説明

殺虫組成物

本願発明は、植物の病原性ダメージを防除又は防止するのに適した製剤化製剤であり、(A)該製剤化組成物の総重量に対して1重量%以上の量の、中性pHかつ25℃における水溶性が最大100μg/リットルの1つ以上の固体有効成分、(B)親水−親油バランス(HLB)が10〜18の1つ以上の非イオン性海面活性化合物、1つ以上の通常の製剤助剤、及び水;を含み、有効成分(A)が水中に懸濁又は分散しており、界面活性化合物(B)の有効成分(A)に対する重量比率が、1.5〜15.0であり、界面活性化合物(B)の最小量が、該製剤化組成物の総重量に対して6重量%以上である、前記製剤化組成物に関する。農業における残留農薬のレベルを改善する方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水に懸濁し、又は分散した特定の有効成分、及び所定の量の所定の界面活性化合物を含む製剤化組成物、そのタンクミックス組成物、並びに害虫駆除のためのそれらの使用に関する。また、本願発明は、残留農薬レベルの改善を示す組成物にも関する。
【背景技術】
【0002】
殺虫剤の有効な使用は、ある程度それらの本来的な水溶性の低さにより制限される。一般に、これらの不水溶性殺虫剤は、3つの方法により:1)粉塵として、2)有機溶媒若しくは1つ以上の有機溶媒と水との組み合わせ中の溶液として、又は3)有機溶媒中に該生産物を溶解し、該溶液を水中に分散することにより調製されるエマルジョンとして、施用され得る。これらのアプローチのいずれも、以下の欠点が存在する。
・粉塵の施用は健康被害を引き起こし、効率も悪い。
・主要な担体として有機溶媒を要する溶液及びエマルジョンは、該溶媒がしばしば前記生産物の担体となる以外に用途が無く、また、担体としても製剤化に不要なコストを掛け、該溶媒自体が環境に有害であり得るため、望ましくない。
【0003】
他の欠点は、水ベースの製剤、例えば懸濁濃縮物及びサスポエマルジョン等に関する、効率/安定性の問題である。そのような欠点の例として、固体有効成分又は製剤を含む水ベースの製剤が、時間経過により、懸濁又は分散成分の沈殿を生じ得ることが挙げられる。この沈殿は、容器から材料を出すことを困難にする固い堆積物を生じさせる。多くの場合、固体の殺虫剤は、製剤化濃縮物中に懸濁された状態を維持し得るが、それらの種類の製剤を希釈すると、懸濁又は分散していた固体は、時間経過により、容器の下方に沈殿し得る。堆積する速度は、粒子サイズ、粒子濃度、懸濁媒体の粘性及び粒子と懸濁媒体との間の比重の差等の、様々な要素に依存する。一旦沈殿が生じると、堆積物は徐々に固まってゆき、再分散又は再懸濁が極めて困難となる。固まった堆積物は、タンクが攪拌されないときに生じ得る。使用者によりなされる例えば一昼夜の通常の休息、天候の変化、機械的機能不全及び噴霧タンクの不攪拌をもたらす予期せぬイベントにより、噴霧スケジュールの中断がしばしば起こる。
【0004】
故に、当該技術分野において、担体として有機溶媒を使用する必要が無く、一方でそれが施用される箇所に最適な利用可能性を呈する殺虫剤を提供することは、有利であり得る。
【0005】
前記有効成分の効率は、アジュバント等の他の有効成分の添加によりしばしば改善され得る。アジュバントは、本明細書中で、有効成分の生体活性を改善し得るが、それ自体が顕著な生体活性を有しない物質として定義される。
【0006】
一般に、アジュバントは、有効成分を含む製剤と一緒噴霧タンクに添加される。更に、それらのアジュバントのエンドユーザーによる取り扱い及び投与の便宜及び安全の観点、並びにパッキング材料の節約の観点から、既にそのようなアジュバントを含む濃縮製剤の開発が望ましい。
【0007】
しかしながら、物理化学的安定性及び生体活性を示す製剤を想到することは、当業者にとって挑戦である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、製剤中の低水溶性有効成分と共に所定の量及び所定の比率で特定の界面活性化合物を使用することで、従来の水ベースの製剤では実現しなかった利益を享受し得ることを見出した。
【0009】
従って、本発明の第一の側面は、製剤化組成物、好ましくは農芸化学製剤化組成物であり、(A)該製剤化組成物の総重量に対して1重量%以上の量の、中性pHかつ25℃における水溶性が最大100μg/リットルの1つ以上の固体有効成分、(B)親水−親油バランス(HLB)が10〜18の1つ以上の非イオン性海面活性化合物、1つ以上の通常の製剤助剤、及び水を含み、有効成分(A)が水中に懸濁又は分散しており、界面活性化合物(B)の有効成分(A)に対する重量比率が、1.5〜15.0であり、界面活性化合物(B)の最小量が、該製剤化組成物の総重量に対して6重量%以上である、前記製剤化組成物を提供する。
【0010】
前記第一の側面の製剤化組成物は、同様に製剤化されたが第一の側面で定義された前記界面活性化合物を含んでいない組成物と比較して、改善されたトランスラミナリティー(translaminarity)及び再懸濁特性を示す。
【0011】
従って、第二の側面において、本発明は、前記第一の側面で定義された有効成分(A)のトランスラミナリティーを改善する方法であり、親水−親油バランス(HLB)が10〜18の1つ以上の非イオン性海面活性化合物(化合物(B))を含み、界面活性化合物(B)の有効成分(A)に対する重量比率が、1.5〜15.0であり、界面活性化合物(B)の最小量が、該製剤化組成物の総重量に対して6重量%以上である、前記方法を提供する。
【0012】
第三の側面において、本発明は、懸濁物の再懸濁能力を改善する方法であり、前記第一の側面で定義された1つ以上の固体有効成分(A)、及び親水−親油バランス(HLB)が10〜18の1つ以上の非イオン性界面活性化合物(化合物(B))を含む組成物を形成することを含み、該界面活性化合物(B)の有効成分(A)に対する重量比率が1.5〜15.0であり、該界面活性化合物(B)の最小量が、組成物の総重量に対して6重量%以上である、前記方法を提供する。
【0013】
有効量の本発明の製剤化組成物は、植物毒性を有しない場合があり、耐雨性(rainfastness)を示し、そしてUV安定性の改善を示し、それゆえ施用される箇所に最適な利用可能性を呈する。実際に、第一の側面の製剤化組成物が、許容される生理的、化学的および生物学的特性を有することが確認されている。
【0014】
従って、第四の側面において、本発明は、後日生長する植物育苗材料、植物の部分及び/又は植物の器官の病原性ダメージ又は害虫ダメージを防除又は予防する方法であり、該植物育苗材料、植物の部分及び/若しくは植物の器官、又はそれらの周囲の領域に、第一の側面で定義した製剤化組成物に由来する組成物を施用することを含む、前記方法を提供する。
【0015】
殺虫剤は、害虫を死滅させるのに使用される化合物又は化合物の混合物である。殺虫剤は、化学物質(有効成分等)、生物製剤(ウイルス又は細菌等)、抗菌剤(antimicrobial)、消毒剤(disinfectant)又はいずれかの害虫に対して使用されるデバイスであり得る。害虫には、昆虫、植物病原体、雑草、軟体動物(molluscs)、鳥、哺乳類、魚、線形動物(nematode)(roundworm)及び食物、破壊能力、拡散をめぐりヒトと対立し、又は病害を運び、又は害悪を引き起こす微生物が含まれる。殺虫剤の使用は有益であるが、ヒト及び他の動物に対する潜在的な毒性等の欠点も存在する。故に、残留農薬は、食用作物に適用された後に食物中若しくは食物上に残留し得る殺虫剤を意味する。米国のEnvironmental Protection Agency (EPA)等の国家当局は、食物、試料製品(feed product)又は日用品(commodities)に残留してもよい残留農薬の量に制限を設けている。これらの残留農薬の制限は、許容量(tolerance)(米国以外の国で、最大残留限界(MRL)として知られる。)として知られる。許容量は、食物上の殺虫剤レベルが消費者にとって有害なレベルに達しない程度に設定される。故に、EPAは、米国において、作物を保護するために生産者により使用される殺虫剤を調整し、及び残留農薬の許容量を設定する責任がある。
【0016】
本明細書中で示す有効成分は、殺虫剤、有効成分(A)及び有効成分(D)等の殺虫剤と見做される。
【0017】
殺虫剤、特にアバメクチンを含む水性製剤化組成物と共に1つ以上のアジュバントを使用することにより、植物上の残留農薬レベルが減少することが見出された。本明細書中で、アジュバントは、農業において通常使用され、当業者が知っているものを指す。しかしながら、本発明は、特に、非イオン性界面活性剤及び/又は油性組成物を有するアジュバントに関し、それらは通常、非イオン性アジュバントとして知られる。一般に、アジュバントは、複数の成分の混合物又はブレンドである傾向がある。
【0018】
従って、更なる態様において、本発明は、植物の残留農薬を改善する(減少させる)方法であり、(I)前記第一の側面に記載の殺虫剤例えばアバメクチン、溶媒、例えば水を含む殺虫組成物、及び(II)1つ以上のアジュバントを含むタンクミックス組成物を、植物、植物の部分、植物の器官、植物育苗材料に施用することを含み、該アジュバントの量が、該タンクミックス組成物の体積に対して0.05〜0.5体積%であり、そして該アジュバントが、1つ以上の非イオン性界面活性剤及び/又は油性成分を有する、前記方法を提供する。
【0019】
一つの態様において、アジュバントの量は、前記タンクミックス組成物の体積に対して、0.06〜0.3、好ましくは0.075〜0.25、例えば0.08〜0.15体積パーセントである。
【0020】
一つの態様において、前記タンクミックス組成物は、更に、(III)1つ以上の他の殺虫製剤化組成物を含み得る。
