説明

歯ブラシ

【課題】適切な持ち方で持つことを促す歯ブラシを提供する。
【解決手段】歯ブラシ10の把持部100は、細長い三角柱形状から、角の部分を曲面に変形させた構造を有する。この把持部100は、3つの略平面(100a、100b及び100c)を有し、これらの各略平面100a、100b及び100cには、7つの窪み102が長軸方向に配列されている。略三角柱形状により、三本指(親指、人差し指、中指)での保持を促し、さらに、把持部表面に、窪みにより、三本指の指先を窪み102に当てた状態での保持を促す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯ブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
虫歯(う蝕)や歯周病といった歯科疾患の原因は、歯間に残された食物残渣や歯の表面に付着した歯垢であると言われている。食物残渣や歯垢を除去するために、歯ブラシ、デンタルフロス、洗口剤等を利用したプラーク(歯垢)コントロールが有効であり、特に歯ブラシを用いたブラッシングが一般的に行われている。
歯ブラシを用いたブラッシングにおいては、歯ブラシの持ち方が重要な要素となる。すなわち、適切な方法で歯ブラシを持つことで初めて適切なブラッシングが可能になる。
【0003】
なお、特許文献1には、ハンドル部の腹の部分の中央に、ハンドル部と平行な窪みを設けた歯ブラシが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−240746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで本発明は、このような課題に鑑み、適切な持ち方で持つことを促す歯ブラシを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の歯ブラシは、略三角形の断面形状を有する把持部と、前記把持部の表面に設けられた複数の窪みとを有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、適切な歯ブラシの持ち方を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施形態にかかる歯ブラシ10の正面図である。
【図2】第1の実施形態にかかる歯ブラシ10の背面図である。
【図3】第1の実施形態にかかる歯ブラシ10の左側面図である。
【図4】第1の実施形態にかかる歯ブラシ10の右側面図である。
【図5】第1の実施形態にかかる歯ブラシ10の平面図である。
【図6】第1の実施形態にかかる歯ブラシ10の底面図である。
【図7】第2の実施形態にかかる歯ブラシ20の正面図である。
【図8】第2の実施形態にかかる歯ブラシ20の背面図である。
【図9】第2の実施形態にかかる歯ブラシ20の左側面図である。
【図10】第2の実施形態にかかる歯ブラシ20の右側面図である。
【図11】第2の実施形態にかかる歯ブラシ20の平面図である。
【図12】第2の実施形態にかかる歯ブラシ20の底面図である。
【図13】第3の実施形態にかかる歯ブラシ30の六面図である。
【図14】第4の実施形態にかかる歯ブラシ40の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態にかかる歯ブラシ10の正面図であり、図2は、第1の実施形態にかかる歯ブラシ10の背面図であり、図3は、第1の実施形態にかかる歯ブラシ10の左側面図であり、図4は、第1の実施形態にかかる歯ブラシ10の右側面図であり、図5は、第1の実施形態にかかる歯ブラシ10の平面図であり、図6は、第1の実施形態にかかる歯ブラシ10の底面図である。
図1〜図6に示すように、本実施形態の歯ブラシ10は、把持部100と、ブラシが植毛されるヘッド部120と、把持部100及びヘッド部120を連結する連結部110とを含んで構成される。
【0011】
把持部100、連結部110及びヘッド部は、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、ポリプロピレン(PP)、セルロースプロピオネート等のセルロース誘導体、ポリアミド、ポリカーボネート−ポリエチレンテレフタレート共重合体(PC−PET)、ポリカーボネート−アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(PC−ABS)、ポリメチルペンテン、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等のアクリル酸系ポリマー、ポリアセタール樹脂、熱可塑性エラストマー(オレフィン系、スチレン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリ塩化ビニル(PVC)系等)等またはこれらの混合物で構成される。例えば、把持部100、連結部110及びヘッド部は、一体で成形される。
