説明

比重選別装置

【課題】液媒体よりも比重が小さい複数種類の粒状体が混ざった混合物を、比重の違いにより選別する。
【解決手段】渦流発生装置(攪拌機3)は、選別槽(水槽1)に入れられた液媒体5に渦流を発生させる。仕切り板(筒2)は、渦流発生装置が発生させる渦流の中心を囲み、仕切り板より下側で、仕切り板の内側と外側との間を液媒体5が自由に行き来することができる。混合物を仕切り板の内側に投入する。回収装置(吸引ノズル13)は、渦流発生装置が発生させる渦流の中心付近で、液媒体5の液面に浮かぶ粒状体を回収する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、比重の違いにより混合物を選別する比重選別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
家電製品などの機器に使用されるプラスチックには、ポリプロピレン(PP:比重約0.9)、ポリスチレン(PS:比重約1.1)、アクリロニトル−ブタジエン−スチレン(ABS:比重約1.1)などがある。また、断熱材としてウレタン(比重約0.3)などが使われる場合がある。
家電製品などの機器のリサイクル処理において、機器を破砕機で破砕し、金属類を回収したあとに残る残渣物には、上記のような異なる種類のプラスチック片が混在して含まれている。
これらのプラスチック片を選別する装置として、水などの液媒体を用いて、液媒体よりも比重の小さいプラスチック片と、液媒体よりも比重の大きいプラスチック片とを選別する比重選別装置がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭50−142681号公報
【特許文献2】国際公開第WO98/41374号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の比重選別装置において、水(比重1)を液媒体として使用する場合、PPと、PS及びABSとを選別することはできるが、PPと、ウレタンとを選別することはできない。
液媒体として、PPとウレタンとの間の比重(例えば0.5)を有する液体を使用すれば、PPと、ウレタンとを選別することができるが、特殊な液体を使う必要があるため、液媒体の購入コストが高く、また安全性の面から、管理コスト、廃棄コストも高くなる。また、液媒体の比重が安定していないと、選別の精度が落ちる場合がある。
この発明は、例えば上記のような課題を解決するためになされたものであり、液媒体よりも比重が小さい複数種類の粒状体が混ざった混合物を、比重の違いにより選別することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明にかかる比重選別装置は、
液体を入れる選別槽と、
上記選別槽に入れられた液体に渦流を発生させる渦流発生装置と、
上記渦流発生装置が発生させる渦流の中心を囲み、上記液体の液面より下で潜り抜け可能な仕切り板と、
上記仕切り板の内側に、比重の異なる複数種類の粒状体が混ざった混合物を投入する投入装置と、
上記渦流発生装置が発生させる渦流の中心付近で、上記液体の液面に浮かぶ粒状体を回収する回収装置とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
この発明にかかる比重選別装置によれば、液体よりも比重が小さい粒状体が混ざった混合物を、比重の違いにより選別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施の形態1における比重選別装置100の全体構成の一例を示す図。
【図2】実施の形態2における比重選別装置100の全体構成の一例を示す図。
【図3】実施の形態3における比重選別装置100の全体構成の一例を示す図。
【図4】実施の形態4における比重選別装置100の全体構成の一例を示す平面図及び断面図。
【図5】実施の形態4における液媒体300の流れの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施の形態1.
