段ボール箱の蓋固定用具
【課題】 品物の出し入れが容易になるよう蓋を開いた状態に固定でき、蓋に取り付け易いだけではなく、取り外し操作も容易になるよう形成した使い勝手の良い段ボール箱の蓋固定用具を提供する。
【解決手段】 一定の間隔をあけて平行に配置すると共に、上部1を連結している内側部材2と外側部材3で平面視鉤形状に形成する。内側部材2又は外側部材3の少なくとも一方の下部2a、3aを、下方になるに連れ外側に張り出して末広がり状に形成する。本発明は、開いた蓋4aが平面視で鉤形を作る隅の位置に、隣り合う蓋4aにわたって差し込み、蓋4aを開いた状態に固定する。
【解決手段】 一定の間隔をあけて平行に配置すると共に、上部1を連結している内側部材2と外側部材3で平面視鉤形状に形成する。内側部材2又は外側部材3の少なくとも一方の下部2a、3aを、下方になるに連れ外側に張り出して末広がり状に形成する。本発明は、開いた蓋4aが平面視で鉤形を作る隅の位置に、隣り合う蓋4aにわたって差し込み、蓋4aを開いた状態に固定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は段ボール箱の蓋固定用具に関し、更に詳しくは品物の出し入れが容易になるよう蓋を開いた状態に固定できるよう形成した段ボール箱の蓋固定用具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来この種の用具としては、平面視で鉤形状の内側部材と、この内側部材より縦方向の長さが短く形成されている平面視で鉤形状の外側部材とで、縦断面が逆U字形に形成されているものがある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
ところでこの種の用具は、品物を箱に出し入れすることが容易になる点で便利なものであるが、蓋に差し込んで蓋を固定するときや、固定後に蓋から取り外す操作を簡単にできないと、使い勝手が悪くなる。従ってこの種の用具は、蓋を開いた状態に固定できるだけではなく、蓋に対する着脱操作が容易になるよう形成されているのが望ましい。
しかるに従来品は、差し込み操作を容易にするためのガイド部材を有するのに止まり、取り外し操作については特に対策が施されていなかった。即ち従来品の場合は、例えば蓋から取り外すとき、手掛かりが少なく、また内側部材、外側部材の外面を摘むと滑り易かったから、従来品によると抜き取り操作がし難い、という問題点があった。
而して段ボール箱は、板紙の厚さが種々異なるのが通例である。従って段ボール箱の蓋を固定するこの種の用具は、板紙の厚さが異なる場合でも、ガタつくことなく、ピタッとフィットして押さえることができるよう形成されているのが望ましい。
しかるに従来品は、単に箱の隅に差し込んで蓋を押さえることができるのに止まるものであった。従って従来品によると、蓋の復元力でこの種の用具が次第に持ち上がって外れ、使用中に抜け落ちる場合があった。
【特許文献1】特開2002−96816号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、このような従来品の問題点に鑑み、提案されたものである。
従って本発明の解決しようとする技術的課題は、品物の出し入れが容易になるよう蓋を開いた状態に固定でき、蓋に取り付け易いだけではなく、取り外し操作も容易になるよう形成した使い勝手の良い段ボール箱の蓋固定用具を提供することにある。
また本発明は、このような着脱操作の容易な蓋固定用具において、紙厚が異なる場合でも、ガタつくことなくフィットして蓋を固定できるよう形成した蓋固定用具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するため、次のような技術的手段を採る。
即ち本発明は、図1等に示されるように、一定の間隔をあけて平行に配置されると共に、上部1が連結されている内側部材2と外側部材3で平面視鉤形状に形成され、開かれた蓋4aが平面視で鉤形を作る隅の位置に、隣り合う蓋4aにわたって差し込まれ、蓋4aを開いた状態に固定する段ボール箱4の蓋固定用具であって、上記の内側部材2又は外側部材3の少なくとも一方の下部2a、3aが、下方になるに連れ外側に張り出されて末広がり状に形成されていることを特徴とする(請求項1)。
【0006】
本発明品の形成材料としては、例えば合成樹脂材や、金属材等がある。ここで、外側に張り出されて末広がり状に形成される、とは、下部2a、3aを、傾斜状や、外側に反り返すことにより実現される。この場合、下部2a、3aの傾斜角度、湾曲率、末広がりに形成する部分の長さは、任意である。末広がりに形成する下部2a、3aは、内側部材2又は外側部材3の何れか一方、或いは両方でも良い。
