説明

殺真菌組成物

有用植物、又はその生息地、又はその繁殖材料に、相乗的に有効な量の成分A)とB)の組み合わせを施用することを含んでなる、有用植物又はその繁殖材料に対する植物病原疾患を防除する方法であって、ここで、成分A)は、式Iの化合物[式中、R1は、CF2H又はCF3であり、R2は、メチル又はエチルであり、R3は、水素又はクロロであり、R4は、水素又はシクロプロピルである]、及びこれらの化合物の農学的に許容される塩、異性体、鏡像異性体、互変異性体、N−オキシドであり、そして成分B)は、その殺真菌活性及び/又は殺虫活性が公知の化合物から選択されることを特徴とする方法は、有用植物の真菌疾患を防除又は予防するのに特に有効である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有用植物、特に植物病原性真菌の植物病原疾患の治療のための新規な殺真菌組成物と、有用植物の植物病原疾患を防除する方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかのN−[2−(フェニル)エチル]−カルボキサミド誘導体が植物病原性真菌に対する生物活性を有することが、WO2007/141009とWO2007/060164から公知である。一方化学的分類の異なる種々の殺真菌化合物は、栽培植物の種々の作物に施用するための植物殺真菌剤として広く知られている。しかし植物病原性の植物真菌に対する作物の耐性と活性は、多くの事例及び態様で農業慣行のニーズを必ずしも満たしていない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
従って本発明において、有用植物、又はその生息地、又はその繁殖材料に、相乗的に有効な量の成分A)とB)の組み合わせを施用することを含んでなる、有用植物又はその繁殖材料に対する植物病原疾患を防除する方法が提唱され、
【0004】
ここで、成分A)は、式Iの化合物
【化1】

【0005】
[式中、
1は、CF2H又はCF3であり、
2は、メチル又はエチルであり、
3は、水素又はクロロであり、
4は、水素又はシクロプロピルである]、
及びこれらの化合物の農学的に許容される塩、異性体、鏡像異性体、互変異性体、N−オキシドであり、
【0006】
成分B)は、アゾキシストロビン、ピコキシストロビン、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、プロピコナゾール、フルジオキソニル、シプロジニル、フェンプロピモルフ、フェンプロピジン、エポキシコナゾール、イプコナゾール、マンジプロパミド、クロロタロニル、アミスルブロム、ビキサフェン、ボスカリド、シフルフェナミド、ジモキシストロビン、エネストロビン、エタボキサム、フルオピコリド、フルオピラム、フルオキサストロビン、フルチアニル、イプコナゾール、イソチアニル、メトラフェノン、オリサストロビン、ペンチオピラド、プロキナジド、プロチオコナゾール、ピラクロストロビン、ピリベンカルブ、バリフェナル、イソピラザム、1−メチル−シクロプロペン、ペンコナゾール、テブコナゾール、トリフロキシストロビン、イオウ、炭酸アンモニウム銅、オレイン酸銅、フォルペット、キノキシフェン、マンコゼブ、カプタン、フェンヘキサミド、メフェノキサム、ジチアノン、アシベンゾラル、グルホシネートとその塩、グリホセートとその塩、式IIの化合物
【化2】

【0007】
式IIIの化合物
【化3】

【0008】
式IVの化合物
【化4】

【0009】
及び、式Vの化合物
【化5】

よりなる群から選択される化合物である。
【0010】
好ましくは本発明は、有用植物、又はその生息地、又はその繁殖材料に、相乗的に有効な量の成分A)とB)の組み合わせを施用することを含んでなる、有用植物又はその繁殖材料に対する植物病原疾患を防除する方法であって、ここで、成分A)は上記の式Iの化合物であり、成分B)は、アゾキシストロビン、ピコキシストロビン、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、プロピコナゾール、フルジオキソニル、シプロジニル、フェンプロピモルフ、フェンプロピジン、エポキシコナゾール、イプコナゾール、マンジプロパミド、クロロタロニル、アミスルブロム、ビキサフェン、ボスカリド、シフルフェナミド、ジモキシストロビン、エネストロビン、エタボキサム、フルオピコリド、フルオピラム、フルオキサストロビン、フルチアニル、イプコナゾール、イソチアニル、メトラフェノン、オリサストロビン、ペンチオピラド、プロキナジド、プロチオコナゾール、ピラクロストロビン、ピリベンカルブ、バリフェナル、式IIの化合物
【化6】

【0011】
式IIIの化合物
【化7】

【0012】
式IVの化合物
【化8】

【0013】
及び、式Vの化合物
【化9】

よりなる群から選択される化合物である、ことを特徴とする方法に関する。
【0014】
驚くべきことに、本発明の活性成分混合物は、基本的に予測される防除すべき植物病原体について、作用範囲のほぼ相加的増強を与えるのみでなく、成分(A)と成分(B)の作用範囲を2つの方法で拡大することができる相乗作用を達成することがわかった。第1に、その作用を同等に良好に維持したまま、成分(A)と成分(B)の施用率が低下される。第2に、そのような低い施用率で2つの個々の成分が完全に有効でなくなっても、活性成分混合物はまだ高度の植物病原性防除を達成する。これは一方で、防除できる植物病原体の範囲を大幅に広げ、他方で使用時の安全性を向上させることを可能にする。
【0015】
しかし、殺真菌活性についての実際の相乗作用以外に、本発明の殺有害生物組成物は、より広い意味で相乗活性と言えるさらに驚くべき有利な性質を有する。そのような有利な性質の例としては以下が挙げられる:他の植物病原体、例えば耐性菌株への殺真菌活性範囲の拡大;活性成分の施用率の低下;動物の有害生物、例えば昆虫又はダニ目の代表生物に対する相乗作用;他の動物病原体、例えば耐性の動物有害生物への殺真菌活性範囲の拡大;個々の化合物が完全に無効な施用率でも、本発明の組成物の助けによる充分な有害生物防除;調製及び/又は施用時、例えば摩砕、ふるい、乳化、溶解、又は分散における有利な挙動;保存安定性の向上;光に対する安定性の向上;より有利な分解性;改良された毒性挙動及び/又は生態学的毒性挙動;出芽、収穫量、より発達した根系、分蘖向上、草高の上昇、より大きな葉身、死滅根出葉の減少、より強い分蘖枝、より鮮やかな緑の葉、必要な肥料の減少、必要な種子の減少、より高生産性の分蘖枝、早期開花、穀粒の早期成熟、より少ない植物の挫折(倒伏)、苗条成長の向上、植物活力の向上、及び早期発芽を含む、有用植物の改良された特性;又は当業者に公知の他の利点。
【0016】
式Iの化合物とその製造方法は、例えばPCT/EP2008/004547に記載されている。
【0017】
化合物Bは公知であり、CAC-Reg. No. http://www/で登録されている:アゾキシストロビン(131860-33-8)、ピコキシストロビン(117428-22-5)、シプロコナゾール(94361-06-5)、ジフェノコナゾール(119446-68-3)、プロピコナゾール(60207-90-1)、フルジオキソニル(131341-86-1)、シプロジニル(121552-61-2)、フェンプロピモルフィ(67564-91-4)、フェノプロピジン(67306-00-7)、エポキシコナゾール(133855-98-8)、イプコナゾール(125225-28-7)、マンジプロパミド(374726-62-2)、クロロタロニル(1897-45-6)、アミスルブロム(348635-87-0)、ビキサフェン(581809-46-3)、ボスカリド(188425-85-6)、シフルフェナミド(180409-60-3)、ジモキシストロビン(149961-52-4)、エネストロビン(238410-11-2)、エタボキサム(16650-77-3)、フルオピコリド(239110-15-7)、フルオピラム(658066-35-4)、フルオキサストロビン(193740-76-0)、フルチアニル(304900-25-2)、イプコナゾール(125225-28-7)、イソチアニル(224049-04-1)、メトラフェノン(220899-03-6)、オリサストロビン(248593-16-0)、ペンチオピラド(183675-82-3)、プロキナジド(189278-12-4)、プロチオコナゾール(178928-70-6)、ピラクロストロビン(175013-18-0)、ピリベンカルブ(325156-49-8)、バリフェナル(283159-90-0)、式IIの化合物(688046-61-9)、式IIIの化合物(688046-51-7)、式IVの化合物(366815-39-6)、式Vの化合物(291771-99-8)、1−メチル−シクロプロペン(3100-04-7)、ペンコナゾール(66246-88-6)、テブコナゾール(107534-96-3)、トリフロキシストロビン(141517-21-7)、イオウ(7704-34-9)、炭酸アンモニウム銅(CAS 33113-08-5);オレイン酸銅(CAS 1120-44-1);フォルペット(133-07-3)、キノキシフェン(124495-18-7)、マンコゼブ(8018-01-7)、カプタン(133-06-2)、フェンヘキサミド(126833-17-8)、メフェノキサム(70630-17-0)、ジチアノン(3347-22-6)、アシベンゾラル(126448-41-7)、グルホシネートとその塩(51276-47-2, 35597-44-5(S-異性体))、グリホセート(1071-83-6 )とその塩(69254-40-6(ジアンモニウム)、34494-04-7(ジメチルアンモニウム)、38641-94-0(イソプロピルアンモニウム)、40465-66-5(モノアンモニウム)、70901-20-1(カリウム)、70393-85-0(セスキナトリウム)、81591-81-3(トリメシウム))。イソピラザムは、WO2004/035589に開示されている。イソピラザムは、2つのシン異性体である3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−N−[(1RS,4SR,9RS)−1,2,3,4−テトラヒドロ−9−イソプロピル−1,4−メタノナフタレン−5−イル]ピラゾール−4−カルボキサミドと、2つのアンチ異性体である3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−N−[(1RS,4SR,9SR)−1,2,3,4−テトラヒドロ−9−イソプロピル−1,4−メタノナフタレン−5−イル]ピラゾール−4−カルボキサミドの混合物であり、CA番号683777-13-1と683777-14-2で登録されている。
【0018】
本発明においてグリホセートの好適な塩は、カリウム塩、イソプロピルアンモニウム塩、ナトリウム塩、トリメシウム塩、アンモニウム塩、及びジアンモニウム塩である。グルホシネートの好適な塩は、US−A−4,168,963に開示されているように、好適な塩はアンモニウム塩である。
【0019】
本発明において「ラセミ化合物」は、実質的に50:50の比率の少なくとも2つの鏡像異性体の混合物を意味する。
【0020】
式Iの化合物は、4つの立体異性体型(2つのジアステレオ異性体であり、各ジアステレオ異性体は2つの鏡像異性体を含む)を含み、2つのアンチ型の2つのシン型の比率は2:1である。
【0021】
本発明の配合物はまた、植物病原疾患の防除範囲の拡大が所望の場合、2個以上の活性化合物B)を含んでよい。例えば、式Iの任意の化合物とともに、又は式Iの化合物群の任意の好適なメンバーとともに、2又は3個の成分B)を組合せることは、農業慣行で有効な可能性がある。
【0022】
好適な化合物A)を以下の表1に列記する:
【表1】

【0023】
成分A)と成分B)の以下の混合物が好適である(略語「TX」は以下を意味する:「本発明の表1に具体的に記載された化合物よりなる群から選択される1つの化合物」):
【0024】
アゾキシストロビン+TX、ピコキシストロビン+TX、シプロコナゾール+TX、ジフェノコナゾール+TX、プロピコナゾール+TX、フルジオキソニル+TX、シプロジニル+TX、フェンプロピモルフィ+TX、フェノプロピジン+TX、エポキシコナゾール+TX、イプコナゾール+TX、マンジプロパミド+TX、
クロロタロニル+TX、アミスルブロム+TX、ビキサフェン+TX、ボスカリド+TX、シフルフェナミド+TX、ジモキシストロビン+TX、エネストロビン+TX、エタボキサム+TX、フルオピコリド+TX、フルオピラム+TX、フルオキサストロビン+TX、フルチアニル+TX、イプコナゾール+TX、イソチアニル+TX、メトラフェノン+TX、オリサストロビン+TX、ペンチオピラド+TX、プロキナジド+TX、プロチオコナゾール+TX、ピラクロストロビン+TX、ピリベンカルブ+TX、バリフェナル+TX、イソピラザム+TX、1−メチル−シクロプロペン+TX、ペンコナゾール+TX、テブコナゾール+TX、トリフロキシストロビン+TX、イオウ+TX、炭酸アンモニウム銅+TX、オレイン酸銅+TX、フォルペット+TX、キノキシフェン+TX、マンコゼブ+TX、カプタン+TX、フェンヘキサミド+TX、メフェノキサム+TX、ジチアノン+TX、アシベンゾラル+TX、グルホシネート、及びその塩+TX、グリホセート、及びその塩+TX、
式IIの化合物
【化10】