【0021】
前記アジュバントは、アルコール、油性成分及び/又は乳化剤、例えば非イオン性界面活性剤等の成分の混合物又はブレンドを含む傾向があり、該油性成分及び/又は非イオン性界面活性剤は、該アジュバントの主要な割合を占める。
【0022】
アジュバント中の油性成分の例として、パラフィン油、園芸用噴霧油(例えばサマーオイル(summer oil))、メチル化ナタネ油、高純度植物油等が挙げられる。
【0023】
非イオン性界面活性剤の例として、ポリオール脂肪酸エステル、それらのポリエトキシル化エステル、エトキシル化アルコール、アルキル多糖類及びそれらのブレンド、アミンエトキシレート、ソルビタン脂肪酸エステルエトキシレート、PEGエステル、有機シリコーンベース界面活性剤、エチレンビニルアセテートターポリマー、及びエトキシル化アルキルアリールホスフェートエステルが挙げられる。
【0024】
一つの態様において、1つ以上のアジュバントが、殺虫剤、特にアバメクチンのUV安定性を低下させること、即ち殺虫剤の分解を改善することが見出された。更に、殺虫剤の粒子サイズを低下させることも、分解に貢献する。
【0025】
本発明は、以下により詳細に記述される。
【0026】
製剤の形態の例には、
・顆粒
・水和剤(wettable powder)
・水分散性顆粒(粉末)
・水溶性顆粒
・可溶性濃縮物
・エマルジョン、水中油
・マイクロエマルジョン
・水性懸濁濃縮物
・水性カプセル懸濁物
・オイルベース懸濁濃縮物、及び
・水性サスポエマルジョン
が含まれる。
【0027】
有効成分の濃度が、それを使用(例えば植物、種子又はその場所(locus)に)する前に希釈(例えば水、溶媒により)が必要な程度であるとき、その製剤は濃縮物と称される。一般に、エンドユーザーは、使用する前に、前記濃縮物を、噴霧タンク組成物(又は混合物)又はタンクミックスになるまで希釈する。あるいは、前記製剤中の有効成分の濃度及び該製剤の使用に依存して、エンドユーザーは、必要に応じて、他の製剤、好ましくは他の殺虫製剤と組み合わせて、該製剤を直接使用し得る。従って、当業者にとって、第一の態様で定義した製剤化組成物は、使用前に希釈を要する濃縮物、又は希釈せずに使用される製剤のいずれかに対応する。一つの態様において、本発明は、濃縮製剤に関する。
【0028】
本発明は、水ベース製剤に関する。特に、第一の側面で定義した固体有効成分が、水中に懸濁又は分散した製剤に関する。そのような製剤の例として、懸濁濃縮物及びサスポエマルジョンが含まれる。前記有効成分は、任意の種類であり、又は異なる種類の混合物であり、好ましくは、製剤中で殺線虫剤及び/又は殺昆虫剤(insecticide)の活性を呈する1つ異常の有効成分であり得る。従って、前記製剤化組成物は、前記有効成分(A)の水中懸濁又は分散に影響しない有機溶媒(凍結防止剤等)を含み得る。よって、第一の側面における製剤化組成物中の典型的な揮発性有機成分(VOC)レベルは、30%以下、好ましくは20%以下、特に5〜15%の範囲内である。
【0029】
例えば、前記製剤化組成物が、有効成分(A)と組み合わせて1つ以上の更なる有効成分(D)を含む場合、該有効成分(A)は水相中に分散又は懸濁しており、有効成分(D)は、互いに独立して、水相中に分散し、又はカプセル封入形態(例えばマイクロカプセル)として提供される。
【0030】
固体有効成分は、前記希釈組成物等を含む製剤中で分散又は懸濁状態を維持する固体成分を含む。前記殺虫有効成分は、担体、好ましくは水中で一定の溶解度を呈し得るが、典型的には、該殺虫有効成分は、実質的には、選択された担体、例えば水等に溶解しない。これらの実質的に不溶性の殺虫有効成分は、選択された単体中で測定可能な溶解性を有する場合も、本明細書中では、簡潔のため、「不溶性」有効成分と称する。当業者にとって、幾つかの有効成分の水溶性は、それらが滴定可能な酸又は塩基官能基(titratable acid or base functionality)を有するとき;特に酸はそれらのpKaが高いほど溶解しやすく、そして塩基はそれらのpKbが低いほど溶解しやすいとき、pHに依存するということは、当業者にとって明らかである。故に、酸は、水相のpHがそれらのpKa近く又はこれを下回る値に維持されるときは、それらが高いpHでは約5000mg/l以上の溶解度を示すものであっても、本検討における不溶性とすることができる。
【0031】
前記有効成分(A)の具体例として、アバメクチン(abamectin)、アクリナツリン(acrinathrin)、アルファ−シペルメツリン(alpha−cypermethrin)、アセキノシル(acequinocyl)、アミトラズ(amitraz)、ベノミル(benomyl)、ベータ−シフルツリン(beta−cyfluthrin)、ビフェンツリン(bifenthrin)、ビオレスメツリン(bioresmethrin)、ビストリフルロン(bistrifluron)、ブロモプロピレート(bromopropylate)、クロルエトキシフォス(chlorethoxyfos)、クロルフルアズロン(chlorfluazuron)、クロフェンテジン(clofentezine)、シフルツリン(cyfluthrin)、シハロツリン(cyhalothrin)、シペルメツリン(cypermethrin)、シフェノツリン(cyphenothrin)、ドデモルフ(dodemorph)、エスフェンヴァレレート(esfenvalerate)、エトフェンプロックス(etofenprox)、フェンヴァレレート(fenvalerate)、フルシクロキシウロン(flucycloxuron)、フルフェノキシウロン(flufenoxuron)、ヒドラメチルノン(hydramethylnon)、ラムダ−シハロツリン(lambda−cyhalothrin)、ルフェンウロン(lufenuron)、メカルバム(mecarbam)、ノヴァルウロン(novaluron)、ペルメツリン(permethrin)、フェノツリン(phenothrin)、シラフルオフェン(silafluofen)、タウ−フルヴァリネート(tau−fluvalinate)、ZXI 8901(3−(4−ブロモフェノキシ)−a−シアノベンジル2−[4−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−3−メチルブタノエート)、及びフルベンジアミド (3−ヨード−N’−(2−メシル−1,1−ジメチルエチル)−N−{4−[1,2,2,2−テトラフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−o−トリル}フタルアミド)が含まれる。
【0032】
本発明の各側面の一つの態様において、1つ以上の有効成分(A)は、アバメクチン及びルフェヌロンから選択され;好ましくは有効成分(A)はアバメクチンである。
【0033】
界面活性剤のHLBは、一般に、4〜27であり、多様である。HLBが所定の値をとる非イオン性界面活性剤は、所定の量及び特定の有効成分との比率で使用されるとき、好ましくは該有効成分が特定の粒子サイズを有する場合、有利な特性を有することが見出されている。
【0034】
前記成分(B)は、好ましくは、親水−親油バランス(HLB)が10〜18の、非イオン性界面活性化合物又は組成物の混合物である。本発明に特に適した非イオン性界面活性化合物(化合物B)の例として、ヒマシ油アルコキシレート、アルコールアルコキシレート、脂肪酸エトキシレート、脂肪モノエタノールアミドベースエトキシレート、並びにエチレンオキシド及びプロピレンオキシドブロックのブロックポリマーが挙げられる。
【0035】
一つの態様において、前記ポリオキシアルキレン−ソルビタンエステルが、エトキシル化、プロポキシル化、ブトキシル化及び混合エトキシ/プロポキシ及び/又はエトキシ/ブトキシアナログで、C8〜22アルキル又はアルケニル基、及び20以下のエチレンオキシ及び/又はプロピレンオキシ及び/又はブチレンオキシ基を有する。好ましいポリオキシアルキレン−ソルビタンエステルは、エトキシル化ソルビタンモノ−エステル(オレエート又はラウレート等)で、特に平均20のエチレンオキシ基を有し、ATPLUS 309 F (UNIQEMA)、ALKAMULSシリーズ(RHODIA)又はTWEENシリーズ(TWEEN 80、TWEEN 20、TWEEN 21)(CRODA−UNIQEMA)である。好ましい態様において、ポリオキシアルキレン−ソルビタンエステルのHLBは、11〜17、例えば12〜17、特に14〜17であり、そして好ましくは、鹸化価は45〜55である。
【0036】
一つの態様において、前記アルコールアルコキシレートは、10000以下、より好ましくは7000以下、特に5000以下、例えば200〜3500の平均分子量を有する。適切な例としては、好ましくは、ポリエトキシル化飽和及び不飽和脂肪族アルコールで、アルキルラジカル中に3〜24個の炭素原子を有し、脂肪酸の類又は石油化学製品に由来し、そしてエチレンオキシドユニット(EO)を1〜100、好ましくは2〜50有し、それにより遊離ヒドロキシル基のアルコキシル化が可能になるもので、それらは、例えばGENAPOL X、GENAPOL OA、GENAPOL OX、GENAPOL UD、GENAPOL LA及びGENAPOL Oシリーズ(CLARIANT)、CROVOL Mシリーズ(CRODA)又はLUTENSOLシリーズ(BASF)として市販されており、又はそれらをエーテル化して得られ、例えばGENAPOL X080である。好ましい界面活性化合物は、オレイルポリグリコールエーテルであり、例えば8〜20のエチレンオキシドユニットを有し(例えばGENAPOL 0100、SYNPERONIC A20)及びトリデシルアルコールエトキシレートである。好ましい態様において、該ポリアルコキシル化アルコールアルコキシレートのHLBは、10〜13、好ましくは10.5〜12である。