【0007】
而して本発明の蓋固定用具は、上部1の内側に、縦断面クランク形の段差5が形成され、この段差5の垂直面5aと、この垂直面5aと対向する内面6との間隔が、段ボール箱4を形成する板紙の厚さに選定されているのが好ましい(請求項2)。
なぜならこれによると、段ボール箱4の紙厚が異なる場合でも、ピタッとフィットした状態で差し込み、抜け落ちることなく、確実に固定できるからである。
【0008】
また本発明の課題を達成する他の構成としては、図12に示されるものがある。
即ちこの本発明は、一定の間隔をあけて平行に配置されると共に、上部1が連結されている内側部材2と外側部材3で平面視鉤形状に形成され、開かれた蓋4aが平面視で鉤形を作る隅の位置に、隣り合う蓋4aにわたって差し込まれ、蓋4aを開いた状態に固定する段ボール箱4の蓋固定用具であって、上記の内側部材2と外側部材3とが、屈曲された金属線材8で枠状に形成されていることを特徴とする(請求項3)。
【0009】
この本発明の場合は、蓋4aの内外面や上側に金属線材8が線状に露出し、手指を掛ける箇所が多数生じる。従ってその分、取り外しが容易になる。ここで、金属線材8としては、例えば直径が3〜6(mm)程度の針金がある。この金属線材8は、装着時に、蓋4aの復元力に抗して屈曲形状を保持できる硬性を有するものであれば、太さ、金属の種類、被覆の有無などは任意である。而してこの本発明の場合は、1本の金属線材8で、繋ぎのない一筆書き状に形成されているのが良い。なぜならこれによると、連結用の部材や、ロー付け、溶接等の連結作業を一掃でき、製造、加工を簡単化でき、軽量化、低コスト化を図ることができるからである。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、このように内側部材又は外側部材の少なくとも一方の下部を、下方になるに連れ外側に張り出して末広がり状に形成しているものである。
従って本発明によれば、蓋を開いた状態に押さえて固定でき、蓋に差し込み易くなり、また下端に手指を掛けて容易に取り外すことができる。
また請求項3記載の本発明の場合は、金属線材によるため多少の変形が容易になり、蓋の内外面に露出する金属線材に手掛かり箇所が多数発生する。従ってこれによれば、蓋を開いた状態に押さえて固定でき、蓋に差し込み易くなるだけではなく、手指を掛ける箇所が多いため、金属線材に手指を掛けて容易に取り外すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明品は、図1等に示されるように、一定の間隔をあけて平行に配置されると共に、上部1が連結されている内側部材2と外側部材3で平面視鉤形状に形成されている。この実施形態に係る本発明品は、合成樹脂材で一体成形され、上記の内側部材2と外側部材3の下部2a、3aは、夫々下方になるに連れ外側に張り出されて末広がり状に形成されている。
【0012】
4は、段ボール箱である。この実施形態では、段ボール箱4の開かれた蓋4aが起立されている。本発明品は、この起立状の蓋4aが平面視で鉤形を作る隅の位置に、隣り合う蓋4aにわたって差し込まれ、蓋4aを開いた状態に固定するものである。
【0013】
次に本発明品の使用例を説明する。
先ず使用者は、段ボール箱4の蓋4aを開いて立ち上げ、隣り合う蓋4a同士が鉤形に作る隅に、本発明品を差し込む。この場合本発明品は、下部2a、3aが、下方になるに連れ外側に張り出されて末広がり状に形成されているから、蓋4aの上端縁に、内側部材2と外側部材3の下部2a、3aの内面が接触して導かれ、円滑に差し込むことができる。なおこの実施形態では、箱4の四隅に本発明品が差し込まれているが、本発明は、例えば箱4の対角線上の隅に、2箇所だけ差し込んで蓋4aを固定するのでも良い。
【0014】
また本発明品は、上記の通り、下部2a、3aが、外側に張り出されて末広がり状に形成されているから、抜き取るときは、図6に示されるように、下端に手指を掛けることができ、抜き取り易いものである。
なお本発明品は、起立状の蓋4aに差し込むのに代え、蓋4aを箱4の外側面に沿わせて折り返し、折り返された蓋4aの上端部と、箱本体の側壁の上端部の位置に差し込み、蓋4aを箱本体に、本発明品で固定するのでも良い。
【0015】
以上の処において、本発明の蓋固定用具は、図7に示されるように、上部1の内側に、縦断面クランク形の段差5が形成され、この段差5の垂直面5aと、この垂直面5aと対向する内面6との間隔が、段ボール箱4を形成する板紙の厚さに選定されているのでも良い。