式IIIの化合物
【化11】

式IVの化合物
【化12】

及び、式Vの化合物
【化13】

【0025】
成分A)と成分B)の特に好適な混合物は、アゾキシストロビン+TX、ピコキシストロビン+TX、シプロコナゾール+TX、ジフェノコナゾール+TX、プロピコナゾール+TX、フルジオキソニル+TX、シプロジニル+TX、フェンプロピモルフィ+TX、フェノプロピジン+TX、エポキシコナゾール+TX、イプコナゾール+TX、マンジプロパミド+TX、
クロロタロニル+TX、アミスルブロム+TX、ビキサフェン+TX、ボスカリド+TX、シフルフェナミド+TX、ジモキシストロビン+TX、エネストロビン+TX、エタボキサム+TX、フルオピコリド+TX、フルオピラム+TX、フルオキサストロビン+TX、フルチアニル+TX、イプコナゾール+TX、イソチアニル+TX、メトラフェノン+TX、オリサストロビン+TX、ペンチオピラド+TX、プロキナジド+TX、プロチオコナゾール+TX、ピラクロストロビン+TX、ピリベンカルブ+TX、バリフェナル+TX、式IIの化合物
【化14】

式IIIの化合物
【化15】

式IVの化合物、及び
【化16】

式Vの化合物
【化17】

である。
【0026】
活性成分配合物は、有害微生物、例えば植物病原疾患を引き起こす微生物、特に植物病原性真菌や細菌に対して有効である。
【0027】
活性成分配合物は、以下の分類に属する植物病原性真菌に対して特に有効である:子嚢菌類(Ascomycetes)[例えばベンチュリア(Venturia)、ポドスフェラ(Podosphaera)、エリシフェ(Erysiphe)、モニリニア(Monilinia)、ミコスフェレラ(Mycosphaerella)、ウンシヌラ(Uncinula)]; 担子菌類Basidiomycetes)[(例えばヘミレイア(Hemileia)属、リゾクトニア(Rhizoctonia)属、ファコプソラ(Phakopsora)属、プチニア(Puccinia)属、黒穂菌(Ustilago)属、チレチア(Tilletia)属];不完全菌類(Fungi imperfecti)[不完全菌類(Deuteromycetes)としても知られている)、例えばボトリチス(Botrytis)、ヘルミントスポリウム(Helminthospo-rium)、(リンコスポリウム(Rhynchosporium)、フサリウム(Fusarium)、セプトリア(Septoria)、セルコスポラ(Cercospora)、アルテルナリア(Alternaria)、ピリクラリア(Pyricularia)とスードセルスポレラ(Pseudocercosporella); 卵菌類(Oomycetes)(例えばフィトフトラ(Phytophthora)、ペロノスポラ(Peronospora)、シュードペロノスポラ(Pseudoperonospora)、アルブゴ(Albugo)、ブレミア(Bremia)、フィチウム(Pythium)、シュードスクレロスポラ(Pseudosclerospora)、プラスモパラ(Plasmopara)]。
【0028】
本発明において「有用植物」は、典型的には以下の種の植物を含む:ブドウ;穀物、例えば小麦、大麦、ライ麦、オート麦;ビート、テンサイや飼料用ビート;果実、ナシ状果、核果、又は柔らかい果実、例えばリンゴ、梨、プラム、桃、アーモンド、サクランボ、イチゴ、ラズベリー、又はブラックベリー;マメ科植物、例えば豆、レンズ豆、エンドウ豆、又は大豆;油料植物、例えばセイヨウアブラナ、マスタード、ポピー、オリーブ、ヒマワリ、ココナッツ、ヒマシ油植物、カカオ豆、又は落花生;キュウリ植物、例えばカボチャ、キュウリ、メロン;繊維植物、例えば綿、亜麻、大麻、又はジュート;柑橘類、例えばオレンジ、レモン、グレープ果実、又はマンダリン;野菜、例えばホウレンソウ、レタス、アスパラガス、キャベツ、ニンジン、タマネギ、トマト、ジャガイモ、ウリ、又はパプリカ;クスノキ科、例えばアボガド、シナモン、又は樟脳;トウモロコシ;タバコ;ナッツ;コーヒー;サトウキビ;茶;ブドウ;ホップ;ドリアン;バナナ;天然ゴム植物;芝生又は観賞植物、例えば花、低木、広葉樹、又は常緑樹、例えば針葉樹。このリストは決して限定的ではない。
【0029】
用語「有用植物」は、従来の品種改良法又は遺伝子工学的方法の結果として、ブロモキシニルのような除草剤、又は除草剤群[例えば、HPPDインヒビター、ALSインヒビター、例えばプリミスルフロン、プロスルフロン、及びトリフロキシスルフロン、EPSPS(5−エノール−ピロビル−シキメート−3−ホスフェート−シンターゼ)インヒビター、GS(グルタミンシンセターゼ)インヒビター]に対して耐性にされている有用植物を含むものと理解されたい。従来の品種改良法(突然変異誘発)によりイミダゾリノン類(例えばイマザモックス)に対して耐性にされている作物の例は、Clearfield(登録商標)夏菜種(カノーラ)である。遺伝子工学的方法により除草剤又は除草剤群に対する耐性にされている作物の例には、商品名RoundupReady(登録商標)、Herculex(登録商標)、及びLibertyLink(登録商標)で市販されているグリホセート耐性及びグルホシネート耐性トウモロコシ変種がある。
【0030】
用語「有用植物」は、組換えDNA技術の使用により、例えば毒素産生細菌、特にバシラス(Bacillus)属の細菌から公知のような1個以上の選択作用性毒素を合成できるように変換されている有用植物も含むことを理解されたい。
【0031】
かかるトランスジェニック植物により発現される毒素には、例えば殺虫性タンパク質、バシラス・セレウス(Bacillus cereus)又はバシラス・ポプリイ(Bacillus popliae)からの殺虫性タンパク質;又はバシラス・ツリンギエンシス(Baccilus thuringiensis)からの殺虫性タンパク質、例えばδ−エンドトキシン、例えばCryIA(b)、CryIA(c)、CryIF、CryIF(a2)、CryIIA(b)、CryIIIA、CryIIIB(b1)、若しくはCry9c、又は植物性殺虫タンパク質(VIP)、例えばVIP1、VIP2、VIP3、若しくはVIP3A;又は、線虫にコロニーを形成する細菌、例えばフォトラブヅス(Photorhabdus)属菌種又はゼノラブヅス(Xenorhabdus)属菌種、例えばフォトラブヅス・ルミネセンス(Photorhabdus luminescens)、ゼノラブヅス・ネマトフィルス(Xenorhabdus nematophilus)の殺虫性タンパク質;動物に産生される毒素、例えばサソリ毒、クモ毒、ハチ毒、及び他の昆虫特異的神経毒;真菌により産生される毒素、例えばストレプトミセス(Streptomyces)毒素、植物レクチン、例えばエンドウレクチン、大麦レクチン、又はマツユキソウレクチン;凝集素;プロテイナーゼインヒビター、例えばトリプシンインヒビター、セリンプロテアーゼインヒビター、パタチン、シスタチン、パパインインヒビター;リボゾーム不活性化タンパク質(RIP)、例えばリシン、トウモロコシ−RIP、アブリン、ルフィン、サポリン、若しくはブリオジン;ステロイド代謝酵素、例えば3−ヒドロキシステロイドオキシダーゼ、エクディステロイド−UDP−グリコシル−トランスフェラーゼ、コレステロールオキシダーゼ、エクジソンインヒビター、HMG−CoA還元酵素、イオンチャネル遮断薬、例えばナトリウム若しくはカルシウムチャネルの遮断薬、幼若ホルモンエステラーゼ、利尿ホルモン受容体、スチルベンシンターゼ、ビベンジルシンターゼ、キチナーゼ、及びグルカナーゼがある。
【0032】
本発明において、δ−エンドトキシンは、例えばCryIA(b)、CryIA(c)、CryIF、CryIF(a2)、CryIIA(b)、CryIIIA、CryIIIB(b1)、若しくはCry9cであり、植物性殺虫タンパク質(VIP)は、例えばVIP1、VIP2、VIP3、若しくはVIP3A、特に、ハイブリッド毒素、末端切断型毒素、及び修飾毒素があることを理解されたい。ハイブリッド毒素は、これらのタンパク質の異なるドメインの新しい組合せにより、組換え法で産生される(例えば、WO02/15701を参照)。末端切断型毒素の例は末端切断型CryIIA(b)であり、これは、後述のSyngenta Seed SASのBt11トウモロコシで発現される。修飾毒素の場合は、天然に存在する毒素の1個以上のアミノ酸が置換される。かかるアミノ酸置換では、好ましくは天然には存在しないプロテイナーゼ認識配列が毒素中に挿入され、例えばCryIIIA055の場合、カテプシン−D−認識配列がCryIIIA毒素中に挿入される(WO03/018810を参照)。
【0033】
かかる毒素又はかかる毒素を合成できるトランスジェニック植物の例は、例えばEP−A−0374753、WO 93/07278、WO 95/34656、EP−A−0427529、EP−A−451878、及びWO03/052073に開示されている。
【0034】
かかるトランスジェニック植物の製造法は当業者に公知であり、例えば上記刊行物に記載されている。CryI型のデオキシリボ核酸とその調製は、例えばWO 95/34656、EP−A−0367474、EP−A−0401979、WO90/13651から公知である。
【0035】
トランスジェニック植物中に含まれる毒素は、有害昆虫に対する耐性を植物に付与する。このような昆虫は、任意の分類群の昆虫に存在するが、特にカブトムシ(Coleoptera)、2枚羽昆虫(Diptera)、及びチョウ(Lepidoptera)に一般的に存在する。
【0036】
殺虫性耐性をコードし1つ又はそれ以上の毒素を発現する1つ又はそれ以上の遺伝子を含有するトランスジェニック植物は公知であり、そのいくつかは市販されている。そのような植物の例には以下がある:YieldGard(登録商標)(CryIA(b)毒素を発現するトウモロコシ変種);YieldGard Rootworm(登録商標)(CryIIIB(b1)毒素を発現するトウモロコシ変種);YieldGard Plus(登録商標)(CrylA(b)及びCrylllB(b1)毒素を発現するトウモロコシ変種);Starlink(登録商標)(Cry9(c)毒素を発現するトウモロコシ変種);Herculex I(登録商標)(CryIF(a2)毒素と、除草剤グルホシネートアンモニウムに対する耐性を達成するための酵素ホスフィノツリシンN−アセチルトランスフェラーゼ(PAT)とを発現するトウモロコシ変種);NuCOTN 33B(登録商標)(CrylA(c)毒素を発現する綿変種);Bollgard I(登録商標)(CrylA(c)毒素を発現する綿変種);Bollgard II(登録商標)(CrylA(c)とCryllA(b)毒素を発現する綿変種);VIPCOT(登録商標)(VIP毒素を発現する綿変種);NewLeaf(登録商標)(CryIIIA毒素を発現するジャガイモ変種);Nature-Gard(登録商標)、及びProteca(登録商標)。
【0037】
このようなトランスジェニック作物のさらなる例には以下がある:
1.Syngenta Seeds SAS(Chemin de I'Hobit 27, F-31 790 St. Sauveur, France)のBt11トウモロコシ、登録番号 C/FR/96/05/10。末端切断型CrylA(b)毒素のトランスジェニック発現によりアワノメイガ(Ostrinia nubilalisとSesamia nonagrioides)による攻撃に対して耐性にされている遺伝子修飾トウモロコシ。Bt11トウモロコシはまた、除草剤グルホシネートアンモニウムに対する耐性を獲得するために、トランスジェニック的に酵素PATを発現する。
【0038】
2.Syngenta Seeds SAS(Chemin de I'Hobit 27, F-31 790 St. Sauveur, France)のBt176トウモロコシ。登録番号 C/FR/96/05/10。CrylA(b)毒素のトランスジェニック発現によりアワノメイガ(Ostrinia nubilalisとSesamia nonagrioides)による攻撃に対して耐性にされている遺伝子修飾トウモロコシ。Bt176トウモロコシはまた、除草剤グルホシネートアンモニウムに対する許容性を獲得するために、トランスジェニック的に酵素PATを発現する。
【0039】
3.Syngenta Seeds SAS(Chemin de I'Hobit 27, F-31 790 St. Sauveur, France)のMIR604トウモロコシ。登録番号 C/FR/96/05/10。修飾CrylllA毒素のトランスジェニック発現により昆虫耐性にされているトウモロコシ。この毒素は、カテプシン−D−プロテアーゼ認識配列の挿入により修飾されているCry3A055である。かかるトランスジェニックトウモロコシ植物の調製は、WO03/018810に記載されている。
【0040】
4.Monsanto Europe S.A.(270-272 Avenue de Tervuren, B-1150 Brussels, Belgium)のMON 863トウモロコシ。登録番号 C/DE/02/9。MON 863はCrylllB(b1)毒素を発現し、いくつかの甲虫目(Coleoptera)昆虫に対する耐性を有する。
【0041】
5.Monsanto Europe S.A.(270-272 Avenue de Tervuren, B-1150 Brussels, Belgium)のIPC 531綿。登録番号 C/ES/96/02。
【0042】
6.Pioneer Overseas Corporation(Avenue Tedesco, 7 B-1160 Brussels, Belgium)の1507トウモロコシ。登録番号 C/NL/OO/10。いくつかの鱗翅目(Lepidoptera)昆虫に対する耐性を獲得するためのタンパク質Cry1Fの発現と、除草剤グルホシネートアンモニウムに対する許容性を獲得するためのPATタンパク質の発現のために、遺伝子修飾されたトウモロコシ。
【0043】
7.Monsanto Europe S.A.(270-272 Avenue de Tervuren, B-1150 Brussels, Belgium)のNK603 x MON 810トウモロコシ。登録番号 C/GB/02/M3/03。遺伝子修飾した品種NK603とMON810を交配して、従来法で品種改良したハイブリッドトウモロコシからなる。NK603 x MON 810トウモロコシは、アグロバクテリウム(Agrobacterium)属菌種CP4株から得られるタンパク質CP4 EPSPS(これは除草剤Roundup(登録商標)(グリホセート含有)に対する許容性を付与する)と、バシラス・ツリンギエンシス(Baccilus thuringiensis)kurstaki亜種から得られるCrylA(b)毒素(これは、アワノメイガを含むいくつかの鱗翅目(Lepidoptera)に対する許容性を付与する)とを発現する。
【0044】
昆虫耐性植物のトランスジェニック作物はまた、BATS (Zentrum fur Biosicherheit und Nachhaltigkeit, Zentrum BATS, Clarastrasse 13, 4058 Basel, Switzerland) Report 2003(http://bats.ch)に記載されている。
