説明

歯科用口膣内吸引装置

【課題】本発明は、歯の治療時に口膣内の唾液等を簡易な構成で確実に吸引でき、しかも金等の金属を回収することのできる歯科用口膣内吸引装置を提供することを課題とする。
【解決手段】口膣内の唾液等を吸引するための吸引管と、該吸引管に連結されたバキューム吸引ホースとから構成された歯科用口膣内吸引装置において、前記吸引管に連結するバキューム吸引ホースの先端部分に客脱自在にフィルダーが取り付けられ、該フィルダーが少なくとも2重層として形成したことである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯の治療時に口膣内に溜る唾液等を吸引するのに使用する歯科用口膣内吸引装置に関するものである。
【技術の背景】
【0002】
歯科医院で歯の治療を受ける際、患者は口を空けた状態で治療を受け付けるために口膣内に唾液、治療中に発生する歯石、金属粒子及び印象材等が溜まり患者の負担となる。このため、通常歯科用口膣内吸引装置を用いて、唾液等を適時吸引しながら歯の治療を行う。
【0003】
上記歯科用口膣内吸引装置としては、口膣内に挿入する吸引管と、該吸引管に接続された粉溜まりと、吸引管と粉溜まりの間に配置され、粉溜まり内の粉体が吸引管の方に逸出するのを阻止するための逆止弁と、粉溜まりの下流に配置されたフィルターと、該フィルターの下流に配置され歯科用ユニットのバキュームホースの継手に接続するための接続部を備えて構成されている。
【0004】
上記歯科用口膣内吸引装置は、細長い形状の吸引管に逆止弁と、粉溜まりと、フィルターを順に組み込み構成されている。
【0005】
上記歯科用口膣内吸引装置は、吸引管の先端側を患者の口膣内に位置させてバキュームを印加し真空作用により、口膣内の唾液等を空気とともに吸引して口膣内より排除すべく使用する。この際、口膣内より排除されたもののうち、空気はフィルターで濾過され、粉体は粉溜まりに溜まる。
【0006】
、その後、吸引管部分をバキュームホースより取り外すことで、内部の粉末等を廃棄する。
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記歯科用口膣内吸引装置で使用されているフィルターは合成樹脂等で構成しているために、金属の微粒子を確実に除去できず、空気とともにバキューム吸引され、金等のレアメタルの回収には適さない。
【0008】
また、フィルターは、吸引管のバキュームホースとの連結側に挿入して取り付けられた筒状であるために、吸引管の内周の密着が不十分で、バキュームホースで吸引しても水分も残量し易く、水で洗浄しなければ粉体等を粉溜まりより適切に排除できない欠点があった。
【0009】
また、従来の歯科用口膣内吸引装置は上記のように使用後の取り扱いが煩雑であり、その作業に手間がかかるという欠点があった。
【0010】
さらに、粉溜まりの残留物は水で洗浄して廃棄するために、該粉溜まりに残留する歯の治療に使用する金、銀等のレアメタル類の粉末も垂れ流された。
【0011】
そこで、本発明は歯科用口膣内吸引装置は、その構成が簡易であり、使用後の取り扱いが容易で、金等のレアメタル類を確実に回収することのできる歯科用口膣内吸引装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の歯科用口膣内吸引装置は、上記課題を解決するために請求項1に記載のように、口膣内の唾液等を吸引するための吸引管と、該吸引管の連結されたバキューム吸引ホースとから構成された歯科用口膣内吸引装置において、前記吸引管に連結するバキューム吸引ホースの先端連結部分に着脱自在にフィルターが取り付けられ、且つ該フィルターは少なくとも2重層として形成されていることを特徴とする。
【0013】
上記課題を解決する第2の解決手段は、請求項2に記載のように、口膣内の唾液を吸引するための吸引管と、該吸引管の連結されたバキューム吸引ホースとから構成された歯科用口膣内吸引装置において、前記吸引管が吸引管を形成した外管と、該外管に挿入され、先端に着脱自在にフィルターの取り付けられた内管とから構成され、且つ前記フィルターが少なくとも2重層として形成されていることを特徴とする。
【発明の作用及び効果】
【0014】
本発明の歯科用口膣内吸引装置は、歯科用ユニットのバキューム吸引ホースの先端の連結部分に客脱自在なフィルターを取り付けた後、該バキューム吸引ホースに吸引管を連結することで、準備を終える。
【0015】
歯科用口膣内吸引装置を使用する場合は、歯の治療をする患者の口膣内に吸引管の先端側を位置させた後、バキュームを駆動して適時唾液等を吸引管で吸引することで連続した治療を行う。
【0016】
吸引管で吸引された唾液等は、バキューム吸引ホースに設けられたフィルターで選別され、空気や唾液の水分はバキューム吸引ホースで吸引され、金属等の粒子はフィルター部分に吸着する。
【0017】
前記フィルターは少なくとも2重層で形成されているために、細かな粒子も確実に選別されて該フィルターに吸着する。
【0018】
治療後、吸引管をとバキューム吸引ホースより取り外し、フィルターを回収することで、レアメタル等の金属を回収するとともに吸引管を廃棄又は殺菌することで再度、吸引を行うことができる。
【0019】
また、フィルターがバキューム吸引ホースに取り付けられているためにその着脱が容易で、メンテナンスも簡易に行える。
【0020】
本発明の第2の実施例の歯科用口膣内吸引装置は、吸引管を形成する外管に挿入された内管を取り出し、該内管の先端にフィルターを装着した後、再度外管に挿入する。
【0021】
その後、吸引管をバキューム吸引ホースに連結することで準備を終える。
【0022】
患者に使用する場合は、歯の治療をする患者の口膣内に吸引管の先端を位置させて、唾液等を吸引する。
【0023】
吸引管で吸引された唾液等は、内管に設けられたフィルターで選別し、空気と液体を内管を介してバキューム吸引ホースで吸引し、金属等の粒子をフィルター部分に吸着する。
【0024】
この際、フィルターは2重層になっているために、該部分で微粒子を確実に吸着することができる。
【0025】
その後、吸引管を形成する外管より内管を取り出し、フィルターを取り外し該フィルターに付着した金属を回収する。
【0026】
このように、本発明の歯科用口膣内装置は、その構成が簡易であり、取り扱いが容易であるために、メンテナンスが容易である。
【0027】
また、フィルター部分で確実に金属等の粒子を吸着できるので、金属の回収を確実に行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の歯科用口膣内吸引装置の一実施例について図面を用いて説明する。
【0029】
図1は本発明の歯科用口膣内吸引装置を示す概略一部断面側面図であり、図2はバキューム吸引ホースに取り付けられたフィルターを示す概略説明斜視図であり、図3はフィルターでの金属等の粒子の吸着状態を示す模式図であり、図4はフィルターの他実施を示す概略説明斜視図であり、図5は本発明の歯科用口膣内吸引装置の他実施例を示す概略一部断面側面図である。
【0030】
本発明の歯科用口膣内吸引装置1は、円筒状の吸引管2と、該吸引管2に連結し歯科用ユニット(図示せず)に連結し真空作用によりバキューム吸引を行うバキューム吸引ホース3とから構成されている。
【0031】
前記吸引管2は、先端側に吸引した唾液等の逆流を阻止する逆止弁4が取り付けられ、後端側はバキューム吸引ホースの先端側を嵌入、又は螺合して取り付けるための螺子孔が形成されている。
【0032】
前記バキューム吸引ホース3の先端には、フィルター5が着脱自在に取り付けられている。
【0033】
前記フィルター5は、バキューム吸引ホース3の先端に取り付けられた筒状の固定用フィルター6と、該固定用フィルター6に着脱自在に取り付けた第2フィルター7から構成され、少なくとも第2フィルター7は綿線脂の網目で構成されている。
【0033】
このため、第2フィルター7は、水分を含むと膨張し、網目部分の隙間が小さくなり、金属等の微粒子を確実に第2フィルター7に吸着することができる。
【0034】
従って、第2フィルター7のみを回収することで、金属の回収を可能とする。
【0035】
尚、フィルター5の構成は上記に限定されるものでなく、3重層に構成することも可能であり、また、第2フィルター7も筒状に形成することも可能であり、また、各フィルター5を綿線脂の網目に形成することも可能である。要は、バキューム吸引ホース3の先端側に着脱可能で、微粒子を吸着できるならその構成は特定されない。
【0036】
次に、上記歯科用口膣内吸引装置1を歯の治療時に患者に使用する場合について説明する。
【0037】
先ず、バキューム吸引ホース3の先端側に固定用フィルター6を取り付け、該固定用フィルター6に第2フィルター7を取り付ける。
【0038】
その後、吸引管2にバキューム吸引ホース3を嵌入することでバキューム吸引の準備を終了する。
【0039】
次に、歯の治療をする際、患者の口膣内に吸引管2の先端側を位置させ、適時バキュームを開始し、口膣内の唾液等を吸引する。
【0040】
吸引管2で吸引された唾液等は、固定用フィルター6と第2フィルター7により選別され、空気と液体とをバキューム吸引ホース3で吸引し、金属等の粒子はフィルター5に吸着する。
【0041】
この際、第2フィルター7は綿線脂で網目状に構成されているために水分を含んで膨張し網目の間を狭めることとなり微粒子を確実に網目部分に吸着する。しかも固定用フィルター6があるために空気と水以外の不純物は該固定用フィルター6に吸着し、微粒子のみを第2フィルター7に吸着できる。
【0042】
従って、バキューム吸引が終了すると吸引管2をバキューム吸引ホース3より取り外し、該バキューム吸引ホース3に取り付けた固定用フィルター6及び第2フィルター7を取り外し、第2フィルター7のみ回収し、固定用フィルター6を廃棄する。
【0043】
前記回収した第2フィルター7より金等のレアメタルの微粒子のみを回収することで、資源の再利用を可能とする。
【0044】
再度吸引管2を使用する場合は、殺菌した又は新たな吸引管2を準備し、バキューム吸引ホース3の先端に新たな固定用フィルター6を取り付け、該固定用フィルター6に第2フィルター7を取り付けた後、吸引管2に挿入して次の準備を終える。
【0045】
このように、本発明の歯科用口膣内吸引装置は、その構成が簡易であり、その取り扱いがよういである。
【0046】
また、メンテナンス時の取り扱いもスムーズに行える。
【0047】
しかも、フィルター5を2重層として構成することで、金等のレアメタルを確実に回収できる。
【0048】
また、本発明の歯科用口膣内吸引装置1は上記実施例に限定するものでなく例えば、吸引管2を、逆止弁4の設けられた外管10と該外管10に挿入され、固定フィルター6及び第2フィルター7を先端に取り付けた内管11とから構成することで、吸引管2にフィルターを一体化とすることも可能である。これにより、使用済みの吸引管2を回収することで、同時に金等のレアメタルを第2フィルター7より回収することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の歯科用口膣内吸引装置を示す概略一部断面側面図
【図2】バキューム吸引ホースに取り付けたフィルターを示す概略説明斜視図
【図3】フィルターの使用後を表す模式図
【図4】フィルターの他実施例を示す概略説明斜視図
【図5】本発明の歯科用口膣内吸引の他実施例を示す概略一部断面
【符号の説明】
1−歯科用口膣内吸引装置、2−吸引管、3−バキューム吸引ホース、5−フィルター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
口膣内の唾液等を吸引するための吸引管と、該吸引管に連結されたバキューム吸引ホースとから構成された歯科用口膣内吸引装置において、前記吸引管に連結するバキューム吸引ホースの先端連結部分に、着脱自在にフィルターが取り付けられ、且つ該フィルターは少なくとも2重層として形成していることを特徴とする歯科用口膣内吸引装置。
【請求項2】
口膣内の唾液等を吸引するための吸引管と、該吸引管に連結されたバキューム吸引ホースとから構成された歯科用口膣内吸引装置において、前記吸引管が、吸引部を形成した外管と、該外管に挿入され先端に着脱自在にフィルターの取り付けられた内管とから構成され、且つ前記フィルターが少なくとも2重層として形成していることを特徴とする歯科用口膣内吸引装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−24539(P2012−24539A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−179800(P2010−179800)
【出願日】平成22年7月23日(2010.7.23)
【出願人】(593189184)