【0016】
上記の段差5は、この実施形態では3段状に形成されている。板紙が薄い場合は、図8に示されるように、最上段の段差5の垂直面5aと、例えば内側部材2の内面6とが作る隙間に蓋4aの上端4bが差し込まれ、段差5の上面5bに当接して係合する。また図9に示されるように、中厚の板紙の場合は、中段の段差5の垂直面5aと、内側部材2の内面6とが作る隙間に蓋4aの上端4bが差し込まれ、段差5の上面5bに当接して係合する。また図10に示されるように、板紙が厚い場合は、最下段の段差5の垂直面5aと、内側部材2の内面6とが作る隙間に蓋4aの上端4bが差し込まれ、段差5の上面5bに当接して係合する。
なおこの実施形態に係る本発明品は、上部1の外面が、内側の段差5に対応して段差状に形成されているが、上部1の外面形状はこれに限られず、例えば図1に示されるように、平行な垂直面状に形成されるので良い。
【0017】
また本発明は、図11に示されるように、内側部材2と外側部材3の、両方又は何れか一方の内面6に、凸状の段差部7が形成され、この段差部7を蓋4aにしっかり係合させ、固定状態が堅固になるよう形成されているのでも良い。段差部7としては、例えば断面半円形状の突起や、縦又は横向きの突条等がある。
【0018】
次に請求項3記載の本発明の好適な一実施形態を、図12に従って説明する。
この本発明は、図示されるように、一定の間隔をあけて平行に配置されると共に、上部1が連結されている内側部材2と外側部材3で平面視鉤形状に形成され、開かれた蓋4aが平面視で鉤形を作る隅の位置に、隣り合う蓋4aにわたって差し込まれ、蓋4aを開いた状態に固定する段ボール箱4の蓋固定用具であって、上記の内側部材2と外側部材3とが、この実施形態では屈曲された1本の金属線材8で枠状に、且つ繋ぎのない一筆書き状に形成されている。
【0019】
内側部材2の箇所は、金属線材8が平面視で鉤形に曲げられると共に、両端が立ち上げられ、同様に形成される外側部材3の箇所と、両端の上部1が連ねられている。従って蓋4aは、本発明品の両端の逆U字形に屈曲された箇所9で連結固定され、鉤形の線状に形成される内側部材2と外側部材3の位置で、内外面が押さえられて固定される。
なおこの本発明品を蓋4aから取り外すときは、蓋4aの内外面を押えている線状の内側部材2、外側部材3の位置や、上部1に手指を掛けて引き上げることで、簡単に蓋4aから抜脱できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の蓋固定用具の好適な一実施形態を示す使用状態時の斜視図である。
【図2】同上蓋固定用具の使用状態時の平面図である。
【図3】同上蓋固定用具の使用状態時の正面図である。
【図4】図2のIV−IV線における要部断面図である。
【図5】図2のV−V線における要部断面図である。
【図6】同上蓋固定用具の作用を説明するための斜視図である。
【図7】同上蓋固定用具の他の実施形態を示す斜視図である。
【図8】図7に係る本発明の使用状態時の要部断面図である。
【図9】図7に係る本発明の使用状態時の要部断面図である。
【図10】図7に係る本発明の使用状態時の要部断面図である。
【図11】本発明の他の実施形態を示す使用状態時の要部断面図である。
【図12】本発明の他の構成を示す使用状態時の要部斜視図である。
【符号の説明】
【0021】
1 上部
2 内側部材
2a 下部
3 外側部材
3a 下部
4 段ボール箱
4a 蓋
【技術分野】
【0001】
本発明は段ボール箱の蓋固定用具に関し、更に詳しくは品物の出し入れが容易になるよう蓋を開いた状態に固定できるよう形成した段ボール箱の蓋固定用具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来この種の用具としては、平面視で鉤形状の内側部材と、この内側部材より縦方向の長さが短く形成されている平面視で鉤形状の外側部材とで、縦断面が逆U字形に形成されているものがある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
ところでこの種の用具は、品物を箱に出し入れすることが容易になる点で便利なものであるが、蓋に差し込んで蓋を固定するときや、固定後に蓋から取り外す操作を簡単にできないと、使い勝手が悪くなる。従ってこの種の用具は、蓋を開いた状態に固定できるだけではなく、蓋に対する着脱操作が容易になるよう形成されているのが望ましい。
