説明

歯列を挟んで磨く歯ブラシの製造法

【課題】歯ブラシのブリッスルが行と列によって構成され、中央列が短く刈り込まれ、外側列が10°位内側に傾斜する所謂歯列を挟んで磨く歯ブラシは、使用効果は有るものゝ製造コストが掛かり安価に提供し得ないので、同じ形体、効用で量産し得て、安価に供給し得るようにし、且つ長期間使用し得るよう使用者でも容易に修復出来るようにする。
【解決手段】歯ブラシ躯体を熱可塑性合成樹脂により成型する際に、全植毛孔を植毛面に垂直に設け、中央列植毛は通常の歯ブラシの半分位に刈り、外側列に長く植毛し、外側列ブリッスルを内側に傾ける匡整キャップを被せ、90℃位で加熱処理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、日常大多数の人が使用する歯ブラシのうち、行と列からなるブリッスルを有し、中央列ブリッスルを短く刈り込み、外側列には片側先細のブリッスルを先細側を長く、反対側の切断側をやゝ短く段差をつけて植毛する、所謂歯列を挟んで磨く歯ブラシの製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
歯ブラシは、大別して植毛面に垂直に植え、均等な長さに刈ったものと、極少数ではあるが、中央列ブリッスルを短く刈り、外側列ブリッスルを内側に傾斜させて長く植毛し、歯列を挟んで磨けるようにしたものがある。
全ブリッスルを植毛面に垂直に植え、均等な高さに刈り込んだものは、歯ブラシ躯体の成型も、植毛も全自動機で製造し得る処から廉価に供給し得るが、歯列を挟んで磨く歯ブラシは磨掃効果は大きいが、現行の製造法では人手を多く要し、困難が伴い、廉価で供給し得ない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
傾斜させて植毛する為には、現行の植毛法では何らかの方法によって所望の角度に傾斜した植毛孔を設けなければならないが、現在一般に行われている歯ブラシ躯体の製造法は、硬質熱可塑性合成樹脂を射出成型法で形成するが、10°位の傾斜を有する多数の植毛孔を穿つ方法は出願されていても成果は得ていない。
又、パーソナルコンピューター制御の工作機械での後加工により、穿孔することも確実性がなく、穿孔に時間が掛かり量産向きではない。
【0004】
歯ブラシの製造は、躯体成型時に全植毛孔を水平な植毛面に垂直に穿つ現行の一般的な方法が最も量産可能であり、使用法では歯列を挟んで磨く歯ブラシが便利で効果も大きい処から、両者の長所を活かして安価で効果が大きい方法を見出すことを課題とする。
【課題を解決する為の手段】
【0005】
課題の植毛面に垂直に植毛したブリッスルを内側に傾けるには、外側ブリッスルの材質は飽和ポリエステル樹脂である処から、90℃で根元から屈曲させ、その儘冷却すれば所望の形は永く保持し続けることが可能と予測し、その屈曲保持方法を発明の課題とする。
【0006】
図3のように、中央列に短く、外側列に長く、いずれも水平な植毛面に対して垂直に植毛し、歯ブラシヘッド部が納まるポリプレン等のやゝ高温で成型する図4、図5、図6で示す匡整キャップを被せ、90℃位の熱湯に1分位浸漬するか、同じ温度の熱気中に係止後大気中で冷却すれば、図7で示す歯列を挟んで磨く歯ブラシが得られる。
【発明の効果】
【0007】
歯ブラシの販売時に、匡整キャップも付属品として添付して販売すれば、通常使用2〜3ヶ月で図8のようになる外側列ブリッスルの毛先も、新品同様に匡整できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本歯ブラシ製造法で用いる歯ブラシ躯体のうちヘッド部の平面図
【図2】ヘッド部の側面図
【図3】図1、図2で示す全植毛孔に植毛した図
【図4】匡整キャップ正面図
【図5】匡整キャップ側面図
【図6】図5の3及び図6で示す匡整用凸条の平面図
【図7】匡整後の歯ブラシヘッドの側面図
【図8】無匡整で3ヶ月使用後の歯ブラシの側面図
【符号の説明】
【0020】
1 蝶番
2 留め具
3 匡整用凸条

【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯ブラシのヘッド部に適合し、蝶番と留め具を有し、内面にブリッスルの匡整凸条を有する歯ブラシキャップ。
【請求項2】
硬質熱可塑性合成樹脂を射出成型法により歯ブラシの躯体を通常形体と同形に全植毛孔を植毛面に垂直に製作し、植毛は中央列に短く、外側列を長く植毛し、請求項1の匡整凸条を有するキャップを被せ、数十秒間90℃位の湯に浸漬するか、90℃位の空洞内に滞留させ、外側列ブリッスルを10°位内側に傾斜させる歯ブラシの製造法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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