【0045】
「有用作物」という用語は、例えばいわゆる「病原性関連タンパク質」(PRP、例えばEP−A−0392225参照)のような選択的作用を有する抗病原性物質を合成できるように、組換えDNA技術を使用して形質転換されている有用植物も含むことを理解すべきである。かかる抗病原性物質及びかかる抗病原性物質を合成できるトランスジェニック植物の例は、例えばEP−A−0392225、WO95/33818、EP−A−0353191から公知である。かかるトランスジェニック植物の生産法は当業者に公知であり、例えば上記刊行物に記載されている。
【0046】
このようなトランスジェニック植物により発現される抗病原性物質には、例えばイオンチャネル遮断薬、例えばナトリウム及びカルシウムチャネルの遮断薬、例えばウイルスKP1、KP4、もしくはKP6毒素;スティルベンシンターゼ;ビベンジルシンターゼ;キチナーゼ;グルカナーゼ;いわゆる「病原性関連タンパク質」(PRP、例えばEP−A−0392225参照);微生物が産生する抗病原性物質、例えばペプチド抗生物質もしくは複素環抗生物質(例えば、WO95/33818参照)、又は植物病原体防御に関与するタンパク質もしくはポリペプチド因子(いわゆる「植物疾患耐性遺伝子」、WO03/000906に記載されている)がある。
【0047】
本発明の特に関係する有用植物は、穀類、大豆、コメ、菜種、ナシ状果、核果、落花生、コーヒー、茶、イチゴ、芝生、ブドウと野菜(例えば、トマト、ジャガイモ、ウリ、レタス)である。
【0048】
本明細書において有用植物の「生息地」という用語は、有用植物が成長する場所を包含することを意図しており、ここに有用植物の植物繁殖材料の種が蒔かれるか、又は有用植物の植物繁殖材料が土壌中に入れられる。このような生息地の例は、田畑である。
【0049】
用語「植物繁殖材料(plant propagation material)」は、植物の生殖性部分、例えば種子であって、後に増殖に使用することができるものや、植物性材料(vegetative material)、例えば挿し穂又は塊茎(例えばジャガイモ)を意味すると解される。例えば種子(厳密な意味で)、根、果実、塊茎、球根、根茎、及び植物の部分が挙げられる。発芽(germination)又は土壌から出芽後に移植される発芽した植物及び若い植物が挙げられる。これらの若い植物は、浸漬による全面的又は部分的処理により、移植前に保護される。好ましくは「植物繁殖材料」は、種子を意味することを理解されたい。
【0050】
本発明のさらなる態様は、天然の生活環から採った植物及び/又は動物起源の天然物質、及び/又はその処理された形態を、真菌の攻撃から防御する方法であって、植物及び/又は動物起源の天然物質、及び/又はその処理された形態に、相乗的に有効な量の成分A)とB)の組み合わせを施用することを含む方法である。
【0051】
本発明において用語「天然の生活環から採った植物起源の天然物質」は、天然の生活環から採取され、新鮮な採取された形態である植物又はその部分を意味する。このような植物起源の天然物質の例は、茎、葉、塊茎、種子、果実、又は穀粒である。本発明において用語「植物起源の天然物質の処理された形態」は、修飾処理の結果である植物起源の天然物質の形態を意味すると理解されたい。このような修飾処理は、植物起源の天然物質を、かかる物質のより保存し易い形態(保存品)に変換するために使用することができる。そのような修飾処理の例は、前乾燥、湿潤化、圧搾、微粉化、摩砕、圧縮、又は焙焼である。植物起源の天然物質の処理形態の定義に該当するのは、木材(粗木材の形態でもよい)、例えば建設木材、電柱や障害物、又は仕上げ品(例えば家具)又は木から作った物である。
【0052】
本発明において用語「天然の生活環から採った動物起源の天然物質、及び/又はその処理された形態」は、皮膚、獣皮、皮、毛皮、毛などの動物起源の物質を意味することを理解されたい。
【0053】
本発明の配合物は、腐敗、変色、又はカビのような有害作用を防止することができる。
【0054】
好適な実施態様は、天然の生活環から採った植物起源の天然物質、及び/又はその処理された形態を、真菌の攻撃から防御する方法であって、植物及び/又は動物起源の天然物質、及び/又はその処理された形態に、相乗的に有効な量の成分A)とB)の組み合わせを施用することを含む方法である。
【0055】
さらに好適な実施態様は、天然の生活環から採った果実、好ましくはナシ状果、核果、又は柔らかい果実、及び柑橘類果実、及び/又はその処理された形態を防御する方法であって、該果実及び/又はその処理された形態に、相乗的に有効な量の成分A)とB)の組み合わせを施用することを含む方法である。
【0056】
本発明の配合物はまた、真菌の攻撃に対して工業材料を防御する分野で使用される。本発明において用語「工業材料」は、産業界で使用するために作成される非生物材料を意味する。例えば、真菌の攻撃に対して防御すべき工業材料は、接着剤、織物用のり、紙、板、織物、絨毯、皮、木、建造物、塗料、プラスチック物、冷却用滑沢剤、水性作動液、及び微生物により感染されるか分解され得る他の物質である。微生物の増殖により傷害される、製造プラントの冷却と加熱システム、換気及び空調システム、及び部分、例えば冷却水回路もまた、防御すべき物質として挙げられる。本発明の配合物は、腐敗、変色、又はカビのような有害作用を防止することができる。
【0057】
本発明の配合物はまた、真菌の攻撃に対して技工物を防御する分野で使用される。本発明において用語「技工物」は、紙、絨毯、建造物、冷却と加熱システム、換気及び空調システムなどを含む。本発明の配合物は、腐敗、変色、又はカビのような有害作用を防止することができる。
【0058】
本発明の配合物は、うどんこ病;さび病;斑点病;夏疫病;カビ;特に穀類のセプトリア(Septoria)、プッキニア(Puccinia)、エリシフェ(Erysiphe)、ピレノフォラ(Pyrenophora)、及びタペシア(Tapesia);大豆のファコプソラ(Phakopsora);コーヒーのヘミレイア(Hemileia);バラのフラグミジウム(Phragmidium);ジャガイモ、トマト、及びウリ科植物のアルテルナリア(Alternaria);芝生、野菜、ヒマワリ、及び菜種のスクレロチニア(Sclerotinia);ブドウの黒斑病、レッドファイア病(red fire)、うどんこ病、灰色カビ病、及びつる割病;果実のボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea);果実のモニリニア(Monilinia)属菌種、及び果実のペニシリウム(Penicillium)属菌種、に対して特に有効である。
【0059】
さらに本発明の配合物は、以下の種子由来のかつ土壌由来の疾患に対して特に有効である:アルテルナリア(Alternaria)属菌種、アスコキタ(Ascochyta)属菌種、ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)、セルコスポラ(Cercospora)属菌種、クラビセプス、プルプレア(Claviceps purpurea)、コキリオボルス・サチブス(Cochliobolus sativus)、コレトトリクム(Colletotrichum)属菌種、エピコクム(Epicoccum)属菌種、フサリウム・グラミネアルム(Fusarium graminearum)、フサリウム・モニリホルメ(Fusarium moniliforme)、フサリウム・オキシスポルム(Fusarium oxysporum)、フサリウム・プロリフェラツム(Fusarium proliferatum)、フサリウム・ソラニ(Fusarium solani)、フサリウム・サブグルチナンス(Fusarium subglutinans)、ゴイマノミセス・グラミニス(Gaumannomyces graminis)、ヘルミントスポリウム(Helminthosporium)属菌種、ヘルミントスポリウム(Helminthosporium)属菌種、赤かび病菌(Microdochium nivale)、フォーマ(Phoma)属菌種、ピレノホラ・グラミネア(Pyrenophora graminea)、ピリクラリア・オリゼ(Pyricularia oryzae)、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)、リゾクトニア・セレアリス(Rhizoctonia cerealios)、スクレロチニア(Sclerotinia)属菌種、セプトリア(Septoria)属菌種、スファセロテカ・レイリアナ(Sphacelotheca reilliana)、チレチア(Tiletia)属菌種、大麦のティフラ・インカルナータ(Typhula incarnata)、ウロシスティス・オクルタ(Urocystis occulta)、ウスティラゴ(Ustilago)属菌種、又はベルチシリウム(Verticillium)属菌種;特に、穀物、例えば小麦、大麦、ライ麦、又はオート麦;トウモロコシ;コメ;綿;大豆;芝生;テンサイ;菜種;ジャガイモ;豆作物、例えばエンドウマメ、レンズ豆、又はヒヨコマメ;及びヒマワリに対して、特に有効である。
【0060】
本発明の配合物は、特にボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)、コレトトリクム・ムサエ(Colletotrichum musae)、クルブラリア・ルナータ(Curvularia lunata)、フサリウム・セミテクム(Fusarium semitecum)、ゲオトリクム・カンジダム(Geotrichum candidum)、モニリニア・フルクチコラ(Monilinia fructicola)、モニリニア・フルクチゲラ(Monilinia fructigela)、モニリニア・ラクサ(Monilinia laxa)、ムコール・ピリホルミス(Mucor piriformis)、ペニシリウム・イタリクム(Penicillium itallicum)、ペニシリウム・ソリツム(Penicillium solitum)、ペニシリウム・ジギタツム(Penicillium digitatum)又はペニシリウム・エキスパンスム(Penicillium expansum)、特に果実、例えば、ナシ状果、例えばリンゴ及びナシ、核果、例えば桃やプラム、柑橘類、メロン、パパイヤ、キューイ、マンゴー、ベリー、例えばイチゴ、アボカド、ザクロ、バナナ、及びナッツ類に対して、特に有効である。
【0061】
施用される本発明の配合物の量は、種々の因子、例えば使用される化合物;処理の対象、例えば植物、土壌、若しくは種子;処理の種類、例えば噴霧、散粉、若しくは種子粉衣;処理の目的、例えば予防的若しくは治療的;防除すべき真菌の種類;又は施用時間、に依存する。
【0062】
式Iの化合物と組合せて成分B)を使用すると、真菌に対する後者の有効性が驚くほどかつ大幅に上昇し、逆も真であることがわかった。従って本発明の方法は、単独で使用する時、この方法の活性成分を用いて防除できるそのような広範囲の真菌に対して有効である。
【0063】
表1から選択される式Iの化合物と上記の活性成分B)との活性成分混合物は、表1の化合物を上記の活性成分とを、1000:1〜1:1000の混合比、特に50:1〜1:50、特に20:1〜1:20の比、特に10:1〜1:10、特に5:1〜1:5で、特に2:1〜1:2で含み、同様に4:1〜2:1も好適であり、特に1:1、又は5:1、又は5:2、又は5:3、又は5:4、又は4:1、又は4:2、又は4:3、又は3:1、又は3:2、又は2:1、又は1:5、又は2:5、又は3:5、又は4:5、又は1:4、又は2:4、又は3:4、又は1:3、又は2:3、又は1:2、又は1:600、又は1:300、又は1:150、又は1:35、又は2:35、又は4:35、又は1:75、又は2:75、又は4:75、又は1:6000、又は1:3000、又は1:1500、又は1:350、又は2:350、又は4:350、又は1:750、又は2:750、又は4:750の混合比で含む。これらの混合比は、一方では重量比を、また他方ではモル比も含むことを理解されたい。
【0064】
表1から選択される式Iの化合物と上記の1つ又はそれ以上の活性成分とを含む混合物は、例えば「調合剤み」型で、単一の活性成分の別々の調製物からなる組合せ噴霧混合物、例えば「タンク混合」型で、及び単一の活性成分が(すなわち、数時間又は数日間の妥当な短期間で互いに)連続的に使用される組合せ使用で施用することができる。表1から選択される化合物の施用順序は、本発明を実施するのに特に重要ではない。
【0065】
組成物の相乗活性は、A)+B)の組成物の殺真菌作用が、A)とB)の殺真菌作用の合計より大きいという事実から明らかである。
【0066】
本発明の方法は、本発明の方法は、有用植物、その場所、又は繁殖材料に、成分A)と成分B)の相乗作用的に有効な合計量を施用することを含む。
【0067】
本発明の該配合物の一部は全体性作用を有し、葉、土壌及び種子処理殺真菌剤として使用することができる。
【0068】
本発明の配合物により、異なる有用植物中の植物又は植物の部分(果実、鼻、葉、幹、塊茎、根)中に存在する植物病原性微生物を阻害又は破壊することができ、一方、同時に、後に増殖する植物の部分もまた、植物病原性微生物による攻撃から防御される。
【0069】
本発明の配合物は、種々の有用植物又はこれらの種子、特に農作物(例えばジャガイモ、タバコ、テンサイ、小麦、ライ麦、大麦、オート麦、コメ、トウモロコシ、芝生、綿、大豆、菜種、豆作物、ヒマワリ、コーヒー、サトウキビ、果実)、及び園芸やブドウ栽培における鑑賞植物、野菜(例えば、キュウリ、豆、ウリ科植物)において、多数の真菌を防除するのに特に関係する。
【0070】
本発明の配合物は、真菌、有用植物、その生息地、その繁殖材料、天然の生活環から採られた植物及び/又は動物起源の天然物質、及び/又はその処理された形態、又は真菌の攻撃に脅かされる工業材料を、相乗的に有効な量の成分A)とB)の組み合わせを用いて処理することにより、施用される。
【0071】
本発明の配合物は、有用植物、その生息地、その繁殖材料、天然の生活環から採られた植物及び/又は動物起源の天然物質、及び/又はその処理された形態の、真菌による感染の前又は後に施用される。
【0072】
本発明の配合物は、以下の植物病を防除するのに特に有用である。
【0073】
果実と野菜のアルテルナリア(Alternaria)属菌種、
豆作物のアスコキタ(Ascochyta)属菌種、
イチゴ、トマト、ヒマワリ、豆作物、野菜、及びブドウのボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)(灰色カビ)、
落花生のセルコスポラ・アラキジコラ(Cercospora arachidicola)、
穀類のコクリオボルス・サチブス(Cochliobolus sativus)、
豆作物のコレトトリクム(Colletotrichum)属菌種、
穀類のエリシフェ(Erysiphe)属菌種、
ウリ科植物のエリシフェ・シコラセアルム(Erysiphe cichoracearum)とスファエロテカ・フリギネア(Sphaerotheca fuliginea)、