実施の形態1について、図1を用いて説明する。
【0009】
図1は、この実施の形態における比重選別装置100の全体構成の一例を示す図である。
比重選別装置100は、ウレタン8やPP(ポリプロピレン)9などの粒状体が混合した混合物を比重の違いによって選別する。液媒体5は、選別したい粒状体の間の比重である必要はなく、選別したい粒状体より比重が重い。例えば、ウレタン8(比重約0.3)とPP9(比重約0.9)とを選別するにあたって、比重1の水を液媒体5として使う。
【0010】
比重選別装置100は、水槽1と、筒2と、攪拌機3と、吸引ノズル13とを有する。
水槽1(選別槽)は、例えば円筒形状であり、内部に水などの液媒体5を入れて使用する。
筒2(仕切り板)は、例えば円筒形状である。筒2は、液媒体5の液面の上下の所定の範囲にわたって液媒体5を仕切り、液媒体5の移動を制限するが、下端は開放されていて、潜り抜けることにより、液媒体5の行き来が可能である。
攪拌機3(渦流発生装置)は、筒2の内側にあり、液媒体5を攪拌して、渦流を発生させる。
吸引ノズル13(回収装置)は、攪拌機3が発生させる渦流の中心付近で、液媒体5の表面に浮かぶ粒状体を回収する。
【0011】
例えば、一般廃棄物や産業廃棄物、家電製品などのリサイクル処理において、様々な家電製品や自動車などの廃棄物を破砕機で破砕する。次に、磁力選別装置や渦電流選別装置を多段に活用することにより、破砕されたシュレッダーダストから金属類を回収すると、複数種類のプラスチック片(粒状体)が混合した混合プラスチックが残る。比重選別装置100は、この混合プラスチックを被選別材料とする。家電製品には、PPが多く含まれている。また、冷蔵庫には、ウレタンが含まれている。このため、この混合プラスチックには、大量のPP9と、少量の異物としてのウレタン8とが含まれている。
【0012】
まず、筒2のなかで攪拌機3を回転方向4に回し、筒2のなかに渦流6を発生させる。
次に、筒2のなかに、ウレタン8とPP9との混合物を、投入方向10から供給する。
比重が軽いウレタン8には、大きな浮力11が働くので、ウレタン8は、液媒体5の流れの影響を受けずに、筒2のなかの液面の渦流の中央に集まる。吸引ノズル13は、このウレタン8を回収する。
これに対し、比重が液媒体5に近いPP9に働く浮力12は小さいので、PP9は、下向きの水の流れ7に流されて液媒体5のなかに沈み込む。PP9は、筒2の下を潜り抜けて、筒2の外に出たのち、浮力12により液面に浮かんでくるので、これを回収する。
【0013】
このように、比重選別装置100は、液媒体5(例えば水:比重1)よりも比重の軽い二種類の粒状体(例えばPP:比重約0.9、ウレタン:比重約0.3)を、比重の違いにより選別することができる。
すなわち、筒2の内側の渦流6を利用して、比較的比重が大きい粒状体(PP9)を液媒体5のなかに押し込む。比較的比重が小さい粒状体(ウレタン8)は、筒2のなかの液面に留まり、回収される。液媒体5のなかに押し込まれた粒状体(PP9)は、筒2の下を潜って筒2の外に出てから浮力により浮上し、筒2の外の液面に浮かび、回収される。このため、液媒体5の比重が、二種類の粒状体の比重の中間である必要がない。
このため、ウレタン8とPP9とのように、水よりも比重が軽い二種類の粒状体を選別する場合でも、特殊な液媒体5を使う必要がなく、水を液媒体5として使うことができる。このため、液媒体5の購入コストや廃棄コストが低く、安全性が高い。また、液媒体5の比重を調整する必要もないので、動作が安定している。更に、液体サイクロンのような水流を起こすための大きな動力が不要なので、装置全体が小型化でき、エネルギー消費量が少なくできる。すなわち、比重選別装置100の導入時にかかる初期投資費用から、ランニングコストまで、全体的なコストを低減することができる。
【0014】
比重選別装置100は、水槽1と筒2とで構成され、前記筒2内には渦流を発生させる攪拌機3が設置され、筒2内の液体媒体(液媒体5)面には被選別物の回収器(吸引ノズル13)が設置されている。
これにより、液体媒体の比重が2種類の被選別物(ウレタン8・PP9)の比重よりも大きくても、高精度で高効率に比重選別をすることができる。
【0015】
実施の形態2.
実施の形態2について、図2を用いて説明する。
なお、実施の形態1と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0016】
図2は、この実施の形態における比重選別装置100の全体構成の一例を示す図である。
比重選別装置100は、実施の形態1で説明した構成に加えて、更に、整流板14を有する。
整流板14は、筒2のなかに設けられ、攪拌機3が発生させる渦流6に沿った曲率を有する曲面板形状である。整流板14は、渦流6の乱れを減らし、渦流6の中心位置を安定させる。
【0017】
ウレタン8とPP9との混合比率(バランス)が変化すると、液媒体5の流れに対する抵抗が変動するため、水流が乱れ、渦流6の中心位置が変動する可能性がある。整流板14が渦流6の中心位置を安定させることにより、渦流6の中心位置の変動によるウレタン8とPP9との再混合を防ぎ、選別精度を安定させる。
【0018】
実施の形態3.
実施の形態3について、図3を用いて説明する。
なお、実施の形態1及び実施の形態2と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0019】
図3は、この実施の形態における比重選別装置100の全体構成の一例を示す図である。
比重選別装置100は、実施の形態1で説明した構成に加えて、更に、邪魔板15を有する。
邪魔板15(潜行装置)は、例えばプラスチックなど液媒体5よりも比重が軽い材料で形成されていて、筒2のなかの液媒体5の液面に浮かべる。邪魔板15は、渦流6に対する抵抗が十分小さくなるように薄く形成された板状である。邪魔板15が液面に浮かんでいるので、筒2のなかに投入されたウレタン8とPP9との混合物は、邪魔板15の下を通る。
【0020】
ウレタン8やPP9などの投入物に気泡がついていると、比重にかかわらず液面に浮いてしまい、選別ができない可能性がある。投入物が邪魔板15の下を通ることにより、一旦液面の下を潜るので、投入物全面が液媒体5に濡れることにより濡れ性が良くなる。これにより、PP9が沈みやすくなり、選別精度が高くなる。
【0021】
実施の形態4.
実施の形態4について、図4〜図5を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態3と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0022】
図4は、この実施の形態における比重選別装置100の全体構成の一例を示す平面図及び断面図である。
比重選別装置100は、選別槽110と、仕切り板120と、渦流発生装置130と、2つの整流板140と、潜行装置150と、投入装置160と、3つの回収装置170,180,190とを有する。
選別槽110は、液媒体(液体)を入れるタンクであり、例えば、中心軸が略鉛直方向を向き、上面が開口した中空円柱形状である。選別槽110のなかには、液面301の位置まで液媒体を入れる。
【0023】
渦流発生装置130は、選別槽110のなかに入れた液媒体に渦流を発生させる装置である。渦流発生装置130は、例えば、回転軸131と、回転翼132と、導流板133と、モータ(図示せず)とを有する。回転軸131は、選別槽110の中心軸にほぼ一致する位置に設けられている。回転翼132は、回転軸131の下端付近に設けられている。導流板133は、回転翼132の周囲を囲む円筒板状であり、回転翼132の周りで液媒体の流れに乱れが生じるのを防ぐ。導流板133の上端は、液面301より下に位置する。導流板133の下端は、選別槽110の底面から離れている。したがって、液媒体は、導流板133の上側及び下側の双方で、導流板133の内側と外側とを自由に行き来することができる。なお、導流板133の位置を固定するため、導流板133の一部が、選別槽110の側面や底面に繋がっている構成であってもよい。
モータは、回転運動を発生させる。モータが発生させた回転運動は、回転軸131により、回転翼132に伝えられ、回転翼132が回転する。
【0024】
仕切り板120は、選別槽110のなかに設けられている。仕切り板120は、選別槽110とほぼ同軸の略円筒板状であり、渦流発生装置130が発生させる渦流の中心を囲んでいる。仕切り板120の上端は、液面301より上に位置する。仕切り板120の下端は、導流板133の上端より下、導流板133の下端より上に位置し、選別槽110の底面から離れている。したがって、液媒体は、仕切り板120の下側で、仕切り板120の内側と外側とを自由に行き来できるが、仕切り板120の上側では、行き来できない。なお、仕切り板120の位置を固定するため、仕切り板120の一部が、選別槽110の側面や底面に繋がっている構成であってもよい。
【0025】
整流板140は、仕切り板120の内側に設けられている。整流板140は、選別槽110の中心軸とほぼ同軸の略円筒側面の一部をなす形状であり、渦流発生装置130が発生させる渦流の流れに沿って、渦流の流れを安定させる。整流板140の上端は、液面301より上に位置する。整流板140の下端は、液面301より下の比較的浅い位置に位置する。なお、整流板140の数は、2つに限らず、1つでもよいし、3つ以上であってもよい。また、複数の整流板140は、選別槽110の中心軸からの距離が同じでもよいし、異なっていてもよい。
【0026】
投入装置160は、仕切り板120の内側に、比重の異なる複数種類の粒状体が混ざった混合物を投入する装置である。投入装置160は、例えば、投入口161と、筒部162と、運搬装置(図示せず)とを有する。投入口161は、例えば、上側が広い略円錐台側面形状である。筒部162は、投入口161の下端から繋がった略円筒板状である。筒部162の下端は、液面301より下に位置する。運搬装置は、例えばベルトコンベアなどであり、前段の処理が終わった混合物を運搬して、投入口161に投入する。
投入装置160が混合物を投入する投入位置は、仕切り板120に比較的近い位置である。投入位置から仕切り板120までの距離は、仕切り板120の半径の半分よりも短い。
【0027】
潜行装置150は、投入装置160が投入した混合物を、液媒体のなかに潜らせる装置である。潜行装置150は、投入装置160の筒部162と繋がっていて、筒部162よりも渦流の下流側に位置する。潜行装置150は、例えば、天面部151と、内壁部152と、外壁部153とを有する。天面部151は、略扇形板状である。天面部151は、斜めに傾いていて、渦流の上流側において、液面301よりも上で筒部162と接続し、渦流の下流側では、液面301よりも下に位置する。内壁部152は、選別槽110の中心軸とほぼ同軸の略円筒側面の一部をなす形状であり、選別槽110の中心軸に近い側で、天面部151及び筒部162と接続している。外壁部153は、選別槽110の中心軸とほぼ同軸の略円筒側面の一部をなす形状であり、選別槽110の中心軸から遠い側で、天面部151及び筒部162と接続している。内壁部152及び外壁部153の下端は、液面301よりも下に位置する。
【0028】
回収装置170は、渦流発生装置130が発生させる渦流の中心付近で、液面301に浮かぶ粒状体を回収する。回収装置170は、例えば、パイプ172と、吸引装置(図示せず)とを有する。パイプ172は、一方の端が吸入口171として開放されていて、他方の端が吸引装置に接続している。吸入口171は、選別槽110の中心軸付近、液面301よりもわずかに上に、下向きに配置されている。吸引装置は、負圧を発生させる。これにより、回収装置170は、吸入口171の付近にある粒状体を吸引し、回収する。回収装置170は、粒状体の混合物のうち、液媒体より比重が小さく、かつ、その差が大きい粒状体を回収する。
回収装置180は、仕切り板120の外側で、液面301に浮かぶ粒状体を回収する。回収装置180は、例えば、パイプ182と、吸引装置(図示せず)とを有する。パイプ182は、一方の端が吸入口181として開放されていて、他方の端が吸引装置に接続している。吸入口181は、選別槽110と仕切り板120との間、液面301よりもわずかに上に、下向きに配置されている。吸引装置は、負圧を発生させる。これにより、回収装置180は、吸入口181の付近にある粒状態を吸引し、回収する。回収装置180は、粒状体の混合物のうち、液媒体より比重が小さく、まつ、その差が小さい粒状体を回収する。
回収装置190は、選別槽110の底に沈んだ粒状体を回収する。回収装置190は、例えば、パイプ192と、吸引装置(図示せず)とを有する。パイプ192は、一方の端が吸入口191に接続し、他方の端が吸引装置に接続している。吸入口191は、選別槽110の底面の外周付近に設けられている。吸引装置は、負圧を発生させる。これにより、回収装置190は、吸入口191の付近に沈んだ粒状体を吸引し、回収する。回収装置190は、粒状体の混合物のうち、液媒体より比重が大きい粒状体を回収する。
なお、回収装置170〜190は、粒状体と一緒に、液媒体も吸入してしまう場合があるので、比重選別装置100は、回収装置170〜190が吸入した液媒体を、選別槽110のなかへ戻す装置を有する構成であってもよい。
【0029】
図5は、この実施の形態における液媒体300の流れの一例を示す図である。
渦流発生装置130が、回転翼132を回転方向351に回転させると、導流板133の下側から液媒体300を、流れ311のように吸い込み、渦状の上昇する流れ312が発生する。これにより、仕切り板120の内側には、全体にわたって、渦状の流れ313〜315が発生する。また、仕切り板120のすぐ内側には、仕切り板120に当たって下降する流れ316,317が発生する。なお、選別槽110と仕切り板120との間に挟まれた領域302には、流れが発生せず、比較的穏やかである。
【0030】
投入口161から投入された混合物は、まず、流れ313に乗って、潜行装置150のなかを移動する。混合物は、天面部151に当たるので、液媒体300より比重が小さくても、液面301に浮かんだままとはならず、液媒体300のなかに潜る。
潜行装置150から出た混合物は、流れ315に乗って移動する。このとき、液媒体300よりも比重が非常に小さい粒状体は、液媒体300よりも遠心力が小さいので、渦流の中心のほうへ近づいていき、整流板140の内側に集まる。回収装置170は、これを回収する。
一方、液媒体300よりも比重がわずかに小さい粒状体は、液媒体300との遠心力の差が小さいので、流れ315に乗って仕切り板120のすぐ内側へ流され、流れ316に乗る。粒状体は、浮力によって上昇しようとするが、浮力が小さいので、流れ316が速ければ、流れ316に乗って下降することになる。仕切り板120の下端まで達すると、流れ317が広がって遅くなる。粒状体が、仕切り板120の下を潜って外に出ると、流れのない領域302に入るので、浮力によって上昇し、液面301に浮かんでくる。回収装置180は、これを回収する。
【0031】
また、混合物のなかに液媒体300よりも比重が大きい粒状体が混ざっていたとすると、流れ316に乗るところまでは、液媒体300よりも比重がわずかに小さい粒状体と同じように移動するが、その後、選別槽110の底に沈む。回収装置190は、これを回収する。
【0032】
液媒体300よりも比重が小さい粒状体が、回収装置170によって回収されるか、回収装置180によって回収されるかの分かれ目は、流れ316の速さと浮力との関係による。すなわち、浮力が大きく流れ316に逆らって上昇する粒状体は、回収装置170によって回収され、浮力が小さく流れ316に乗って下降する粒状体は、回収装置180によって回収される。
流れ316の速さは、回転翼132を回転する速さによって変わるから、回転翼132を回転する速さを調整することにより、選別の精度を高めることができる。
【0033】
以上、各実施の形態で説明した構成は、一例であり、他の構成であってもよい。例えば、異なる実施の形態で説明した構成を組み合わせた構成としてもよいし、重要でない部分の構成を他の構成で置き換えた構成としてもよい。
【0034】
以上説明した比重選別装置(100)は、
液体(液媒体5;300)を入れる選別槽と、
上記選別槽に入れられた液体に渦流を発生させる渦流発生装置(130;攪拌機3)と、
上記渦流発生装置が発生させる渦流の中心を囲み、上記液体の液面より下で潜り抜け可能な仕切り板(120;筒2)と、
上記仕切り板の内側に、比重の異なる複数種類の粒状体が混ざった混合物を投入する投入装置(160)と、
上記渦流発生装置が発生させる渦流の中心付近で、上記液体の液面に浮かぶ粒状体を回収する回収装置(170;吸引ノズル13)とを有する。
これにより、液体よりも比重が小さい粒状体が混ざった混合物を、比重の違いにより選別することができる。
【0035】
上記比重選別装置(100)は、更に、
上記仕切り板(120;筒2)の外側で、上記液体(液媒体5;300)の液面に浮かぶ粒状体を回収する第二の回収装置(180)を有する。
これにより、液体よりも比重が小さい粒状体が混ざった混合物のなかから、液体に比重が比較的近い粒状体を回収することができる。
【0036】
上記比重選別装置(100)は、更に、
上記仕切り板(120;筒2)の内側に、上記渦流発生装置(130;攪拌機3)が発生させる渦流を安定させる整流板(14;140)を有する。
渦流が安定するので、選別の精度を高めることができる。
【0037】
上記比重選別装置(100)は、更に、
上記仕切り板(120;筒2)の内側に、上記投入装置(160)が投入した混合物を上記液体(液媒体5;300)のなかに潜らせる潜行装置(150;邪魔板15)を有する。
粒状体に付着した気泡を取り除くことができるので、選別の精度を高めることができる。
【符号の説明】
【0038】
1 水槽、2 筒、3 攪拌機、4,351 回転方向、5,300 液媒体、6 渦流、7 流れ、8 ウレタン、9 PP、10 投入方向、11,12 浮力、13 吸引ノズル、14,140 整流板、15 邪魔板、100 比重選別装置、110 選別槽、120 仕切り板、130 渦流発生装置、131 回転軸、132 回転翼、133 導流板、150 潜行装置、151 天面部、152 内壁部、153 外壁部、160 投入装置、161 投入口、162 筒部、170,180,190 回収装置、171,181,191 吸入口、172,182,192 パイプ、301 液面、302 領域、311,312,313,314,315,316,317 流れ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を入れる選別槽と、
上記選別槽に入れられた液体に渦流を発生させる渦流発生装置と、
上記渦流発生装置が発生させる渦流の中心を囲み、上記液体の液面より下で潜り抜け可能な仕切り板と、
上記仕切り板の内側に、比重の異なる複数種類の粒状体が混ざった混合物を投入する投入装置と、
上記渦流発生装置が発生させる渦流の中心付近で、上記液体の液面に浮かぶ粒状体を回収する回収装置とを有することを特徴とする比重選別装置。
【請求項2】
上記比重選別装置は、更に、
上記仕切り板の外側で、上記液体の液面に浮かぶ粒状体を回収する第二の回収装置を有することを特徴とする請求項1に記載の比重選別装置。
【請求項3】
上記比重選別装置は、更に、
上記仕切り板の内側に、上記渦流発生装置が発生させる渦流を安定させる整流板を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の比重選別装置。
【請求項4】
上記比重選別装置は、更に、
上記仕切り板の内側に、上記投入装置が投入した混合物を上記液体のなかに潜らせる潜行装置を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の比重選別装置。
【請求項5】
液体を入れる選別槽と、上記選別槽のなかに設けられた仕切り板とを有する比重選別装置を使って、比重が異なる複数種類の粒状体が混ざった混合物を選別する比重選別方法において、
上記選別槽に入れられた液体に、上記仕切り板で囲まれた位置を中心とする渦流を発生させ、
上記仕切り板の内側に、混合物を投入し、
上記渦流の中心付近で、上記液体の液面に浮かぶ粒状体を回収することを特徴とする比重選別方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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