【0012】
把持部100は、図6に示すように、略三角形の断面を有する。より具体的には、把持部100は、細長い三角柱形状から、角の部分を曲面に変形させた構造を有する。したがって、把持部100は、3つの略平面(100a、100b及び100c)を有する。図1に示すように、正面(植毛されたブラシが見える方向)からは、2つの略平面100a及び略平面100cが見え、図2に示すように、背面からは、1つの略平面100bが見える。
【0013】
また、これらの各略平面100a、100b及び100cには、窪み102が設けられている。本例では、各略平面100a、100b及び100cに、7つの窪み102が等間隔で長軸方向に配列されている。
【0014】
連結部110は、把持部100よりも細く形成されており、滑らかな表面を有している。本例の連結部110は、把持部100と、ヘッド部120との間を滑らかに連結させる形状を有する。
【0015】
ヘッド部120は、植毛基台を含み、この植毛基台に複数の毛束(不図示)が植毛される。
【0016】
このように、本実施形態の歯ブラシ10は、略三角柱形状の把持部100を有することにより、三本指(親指、人差し指、中指)での保持を促すことができる。加えて、把持部100の表面に、窪み102を有することのより、三本指の指先を窪み102に当てた状態での保持を促す。これにより、鉛筆を保持するような持ち方で、歯ブラシを持つことを促すことができる。
【0017】
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態にかかる歯ブラシ20の正面図であり、図8は、第2の実施形態にかかる歯ブラシ20の背面図であり、図9は、第2の実施形態にかかる歯ブラシ20の左側面図であり、図10は、第2の実施形態にかかる歯ブラシ20の右側面図であり、図11は、第2の実施形態にかかる歯ブラシ20の平面図であり、図12は、第2の実施形態にかかる歯ブラシ20の底面図である。
図7〜図12を見てわかるように、本実施形態の歯ブラシ20は、基本的な構成において、第1の実施形態の歯ブラシ10と同じである。主な相違点は、把持部200の各略平面200a、200b及び200cに設けられた窪み202のうち、ヘッド部220及び連結部210に最も近い窪み202a、202b及び202cが、他の窪み202a、202b及び202cと異なる形状を有する点である。本例のように、ヘッド部220及び連結部210に最も近い窪み202a、202b及び202cを、他の窪みよりも長細く、大きなものとすることにより、ヘッド部220に最も近い窪みに指先を当てて保持するよう促すことができる。
【0018】
(第3の実施形態)
図13は、第3の実施形態にかかる歯ブラシ30の六面図である。
図13に示すように、本実施形態の歯ブラシ30は、基本的な構成において、第1の実施形態の歯ブラシ10と同じである。主な相違点は、ヘッド部320に設けられた植毛穴が1束用である点と、把持部300と連結部310との間に角度を付けている点である。このようにワンタフトタイプの歯ブラシであっても、同様に本発明を適用できる。
【0019】
(第4の実施形態)
図14は、第4の実施形態にかかる歯ブラシ40の正面図である。
図14に示すように、本実施形態の歯ブラシ40は、基本的な構成において、第1の実施形態の歯ブラシ10と同じである。主な相違点は、保持部400の各略平面に設けられた窪み402が、ヘッド部420に最も近い位置のみである点である。
このように、歯ブラシの保持に必要な位置に絞って、窪み402を設けてもよい。
【0020】
以上説明したように、各実施形態の歯ブラシによれば、適切な持ち方を促すことができると共に、滑り止めとしての効果も期待できる。さらには、美感に優れた歯ブラシとして期待できる。
【符号の説明】
【0021】
10、20、30、40 …歯ブラシ
100、200、300、400 …把持部
102、202、302、402 …窪み
110、210、310、410 …連結部
120、220、320、420 …ヘッド部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略三角形の断面形状を有する把持部と、
前記把持部の表面に設けられた複数の窪みと
を有する歯ブラシ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−152497(P2012−152497A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−16291(P2011−16291)
【出願日】平成23年1月28日(2011.1.28)
【出願人】(502165551)株式会社歯愛メディカル (5)
【Fターム(参考)】