説明

母乳パッドおよびその製造方法

【課題】ブラジャーの上端縁から母乳パッドの一部が露出せず、良好な外観と装着感を有し、かつ母乳パッドの吸収有効率を向上させること。
【解決手段】母乳パッドの上端縁が母乳パッドの横方向へ直線状に延びており、母乳パッド全体がブラジャーのカップ部の内部に収まっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、乳房とブラジャーとの間に介在させて使用する母乳パッドおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、乳房とブラジャーのカップ部との間に介在させ、乳房から分泌された母乳を吸収させる、上端部が円弧状に隆起した母乳パッドは周知である。
【非特許文献1】一般に市販されている母乳パッドの概要を図示したもの(図5参照)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、図5に示されているように、従来使用されている母乳パッド110はその上端部が弧状に隆起しているため、図示のブラジャー120の場合、そのカップ部121の上端縁121aから母乳パッド110の上端部が外部へ露出して、外観を損なうばかりでなく、衣服の着脱時において、露出した上端部(以下、露出部位Aという)が衣服の内面に引っ掛かってブラジャー120の外面に向かって折れ曲がったり、衣服とともに上方へ持ち上がる等して母乳パッド110が位置ずれを起こし、母乳の漏れの原因ともなっていた。また、母乳パッド110の一部が外部に露出している場合には、カップ部121の上端縁121aに取り付けられたワイヤー等の固定部材によって母乳パッド110内部の吸液性コア113が締め付けられるので、吸液性コア113が型崩れを起こし、吸収された母乳の滲出や母乳パッド110の型崩れの原因ともなっていた。
【0004】
このような不測の事態を防止するために、母乳パッド全体を覆い隠すほどの比較的に大きなカップ部を有するブラジャーや左右のカップ部が一連となった横長形状の授乳用のマタニティブラジャーを使用することも考えられが、カップ部の大きなブラジャーを使用した場合には、乳房の大きさとカップ部の大きさとが不整合となり、乳房とカップ部との間にすき間が生じ、母乳の横漏れや母乳パッドの位置ずれを生じるおそれがある。
【0005】
また、一般に、母乳パッドにおいては、母乳の吸収は、母乳パッドの上部域よりも下部域によりなされ、その上部域が母乳の吸収に充分に利用されないことが少なくなく、その意味では、母乳パッドの吸収全面積に対する吸収有効率に問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、このような課題を解決するために、授乳用のマタニティブラジャーではなく、乳房の大きさに合うカップ部を有する通常のブラジャーを使用した場合であっても、ブラジャーの上端縁から母乳パッドの一部が露出せず、良好な外観と装着感とを有し、しかも吸収有効率の高い母乳パッドおよびその製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明においては、縦方向と横方向とを有し、肌当接側に位置する透液性の内面シートと、肌非当接側に位置する不透液性の外面シートと、これら内外面シートの間に吸液性コアが介在し、前記横方向における両側縁が凸に湾曲する母乳パッドが前提である。
【0008】
かかる前提において、前記縦方向における前記母乳パッドの上下端縁のうちの少なくとも上端縁が前記横方向に直線状に延びていることがこの発明の特徴である。
【0009】
この発明は、前記の特徴ある構成のほかに、以下の好ましい実施の態様を含む。
(1)前記縦方向へ延びる弾性部材が、前記内面シート側の前記吸液性コアの両側部において伸長下に取り付けられており、前記弾性部材の弾性収縮力によって、前記母乳パッドが全体的に非肌当接側へ向かって凸となるように湾曲している。
(2)前記母乳パッドが、前記横方向における前記吸液性コアの両側縁の外側に位置して前記縦方向へ延びるサイドフラップと、前記縦方向における前記吸液性コアの両端縁の外側に位置して前記横方向へ延びるエンドフラップとを有し、前記サイドフラップと直線状を有する端縁側の前記エンドフラップとの交差部位が、前記弾性部材の前記縦方向への仮想延長線近傍上に位置している。
(3)前記吸液性コアの前記両端縁のうちの少なくとも上端縁が、前記エンドフラップの形状に沿って、前記横方向に直線状に延びている。
(4)前記母乳パッドが、前記吸液性コアと前記内面シートの間に位置するリウエットコントロールシートを有し、前記弾性部材が前記リウエットコントロールシートの両側縁を前記母乳パッドの前記横方向内方へ折り返してなるスリーブの内部に取り付けられている。