しかるに従来品は、差し込み操作を容易にするためのガイド部材を有するのに止まり、取り外し操作については特に対策が施されていなかった。即ち従来品の場合は、例えば蓋から取り外すとき、手掛かりが少なく、また内側部材、外側部材の外面を摘むと滑り易かったから、従来品によると抜き取り操作がし難い、という問題点があった。
而して段ボール箱は、板紙の厚さが種々異なるのが通例である。従って段ボール箱の蓋を固定するこの種の用具は、板紙の厚さが異なる場合でも、ガタつくことなく、ピタッとフィットして押さえることができるよう形成されているのが望ましい。
しかるに従来品は、単に箱の隅に差し込んで蓋を押さえることができるのに止まるものであった。従って従来品によると、蓋の復元力でこの種の用具が次第に持ち上がって外れ、使用中に抜け落ちる場合があった。
【特許文献1】特開2002−96816号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、このような従来品の問題点に鑑み、提案されたものである。
従って本発明の解決しようとする技術的課題は、品物の出し入れが容易になるよう蓋を開いた状態に固定でき、蓋に取り付け易いだけではなく、取り外し操作も容易になるよう形成した使い勝手の良い段ボール箱の蓋固定用具を提供することにある。
また本発明は、このような着脱操作の容易な蓋固定用具において、紙厚が異なる場合でも、ガタつくことなくフィットして蓋を固定できるよう形成した蓋固定用具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するため、次のような技術的手段を採る。
即ち本発明は、図1等に示されるように、一定の間隔をあけて平行に配置されると共に、上部1が連結されている内側部材2と外側部材3で平面視鉤形状に形成され、開かれた蓋4aが平面視で鉤形を作る隅の位置に、隣り合う蓋4aにわたって差し込まれ、蓋4aを開いた状態に固定する段ボール箱4の蓋固定用具であって、上記の内側部材2又は外側部材3の少なくとも一方の下部2a、3aが、下方になるに連れ外側に張り出されて末広がり状に形成されていることを特徴とする(請求項1)。
【0006】
本発明品の形成材料としては、例えば合成樹脂材や、金属材等がある。ここで、外側に張り出されて末広がり状に形成される、とは、下部2a、3aを、傾斜状や、外側に反り返すことにより実現される。この場合、下部2a、3aの傾斜角度、湾曲率、末広がりに形成する部分の長さは、任意である。末広がりに形成する下部2a、3aは、内側部材2又は外側部材3の何れか一方、或いは両方でも良い。
【0007】
而して本発明の蓋固定用具は、上部1の内側に、縦断面クランク形の段差5が形成され、この段差5の垂直面5aと、この垂直面5aと対向する内面6との間隔が、段ボール箱4を形成する板紙の厚さに選定されているのが好ましい(請求項2)。
なぜならこれによると、段ボール箱4の紙厚が異なる場合でも、ピタッとフィットした状態で差し込み、抜け落ちることなく、確実に固定できるからである。
【0008】
また本発明の課題を達成する他の構成としては、図12に示されるものがある。
即ちこの本発明は、一定の間隔をあけて平行に配置されると共に、上部1が連結されている内側部材2と外側部材3で平面視鉤形状に形成され、開かれた蓋4aが平面視で鉤形を作る隅の位置に、隣り合う蓋4aにわたって差し込まれ、蓋4aを開いた状態に固定する段ボール箱4の蓋固定用具であって、上記の内側部材2と外側部材3とが、屈曲された金属線材8で枠状に形成されていることを特徴とする(請求項3)。
【0009】
この本発明の場合は、蓋4aの内外面や上側に金属線材8が線状に露出し、手指を掛ける箇所が多数生じる。従ってその分、取り外しが容易になる。ここで、金属線材8としては、例えば直径が3〜6(mm)程度の針金がある。この金属線材8は、装着時に、蓋4aの復元力に抗して屈曲形状を保持できる硬性を有するものであれば、太さ、金属の種類、被覆の有無などは任意である。而してこの本発明の場合は、1本の金属線材8で、繋ぎのない一筆書き状に形成されているのが良い。なぜならこれによると、連結用の部材や、ロー付け、溶接等の連結作業を一掃でき、製造、加工を簡単化でき、軽量化、低コスト化を図ることができるからである。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、このように内側部材又は外側部材の少なくとも一方の下部を、下方になるに連れ外側に張り出して末広がり状に形成しているものである。
従って本発明によれば、蓋を開いた状態に押さえて固定でき、蓋に差し込み易くなり、また下端に手指を掛けて容易に取り外すことができる。
