説明

殺虫剤の組み合わせ

植物への損害の防除又は予防方法であって、上記植物又はその周辺領域に(I)アバメクチン、及び(II)シフルメトフェンを含む組み合わせをどんな所望の順序でも又は同時に施用することを含む方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は農薬活性成分、及びその組成物の定義された組み合わせの使用、及び植物への損害の防除又は予防における上記組み合わせの使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
害虫の攻撃を防除するための特定の活性成分及び活性成分の組み合わせは文献中に示されている。特にコーヒー、カンキツ属、リンゴ及び野菜作物において、例えば、生物学的特性、例えば、相乗的特性の改善、特に病原体及び/又は害虫を防除することを提供する農薬の組み合わせを提供する継続的必要性がある。
【発明の概要】
【0003】
特定の組み合わせが植物又はその周辺領域上に施用されるとき、活性成分の特定の組み合わせは植物への損害の予想されない防除又は予防を提供することが現在発見されている。
【0004】
したがって、第一の局面において、本発明は植物又はその周辺領域上に(I)アバメクチン、及び(II)シフルメトフェンを含む組み合わせをどんな所望の順序でも又は同時に施用することを含む、植物への損害の防除又は予防方法を提供する。
【0005】
第二の局面において、本発明は植物又はその周辺領域に上記第一の局面において定義される組み合わせをどんな所望の順序でも又は同時に施用することにより植物の生育を改善する方法を提供する。
【0006】
植物への損害は一般的に昆虫、真菌、雑草等の如き有害生物により引き起こされ、そしてそのため植物への損害の防除及び予防は一般的に上記有害生物の防除に関係する。
【0007】
上記第一の局面において定義される組み合わせは昆虫類、蛛形類及び/又は線虫類から選択される害虫の防除に好適である。
【0008】
本発明のどんな局面の態様においても、(I)及び(II)は同時に施用される。
【0009】
本発明の文脈中で、防除、予防又は保護及びその変化形は改善が示されるレベルまで植物、上記植物の部分又は植物繁殖材料への
−害虫の蔓延又は攻撃、及び
−害虫による損害
の如き所望されない効果を減少させることを意味する。
【0010】
上記組み合わせは化合物単独の活性と比較して相乗活性を示しうる。
【0011】
本発明に係る農薬の組み合わせは害虫による攻撃又は損害に対して植物を保護するための非常に有益な特性を有する;特に植物の場合、本発明は植物、植物器官及び/又は種子から生育した植物に対する害虫による損害を防除し又は予防しうる。
【0012】
これらの特性は例えば、化合物(I)及び(II)の組み合わせの相乗的に高められた活性であり、害虫によるより低い損害、より低い施用率又はより長い活性期間をもたらす。農業の場合、上記高められた活性は例えば、害虫による損害の予想される防除より高い植物の生育特性、上記植物のより高い生育特性、上記植物の農作物のより高い収率、上記植物のより多い立ち木数において改善を示すことが発見されている。
【0013】
植物の生育する(又は生育)特徴における改善はいくつかの異なる方法で現れうるが、最終的にはそれは上記植物のよりよい生産品をもたらす。それは、例えば、その改善が害虫の防除に関連しないこともある、上記植物の収率及び/又は生長力又は上記植物から収穫された生産品の質の改善において現れうる。
【0014】
本明細書中で使用されるとき、句「(植物の)収率の改善」は同じ条件下で、本主題の方法の施用なしに生産された上記植物の同じ生産品の収率が計測可能な量でまさる、上記植物の生産品の収率における増加に関する。上記収率が少なくとも約0.5%増加されることが好ましく、上記増加が少なくとも約1%であることがより好ましく、さらにより好ましくは約2%であり、そしてもっとより好ましくは約4%以上である。収率はある基準で上記植物の生産品の重量又は体積による量の点で表されうる。上記基準は時間、生育領域、生産される植物の重量、使用される未処理の材料の量等の点で表されうる。
【0015】
本明細書中で使用されるとき、句「(植物の)生長力の改善」は同じ条件下で、本主題の方法の施用なしに生産された上記植物の同じ因子に計測可能な又は顕著な量でまさる、生長力評定又は立ち木数(領域単位当たりの植物の数)又は植物の高さ又は植物の林冠又は(より緑色の葉色の如き)視覚的な外観又は根の評定又は出現又はタンパク質含有量又は分げつ枝出現の増加又はより大きな葉又はより少ない枯れた根出葉又はより強い分げつ枝又はより少ない必要な肥料又はより少ない必要な種子又はより多い生産的な分げつ枝又はより早い開花又は早い種子成熟又はより少ない植物の転倒(倒伏)又は若枝の生育増加又はより早い発芽又はこれらの因子のどんな組み合わせ又は当業者に知られるどんな他の利益の増加又は改善にも関する。
【0016】
本方法が植物の「収率及び/又は生長力を改善する」ことができると言われるとき、本方法は上記に示される上記植物の収率又は上記に示される生育力のいずれか又は上記植物の収率及び生長力の両方における増加をもたらす。
【0017】
したがって、本発明は上記第一の局面において定義される組み合わせを上記植物にどんな所望の順序でも又は同時に施用することを含む、植物の生育特性の改善方法をもまた提供する。
【0018】
本発明に係る組み合わせは農業セクター及び植物への害虫損害を防除する又は予防するための関連使用分野において使用されうる。
【0019】
(I)アバメクチン及び(II)シフルメトフェンを含む組成物もまた本明細書中で使用可能にされている。1つの態様において、上記組成物は殺昆虫剤、殺蛛形類剤及び/又は殺線虫剤組成物の如き農薬組成物である。
【0020】
好ましい態様において、上記組み合わせは組成物の形態であり、その組成物は1又は複数の慣例の調合補助物をさらに含みうる。好ましい態様において、上記組成物は事前混合調合組成物の形態である。
【0021】
