説明

毛髪用化粧料のための混合器具

【課題】互いに混合されると自己発泡して泡状の毛髪用化粧料となる複数剤を混合する際に、混合の効率を向上させると共に泡のムラを抑制する。
【解決手段】互いに混合されると自己発泡して泡状の毛髪用化粧料となる複数剤を混合するための器具は、平板形状の平板部を備える。平板部の先端近辺には、平板部を厚さ方向に貫通する複数の孔が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪用化粧料のための混合器具に関し、特に、互いに混合されると自己発泡して泡状の毛髪用化粧料となる複数剤を混合するための器具に関する。
【背景技術】
【0002】
液状またはクリーム状の2つの剤をヘラ等の器具で混合して使用する非泡状の二剤式毛髪用化粧料(染毛剤または脱色剤)が知られている。非泡状の毛髪用化粧料は、毛髪への塗布のしやすさの点で向上の余地がある。
【0003】
毛髪用化粧料を毛髪に塗布しやすい泡状とするために、2つの剤を混合して噴射剤により泡状の毛髪用化粧料にするエアゾール型の毛髪用化粧料や、2つの剤を特殊なフォーマー容器に入れてフォーマー容器の機能により泡状の毛髪用化粧料にするフォーマー容器型の毛髪用化粧料が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
エアゾール型毛髪用化粧料は、噴射剤の使用を伴うために耐圧容器の腐食や内圧の上昇の恐れがあると共に、使用後の容器を廃棄しづらいといった課題を有する。また、フォーマー容器型毛髪用化粧料は、フォーマー容器の特性上、細かい泡状の毛髪用化粧料を得ることが難しい上に、泡状とすることができる毛髪用化粧料の粘度の上限が比較的低いために使用時のたれ落ちが発生しやすいといった課題を有する。
【0005】
2つの剤を容器に入れて振ることにより剤中に含まれる多量の活性剤を作用させて空気をかませ、泡状の毛髪用化粧料を生成する振とう型の毛髪用化粧料が知られている。振とう型の毛髪用化粧料は、剤に含まれる活性剤の作用を利用しているため、特殊な容器や噴射剤を使用することなく泡状の毛髪用化粧料を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−149325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、振とう型の毛髪用化粧料は、振とうに大きな労力を要すると共に、泡にムラができやすいために使用時のたれ落ちが発生しやすいといった課題を有する。なお、このような課題は、2つの剤に限らず、複数剤を混合して泡状の毛髪用化粧料を得る場合に共通の課題であった。
【0008】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、互いに混合されると自己発泡して泡状の毛髪用化粧料となる複数剤を混合する際に、混合の効率を向上させると共に泡のムラを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題の少なくとも一部を解決するために、本発明は、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0010】
[適用例1]互いに混合されると自己発泡して泡状の毛髪用化粧料となる複数剤を混合するための器具であって、
平板形状の平板部を備え、
前記平板部の先端近辺に、前記平板部を厚さ方向に貫通する複数の孔が形成されている、器具。
【0011】
この器具は、平板形状の平板部を備えるため、複数剤を混合する際に、複数剤を容器に入れて振ることにより混合する場合やスプーンのような凹凸形状の器具を用いて混合する場合と比較して、効率よく混合を行うことができる。また、この器具では、平板部の先端近辺に平板部を厚さ方向に貫通する複数の孔が形成されているため、混合の際に剤が孔を通過することとなる。そのため、この器具は、混合の効率をさらに高めることができると共に、生成された泡のつぶれを抑制することができ、粘度のある複数剤を容易にきめ細かい泡状にすることができる。従って、この器具は、互いに混合されると自己発泡して泡状の毛髪用化粧料となる複数剤を混合する際に、混合効率を向上させることができると共に泡のムラを抑制することができる。
【0012】
[適用例2]適用例1に記載の器具であって、
前記複数の孔の内の少なくとも一部の孔の周りに、前記厚さ方向に突出した第1の凸部が形成されている、器具。
