが他方の足を軸にして一方の足を前に出すと、前に出された一方の足の反射画像の出現によって対応する検出窓B(ここでは右側の検出窓B)の輝度が前記しきい値以上に明るくなる(図3(d)の○印を付した検出窓)。この検出窓Bの明るさの変化から、変化領域更新部6は、新たに出現した画像個所を変化領域Aとして検出し、一方の足の反射画像が出現した検出窓Bを変化領域Aに設定して変化領域Aを更新し、検出窓設定部5がその左右に検出窓Bを設定する(図3(e))。そして、変化領域更新部6により、その後のカメラ2の撮影画像に前記検出枠を重ねて左右の検出窓Bの部分の輝度の変化を監視し、つぎに前に出された他方の足の反射画像の出現を検出し(図3(e))、変化領域Aを更新する。
【0027】
同様のくり返しにより、車両1に向かって前進する歩行者Pについては、左右の足が交互に前に移動してその部分が明るくなることから、図3(b)〜(e)からも明らかなように、設定された変化領域Aの左右の検出窓Bに交互に新たな足の出現が検出される。換言すれば、左右の検出窓Bのいずれか一方に新たな足の出現を検出することで、歩行者P特有の動きを検出できる。
【0028】
なお、歩行者Pでなく、対向車や看板等であれば、前記した左右の足が交互に前に移動してその部分が明るくなる現象は発生せず、変化領域Aが全く検出されないか、検出されてもその左右の検出窓Bに新たな変化領域Aが検出されることはない。
【0029】
そして、図1の歩行者検出部7は、変化領域更新部6の新たな足の反射画像の出現の検出および、それに伴う変化領域Aの更新から、前記した歩行者P特有の動きを検出して歩行者Pを精度よく検出する。さらに、図1の報知部8は歩行者検出部7の検出結果に基づいて歩行者Pの存在を警報音や表示で報知し、ドライバに注意喚起する。
【0030】
図4は変化領域初期検出部4、検出窓設定部5、変化領域更新部6、歩行者検出部7による上記した歩行者検出の手順の概略を示し、撮影画像に新たな画像個所が出現すると、それを変化領域Aとして初期検出し(ステップS1のYES)、その左右に検出窓Bを設定し(ステップS2)、いずれかの検出窓Bに新たな画像個所が出現すると(ステップS3のYES)、その画像個所を変化領域Aに更新し(ステップS4)、そのくり返しから歩行者P特有の動きを検出すると、ステップS5をYESで通過して歩行者Pの検出を報知する(ステップS6)。なお、ステップS3において、いずれかの検出窓Bに新たな画像個所が出現しないか、両方の検出窓Bに画像個所が出現するときは、ステップS3をNOで通過してステップS1に戻り、ステップS5において、歩行者Pを検出しなければステップS5をNOで通過してステップS1に戻る。
【0031】
つぎに、歩行者Pが車両1の前方を横切る場合も、前記と同様にして歩行者Pの検出が行なえる。
【0032】
図5(a)は夜間等に矢印線cに示すように前進する車両1の前方を、矢印線dに示すように右から左に歩行者Pが歩いて横切る状況を模式し、この場合、歩行者Pの脚部に注目すると、車両1と歩行者Pとがある距離まで近づき、歩行者Pの前に出した一方の足(ここでは左足とする)がヘッドライト3の照射範囲内に入ることにより、図5(b)に示すように、カメラ2の撮影画像に突然歩行者Pの一方の足(○印の右足l)が反射光の画像として出現して変化領域Aが初期設定される。つぎに、図5(c)に示すように前に出した他方の足(ここでは●印の右足r)が撮影画像に出現して変化領域Aの左右に設定された検出窓Bのいずれか一方、すなわち歩行者Pが前進する方向の検出窓Bに他方の足の明るい反射光の画像が出現する(図5(c)の○印を付した検出窓)。以降、図5(d)、(e)に示すように、以降、一方の足と他方の足とが交互に前に移動して歩行者Pが車両1の前を横切ることにより、変化領域Aとその左右の検出窓Bが形成する検出枠は歩行者Pの動きにしたがって右から左に移動し、必ず、歩行者Pが前進する方向の検出窓Bに新たな足の明るい反射光の画像位置が出現する。なお、図5(b)〜(e)のtn〜tn+3は新たな足の出現が検出された時間順の各フィールドを示す。
【0033】
したがって、歩行者Pが車両1の前方を横切るとににも、変化領域初期検出部4、検出窓設定部5、変化領域更新部6、歩行者検出部7の構成により、設定された変化領域Aの左右の検出窓Bのいずれか一方に新たな足の出現を検出することで、歩行者P特有の動きを検出して歩行者Pを精度よく認識できる。
【0034】