穀類とトウモロコシのフサリウム(Fusarium)属菌種、
穀類と芝生のゴイマノミセス・グラミニス(Gaumannomyces graminis)、
【0074】
トウモロコシ、コメ、及びジャガイモのヘルミントスポリウム(Helminthosporium)属菌種、
コーヒーのヘミレイア・バストトリックス(Hemileia vastatrix)、
小麦とライ麦のミクロドキウム(Microdochium nivale)属菌種、
大豆のファコプソラ(Phakopsora pachyrhizi)属菌種、
穀類、広葉樹、及び多年生植物のプクキニア(Puccinia)属菌種、
穀類のシュードセロスポレラ(Pseudocercosporella)属菌種、
バラのフラグミジウム・ムクロナツム(Phragmidium mucronatum)、
果実のポドスフェラ(Podosphaera)属菌種、
大麦のピレノホラ(Pyrenophora)属菌種、
コメのピリクラリア・オリザエ(Pyricularia oryzae)、
大麦のラムラリア・コロシグニ(Ramularia collo-cygni)、
綿、大豆、穀類、トウモロコシ、ジャガイモ、コメ、及び芝生のリゾクトニア(Rhizoctonia)属菌種、
大麦とライ麦のリンコスポリウム・セカリス(Rynchosporium secalis)、
【0075】
芝生、レタス、野菜、及び菜種のスクレロチニア(Sclerotinia)属菌種、
穀類、大豆、及び野菜のセプトリア(Septoria)属菌種、
トウモロコシのスファセロテカ・レイリアナ(Sphacelotheca reilliana)、
穀類のチレチア(Tilletia)属菌種、
ブドウのウンシヌラ・ネカトール(Uncinula necator)、グイグナルジア・ビドウェリイ(Guignardia bidwellii)及びホモプシス・ビチコラ(Phomopsis viticola)、
ライ麦のウロシスティス・オクルタ(Urocystis occulta)、
穀類とトウモロコシのウスティラゴ(Ustilago)属菌種、
果実のベンチュリア(Venturia)属菌種、
果実のモニリニア(Monilinia)属菌種、
柑橘類及びリンゴのペニシリウム(Penicillium)属菌種。
【0076】
本発明の配合物は、低い施用率でも有害生物防除の分野で予防及び/又は治療的に有用な活性成分であり、非常に好ましい殺菌スペクトルを有し、温血種、魚、及び植物により充分許容される。その殺虫作用について部分的に知られている本発明の活性成分は、通常は感受性であるが耐性でもある動物の有害生物、例えばダニ目(Acarina)の虫もしくは類似物のすべての又は個々の生長段階に対して作用する。本発明の配合物の殺虫活性又は殺ダニ活性は、直接に、すなわち例えば脱皮中に、直後に又はほんのわずかの時間が経過後に起きる有害生物の破壊か、又は間接に、例えば産卵率及び/又はふ化率の低下、少なくとも50〜60%の破壊率(致死率)に対応する良好な活性に、現れる。
【0077】
上記の動物の有害生物の例は以下である。
【0078】
ダニ目(Acarina)から、例えば
アカルス・シロ(Acarus siro)、アセリア・シェルドニ(Aceria sheldoni)、アキュルス・シュレクテンダリ(Aculus schlechtendali)、アンブリオマ(Amblyomma)属菌種、アルガス(Argas)属菌種、ブーフィルス(Boophilus)属菌種、ブレビパルプス(Brevipalpus)属菌種、ブリオビア・プラエチオサ(Bryobia praetiosa)、カリピトリメルス(Calipitrimerus)属菌種、コリオプテス(Choriptes)属菌種、デルマニサス・ガリナエ(Dermanyssus gallinae)、エオテトラニクス・カルピニ(Eotetranychus carpini)、エリオフィエス(Eriophyes)属菌種、ヒアロマ(Hyalomma)属菌種、イクソデス(Ixodes)属菌種、オリゴニクス・プラテンシス(Olygonychus pratensis)、オルニトドロス(Ornithodoros)属菌種、パノニクス(Panonychus)属菌種、フィロコプトルタ・オレイボラ(Phyllocoptruta oleivora)、ポリファゴタルソネムス・ラツス(Polyphagotarsonemus latus)、ソロプテス(Psoroptes)属菌種、リピセファルス(Rhipicephalus)属菌種、リゾグリフス(Rhizoglyphus)属菌種、サルコプテス(Sarcoptes)属菌種、タルソネムス(Tarsonemus)属菌種、及びテトラニクス(Tetranychus)属菌種;
【0079】
シラミ目(Anoplura)から、例えば
ブタジラミ(Haematopinus)属菌種、ケモノホソジラミ(Linognathus)属菌種、シラミ(Pediculus)属菌種、ペンフィガス(Pemphigus)属菌種、及びネアブラムシ(Phylloxera)属菌種、
【0080】
甲虫目(Coleoptera)から、例えば
アグリオテス(Agriotes)属菌種、イチゴハナゾウムシ(Anthonomus)属菌種、アトマリア・リネアリス(Atomaria linearis)、カエトクネマ・チビアリス(Chaetocnema tibialis)、コスモポリテス(Cosmopolites)属菌種、シギゾウムシ(Curculio)属菌種、デルメステス(Dermestes)属菌種、ダイアブロティカ(Diabrotica)属菌種、エピラクナ(Epilachna)属菌種、エレムヌス(Eremnus)属菌種、レプチノタルサ・デセムリネアータ(Leptinotarsa decemlineata)、リソルホプトラス(Lissorhoptrus)属菌種、メロロンタ(Melolontha)属菌種、オリカエフィルス(Orycaephilus)属菌種、オティオリンクス(Otiorhynchus)属菌種、フリクティヌス(Phlyctinus)属菌種、ポピリア(Popillia)属菌種、シリオデス(Psylliodes)属菌種、リゾペルタ(Rhizopertha)属菌種、スカラベイダエ(Scarabeidae)、シトフィルス(Sitophilus)属菌種、シトトロガ(Sitotroga)属菌種、テネブリオ(Tenebrio)属菌種、トリボリウム(Tribolium)属菌種、及びトロゴデルマ(Trogoderma)属菌種;
【0081】
双翅目(Diptera)から、例えば
アエデス(Aedes)属菌種、アンセリゴナ・ソカータ(Antherigona soccata)、ビビオ・ホルツラヌス(Bibio hortulanus)、カリホラ・エリスロセファーラ(Calliphora erythrocephala)、セラティティス(Ceratitis)属菌種、オビキンバエ(Chrysomyia)属菌種、イエカ(Culex)属菌種、ウサギヒフバエ(Cuterebra)属菌種、ダクス(Dacus)属菌種、ドロソフィラ・メラノガスター(Drosophila melanogaster)、ヒメイエバエ(Fannia)属菌種、ウマバエ(Gastrophilus)属菌種、ツェツェバエ(Glossina)属菌種、ヒフバエ(Hypoderma)属菌種、ヒポボスカ(Hyppobosca)属菌種、リリオミザ(Lyriomyza)属菌種、ギンバエ(Lucilia)属菌種、メラナグロミザ(Melanagromyza)属菌種、イエバエ(Musca)属菌種、ヒツジバエ(Oestrus)属菌種、オルセオリア(Orseolia)属菌種、オシネラ・フリット(Oscinella frit)、ペゴミア・ヒオシアミ(Pegomyia hyoscyami)、ホルビア(Phorbia)属菌種、ラゴレティス・ポモネラ(Rhagoletis pomonella)、キノコバエ(Sciara)属菌種、サシバエ(Stomoxys)属菌種、アブ(Tabanus)属菌種、タニア(Tannia)属菌種、及びガガンボ(Tipula)属菌種;
【0082】
異翅目(Heteroptera)から、例えば
トコジラミ(Cimex)属菌種、ディスタンティエラ・テオブロマ(Distantiella theobroma)、ディスデルクス(Dysdercus)属菌種、ユーキスツス(Euchistus)属菌種、ユーリガスター(Eurygaster)属菌種、レプトコリサ(Leptocorisa)属菌種、ネザラ(Nezara)属菌種、ピエスマ(Piesma)属菌種、ロドニウス(Rhodnius)属菌種、サールベルゲラ・シングラリス(Sahlbergella singularis)、スコティノファラ(Scotinophara)属菌種、及びサシガメ(Triatoma)属菌種;
【0083】
同翅目(Homoptera)から、例えば
アレウロスリクス・フロッコスス(Aleurothrixus floccosus)、アレイロデス・ブラシカエ(Aleyrodes brassicae)、アオニディエラ(Aonidiella)属菌種、アリマキ(Aphididae)、ワタアブラムシ(Aphis)属菌種、アスピディオツス(Aspidiotus)属菌種、ベミシア・タバシ(Bemisia tabaci)、セロプラスター(Ceroplaster)属菌種、クリソムファルス・アオニジウム(Chrysomphalus aonidium)、クリソムファルス・ディクチオスペルミ(Chrysomphalus dictyospermi)、コッカス・ヘスペリヅム(Coccus hesperidum)、エンポアスカ(Empoasca)属菌種、エリオソマ・ラリゲルム(Eriosoma larigerum)、エリスロネウラ(Erythroneura)属菌種、ガスカルディア(Gascardia)属菌種、ラオデルファックス(Laodelphax)属菌種、レカニウム・コルニ(Lecanium corni)、レピドサフェス(Lepidosaphes)属菌種、マクロシフス(Macrosiphus)属菌種、ミズス(Myzus)属菌種、ツマグロヨコバイ(Nephotettix)属菌種、ニラパルバータ(Nilaparvata)属菌種、パルラトリア(Parlatoria)属菌種、ペンフィガス(Pemphigus)属菌種、プラノコッカス(Planococcus)属菌種、シュードアウラカスピス(Pseudaulacaspis)属菌種、シュードコッカス(Pseudococcus)属菌種、キジラミ(Psylla)属菌種、プルビナリア・アエチオピカ(Pulvinaria aethiopica)、クアドラスピディオツス(Quadraspidiotus)属菌種、ロパロシフム(Rhopalosiphum)属菌種、サイセチア(Saissetia)属菌種、スカホイデウス(Scaphoideus)属菌種、シザフィス(Schizaphis)属菌種、シトビオン(Sitobion)属菌種、トリアレウロデス・バポラリオルム(Trialeurodes vaporariorum)、トリオザ・エリトレアエ(Trioza erytreae)、及びウナスピス・シトリ(Unaspis citri);
【0084】
膜翅目(Hymenoptera)から、例えば
アクロミルメクス(Acromyrmex)、アッタ(Atta)属菌種、セフス(Cephus)属菌種、ディプリオン(Diprion)属菌種、マツハバチ(Diprionidae)、ギルピニア・ポリトーマ(Gilpinia polytoma)、ホプロカンパ(Hoplocampa)属菌種、ラシウス(Lasius)属菌種、モノモリウム・ファラオニス(Monomorium pharaonis)、ネオディプリオン(Neodiprion)属菌種、ソレノプシス(Solenopsis)属菌種、及びスズメバチ(Vespa)属菌種;
【0085】
シロアリ目(Isoptera)から、例えば
ヤマトシロアリ(Reticulitermes)属菌種;
【0086】
鱗翅目(Lepidoptera)から、例えば
アクレリス(Acleris)属菌種、コカクモンハマキ(Adoxophyes)属菌種、スカシバ(Aegeria)属菌種、アグロティス(Agrotis)属菌種、アラバマ・アルギラッシー(Alabama argillaceae)、アミロイス(Amylois)属菌種、アンチカルシア・ゲマタリス(Anticarsia gemmatalis)、アルチプス(Archips)属菌種、アルギロタエニア(Argyrotaenia)属菌種、オートグラファ(Autographa)属菌種、ブッセオラ・フスカ(Busseola fusca)、カドラ・カウテラ(Cadra cautella)、カルポシナ・ニッポネンシス(Carposina nipponensis)、ニカメイガ(Chilo)属菌種、コリストネウラ(Choristoneura)属菌種、クリシア・アンビグエラ(Clysia ambiguella)、クナファロクロシス(Cnaphalocrocis)属菌種、クネファシア(Cnephasia)属菌種、コキリス(Cochylis)属菌種、コレオフォラ(Coleophora)属菌種、クロシドロミア・ビノタリス(Crocidolomia binotalis)、クリプトフレビア・ロイコトレタ(Cryptophlebia leucotreta)、シディア(Cydia)属菌種、ディアトラエア(Diatraea)属菌種、ディパロプシス・カスタネア(Diparopsis castanea)、エアリアス(Earias)属菌種、コナマダラメイガ(Ephestia)属菌種、ユーコスマ(Eucosma)属菌種、ユーポエシリア・アンビグエラ(Eupoecilia ambiguella)、ドクガ(Euproctis)属菌種、ユークソア(Euxoa)属菌種、グラフォリタ(Grapholita)属菌種、ヘヂア・ヌビフェラナ(Hedya nubiferana)、ヘリオティス(Heliothis)属菌種、ヘルラ・ウンダリス(Hellula undalis)、アメリカシロヒトリ(Hyphantria cunea)、ケイフェリラ・リコペルシセラ(Keiferia lycopersicella)、ロイコプテラ・シテラ(Leucoptera scitella)、リトコレティス(Lithocollethis)属菌種、ロベシア・ボトラナ(Lobesia botrana)、マイマイガ(Lymantria)属菌種、リオネティア(Lyonetia)属菌種、マラコソマ(Malacosoma)属菌種、マメストラ・ブラシカエ(Mamestra brassicae)、マンヅカ・セクスタ(Manduca sexta)、オペロフテラ(Operophtera)属菌種、オストリニア・ヌビラリス(Ostrinia nubilalis)、パメネ(Pammene)属菌種、パンデミス(Pandemis)属菌種、パノリス・フラメア(Panolis flammea)、ペクティノフォラ・ゴシピエラ(Pectinophora gossypiela)、フトリマエア・オペルクレラ(Phthorimaea operculella)、モンシロチョウ(Pieris rapae)、アセビ(Pieris)属菌種、プルテラ・キシロステラ(Plutella xylostella)、プレイス(Prays)属菌種、スシルポファーガ(Scirpophaga)属菌種、セサミア(Sesamia)属菌種、スパルガノティス(Sparganothis)属菌種、スポドプテラ(Spodoptera)属菌種、シナンセドン(Synanthedon)属菌種、タウメトポエア(Thaumetopoea)属菌種、ハマキガ(Tortrix)属菌種、トリコプルジア・ニー(Trichoplusia ni)、及びイポノメウタ(Yponomeuta)属菌種;