本発明に係る組み合わせにより防除される害虫の例は昆虫類、蛛形類及び線虫類から選択される害虫である。上記害虫の例は:鱗翅目から、例えば、Acleris種、Adoxophyes種、Aegeria種、Agrotis種、Alabama argillaceae、Amylois種、Anticarsia gemmatalis、Archips種、Argyrotaenia種、Autographa種、Busseola fusca、Cadra cautella、Carposina nipponensis、Chilo種、Choristoneura種、Clysia ambiguella、Cnaphalocrocis種、Cnephasia種、Cochylis種、Coleophora種、Crocidolomia種、Cryptophlebia leucotreta、Crysodeixis includens、Cydia種、Diatraea種、Diparopsis castanea、Earias種、Elasmopalpus種、Ephestia種、Eucosma種、Eupoecilia ambiguella、Euproctis種、Euxoa種、Grapholita種、Hedya nubiferana、Heliothis種、Hellula undalis、Hyphantria cunea、Keiferia lycopersicella、Leucoptera scitella、Lithocollethis種、Lobesia botrana、Lymantria種、Lyonetia種、Malacosoma種、Mamestra brassicae、Manduca sexta、Operophtera種、Ostrinia nubilalis、Pammene種、Pandemis種、Panolis flammea、Pectinophora gossypiella、Phthorimaea operculella、Pieris rapae、Pieris種、Plutella xylostella、Prays種、Scirpophaga種、Sesamia種、Sparganothis種、Spodoptera種、Synanthedon種、Thaumetopoea種、Tortrix種、Trichoplusia ni及びYponomeuta種;鞘翅目から、例えば、Agriotes種、Anthonomus種、Atomaria linearis、Ceutorhynchus種、Chaetocnema tibialis、Cosmopolites種、Curculio種、Dermestes種、Diabrotica種、Epilachna種、Eremnus種、Gonocephalum種、Heteronychus種、Leptinotarsa decemlineata、Lissorhoptrus種、Melolontha種、Orycaephilus種、Otiorhynchus種、Phlyctinus種、Phyllotreta種、Popillia種、Protostrophus種、Psylliodes種、Rhizopertha種、Scarabeidae、Sitophilus種、Sitotroga種、Tenebrio種、Tribolium種及びTrogoderma種;直翅目から、例えば、Blatta種、Blattella種、Gryllotalpa種、Leucophaea maderae、Locusta種、Periplaneta種及びSchistocerca種;シロアリ目から、例えば、Reticulitermes種;チャタテムシ目から、例えば、Liposcelis種;シラミ目から、例えば、Haematopinus種、Linognathus種、Pediculus種、Pemphigus種及びPhylloxera種;ハジラミ目から、例えば、Damalinea種及びTrichodectes種;総翅目から、例えば、Frankliniella種、Hercinothrips種、Taeniothrips種、Thrips palmi、Thrips tabaci及びScirtothrips aurantii;異翅類から、例えば、Dichelops melacanthus、Distantiella theobroma、Dysdercus種、Euchistus種、Eurygaster種、Leptocorisa種、Nezara種、Piesma種、Rhodnius種、Sahlbergella singularis、Scotinophara種及びTriatoma種;同翅類から、例えば、Aleurothrixus floccosus、Aleyrodes brassicae、Aonidiella種、Aphididae、Aphis種、Aspidiotus種、Bemisia tabaci、Ceroplaster種、Chrysomphalus aonidium、Chrysomphalus dictyospermi、Coccus hesperidum、Empoasca種、Eriosoma larigerum、Erythroneura種、Gascardia種、Laodelphax種、Lecanium corni、Lepidosaphes種、Macrosiphus種、Myzus種、Nephotettix種、Nilaparvata種、Paratoria種、Pemphigus種、Planococcus種、Pseudaulacaspis種、Pseudococcus種、Psylla種、Pulvinaria aethiopica、Quadraspidiotus種、Rhopalosiphum種、Saissetia種、Scaphoideus種、Schizaphis種、Sitobion種、Trialeurodes vaporariorum、Trioza erytreae及びUnaspis citri;膜翅目から、例えば、Acromyrmex、Athalia rosae、Atta種、Cephus種、Diprion種、Diprionidae、Gilpinia polytoma、Hoplocampa種、Lasius種、Monomorium pharaonis、Neodiprion種、Solenopsis種及びVespa種;双翅目から、例えば、Antherigona soccata、Bibio hortulanus、Ceratitis種、Chrysomyia種、Culex種、Cuterebra種、Dacus種、Delia種、Drosophila melanogaster、Liriomyza種、Melanagromyza種、Orseolia種、Oscinella frit、Pegomyia hyoscyami、Phorbia種、Rhagoletis pomonella、Sciara種;ダニ目から、例えば、Acarus