歯ブラシ
【課題】効果的なマッサージを可能とすると同時に、ヘッド部に植毛されている毛束により歯や歯間のブラッシングを正確かつ効果的でき、毛束により歯茎のマッサージも可能となり、口腔内のマッサージとブラッシングを効果的できる歯ブラシを提供せんとする。
【解決手段】歯ブラシヘッド部2に略円錐台形の棒状の軟質成形体3と複数の毛束4,…とが立設され、前記軟質成形体3はヘッド部2の長手方向中央部に設けられており、この軟質成形体3に対してヘッド長手方向の前後の位置に、それぞれ該軟質成形体3よりも高さの低い前記毛束4,…が植設されている。軟質成形体3はヘッド部2の略中央位置に立設されている。そして、そのヘッド長手方向前後の位置に、毛束4A,…がそれぞれ配設されるとともに、ヘッド幅方向左右の位置にも、毛束4B,…がそれぞれ配設されている。
【解決手段】歯ブラシヘッド部2に略円錐台形の棒状の軟質成形体3と複数の毛束4,…とが立設され、前記軟質成形体3はヘッド部2の長手方向中央部に設けられており、この軟質成形体3に対してヘッド長手方向の前後の位置に、それぞれ該軟質成形体3よりも高さの低い前記毛束4,…が植設されている。軟質成形体3はヘッド部2の略中央位置に立設されている。そして、そのヘッド長手方向前後の位置に、毛束4A,…がそれぞれ配設されるとともに、ヘッド幅方向左右の位置にも、毛束4B,…がそれぞれ配設されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッド部にマッサージ用の軟質成形体と複数の毛束とを立設した歯ブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、歯垢除去用のブラシ毛と歯茎のマッサージ用のマッサージ部とを併用した歯ブラシとして、ヘッドの植毛部には、その幅方向中央部にブラシ毛を複数列植毛されているとともに、幅方向両端部にエラストマーやシリコーンゴム等の高弾性材料からなるマッサージ部が固着されたものや、反対に幅方向中央部にマッサージ部を設けるとともに、幅方向両端部にブラシ毛を植毛したものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、フィラメントをヘッド上面の中央に集めてグループ化し、ヘッドの縁部は弾性材料製のロッドによって占められ、これらがフィラメントと平行に延出し、歯茎をマッサージする構造において、ロッドはこのように、中央のフィラメントの束の両側において、ヘッドの対応する縁部に近く配置された2つの長手方向列を形成し、ロッドはそれらの全部が同じ高さを備えるわけではなく、それらは特に、隣り合うフィラメントの高さと比較して変化する高さを備えたもの、具体的にはヘッドを側方から眺めて、ヘッドの一方の長手方向列に配列されたロッドの上端部は、ほぼ左右対称形の曲線をなし、曲線の曲がり方は下に向かって広がり、ヘッド中央のフィラメントの上端部よりも上で、ヘッドの長手方向両端部のフィラメントの上端部よりも下となる歯ブラシが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
これら従来の歯ブラシは、マッサージ部やロッドにより歯茎等をマッサージしつつ、ブラシ毛により歯磨きできるように構成されたものであるが、使用の際に、マッサージ部とブラシ毛をそれぞれ適切な位置、すなわちマッサージ部を歯茎に位置付け、ブラシ毛を歯面や歯間に正確に位置づけることは容易でなく、十分なマッサージができなかったり、十分な歯の清掃ができないといった問題、すなわちマッサージとブラッシングのいずれも不十分な結果となる虞があった。
【0005】
特に、マッサージ部によりマッサージ効果を与える部位として、歯間乳頭部の歯と歯の間のいわゆる鼓形空隙が重要である。この部分の歯茎(歯間乳頭部)は非常に弱く、腫れが生じれば歯垢もたまり易く、歯周病や虫歯の原因となる部位である。しかしながら、上記従来の歯ブラシでは、この鼓形空隙にマッサージ部を当てるための最適の仕様にはなっていなかった。
【0006】
【特許文献1】実開平2−143036号公報
【特許文献2】特表2002−500903号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、特にマッサージが必要とされる歯間乳頭部の鼓形空隙にマッサージ部を適切に位置づけて効果的なマッサージを可能とすると同時に、ヘッド部に植毛されている毛束により歯や歯間のブラッシングを正確かつ効果的に行うことができ、さらに、該毛束により歯茎のマッサージも可能となり、口腔内のマッサージとブラッシングを同時に効果的に行うことができる歯ブラシを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前述の課題解決のために、歯ブラシヘッド部に、軟質成形体と複数の毛束とを立設してなり、前記軟質成形体を、前記ヘッド部の長手方向中央部に単又は複数設けるとともに、該軟質成形体に対してヘッド長手方向の前後の位置に、それぞれ該軟質成形体よりも高さの低い前記毛束を植設し、前記軟質成形体の先端に先細形状部を設けてなることを特徴とする歯ブラシを構成した。
【0009】
ここで、前記軟質成形体に対してヘッド幅方向の左右の位置に、それぞれ該軟質成形体よりも高さの低い毛束を植設したものが好ましい。
【0010】
特に、前記軟質成形体が棒状であり、その先端に先細形状部を設けたものが好ましい実施例であり、前記棒状の軟質成形体を、ヘッド幅方向に所定間隔をおいて複数設けたものや、前記棒状の軟質成形体を、ヘッド長手方向に所定間隔をおいて複数設けたものが好ましい。
【0011】
また、前記軟質成形体がヘッド長手方向またはヘッド幅方向に長い板状であり、該軟質成形体の先端に、前記先細形状部としてヘッド長手方向またはヘッド幅方向に所定間隔をおいて複数の突起部を形成したものでも良い。
【0012】
また、前記複数の軟質成形体の間隔または前記先細形状部の間隔を、隣り合う鼓形空隙の間隔に対応する値に設定したものが好ましい。
【0013】
とくに、毛束のブラシ毛が先細ブラシ毛であれば、歯茎等へのマッサージ効果を高めることができる。
【0014】
前記軟質成形体は、好ましくは60D〜95Dの硬度を有する軟質素材から成形され、とくに硬質素材からなる芯部と軟質素材からなる外皮部とよりなるものが好ましい。
【0015】
このようなヘッド部を、振動数1500〜11000cpmで動作する電動歯ブラシ本体に組み付けたり、振幅0.2〜3.5mmで動作する電動歯ブラシ本体に組み付けることにより電動歯ブラシとして構成することが好ましい実施例である。
【発明の効果】
【0016】
以上にしてなる本願発明に係る歯ブラシは、軟質成形体を、前記ヘッド部の長手方向中央部に単又は複数設けるとともに、該軟質成形体に対してヘッド長手方向の前後の位置に、それぞれ該軟質成形体よりも高さの低い前記毛束を植設し、前記軟質成形体の先端に先細形状部を設けたので、毛束に邪魔されることなく突出した軟質成形体を鼓形空隙に容易に位置づけることができ、特にマッサージが必要とされている歯間乳頭部を効果的なマッサージできる。
【0017】