(5)一対の前記母乳パッドを形成するための構成部材を全て積層してなる略瓢箪形の積層体を形成する工程と、前記積層体のくびれ部分を前記積層体の幅方向に延びるカットラインに沿って切断することによって、一対の母乳パッドを製造することのできる切断工程とを含む母乳パッドの製造方法。
(6)前記積層体の形成工程と、前記積層体のくびれ部分をカットラインに沿って切断せず、前記カットラインにミシン目を施す工程とを含む母乳パッドの製造方法。
【発明の効果】
【0010】
この発明に係る母乳パッドによれば、ブラジャーの上端縁から母乳パッドの一部が露出しないので、良好な装着外観と装着感とを有し、しかも吸収有効率の高い母乳パッドを得ることができる。
【0011】
また、前記(1)の実施態様の場合には、弾性部材の収縮力によって、母乳パッド全体が非肌当接側へ向かって凸となるように湾曲しているので、母乳パッドが乳房の形状に適した立体的なドーム形状を有し、母乳パッドの乳房へのフィット性が向上する。
【0012】
前記(2)の実施態様の場合には、サイドフラップと直線状を有する端縁側のエンドフラップとの交差部位が、弾性部材の縦方向への仮想延長線近傍上に位置しているので、比較的に可撓性の高い交差部位に弾性部材の弾性応力がおよぶことにより、交差部位に肌当接側へ向かう力が働き、交差部位が外側に折れ曲がることを防ぐことができる。
【0013】
前記(3)の実施態様の場合には、吸液性コアの両端縁のうち少なくとも上端縁が横方向へ直線状に延びているので、母乳の吸収に与しない、いわば無駄な部位を省くことによって、吸液性コアの吸収全面積に対する吸収有効効率を向上させることができる。
【0014】
前記(4)の実施態様の場合には、内面シートと吸液性コアとの間にリウエットコントロールシートが介在していることによって、吸液性コアに吸収された母乳が内面シート側にリウエットするのを未然に防止することができるとともに、着用者にソフトな肌触りを与えることができ、また、弾性部材がリウエットコントロールシートの両側部を折り返してなるスリーブの内部に取り付けられているので、弾性部材が位置ずれを起こすことはなく、かつ、肌に対する弾性応力による圧迫感を軽減することができる。
【0015】
前記(5)の実施態様の場合には、1つの積層体を形成、切断することによって、一対の母乳パッドを容易に製造することができるので、生産性の向上を図ることができる。
【0016】
前記(6)の実施態様の場合には、積層体の状態のまま包装袋に包装して、装着者が自ら使用時に積層体をミシン目に沿って切り離すことによって、一対の母乳パッドを得ることができるので、2つの母乳パッドを別々に包装する場合や1つの包装袋に2つの母乳パッドを包装する場合に比べて、包装工程が簡便となり、さらなる生産性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
添付図面を参照して、この発明に係る母乳パッドの実施の形態を説明すると、以下のとおりである。
【0018】
図1は、母乳パッド10を肌当接面である内面側から見た部分破断斜視図であり、図2は、図1のII−II線に沿う横断面図である。
【0019】
図1および図2に示すとおり、母乳パッド10は、縦中心軸Pに関して面対称であって、着用状態における縦方向Yと横方向Xとを有し、肌当接側に位置する透液性の内面シート11と、非肌当接側に位置する不透液性の外面シート12と、それら内外面シート11,12との間に介在する吸液性コア13と、内面シート11と吸液性コア13との間に位置するリウエットコントロールシート14とから主に構成されている。
【0020】
母乳パッド10は、吸液性コア13の両側縁13bから横方向外側へ延出して縦方向へ延びるサイドフラップ15と、吸液性コア13の両端縁13aから縦方向外側へ延出して横方向へ延びるエンドフラップ16とを有する。サイドフラップ15とエンドフラップ16とは、それぞれ内外面シート11,12の延出縁部11b,12b、内外面シート11,12の延出端部11a,12aとリウェットコントロールシート14aの延出端部とから形成されており、それら重なり合うシートどうしは互いにホットメルト接着剤や熱エンボス加工等の熱融着手段によって接合されている。
【0021】