【0087】
ハジラミ目(Mallophaga)から、例えば
ダマリネア(Damalinea)属菌種、及びケモノハジラミ(Trichodectes)属菌種;
【0088】
直翅目(Orthoptera)から、例えば
ゴキブリ(Blatta)属菌種、チャバネゴキブリ(Blattella)属菌種、ケラ(Gryllotalpa)属菌種、ロイコフェア・マデラエ(Leucophaea maderae)、ロコスタ(Locusta)属菌種、ワモンゴキブリ(Periplaneta)属菌種、及びスキストセルカ(Schistocera)属菌種;
【0089】
チャタテムシ目(Psocoptera)から、例えば
コナチャタテ(Liposcelis)属菌種;
【0090】
ノミ目(Siphonaptera)から、例えば
ナガノミ(Ceratophyllus)属菌種、イヌノミ(Ctenocephalides)属菌種、及びゼノプシラ、チェオピス(Xenopsylla cheopis);
【0091】
総翅類(Thysanoptera)から、例えば
フランクリニエラ(Frankliniella)属菌種、ヘルシノスリプス(Hercinothrips)属菌種、シルトスリプス・アウランティイ(Scirtothrips aurantii)、タエニオスリプス(Taeniothrips)属菌種、スリプス・パルミ(Thrips palmi)、及びスリプス・タバシ(Thrips tabaci);
【0092】
シミ目(Thysanura)から、例えば
レプスマ・サッカリナ(Lepisma saccharina);
【0093】
線虫、例えば根瘤線虫(root knot nematodes)、茎線虫、及び葉の線虫;特にシストセンチュウ(Heterodera)属菌種、例えばヘテロデラ・シャクチイ(Heterodera schachtii)、ヘテロデラ・アベナエ(Heterodera avenae)、及びヘテロデラ・トリフォリイ(Heterodera trifolii);グロボデラ(Globodera)属菌種、例えばグロボデラ・ロストキエンシス(Globodera rostochiensis);キタネコブセンチュウ(Meloidogyne)属菌種、例えばメロイドギネ・インコギニタ(Meloidogyne incoginita)、及びメロイドギネ・ジャバニカ(Meloidogyne javanica);ラドホルス(Radopholus)属菌種、例えばラドホルス・シミリス(Radopholus similis);ネグサレセンチュウ(Pratylenchus)、例えばプラティレンクス・ネグレクタンス(Pratylenchus neglectans)、及びプラティレンクス・ペネトランス(Pratylenchus penetrans);ティレンクルス(Tylenchulus)、例えばティレンクルス・セミペネトランス(Tylenchulus semipenetrans);ロンギドルス(Longidorus)、トリコドルス(Trichodorus)、ジフィネマ(Xiphinema)、クキセンチュウ(Ditylenchus)、アフェレンコイデス(Aphelenchoides)、及びアングイナ(Anguina);クルーシファーフリービートルズ(crucifer flea beetles)(フィロトレタ(Phyllotreta spp.));根のウジ(root maggot)(デリア(Delia)属菌種)、及びキャベツの莢のゾウムシ(cabbage seedpod weevil)(シュートロヒンクス(Ceutorhynchus)属菌種)。
【0094】
本発明の配合物は、農業、園芸及び林業で有用植物、又は有用植物の器官(例えば果実、花、葉、茎、根茎、もしくは根)、及びある場合には後の時点で形成される有用植物の器官に存在する上記タイプの動物の有害生物を防除、すなわち封じ込めるか又は破壊するために使用することができる。
【0095】
有用植物に施用される時、式Iの化合物は、5〜2000ga.i./ha、特に10〜1000ga.i./ha、例えば50、75、100又は200ga.i./haの割合で、成分B)として使用される化合物のクラスに応じて1〜5000ga.i./ha、特に2〜2000ga.i./ha、例えば100、250、500、800、1000、1500ga.i./haの成分B)の化合物とともに、施用される。
【0096】
農業慣行では、本発明の配合物の施用率は、所望のタイプの作用に依存し、典型的には20〜4000g/haの総配合物である。
【0097】
本発明の配合物が種子を処理するのに使用される時、種子1kg当たり0.001〜50gの式Iの化合物、好ましくは種子1kg当たり0.01〜10g、及び種子1kg当たり0.001〜50gの成分B)の化合物、好ましくは種子1kg当たり0.01〜10gが一般的に充分である。
【0098】
本発明はまた、相乗作用的有効量の上記の成分A)と成分B)の配合物を、農業的に許容される担体とともに、随時界面活性剤を一緒に含む殺真菌組成物を提供する。該組成物においてA)対B)の重量比は、好ましくは1000:1〜1:1000である。
【0099】
本発明の組成物は任意の従来の型で使用され、例えばツインパック、乾燥種子処理のための粉末(DS)、種子処理のための乳剤(ES)、種子処理のための流動性濃縮物(FS)、種子処理のための溶液(LS)、種子処理のための水分散性粉末(WS)、種子処理のためのカプセル懸濁物(CF)、種子処理のためのゲル(GF)、乳剤濃縮物(EC)、懸濁濃縮物(SC)、懸濁乳剤(SE)、カプセル懸濁物(CS)、水分散性顆粒(WG)、乳化顆粒(EG)、エマルジョン、油中水(EO)、エマルジョン、水中油(EW)、マイクロエマルジョン(ME)、油分散物(OD)、油混和性流動物(OF)、油混和性液体(OL)、溶液濃縮物(SL)、微量懸濁物(SU)、微量液体(UL)、工業濃縮物(TK)、分散性濃縮物(DC)、水和剤(WP)、又は農業的に許容される補助剤と組合せた任意の工業的実用調製物の型で使用される。
【0100】
かかる組成物は、従来法により、例えば活性成分を適切な調製不活性物質(希釈剤、溶媒、増量剤、及び随時他の調製成分、例えば界面活性剤、殺生物剤、凍結防止剤、展着剤、増粘剤、及び補助剤活性を与える化合物)と混合して製造される。また長期の持続作用を目的とした従来の持続放出性製剤も使用される。噴霧剤型で施用される具体的な調製物、例えば水分散性濃縮物(例えば、EC、SC、DC、OD、SE、EW、EOなど)、水和剤、及び顆粒は、湿潤剤や分散剤のような界面活性剤、及び補助剤活性を与える他の化合物(例えばホルムアルデヒドと、ナフタレンスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、脂肪酸アルキルサルフェート、及びエトキシ化アルキルフェノール、及びエトキシ化脂肪酸アルコールとの縮合物)を含有してもよい。
【0101】
本発明の配合物と、適当な種子粉衣調製物型(例えば、水性懸濁物)又は種子への良好な接着性を有する乾燥粉末型の希釈剤とを使用して、それ自体公知の方法で種子粉衣調製物が種子に施用される。かかる種子粉衣調製物は、当該分野で公知である。かかる種子粉衣調製物は、単一の活性成分又は活性成分の組み合わせを封入型(例えば持続放出性カプセル又はマイクロカプセル)で含有してもよい。
【0102】
一般に調製物は、0.01〜90重量%の活性物質、0〜20%の農業的に許容される界面活性剤、及び10〜99.99%の固体もしくは液体調製不活性物及び補助剤を含み、活性物質は、成分B)の化合物及び場合により他の活性物質(特に殺微生物剤又は保存剤など)とともに少なくとも1つの式Iの化合物からなる。濃縮型の組成物は一般に、約2〜80重量%、好ましくは約5〜70重量%の活性物質を含有する。塗布型の調製物は、例えば0.01〜20重量%、好ましくは0.01〜5重量%の活性物質を含む。市販品は好ましくは濃縮物として調製されるが、エンドユーザ−は一般に希釈した調製物を使用するであろう。
【0103】
以下の例は、本発明、すなわち具体的な混合比の化合物Iと成分B)の化合物との混合物である「活性成分」を例示する。
【0104】
調製例
【0105】
湿潤粉末 a) b) c)
活性成分[I:成分B)=1:3(a)、1:2(b)、1:1(c) 25% 50% 75%
リグノスルホン酸ナトリウム 5% 5% -
ラウリル硫酸ナトリウム 3% - 5%
ジイソブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム - 6% 10%
フェノールポリエチレングリコールエーテル - 2% -
(7〜8モルのエチレンオキサイド)
高分散ケイ酸 5% 10% 10%
カオリン 62% 27% -
活性成分は補助剤と完全に混合され、混合物は適当なミルで完全に粉砕されて水和剤を与え、これは水で希釈して所望の濃度の懸濁物を与えることができる。
【0106】
乾燥種子の処理のための粉末 a) b) c)
活性成分[I:成分B)=1:3(a)、1:2(b)、1:1(c)] 25 % 50 % 75 %
軽ミネラル油 5 % 5 % 5 %
高分散ケイ酸 5 % 5 % -
カオリン 65 % 40 % -
タルク - 20
活性成分は補助剤と完全に混合され、混合物は適当なミルで完全に粉砕されて粉末を与え、これは種子の処理のために直接使用することができる。
【0107】
乳化濃縮物
活性成分(I:成分B)=1:6) 10 %
オクチルフェノールポリエチレングリコールエーテル 3 %
(4〜5モルのエチレンオキサイド)
ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム 3 %
ヒマシ油ポリグリコールエーテル(35モルのエチレンオキサイド) 4 %
シクロヘキサノン 30 %
キシロース混合物 50 %
植物の防御に使用できる任意の必要な希釈のエマルジョンが、この濃縮物を水で希釈することにより得られる。
【0108】
粉末 a) b) c)
活性成分[I:成分B)=1:6(a)、1:2(b)、1:10(c)] 5 % 6 % 4 %
タルク 95 % - -
カオリン - 94 % -
ミネラル増量剤 - - 96 %
活性成分と担体とを混合し、混合物を適当なミルで粉砕することにより、即時使用型の粉末が得られる。かかる粉末はまた、種子粉衣のために使用することができる。
【0109】
抽出し顆粒
活性成分(I:成分B)=2:1 15 %
リグノスルホン酸ナトリウム 2 %
カルボキシメチルセルロース 1 %
カオリン 82 %
活性成分を補助剤と混合し粉砕し、混合物を水で湿らせる。混合物を押出し、次に空気流で乾燥させる。
【0110】
被覆顆粒
活性成分(I:成分B)=1:10) 8 %
ポリエチレングリコール(分子量 200) 3 %
カオリン 89 %
ミキサー中で、微粉化した活性成分をポリエチレングリコールで湿潤化したカオリンに均一に施用する。こうして粉末状ではない被覆顆粒が得られる。
【0111】
懸濁濃縮物
活性成分(I:成分B)=1:8) 40 %
プロピレングリコール 10 %
ノニルフェノールポリエチレングリコールエーテル 6 %
(15モルのエチレンオキサイド)
リグノスルホン酸ナトリウム 10 %
カルボキシメチルセルロース 1 %
シリコーン油(水中75%エマルジョン型) 1 %
水 32 %
微粉化した活性成分を補助剤と密接に混合して懸濁濃縮物を得て、ここから、水で希釈して任意の所望の希釈率の懸濁物を得ることができる。かかる希釈物を使用して、噴霧、流し込み、又は浸漬により、生きた植物ならびに植物繁殖材料を処理し、微生物による感染に対して防御することができる。
【0112】
種子の処理のための流動性濃縮物
活性成分(I:成分B)=1:8) 40 %
プロピレングリコール 5 %
コポリマーブタノールPO/EO 2 %
10〜20モルのEOを有するトリスチレンフェノール 2 %
1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン(水中20%溶液の形) 0.5 %
モノアゾ-顔料カルシウム塩 5 %
シリコーン油(水中75%エマルジョン型 0.2 %
水 45.3 %
微粉化した活性成分を補助剤と密接に混合して懸濁濃縮物を得て、ここから、水で希釈して任意の所望の希釈率の懸濁物を得ることができる。かかる希釈物を使用して、噴霧、流し込み、又は浸漬により、生きた植物ならびに植物繁殖材料を処理し、微生物による感染に対して防御することができる。
【0113】
持続放出カプセル懸濁物
式Iの化合物と成分B)の化合物との組み合わせを28部、又はこれらのそれぞれを別々に28部、2部の芳香族溶媒及び7部のジイソシアン酸トルエン/ポリメチレン−ポリフェニルイソシアン酸混合物(8:1)と混合する。この混合物を、1.2部のポリビニルアルコール、0.05部の消泡剤、及び51.6部の水と、所望の粒子サイズが得られるまで、乳化する。このエマルジョンに、5.3部の水中の2.8部の1,6−ジアミノヘキサンを加える。重合反応が完了するまで混合物を攪拌する。
【0114】
得られたカプセル懸濁物を、0.25部の増粘剤と3部の分散剤とを加えて安定化させる。カプセル懸濁調製物は28%の活性成分を含有する。媒体カプセルの直径は8〜15ミクロンである。
【0115】
得られる調製物を、この目的に適した装置で水性懸濁物として種子に施用する。
【0116】
式Iの化合物は、4つの立体異性体として存在することができる。例えばラセミ化合物番号1.001は、以下の光学的に純粋な化合物を含む:
(+)−3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸[(1R,2S)−2−(2,4−ジクロロフェニル)−2−メトキシ−1−メチル−エチル]−アミド;
(−)−3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸[(1S,2R)−2−(2,4−ジクロロフェニル)−2−メトキシ−1−メチル−エチル]−アミド;
(−)−3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸[(1R,2R)−2−(2,4−ジクロロフェニル)−2−メトキシ−1−メチル−エチル]−アミド;及び
(+)−3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸[(1S,2S)−2−(2,4−ジクロロフェニル)−2−メトキシ−1−メチル−エチル]−アミド。
【0117】
かかる異性体は、標準的方法、例えばキラル相カラムを用いるHPLCにより分離することができる。例えば化合物番号1.001のジアステレオ異性体/鏡像異性体は以下のように調製することができる。
【0118】
調製例
【0119】
実施例E1:3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸[2−(2,4−ジクロロフェニル)−2−メトキシ−1−メチル−エチル]−アミド(化合物番号1.001)の調製
【化18】