また、前後に配置される毛束は、軟質成形体を鼓形空隙に位置付けた状態で歯面や歯間に適切に位置づけられ、効果的なブラッシングが可能である。このように本発明によれば効果的なマッサージとブラッシングを両立して行うことが可能である。さらに、軟質成形体より低く設定されているため、歯茎に対しても強く当たりすぎることなく効果的にマッサージできる。
【0018】
また、軟質成形体に対してヘッド幅方向の左右の位置に、それぞれ該軟質成形体よりも高さの低い毛束を植設したので、軟質成形体を鼓形空隙に位置付けた状態においても歯面や歯間のブラッシング、歯茎のマッサージをより効率よく行うことができる。とくに、毛束のブラシ毛が先細ブラシ毛であれば、歯茎等へのマッサージ効果をより高めることができる。
【0019】
また、軟質成形体が棒状であり、その先端に先細形状部を形成したので、鼓形空隙への位置付けが容易であり、歯と歯茎の境目などに沿って移動させ、より細やかなマッサージができ、このような棒状の軟質成形体をヘッド幅方向、または長手方向に所定間隔をおいて複数設ければ、より効率的にマッサージできるとともに、鼓形空隙に位置付ける軟質成形体を替えることで、周囲の毛束によりブラッシング又はマッサージされる部位が異なり、各部のブラッシングおよびマッサージをより確実に行うことができる。
【0020】
また、軟質成形体がヘッド長手方向またはヘッド幅方向に長い板状であり、該軟質成形体の先端に、前記先細形状部としてヘッド長手方向またはヘッド幅方向に所定間隔をおいて複数の突起部を形成したので、当該板状の軟質成形体によって効率的なマッサージが可能となり、また、長い方向と直角な方向には倒れやすいことから、当接の仕方を変えることによりマッサージの部位に応じてより効果的なマッサージが可能となる。また、突起部を鼓形空隙に位置させればよいので、歯間乳頭部へのマッサージも容易である。
【0021】
また、複数の軟質成形体の間隔または先細形状部の間隔を、隣り合う鼓形空隙の間隔に対応する値に設定したので、複数の軟質成形体または先細形状部を同時に複数の鼓形空隙に位置づけることができ、ヘッド部の位置が決定され、正しいブラッシングまたはマッサージが可能となる。
【0022】
また、軟質成形体が、60D〜95Dの硬度を有する軟質素材からなるので、歯間乳頭部等へのマッサージ効果が十分に得られ、かつ歯茎、とくに歯間乳頭部へ強い刺激を与えることも防止できる。とくに硬質素材からなる芯部と軟質素材からなる外皮部とよりなるものでは、柔軟さの細かな設定が可能となる。
【0023】
また、ヘッド部を、振動数1500〜11000cpmで動作する電動歯ブラシ本体に組み付けてなるので、軟質成形体による鼓形空隙への位置合わせ機能を損なわせることなく、マッサージとブラッシングが効果的に行われる。
【0024】
また、前記ヘッド部を、振幅0.2〜3.5mmで動作する電動歯ブラシ本体に組み付けてなるので、軟質成形体による鼓形空隙への位置合わせ機能を損なわせることなく、マッサージとブラッシングが効果的に行われる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
次に、本発明の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。
【0026】
図1は、本発明に係る歯ブラシの全体構成を示す図であり、図1〜8は第1実施形態、図9〜12は第2実施形態、図13〜16は第3実施形態を示し、図中符号1は歯ブラシ、2はヘッド部、3は軟質成形体、4は毛束をそれぞれ示している。
【0027】
なお、以下の各実施形態においては、駆動手段を有する電動歯ブラシ本体10にブラシ体11を装着して振動させる電動歯ブラシについて説明するが、本発明の歯ブラシはこのような電動の歯ブラシに何ら限定されず、振動機構を備えない一般的な歯ブラシとしても勿論適用できる。
【0028】
第1実施形態の歯ブラシ1は、図1〜4に示すように、歯ブラシヘッド部2に略円錐台形の棒状の軟質成形体3と複数の毛束4,…とが立設され、前記軟質成形体3はヘッド部2の長手方向中央部に設けられており、この軟質成形体3に対してヘッド長手方向の前後の位置に、それぞれ該軟質成形体3よりも高さの低い前記毛束4,…が植設されている。
【0029】
より詳しくは、図3の平面図に示すように、前記軟質成形体3はヘッド部2の略中央位置に立設されている。そして、そのヘッド長手方向前後の位置に、毛束4A,…がそれぞれ配設されるとともに、ヘッド幅方向左右の位置にも、毛束4B,…がそれぞれ配設されている。すなわち中央位置の軟質成形体3は毛束4,…で囲まれるように配置されている。なお、毛束4は少なくともヘッド長手方向前後にあればよく、軟質成形体3はヘッド幅方向の端部に設けてもよい。
【0030】
この軟質成形体3を囲む毛束4,…は、いずれも軟質成形体3よりも高さ寸法が低く設定されており、図4の縦断面図に示すように、中央部の軟質成形体3と周囲の毛束4,…の高さの寸法差h1は、約0.5mm〜3.0mmに設定されている。このような高さ寸法の差を設けることにより、中央部の軟質成形体3により歯茎、とくに歯間乳頭部や、歯間を効果的にマッサージできるとともに、後述のように、当該軟質成形体3を歯間乳頭部の歯と歯の間のいわゆる鼓形空隙に嵌めこんで、周囲の毛束4により歯や歯茎、歯間を効果的にブラッシング或いはマッサージできるように設定されている。
【0031】
ここで、寸法差h1が0.5mmより小さいと、軟質成形体3の鼓形空隙に対する位置決めが確りできないと同時に、周囲の毛束が歯茎等に接触する量が多くなりずぎ、効果的なマッサージができなくなる。また、軟質成形体3による歯間乳頭部に対するマッサージ効果も十分に得られない。一方、寸法差h1が3.0mmより大きいと、周囲の毛束によるマッサージ効果や細部清掃性が低下してしまう。
【0032】
軟質成形体3は、60D〜95Dの硬度を有する軟質素材、具体的には、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ウレタン系エラストマー、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマーなどの熱可塑性エラストマーやシリコーンゴム等を用いて略円錐台形の棒状に成形され、その先端には、鼓形空隙に嵌り込む先細形状部31が形成されている。硬度が60Dより低いと歯間乳頭部等へのマッサージ効果が十分に得られず、95Dより高いと歯茎、とくに歯間乳頭部への刺激が強くなりすぎる。
【0033】
このような軟質成形体3は射出成形により形成されているが、機械加工や押出成形でもよく、また、二色成形により硬質素材からなる芯部と軟質素材からなる外皮部とより構成することも好ましい。また、本例では軟質成形体3を形成した後、ヘッド部2に形成された嵌合孔に嵌め込んで構成しているが、ヘッド部2の成形時に一体的に成形しても良い。
【0034】
周囲の毛束4は、複数のブラシ毛からなる束をU型に2つ折りし、平線とともにヘッド部に予め形成した植毛孔に打ち込んで植設した後、各毛束4の先端部を好ましくはトリミングして毛先を切り揃えて構成される。その他、同じく複数のブラシ毛からなる束の基部を熱融着して融合塊を形成し、ヘッド部の成形時に基部を成形キャビティ内に配置して一体成形によりブラシ毛をヘッド部に固定するインモールド法やフューズイン法など、従来からの種々の植毛方法を採用することができる。