吸液性コア13と内面シート11との間には、母乳パッド10の縦方向Yに延びる一対の弾性部材17がリウエットコントロールシート14に包まれた状態で、吸液性コア13の両側部に位置している。具体的にいえば、一対の弾性部材17はリウエットコントロールシート14の両側部を内側へ折り返してなるスリーブ18の内部において、互いに横方向Xへ所与寸法離間して伸長下に取り付けられている。このように内面シート11と吸液性コア13との間にリウエットコントロールシート14が介在していることによって、装着者にソフトな肌触りを与えるとともに、吸液性コア13に吸収された母乳が内面シート11の側へリウエットするのを未然に防止することができ、また、弾性部材17がリウエットコントロールシート14に包被されていることによって、弾性部材17が位置ずれを生じるおそれはない。
【0022】
図1に示されているとおり、かかる弾性部材17の収縮力によって、母乳パッド10の中で最も高い剛性を有する吸液性コア13は全体的に非肌当接側へ凸となるように湾曲され、母乳パッド10は乳房の形に適した立体的なドーム形状をとることができる。弾性部材17は、このように母乳パッド10を湾曲させることのできる弾性収縮力を有するために、2本以上の複数本が吸液性コア13の両側部に配置されていてもよいし、また、リウエットコントロールシート14を折り返さずその両側縁にそのまま固定してもよいし、吸液性コア13に直接固定されていてもよい。弾性部材17が2本ではなくそれ以上の複数本配置されている場合には、各々の弾性部材17に比較的に大きな弾性応力を要しないので、肌に圧迫マークや不快感を与えるおそれはない。
【0023】
さらに、弾性部材17が延びている内面シート11の両側部周辺には、弾性部材17の収縮によって大小不規則的な皺が形成されているが、この皺は、母乳パッド10の身体へのフィット性を向上させ、母乳パッド10の位置ずれや母乳漏れを防止するうえでは、この皺が可及的に小さく形成されるように弾性部材17の収縮力、吸液性コア13の母乳パッド10の構成部材の剛性や、これら部材と弾性部材17との相対的位置関係を適宜設定することが好ましい。
【0024】
外面シート12の外面の幅方向中央域には、母乳パッド10をブラジャーや衣服に止着するための感圧性接着剤からなる止着手段22が母乳パッド10の縦方向Yへ複数条並行に延びている。止着手段22はシリコン等を塗布した剥離紙(セパレータ)23によって被着保護されている。
【0025】
図3は、母乳パッド10の使用状態を示す説明図であり、図5は、従来の母乳パッド110の使用状態を示す説明図である。
【0026】
再び、図1において、図5に図示されている従来の母乳パッドとの関係では、これとは異なり、母乳パッド10の上端縁10aは縦中心線Pに直交して母乳パッド10の横方向Xへ直線状に延び、母乳パッド10全体は上端部を切り欠かれたほぼ半円弧状を有している。吸液性コア13の上端縁13aもまた母乳パッド10の上端縁と並行に横方向へ直線状に延びている。このような形状に母乳パッド10の上端部10aは形成されているので、従来の円形のパッド110であれば、図5の斜線で示された部分のように、ブラジャー120のカップ部121の上端縁121aから外部に露出する部位(露出部位A)が存在するところ、母乳パッド10にはそのような露出部位Aは存在せず、装着外観を損なうおそれはない。また、従来、このような露出部位Aは、衣服の着脱時に衣服の内面に引っ掛かってしまったり、就寝時や横たわった状態で乳児に母乳を与える際等にブラジャー120の外面に向かって折れ曲がってめくれ下がるおそれがあり、母乳パッド110の位置ずれを生じる原因となっている。さらに、カップ部121の上端縁121aに取り付けられたワイヤー等の固定部材が吸液性コア113の上を横切って吸液性コア113を圧迫するので、吸液性コア113に吸収された母乳が外部に滲出する原因ともなっている。このような不測の事態を避けるために、乳房の大きさよりもひと回り大きいカップ部を有するブラジャーを使用することも考えられるが、その場合には、乳房とカップ部との間にすき間が生じ、かえって母乳漏れやパッドの位置ずれを生じるおそれがある。
【0027】
一方、母乳パッド10では、図3に図示されているとおり、上端縁10aがカップ部21の上端縁21aに沿ってカップ部21内部に延びているので、母乳パッド10の一部がカップ部21からはみ出て外部へ露出することはない。母乳パッド10はこのような特殊形状を有することによって、カップ部21の内部にある部位は乳房の形状に適した円形を有しつつ、上端部が外部に露出することはないので、外観及び装着感に優れ、露出部位Aがめくれ下がることによる母乳漏れや母乳パッド10の位置ずれを生じるおそれがない。また、母乳パッド10は、吸収機能にほとんど与らない吸液性コア13の一部をカットすることによって、母乳パッド10の吸収全面積に対する吸収有効率をも向上させるものである。
【0028】