siro、Aceria sheldoni、Aculus schlechtendali、Amblyomma種、Argas種、Brevipalpus種、Bryobia praetiosa、Calipitrimerus種、Chorioptes種、Dermanyssus gallinae、Eotetranychus carpini、Eriophyes種、Hyalomma種、Olygonychus pratensis、Ornithodoros種、Panonychus種、(Phyllocoptruta oleivoraの如き)Phyllocoptruta種、Polyphagotarsonemus latus、Psoroptes種、Rhipicephalus種、Rhizoglyphus種、Sarcoptes種、Tarsonemus種及びTetranychus種;及び線虫類から、例えば、Meloidogyne種の種類(例えば、Meloidogyne incoginita及びMeloidogyne javanica)、Heterodera種(例えば、Heterodera glycines、Heterodera schachtii、Heterodora avenae及びHeterodora trifolii)、Globodera種(例えば、Globodera rostochiensis)、Radopholus種(例えば、Radopholus similes)、Rotylenchulus種、Pratylenchus種(例えば、Pratylenchus neglectans及びPratylenchus penetrans)、Aphelenchoides種、Helicotylenchus種、Hoplolaimus種、Paratrichodorus種、Longidorus種、Nacobbus種、Subanguina種、Belonlaimus種、Criconemella種、Criconemoides種、Ditylenchus種、Dolichodorus種、Hemicriconemoides種、Hemicycliophora種、Hirschmaniella種、Hypsoperine種、Macroposthonia種、Melinius種、Punctodera種、Quinisulcius種、Scutellonema種、Xiphinema種及びTylenchorhynchus種を含む。
【0022】
特に、上記組み合わせは1又は複数のPanonychus種、Brevipalpus種、Tetranychus種及びPhyllocoptruta種の防除のために好適である。
【0023】
本発明に係る組み合わせは特定の使用のために調合されうる。好ましくは、各組み合わせは栽培される植物又はそれらの繁殖材料の保護のために調合される。したがって、本発明に係る各組み合わせは葉面スプレイの如き慣例の方法で上記植物に施用されうる。
【0024】
さらに、本発明は土壌に住む害虫及び/又は土壌が含む病原体を防除するための本発明に係る組み合わせの土壌施用をもまた構想する。土壌への施用方法は上記組み合わせが土壌に浸透することを確実にするどんな好適な方法をも介することができ、例えば、苗床トレイ施用、溝中施用、土壌浸漬、土壌注入、細流灌漑、スプリンクラー又はセントラルピボットをとおした施用、土壌への組み込み(散布又は帯状で)は上記方法である。
【0025】
本発明は植物繁殖材料及び植物、植物の部分及び/又はより遅い時点で生育する植物器官における害虫による損害を防除する又は予防する方法をもまた提供し、それは植物繁殖材料又はその周辺領域上に上記第一の局面に定義される組み合わせの成分をどんな所望の順序でも又は同時に施用することを含む。
【0026】
植物繁殖材料又はその周辺領域に上記第一の局面において定義される組み合わせの成分をどんな所望の順序でも又は同時に施用することにより、害虫による損害に対して植物繁殖材料及び植物、植物の部分及び/又はより遅い時点で生育する植物器官を保護する方法もまた提供される。
【0027】
さらに、1つの態様において、本発明は(i)種子の如き植物繁殖材料を上記第一の局面に定義される組み合わせで処理すること、及び(ii)上記処理された繁殖材料を植えること又はまくことを含む方法に関し、ここで上記組み合わせは上記処理された植物繁殖材料又は植物の部分、植物器官及び/又は上記処理された繁殖材料から生育した植物の害虫による損害に対して保護する。
【0028】
また、1つの態様において、本発明は(i)種子の如き植物繁殖材料を上記第一の局面において定義される組み合わせで処理すること、及び(ii)上記処理された繁殖材料を植えること又はまくこと、及び(iii)上記処理された植物繁殖材料又は植物の部分、植物器官及び/又は上記処理された繁殖材料から生育した植物の害虫による損害に対して保護を達成することを含む方法に関する。
【0029】
用語「植物繁殖材料」は種子の如き植物の全ての生殖部分をいうと理解され、それは挿し木及び塊茎(例えば、ジャガイモ)の如き後の増殖及び発育に関する植物材料に使用されうる。したがって、本明細書中で使用されるとき、植物の部分は繁殖材料を含む。例えば、(厳密な意味での)種子、根、果実、塊茎、球根、根茎、植物の部分が挙げられうる。発芽後又は土壌からの出現後に植え替えられるべき発芽した植物及び若い植物もまた挙げられうる。これらの若い植物は浸漬による全体的な又は部分的な処理により植え替え前に保護されうる。
【0030】
より遅い時点で生育する植物の部分及び植物器官は種子の如き植物繁殖材料から発達する植物のあらゆる部分でもある。植物の部分、植物器官、及び植物もまた上記植物繁殖材料への各組み合わせの施用により達成される害虫による損害の保護から恩恵を受けうる。1つの態様において、より遅い時点で生育する植物のある部分及びある植物器官もまたそれら自体上記組み合わせで施用され(又は処理され)うる植物繁殖材料として考えられることができ;そしてその結果、上記植物の処理された部分及び処理された植物器官から発達する植物、植物のさらなる部分及びさらなる植物器官もまた上記植物のある部分及びある植物器官への上記組み合わせの施用により達成される害虫による損害の保護から恩恵を受けうる。
【0031】
植物繁殖材料、詳細には種子に農薬活性成分及びその混合物を施用する又は処理する方法は本分野において既知であり、そして上記繁殖材料のドレッシング、コーティング、ペレット化及び浸漬施用方法を含む。上記方法は本発明に係る組み合わせにもまた施用可能である。好ましい態様において、上記組み合わせは発芽が誘発されない方法により上記植物繁殖材料に施用され又は処理される;一般的に種子の浸漬は、処理後の種子の水分含有量が高くなりすぎるため、発芽を誘発する。したがって、種子の如き植物繁殖材料を施用する(又は処理する)ための好適な方法の例は種子ドレッシング、種子コーティング又は種子ペレット化等である。
【0032】
上記植物繁殖材料が種子であることは好ましい。
【0033】
本方法はどんな生理学的状態の種子にも施用されうると考えられるが、上記種子が、それが上記処理プロセス中に全く損傷を受けないくらい十分に耐久性のある状態であることが好ましい。典型的に、上記種子は畑から収穫された;植物から除去された;及び穂軸、茎、外部殻、及び周りの果肉又は他の非種子植物材料から分離された種子でありうる。上記種子は好ましくは上記処理が上記種子に全く生物学的損傷を引き起こさないであろうほど生物学的に安定でもありうる。上記処理は上記種子の収穫から上記種子の種まきの間又は作付けプロセス(種子方向づけ施用)中のどんなときでも上記種子に施用されうると考えられる。上記種子は上記処理の前又は後のいずれかにまた準備されうる。
【0034】
上記種子への上記組み合わせ中の成分のむらのない分布及びその付着は繁殖材料処理中に所望される。処理は、元の大きさ及び/又は形が認識できる、種子の如き植物繁殖材料上の上記組み合わせ、例えば、活性成分(単数又は複数)の混合物を含む調合物の薄いフィルム(ドレッシング)から、(コーティングの如き)中間状態まで、そして上記種子の元の形及び/又は大きさがもはや認識できない((担体、例えば、泥;他の活性成分のものの如き異なる調合物;重合体;及び着色料の如き)異なる材料の多くの層でのペレット化の如き)より厚いフィルムまで変化しうる。
【0035】
本発明の局面は上記組み合わせ中の成分を植物繁殖材料全体上へ又は一つの側又は一つの側の一部のみを含むその部分のみへ位置付けることを含む、標的化様式での上記植物繁殖材料上への上記組み合わせの施用を含む。当業者はEP954213B1及びWO06112700中に提供される記述からこれらの施用方法を理解しうる。
【0036】
本明細書中に示されている組み合わせは「ピル」又は好適な基質への本発明に係る組み合わせの処理又は施用及び植物繁殖材料の隣に上記処理されたピル又は基質を置くこと又はまくことをとおして植物の生育を高めるためにもまた使用されうる。上記技術は本分野において、詳細にはEP1124414、WO07067042、及びWO07067044中で既知である。
【0037】
植物繁殖材料上への本明細書中に示されている上記組み合わせの施用は、農薬処理された種子の隣に1又は複数の農薬含有粒子を置くことによる本発明に係る組み合わせで処理された上記植物繁殖材料の保護をも含み、ここで上記農薬の量は上記農薬処理された種子及び上記農薬含有粒子が合わせて有効な量の農薬を含み、そして上記農薬処理された種子中に含まれる農薬用量は上記農薬の最大非植物毒性用量以下である程度である。上記技術は本分野において、詳細にはWO2005/120226中で既知である。
【0038】
上記種子への上記組み合わせの施用は上記種子上の防除放出コーティングをもまた含み、ここで上記組み合わせの成分は時間とともに上記成分を放出する材料中に組み込まれている。防除放出種子処理技術の例は一般的に本分野において既知であり、そして重合体フィルム、蝋又は他の種子コーティングを含み、ここで上記成分は防除放出材料中に組み込まれ又は材料の層の間に施用されうる又はそれらの両方でありうる。
【0039】
種子は化合物(I)及び(II)をどんな所望の順序でも又は同時にそこに施用することにより処理されうる。
【0040】
上記種子処理は作付け前の種子に起こり、そして用語「作付け前の種子」は上記種子の収穫と、発芽及び上記植物の生育の目的のために土壌に上記種子をまくことの間のどんな時期の種子をも含むと意味される。
【0041】
作付け前の種子への処理は上記活性成分が土壌へ施用される実施を含むとは意味されないが、植え付けプロセス中の上記種子を標的にしうるどんな施用実施をも含みうる。
【0042】
好ましくは、上記処理は、作付けされた種子が上記組み合わせで事前処理されているように、上記種子の作付け前に起こる。詳細には、種子コーティング又は種子ペレット化は本発明に係る組み合わせの処理において好ましい。上記処理の結果として、各組み合わせ中の成分は上記種子上に付着され、それゆえ害虫防除に使用可能である。
【0043】
上記処理された種子は、他の活性成分で処理された種子と同じ様式で貯蔵され、取り扱われ、まかれ及び耕作されうる。
【0044】
本発明に係る組み合わせは作物:小麦、大麦、ライ麦、オート麦、コメ、トウモロコシ(飼料トウモロコシ及び甘味種トウモロコシ/甘味種及び青刈りトウモロコシ)又はサトウモロコシの如き穀類;甘味種又は飼料ビートの如きビート;果実、例えば、リンゴ果実、石果、木の堅果又はリンゴ、ナシ、プラム、モモ、バナナ、アーモンド、クルミ、ピスタチオ、チェリー又はベリー、例えば、イチゴ、ラズベリー又はブラックベリーの如き小果樹;マメ、ヒラマメ、エンドウ又は大豆の如きマメ科作物;油糧ナタネ、マスタード、ケシ、オリーブ、ヒマワリ、ココナッツ、キャスター、ココア又はアメリカホドイモの如き油糧作物;カボチャ、インゲンマメ、キュウリ又はメロンの如きウリ科植物;綿、亜麻、麻又はジュートの如き繊維植物;オレンジ、レモン、グレープフルーツ又はタンジェリンの如きカンキツ属果実;ホウレンソウ、レタス、アスパラガス、キャベツ、アイスバーグレタス、ニンジン、タマネギ、トマト、パプリカ、ジャガイモ又はピーマンの如き野菜;アボカド、シナモン又はカンファーの如きクスノキ科植物;及びまたタバコ、ナッツ、コーヒー、ナス、サトウキビ、茶、コショウ、ブドウの木、ホップ、プランテーン科、ラテックス植物、芝生(ローン)、芝生(ターフ)、飼料用牧草、及び鑑賞用バラ、キク、カーネーション、ガーベラ、ペチュニア、ゼラニウム/ペラルゴニウム属、パンジー及びホウセンカ属;及び低木、広葉樹及び針葉樹の如き常緑樹の植物のために好適である。詳細には、上記組み合わせはコーヒー、カンキツ属、石果(特にリンゴ、ナシ、プラム、モモ)、木の堅果(特にアーモンド及びピスタチオ)、及び野菜作物のために好適である。