【0037】
一つの態様において、前記ヒマシ油アルコキシレートは、EO基が好ましくは30〜45個、例えば30〜45個のヒマシ油エトキシレートである。例として、AQNIQUE CSOシリーズ(COGNIS)、TOXIMULシリーズ(TOXIMUL 8240)(STEPAN)及びALKAMULS ELシリーズ(RHODIA)が挙げられる。好ましい態様において、前記ヒマシ油アルコキシレートのHLBは、10〜14、例えば11〜13、そして好ましくは、鹸化かは65〜75、例えば67〜71mg KOH/gである。
【0038】
一つの態様において前記脂肪酸エトキシレートは、エトキシル化脂肪酸であり、例えばオレイン酸であり、10〜30個のEO基を有し、好ましくは10〜20個のEO基を有する。例として、NINEXシリーズ(NINEX MT−615)(STEPAN)及びAGNIQUE FACシリーズ(COGNIS)が挙げられる。好ましい態様において、前記脂肪酸エトキシレートのHLBは、11〜15、例えば12〜14である。
【0039】
一つの態様において、脂肪モノエタノールアミドベースエトキシレートは、C12〜C22の飽和又は不飽和酸アルキル鎖を有し、10〜40個のEO基を有する。例として、NINOLシリーズ(STEPAN)及びAGNIQUE AAM (COGNIS)シリーズが挙げられる。好ましくは、HLBは10〜18で、例えば11〜15であり、例えば12〜14である。
【0040】
一つの態様において、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドブロックのブロックポリマーは、ジ−及びトリ−ブロックコポリマー、例えばABA又はBABブロックコポリマー、又はBAブロックコポリマーであり得る。例として、GENAPOL PFシリーズ(CLARIANT)、PLURONICシリーズ(BASF)、SYNPERONIC PEシリーズ(UNIQEMA)又はTOXIMULシリーズ(STEPAN)が挙げられる。本発明の組成物における使用に好ましいエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー群は、ブチルベースのポリ(オキシプロピレン)ポリ(オキシエチレン)ブロックコポリマーであり、平均分子量が2400〜3500である(例えば、TOXIMUL 8320, Stepan Chemical Co.)。適切な例として、Pluronic L10、Pluronic L44、Pluronic L63、Pluronic L64、Pluronic P84、Pluronic P104、Pluronic P105、Step−Flow 26、Toximul 8323、及びToximul 8320が含まれる。好ましくは、HLBは10〜18、例えば11〜16である。
【0041】
好ましい界面活性化合物(B)は、ソルビタンエステルエトキシレート、ヒマシ油エトキシレート、脂肪酸エトキシレート、及び脂肪アルコールエトキシレートである。
【0042】
一つの態様において、
・前記ソルビタンエステルエトキシレートは、20個のエトキシ基を有し、HLBが11〜17、例えば12〜17、特に14〜17のエトキシル化ソルビタンオレエートであり;
・前記ヒマシ油エトキシレートは30〜45個、例えば30〜35個のEO基を有し、HLBが10〜14、例えば11〜13であり;
・前記脂肪酸エトキシレートは、10〜30個、好ましくは10〜20個のEO基を有し、HLBが11〜15、好ましくは12〜15、例えば12〜14のオレイン酸であり;そして
・前記脂肪アルコールエトキシレートは、アルキルラジカル中に8〜24個の炭素原子を有する飽和又は不飽和脂肪族アルコールであり、対応する脂肪酸又は石油化学製品に由来し、そして1〜100、好ましくは2〜50個のエチレンオキシドユニットを有し、そしてHLBは、10〜13、好ましくは10.5〜12である。
【0043】
一つの態様において、製剤中の界面活性化合物(B)の量は、前記製剤か組成物の総重量に対して、少なくとも6.5〜25、好ましくは7〜20、好ましくは7〜18重量%である。
【0044】
一つの態様において、前記有効成分(A)に対する界面活性化合物(B)の比率は、1.6〜10.0、好ましくは1.7〜7.0である。
【0045】
一つの態様において、有効成分(A)、特にアバメクチンの量は、前記製剤化組成物の総重量に対して、1.5〜15、好ましくは1.5〜10、特に2〜9重量%である。
【0046】
一つの態様において、有効成分(A)の量は、6〜10、好ましくは7〜9重量%であり、(A)に対する(B)の比率は、1.5〜3.0、好ましくは1.7〜2.5である。その場合、該有効成分は、好ましくはアバメクチンであり、界面活性化合物は、好ましくはソルビタンエステルエトキシレートである。
【0047】
一つの態様において、有効成分(A)の量は、2〜5、好ましくは2.5〜4.5重量%であり、(A)に対する(B)の比率は、4.0〜8.0、好ましくは5.0〜6.5である。その場合、該有効成分は、好ましくはアバメクチンであり、界面活性化合物は、好ましくはソルビタンエステルエトキシレートであり、そして任意で、第二の有効成分(D)も存在する。
【0048】
一つの態様において、有効成分(A)の量は、2〜5、好ましくは2.5〜4.5重量%であり、(A)に対する(B)の比率は、4.0〜7.0、好ましくは4.5〜5.5である。その場合、該有効成分は、好ましくはアバメクチンであり、界面活性化合物は、好ましくはソルビタンエステルエトキシレートであり、そして任意で、第二の有効成分(D)も存在する。
【0049】
一つの態様において、有効成分(A)の量は、1.0〜3.0、好ましくは1.5〜2.5重量%であり、(A)に対する(B)の比率は、2.5〜7.0、好ましくは4.0〜5.5である。その場合、該有効成分は、好ましくはアバメクチンであり、界面活性化合物は、好ましくはソルビタンエステルエトキシレートであり、そして任意で、第二の有効成分(D)も存在する。
【0050】
一つの態様において、有効成分(A)の量は、1.0〜3.5、好ましくは1.5〜3.0重量%であり、(A)に対する(B)の比率は、2.0〜6.0、好ましくは3.0〜5.0である。その場合、該有効成分は、好ましくはアバメクチンであり、界面活性化合物は、好ましくはソルビタンエステルエトキシレートであり、そして任意で、第二の有効成分(D)も存在する。
【0051】
製剤化において適切な製剤助剤を正しく選択することは、しばしば、施用後に有効成分がその活性を完全に発揮し得るか否かを、相当な程度規定する。製剤の物理的安定性を確保するのに適切な成分を選択するとき、安定性及び/又は効率を犠牲にすること無しに、全ての有効成分が任意の所定の製剤のタイプに形成され得るものではないことを考慮しなければならない。界面活性剤、水和剤、消泡剤、凍結防止剤、増粘剤、pH緩衝剤、保存料等の他の通常の製剤助剤の適切な選択は、(A)および(B)、および任意で1つ以上の更なる有効成分を含む製剤化組成物が、水ベース組成物中で製剤化されるべきものと認識する当業者に知られている。
【0052】
一つの態様において、第一の態様で定義した製剤は、(B)と異なる、以後界面化合物(C)と表記される、他の1つ以上の界面化合物が存在することによる利益を享受することが見出される。好ましい態様において、界面化合物(C)は、アルコキシル化ポリアリールフェノール及びアルコキシル化ポリアリールフェノールホスフェートである。
【0053】
一つの態様において、前記アルコキシル化ポリアリールフェノールは、ポリエトキシル化、アリールアルキルフェノール、例えばエトキシル化の程度が10〜80、好ましくが16〜40の2,4,6−tris(1−フェニルエチル)フェノール(トリスチリルフェノール)であり、例えばSOPROPHOR BSU (RHODIA)である。他に適切なのは、ポリアリールフェノールのEO/POブロックコポリマーであり、例えばSOPROPHOR 796/P (RHODIA)及びSTEP−FLOW 1500 (STEPAN)である。
【0054】
ホスフェート型界面活性剤の例として、アルキルフェノールポリアルコキシエーテルホスフェート、ポリアルコキシエーテルホスフェートのブロックコポリマー、ポリアリールフェノールポリアルコキシエーテルホスフェート及びアリールフェノールポリアルコキシエーテルホスフェート、例えばSOPROPHOR 3D33 (RHODIA)が挙げられる。
【0055】
好ましい態様において、第一の側面の製剤化組成物は、更に、界面活性化合物(C)として、エトキシル化トリスチリルフェノール、及び/又はエトキシル化トリスチリルフェノールホスフェートを含む。
【0056】
一つの態様において、各界面活性剤(C)は、前記製剤の総重量に対して、最大で3、好ましくは2.8、例えば0.5〜2.5重量%存在する。
【0057】
その場合、2つ以上の界面活性化合物(C)が存在し、いずれかの2つの、好ましくは非イオン性(C)のイオン性(C)に対する比率は、1:3〜3:1、例えば2:5〜4:2、好ましくは1:2〜3:2である。好ましくは、前記イオン性界面活性化合物(C)は、アニオン性で、例えばエトキシル化(トリスチリルフェノールホスフェート)で、非イオン性界面活性化合物(C)は、エトキシル化2,4,6−tris(1−フェニルエチル)フェノール(トリスチリルフェノール)である。
【0058】
一つの態様において、第一の側面の製剤は、1つ以上の不活性油、例えば中鎖トリグリセリド(STEPAN 108等)及びナタネ油メチルエステル(STEPOSOL ROE−W等)が存在することによる利益を享受する。