すなわち、例えば、従来の円形型の母乳パッド110の場合には、毛管作用によって乳首から排泄された母乳が吸液性コア113の中心部からその周辺に拡がり吸収されるとしても、乳首の下方および両側に位置する部位には吸収されるが、ブラジャーのワイヤー等の固定部材が吸液性コア113の上端部を横切り圧迫していたので、それが障害となり、カップ部121の外方に位置する露出部位Aに位置する吸液性コア113の部分にまで母乳が拡散され吸収されることはほとんどない。母乳パッド10では、このような吸収機能にほとんど与らない、いわば無駄な部位をカットすることで、前記吸収有効率の向上を図るものである。
【0029】
母乳パッド10の上端縁10aは横方向Xにほぼ直線状に延びていることから、曲線状の両側縁10bと直線状の上端縁10aとが交差する交差部位24は尖った形状を有している。このように交差部位が尖形状を有している場合には、母乳パッド10をブラジャー20のカップ部21の内部に装着する際に、いきおいこの尖形の交差部位24がカップ部21の内面に引っ掛かり、カップ部21の外面に折れ曲がって母乳漏れや母乳パッド10の位置ずれを生じるおそれがある。
【0030】
しかし、母乳パッド10の両側部では、弾性部材17が内面シート11側において縦方向Yに伸長した状態で延びているとともに、弾性部材17の仮想延長線近傍上に交差部位24が位置していることから、その伸長応力が上方に位置する交差部位24におよび、その結果、交差部位24に肌当接側へ向かう力が働き、交差部位24が外方へ折れ曲がることはなく、肌に密着させることができる。このように比較的に可撓性の高い交差部位24を確実に肌に密着させるために、弾性部材17を吸液性コア13の両側部13bまでではなく、吸液性コアの端縁13aからさらに縦方向外方へまで、すなわち、交差部位24の近傍にまで延びる長さを有する弾性部材17を使用してもよい。
【0031】
なお、図示されていないが、場合により、母乳パッド10の下端縁10cも上端縁10aと同様に直線状に形成されていてもよい。その場合には、その直線状の下端縁10cの長さは上端縁10aよりも横方向への長さが短いことが好ましい。
【0032】
図4は、母乳パッド10の製造工程の一例で製造されるその積層体25の平面図である。積層体25は、母乳パッド10を構成する全ての部材を積層したものであって、略瓢箪形状を有している。積層体25は、内面シート11と外面シート12との間に一対の所望の形状に賦型した吸液性コア13と積層体25の長さ方向に延びた弾性部材17を包むリウエットコントロールシート14とを介在させ、吸液性コア13の外周縁部をホットメルト接着剤又は各種の熱溶着手段によって固着することによって形成されている。この積層体25を形成する工程の後、積層体25のくびれ部分を積層体25の幅方向に延びるカットラインLで切断することによって、直線状の上端縁10aが形成されて、一対の母乳パッド10を製造することができる。このように一つの積層体25から一対の母乳パッド10が製造できるので、母乳パッド10を個々に形成して製造する場合に比べて生産性がよい。
【0033】
また、積層体25の形成工程の後、カットラインLに沿って積層体25を切断せず、代わりにカットラインLに沿ってミシン目を施してもよい。この場合には、積層体25の状態のまま包装袋に収容し、装着者自らが使用時に積層体25をミシン目に沿って切り離し、一対の母乳パッド10を得ることができるので、包装袋に2つの母乳パッド10を収納する場合や各包装袋に母乳パッド10を1つづつ収納する場合に比べて、包装工程が簡便となり、さらなる生産性の向上を図ることができる。
【0034】
内面シート11には、好ましくは目付10〜30g/mのエアスルー、サーマルボンド、スパンレース、メルトブローン法等の公知の各種製法からなる不織布を使用することができる。それらの素材には、主にポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系の繊維やその他の熱可塑性繊維、レーヨン、コットンなどの再生、天然繊維を使用することができる。
【0035】
外面シート12には、好ましくは目付10〜30g/mのポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系の不透液性のプラスチックフィルム、それらフィルムに通気、透湿性の微細開孔を施したもの、その他公知の各種の織布、不織布、不透液性のプラスチックフィルムと疎水性の不織布とのラミネートシート等を使用することができる。
【0036】
吸液性コア13には、粉砕パルプ、粉砕パルプと高吸収性ポリマー(SAP)の混合物を使用することができる。また、吸液性コア13は、肌当接側から順に粉砕パルプ層、SAP層、粉砕パルプとSAPの混合層からなる3層から構成されていてもよい。この場合にはパルプ層が肌側に位置しているので吸収した母乳の拡散性を向上させることができる。さらに、吸液性コア13は、型崩れ及びSAPの脱落防止のために、ティッシュペーパ(図示せず)で全体が包被されていることが好ましい。