【0035】
毛束4を構成するブラシ毛の素材には、ナイロンやアラミドなどのポリアミド系樹脂、あるいはポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート(ポリトリメチレンテレフタレート)又はポリエチレンテレフタレートより選択される1種または2種以上の溶融混合したポリエステル系樹脂、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂など、歯ブラシのブラシ毛として公知の合成樹脂を用いることができる。特に、ナイロンやポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、およびポリブチレンテレフタレートより選択される1種または2種以上の溶融混合したポリエステル系樹脂からなるものが優れた清掃性が得られる点で好ましい。
【0036】
とくに、細部清掃性やマッサージ効果の高いブラシ毛として先細のもの、たとえば図6に示すように、断面が芯鞘構造の合成樹脂製フィラメントからなり、鞘部60の先端から単または複数の芯毛61が突出形成されたブラシ毛40を採用することが好ましい。これは、例えば芯部61をナイロンなどのポリアミド系樹脂を主成分とする素材で構成し、鞘部60をポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂を主成分とする素材で構成した複合合成樹脂モノフィラメントを用い、これを苛性ソーダ等の薬液に浸漬し、引き上げることで鞘部60が先端から溶解除去して芯部61を露出させることにより製造することができ、このようなブラシ毛によれば、歯間部や歯と歯茎との間の境目などの狭い部分の歯垢除去効果、清掃性が向上する。
【0037】
図例では3本の芯毛が突出したものであるが、その本数は1本でも、その他2本、4本以上のものでもよい。また、薬液の濃度や浸漬時間、薬液からの引き上げ速度等により鞘部60先端のテーパー形状や芯毛61の露出長を適宜調整することができる。鞘部先端のテーパー形状は口腔内細部への挿入性、到達性を向上させる。
【0038】
また、先細のブラシ毛40としては、芯鞘構造のフィラメントを用いるもの以外に、図7(a),(b)に示すように、単位断面要素63を複数個連結した断面形状を有する合成樹脂製フィラメントの先端をアルカリや酸などの溶液に浸漬し、連結した単位断面要素の数に応じた数の先細テーパー状の分岐毛がブラシ毛先端に形成された先細毛を構成することができ、薬液の濃度や浸漬時間、薬液からの引き上げ速度等により、分岐毛の形や長さを任意に調整することができる。
【0039】
同様に、図7(c)は2つの単位断面要素からなるもの、(d)は3つの単位断面要素を一列に並べたもの、(e)は4つの単位断面要素からなるものを示しており、同様に先細テーパー状の分岐毛がブラシ毛先端に形成された先細毛を構成することができる。また、図8に示すように各単位断面要素の中心部に芯部を設け、分岐毛のそれぞれを上記と同様の芯鞘構造とすることができる。
【0040】
なお、本例では毛束がヘッド幅方向に3列設けられ、中央列の中央位置に前記軟質成形体3が設けられているが、上述したように軟質成形体3に対するヘッド長手方向前後に毛束4が配置されるものであれば、毛束列の数、各列を構成する毛束の数、配置関係は何ら限定されない。また、軟質成形体3の形状、個数も何ら限定されず、断面視円形以外に三角(たとえば後述の第3実施形態の形状)、四角、多角形、星形などさまざまな形状が採用でき、側面視も台形以外の形状とすることもできる。
【0041】
図5は本実施形態の歯ブラシ1の使用状態を示しており、基本的には軟質成形体3を歯と歯茎の境目に沿って歯間乳頭部から隣の歯間乳頭部へと移動させ、該軟質成形体3により当該境目や歯間乳頭部のマッサージ及びブラッシングを行ないつつ、周囲の毛束4により歯茎や歯間のマッサージ、歯面や歯間のブラッシングを行うものである。とくに図中(a)は、歯の表側に対してヘッド部2を歯列と平行に位置させるとともに鼓形空隙に軟質成形体3をはめ込んだ状態を示しており、軟質成形体3により歯間乳頭部が効果的にマッサージできるとともに、該軟質成形体3に対して図中下側の毛束4Bにより歯茎のマッサージや歯と歯茎の間のブラッシング等が行なわれ、ヘッド長手方向前後の毛束4Aにより歯面、歯間のブラッシングが行われる。
【0042】
また、(b)は歯の裏側などヘッド部を2を歯列に直角に位置させて使用する状態を示しており、同じく鼓形空隙に軟質成形体3をはめ込み、歯間乳頭部のマッサージとともに、図中下側の毛束4Aにより歯茎のマッサージが行われ、ヘッド幅方向左右の毛束4B、図中上側の毛束4Aにより歯面や歯間の清掃が行われる。このように歯の表側、裏側の清掃時に軟質成形体3を鼓形空隙にはめ込むことにより、ヘッド長手方向前後に配置された毛束が歯面や歯間の適切な位置に当たることとなり、効果的なブラッシングを行うための案内役として機能するのである。
【0043】
電動歯ブラシ本体10によるヘッド部2の振動は、従来からの電動歯ブラシに比べて振動を大きく且つ振幅を小さく設定し、上記軟質成形体3による鼓形空隙への位置合わせ機能を損なわせることなく、マッサージとブラッシングが効果的に行われるように設定されており、振動数は1500〜11000cpm、より好ましくは7000〜11000cpm、振幅は0.2〜3.5mm、より好ましくは0.2〜1.0mmにそれぞれ設定される。
【0044】
次に、図9〜12に基づき第2実施形態を説明する。
【0045】
本実施形態の歯ブラシ1は、前記軟質成形体3をヘッド長手方向に長い板状に構成し、その先端のヘッド長手方向両端位置に先細形状部として突起部31A,31Aを形成したものである。軟質成形体3の位置は、上記第1実施形態と同様、ヘッド部2の長手方向中央部に設けられており、この軟質成形体3に対してヘッド長手方向の前後の位置に、それぞれ該軟質成形体3よりも高さの低い毛束4A,…が植設され、ヘッド幅方向左右の位置にも、該軟質成形体3よりも高さの低い毛束4B,…がそれぞれ配設されている。
【0046】
なお、毛束4は少なくともヘッド長手方向前後にあればよく、板状軟質成形体3はヘッド幅方向の端部に設けてもよい。また、幅方向に複数配設することも可能である。また、板状の軟質成形体3の形状は、本例のように側面視、平面視ともに矩形の形状以外に、台形その他、さまざまな形状を採用でき、ヘッド幅方向に設けたものや、平面視T字状やL字状、十字状に構成することもできる。また、突起部31Aの個数も1つ又は3つ以上設けることもできる。
【0047】
軟質成形体3と周囲の毛束4,…の高さの寸法差h2は、第1実施形態の寸法差h1と同様、約0.5mm〜3.0mmに設定され、軟質成形体3による歯茎、とくに歯間乳頭部や歯間のマッサージや、周囲の毛束4による歯や歯茎、歯間のブラッシング或いはマッサージを効果的に行うことができるように構成されている。
【0048】
図12は本実施形態の歯ブラシ1の使用状態を示しており、基本的には軟質成形体3の突起部31A,31Aをそれぞれ歯と歯茎の境目に沿って歯間乳頭部から隣の歯間乳頭部へと移動させればよいが、とくに図中(a)のように各突起部31A,31Aをそれぞれ鼓形空隙にはめ込むことにより、ヘッド部が歯列と平行となり、このような正しい使用状態に案内することで周囲の毛束4により歯面や歯間の清掃をより確実に行うことが可能となる。
【0049】
また、(b)は歯の裏側など、ヘッド部2を縦にして使用する状態を示しており、先端側の突起部31Aを鼓形空隙にはめ込み、当該軟質成形体3による歯間乳頭部のマッサージと同時に、先端側の毛束4Aにより歯茎等のマッサージが効果的に行われることとなる。このことから、突起部31A,31Aの間隔は隣り合う鼓形空隙の間隔に対応する値に設定され、となり合う鼓形空隙の間の幅とほぼ同じ5mm〜12mm程度に設定される。
【0050】
その他、軟質成形体3の素材や毛束4の素材、成形方法などを含む歯ブラシの構成については、上記第1実施形態と同様であり、同一構造には同一符号を付してその説明を省略する。
【0051】
次に、図13〜16に基づき第3実施形態を説明する。
【0052】
本実施形態の歯ブラシ1は、前記軟質成形体3を第1実施形態と同様、棒状に構成し、ヘッド幅方向端縁部にそれぞれ1本づつ合計2本設けたものである。この軟質成形体3,3に対してヘッド長手方向の前後の位置に、それぞれ該軟質成形体3よりも高さの低い毛束4A,…が配設されている。
【0053】
なお、本例では各軟質成形体3をヘッド幅方向端縁部に設けて、その外側に毛束は設けられていないが、これは間隔を鼓形空隙の間隔に近づける為であり、ヘッド部の幅寸法によっては、外側に毛束を設けることも勿論できる。また、3本以上設けることも可能である。各軟質成形体3は断面視三角形状に構成され、先端部には1点収束するように三角錘状の先細形状部部31が形成されている。
【0054】
そして、軟質成形体3,3と前後の毛束4,…の高さの寸法差h3は、第1実施形態の寸法差h1と同様、約0.5mm〜3.0mmに設定され、軟質成形体3による歯間乳頭部、歯間等のマッサージや、周囲の毛束4による歯や歯茎、歯間のブラッシング或いはマッサージを効果的に行うことができるように構成されている。
【0055】
図16は本実施形態の歯ブラシ1の使用状態を示しており、図中(a)は歯の表側、(b)は歯の裏側を磨く際に、それぞれ歯ブラシを横方向、縦方向に向けて使用する状態を示している。基本的には軟質成形体3,3のいずれかを歯と歯茎の境目に沿って歯間乳頭部から隣の歯間乳頭部へと移動させればよいが、とくに図中(a)のように下顎の歯の表側を磨く際には、図中下側の軟質成形体3を鼓形空隙にはめ込むことにより、該軟質成形体3による歯間乳頭部のマッサージとともに、前後の毛束4により歯面や歯間の清掃をより確実に行うことが可能となる。図示しないが上顎の歯の表側を磨く際には、同じく歯ブラシを横にして上側の軟質成形体3を鼓形空隙に嵌めこんで同様に歯間乳頭部のマッサージおよび歯面や歯間の清掃を行うことができる。
【0056】
また、図中(b)のように歯の裏側など、ヘッド部2を縦にして使用する際には、軟質成形体3,3をそれぞれ鼓形空隙にはめ込むことにより、歯間乳頭部のマッサージとともに、先端側の毛束4により歯茎等のマッサージが効果的に行われ、同時に、基端側の毛束4により歯面を確実にブラッシングすることができる。このことから、軟質成形体3,3の間隔は隣り合う鼓形空隙の間隔に対応する値に設定され、となり合う鼓形空隙の間の幅とほぼ同じ5mm〜12mm程度に設定される。
【0057】
その他、軟質成形体3の素材や毛束4の素材、成形方法などを含む歯ブラシの構成については、上記第1実施形態と同様であり、同一構造には同一符号を付してその説明を省略する。
【0058】
以上の実施形態では、代表的な3つの例についてのみ説明したが、とくに軟質成形体についてはヘッド長手方向中央部に設けられるものであれば、形状、個数、配置はとくに限定されず、たとえば、棒状の軟質成形体を長手方向に複数配置したものや、板状の軟質成形体を横向き(幅方向)に設けたものや、平面視T字状やL字状、十字状に、板状を配置したもの、板状と棒状以外に、その他の異形状でもよく、それらの組合せとしてもよい。いずれにしても、本発明はこうした実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の第1実施形態に係る歯ブラシを示す斜視図。
【図2】同じくヘッド部の斜視図。
【図3】同じく平面図。
【図4】同じく縦断面図。
【図5】(a),(b)は、同じく歯ブラシの使用状態を示す説明図。
【図6】(a),(b)は、毛束を構成する先細ブラシ毛の説明図。
【図7】(a)〜(e)は、先細ブラシ毛の変形例を示す説明図。
【図8】(a),(b)は、同じく先細ブラシ毛の変形例を示す説明図。
【図9】第2実施形態に係る歯ブラシのヘッド部の斜視図。
【図10】同じく平面図。
【図11】同じく縦断面図。
【図12】(a),(b)は、同じく歯ブラシの使用状態を示す説明図。
【図13】第3実施形態に係る歯ブラシのヘッド部の斜視図。
【図14】同じく平面図。
【図15】同じく側面図。
【図16】(a),(b)は、同じく歯ブラシの使用状態を示す説明図。
【符号の説明】
【0060】
1 歯ブラシ
2 ヘッド部
3 軟質成形体
4,4A,4B 毛束
10 電動歯ブラシ本体
11 ブラシ体
31 先細形状部
31A 突起部
40 ブラシ毛
60 鞘部
61 芯毛
63 単位断面要素
h1,h2,h3 寸法差
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッド部にマッサージ用の軟質成形体と複数の毛束とを立設した歯ブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、歯垢除去用のブラシ毛と歯茎のマッサージ用のマッサージ部とを併用した歯ブラシとして、ヘッドの植毛部には、その幅方向中央部にブラシ毛を複数列植毛されているとともに、幅方向両端部にエラストマーやシリコーンゴム等の高弾性材料からなるマッサージ部が固着されたものや、反対に幅方向中央部にマッサージ部を設けるとともに、幅方向両端部にブラシ毛を植毛したものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、フィラメントをヘッド上面の中央に集めてグループ化し、ヘッドの縁部は弾性材料製のロッドによって占められ、これらがフィラメントと平行に延出し、歯茎をマッサージする構造において、ロッドはこのように、中央のフィラメントの束の両側において、ヘッドの対応する縁部に近く配置された2つの長手方向列を形成し、ロッドはそれらの全部が同じ高さを備えるわけではなく、それらは特に、隣り合うフィラメントの高さと比較して変化する高さを備えたもの、具体的にはヘッドを側方から眺めて、ヘッドの一方の長手方向列に配列されたロッドの上端部は、ほぼ左右対称形の曲線をなし、曲線の曲がり方は下に向かって広がり、ヘッド中央のフィラメントの上端部よりも上で、ヘッドの長手方向両端部のフィラメントの上端部よりも下となる歯ブラシが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
これら従来の歯ブラシは、マッサージ部やロッドにより歯茎等をマッサージしつつ、ブラシ毛により歯磨きできるように構成されたものであるが、使用の際に、マッサージ部とブラシ毛をそれぞれ適切な位置、すなわちマッサージ部を歯茎に位置付け、ブラシ毛を歯面や歯間に正確に位置づけることは容易でなく、十分なマッサージができなかったり、十分な歯の清掃ができないといった問題、すなわちマッサージとブラッシングのいずれも不十分な結果となる虞があった。
【0005】
特に、マッサージ部によりマッサージ効果を与える部位として、歯間乳頭部の歯と歯の間のいわゆる鼓形空隙が重要である。この部分の歯茎(歯間乳頭部)は非常に弱く、腫れが生じれば歯垢もたまり易く、歯周病や虫歯の原因となる部位である。しかしながら、上記従来の歯ブラシでは、この鼓形空隙にマッサージ部を当てるための最適の仕様にはなっていなかった。
【0006】
【特許文献1】実開平2−143036号公報
【特許文献2】特表2002−500903号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、特にマッサージが必要とされる歯間乳頭部の鼓形空隙にマッサージ部を適切に位置づけて効果的なマッサージを可能とすると同時に、ヘッド部に植毛されている毛束により歯や歯間のブラッシングを正確かつ効果的に行うことができ、さらに、該毛束により歯茎のマッサージも可能となり、口腔内のマッサージとブラッシングを同時に効果的に行うことができる歯ブラシを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前述の課題解決のために、歯ブラシヘッド部に、軟質成形体と複数の毛束とを立設してなり、前記軟質成形体を、前記ヘッド部の長手方向中央部に単又は複数設けるとともに、該軟質成形体に対してヘッド長手方向の前後の位置に、それぞれ該軟質成形体よりも高さの低い前記毛束を植設し、前記軟質成形体の先端に先細形状部を設けてなることを特徴とする歯ブラシを構成した。
【0009】
ここで、前記軟質成形体に対してヘッド幅方向の左右の位置に、それぞれ該軟質成形体よりも高さの低い毛束を植設したものが好ましい。
【0010】
特に、前記軟質成形体が棒状であり、その先端に先細形状部を設けたものが好ましい実施例であり、前記棒状の軟質成形体を、ヘッド幅方向に所定間隔をおいて複数設けたものや、前記棒状の軟質成形体を、ヘッド長手方向に所定間隔をおいて複数設けたものが好ましい。
【0011】
また、前記軟質成形体がヘッド長手方向またはヘッド幅方向に長い板状であり、該軟質成形体の先端に、前記先細形状部としてヘッド長手方向またはヘッド幅方向に所定間隔をおいて複数の突起部を形成したものでも良い。
【0012】
また、前記複数の軟質成形体の間隔または前記先細形状部の間隔を、隣り合う鼓形空隙の間隔に対応する値に設定したものが好ましい。
【0013】
とくに、毛束のブラシ毛が先細ブラシ毛であれば、歯茎等へのマッサージ効果を高めることができる。
【0014】
前記軟質成形体は、好ましくは60D〜95Dの硬度を有する軟質素材から成形され、とくに硬質素材からなる芯部と軟質素材からなる外皮部とよりなるものが好ましい。
【0015】
このようなヘッド部を、振動数1500〜11000cpmで動作する電動歯ブラシ本体に組み付けたり、振幅0.2〜3.5mmで動作する電動歯ブラシ本体に組み付けることにより電動歯ブラシとして構成することが好ましい実施例である。
【発明の効果】
【0016】
以上にしてなる本願発明に係る歯ブラシは、軟質成形体を、前記ヘッド部の長手方向中央部に単又は複数設けるとともに、該軟質成形体に対してヘッド長手方向の前後の位置に、それぞれ該軟質成形体よりも高さの低い前記毛束を植設し、前記軟質成形体の先端に先細形状部を設けたので、毛束に邪魔されることなく突出した軟質成形体を鼓形空隙に容易に位置づけることができ、特にマッサージが必要とされている歯間乳頭部を効果的なマッサージできる。
【0017】
また、前後に配置される毛束は、軟質成形体を鼓形空隙に位置付けた状態で歯面や歯間に適切に位置づけられ、効果的なブラッシングが可能である。このように本発明によれば効果的なマッサージとブラッシングを両立して行うことが可能である。さらに、軟質成形体より低く設定されているため、歯茎に対しても強く当たりすぎることなく効果的にマッサージできる。
【0018】
また、軟質成形体に対してヘッド幅方向の左右の位置に、それぞれ該軟質成形体よりも高さの低い毛束を植設したので、軟質成形体を鼓形空隙に位置付けた状態においても歯面や歯間のブラッシング、歯茎のマッサージをより効率よく行うことができる。とくに、毛束のブラシ毛が先細ブラシ毛であれば、歯茎等へのマッサージ効果をより高めることができる。
【0019】
また、軟質成形体が棒状であり、その先端に先細形状部を形成したので、鼓形空隙への位置付けが容易であり、歯と歯茎の境目などに沿って移動させ、より細やかなマッサージができ、このような棒状の軟質成形体をヘッド幅方向、または長手方向に所定間隔をおいて複数設ければ、より効率的にマッサージできるとともに、鼓形空隙に位置付ける軟質成形体を替えることで、周囲の毛束によりブラッシング又はマッサージされる部位が異なり、各部のブラッシングおよびマッサージをより確実に行うことができる。
【0020】
また、軟質成形体がヘッド長手方向またはヘッド幅方向に長い板状であり、該軟質成形体の先端に、前記先細形状部としてヘッド長手方向またはヘッド幅方向に所定間隔をおいて複数の突起部を形成したので、当該板状の軟質成形体によって効率的なマッサージが可能となり、また、長い方向と直角な方向には倒れやすいことから、当接の仕方を変えることによりマッサージの部位に応じてより効果的なマッサージが可能となる。また、突起部を鼓形空隙に位置させればよいので、歯間乳頭部へのマッサージも容易である。
【0021】
また、複数の軟質成形体の間隔または先細形状部の間隔を、隣り合う鼓形空隙の間隔に対応する値に設定したので、複数の軟質成形体または先細形状部を同時に複数の鼓形空隙に位置づけることができ、ヘッド部の位置が決定され、正しいブラッシングまたはマッサージが可能となる。
【0022】
また、軟質成形体が、60D〜95Dの硬度を有する軟質素材からなるので、歯間乳頭部等へのマッサージ効果が十分に得られ、かつ歯茎、とくに歯間乳頭部へ強い刺激を与えることも防止できる。とくに硬質素材からなる芯部と軟質素材からなる外皮部とよりなるものでは、柔軟さの細かな設定が可能となる。
【0023】
また、ヘッド部を、振動数1500〜11000cpmで動作する電動歯ブラシ本体に組み付けてなるので、軟質成形体による鼓形空隙への位置合わせ機能を損なわせることなく、マッサージとブラッシングが効果的に行われる。
【0024】
また、前記ヘッド部を、振幅0.2〜3.5mmで動作する電動歯ブラシ本体に組み付けてなるので、軟質成形体による鼓形空隙への位置合わせ機能を損なわせることなく、マッサージとブラッシングが効果的に行われる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
次に、本発明の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。
【0026】
図1は、本発明に係る歯ブラシの全体構成を示す図であり、図1〜8は第1実施形態、図9〜12は第2実施形態、図13〜16は第3実施形態を示し、図中符号1は歯ブラシ、2はヘッド部、3は軟質成形体、4は毛束をそれぞれ示している。