【0059】
本発明の製剤は、更に、農芸化学製剤の分野で知られる他の製剤助剤を通常量含み得る。そのような助剤として、限定されないが、界面活性剤(アニオン性、非イオン性、カチオン性等)、凍結防止剤(限定されないがグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、モノプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、シクロヘキサノール等)、緩衝剤(限定されないが、水酸化ナトリウム、リン酸等)、保存料(限定されないが、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、安息香酸、ソルビン酸、ホルムアルデヒド、メチルパラヒドロキシベンゾエートとプロピルパラヒドロキシベンゾエートとの組合せ等)、安定化剤(限定されないが、酸、好ましくは結城さん、例えばドデシルベンゼンスルホン酸、酢酸、プロピオン酸又はブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール等)、及び消泡剤(限定されないが、シリコーンベースのもの、特にポリジメチルシロキサン等)が挙げられる。そのような助剤は市販されており、当該技術分野で公知である。
【0060】
一つの態様において、第一の側面の製剤は、更に(A)と異なる1つ以上の他の有効成分(D)を含む。該他の有効成分(D)は、任意の種類(除草剤、殺真菌剤、殺昆虫剤、殺線虫剤等)のものであり得て、そして有効成分(A)と同一の種類のものであってもよい。
【0061】
他の適切な有効成分の例として、チアメトキサム、イミダクロプリド、クロチアニジン、テフルトリン、シフルメトフェン、クロラントラニリプロール(chlorantraniliprole)、シアントラニリプロール(cyantraniliprole)、ジフェノコナゾール、フィプロニル、アゾキシストロビン、及びフルジオキソニルが挙げられる。
【0062】
一例として、前記製剤化組成物は、アバメクチン、並びにチアメトキサム、イミダクロプリド、クロチアニジン、ルフェンウロン、ラムダ−シハロツリン、テフルツリン、シフルメトフェン、クロラントラニリプロール、シアントラニリプロール、ジフェノコナゾール、フィプロニル、アゾキシストロビン、及びフルジオキソニルから選択される1つ以上の有効成分を含む。
【0063】
前記他の有効成分(D)の量は、前記製剤の総重量に対して、1〜30、好ましくは2〜20、例えば5〜15重量%であってもよい。
【0064】
一つの態様において、前記製剤は、アバメクチン及びチアメトキサムを含む。
【0065】
一つの態様において、前記製剤は、アバメクチン及びクロラントラリニプロールを含む。
【0066】
一つの態様において、前記製剤は、アバメクチン及びシアントラニリプロールを含む。
【0067】
有効成分の混合物の一例において、前記他の有効成分(D)と有効成分(A)との比率は、1:1〜8:1、好ましくは2:1〜6:1であり得る。
【0068】
一つの態様において、前記製剤は、アバメクチン及びチアメトキサムを含み、アバメクチンに対するチアメトキサムの比率は、3.0〜5.5であり、アバメクチンの量は、2.5〜4.5重量%であり、そして(A)に対する(B)の比率は、5.0〜6.5である。
【0069】
一つの態様において、前記製剤は、アバメクチン及びクロラントラニリプロールを含み、アバメクチンに対するクロラントラニリプロールの比率は、2.0〜3.0であり、アバメクチンの量は、1.5〜2.5重量%であり、そして(A)に対する(B)の比率は、4.0〜5.5である。
【0070】
一つの態様において、前記製剤は、アバメクチン及びクロラントラニリプロールを含み、アバメクチンに対するクロラントラニリプロールの比率は、3.5〜4.5であり、アバメクチンの量は、1.5〜3.0重量%であり、そして(A)に対する(B)の比率は、3.0〜5.0である。
【0071】
一つの態様において、前記製剤は、アバメクチン及びチアメトキサムを含み、アバメクチンに対するチアメトキサムの比率は、1.5〜2.5であり、アバメクチンの量は、3〜9重量%であり、そして(A)に対する(B)の比率は、2〜7、好ましくは2.5〜5.5である。
【0072】
本発明の製剤を調製するプロセスは通常のものであり、任意で製剤助剤と共に前記固体粒子、例えば前記有効成分を、所望の粒子サイズが得られるようにミルで挽き潰して、これを製剤助剤及び溶媒と組み合わせることを含む。一つの態様において、Netzschゼータミル等の水平ビーズミル(horizontal bead mill)が有用である。該ミルの媒体(mill media)は、ガラス、セラミック、セリア安定化セラミック、イットリア安定化セラミックビーズで、サイズの範囲が0.3mm〜1.2mmのもので構成される。使用される他の種類の破砕装置として、ドライスミル(Drais mill)、ダイノミル(dyno mill)及び/又は磨砕機(attritor)が挙げられる。前記媒体が高速で循環する粉砕チャンバーに前記製剤を通すことにより、粒子が粉砕され、前記固体粒子のサイズが低下する。固体有効成分の混合物の場合、前記有効成分は一緒に破砕され、又は個別に破砕された後に組み合わされ、前記製剤が形成される。
【0073】
一般に、前記製剤化組成物は、以下のように調製される。
【0074】
工業グレードの有効成分(化合物A)を、固体の状態で、該固体を適度に湿らせる1つ以上の界面活性剤を含む水溶液に添加して、濃縮粗懸濁物(典型的には有効成分が20〜60重量%)を得る。該溶液は、粉砕プロセスにおける前記粒子の分散及び潤滑を助ける複数の界面活性剤、それ以外にも、消泡剤、凍結防止剤、pH調整剤及び保存料等の成分を含有し得る。該懸濁物を、カウルスブレード(Cowles blade)又はローター−ステーターミキサー(rotor−stator mixer)等の適切な混合装置を用いて激しく混合し、その後、粉砕により粒子サイズを低下させる。
【0075】
前記粉砕プロセスは、使用される装置及び粉砕される有効成分に依存して、単一のミルを用いて実行され得るが、あるいは複数の装置を用いて実行される場合もあり、その場合、1つのミルで最初の粒子サイズを低下させ、続いて他のミルで更に小さいサイズまで挽き潰す。二段階シナリオの第一の工程において適切な装置は、磨砕機、コロイドミル、ダイノミル、及びエイガーミル(Eiger mill)が挙げられ、ミルの媒体は、様々な組成物を含み、媒体のサイズは、一般に、1mm以上である(名目上球形のビーズ)。該二段階シナリオの第二の工程において適切な装置は、Netzsch Lab Mini Zeta及びDrais Superflow等の高出力のミルを含む。これらの装置に用いるミルの媒体は、直径が平均で1mm以下の、イットリウム等の硬く高密度の材料で構成され得る。
【0076】
粗懸濁物の粒子を微細に粉砕することは、該流体の再還流により、あるいは該流体を複数の粉砕チャンバーに通すことにより行われ得るが、いずれを行うかは、粉砕装置の特性に依存する。前記固体の粒子サイズが低下する際熱が発生するので、該懸濁物の冷却が必要となる。
【0077】
適切な光散乱装置による測定で、懸濁物の粒子サイズが所望のサイズに達したことを確認した後、その懸濁物を用いて、本発明の製剤の調製を開始するか、又は更に、キサンタンガム等の増粘剤を使用して安定化する。この懸濁物を、「ミルベース」と称する。
【0078】
最終的な製剤化組成物の濃縮物は、水、消泡剤、凍結防止剤、保存料、レオロジー調整剤、及び懸濁補助剤等の適切な成分、濃縮物中で、及び希釈形態で施用されるときに固体を分散させる、及び本発明においては、第一の側面において定義される非イオン性界面活性化合物(化合物B)である、追加的な界面活性剤、並びに任意で他の有効成分のミルベースと共に製剤化される。混合は、典型的には、適切なバルク攪拌、及び必要な場合は高度なせん断分散が可能な標準的なインペラを用いて行われる。第二のミルベース組成物がカプセル懸濁物の場合、考案者は、カプセルの完全性(integrity)を確保するために、公知の適切な留意事項(高度なせん断の忌避)を考慮すべきである。場合によっては、有効成分の混合物は、一緒に粉砕され(例えばアバメクチンおよびクロラントラニリプロール)、所望の粒子サイズの懸濁混合物を形成し、そして、このミルベースが、他の製剤助剤と共に製剤化されて、本発明の製剤組成物になる。
【0079】
最終的に製剤組成物に至る添加の順序は様々で、利用可能な設備及び所定の成分を混合するのに要する時間等の、多くの要素に依存する。
【0080】
好ましい態様において、第一の側面で定義した製剤は、懸濁粒子である前記有効成分(A)の粒子サイズが、ISO 13320−1で定義されるX50が0.1μm〜0.9、好ましくは0.4〜0.8、特に0.5〜0.8μmである。
【0081】
好ましい態様において、第一の側面で定義した製剤は、懸濁粒子である前記有効成分(A)の粒子サイズが、ISO 13320−1で定義されるX95が0.7〜1.5、好ましくは0.9〜1.5、特に1.0〜1.4μmである。
【0082】
更なる有効成分(D90)の粒子サイズは、有効成分(A)の粒子サイズと同じでも異なっていてもよい。一つの態様において、クロラントラニリプロールの粒子サイズは、ISO 13320−1で定義されるX50が0.1〜0.9、好ましくは0.1〜0.8、特に0.15〜0.8μmである。
【0083】
一つの態様において、クロラントラニリプロール粒子サイズは、ISO 13320−1で定義されるX50が0.1〜0.9、好ましくは0.4〜0.8、特に0.5〜0.8μmである。
【0084】