【0037】
リウエットコントロールシート14には、内面シート11と同様の各種製法からなる透液性の不織布を用いることができ、好ましくは、ポリプロピレンからなる目付10〜20g/mの4層繊維のSMMS不織布(スパンボンド・メルトブローン・メルトブローン・スパンボンドの各繊維層)を使用する。かかる積層からなるSMMS不織布は、4層繊維の積層体であって、クッション性を有するとともに、その中間にMM層が位置しているので、母乳のリウエット防止効果に優れている。
【0038】
弾性部材17には、ポリウレタン弾性樹脂等からなる合成ゴム、天然ゴム等を用いることができ、その伸長倍率が1.2〜1.8倍であるものが好ましい。
各種シートどうしの接合、弾性部材の取り付け等には、ホットメルト接着剤やその他のヒートシール等の熱溶着手段を用いることができる。
【0039】
母乳パッド10の各種材料には、上記に列挙したものの他に、当該技術分野において通常使用される公知の不織布やプラスチックフィルム、弾性部材等を用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明の母乳パッドは、公知の母乳パッドはもとより、公知の生理用ナプキンや使い捨ておむつなどの物品に利用される材料と構成部材、およびその物品とほぼ同様の構成並びに製法を採って、容易に量産することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】母乳パッドを肌当接面である内面側から見た部分破断斜視図。
【図2】図1のII−II線に沿う横断面図。
【図3】母乳パッドの使用状態を示す説明図。
【図4】母乳パッドの製造工程の一例において製造される積層体の平面図。
【図5】従来の母乳パッドの使用状態を示す説明図。
【符号の説明】
【0042】
10 母乳パッド
10a 母乳パッドの上端縁
10b 母乳パッドの下端縁
11 内面シート
12 外面シート
13 吸液性コア
14 リウエットコントロールシート
15 サイドフラップ
16 エンドフラップ
17 弾性部材
18 スリーブ
24 交差部位
25 積層体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦方向と横方向とを有し、肌当接側に位置する透液性の内面シートと、非肌当接側に位置する不透液性の外面シートと、これら内外面シートの間に吸液性コアが介在し、前記横方向における両側縁が凸に湾曲する母乳パッドにおいて、
前記縦方向における前記母乳パッドの上下端縁のうちの少なくとも上端縁が前記横方向に直線状に延びていることを特徴とする前記母乳パッド。
【請求項2】
前記縦方向へ延びる弾性部材が、前記内面シート側の前記吸液性コアの両側部において伸長下に取り付けられており、前記弾性部材の弾性収縮力によって、前記母乳パッドが全体的に非肌当接側へ向かって凸となるように湾曲している請求項1に記載の母乳パッド。
【請求項3】
前記母乳パッドが、前記横方向における前記吸液性コアの両側縁の外側に位置して前記縦方向へ延びるサイドフラップと、前記縦方向における前記吸液性コアの両端縁の外側に位置して前記横方向へ延びるエンドフラップとを有し、前記サイドフラップと直線状を有する端縁側の前記エンドフラップとの交差部位が、前記弾性部材の前記縦方向への仮想延長線近傍上に位置している請求項2に記載の母乳パッド。
【請求項4】
前記吸液性コアの前記両端縁のうちの少なくとも上端縁が、前記エンドフラップの形状に沿って、前記横方向に直線状に延びている請求項3に記載の母乳パッド。
【請求項5】
前記母乳パッドが、前記吸液性コアと前記内面シートの間に位置するリウエットコントロールシートを有し、前記弾性部材が前記リウエットコントロールシートの両側縁を前記母乳パッドの前記横方向内方へ折り返してなるスリーブの内部に取り付けられている請求項2ないし4のいずれかに記載の母乳パッド。
【請求項6】
一対の前記母乳パッドを形成するための構成部材を全て積層してなる略瓢箪形の積層体を形成する工程と、前記積層体のくびれ部分を前記積層体の幅方向に延びるカットラインに沿って切断することによって、一対の母乳パッドを製造することのできる切断工程とを含む前記請求項1ないし5のいずれかに記載の母乳パッドの製造方法。
【請求項7】
前記積層体の形成工程と、前記積層体のくびれ部分をカットラインに沿って切断せず、前記カットラインにミシン目を施す工程とを含む前記請求項1ないし5のいずれかに記載の母乳パッドの製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate