説明

歯ブラシ

【課題】部分入れ歯を取り外した後の残存する歯の歯磨きを容易に行うことができる、歯ブラシを提供する。
【解決手段】棒状の柄部材1と、柄部の一端部から垂直に延びる軸部材3と、軸部材3の軸線方向に沿って、この軸部材から放射状に延びる複数の毛を有する少なくとも1つのブラシ部材21、を具備するブラシ体2と、を備え、ブラシ体2は、少なくとも1つのブラシ部材21と隣接し、弾性を有する少なくとも1つの多孔質部材22をさらに備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯ブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の歯ブラシとしては、柄の一端部に、多数の毛を植め込んだものが一般的である。このような歯ブラシは、柄の一端部が偏平状に形成され、その偏平面から垂直に多数の毛が延びている。その他、ブラッシング時に毛の向きを変えなくても、毛を歯に接触させることを可能とするため、特許文献1のような歯ブラシも提案されている。この歯ブラシは、柄の軸線方向に沿って放射状に毛が植め込まれているため、柄がいずれの位置にあっても、毛が歯に接触可能となっている。そのため、歯ブラシ時に柄の向きを変えなくても、効率のよいブラッシングができるという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−376298号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、部分入れ歯の需要が多くなっている。部分入れ歯は、歯の一部のみを入れ歯とするものであり、一般的には、残存する歯の間に入れ歯を挿入し、フックにより入れ歯を両側の残存する歯に引っかけて固定している。そして、歯の洗浄を行う場合には、入れ歯を取り外し、残存する歯のブラッシングを行う。しかしながら、従来の歯ブラシは、柄の軸線方向に垂直に毛が植め込まれているため、残存する歯の間にブラシ部を挿入するのが難しく、満足に磨くことができないという問題があった。特に、奥歯に部分入れ歯を取り付けている場合、部分入れ歯を取り除いた空間に、歯ブラシを挿入するのが難しく、隣接する歯の裏側を十分に磨くことができなかった。その結果、残存する歯に、虫歯や歯周病が発生するおそれがあった。
【0005】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、部分入れ歯を取り外した後の残存する歯の歯磨きを容易に行うことができる、歯ブラシを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る歯ブラシは、棒状の柄部材と、前記柄部の一端部から垂直に延びる軸部材と、前記軸部材の軸線方向に沿って、当該軸部材の表面から放射状に延びる多数の毛を有する、少なくとも1つのブラシ部材、を具備するブラシ体と、を備え、前記ブラシ体は、前記少なくとも1つのブラシ部材と隣接し、弾性を有する少なくとも1つの多孔質部材をさらに備えている。
【0007】
この構成によれば、柄部材から垂直に延びる軸部材に、放射状に延びる複数の毛を有するブラシ体が設けられているため、本発明に係る歯ブラシは、全体としてはL字型に形成されている。そのため、例えば、奥歯に部分入れ歯を取り付けている場合には、部分入れ歯を取り外した空間に、ブラシ体を容易に挿入することができる。したがって、この空間の両側の残存する歯に対してブラシ体を容易に接触させることができ、磨きにくい歯の裏側に対してもブラッシングを容易に行うことができる。その結果、食べかすや歯垢を確実に除去することができ、残存する歯の虫歯や歯周病を未然に防止することができる。なお、軸部材は、柄部の一端部から垂直に延びているが、ここでいう「垂直」とは、必ずしも90度でなくてもよく、概ね80〜100度であればよい。
【0008】
また、上記ブラシ体には、少なくとも1つのブラシ部材と隣接し、弾性を有する少なくとも1つの多孔質部材が設けられているため、次の効果を得ることができる。例えば、ペースト状または液状の歯磨き剤や歯周病防止用の薬剤や抗炎症用の薬剤を塗布する場合、これらをブラシ部材に直接塗布すると流れ落ちるおそれがある。これに対して、上記多孔質部材に、液状の薬剤を塗布すれば、これを吸収して保持することができる。また、ペースト状の薬剤を塗布しても流れ落ちることなく保持することができる。また、多孔質部材はブラシ部材に隣接しているため、ブラッシング時には保持された薬剤をブラシ部材に浸透させることができ、薬剤を歯に確実に接触させることができる。その結果、虫歯や歯周病をさらに効果的に防止することができる。なお、ブラシ部材、多孔質部材の少なくとも1つが、軸部材に沿って移動するよう構成することができる。特に、ブラシ部材が軸部材に沿って移動すると、ブラッシング時に多孔質部材を押圧することが可能となるため、多孔質部材に吸収保持された薬剤を押し出すことができ、薬剤を効果的に歯に供給することができる。
【0009】
また、部分入れ歯を固定している両側の残存する歯は、部分入れ歯を固定するためのフックが取り付けられているため、歯茎への負担は大きく、炎症をおこしやすいという問題がある。そこで、上記のような多孔質部材に抗炎症剤を保持させると、抗炎症剤を残存する歯に対して確実に接触させることができ、そのような炎症を有効に抑制することができる。なお、多孔質部材は、弾性を有する種々の材料で形成することができるが、例えば、公知のスポンジ材で形成することができる。
【0010】
また、ブラシ体に、少なくとも2個のブラシ部材を設ける場合、多孔質部材を、2個のブラシ部材の間に配置することができる。こうすることで、多孔質部材に隣接する2個のブラシ部材に対して歯磨き用薬剤を浸透させることができるため、さらに効果的に歯磨きを行うことができる。
【0011】
ブラシ体の形状は、特には限定されないが、例えば、軸線と一致する軸を有する円筒状に形成することができる。その他、三角筒、四角筒等の多角筒状、先端にいくにしたがって、径が細くなる三角錐、四角錘などの錘状に形成することもできる。
【0012】
ブラシ体の外径は、例えば、6〜12mmとすることができる。こうすることで、例えば、1本の歯に相当する部分入れ歯を取り外したときに、その空間にブラシ体を挿入することができる。これは、次の理由からである。ブラシ体の外形が、6mmより小さいと、軸部材の径を十分に確保できないため、軸部材の耐久性が低下する可能性がある。また、適度な毛の長さも確保できないため、ブラシ体が硬すぎることになり、使用感が悪く歯茎を傷つける可能性もある。一方、ブラシ体の外形が、12mmより大きいと、一本のみ欠損する歯の間に、ブラシ体が挿入できないおそれがある。
【0013】
ブラシ体の軸線方向の長さは、例えば、6〜12mmとすることができる。ブラシ体の長さがこの範囲であると、歯の幅方向全体に亘ってブラシ体を接触させることができるため、ブラッシングを効率よく行うことができる。これは、次の理由からである。ブラシ体の軸方向の長さが6mmより短いと、ブラッシング効率が悪くなり、12mmより長いと、口中での取り回し(特に奥歯への使用)が難しくなるからである。
【0014】
上記歯ブラシにおいては、毛の径を、0.05〜0.12mmとすることができ、さらに好ましくは0.05〜0.08mmである。これは次の理由による。毛の径が、0.05mm未満であると、ブラッシングの耐久性が保てなくなる。一方、毛の径が0.12mmより大きいと、ブラシ体が硬くなるため、使用感が悪く歯茎を傷つけるおそれがある。特に、本発明に係る歯ブラシでは、軸部材から放射状に毛が延びており、一方向にのみ毛が延びる通常の歯ブラシよりも毛が短い傾向にある。そのため、通常の歯ブラシの毛の径が、0.15〜0.2mm程度であるところ、本発明では上記のような範囲にすることで、ブラシ体を柔らかくすることができる。
【0015】
また、上記歯ブラシにおいては、ブラシ体の毛の数を、5000〜20000とすることができる。これは、毛の数が、5000本未満であると、粗密なために掻き取り効率が悪く、20000本より多いと高密度過ぎるためにブラシ体のしなりが悪く、また掻き取られた汚れなどがトラップされる隙間が十分に確保できないために掻き取り効率が悪くなるからである。特に、本発明に係る歯ブラシでは、軸部材から放射状に毛が延びているため、通常の歯ブラシよりも毛の数が多くなる。よって、上記のような毛の数にすることができる。
【0016】
本発明に係る歯ブラシの毛を形成する材料は特には限定されないが、例えば、ナイロンなどの合成樹脂を用いることができる。
【0017】
上記歯ブラシにおける軸部材の径は、2〜5mmとすることができる。これは、軸部材の径が2mmより細いとブラッシングに耐えうる耐久性が十分に確保できないおそれがあり、5mmmより太いと、適度な毛の長さや、ブラシ体の外径が確保できない可能性があることによる。このような軸部材を形成する材料は、特には限定されないが、例えば、合成樹脂を用いることができ、ポリプロピレン、ポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリエチレン、ABS樹脂などを用いることがさらに好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る歯ブラシによれば、部分入れ歯を取り外した後の残存する歯の歯磨きを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態に係る歯ブラシの側面図である。
【図2】図1の一部拡大側面図と、その拡大図である。
【図3】図1のA−A線矢視図である。
【図4】図1の歯ブラシの使用方法を示す図である。
【図5】図1の歯ブラシの使用方法を示す図である。
【図6】図1の歯ブラシの他の例を示す一部拡大側面図である。
【図7】図1の歯ブラシの他の例を示す一部拡大側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る歯ブラシの一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は本実施形態に係る歯ブラシの側面図である。図2は図1の一部拡大図とブラシ片の拡大図であり、図3は図2のA−A線矢視図である。
【0021】
図1に示すように、この歯ブラシは、棒状に延びる柄部材1を有し、この柄部材1の先端に取り付けられた円筒状のブラシ体2とを有している。柄部材1は、手で把持しやすいように、中間部がやや屈曲しているが、全体的には直線状に延びている。柄部材1の先端には、柄部材1の軸方向Xから垂直に延びる軸部材3が突出しており、この軸部材3に上記ブラシ体2が取り付けられている。軸部材3の径は、耐久性とブラシ体2の外形を確保する観点から2〜5mmであることが好ましい。また、ブラシ体2は、2個のブラシ部材21と、その間に取り付けられた多孔質部材22とで構成されている。各ブラシ部材21は、複数の円板状のブラシ片211で構成されている。より詳細には、図2及び図3に示すように、各ブラシ片211は、ナイロンなどの合成樹脂材料で形成されており、軸部材3に嵌る貫通孔を有する環状部2111と、この環状部2111から放射状に延びる多数の毛2112とで構成されている。毛2112は、環状部2111の軸方向の幅tよりも小さい幅で環状部2111の外周面に形成されており、全体として円形の外形を形成している。このように、環状部2111が所定の幅を有することで、隣接するブラシ片211の毛2112の間に所定の隙間が形成される。
【0022】
また、ここで用いられる毛2112は、次のように設定される。まず、毛2112の径は、0.05〜0.12mmとすることが好ましい。これは、毛2112の径が、0.05mm未満であると、ブラッシングの耐久性が保てなくなる一方、毛2112の径が0.12mmより大きいと、ブラシ体2が硬くなるため、使用感が悪く歯茎を傷つけるおそれがあることによる。また、ブラシ体2における毛の数は、5000〜20000とすることが好ましい。これは、毛2112の数が、5000本未満であると、粗密なために掻き取り効率が悪くなるからであり、20000本よい多いと、高密度過ぎるためにブラシ体2のしなりが悪く、また掻き取られた汚れなどがトラップされる隙間が十分に確保できないために掻き取り効率が悪くなるからである。
【0023】
上記のように形成された複数のブラシ片211を軸部材3の軸方向Yに並べることで、ブラシ部材21が形成される。そして、本実施形態では、2個のブラシ部材21の間に円筒状の多孔質部材22を配置している。この多孔質部材22は、公知のスポンジ材で形成されている。すなわち、多孔質で柔らかな弾性を有している。多孔質部材22は、中心に貫通孔が形成されており、この貫通孔に軸部材3が挿通される。そして、軸部材3に対して、2個のブラシ部材21、多孔質部材22が挿通されることで、ブラシ体2が構成される。さらに、ブラシ片211の環状部2111の貫通孔よりも大きい径の円形のストッパ4を、軸部材3の先端に取り付けることで、ブラシ体2が軸部材3から外れるのを防止している。
【0024】
図1に示すように、上記のように形成されたブラシ体2の径Dは、6〜12mmであることが好ましい。また、ブラシ体2の軸方向の長さ、つまり、2個のブラシ部材21と多孔質部材22の合計の長さLは、6〜12mmであることが好ましい。また、柄部材1における軸部材3とは反対側の面11からストッパ4の先端までのY方向の長さL‘は、8〜16mmとすることが好ましい。これは、L‘が8mmより短いと適度に上記の長さLが確保できなくなり、16mmより長いと口中での取り回し(特に奥歯への使用)が難しくなるからである。
【0025】
なお、多孔質部材22の外径は、ブラシ部材21と同じでもよいが、これよりも小さくてもよい。例えば、4〜12mmとすることができる。また、多孔質部材22のY方向の長さBは、ブラシ部材21の長さよりも小さくすることができ、1〜6mmとすることができる。したがって、ブラシ体2のY方向の長さLの10〜50%を多孔質部材22とすることができる。このように多孔質部材22はブラシ部材21よりも小さくすることができるが、これは、後述するように、多孔質部材22は歯磨き粉や液状の薬剤、特に液状の薬剤を吸収保持することが主たる役割であるため、これらを保持できる大きさがあればよいからである。
【0026】
次に、上記のように構成された歯ブラシの使用方法について、図4及び図5を参照しつつ説明する。この歯ブラシは、通常のブラッシングに使用することもできるが、特に、部分入れ歯を使用している場合の残存する歯のブラッシングに用いられる。ここでは、そのような残存する歯のブラッシングについて説明する。
【0027】
まず、部分入れ歯を取り外す。次に、図4に示すように、多孔質部材22に対して、液体状の薬剤、例えば、歯磨き粉や歯周病防止用の薬剤Sを塗布する。これにより、多孔質部材22に薬剤Sが浸透し、保持される。この状態で、図5(a)に示すように、歯ブラシの先端を口腔内に挿入し、部分入れ歯が取り外された空間にブラシ体2を挿入する。そして、その空間に隣接する残存する歯Tに対してブラシ体2を接触させ、矢印Kの方向に移動させれば、残存する歯Tを確実にブラッシングすることができる。このとき、多孔質部材22の薬剤は、隣接するブラシ部材21に浸透するため、ブラッシングにより薬剤Sを歯Tに対して供給することできる。また、図5(b)に示すように、軸部材3が垂直になるように、歯ブラシの向きを変え、歯の生える方向に対してブラシ体2を移動してブラッシングを行うこともできる。
【0028】
ここで用いる薬剤は、特に、液状の抗炎症剤を用いることが好ましい。これは、次の理由からである。部分入れ歯を固定している両側の残存する歯は、通常、部分入れ歯を固定するためのフックが取り付けられているため、歯茎への負担は大きく、炎症をおこしやすいという問題がある。そこで、歯茎の内部へ効果的に薬剤を浸透させるには、液状の抗炎症剤を用いることが好ましい。これにより、炎症を有効に抑制することができる。
【0029】
以上のように、本実施形態によれば、柄部材1から垂直に延びる軸部材3に、放射状に延びる複数の毛2112を有するブラシ体2が設けられているため、この歯ブラシは、全体としてはL字型に形成されている。そのため、部分入れ歯を取り外した空間に、ブラシ体2を容易に挿入することができる。したがって、この空間の両側の残存する歯に対してブラシ体2を容易に接触させることができる。特に、奥歯に部分入れ歯を取り付けている場合、通常の歯ブラシでは部分入れ歯の空間に挿入しにくいが、本実施形態の歯ブラシはL字型に形成されているため、ブラシ体をこの空間に容易に挿入することができる。したがって、奥歯において、磨きにくい歯の裏側に対してもブラッシングを容易に行うことができる。その結果、食べかすや歯垢を確実に除去することができ、残存する歯の虫歯や歯周病を未然に防止することができる。また、ブラシ体2には多孔質部材22が設けられているため、液状またはペースト状の歯磨き粉、薬剤であっても、流れ落ちることなく、多孔質部材22に保持することができる。したがって、ブラッシング対象となる歯および歯茎に薬剤を確実に供給することができる。さらに、図1に示すように、柄部材1の先端において、軸部材3が取り付けられている面とは反対側の面11は、突起物がなくフラットに形成されているため、歯ブラシの先端を口腔内に挿入しやすくなっている。
【0030】
以上、本発明に一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態において、多孔質部材22を2個のブラシ部材21の間に配置しているが、これに限定されるものではなく、ブラシ部材21と隣接して設けられていればよい。例えば、図6(a)に示すように、軸部材3の先端側に設けることもできるし、図6(b)に示すように、軸部材3の基端部、つまり柄部材1側に設けることもできる。また、多孔質部材22を2個以上設けることもでき、例えば、2個のブラシ部材21の間、及びその両側に設けることもできる。また、図6(c)に示すように、軸部材3に沿って3個のブラシ部材21を並べ、それらの間にそれぞれ多孔質部材22を配置することもできる。この多孔質部材22は、ブラシ部材21と同じ大きさでもよいが、同図のように、外径及びY方向の長さをともにブラシ部材21よりも小さくすることができる。
【0031】
また、上記のようなブラシ部材21を上記のような円板型のブラシ片211で構成する場合、これらは軸部材3に固定することもできるが、軸部材3に嵌め込むだけにすることもできる。こうすることで、ブラッシング時にY方向に力が加わると、ブラシ片211が軸部材3に沿って移動できるようになる。これにより、ブラシ片は隣接する多孔質部材22を押圧することが可能になるため、多孔質部材22に保持されている薬剤(特に液状の薬剤)が押し出され、より効果的に歯に薬剤を供給することができる。このとき、各ブラシ片211が個々に移動可能となってもよいし、ブラシ片211からなるブラシ部材21が一体となって移動するようにしてもよい。また、ブラシ片211は軸部材3に対して、回転可能とすることもできる。
【0032】
上記実施形態においては、円板状のブラシ片211を複数の並べることで、ブラシ部材21を形成しているが、毛2112を軸部材3に直接植め込むことで、ブラシ部材21を形成することもできる。また、ブラシ体2の形状は、上記のように、円筒状に限定されるものではなく、四角筒、三角筒などの多角筒形状のほか、図7に示すように、先端が細くなる錐体状(円錐、多角錘など)に形成することもできる。また、ブラシ体2には、必ずしも多孔質部材22を取り付ける必要はなく、ブラシ部材21だけでブラシ体2を構成することもできる。また、本発明の歯ブラシは、部分入れ歯を取り外した場合の残存する歯をブラッシングする以外に、通常の歯のブラッシングに用いることももちろん可能である。
【符号の説明】
【0033】
1 柄部材
2 ブラシ体
21 ブラシ部材
2111 毛
22 多孔質部材
3 軸部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状の柄部材と、
前記柄部の一端部から垂直に延びる軸部材と、
前記軸部材の軸線方向に沿って、当該軸部材から放射状に延びる複数の毛を有する少なくとも1つのブラシ部材、を具備するブラシ体と、を備え、
前記ブラシ体は、前記少なくとも1つのブラシ部材と隣接し、弾性を有する少なくとも1つの多孔質部材をさらに備えている、歯ブラシ。
【請求項2】
前記ブラシ体は、少なくとも2個の前記ブラシ部材を備え、
前記多孔質部材は、前記2個のブラシ部材の間に配置されている、請求項1に記載の歯ブラシ。
【請求項3】
前記ブラシ体は、前記軸線と一致する軸を有する円筒状に形成されている、請求項1または2に記載の歯ブラシ。
【請求項4】
前記ブラシ体の外径が、6〜12mmである、請求項1から3のいずれかに記載の歯ブラシ。
【請求項5】
前記ブラシ体の前記軸線方向の長さが、6〜12mmである、請求項1から4のいずれかに記載の歯ブラシ。
【請求項6】
前記毛の径が、0.05〜0.12mmである、請求項1から5のいずれかに記載の歯ブラシ。
【請求項7】
前記ブラシ体の前記毛の数が、5000〜20000である、請求項1から6のいずれかに記載の歯ブラシ。
【請求項8】
前記軸部材の径が、2〜5mmである、請求項1から7のいずれかに記載の歯ブラシ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−212292(P2011−212292A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−84223(P2010−84223)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000186588)小林製薬株式会社 (518)
【Fターム(参考)】