ジクロロメタン(15リットル)中の塩化3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニル(1206g,6.20mol)の溶液を、ジクロロメタン(32リットル)中の(1354g,5,78mol)2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−2−メトキシ−1−メチル−エチルアミンとトリエチルアミン(1.68リットル,12.04mol)の攪拌溶液に、4℃で1.5時間以内に滴下して加えた。冷却装置のスイッチを切り、褐色の溶液を一晩攪拌して室温(23℃)まで暖めた。溶液を、HCl(1M,9.5リットル)、NaOH(2M,6.5リットル)、及び食塩水(3.2リットル)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ロタバポル(Rotavapor)(50℃)で溶媒を留去した。単離した粗生成物(2660gの褐色の油状物)を酢酸エチル(5リットル)に溶解し、種結晶を加え、1時間攪拌した。溶媒を留去すると、生成物が結晶化し始めた。残渣をTBME(5リットル)に懸濁し、懸濁物をロタバポル(Rotavapor)で60℃で30分間攪拌した。懸濁物を0℃に冷却し、固体をろ別し、冷TBME(3×1リットル)で洗浄し、真空オーブンで40℃で乾燥した。3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸[2−(2,4−ジクロロフェニル)−2−メトキシ−1−メチル−エチル]−アミドの主要なジアステレオ異性体A(アンチ)1113g(理論の49%)を、白色の固体の形で得た。
【0120】
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 1.01(d,3H,CH3), 3.31(s,3H,NCH3), 3.88(s,3H,CH3), 4.51-4.56(m,1H,CH), 4.69(d,1H,CH), 6.83(mbroad,1H,NH), 6.70-7.00(t,1H,CHF2), 7.17-7.41(m,3H,Ar-H), 7.93(s,1H,ピラゾール-H).
MS[M+H]+ 392/394/396.
【0121】
母液をロタバポル(Rotavapor)で濃縮し、残渣(1309gの褐色の油状物)をカラムクロマトグラフィー(7000gのシリカゲル、溶離液:ヘプタン/酢酸エチル 1:1)で精製した。画分2〜7を一緒にし、ロタバポル(Rotavapor)で溶媒を留去した。残渣(497gの黄色の油状物)をMTBE(500ml)に溶解し、不溶性物質をろ別した。100mlの溶媒をロタバポル(Rotavapor)で蒸留除去し、ヘプタン(200ml)を加え、溶液に種結晶を加えた。化合物が結晶化後、固体をろ別し、ヘプタン/TMBE(2:1、1リットル)で洗浄し、固体を真空オーブンで40℃で乾燥した。3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸[2−(2,4−ジクロロフェニル)−2−メトキシ−1−メチル−エチル]−アミドの少ない方のジアステレオ異性体B(シン)204g(理論の8%)を、白色の固体の形で得た。
【0122】
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 1.36(d,3H,CH3), 3.31(s,3H,NCH3), 3.92(s,3H,CH3), 4.41-4.46 (m,1H,CH), 4.60(d,1H,CH), 6.63(mbroad,1H,NH), 6.70-7.00(t,1H,CHF2), 7.17-7.41(m,3H,Ar-H), 7.80 (s,1H,ピラゾール-H).
MS[M+H]+ 392/394/396.
【0123】
3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸[2−(2,4−ジクロロフェニル)−2−メトキシ−1−メチル−エチル]−アミドのラセミ体の主要なジアステレオ異性体A(アンチ)(1.26g、実施例1aに記載のように調製した)を、Chiralpak IB(登録商標)(寸法:250mm×20mm、粒子サイズ:5μm、流速:20ml/分)で、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)において溶離液としてn−へプタン/ジクロロメタン1:1(v/v)を使用して精製した。全物質の精製のために、カラムで数回分離した。化合物の検出は、UV検出器を用いて254nmで行った。純粋な鏡像異性体試料(ee>99%)は、HPLCの溶離液としてn−へプタン/ジクロロメタン1:1(v/v)を使用して、分析HPLC(Chiralpak IB(登録商標)(寸法:250mm×4.6mm、粒子サイズ:5μm、流速:1ml/分)により調べた。
【0124】
旋光度データは、Perkin Elmer 241 旋光計で調べた(化合物はCHCl3に溶解し、温度は摂氏度である;「c」はg/mlの濃度を意味し、光路長は10cmであった)。
【0125】
化合物1.0C、(+)−化合物:
575mgの(+)−3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸[(1R,2S)−2−(2,4−ジクロロフェニル)−2−メトキシ−1−メチル−エチル]−アミドを、固体の形で得た(Chiralpak IB(登録商標)、n−へプタン/ジクロロメタン1:1;保持時間:5.45分);[α]23D = + 53.7 (c 5.25, CHCl3).
【0126】
Δρmin = -0.85 e Å-3
Δρmax = 1.30 e Å-3
使用した反射数 3359
カットオフ: I> 3.00σ(I)
精細化パラメータ数 227
S = 0.91
R因子 0.064
加重R因子 0.141
Δ/σmax 0.0013
フラックパラメータ 0.03(3)
a =7.98250(10) Å α =90°
b =6.77940(10) Å β =96.7045(15)°
c =16.3176(2) Å γ =90°
容積 877.01 (2) Å3 結晶族 単斜晶系
空間群 P 1 21 1 Z = 2
式 C16 H17 Cl2 F2 N3 O2 Mr 392.23
【0127】
化合物1.0D、(−)−化合物:
614mgの(−)−3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸[(1S,2R)−2−(2,4−ジクロロフェニル)−2−メトキシ−1−メチル−エチル]−アミドを、固体の形で得た(Chiralpak IB(登録商標)、n−へプタン/ジクロロメタン1:1;保持時間:12.21分);[α]23D = - 51.6 (c 5.4, CHCl3).
【0128】
Δρmin = -0.80 e Å-3
Δρmax = 1.52 e Å-3
使用した反射数 3605
カットオフ: I> 3.00σ(I)
精細化パラメータ数 228
S = 0.94
R因子 0.070
加重R因子 0.153
Δ/σmax 0.0018
フラックパラメータ 0.01(3)
a =7.97670(10) Å α =90°
b =6.78250(10) Å β =96.7328(9)°
c =16.3220(2) Å γ =90°
容積 876.96(2) Å3 結晶族 単斜晶系
空間群 P 1 21 1 Z = 2
式 C16 H17 Cl2 F2 N3 O2 Mr 392.23
【0129】
3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸[2−(2,4−ジクロロフェニル)−2−メトキシ−1−メチル−エチル]−アミドのラセミ体の小さい方のジアステレオ異性体A(シン)(1.25g、実施例1aに記載のように調製した)を、Chiralpak IB(登録商標)(寸法:250mm×20mm、粒子サイズ:5μm、流速:20ml/分)で、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)上の溶離液としてn−へプタン/ジクロロメタン1:1(v/v)を使用して精製した。全物質の精製のために、カラムで数回分離した。化合物の検出は、UV検出器を用いて254nmで行った。純粋な鏡像異性体試料(ee>99%)は、HPLCの溶離液としてn−へプタン/ジクロロメタン1:1(v/v)を使用して、分析HPLC(Chiralpak IB(登録商標)(寸法:250mm×4.6mm、粒子サイズ:5μm、流速:1ml/分)により調べた。
旋光度データは、Perkin Elmer 241 旋光計で調べた(化合物はCHCl3に溶解し、温度は摂氏度である;「c」はg/mlの濃度を意味し、光路長は10cmであった)。
【0130】
化合物1.0E、(−)−化合物:
560mgの(−)−3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸[(1R,2R)−2−(2,4−ジクロロフェニル)−2−メトキシ−1−メチル−エチル]−アミドを、固体の形で得た(Chiralpak IB(登録商標)、n−へプタン/ジクロロメタン1:1;保持時間:6.57分);[α]23D = - 166.5 (c 5.1, CHCl3).
【0131】
化合物1.0F、(+)−化合物:
560mgの(+)−3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸[(1S,2S)−2−(2,4−ジクロロフェニル)−2−メトキシ−1−メチル−エチル]−アミドを、固体の形で得た(Chiralpak IB(登録商標)、n−へプタン/ジクロロメタン1:1;保持時間:8.98分);[α]23D = + 165.6 (c 5.6, CHCl3).
【0132】
生物学的実施例のために、式Iの化合物はラセミ体型で使用した。
【0133】
生物学的実施例
活性成分配合物の作用が、個々の成分の作用の合計より大きい時は、相乗作用が存在する。
【0134】
ある活性成分配合物について予測作用Eは、いわゆるコルビー(COLBY)式に従い、以下のように計算される(COLBY, S.R.「除草剤配合物の相乗作用と拮抗応答の計算」("Calculating synergistic and antagonistic responses of herbicide combination")、Weeds, 第15巻、20〜22頁;1967年):
ppm=1リットルの噴霧混合物当たりの活性成分(=a.i.)のミリグラム数
X=p ppmの活性成分を使用する成分のA)による作用%
Y=q ppmの活性成分を使用する成分のB)による作用%
【0135】
コルビー(COLBY)に従うと、p+q ppmの活性成分を使用する活性成分A)+B)の予測(相加)作用は
E=X+Y−(X・Y)/100
実際に観察される作用(O)が予測される作用(E)より大きいなら、配合の作用が超相加的であり、すなわち相乗作用が存在する。数学的には、相乗作用因子SFがO/Eに対応する。農業慣行では、SF≧1.2は、活性の純粋に相補的相加(予測される活性)より、有意に改良されていることを示し、実際の施用操作におけるSF≦0.9は、予測される活性と比較して活性が消失していることを示す。
【0136】
ウェルプレートでの液体培養試験:
真菌の液体培養物から新たに調製した、又は低温保存から調製した真菌の菌糸断片又は分生子懸濁物を、直接栄養ブロスと混合した。試験化合物のDMSO溶液(最大10mg/ml)を0.025%ツイーン20で50倍希釈し、この溶液の10μlをピペットでマイクロタイタープレート(96ウェルフォーマット)に入れた。次に真菌胞子/菌糸断片を含有する栄養ブロスを加えて、試験化合物の最終濃度を得た。試験プレートを暗所で24℃、96%rhでインキュベートした。2〜7日後、真菌増殖の阻害を、病態システム(pathosystem)に従って視覚的に測定し、未処理チェックに対する抗真菌活性%を計算した。
【0137】
実施例B1:ボトリオチニア・フッケリアナ(Botryotinia fuckeliana)(ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea))/液体培養物(灰色カビ菌)に対する殺真菌作用
低温保存からの真菌の分生子を、直接栄養ブロス(Vogelsブロス)と混合した。試験化合物の(DMSO)溶液をマイクロタイタープレート(96ウェルフォーマット)に入れた後、真菌胞子を含有する栄養ブロスを加えた。試験プレートを24℃でインキュベートし、添加の3〜4日後、増殖の阻害を視覚的に測定した。結果を表B1に示す。
【0138】
表B1
【表2】