【0027】
なお、以下の各実施形態においては、駆動手段を有する電動歯ブラシ本体10にブラシ体11を装着して振動させる電動歯ブラシについて説明するが、本発明の歯ブラシはこのような電動の歯ブラシに何ら限定されず、振動機構を備えない一般的な歯ブラシとしても勿論適用できる。
【0028】
第1実施形態の歯ブラシ1は、図1〜4に示すように、歯ブラシヘッド部2に略円錐台形の棒状の軟質成形体3と複数の毛束4,…とが立設され、前記軟質成形体3はヘッド部2の長手方向中央部に設けられており、この軟質成形体3に対してヘッド長手方向の前後の位置に、それぞれ該軟質成形体3よりも高さの低い前記毛束4,…が植設されている。
【0029】
より詳しくは、図3の平面図に示すように、前記軟質成形体3はヘッド部2の略中央位置に立設されている。そして、そのヘッド長手方向前後の位置に、毛束4A,…がそれぞれ配設されるとともに、ヘッド幅方向左右の位置にも、毛束4B,…がそれぞれ配設されている。すなわち中央位置の軟質成形体3は毛束4,…で囲まれるように配置されている。なお、毛束4は少なくともヘッド長手方向前後にあればよく、軟質成形体3はヘッド幅方向の端部に設けてもよい。
【0030】
この軟質成形体3を囲む毛束4,…は、いずれも軟質成形体3よりも高さ寸法が低く設定されており、図4の縦断面図に示すように、中央部の軟質成形体3と周囲の毛束4,…の高さの寸法差h1は、約0.5mm〜3.0mmに設定されている。このような高さ寸法の差を設けることにより、中央部の軟質成形体3により歯茎、とくに歯間乳頭部や、歯間を効果的にマッサージできるとともに、後述のように、当該軟質成形体3を歯間乳頭部の歯と歯の間のいわゆる鼓形空隙に嵌めこんで、周囲の毛束4により歯や歯茎、歯間を効果的にブラッシング或いはマッサージできるように設定されている。
【0031】
ここで、寸法差h1が0.5mmより小さいと、軟質成形体3の鼓形空隙に対する位置決めが確りできないと同時に、周囲の毛束が歯茎等に接触する量が多くなりずぎ、効果的なマッサージができなくなる。また、軟質成形体3による歯間乳頭部に対するマッサージ効果も十分に得られない。一方、寸法差h1が3.0mmより大きいと、周囲の毛束によるマッサージ効果や細部清掃性が低下してしまう。
【0032】
軟質成形体3は、60D〜95Dの硬度を有する軟質素材、具体的には、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ウレタン系エラストマー、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマーなどの熱可塑性エラストマーやシリコーンゴム等を用いて略円錐台形の棒状に成形され、その先端には、鼓形空隙に嵌り込む先細形状部31が形成されている。硬度が60Dより低いと歯間乳頭部等へのマッサージ効果が十分に得られず、95Dより高いと歯茎、とくに歯間乳頭部への刺激が強くなりすぎる。
【0033】
このような軟質成形体3は射出成形により形成されているが、機械加工や押出成形でもよく、また、二色成形により硬質素材からなる芯部と軟質素材からなる外皮部とより構成することも好ましい。また、本例では軟質成形体3を形成した後、ヘッド部2に形成された嵌合孔に嵌め込んで構成しているが、ヘッド部2の成形時に一体的に成形しても良い。
【0034】
周囲の毛束4は、複数のブラシ毛からなる束をU型に2つ折りし、平線とともにヘッド部に予め形成した植毛孔に打ち込んで植設した後、各毛束4の先端部を好ましくはトリミングして毛先を切り揃えて構成される。その他、同じく複数のブラシ毛からなる束の基部を熱融着して融合塊を形成し、ヘッド部の成形時に基部を成形キャビティ内に配置して一体成形によりブラシ毛をヘッド部に固定するインモールド法やフューズイン法など、従来からの種々の植毛方法を採用することができる。
【0035】
毛束4を構成するブラシ毛の素材には、ナイロンやアラミドなどのポリアミド系樹脂、あるいはポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート(ポリトリメチレンテレフタレート)又はポリエチレンテレフタレートより選択される1種または2種以上の溶融混合したポリエステル系樹脂、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂など、歯ブラシのブラシ毛として公知の合成樹脂を用いることができる。特に、ナイロンやポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、およびポリブチレンテレフタレートより選択される1種または2種以上の溶融混合したポリエステル系樹脂からなるものが優れた清掃性が得られる点で好ましい。
【0036】
とくに、細部清掃性やマッサージ効果の高いブラシ毛として先細のもの、たとえば図6に示すように、断面が芯鞘構造の合成樹脂製フィラメントからなり、鞘部60の先端から単または複数の芯毛61が突出形成されたブラシ毛40を採用することが好ましい。これは、例えば芯部61をナイロンなどのポリアミド系樹脂を主成分とする素材で構成し、鞘部60をポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂を主成分とする素材で構成した複合合成樹脂モノフィラメントを用い、これを苛性ソーダ等の薬液に浸漬し、引き上げることで鞘部60が先端から溶解除去して芯部61を露出させることにより製造することができ、このようなブラシ毛によれば、歯間部や歯と歯茎との間の境目などの狭い部分の歯垢除去効果、清掃性が向上する。
【0037】
図例では3本の芯毛が突出したものであるが、その本数は1本でも、その他2本、4本以上のものでもよい。また、薬液の濃度や浸漬時間、薬液からの引き上げ速度等により鞘部60先端のテーパー形状や芯毛61の露出長を適宜調整することができる。鞘部先端のテーパー形状は口腔内細部への挿入性、到達性を向上させる。
【0038】
また、先細のブラシ毛40としては、芯鞘構造のフィラメントを用いるもの以外に、図7(a),(b)に示すように、単位断面要素63を複数個連結した断面形状を有する合成樹脂製フィラメントの先端をアルカリや酸などの溶液に浸漬し、連結した単位断面要素の数に応じた数の先細テーパー状の分岐毛がブラシ毛先端に形成された先細毛を構成することができ、薬液の濃度や浸漬時間、薬液からの引き上げ速度等により、分岐毛の形や長さを任意に調整することができる。
【0039】
同様に、図7(c)は2つの単位断面要素からなるもの、(d)は3つの単位断面要素を一列に並べたもの、(e)は4つの単位断面要素からなるものを示しており、同様に先細テーパー状の分岐毛がブラシ毛先端に形成された先細毛を構成することができる。また、図8に示すように各単位断面要素の中心部に芯部を設け、分岐毛のそれぞれを上記と同様の芯鞘構造とすることができる。
【0040】
なお、本例では毛束がヘッド幅方向に3列設けられ、中央列の中央位置に前記軟質成形体3が設けられているが、上述したように軟質成形体3に対するヘッド長手方向前後に毛束4が配置されるものであれば、毛束列の数、各列を構成する毛束の数、配置関係は何ら限定されない。また、軟質成形体3の形状、個数も何ら限定されず、断面視円形以外に三角(たとえば後述の第3実施形態の形状)、四角、多角形、星形などさまざまな形状が採用でき、側面視も台形以外の形状とすることもできる。