更に、前記製剤化組成物の粒子サイズは、所望の有効成分(A)の粒子サイズと異なり得る。該製剤化組成物は、着色料や他の個体有効成分(D)等の、他の個体又は分散成分を有するからである。
【0085】
一つの態様において、前記製剤組成物の粒子サイズは、ISO 13320−1で定義されるX95が0.7〜1.5、好ましくは0.9〜1.5、特に1.0〜1.4μmであり、そしてISO 13320−1で定義されるX95が0.1〜0.9、好ましくは0.4〜0.8、特に0.5〜0.8μmであり、該X95サイズからは独立して、ISO 13320−1で定義されるX50が0.1〜0.9、好ましくは0.4〜0.8、特に0.5〜0.8μmである。
【0086】
一つの態様において、第一の側面の製剤は、懸濁濃縮物又はサスポエマルジョンの系形態を取る。
【0087】
市販の製剤は、プレミックス組成物として知られる濃縮物(あるいは濃縮物、製剤組成物(あるいは製品))として製剤化され得るが、エンドユーザー(例えば農家、育成家、又は植物育苗材料管理者)は、通常、それらを、任意で他の1つ以上の殺虫剤プレミックス及び製剤助剤を含む溶媒(水等)で希釈して用いる。かかる殺虫組成物の希釈されたバージョンは、タンクミックス組成物(あるいはレディ−トゥ−アプライ、スプレーブロス、又はスラリー)として知られる。該殺虫組成物のエンドユーザーは、特定の環境では、更に希釈を行わずに該市販の殺虫組成物(製剤)を使用することもある。故に、本明細書中で使用される殺虫組成物は、プレミックス組成物又はタンクミックス組成物を意味する。
【0088】
前記製剤自体の性質の他に、意図される対象及び使用される環境に応じて、葉上適用、浸漬、噴霧、霧化(atomizing)、粉塵化、散布(scattering)、コーティング又は注入(pouring)等の施用方法が選択される。
【0089】
前記タンクミックス組成物は、一般に、溶媒(例えば水)、異なる殺虫剤を含む1つ以上のプレミックス組成物、及び任意で更なる助剤で希釈されることにより調製される。
【0090】
適切な担体及びアジュバントは、固体又は液体であってもよく、そして、例えば天然又は再生された(regenerated)、鉱物(mineral substance)、溶媒、分散剤、水和剤、粘着付与剤(tackifier)、増粘剤、接着剤又は肥料等の、製剤技術において通常採用される物質である。
【0091】
一般に、葉上適用又は土壌適用用のタンクミックス製剤は、0.1〜20%、特に0.1〜15%の有効成分組成物、及び99.9〜80%、特に99.9〜85%の固体又は液体助剤(例えば水等の溶媒)を含み、該助剤は、該タンクミックス製剤に対して0〜20%、特に0.1〜15%の量の界面活性剤であり得る。
【0092】
通常、種子処理用のタンクミックス製剤は、0.25〜80%、特に1〜75%の有効成分組成物、及び99.75〜20%、特に99〜25%の固体又は液体助剤(例えば水等の溶媒)を含み、該助剤は、該タンクミックス製剤に対して0〜40%、特に0.5〜30%の量の界面活性剤であり得る。
【0093】
故に、本発明の製剤化組成物は、他の殺虫製剤、製剤助剤、及びアジュバント(それ自体殺虫活性を示さない物質、例えば植物油濃縮物及び界面活性剤の混合物等)と組み合わせても使用され得る。
【0094】
一つの態様において、本発明の殺虫組成物と共に、非イオン性アジュバントが使用されるのが好ましい。
【0095】
非イオン性アジュバント製品の例として、ATPLUS(商標)、ATPLUS(商標)MBA、BRIJ(商標)、SYNPERONIC(商標)、ATLAS(商標)G、ATLOX(商標)、TWEEN(商標)、及びCROVOL(商標)が挙げられる。具体例として、PENETRATOR(商標)、PENETRATOR Plus(商標)、ADIGOR(商標)、AGORA(商標)、ATPLUS(商標)411F、ATPLUS(商標)463、SILWET(商標)L77、ATLOX(商標)SEMKOTE E−135、ALKAMUL(商標)BR、TURBOCHARGE(商標)D、CET SPEED(商標)、DYNE−AMIC(商標)が挙げられる。
【0096】
具体例として:
DYNE−AMIC(商標)は、有機シリコーンベースの界面活性剤と組み合わせた、ブレンド又は純粋植物油である。
ATPLUS411Fは、バラフィンベースの石油と界面活性剤ブレンドとの混合物である。
ATPLUS463は、ミネラルオイルと非イオン性界面活性剤とのブレンドである。
PENETRATOR Plusは、軽〜中パラフィン油、ポリオール脂肪酸エステル、それらのポリエトキシル化エステル、エトキシル化アルキルアリールホスフェートエステルである。
SILWET L−77は、ポリアルキレンオキシド改変ヘプタメチルトリシロキサンである。
TURBOCHARGE Dは、ミネラルオイルと非イオン性界面活性剤とのブレンドである。
ALKAMUL BRは、ヒマシ油エトキシレート40である。
CET SPEEDは、オレイルアルコールポリグリコールエステルのブレンドである。
ADIGORは、石油蒸留物、脂肪酸のメチルエステル及びアルコールエトキシレートのブレンドである。
AGORA石油、アルコール及び乳化剤ブレンドのブレンドである。
ATLOX SEMKOTE E−135は、エチレンビニルアセテートターポリマーである。
【0097】
特定の殺虫剤を含むタンクミックス組成物に特定のアジュバントを使用することにより、残留農薬レベルの抑制において予期せぬ利益が生じる。そのようなアジュバントは、本明細書中に記載の非イオン性アジュバントである。前記殺虫剤は、第一の側面で定義されたものであり、好ましくはアバメクチンである。
【0098】
本発明は、病原体によるダメージ又は害虫によるダメージを防除又は予防する方法を提供する。本製剤及び水性殺虫懸濁組成物は、病原体及び/又は害虫によるダメージを防除するために、様々な手段(葉上適用、土壌適用、又は植物育苗材料の処理等)で使用され得る。
【0099】
防除される病原体及び/又は害虫は、施用される組成物中に存在する有効成分の種類に依存する。
【0100】
病原体及び/又は害虫の防除に使用される有効成分の量は、具体的な有効成分(例えば、一般に、アバメクチンはラムダ−シハロツリンよりも低い割合で施用される)、土壌の質、作物の種類、通常の気候条件により様々であるから、生物試験(biology trial)により決定され得る。
【0101】
作物の場所(locus)に適用するアバメクチンの典型的な割合は、1〜100グラム/ヘクタール(g/ha)、例えば3〜90g/ha、特に6〜60g/ha、好ましくは9〜36g/ha、最も好ましくは12〜27g/haである。前記殺虫剤は、植物の生育期間中、1回又は複数回施用され、施用の回数は、該植物及び環境に依存し得て、例えば1〜6回又は1〜4回であり(トマトの場合は、収穫までに前記組合せ剤が最大6回施用される)、そして、各施用において、上記の量が施用される。
【0102】
前記育苗材料に使用される有効成分の量は、具体的な有効成分(例えば、一般に、アバメクチンはラムダ−シハロツリンよりも低い割合で施用される)、育苗材料(例えば、種子又は塊茎(tuber))及び植物(例えば、コムギの種子は、一般に、同一量のアブラナ種子と比較して接着する有効成分の量が少ない)により様々であり、所定の殺虫粒子が所望の殺虫活性を提供するのに効果的な量であり、生物実験により決定され得る。
【0103】
故に、施用の割合は、100kgの種子あたり6g〜250kgであり得る。一般に、穀物の種子の施用の割合は、100kgの種子あたり23g〜740g、好ましくは5g〜600gであり;及び、アブラナ種子の施用の割合は、100kgの種子あたり700g〜25kg、好ましくは1.5kg〜20kgである。一般に、綿花種子に対するアバメクチン処理の割合は、0.1〜0.2mg ai/種子であり、トマト種子に対しては、0.3〜0.6mg ai/種子であり、そしてダイズ種子に対しては、0.1〜0.2mg ai/種子である。
【0104】
故に、本発明は、第一の側面及び第二の側面のそれぞれに定義される製剤及び水性懸濁組成物で処理された植物育苗材料をも提供する。
【0105】
本発明は、農業的に重要な植物(商業スケールで収穫及び栽培される植物を意味する)に特に適している。
【0106】
そのような農芸植物(又は作物)の例として、穀物、例えばコムギ、オオムギ、ライムギ、オートムギ、イネ、トウモロコシ又はソルガム;ビート、例えばテンサイ又は飼料用ビート;果物、例えば仁果(pome fruit)、石果及び軟果(soft fruit)、例えばリンゴ、洋梨、プラム、プルーン、桃、アーモンド、桜桃又はベリー、例えば苺、ラズベリー又はブラックベリー;マメ科植物、例えばビーン(bean)、レンティル、エンドウ又はダイズ;油脂植物、例えばアブラナ、マスタード、ポピー、オリーブ、ヒマワリ、ココヤシ、トウゴマ、カカオ又は落花生;ウリ科植物、例えばカボチャ、キュウリ又はメロン;繊維植物、例えばコットン、亜麻、ヘンプ又はジュート;柑橘類、例えばオレンジ、レモン、グレープフルーツ又はタンジェリン(tangerine);蔬菜、例えばホウレンソウ、レタス、アスパラガス、キャベツ類、人参、にんにく、チリ(chilli)、トマト、ジャガイモ又は唐辛子(capsicum);クスノキ科植物、例えばアボカド、シナモン又は樟脳;並びにタバコ、ナッツ(クルミ等)、コーヒー、ナス、サトウキビ、茶、コショウ、ブドウ、ホップ、バナナ類、ゴムの木並びに観葉植物が挙げられる。イネ科及びマメ科等の飼料作物も、重要な植物と言える。
【0107】