【0139】
実施例B2:ピチウム・ウルチマム(Pythium ultimum)/液体培養物(苗木立枯れ病)に対する殺真菌作用
真菌の新たに増殖させた液体培養物の菌糸断片と卵胞子とを、直接栄養ブロス(PDBジャガイモブドウ糖ブロス)と混合した。試験化合物の(DMSO)溶液をマイクロタイタープレート(96ウェルフォーマット)に入れた後、真菌菌糸/胞子混合物を含有する栄養ブロスを加えた。試験プレートを24℃でインキュベートし、添加の2〜3日後、増殖の阻害を視覚的に測定した。結果を表B2に示す。
【0140】
表B2
【表3】

【0141】
実施例B3:スクレロチニア・スクレロチオルム(Sclerotinia sclerotiorum)/液体培養物(綿状の根)に対する殺真菌作用
真菌の新たに増殖させた液体培養物の菌糸断片を、直接栄養ブロス(PDBジャガイモブドウ糖ブロス)と混合した。試験化合物の(DMSO)溶液をマイクロタイタープレート(96ウェルフォーマット)に入れた後、真菌物質を含有する栄養ブロスを加えた。試験プレートを24℃でインキュベートし、添加の3〜4日後、増殖の阻害を視覚的に測定した。結果を表B3に示す。
【0142】
表B3
【表4】

【0143】
実施例B4:ミコスフェレラ・アラキジス(Mycosphaerella arachidis)(セルコスポラ・アラキジコラ(Cercospora arachidicola))/液体培養物(斑点病(early leaf spot))に対する殺真菌作用
低温保存からの真菌分生子を、直接栄養ブロス(PDBジャガイモブドウ糖ブロス)と混合した。試験化合物の(DMSO)溶液をマイクロタイタープレート(96ウェルフォーマット)に入れた後、真菌胞子を含有する栄養ブロスを加えた。試験プレートを24℃でインキュベートし、添加の4〜5日後、増殖の阻害を視覚的に測定した。結果を表B4に示す。
【0144】
表B4
【表5】

【0145】
実施例B5:タペシア・バルンダエ(Tapesia vallundae)W型(シュードセルコスポレラ・ヘルポトリコイデス(Pseudocercosporella herpotrichoides))/液体培養物(眼紋病(eyespot))に対する殺真菌作用
低温保存からの真菌分生子を、直接栄養ブロス(PDBジャガイモブドウ糖ブロス)と混合した。試験化合物の(DMSO)溶液をマイクロタイタープレート(96ウェルフォーマット)に入れた後、真菌胞子を含有する栄養ブロスを加えた。試験プレートを24℃でインキュベートし、添加の3〜4日後、増殖の阻害を視覚的に測定した。結果を表B5に示す。
【0146】
表B5
【表6】

【0147】
実施例B6:ミコスフェレラ・グラミニコラ(Mycosphaerella graminicola)(セプトリア・トリチシ(Septoria tritici))/液体培養物(葉枯病(Septoria blotch))に対する殺真菌作用
低温保存からの真菌分生子を、直接栄養ブロス(PDBジャガイモブドウ糖ブロス)と混合した。試験化合物の(DMSO)溶液をマイクロタイタープレート(96ウェルフォーマット)に入れた後、真菌胞子を含有する栄養ブロスを加えた。試験プレートを24℃でインキュベートし、添加の4〜5日後、増殖の阻害を視覚的に測定した。結果を表B6に示す。
【0148】
表B6
【表7】

【0149】
実施例B7:タペシア・バルンダエ(Tapesia vallundae)W型(シュードセルコスポレラ・ヘルポトリコイデス(Pseudocercosporella herpotrichoides))/液体培養物(眼紋病(eyespot))に対する殺真菌作用
低温保存からの真菌分生子を、直接栄養ブロス(PDBジャガイモブドウ糖ブロス)と混合した。試験化合物の(DMSO)溶液をマイクロタイタープレート(96ウェルフォーマット)に入れた後、真菌胞子を含有する栄養ブロスを加えた。試験プレートを24℃でインキュベートし、添加の3〜4日後、増殖の阻害を視覚的に測定した。結果を表B7に示す。
【0150】
表B7
【表8】

【0151】
実施例B8:スクレロチニア・スクレロチオルム(Sclerotinia sclerotiorum)/液体培養物(綿状の根)に対する殺真菌作用
真菌の新たに増殖させた液体培養物の菌糸断片を、直接栄養ブロス(PDBジャガイモブドウ糖ブロス)と混合した。試験化合物の(DMSO)溶液をマイクロタイタープレート(96ウェルフォーマット)に入れた後、真菌物質を含有する栄養ブロスを加えた。試験プレートを24℃でインキュベートし、添加の3〜4日後、増殖の阻害を視覚的に測定した。結果を表B8に示す。
【0152】
表B8
【表9】