【0013】
この器具は、少なくとも一部の孔の周りに、平板部の厚さ方向に突出した第1の凸部が形成されているため、生成された泡状の毛髪用化粧料をすくい取る際の垂れを抑制することができ、使い勝手を向上させることができる。
【0014】
[適用例3]適用例1または適用例2に記載の器具であって、
前記平板部の前記先端近辺の外縁に沿って、前記厚さ方向に突出した第2の凸部が形成されている、器具。
【0015】
この器具は、平板部の先端近辺の外縁に沿って、厚さ方向に突出した第2の凸部が形成されているため、生成された泡状の毛髪用化粧料を効率良くすくい取ることができると共に、垂れをさらに抑制することができ、使い勝手をさらに向上させることができる。
【0016】
[適用例4]適用例3に記載の器具であって、
前記第2の凸部は、前記平板部の前記先端に近い位置ほど前記厚さ方向への突出量が大きい形状に形成されている、器具。
【0017】
この器具では、第2の凸部が、平板部の先端に近い位置ほど厚さ方向への突出量が大きい形状に形成されているため、毛髪用化粧料をさらに効率良くすくい取ることができると共に、垂れをさらに抑制することができ、使い勝手をさらに向上させることができる。
【0018】
[適用例5]適用例1ないし適用例4のいずれかに記載の器具であって、
前記器具は、前記複数剤を混合用容器に入れた状態で混合するための器具であり、
前記平板部の前記先端近辺の外縁の縦断面形状は、前記混合用容器の内側の底面の少なくとも一部から側面の少なくとも一部までの部分の縦断面形状と同一である、器具。
【0019】
この器具では、器具の先端近辺が混合用容器内部と密着し、毛髪用化粧料を効率良く、かつ、無駄なくすくい取ることができ、使い勝手をさらに向上させることができる。
【0020】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、毛髪用化粧料のための器具、この器具を含む毛髪用化粧料セット、この器具または毛髪用化粧料セットを用いた毛髪用化粧料の生成方法、等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施例における毛髪用化粧料セット10の構成を概略的に示す説明図である。
【図2】毛髪用化粧料セット10を用いた毛髪用化粧料生成処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】毛髪用化粧料セット10を用いた毛髪用化粧料生成処理の概要を示す説明図である。
【図4】毛髪用化粧料セット10を用いた毛髪用化粧料生成処理の概要を示す説明図である。
【図5】混合用器具200の詳細構成を示す説明図である。
【図6】混合用器具200の詳細構成を示す説明図である。
【図7】混合用器具200の詳細構成を示す説明図である。
【図8】混合用器具200の詳細構成を示す説明図である。
【図9】混合用器具200の詳細構成を示す説明図である。
【図10】混合用器具200の詳細構成を示す説明図である。
【図11】混合用器具200の詳細構成を示す説明図である。
【図12】混合用器具200の詳細構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.実施例:
A−1.毛髪用化粧料セットの構成:
A−2.毛髪用化粧料生成処理:
A−3.混合用器具の詳細構成:
B.変形例:
【0023】
A.実施例:
A−1.毛髪用化粧料セットの構成:
図1は、本発明の実施例における毛髪用化粧料セット10の構成を概略的に示す説明図である。毛髪用化粧料セット10は、混合用容器100と、混合用器具200と、第1の剤300と、第2の剤400と、を含んでいる。
【0024】
第1の剤300および第2の剤400は、それぞれ個別に収容容器(例えばチューブ状の容器)に収容された液状またはクリーム状の剤である。第1の剤300および第2の剤400の組成は、互いに混合されたときに毛髪用化粧料(染毛剤または脱色剤)となるように設定されている。また、第1の剤300は、成分として炭酸塩(例えば重曹)を含んでおり、第2の剤400は、成分として炭酸塩を分解する酸を含んでいる。そのため、第1の剤300と第2の剤400とを混合すると、第1の剤300に含まれる炭酸塩と第2の剤400に含まれる酸とが反応して、気泡(二酸化炭素)が発生する。
【0025】