適切な標的作物には、上記植物種の遺伝子組換え作物も含まれる。本明細書中の遺伝子組換え作物は、植物又はそれらの育苗材料であり、それらが組換えDNA技術により形質転換したものである。形質転換により、遺伝子組換え作物は、例えば、選択的に働く毒物、例えば毒物を合成する無脊椎動物、特にアンスロポダ(Arthropoda)門において知られる毒物、バチルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)株から得られる毒物、又は植物において知られる毒物、例えばレクチンを合成する。あるいは、殺植物性又は殺真菌性の耐性を発現する場合もある。そのような毒素、又はそのような毒素を合成できる植物の例は、例えば、EP−A−O 374 753、WO 93/07278、WO 95/34656、EP−A−O 427 529及びEP−A−451 878に記載されており、それらの文献は、本出願に参照されることにより援用される。
【0108】
本明細書中に記載の殺虫剤の構造の詳細は、e− Pesticide Manual, version 3.1 , 13th Edition, Ed. CDC Tomlin, British Crop Protection Council, 2004−05で確認できる。
【0109】
本発明の各側面において、「本質的に含む」及びその語尾変化(inflection)は、「含む」及びその語尾変化の好ましい態様であり、並びに「構成される」及びその語尾変化は、「本質的に構成される」及びその語尾変化の好ましい態様である。
【0110】
以下の実施例は例示のために提供され、本発明を限定するものではない。
【実施例】
【0111】
調製の例
P.1−アバメクチンミルベースの調製
適切な容積の容器中の水(622.5g)に、ポリアリールフェノールアルコキシレート(Soprophor BSU, 28.4g)及びポリアリールフェノールアルコキシレートホスフェート(Soprophor 3D33, 18.9g)を加え、混合した。更にプロピレングリコール(94.7 g)消泡剤(Antifoam 1510, 3.8g)を添加して混合し、その後アバメクチン(900g)を添加した。該混合物のpHを、水酸化ナトリウム(25%水溶液1.2 g)を使用して約6に調整した。該粗懸濁物を、まず、Dyno−Mill(ミルチャンバー容積0.6リットル)に通して、懸濁粒子の粒子サイズを50マイクロメートル未満に低下させ、その後再還流モードNetzsch Lab Mini Zeta HEミルで、懸濁粒子の粒子サイズが1.5マイクロメートル(X95)になるまで挽き潰した。
【0112】
P.2−例示物2の調製
適切な容積の容器中で、カウルスインペラを使用して、プロピレングリコール(31.3g)、ポリアリールフェノールアルコキシレート(Soprophor BSU, 6.2g)、ポリアリールフェノールアルコキシレートホスフェート(Soprophor 3D33, 22.5g)、ポリオキシアルキレンソルビタンエステル(Tween 80, 127.7g)、保存料(Proxel GXL, 0.6g)及び消泡剤(Antifoam 1510, 1.3g)を混合した。飲用水 (442.0 g)及びアバメクチンミルベース(P.1 , 120.0g)を、混合しながら添加した。増粘剤(Kelzan, 1.9g)を混合しながら添加して、十分に分散するまで1時間混合を続けた。該懸濁濃縮物のpHを、水酸化ナトリウム(25%水溶液1g)を用いて約6に調整した。
【0113】
P.3−例示物13の調製
工程1:
適切な容積の容器中で、プロピレングリコール(119.2g)、ポリアリールフェノールアルコキシレートホスフェート(Soprophor 3D33, 40.6g)、及びポリアリールフェノールアルコキシレート(Soprophor BSU, 20.1g)を、均一になるまで混合した。
飲用水(517.1g)、消泡剤(Antifoam 1500, 1.0g)及び水酸化カリウム(50%水溶液1.99g)を攪拌しながら更に加え、その後有効成分(D)(287.4g)を加えた。該粗懸濁物を、Netzsch Lab Mini Zeta NEミルを用いて、懸濁粒子の粒子サイズが1.2マイクロメートル未満(X95)になるまで挽き潰して、前記有効成分のミルベースを得た。
【0114】
工程2:
そして、適切な容積の容器中で、プロピレングリコール(485.3g)、ポリオキシアルキレンソルビタンエステル(Tween 80, 400.0g)、ポリアリールフェノールアルコキシレートホスフェート(Soprophor 3D33, 59.1g)及びポリアリールフェノールアルコキシレート(Soprophor BSU, 75.1g)を、均一になるまで混合した。飲用水、消泡剤(Antifoam 1500, 13.1g)、水酸化カリウム(50%水溶液2.6g)、保存料(Proxel GXL, 12.5g)を混合しながら添加し、その後アバメクチンミルベース(P.1 , 171.7g)及び工程1で調製したミルベース(30重量%, 750.2g)を添加した。増粘剤(Rhodopol 23, 9.5g)及び懸濁化剤(Attaflow FL, 100.1g)を添加して、完全に分散するまで混合した。
【0115】
P.4−例示物15の調製
工程1:
適切な容積の容器中で、飲用水(3104.0 g)、リグノスルホネート(Borresperse NA, 61.2g)、プロピレングリコール(243.9g)、ポリアリールフェノールアルコキシレートホスフェート(Soprophor 3D33, 175.5g)及び消泡剤(Antifoam 1510, 30.9g)を、カウルスインペラを用いた激しい攪拌により混合した。有効成分(D)(2442.3g)を添加して、よく混合した。該粗懸濁物のpHを、水酸化ナトリウム(25%水溶液8.6g)により約4.6に調整した。該懸濁物を、Dyno−mill (ミルチャンバー0.6リットル)に2回通して、粒子サイズが8.0マイクロメートル(X95)の、有効成分のミルベースを得た。
【0116】
工程2:
その後、適切な容積の容器中に、飲用水(6700.0g)及びポリオキシアルキレンソルビタンエステル(Tween 80, 1996.0g)を、均一になるまで激しく攪拌しながら加えた。保存料
(Proxel GXL, 8.1g)、工程1で調製したミルベース、(2042.0g)及びアバメクチンミルベース(P.1 , 819.6g)及び懸濁剤(Attaflow FL, 236.0g)を添加して激しく攪拌しながら混合した。増粘剤(Rhodopol 23, 18.7g)を、強く攪拌しながら、ゆっくり添加した。水酸化ナトリウム(25%水溶液0.5g)を用いてpHを約6.5に調整し、そして該懸濁濃縮物を、更に1時間混合した。
【0117】
P.5−例示物Eの調製
工程1:
その後、適切な容積の容器中に、サスポエマルジョン(P.6, 62.49g)、飲用水(52.73g)、保存料(Acticide GA, 0.23g)及び消泡剤(Antifoam 1500, 0.19g)を、均一になるまで激しく攪拌しながら添加した。アバメクチンミルベース(P.1 , 4.33g)を、激しく攪拌しながら添加した。硫酸(85%、0.05g)を用いて、pHを約5.4に調整して、激しい攪拌により混合した。前記懸濁剤(Attaflow FL, 1.67g)を添加し、激しく攪拌しして混合した。増粘剤(Rhodopol 23, 0.30 g)を激しく攪拌しながらゆっくり加え、該懸濁濃縮物を、更に30分間混合した。
【0118】
P.6−例示物20の調製
工程1:
適切な容積の容器中で、ポリアリールフェノールアルコキシレートホスフェート(Soprophor 3D33, 35.13g)及びポリアリールフェノールアルコキシレート(Soprophor BSU, 34.74g)を、均一になるまで混合した。飲用水(442.0g)、消泡剤(Antifoam 1500, 2.22g)、水酸化カリウム(50%水溶液2.16g)を、更に混合しながら添加し、その後有効成分(D)(475.8g)を添加した。該粗懸濁物を、Netzsch Lab Mini Zeta NE millを用いて、懸濁粒子の粒子サイズが1.8マイクロメートル(X95)未満になるまで挽き潰し、前記有効成分のミルベースを得た。
【0119】
工程2:
その後、適切な容積の容器中で、飲用水(80.0g)、ポリアリールフェノールアルコキシレート(Soprophor BSU, 40.4g)及びプロピレングリコール(32.Og)を、Silverson mixer (3.0 rpm)を用いて、均一になるまでせん断混合(shear mixing)しながら加えた。速度3.5rpmのSilverson mixerに、ナタネ油メチルエステル(Steposol ROE−W, 48.Og)をゆっくり添加した。この速度で4分間混合を続け、粒子サイズが0.61マイクロメートル(X95)になった。
【0120】
工程3:
その後、適切な容積の容器中に、工程2で調製したサスポエマルジョン(62.57g)、飲用水(25.75g)、保存料(Acticide GA, 0.19g)及び消泡剤(Antifoam 1500, 0.17g)を、均一になるまで激しく攪拌しながら添加した。工程1で調製したミルベース(26.30 g)及びアバメクチンミルベース(P.1 , 4.28g)及び懸濁剤(Attaflow FL, 1.54g)を添加し、そして激しく攪拌しながら混合した。増粘剤(Rhodopol 23, 0.28 g)を、激しく攪拌しながらゆっくり添加した。該懸濁濃縮物を、30〜40分間、又は均一になるまで更に混合した。
【0121】
他の例示物は、有効成分、不活性成分の濃度及び種類、並びに粒子サイズを適宜調整して、類似の方法で調製した。
【0122】
例示物J及びKは、市販のアバメクチンの乳剤である。例示物Jは、AGRIMEKとして知られる米国の製品であり、例示物Kは、VERTIMECと称される欧州の製品である。
【0123】
【表1】