以上のように、本実施形態の場合は、車両1に搭載したカメラ2の時間が前後する車両周囲の撮影画像の差から歩行者Pを検出するため、可視光領域の安価なカメラを用いることができ、安価(低コスト)な構成で歩行者Pを検出できる。その際、歩行者Pの脚部に注目すると、変化領域初期検出部4、検出窓設定部5、変化領域更新部6、歩行者検出部7の構成により、変化領域Aの左右両側の検出窓Bのいずれか一方(片側)に新たな画像個所が出現することのくり返しから、横断歩道の有無等にかかわらず、左右の足を交互に前方に出すという歩行者特有の動きを検知して歩行者Pを精度よく検出することができる。
【0035】
そして、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能であり、例えば、歩行者Pの脚部の動きに代えて腕部の動きを検出監視し、左右の腕が交互に前に移動することから、設定された変化領域の左右の検出窓のいずれか一方に新たな腕の出現を検出することで、前記実施形態の場合と同様にして歩行者特有の動きを検出し、歩行者を精度よく認識することも可能である。なお、脚部と腕部とは、撮影画像上での検出位置の上下や明るくなる部分の形状や面積等に基づき、例えば図1の変化領域初期検出部4、変化領域更新部6により区別して検出できる。
【0036】
また、歩行によって歩行者Pの頭部が上下動し、少なくともその上端がヘッドライトの照射範囲の上端より上下に移動することから、カメラの撮影画像に出現した上端の画像個所を変化領域として初期検出し、その周辺に複数の検出窓を初期設定し、頭部の動きにしたがって各検出窓のいずれかに新たに出現した画像個所を変化領域として検出して更新し、その後に得られる撮影画像の更新した前記変化領域の周辺に前記各検出窓を設定することをくり返し、前記各検出窓のいずれかに新たな画像個所が出現することのくり返しから歩行者特有の動きを検知して歩行者を精度よく検出するようにしてもよい。
【0037】
つぎに、本発明は、ヘッドライトをカメラ撮影の照明に利用する夜間の歩行者検出に適用することで、撮影画像に不要な画像(ノイズ画像)が含まれず、検出精度が極めて向上する利点があるが、カメラ撮影に照明が不要な昼間等の歩行者検出にも適用できるのは勿論である。
【0038】
つぎに、カメラ2は車両1の後部に自車後方を撮影するように搭載されていてもよく、この場合、夜間の歩行者検出に適用するのであれば、カメラ2とともにその照明用の光源も車両1に搭載される。
【0039】
つぎに、変化領域初期検出部4、検出窓設定部5、変化領域更新部6、歩行者検出部7等の構成はどのようであってもよく、報知部8の報知手法もどのようであってもよい。さらに、歩行者検出部7の歩行者Pの検出に基づき、歩行者Pを回避するように車両1の走行を自動制御するようにしてもよい。
【0040】
そして、本発明は、種々の車両の歩行者の検出に適用することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 車両
2 カメラ
4 変化領域初期検出部
5 検出窓設定部
6 変化領域更新部
7 歩行者検出部
A 変化領域
B 検出窓
P 歩行者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載したカメラの車両周囲の撮影画像から歩行者を検出する歩行者検出装置であって、
前記カメラの撮影画像に出現した画像個所を変化領域として初期検出し、その後に得られる撮影画像の前記変化領域の周辺に複数の検出窓を初期設定する初期設定手段と、
前記各検出窓のいずれかに新たに出現した画像個所を前記変化領域として検出して前記変化領域を更新し、その後に得られる撮影画像の更新した前記変化領域の周辺に前記各検出窓を設定することをくり返し、前記各検出窓のいずれかに新たな画像個所が出現することのくり返しから歩行者特有の動きを検知して歩行者を検出する検出手段とを備えたことを特徴とする歩行者検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−73823(P2012−73823A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−218206(P2010−218206)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000002967)ダイハツ工業株式会社 (2,560)
【Fターム(参考)】