【0045】
好適な標的作物は上記型のトランスジェニック作物植物をもまた含む。本発明にしたがって使用されるトランスジェニック作物植物は、それらが−例えば−例えば、特に節足動物門の、毒素生成無脊椎動物から知られるような、バチルス・チューリンゲンシス株から得られうるような;又はレクチンの如き植物から知られるような選択的活性毒素を合成することができる;又はあるいは除草又は殺真菌抵抗性を発現することができるように、組換えDNA技術の手段により形質転換されている植物又はその繁殖材料である。上記毒素又は上記毒素を合成することができるトランスジェニック植物の例は、例えば、EP‐A‐0374753、WO93/07278、WO95/34656、EP‐A‐0427529及びEP‐A‐451878中に開示されており、そして本出願中に援用される。
【0046】
本発明に係る組み合わせは
害虫 作物
Panonychus種 カンキツ属、仁果、石果、木の堅果
Brevipalpus種 カンキツ属、コーヒー
Phyllocoptruta種 カンキツ属
Tetranychus種 上記の全て及び野菜
と闘うために特によく適合されている。
【0047】
各組み合わせ中の活性成分化合物の重量比は所望の、例えば、相乗活性を与えるように選択される。1つの態様において、(I)対(II)の重量比は100:1〜1:100、好ましくは50:1〜1:50、より好ましくは1:1〜1:50、特に1:5〜1:40、有益には1:10〜1:30の如き1:7〜1:40である。
【0048】
上記組み合わせの施用(使用)率は、例えば、使用の型、作物の型にしたがって変化するが、上記組み合わせ中の活性成分が(害虫防除の如き)所望の高められた活性を提供するのに有効な量である量であり、そして当業者に知られる試験及びルーチン実験により決定されうる。一般的に、葉面又は土壌処理のために、施用率は1ヘクター当たり0.05〜3、好ましくは0.1〜1kg(g/ha)の活性成分(I)及び(II)まで変化しうる。
【0049】
1つの態様において、他の態様とは独立に、(I)及び(II)は0.1〜50g ai/haの(I)及び75〜900g ai/haの(II)の如きそれぞれ0.1〜75g ai/ha及び50〜1000g ai/haの率で施用され;好ましい態様においては(I)及び(II)はそれぞれ1〜45g ai/ha及び100〜800g ai/ha、詳細にはそれぞれ2〜40g ai/ha及び125〜700g ai/haの率で施用される。
【0050】
単一の農薬活性成分は害虫防除の1超の領域において活性を有する場合があり、例えば、1つの農薬は殺真菌、殺昆虫及び殺線虫活性を有しうる。特に、アルディカルブは殺昆虫、ダニ駆除及び殺線虫活性について知られており、一方でメタムは殺昆虫、除草、殺真菌及び殺線虫活性について知られ、そしてチアベンダゾール及びキャプタンは殺線虫及び殺真菌活性を提供しうる。
【0051】
本発明に係る組み合わせは他の殺真菌剤、殺昆虫剤、除草剤及び殺線虫剤の如き、1又は複数の他の農薬、及び/又は1又は複数の補助剤(それ自体は農薬活性を示さないが、上記農薬の活性を高める物質−通常、作物油脂濃縮物及び界面活性剤)と混合され又は共に使用されうる。
【0052】
上記事象において、1又は複数の農薬が上記第一の局面において定義される組み合わせと共に使用される。上記1又は複数の他の農薬は植物、植物繁殖材料又はその周辺領域にもまた施用されることができ、ここで各他の農薬は互いに独立に、(I)及び(II)の施用前に、同時に又は後に施用されることができ、そして(I)及び(II)が別々に施用される場合には、各他の農薬は互いに独立に、(I)及び(II)の施用前に、同時に、間に又は後に施用されうる。
【0053】
1つの態様において、本発明に係る組み合わせは1以上の他の農薬をさらに含み;それゆえ、1つの組成物は(I)、(II)及び1以上の他の農薬を含む。
【0054】
上記組み合わせの化合物(すなわち、(I)及び(II))、及びどんな他の農薬も本発明において、純粋な形態で、すなわち、固体活性成分として、例えば、特定の粒子サイズで又は好ましくは調合物の形態で、増量剤、例えば、溶媒又は固体担体又は界面活性化合物(界面活性剤)の如き、調合技術において慣例の少なくとも1つの補助物(補助剤としても知られる)と共に使用されうる。一般的に、上記化合物(I)及び(II)はそれぞれ1以上の慣例の調合補助物を伴う調合組成物の形態である。
【0055】
それゆえ、(I)及び(II)は別々の調合物の形態で使用されうる。上記化合物は、調合技術において慣例的に使用されるさらなる担体、界面活性剤又は他の施用促進補助剤を伴うことが所望される場合、防除が所望される場所に同時に又は短い間隔での、例えば同じ日の連続で施用されうる。好ましい態様において、(I)及び(II)は同時に施用される。
【0056】
上記組み合わせの化合物(すなわち、(I)及び(II))が本発明において同時に施用される事件において、それらは上記組み合わせを含む組成物として施用されることができ、その場合(I)、及び(II)のそれぞれは別々の調合源から得られ、そして任意に他の農薬を伴って共に混合されうる(タンク混合物、即施用可能物、スプレイブロス又はスラリーとして知られる)又は(I)、及び(II)は単一の調合混合源として得られ(事前混合物、濃縮物、調合製品として知られる)、そして任意に他の農薬と混合されうる。
【0057】
1つの態様において、本発明に係る組み合わせは組成物として施用される。
【0058】
したがって、本発明はタンク混合又は事前混合組成物の形態でありうる;活性成分として、(I)、及び(II)、及び任意に他の農薬、及び任意に1又は複数の慣例の調合補助物を含む組成物を含む。
【0059】
1つの態様において、(I)、及び(II)の組み合わせは事前混合組成物(又は調合製品)の形態で提供される。
【0060】
農薬活性についての実際の相乗活性の代替として、本発明に係る組み合わせはより広い意味で相乗活性としてもまた示されうる驚くべき有益な特性をもまた有しうる。挙げられうる上記有益な特性の例は:調合中及び/又は施用に際しての、例えば、粉砕、ふるいかけ、乳化、溶解又は分配に際しての有益なふるまい;増加した貯蔵安定性;光に対する改善された安定性;より有益な分解性;改善された毒物学及び/又は環境毒物学的ふるまい;又は当業者に知られるどんな他の利益でもある。