【0124】
【表2】

【0125】
【表3】

【0126】
【表4】

【0127】
【表5】

【0128】
希釈試験:
希釈試験は、室温で行った。100mlガラス希釈シリンダー中で、Eppendorfピペットを使用して、各製剤4mlを、96mlの水で希釈した。二価イオン(カルシウム及びマグネシウム)濃度に対応する硬度が異なるレベル、例えば50ppm、342ppm及び1000ppm等にある水を使用した。使用者による典型的な「休息」時間を模して1,2又は4時間、及び一昼夜(24時間)に渡り希釈製品を倒立しておくように、インターバルが選択された。希釈物を20回転倒して、倒立させた。所望の時間倒立させた後、沈殿した堆積物の体積を読み取り、24時間の読取りを終えた後、それらを、各シリンダーの下部に堆積物が見えなくなるまで、転倒サイクルに付した。転倒は、手作業で行った(結果を表X及びYに記載する)。
【0129】
【表6】

【0130】
【表7】

【0131】
実施例B1−
サヤマメ(French bean)(ファセオルス・ウルガリス(Phaseolus vulgaris))表面のナミハダニ(two spotted spider mite)(テトラナイクス・ウルティカエ(Tetranychus urticae))に対するトランスラミナ試験
2週齢のサヤマメの下側(underside)に、ナミハダニの混合群を涌かせた。葉の下側の境界をゴムの障壁でふさぎ、ダニが葉の上側に移動するのを防いだ。ダニを涌かせてから1日後、植物を、様々な量のPenetrator Plusを含有する例示物2の製品を、頂上から、200L/haの割合で、トラックスプレイヤー(track sprayer)を用いて処理した。植物を9日間温室中でインキュベートし、卵及び移動ステージに対する死亡率の評価を行った(ABA効率の結果を表Aに記載する)。
【0132】
実施例B2−植物表面のテトラナイクス・sp.(Tetranychus sp.)成体の防除
プロットサイズ7.5m2で、各組成物を、9グラム/haの処理の割合で、葉上噴霧による施用を2回行った(2回目は、1回目の施用の7日後に行う)。各処理は、3回反復された。各アジュバントが、例示物1に添加されて、17ml生産物/haの割合で用いられるタンクミックスを得た。第一の施用は、移植後71日目に行われ、異なるインターバルで各プロットから20枚の葉を取ることにより、移動ステージに対する死亡率の評価を行った(結果を表Bに記載する)。
【0133】
実施例B3−ジャガイモ表面のコロラドハムシ(Colorado potato bettle)の防除
プロットサイズ7.5m2で、各組成物を、1グラム/haの処理の割合で、葉上噴霧による施用を1回行った。各処理は、3回反復された。各アジュバンドが、例示物1に添加されて、2ml生産物/haの割合で用いられるタンクミックスを得た。該施用は、植栽後53日目に行われ、異なるインターバルで、プロットあたりの生存幼虫を計数することにより、幼虫に対する死亡率の評価を行った。データは、コントロールに対する%に変換された(結果を表Cに記載する)。
【0134】
実施例B4:
菊(Chrysanthemum)表面のマメハモグリバエ(リリオマイザ・トリフォリイ(Liriomyza Trifolii))蛹の防除
鉢植えの菊に、高密度の成体マメハモグリバエ(leafminer)をたからせ、産卵させた。最初に産卵させてから4日目に、植物に、CO2圧縮バックパックスプレイヤーを使用して、1800L/haの施用量で植物に噴霧した。施用後9日間植物を温室中でインキュベートし、そして、各処理において植物あたりの蛹の数を計数することにより、評価を行った(結果を表Dに記載する)。
【0135】
実施例B5:残留試験
プロットサイズ25ft x 5ftに2列に植えたロマインレタス(種の列の間隔は30”で、植栽間隔は8”であるから、〜70植物/プロット)に、1エーカーあたり0.038Ib.a.iの割合で、葉上散布後スプレー(post foliar broadcast spray)として、下記表に列記した処理の単発施用を行った。各処理は2回反復して行われ、各反復にコントロールを入れた。各サンプルにおいて、最低〜3Ibのレタスの葉を回収した。サンプルは、最後の施用後0、0.25(6時間に相当)、3、7、14及び21日(DALA)に回収された。0−DALAのサンプルは、前記スプレーが乾燥してすぐに回収された。サンプルは冷凍され、卓上ミルを用いてドライアイスと共に破砕された。HPLC−蛍光法を使用して、アバメクチン残留を分析した(結果を表Eに記載する)。
【0136】
【表8】

【0137】
実施例B6:UV分解試験
スペクトル及び強度の両方において自然の太陽光を模するように、キセノンアークランプを備えたAtlas SUNTEST XLS+ユニット(製品番号55007820)及びSpecial UV−フィルター(製品番号56052371)を使用する、UV分解実験により、光安定性を評価した。
【0138】
処理サンプルは超純水(又は0.1%Penetrator Plusを含む超純水)で希釈され、アバメクチンを125ppm含有する希釈物を得た。ガラス100μl Hamiltonシリンジを取り付けたHamilton PB600リピートディスペンサーを使用して、8x2μlのドロップを、予め番号を振ったガラス顕微鏡スライド(典型的には各処理サンプルに対して7〜8枚)上に滴下した。これらを乾燥させ、そして清浄なUV透過シリカスライドを被せて、付着物の自然のロスを最小にした。各化合物において、1枚のスライドには照射を行わず、これを時間0(T0)のサンプルとした。他の調製されたスライドは、水冷試料テーブル(15℃の循環ウォーターバスと接続している)上のSUNTEST XLS+に置き、30分〜43時間の時間、UV照射を行った。
【0139】
残留している化合物を定量するために、前記SUNTESTユニットから各処理サンプルのスライドを1枚とり、小さいへらの柄で2つに折り、清潔なスライドガラスではさみ、60ml大口径ガラスねじふた付容器に入れた。該容器に、2x2.5mlの50:50 (80/20MeCN/THF):0.1%H3PO4を入れてシリカスライドをリンスし、ふたを取り、容器を30分間ソニケーションした。更なる調製を行わずに、LC及びMS検出による解析の前に、全ての容器を、覆いをした箱の中で、室温で倒立させて静置した(結果を表Fに記載する)。
【0140】
実施例17:
屋外の育苗コンテナ中で生育させたゴールデンデリシャスアップル2株を、前記生産物で処理した。新しい葉及び古い葉における処理区を規定し、マーキングをしてから、施用が行われた。各葉の上に、平行に帯をマーキングした(葉の先端から数%下)。全ての処理は、手動ピペットで行われ、10x0.5μlのドロップとして各葉上のマークした領域にされ(1枚の葉あたり25μgAIに相当)、これが処理あたり5枚の葉について行われ、そしてその植物は屋外に置かれた。前記生産物は、AGRIMEK、例示物2、及び園芸用噴霧油(即ちサマーオイル)であった。処理後1,3及び6日目、生産物による処理あたり4枚の葉の表面上又は組織内のいずれかの残留アバメクチンを評価した。葉の表面の残留アバメクチンの分析は、葉をアセトンで、それからクロロホルム洗浄し、そしてLCMSにかけて行った。葉の組織内部の残留アバメクチンの分析は、葉を冷凍し、5mlアセトン中で破砕し、遠心し、そして1mlの上澄をLCMS分析にかけた(結果を表G及びHに記載する)。
【0141】
【表9】