【0153】
実施例B9:ミコスフェレラ・グラミニコラ(Mycosphaerella graminicola)(セプトリア・トリチシ(Septoria tritici))/液体培養物(葉枯病(Septoria blotch))に対する殺真菌作用
低温保存からの真菌分生子を、直接栄養ブロス(PDBジャガイモブドウ糖ブロス)と混合した。試験化合物の(DMSO)溶液をマイクロタイタープレート(96ウェルフォーマット)に入れた後、真菌胞子を含有する栄養ブロスを加えた。試験プレートを24℃でインキュベートし、添加の4〜5日後、増殖の阻害を視覚的に測定した。結果を表B9に示す。
【0154】
表B9
【表10】

【0155】
実施例B10:タペシア・バルンダエ(Tapesia vallundae)W型(シュードセルコスポレラ・ヘルポトリコイデス(Pseudocercosporella herpotrichoides))/液体培養物(眼紋病(eyespot))に対する殺真菌作用
低温保存からの真菌分生子を、直接栄養ブロス(PDBジャガイモブドウ糖ブロス)と混合した。試験化合物の(DMSO)溶液をマイクロタイタープレート(96ウェルフォーマット)に入れた後、真菌胞子を含有する栄養ブロスを加えた。試験プレートを24℃でインキュベートし、添加の3〜4日後、増殖の阻害を視覚的に測定した。結果を表B10に示す。
【0156】
表B10
【表11】

【0157】
実施例B11:ボトリオチニア・フッケリアナ(Botryotinia fuckeliana)(
ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea))/液体培養物(灰色カビ菌)に対する殺真菌作用
低温保存からの真菌の分生子を、直接栄養ブロス(Vogelsブロス)と混合した。試験化合物の(DMSO)溶液をマイクロタイタープレート(96ウェルフォーマット)に入れた後、真菌胞子を含有する栄養ブロスを加えた。試験プレートを24℃でインキュベートし、添加の3〜4日後、増殖の阻害を視覚的に測定した。結果を表B11に示す。
【0158】
表B11
【表12】

【0159】
実施例B12:フサリウム・クルモルム(Fusarium culmorum)/液体培養物(赤カビ病)に対する殺真菌作用
低温保存からの真菌の分生子を、直接栄養ブロス(Vogelsブロス)と混合した。試験化合物の(DMSO)溶液をマイクロタイタープレート(96ウェルフォーマット)に入れた後、真菌胞子を含有する栄養ブロスを加えた。試験プレートを24℃でインキュベートし、添加の3〜4日後、増殖の阻害を視覚的に測定した。結果を表B12に示す。
【0160】
表B12
【表13】

【0161】
実施例B13:ミコスフェレラ・グラミニコラ(Mycosphaerella graminicola)(セプトリア・トリチシ(Septoria tritici))/液体培養物(葉枯病(Septoria blotch))に対する殺真菌作用
低温保存からの真菌分生子を、直接栄養ブロス(PDBジャガイモブドウ糖ブロス)と混合した。試験化合物の(DMSO)溶液をマイクロタイタープレート(96ウェルフォーマット)に入れた後、真菌胞子を含有する栄養ブロスを加えた。試験プレートを24℃でインキュベートし、添加の4〜5日後、増殖の阻害を視覚的に測定した。結果を表B13に示す。
【0162】
表B13
【表14】

【0163】
実施例B14:タペシア・バルンダエ(Tapesia vallundae)W型(シュードセルコスポレラ・ヘルポトリコイデス(Pseudocercosporella herpotrichoides))/液体培養物(眼紋病(eyespot))に対する殺真菌作用
低温保存からの真菌分生子を、直接栄養ブロス(PDBジャガイモブドウ糖ブロス)と混合した。試験化合物の(DMSO)溶液をマイクロタイタープレート(96ウェルフォーマット)に入れた後、真菌胞子を含有する栄養ブロスを加えた。試験プレートを24℃でインキュベートし、添加の3〜4日後、増殖の阻害を視覚的に測定した。結果を表B14に示す。
【0164】
表B14
【表15】

【0165】
実施例B15:タナテホルス・ククメリス(Thanatephorus cucumeris)(リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani))/液体培養物(裾枯れ病、立枯れ病)に対する殺真菌作用
真菌の新たに増殖させた液体培養物の菌糸断片を、直接栄養ブロス(PDBジャガイモブドウ糖ブロス)と混合した。試験化合物の(DMSO)溶液をマイクロタイタープレート(96ウェルフォーマット)に入れた後、真菌物質を含有する栄養ブロスを加えた。試験プレートを24℃でインキュベートし、添加の3〜4日後、増殖の阻害を視覚的に測定した。結果を表B15に示す。
【0166】
表B15
【表16】

【0167】
実施例B16:ボトリオチニア・フッケリアナ(Botryotinia fuckeliana)(ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea))/液体培養物(灰色カビ菌)に対する殺真菌作用
低温保存からの真菌の分生子を、直接栄養ブロス(Vogelsブロス)と混合した。試験化合物の(DMSO)溶液をマイクロタイタープレート(96ウェルフォーマット)に入れた後、真菌胞子を含有する栄養ブロスを加えた。試験プレートを24℃でインキュベートし、添加の3〜4日後、増殖の阻害を視覚的に測定した。結果を表B16に示す。
【0168】
表B16
【表17】

【0169】
実施例B17:ミコスフェレラ・グラミニコラ(Mycosphaerella graminicola)(セプトリア・トリチシ(Septoria tritici))/液体培養物(葉枯病(Septoria blotch))に対する殺真菌作用
低温保存からの真菌分生子を、直接栄養ブロス(PDBジャガイモブドウ糖ブロス)と混合した。試験化合物の(DMSO)溶液をマイクロタイタープレート(96ウェルフォーマット)に入れた後、真菌胞子を含有する栄養ブロスを加えた。試験プレートを24℃でインキュベートし、添加の4〜5日後、増殖の阻害を視覚的に測定した。結果を表B17に示す。
【0170】
表B17
【表18】

【0171】
ウェルプレート中の葉ディスク又は葉断片試験
温室で育てた植物から、種々の植物種の葉ディスク又は葉断片を切り取った。葉ディスク又は葉断片を、マルチウェルプレート(24ウェルフォーマット)中の水寒天上にのせた。植菌前(予防)又は後(治療)に、葉ディスクに試験溶液を噴霧した。試験すべき化合物をDMSO溶液(最大10mg/ml)として調製し、これを、噴霧直前に0.025%ツイーン20で適切な濃度に希釈した。植菌したはディスク又は断片を、各試験系に従って一定条件(温度、相対湿度、光など)でインキュベートした。病態システムに従って、植菌の3〜9日後に、疾患レベルを1回評価した。次に、未処理チェック葉ディスク又は断片に対する疾患防除パーセントを計算した。
【0172】
実施例B18:プラスモパラ・ビチコラ(Plasmopara viticola)/ブドウ/葉ディスク予防(葉枯れ病)に対する殺真菌作用
ブドウのつるの葉ディスクをマルチウェルプレート(24ウェルフォーマット)中の水寒天上にのせ、水で希釈した調製試験化合物を噴霧した。添加の1日後、葉ディスクに真菌の胞子懸濁物を植菌した。植菌した葉ディスクを、人工気象室中で19℃、80%rhで、12h明/12h暗の光条件下でインキュベートし、未処理チェック葉ディスクで適切なレベルの疾患の傷害が現れる時(添加の6〜8日後)、化合物の活性を未処理と比較して疾患防除パーセントとして評価した。結果を表B18に示す。
【0173】
表B18
【表19】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
有用植物、その生息地、又はその繁殖材料に、相乗的に有効な量の成分A)とB)の組み合わせを施用することを含んでなる、有用植物又はその繁殖材料に対する植物病原疾患を防除する方法であって、
ここで、成分A)は、式Iの化合物
【化1】

[式中、
1は、CF2H又はCF3であり、
2は、メチル又はエチルであり、
3は、水素又はクロロであり、
4は、水素又はシクロプロピルである]、
及びこれらの化合物の農学的に許容される塩、異性体、鏡像異性体、互変異性体又はN−オキシドであり、そして
成分B)は、アゾキシストロビン、ピコキシストロビン、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、プロピコナゾール、フルジオキソニル、シプロジニル、フェンプロピモルフ、フェンプロピジン、エポキシコナゾール、イプコナゾール、マンジプロパミド、クロロタロニル、アミスルブロム、ビキサフェン、ボスカリド、シフルフェナミド、ジモキシストロビン、エネストロビン、エタボキサム、フルオピコリド、フルオピラム、フルオキサストロビン、フルチアニル、イプコナゾール、イソチアニル、メトラフェノン、オリサストロビン、ペンチオピラド、プロキナジド、プロチオコナゾール、ピラクロストロビン、ピリベンカルブ、バリフェナル、イソピラザム、1−メチル−シクロプロペン、ペンコナゾール、テブコナゾール、トリフロキシストロビン、イオウ、炭酸アンモニウム銅、オレイン酸銅、フォルペット、キノキシフェン、マンコゼブ、カプタン、フェンヘキサミド、メフェノキサム、ジチアノン、アシベンゾラル、グルホシネートとその塩、グリホセートとその塩、式IIの化合物
【化2】

式IIIの化合物
【化3】

式IVの化合物
【化4】

及び、式Vの化合物
【化5】

よりなる群から選択される化合物である、方法。
【請求項2】
成分B)が、アゾキシストロビン、ピコキシストロビン、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、プロピコナゾール、フルジオキソニル、シプロジニル、フェンプロピモルフ、フェンプロピジン、エポキシコナゾール、イプコナゾール、マンジプロパミド、クロロタロニル、アミスルブロム、ビキサフェン、ボスカリド、シフルフェナミド、ジモキシストロビン、エネストロビン、エタボキサム、フルオピコリド、フルオピラム、フルオキサストロビン、フルチアニル、イプコナゾール、イソチアニル、メトラフェノン、オリサストロビン、ペンチオピラド、プロキナジド、プロチオコナゾール、ピラクロストロビン、ピリベンカルブ、バリフェナル、式IIの化合物
【化6】

式IIIの化合物
【化7】

式IVの化合物
【化8】

及び、式Vの化合物
【化9】

よりなる群から選択される化合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
成分A)が、3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸[2−(2,4−ジクロロフェニル)−2−メトキシ−1−メチル−エチル]−アミドであり、成分Bがアゾキシストロビンである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
成分A)が、3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸[2−(2,4−ジクロロフェニル)−2−メトキシ−1−メチル−エチル]−アミドであり、成分Bがシプロジニルである、請求項1の方法。
【請求項5】
成分A)が、3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸[2−(2,4−ジクロロフェニル)−2−メトキシ−1−メチル−エチル]−アミドであり、成分Bがクロロタロニルである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
成分A)が、3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸[2−(2,4−ジクロロフェニル)−2−メトキシ−1−メチル−エチル]−アミドであり、成分Bがフルジオキソニルである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
成分A)が、3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸[2−(2,4−ジクロロフェニル)−2−メトキシ−1−メチル−エチル]−アミドであり、成分Bがペンコナゾールである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
成分A)が、3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸[2−(2,4−ジクロロフェニル)−2−メトキシ−1−メチル−エチル]−アミドであり、成分Bがテブコナゾールである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
成分A)が、3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸[2−(2,4−ジクロロフェニル)−2−メトキシ−1−メチル−エチル]−アミドであり、成分Bがイソピラザムである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
成分A)が、3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸[2−(2,4−ジクロロフェニル)−2−メトキシ−1−メチル−エチル]−アミドであり、成分Bがマンジプロパミドである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
相乗的に有効な量の請求項1の成分A)とB)の組み合わせを含んでなる殺真菌組成物。
【請求項12】
天然の生活環から採取された植物及び/又は動物起源の天然物質、並びに/あるいはその処理された形態を防御する方法であって、植物及び/又は動物起源の天然物質、並びに/あるいはその処理された形態に、相乗的に有効な量の請求項1の成分A)とB)の組み合わせを施用することを含んでなる方法。

【公表番号】特表2011−526277(P2011−526277A)
【公表日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−515309(P2011−515309)
【出願日】平成21年6月16日(2009.6.16)
【国際出願番号】PCT/EP2009/057465
【国際公開番号】WO2010/000612
【国際公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【Fターム(参考)】