また請求項3記載の本発明の場合は、金属線材によるため多少の変形が容易になり、蓋の内外面に露出する金属線材に手掛かり箇所が多数発生する。従ってこれによれば、蓋を開いた状態に押さえて固定でき、蓋に差し込み易くなるだけではなく、手指を掛ける箇所が多いため、金属線材に手指を掛けて容易に取り外すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明品は、図1等に示されるように、一定の間隔をあけて平行に配置されると共に、上部1が連結されている内側部材2と外側部材3で平面視鉤形状に形成されている。この実施形態に係る本発明品は、合成樹脂材で一体成形され、上記の内側部材2と外側部材3の下部2a、3aは、夫々下方になるに連れ外側に張り出されて末広がり状に形成されている。
【0012】
4は、段ボール箱である。この実施形態では、段ボール箱4の開かれた蓋4aが起立されている。本発明品は、この起立状の蓋4aが平面視で鉤形を作る隅の位置に、隣り合う蓋4aにわたって差し込まれ、蓋4aを開いた状態に固定するものである。
【0013】
次に本発明品の使用例を説明する。
先ず使用者は、段ボール箱4の蓋4aを開いて立ち上げ、隣り合う蓋4a同士が鉤形に作る隅に、本発明品を差し込む。この場合本発明品は、下部2a、3aが、下方になるに連れ外側に張り出されて末広がり状に形成されているから、蓋4aの上端縁に、内側部材2と外側部材3の下部2a、3aの内面が接触して導かれ、円滑に差し込むことができる。なおこの実施形態では、箱4の四隅に本発明品が差し込まれているが、本発明は、例えば箱4の対角線上の隅に、2箇所だけ差し込んで蓋4aを固定するのでも良い。
【0014】
また本発明品は、上記の通り、下部2a、3aが、外側に張り出されて末広がり状に形成されているから、抜き取るときは、図6に示されるように、下端に手指を掛けることができ、抜き取り易いものである。
なお本発明品は、起立状の蓋4aに差し込むのに代え、蓋4aを箱4の外側面に沿わせて折り返し、折り返された蓋4aの上端部と、箱本体の側壁の上端部の位置に差し込み、蓋4aを箱本体に、本発明品で固定するのでも良い。
【0015】
以上の処において、本発明の蓋固定用具は、図7に示されるように、上部1の内側に、縦断面クランク形の段差5が形成され、この段差5の垂直面5aと、この垂直面5aと対向する内面6との間隔が、段ボール箱4を形成する板紙の厚さに選定されているのでも良い。
【0016】
上記の段差5は、この実施形態では3段状に形成されている。板紙が薄い場合は、図8に示されるように、最上段の段差5の垂直面5aと、例えば内側部材2の内面6とが作る隙間に蓋4aの上端4bが差し込まれ、段差5の上面5bに当接して係合する。また図9に示されるように、中厚の板紙の場合は、中段の段差5の垂直面5aと、内側部材2の内面6とが作る隙間に蓋4aの上端4bが差し込まれ、段差5の上面5bに当接して係合する。また図10に示されるように、板紙が厚い場合は、最下段の段差5の垂直面5aと、内側部材2の内面6とが作る隙間に蓋4aの上端4bが差し込まれ、段差5の上面5bに当接して係合する。
なおこの実施形態に係る本発明品は、上部1の外面が、内側の段差5に対応して段差状に形成されているが、上部1の外面形状はこれに限られず、例えば図1に示されるように、平行な垂直面状に形成されるので良い。
【0017】
また本発明は、図11に示されるように、内側部材2と外側部材3の、両方又は何れか一方の内面6に、凸状の段差部7が形成され、この段差部7を蓋4aにしっかり係合させ、固定状態が堅固になるよう形成されているのでも良い。段差部7としては、例えば断面半円形状の突起や、縦又は横向きの突条等がある。
【0018】
次に請求項3記載の本発明の好適な一実施形態を、図12に従って説明する。
この本発明は、図示されるように、一定の間隔をあけて平行に配置されると共に、上部1が連結されている内側部材2と外側部材3で平面視鉤形状に形成され、開かれた蓋4aが平面視で鉤形を作る隅の位置に、隣り合う蓋4aにわたって差し込まれ、蓋4aを開いた状態に固定する段ボール箱4の蓋固定用具であって、上記の内側部材2と外側部材3とが、この実施形態では屈曲された1本の金属線材8で枠状に、且つ繋ぎのない一筆書き状に形成されている。
【0019】
内側部材2の箇所は、金属線材8が平面視で鉤形に曲げられると共に、両端が立ち上げられ、同様に形成される外側部材3の箇所と、両端の上部1が連ねられている。従って蓋4aは、本発明品の両端の逆U字形に屈曲された箇所9で連結固定され、鉤形の線状に形成される内側部材2と外側部材3の位置で、内外面が押さえられて固定される。