【0041】
図5は本実施形態の歯ブラシ1の使用状態を示しており、基本的には軟質成形体3を歯と歯茎の境目に沿って歯間乳頭部から隣の歯間乳頭部へと移動させ、該軟質成形体3により当該境目や歯間乳頭部のマッサージ及びブラッシングを行ないつつ、周囲の毛束4により歯茎や歯間のマッサージ、歯面や歯間のブラッシングを行うものである。とくに図中(a)は、歯の表側に対してヘッド部2を歯列と平行に位置させるとともに鼓形空隙に軟質成形体3をはめ込んだ状態を示しており、軟質成形体3により歯間乳頭部が効果的にマッサージできるとともに、該軟質成形体3に対して図中下側の毛束4Bにより歯茎のマッサージや歯と歯茎の間のブラッシング等が行なわれ、ヘッド長手方向前後の毛束4Aにより歯面、歯間のブラッシングが行われる。
【0042】
また、(b)は歯の裏側などヘッド部を2を歯列に直角に位置させて使用する状態を示しており、同じく鼓形空隙に軟質成形体3をはめ込み、歯間乳頭部のマッサージとともに、図中下側の毛束4Aにより歯茎のマッサージが行われ、ヘッド幅方向左右の毛束4B、図中上側の毛束4Aにより歯面や歯間の清掃が行われる。このように歯の表側、裏側の清掃時に軟質成形体3を鼓形空隙にはめ込むことにより、ヘッド長手方向前後に配置された毛束が歯面や歯間の適切な位置に当たることとなり、効果的なブラッシングを行うための案内役として機能するのである。
【0043】
電動歯ブラシ本体10によるヘッド部2の振動は、従来からの電動歯ブラシに比べて振動を大きく且つ振幅を小さく設定し、上記軟質成形体3による鼓形空隙への位置合わせ機能を損なわせることなく、マッサージとブラッシングが効果的に行われるように設定されており、振動数は1500〜11000cpm、より好ましくは7000〜11000cpm、振幅は0.2〜3.5mm、より好ましくは0.2〜1.0mmにそれぞれ設定される。
【0044】
次に、図9〜12に基づき第2実施形態を説明する。
【0045】
本実施形態の歯ブラシ1は、前記軟質成形体3をヘッド長手方向に長い板状に構成し、その先端のヘッド長手方向両端位置に先細形状部として突起部31A,31Aを形成したものである。軟質成形体3の位置は、上記第1実施形態と同様、ヘッド部2の長手方向中央部に設けられており、この軟質成形体3に対してヘッド長手方向の前後の位置に、それぞれ該軟質成形体3よりも高さの低い毛束4A,…が植設され、ヘッド幅方向左右の位置にも、該軟質成形体3よりも高さの低い毛束4B,…がそれぞれ配設されている。
【0046】
なお、毛束4は少なくともヘッド長手方向前後にあればよく、板状軟質成形体3はヘッド幅方向の端部に設けてもよい。また、幅方向に複数配設することも可能である。また、板状の軟質成形体3の形状は、本例のように側面視、平面視ともに矩形の形状以外に、台形その他、さまざまな形状を採用でき、ヘッド幅方向に設けたものや、平面視T字状やL字状、十字状に構成することもできる。また、突起部31Aの個数も1つ又は3つ以上設けることもできる。
【0047】
軟質成形体3と周囲の毛束4,…の高さの寸法差h2は、第1実施形態の寸法差h1と同様、約0.5mm〜3.0mmに設定され、軟質成形体3による歯茎、とくに歯間乳頭部や歯間のマッサージや、周囲の毛束4による歯や歯茎、歯間のブラッシング或いはマッサージを効果的に行うことができるように構成されている。
【0048】
図12は本実施形態の歯ブラシ1の使用状態を示しており、基本的には軟質成形体3の突起部31A,31Aをそれぞれ歯と歯茎の境目に沿って歯間乳頭部から隣の歯間乳頭部へと移動させればよいが、とくに図中(a)のように各突起部31A,31Aをそれぞれ鼓形空隙にはめ込むことにより、ヘッド部が歯列と平行となり、このような正しい使用状態に案内することで周囲の毛束4により歯面や歯間の清掃をより確実に行うことが可能となる。
【0049】
また、(b)は歯の裏側など、ヘッド部2を縦にして使用する状態を示しており、先端側の突起部31Aを鼓形空隙にはめ込み、当該軟質成形体3による歯間乳頭部のマッサージと同時に、先端側の毛束4Aにより歯茎等のマッサージが効果的に行われることとなる。このことから、突起部31A,31Aの間隔は隣り合う鼓形空隙の間隔に対応する値に設定され、となり合う鼓形空隙の間の幅とほぼ同じ5mm〜12mm程度に設定される。
【0050】
その他、軟質成形体3の素材や毛束4の素材、成形方法などを含む歯ブラシの構成については、上記第1実施形態と同様であり、同一構造には同一符号を付してその説明を省略する。
【0051】
次に、図13〜16に基づき第3実施形態を説明する。
【0052】
本実施形態の歯ブラシ1は、前記軟質成形体3を第1実施形態と同様、棒状に構成し、ヘッド幅方向端縁部にそれぞれ1本づつ合計2本設けたものである。この軟質成形体3,3に対してヘッド長手方向の前後の位置に、それぞれ該軟質成形体3よりも高さの低い毛束4A,…が配設されている。
【0053】
なお、本例では各軟質成形体3をヘッド幅方向端縁部に設けて、その外側に毛束は設けられていないが、これは間隔を鼓形空隙の間隔に近づける為であり、ヘッド部の幅寸法によっては、外側に毛束を設けることも勿論できる。また、3本以上設けることも可能である。各軟質成形体3は断面視三角形状に構成され、先端部には1点収束するように三角錘状の先細形状部部31が形成されている。
【0054】
そして、軟質成形体3,3と前後の毛束4,…の高さの寸法差h3は、第1実施形態の寸法差h1と同様、約0.5mm〜3.0mmに設定され、軟質成形体3による歯間乳頭部、歯間等のマッサージや、周囲の毛束4による歯や歯茎、歯間のブラッシング或いはマッサージを効果的に行うことができるように構成されている。
【0055】
図16は本実施形態の歯ブラシ1の使用状態を示しており、図中(a)は歯の表側、(b)は歯の裏側を磨く際に、それぞれ歯ブラシを横方向、縦方向に向けて使用する状態を示している。基本的には軟質成形体3,3のいずれかを歯と歯茎の境目に沿って歯間乳頭部から隣の歯間乳頭部へと移動させればよいが、とくに図中(a)のように下顎の歯の表側を磨く際には、図中下側の軟質成形体3を鼓形空隙にはめ込むことにより、該軟質成形体3による歯間乳頭部のマッサージとともに、前後の毛束4により歯面や歯間の清掃をより確実に行うことが可能となる。図示しないが上顎の歯の表側を磨く際には、同じく歯ブラシを横にして上側の軟質成形体3を鼓形空隙に嵌めこんで同様に歯間乳頭部のマッサージおよび歯面や歯間の清掃を行うことができる。
【0056】
また、図中(b)のように歯の裏側など、ヘッド部2を縦にして使用する際には、軟質成形体3,3をそれぞれ鼓形空隙にはめ込むことにより、歯間乳頭部のマッサージとともに、先端側の毛束4により歯茎等のマッサージが効果的に行われ、同時に、基端側の毛束4により歯面を確実にブラッシングすることができる。このことから、軟質成形体3,3の間隔は隣り合う鼓形空隙の間隔に対応する値に設定され、となり合う鼓形空隙の間の幅とほぼ同じ5mm〜12mm程度に設定される。
【0057】