【0142】
【表10】

【0143】
【表11】

【0144】
【表12】

【0145】
【表13】

【0146】
【表14】

【0147】
【表15】

【0148】
【表16】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性殺虫農薬として製剤化された組成物であり、(A)該製剤化組成物の総重量に対して1重量%以上の量の、中性pHかつ25℃における水溶性が最大100μg/リットルの1つ以上の固体有効成分、(B)親水−親油バランス(HLB)が10〜18の1つ以上の非イオン性海面活性化合物;1つ以上の通常の製剤助剤、及び水;を含み、有効成分(A)が水中に懸濁又は分散しており、界面活性化合物(B)の有効成分(A)に対する重量比率が、1.5〜15.0であり、界面活性化合物(B)の最小量が、該製剤化組成物の総重量に対して6重量%以上である、前記製剤化組成物。
【請求項2】
前記(B)の(A)に対する比率が、1.6〜10.0、好ましくは1.7〜7.0である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記少なくとも1つの有効成分(A)の量が、前記製剤化組成物の総重量に対して、1.2〜15、好ましくは1.5〜10、特に1.7〜9重量%である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記1つ以上の有効成分(A)の量が、6〜10、好ましくは7〜9重量%の範囲内であり、(B)の(A)に対する比率が、1.5〜3.0、好ましくは1.7〜2.5の範囲内である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記1つ以上の有効成分(A)の量が、2〜5、好ましくは2.5〜4.5重量%の範囲内であり、(B)の(A)に対する比率が、4.0〜8.0、好ましくは5.0〜6.5の範囲内である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記1つ以上の有効成分(A)の量が、1.0〜3.0、好ましくは1.5〜2.5重量%の範囲内であり、(B)の(A)に対する比率が、2.5〜7.0、好ましくは4.0〜5.5の範囲内である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
前記1つ以上の有効成分(A)の量が、1.0〜3.5、好ましくは1.5〜3.0重量%の範囲内であり、(B)の(A)に対する比率が、2.0〜6.0、好ましくは3.0〜4.5の範囲内である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記1つ以上の有効成分(A)の量が、2〜5、好ましくは2.5〜4.5重量%の範囲内であり、(B)の(A)に対する比率が、4.0〜7.0、好ましくは4.5〜5.5の範囲内である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記有効成分(A)が、1つ以上のアバメクチン(abamectin)、アクリナツリン(acrinathrin)、アルファ−シペルメツリン(alpha−cypermethrin)、アセキノシル(acequinocyl)、アミトラズ(amitraz)、ベノミル(benomyl)、ベータ−シフルツリン(beta−cyfluthrin)、ビフェンツリン(bifenthrin)、ビオレスメツリン(bioresmethrin)、ビストリフルロン(bistrifluron)、ブロモプロピレート(bromopropylate)、クロルエトキシフォス(chlorethoxyfos)、クロルフルアズロン(chlorfluazuron)、クロフェンテジン(clofentezine)、シフルツリン(cyfluthrin)、シハロツリン(cyhalothrin)、シペルメツリン(cypermethrin)、シフェノツリン(cyphenothrin)、ドデモルフ(dodemorph)、エスフェンヴァレレート(esfenvalerate)、エトフェンプロックス(etofenprox)、フェンヴァレレート(fenvalerate)、フルシクロキシウロン(flucycloxuron)、フルフェノキシウロン(flufenoxuron)、ヒドラメチルノン(hydramethylnon)、ラムダ−シハロツリン(lambda−cyhalothrin)、ルフェンウロン(lufenuron)、メカルバム(mecarbam)、ノヴァルウロン(novaluron)、ペルメツリン(permethrin)、フェノツリン(phenothrin)、シラフルオフェン(silafluofen)、タウ−フルヴァリネート(tau−fluvalinate)、ZXI 8901(3−(4−ブロモフェノキシ)−a−シアノベンジル2−[4−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−3−メチルブタノエート)、及びフルベンジアミド (3−ヨード−N’−(2−メシル−1,1−ジメチルエチル)−N−{4−[1,2,2,2−テトラフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−o−トリル}フタルアミド)である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
前記界面活性化合物(B)が、ポリオキシアルキレン−ソルビタンエステル、ヒマシ油アルコキシレート、アルコールアルコキシレート、酸エトキシレート、脂肪モノエタノールアミドベースエトキシレート、並びにエチレンオキシド及びプロピレンオキシドブロックのブロックポリマーである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
前記界面活性化合物のHLBが、11〜17、好ましくは12〜17、特に14〜17である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
前記界面活性化合物(B)が、HLBが12〜18、好ましくは14〜18のソルビタンエステルエトキシレートである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
前記界面活性化合物(B)が、HLBが10〜14、好ましくは11〜13のa−ヒマシ油エトキシレートである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
前記界面活性化合物(B)が、HLBが11〜15、好ましくは12〜14の脂肪酸エトキシレートである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項15】
前記界面活性化合物(B)が、HLBが10〜13、好ましくは10.5〜12のアルコールエトキシレートである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項16】
前記界面活性化合物(B)の量が、前記製剤化組成物の重量に対して、6.5〜25、好ましくは7〜20、好ましくは7〜18重量%である、請求項1〜15のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項17】
更に、請求項1に記載の1つ以上の通常の製剤助剤として、1つ以上の他の界面活性剤(C)を含み、それぞれの量が、前記製剤化組成物の総重量に対して3重量%以下である、請求項1〜16のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項18】
前記界面活性化合物(C)が、1つ以上のアルコキシル化ポリアリールフェノール及びアルコキシル化ポリアリールフェノールホスフェートから選択される、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
前記界面活性化合物(C)が、エトキシル化トリスチリルフェノール及び/又はエトキシル化トリスチリルフェノールホスフェートから選択される、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
前記有効成分(A)の粒子サイズが、ISO 13320−1で定義されるX50が0.1μm〜0.9μmの範囲内であり、そしてISO 13320−1で定義されるX95が0.7μm〜1.5μmの範囲内である、請求項1〜19のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項21】
更に、(A)と異なる1つ以上の他の有効成分(D)を含む、請求項1〜20のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項22】
前記他の有効成分(D)が、チアメトキサム、イミダクロプリド、クロチアニジン、テフルツリン、シフルメトフェン、クロラントラニリプロール(chlorantraniliprole)、シアントラニリプロール(cyantraniliprole)、ジフェノコナゾール、フィプロニル、アゾキシストロビン、及びフルジオキソニルから選択される、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
前記製剤化組成物が、有効成分として、アバメクチン、並びにチアメトキサム、イミダクロプリド、クロチアニジン、ルフェンウロン、ラムダ−シハロツリン、テフルツリン、シフルメトフェン、クロラントラニリプロール、シアントラニリプロール、ジフェノコナゾール、フィプロニル、アゾキシストロビン、及びフルジオキソニルから選択される1つ以上の有効成分を含む、請求項1〜22のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項24】
前記(D)の(A)に対する重量比率が1.5以上である、請求項21〜23のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項25】
懸濁濃縮製剤又はサスポエマルジョン製剤の形態をとる、請求項1〜24のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項26】
請求項1に記載の有効成分(A)のトランスラミナリティー(translaminarity)を改善する方法であり、親水−親油バランス(HLB)が10〜18の1つ以上の非イオン性界面活性化合物(B)を含む製剤化組成物を形成することを含み、該界面活性化合物(B)の有効成分(A)に対する重量比率が1.5〜15.0であり、該界面活性化合物(B)の最小量が、該製剤化組成物の総重量に対して6重量%以上である、前記方法。
【請求項27】
懸濁物の再懸濁能力を改善する方法であり、請求項1に記載の1つ以上の固体有効成分(A)、及び親水−親油バランス(HLB)が10〜18の1つ以上の非イオン性界面活性化合物(B)を含む組成物を形成することを含み、該界面活性化合物(B)の有効成分(A)に対する重量比率が1.5〜15.0であり、該界面活性化合物(B)の最小量が、該組成物の総重量に対して6重量%以上である、前記方法。
【請求項28】
後日生長する植物育苗材料、植物の部分及び/又は植物の器官の病原性ダメージ又は害虫ダメージを防除又は予防する方法であり、該植物育苗材料、植物の部分及び/若しくは植物の器官、又はそれらの周囲の領域に、請求項1〜25のいずれか1項に記載の製剤化組成物に由来する組成物を施用することを含む、前記方法。
【請求項29】
前記製剤化組成物が、1ヘクタールあたり100グラムAIの割合で施用される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
植物の残留農薬を改善する方法であり、(I)請求項1又は9に記載の殺虫剤、溶媒、例えば水を含む殺虫組成物、及び(II)1つ以上のアジュバント、及び任意で(III)1つ以上の他の殺虫製剤化組成物を含むタンクミックス組成物を、植物、植物の部分、植物の器官、植物育苗材料に施用することを含み、該アジュバントの量が、該タンクミックス組成物の体積に対して0.05〜0.5体積%であり、そして該アジュバントが、1つ以上の非イオン性界面活性剤及び/又は油性成分を有する、前記方法。
【請求項31】
前記殺虫組成物が、農芸化学水性殺虫製剤化組成物である、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記殺虫剤がアバメクチンである、請求項30又は31に記載の方法。
【請求項33】
前記アジュバントが、1つ以上のパラフィン油、園芸用噴霧油(例えばサマーオイル(summer oil))、メチル化ナタネ油、高純度植物油、及び1つ以上の非イオン性界面活性剤、例えばポリオール脂肪酸エステル、それらのポリエトキシル化エステル、エトキシル化アルコール、アルキル多糖類及びそれらのブレンド、アミンエトキシレート、ソルビタン脂肪酸エステルエトキシレート、PEGエステル、有機シリコーンベース界面活性剤、エチレンビニルアセテートターポリマー、及びエトキシル化アルキルアリールホスフェートエステルから選択される、請求項30〜32のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
前記アジュバントが、親水−親油バランス(HLB)が10〜18の非イオン性界面活性化合物である、請求項30〜33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
前記アジュバントが、請求項10〜15に記載のものである、請求項30〜34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
前記殺虫剤の粒子サイズが、ISO 13320−1で定義されるX50が0.1μm〜0.9μmの範囲内であり、そしてISO 13320−1で定義されるX95が0.7μm〜1.5μmの範囲内である、請求項30〜35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
請求項30〜36のいずれか1項に記載の殺虫組成物が、請求項1〜25のいずれか1項に記載の水性殺虫農薬として製剤化された組成物である、請求項30〜36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
植物、植物の部分、植物の器官、植物育苗材料への直接適用に適したタンクミックス組成物であり、(I)アバメクチン、及び溶媒、例えば水を含む水性殺虫農薬として製剤化された組成物、及び任意で(II)1つ以上のアジュバント、及び任意で(III)1つ以上の他の殺虫製剤化組成物を含む、前記タンクミックス組成物。
【請求項39】
植物、植物の部分、植物の器官、植物育苗材料への直接適用に適したタンクミックス組成物であり、(I)請求項1〜25のいずれか1項に記載の水性殺虫農薬として製剤化された組成物、及び溶媒、例えば水、及び任意で(II)1つ以上のアジュバント、及び任意で(III)1つ以上の他の殺虫製剤化組成物を含む、前記タンクミックス組成物。
【請求項40】
前記アジュバント及び殺虫剤が、請求項30〜36に記載されたものである、請求項38又は39に記載のタンクミックス組成物。

【公表番号】特表2012−527403(P2012−527403A)
【公表日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−508952(P2011−508952)
【出願日】平成21年5月25日(2009.5.25)
【国際出願番号】PCT/EP2009/056294
【国際公開番号】WO2009/138523
【国際公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【Fターム(参考)】