なおこの本発明品を蓋4aから取り外すときは、蓋4aの内外面を押えている線状の内側部材2、外側部材3の位置や、上部1に手指を掛けて引き上げることで、簡単に蓋4aから抜脱できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の蓋固定用具の好適な一実施形態を示す使用状態時の斜視図である。
【図2】同上蓋固定用具の使用状態時の平面図である。
【図3】同上蓋固定用具の使用状態時の正面図である。
【図4】図2のIV−IV線における要部断面図である。
【図5】図2のV−V線における要部断面図である。
【図6】同上蓋固定用具の作用を説明するための斜視図である。
【図7】同上蓋固定用具の他の実施形態を示す斜視図である。
【図8】図7に係る本発明の使用状態時の要部断面図である。
【図9】図7に係る本発明の使用状態時の要部断面図である。
【図10】図7に係る本発明の使用状態時の要部断面図である。
【図11】本発明の他の実施形態を示す使用状態時の要部断面図である。
【図12】本発明の他の構成を示す使用状態時の要部斜視図である。
【符号の説明】
【0021】
1 上部
2 内側部材
2a 下部
3 外側部材
3a 下部
4 段ボール箱
4a 蓋
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定の間隔をあけて平行に配置されると共に、上部が連結されている内側部材と外側部材で平面視鉤形状に形成され、開かれた蓋が平面視で鉤形を作る隅の位置に、隣り合う蓋にわたって差し込まれ、蓋を開いた状態に固定する段ボール箱の蓋固定用具であって、上記の内側部材又は外側部材の少なくとも一方の下部が、下方になるに連れ外側に張り出されて末広がり状に形成されていることを特徴とする段ボール箱の蓋固定用具。
【請求項2】
請求項1記載の段ボール箱の蓋固定用具であって、上部の内側に、縦断面クランク形の段差が形成され、この段差の垂直面と、この垂直面と対向する内面との間隔が、段ボール箱を形成する板紙の厚さに選定されていることを特徴とする段ボール箱の蓋固定用具。
【請求項3】
一定の間隔をあけて平行に配置されると共に、上部が連結されている内側部材と外側部材で平面視鉤形状に形成され、開かれた蓋が平面視で鉤形を作る隅の位置に、隣り合う蓋にわたって差し込まれ、蓋を開いた状態に固定する段ボール箱の蓋固定用具であって、上記の内側部材と外側部材とが、屈曲された金属線材で枠状に形成されていることを特徴とする段ボール箱の蓋固定用具。
【請求項1】
一定の間隔をあけて平行に配置されると共に、上部が連結されている内側部材と外側部材で平面視鉤形状に形成され、開かれた蓋が平面視で鉤形を作る隅の位置に、隣り合う蓋にわたって差し込まれ、蓋を開いた状態に固定する段ボール箱の蓋固定用具であって、上記の内側部材又は外側部材の少なくとも一方の下部が、下方になるに連れ外側に張り出されて末広がり状に形成されていることを特徴とする段ボール箱の蓋固定用具。
【請求項2】
請求項1記載の段ボール箱の蓋固定用具であって、上部の内側に、縦断面クランク形の段差が形成され、この段差の垂直面と、この垂直面と対向する内面との間隔が、段ボール箱を形成する板紙の厚さに選定されていることを特徴とする段ボール箱の蓋固定用具。
【請求項3】
一定の間隔をあけて平行に配置されると共に、上部が連結されている内側部材と外側部材で平面視鉤形状に形成され、開かれた蓋が平面視で鉤形を作る隅の位置に、隣り合う蓋にわたって差し込まれ、蓋を開いた状態に固定する段ボール箱の蓋固定用具であって、上記の内側部材と外側部材とが、屈曲された金属線材で枠状に形成されていることを特徴とする段ボール箱の蓋固定用具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−168828(P2007−168828A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−367218(P2005−367218)
【出願日】平成17年12月20日(2005.12.20)
【出願人】(505381220)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月20日(2005.12.20)
【出願人】(505381220)
【Fターム(参考)】
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