【0061】
事前混合組成物についての葉面調合型の例は:
GR:顆粒
WP:浸潤可能粉末
WG:水分散可能顆粒(粉末)
SG:水可溶顆粒
SL:可溶濃縮物
EC:乳化可能濃縮物
EW:エマルジョン、水中油
ME:マイクロエマルジョン
SC:水性懸濁濃縮物
CS:水性カプセル懸濁物
OD:油脂含有懸濁濃縮物、及び
SE:水性懸濁−エマルジョン
である。
【0062】
タンク混合組成物に好適な調合型の例は溶液、希釈エマルジョン、懸濁物又はそれらの混合物、及び粉塵である。
【0063】
上記調合物の性質について、葉面、浸漬、スプレイ、噴霧、散布、分散、コーティング又は注ぐことの如き施用方法は意図される目的及び流行している事情にしたがって選択される。
【0064】
上記タンク混合組成物は一般的に異なる農薬、及び任意に補助剤を含むさらなる補助物を含む1又は複数の事前混合組成物を溶媒(例えば、水)で希釈することにより調製される。
【0065】
好適な担体及び補助剤は固体又は液体であることができ、そして調合技術で通常使用される物質、例えば、天然又は再生鉱物、溶媒、分散剤、浸潤剤、粘着性付与剤、濃化剤、結合剤又は肥料である。
【0066】
上記調合物は既知の様式で、例えば、増量剤、例えば、溶媒、固体担体及び、適切な場合、界面活性化合物(界面活性剤)と共に上記活性成分を均一に混合する及び/又は粉砕することにより調製される。
【0067】
好適な溶媒は:芳香族炭化水素、好ましくは8〜12の炭素原子を含む画分、例えば、キシレン混合物又は置換されたナフタレン、ジブチルフタレート又はジオクチルフタレートの如きフタレート、シクロヘキサン又はパラフィンの如き脂肪族炭化水素、エタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチル又はモノエチルエーテルの如きアルコール及びグリコール及びそれらのエーテル及びエステル、シクロヘキサノンの如きケトン、N‐メチル‐2‐ピローリドン、ジメチルスルフォキシド又はジメチルフォルムアミドの如き強極性溶媒、及び植物性油脂又はエポキシド化ココナッツ油又は大豆油の如きエポキシド化植物性油脂;又は水である。
【0068】
例えば、粉塵及び分散可能粉末のために使用される固体担体は通常、方解石、タルク、カオリン、モンモリロナイト又はアタパルジャイトの如き天然鉱物充填剤である。物理的特性を改善するために、高分散珪酸又は高分散吸収性重合体を添加することもまた可能である。好適な顆粒化吸着性担体は多孔型、例えば、軽石、煉瓦片、海泡石又はベントナイトであり、そして好適な非吸着性担体は、例えば、方解石又は砂である。さらに、無機又は有機性の多くの事前顆粒化材料、例えば、特にドロマイト又は微粉化植物残留物が使用されうる。
【0069】
調合される活性成分化合物の性質に因り、好適な界面活性化合物は優れた乳化、分散及び浸潤特性を有する非イオン性、陽イオン性及び/又は陰イオン性界面活性剤である。用語「界面活性剤」は界面活性剤の混合物を含むとも理解されるであろう。
【0070】
特に有益な施用促進補助剤はまたセファリン及びレシチンシリーズの天然又は合成リン脂質、例えば、フォスファチジルエタノールアミン、フォスファチジルセリン、フォスファチジルグリセロール及びリソレシチンである。
【0071】
一般的に、葉面又は土壌施用のためのタンク混合調合物は0.1〜20%、詳細には0.1〜15%の活性成分化合物、及び99.9〜80%、詳細には99.9〜85%の(例えば、水の如き溶媒を含む)固体又は液体補助物を含み、ここで上記補助物は上記タンク混合調合物に基づいて0〜20%、詳細には0.1〜15%の量の界面活性剤でありうる。
【0072】
典型的に、葉面施用のための事前混合調合物は0.1〜99.9%、詳細には1〜95%の活性成分化合物、及び99.9〜0.1%、詳細には99〜5%の(例えば、水の如き溶媒を含む)固体又は液体補助剤を含み、ここで上記補助物は上記事前混合調合物に基づいて0〜50%、詳細には0.5〜40%の量の界面活性剤でありうる。
【0073】
通常、種子処理施用のためのタンク混合調合物は0.25〜80%、詳細には1〜75%の所望の成分、及び99.75〜20%、詳細には99〜25%の(例えば、水の如き溶媒を含む)固体又は液体補助物を含み、ここで上記補助物は上記タンク混合調合物に基づいて0〜40%、詳細には0.5〜30%の量の界面活性剤でありうる。
【0074】
典型的に、種子処理施用のための事前混合調合物は0.5〜99.9%、詳細には1〜95%の所望の成分、及び99.5〜0.1%、詳細には99〜5%の(例えば、水の如き溶媒を含む)固体又は液体補助剤を含み、ここで上記補助物は上記事前混合調合物に基づいて0〜50%、詳細には0.5〜40%の量の界面活性剤でありうる。
【0075】
好ましい種子処理事前混合調合物は水性懸濁濃縮物である。上記調合物は流動化ベッド技術、ローラーミル法、ロトスタティック種子処理器、及びドラムコーターの如き慣例の処理技術及び機械を用いて上記種子に施用されうる。噴出ベッドの如き他の方法もまた有用でありうる。上記種子はコーティング前に事前に同じ大きさにされうる。コーティング後、上記種子は典型的に乾燥され、そしてその後整粒のために整粒器に移される。上記手順は本分野において既知である。
【0076】
一般的に、本発明に係る事前混合組成物は0.5〜99.9、詳細には1〜95、有益には1〜50%の質量の所望の成分、及び99.5〜0.1、詳細には99〜5%の質量の(例えば、水の如き溶媒を含む)固体又は液体補助剤を含み、ここで上記補助物(又は補助剤)は上記事前混合調合物の質量に基づいて0〜50、詳細には0.5〜40%の質量の量の界面活性剤でありうる。
【0077】
市販製品は好ましくは濃縮物(例えば、事前混合組成物(調合物))として調合されるであろうが、エンドユーザーは通常希釈調合物(例えば、タンク混合組成物)を使用するであろう。
【0078】
(I)及び(II)の好ましい事前混合調合物は水性懸濁濃縮物、乳化可能濃縮物及び水中エマルジョンである。
【0079】
好ましい態様において、本発明に係る組み合わせは調合された事前混合組成物の形態であり、そしてそのような場合、それゆえ他の農薬及び農薬調合物、調合補助物、及び補助剤(それ自体農薬活性を示さないが、上記農薬の活性を高める物質‐通常、作物油脂濃縮物及び界面活性剤)と共にもまた使用されうる。上記調合された事前混合組成物がタンク混合物中で他の成分(例えば、上記に挙げられるもの)と共に使用され、そして畑及び/又は植物に施用されることは典型的である。
【0080】
補助剤の例は商標化製品Penetrator、Adigor、Agora、Atplus411F、及びまた油をも含む。
【0081】
一般的に、本発明に係る事前混合組成物は0.5〜99.9、詳細には1〜95、有益には1〜50%の質量の活性成分化合物、及び99.5〜0.1、詳細には99〜5%の質量の(例えば、水の如き溶媒を含む)固体又は液体補助剤を含み、ここで上記補助物(又は補助剤)は上記事前混合調合物の質量に基づいて0〜50、詳細には0.5〜40%の質量の量の界面活性剤でありうる。
【0082】
好ましい態様において、上記組み合わせは(I)アバメクチン及び(II)シフルメトフェン、及び1以上の慣例の調合補助物を含む調合された事前混合組成物の形態である。
【0083】
以下の実施例は本発明を例示する役割を果たす。
調合実施例
浸潤可能粉末 a) b) c)
活性成分 25% 50% 75%
リグノスルフォネートナトリウム 5% 5% ‐
ラウリル硫酸ナトリウム 3% ‐ 5%
ヂイソブチルナフタレンスルフォネートナトリウム ‐ 6% 10%
フェノールポリエチレングリコールエーテル ‐ 2% ‐
(7〜8モルの酸化エチレン)
高分散珪酸 5% 10% 10%
カオリン 62% 27% ‐
上記活性成分は上記補助剤と入念に混合され、そして上記混合物は好適なミル中で入念に粉砕され、所望の濃度の懸濁物を与えるために水で希釈されうる浸潤可能粉末を提供する。
乾燥種子処理のための粉末 a) b) c)
活性成分 25% 50% 75%
軽鉱油 5% 5% 5%
高分散珪酸 5% 5% ‐
カオリン 65% 40% ‐
タルク ‐ ‐ 20
上記活性成分は上記補助剤と入念に混合され、そして上記混合物は好適なミル中で入念に粉砕され、種子処理のために直接的に使用されうる粉末を提供する。
乳化可能濃縮物
活性成分 10%
オクチルフェノールポリエチレングリコールエーテル 3%
(4〜5モルの酸化エチレン)
ドデシルベンゼンスルフォネートカルシウム 3%
キャスター油ポリグリコールエーテル(35モルの酸化エチレン) 4%
シクロヘキサノン 30%
キシレン混合物 50%
植物保護において使用されうる必要とされる希釈のエマルジョンは水での希釈によりこの濃縮物から得られうる。
粉塵 a) b) c)
活性成分 5% 6% 4%
タルク 95% ‐ ‐
カオリン ‐ 94% ‐
鉱物充填剤 ‐ ‐ 96%
即使用可能粉塵を上記活性成分を上記担体と混合し、そして好適なミル中で上記混合物を粉砕することにより得る。上記粉末は種子のための乾燥ドレッシングにもまた使用されうる。
噴出顆粒
活性成分 15%
リグノスルフォネートナトリウム 2%
カルボキシメチルセルロース 1%
カオリン 82%
上記活性成分を上記補助剤と共に混合し、そして粉砕し、そして上記混合物を水で湿らせる。上記混合物を噴出させ、そしてその後気流中で乾燥させる。
コーティング顆粒
活性成分 8%
ポリエチレングリコール(mol.wt.200) 3%
カオリン 89%
上記細かく粉砕された活性成分をポリエチレングリコールで湿らせたカオリンに、ミキサー中で、均一に施用する。非粉末状コーティング顆粒をこの様式で得る。
懸濁濃縮物
活性成分 40%
プロピレングリコール 10%
ノニルフェノールポリエチレングリコールエーテル(15モルの酸化エチレン) 6%
リグノスルフォネートナトリウム 10%
カルボキシメチルセルロース 1%
シリコン油(水中の75%エマルジョンの形態の) 1%
水 32%
上記細かく粉砕された活性成分は上記補助剤と親密に混合され、どんな所望の希釈の懸濁物でも水での希釈により得られうる懸濁混合物を与える。上記希釈物を用いて、生きている植物及び植物繁殖材料はスプレイ、注入又は浸漬により処理され、そして微生物の蔓延に対して保護されうる。
種子処理のための流動可能濃縮物
活性成分 40%
プロピレングリコール 5%
共重合体ブタノール PO/EO 2%
10〜20モルのEOを伴うトリスチレンフェノール 2%
1,2‐ベンズイソチアゾリン‐3‐オン(水中の20%溶液の形態の) 0.5%
モノアゾ‐色素カルシウム塩 5%
シリコン油(水中の75%エマルジョンの形態の) 0.2%
水 45.3%
上記細かく粉砕された活性成分は上記補助剤と親密に混合され、どんな所望の希釈の懸濁物でも水での希釈により得られうる懸濁濃縮物を与える。上記希釈物を用いて、生きている植物及び植物繁殖材料はスプレイ、注入又は浸漬により処理され、そして微生物の蔓延に対して保護されうる。
遅延放出カプセル懸濁物
28部分の上記組み合わせ又は28部分の別々の(I)、及び(II)からのこれらの化合物各々を2部分の芳香族溶媒及び7部分のトルエンジイソシアネート/ポリメチレン‐ポリフェニルイソシアネート混合物(8:1)と混合する。この混合物を1.2部分のポリビニルアルコール、0.05部分の消泡剤及び51.6部分の水の混合物中で、所望の粒子サイズが達成されるまで乳化する。このエマルジョンに5.3部分の水中の2.8部分の1,6‐ジアミノヘキサンの混合物を添加する。上記混合物を、上記重合反応が完了されるまで攪拌する。得られたカプセル懸濁物を0.25部分の濃化剤及び3部分の分散剤を添加することにより安定化させる。上記カプセル懸濁調合物は28%の活性成分を含む。中間のカプセル直径は8〜15ミクロンである。生ずる調合物をその目的のために好適な装置中で水性懸濁物として種子に施用する。
【0084】
上記調合物をストレートで又は希釈して用いて、植物は例えば、スプレイ又は注入により処理され、そして例えば、害虫(単数又は複数)による損害に対して保護されうる。
【0085】
本発明に係る活性成分組み合わせは、植物がそれらに対して特によく耐え、そしてそれらは環境に優しいという事実により区別される。
【0086】
本発明の各局面及び態様において、「本質的に〜から成る」及びその変化形は「〜を含む」及びその変化形の好ましい態様であり、そして「〜から成る」及びその変化形は「本質的に〜から成る」及びその変化形の好ましい態様である。
【0087】
単数形の用語の使用は複数形のその用語をも含み、そして逆もまた同じである。
【0088】
アバメクチン及びシフルメトフェンは農化学産業における使用のための(農薬としても知られる)活性成分である。シフルメトフェンは以下の構造により代表され、そして大塚製薬に源を発する。
【0089】
【化1】

【0090】
他の農薬(例えば、殺真菌剤、殺昆虫剤、殺線虫剤)の記述はe‐Pesticide Manual, version 3.1, 13th Edition, Ed. CDC Tomlin, British Crop Protection Council, 2004‐05中に見られうる。
【0091】
以下の実施例は例示の目的のために与えられ、そして本発明の限定のためではない。
【実施例】
【0092】
活性成分組み合わせの活性が個々の成分の活性の合計より大きいとき、予想されない効果が存在する。
【0093】
ある活性成分組み合わせについて予想される活性EはいわゆるCOLBY式に従い、そして以下のように計算されうる(COLBY, S.R.“Calculating synergistic and antagonistic responses of herbicide combination”. Weeds, Vol.15, pages 20−22:1967):
ppm=ミリグラムの活性成分(=a.i.)/リットルのスプレイ混合物
X=p ppmの活性成分を用いた活性成分A)による%活性
Y=q ppmの活性成分を用いた活性成分B)による%活性。
【0094】
COLBYにしたがって、p+q ppmの活性成分を用いた活性成分A)+B)の予想される(付加的な)活性は E=X+Y−X・Y/100 である。
【0095】
実際に観察される活性(O)が予想される活性(E)より大きい場合、上記組み合わせの活性は超付加的である、すなわち、相乗効果が存在する。
【0096】
試験を本組み合わせの効果を決定するために畑豆品種Palomaについて行う。
【0097】
上記試験を1プロット1m2で、各試験について3回の繰り返しで行い、そしてスプレイ体積は1500〜1600l/haに及ぶ。
【0098】
上記単独の及び組み合わせの製品を以下の表中に表示されている比率で3回施用する。上記農薬調合物(単独又は組み合わせどちらでも)の第一の施用は(植え付け後35日での)葉面スプレイとしての害虫閾値である。その後、上記第二の及び第三の葉面施用は植え付け後42及び49日である。
【0099】
ダニ防除の評価を表中に表示されている時間(すなわち、施用1後6日(6DAA1)、施用2後6日(6DAA2)、施用3後6日(6DAA3)、及び施用3後14日(14DAA3))で各プロットについて5枚の葉上のダニの数に基づいて行う。値を非処理コントロールに比較した割合として与える。
【0100】
以下の表はColby式に基づいた上記組み合わせについての予想される%コントロールをも提供する。
【0101】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物又はその周辺領域に(I)アバメクチン、及び(II)シフルメトフェンを含む組み合わせをどんな所望の順序でも又は同時に施用することを含む、植物への損害の防除又は予防方法。
【請求項2】
上記植物又はその周辺領域に請求項1に定義される組み合わせをどんな所望の順序でも又は同時に施用することによる植物の生育の改善方法。
【請求項3】
昆虫類、蛛形類及び線虫類から選択される害虫による上記植物への攻撃を防除する又は予防することにより損害が防除され又は予防される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
(I)対(II)の重量比率が1:100〜100:1である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
(I)及び(II)がそれぞれ0.1〜75g ai/ha及び50〜1000g ai/haの比率で施用される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
(I)及び(II)が同時に施用される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
1又は複数の他の農薬もまた上記植物又はその周辺領域に施用され、ここで各他の農薬は互いに独立に、(I)及び(II)の施用前に、同時に又は後に施用されることができ、そして(I)及び(II)が別々に施用される場合、各他の農薬は互いに独立に、(I)及び(II)の施用前に、同時に、間に又は後に施用されうる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
アバメクチン及びシフルメトフェンがそれぞれ調合組成物の形態である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
(I)及び(II)が共に単一の調合組成物の形態であり、その組成物は1又は複数の慣例の調合補助物をさらに含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
植物繁殖材料に(I)アバメクチン、及び(II)シフルメトフェンを含む組み合わせの成分をどんな所望の順序でも又は同時に施用することにより、植物繁殖材料及び植物、植物の部分及び/又はより遅い時点で生育する植物器官を害虫による損害に対して保護する方法。
【請求項11】
(I)アバメクチン及び(II)シフルメトフェンを含む組成物。
【請求項12】
(I)アバメクチン及び(II)シフルメトフェン、及び1又は複数の慣例の調合補助物を含む組成物。
【請求項13】
(I)アバメクチン及び(II)シフルメトフェン、及び1又は複数の慣例の調合補助物を含む調合された事前混合組成物。

【公表番号】特表2012−500240(P2012−500240A)
【公表日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−523372(P2011−523372)
【出願日】平成21年7月21日(2009.7.21)
【国際出願番号】PCT/EP2009/059378
【国際公開番号】WO2010/020510
【国際公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【Fターム(参考)】