その他、軟質成形体3の素材や毛束4の素材、成形方法などを含む歯ブラシの構成については、上記第1実施形態と同様であり、同一構造には同一符号を付してその説明を省略する。
【0058】
以上の実施形態では、代表的な3つの例についてのみ説明したが、とくに軟質成形体についてはヘッド長手方向中央部に設けられるものであれば、形状、個数、配置はとくに限定されず、たとえば、棒状の軟質成形体を長手方向に複数配置したものや、板状の軟質成形体を横向き(幅方向)に設けたものや、平面視T字状やL字状、十字状に、板状を配置したもの、板状と棒状以外に、その他の異形状でもよく、それらの組合せとしてもよい。いずれにしても、本発明はこうした実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の第1実施形態に係る歯ブラシを示す斜視図。
【図2】同じくヘッド部の斜視図。
【図3】同じく平面図。
【図4】同じく縦断面図。
【図5】(a),(b)は、同じく歯ブラシの使用状態を示す説明図。
【図6】(a),(b)は、毛束を構成する先細ブラシ毛の説明図。
【図7】(a)〜(e)は、先細ブラシ毛の変形例を示す説明図。
【図8】(a),(b)は、同じく先細ブラシ毛の変形例を示す説明図。
【図9】第2実施形態に係る歯ブラシのヘッド部の斜視図。
【図10】同じく平面図。
【図11】同じく縦断面図。
【図12】(a),(b)は、同じく歯ブラシの使用状態を示す説明図。
【図13】第3実施形態に係る歯ブラシのヘッド部の斜視図。
【図14】同じく平面図。
【図15】同じく側面図。
【図16】(a),(b)は、同じく歯ブラシの使用状態を示す説明図。
【符号の説明】
【0060】
1 歯ブラシ
2 ヘッド部
3 軟質成形体
4,4A,4B 毛束
10 電動歯ブラシ本体
11 ブラシ体
31 先細形状部
31A 突起部
40 ブラシ毛
60 鞘部
61 芯毛
63 単位断面要素
h1,h2,h3 寸法差
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯ブラシヘッド部に、軟質成形体と複数の毛束とを立設してなり、前記軟質成形体を、前記ヘッド部の長手方向中央部に単又は複数設けるとともに、該軟質成形体に対してヘッド長手方向の前後の位置に、それぞれ該軟質成形体よりも高さの低い前記毛束を植設し、前記軟質成形体の先端に先細形状部を設けてなることを特徴とする歯ブラシ。
【請求項2】
前記軟質成形体に対してヘッド幅方向の左右の位置に、それぞれ該軟質成形体よりも高さの低い毛束を植設してなる請求項1記載の歯ブラシ。
【請求項3】
前記軟質成形体が棒状であり、その先端に先細形状部を形成してなる請求項1又は2記載の歯ブラシ。
【請求項4】
前記棒状の軟質成形体を、ヘッド幅方向に所定間隔をおいて複数設けてなる請求項3記載の歯ブラシ。
【請求項5】
前記棒状の軟質成形体を、ヘッド長手方向に所定間隔をおいて複数設けてなる請求項3記載の歯ブラシ。
【請求項6】
前記軟質成形体がヘッド長手方向またはヘッド幅方向に長い板状であり、該軟質成形体の先端に、前記先細形状部としてヘッド長手方向またはヘッド幅方向に所定間隔をおいて複数の突起部を形成してなる請求項1又は2記載の歯ブラシ。
【請求項7】
前記複数の軟質成形体の間隔または前記先細形状部の間隔を、隣り合う鼓形空隙の間隔に対応する値に設定してなる請求項4〜6の何れか1項に記載の歯ブラシ。
【請求項8】
前記軟質成形体が、60D〜95Dの硬度を有する軟質素材からなる請求項1〜7の何れか1項に記載の歯ブラシ。
【請求項9】
前記軟質成形体を、硬質素材からなる芯部と軟質素材からなる外皮部とよりなる請求項1〜8の何れか1項に記載の歯ブラシ。
【請求項10】
前記毛束のブラシ毛が先細ブラシ毛である請求項1〜9の何れか1項に記載の歯ブラシ。
【請求項11】
前記ヘッド部を、振動数1500〜11000cpmで動作する電動歯ブラシ本体に組み付けてなる請求項1〜10の何れか1項に記載の歯ブラシ。
【請求項12】
前記ヘッド部を、振幅0.2〜3.5mmで動作する電動歯ブラシ本体に組み付けてなる請求項1〜11の何れか1項に記載の歯ブラシ。
【請求項1】
歯ブラシヘッド部に、軟質成形体と複数の毛束とを立設してなり、前記軟質成形体を、前記ヘッド部の長手方向中央部に単又は複数設けるとともに、該軟質成形体に対してヘッド長手方向の前後の位置に、それぞれ該軟質成形体よりも高さの低い前記毛束を植設し、前記軟質成形体の先端に先細形状部を設けてなることを特徴とする歯ブラシ。
【請求項2】
前記軟質成形体に対してヘッド幅方向の左右の位置に、それぞれ該軟質成形体よりも高さの低い毛束を植設してなる請求項1記載の歯ブラシ。
【請求項3】
前記軟質成形体が棒状であり、その先端に先細形状部を形成してなる請求項1又は2記載の歯ブラシ。
【請求項4】
前記棒状の軟質成形体を、ヘッド幅方向に所定間隔をおいて複数設けてなる請求項3記載の歯ブラシ。
【請求項5】
前記棒状の軟質成形体を、ヘッド長手方向に所定間隔をおいて複数設けてなる請求項3記載の歯ブラシ。
【請求項6】
前記軟質成形体がヘッド長手方向またはヘッド幅方向に長い板状であり、該軟質成形体の先端に、前記先細形状部としてヘッド長手方向またはヘッド幅方向に所定間隔をおいて複数の突起部を形成してなる請求項1又は2記載の歯ブラシ。
【請求項7】
前記複数の軟質成形体の間隔または前記先細形状部の間隔を、隣り合う鼓形空隙の間隔に対応する値に設定してなる請求項4〜6の何れか1項に記載の歯ブラシ。
【請求項8】
前記軟質成形体が、60D〜95Dの硬度を有する軟質素材からなる請求項1〜7の何れか1項に記載の歯ブラシ。
【請求項9】
前記軟質成形体を、硬質素材からなる芯部と軟質素材からなる外皮部とよりなる請求項1〜8の何れか1項に記載の歯ブラシ。
【請求項10】
前記毛束のブラシ毛が先細ブラシ毛である請求項1〜9の何れか1項に記載の歯ブラシ。
【請求項11】
前記ヘッド部を、振動数1500〜11000cpmで動作する電動歯ブラシ本体に組み付けてなる請求項1〜10の何れか1項に記載の歯ブラシ。
【請求項12】
前記ヘッド部を、振幅0.2〜3.5mmで動作する電動歯ブラシ本体に組み付けてなる請求項1〜11の何れか1項に記載の歯ブラシ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
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【図16】
【公開番号】特開2008−29397(P2008−29397A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−203470(P2006−203470)
【出願日】平成18年7月26日(2006.7.26)
【出願人】(000106324)サンスター株式会社 (200)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月26日(2006.7.26)
【出願人】(000106324)サンスター株式会社 (200)
【Fターム(参考)】
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