混合用容器100は、第1の剤300と第2の剤400とを混合する際に収容するコップ状の容器であり、樹脂(例えばPP)により形成されている。混合用器具200は、混合用容器100に収容された第1の剤300および第2の剤400を混合するための平板状(ヘラ状)の器具であり、樹脂(例えばPP)により形成されている。混合用器具200の構成については後に詳述する。
【0026】
A−2.毛髪用化粧料生成処理:
図2は、毛髪用化粧料セット10を用いた毛髪用化粧料生成処理の流れを示すフローチャートである。また、図3および図4は、毛髪用化粧料セット10を用いた毛髪用化粧料生成処理の概要を示す説明図である。
【0027】
最初に、図1に示すように、混合用容器100と混合用器具200と第1の剤300と第2の剤400とを含む毛髪用化粧料セット10が準備される(ステップS110)。次に、第1の剤300および第2の剤400が、収容容器から混合用容器100内に移される(ステップS120)。図3には、第1の剤300および第2の剤400が、収容容器から混合用容器100内に移される様子を示している。
【0028】
次に、混合用容器100内に移された第1の剤300および第2の剤400が、混合用器具200を用いて混合される(ステップS130)。図3には、第1の剤300および第2の剤400が、混合用器具200を用いて混合される様子を示している。混合用器具200を用いて第1の剤300および第2の剤400が混合されると、第1の剤300に含まれる炭酸塩と第2の剤400に含まれる酸とが反応して、気泡(二酸化炭素)が発生する。これにより、混合用容器100内において泡状の毛髪用化粧料が生成される。図4には、混合用容器100内に泡状の毛髪用化粧料FOが生成された様子を示している。なお、図4に示すように、混合用器具200は、混合用容器100内に生成された泡状の毛髪用化粧料FOをすくい取るための器具としても使用される。使用者は、混合用器具200を用いて毛髪用化粧料FOをすくい取り、混合用器具200上の毛髪用化粧料FOを手にとって毛髪に塗布する。
【0029】
以上説明したように、本実施例の毛髪用化粧料セット10を用いた毛髪用化粧料生成処理では、互いに混合されると自己発泡して泡状の毛髪用化粧料となる複数剤を混合することによって、特殊な容器や噴射剤を使用することなく泡状の毛髪用化粧料を得ることができる。このとき、使用者は、剤を収容した容器を振とうしたりする作業を行う必要はなく、混合用器具200を用いて混合用容器100内に収容された第1の剤300および第2の剤400をかき混ぜるという簡単な作業を行うだけでよい。また、本実施例の毛髪用化粧料セット10を用いた毛髪用化粧料生成処理では、複数剤が混合されることにより気泡が発生し、液状またはクリーム状であった複数剤が徐々に泡状の毛髪用化粧料FOとなる様子を使用者が観察することができるため、演出性(楽しさ、わくわく感)を向上させることができる。
【0030】
A−3.混合用器具の詳細構成:
図5ないし図12は、混合用器具200の詳細構成を示す説明図である。図5は、混合用器具200の正面図であり、図6は、混合用器具200の右側面図であり、図7は、混合用器具200の底面図であり、図8は、混合用器具200の平面図である。なお、混合用器具200の背面図は図5と同様であり、混合用器具200の左側面図は図6と同様である。また、図9は、図5のA−Aの位置における横断面図であり、図10は、図5のB−Bの位置における横断面図である。また、図11は、図10のX部を拡大して示す拡大断面図である。また、図12は、混合用器具200の形状と混合用容器100の形状との関係を示す説明図である。
【0031】
図5および図6に示すように、混合用器具200は、平板形状の平板部210を備えている。平板部210の厚さt0は全体にわたって略一定であり、例えば2mmである。平板部210の正面視外形は、しゃもじのような(ボーリングのピンの縦断面のような)形状である。すなわち、平板部210の正面視外形は、幅wtの先端部TPと幅wtより小さい幅wbの後端部BPとを、くびれた形状の中間部IPが連結するような形状である。なお、先端部TPの幅wtは例えば40mmであり、後端部BPの幅wbは例えば25mmであり、中間部IPの最も狭い部分の幅は例えば20mmである。また、混合用器具200の高さは、例えば170mmである。
【0032】
図5、図10および図11に示すように、平板部210の先端部TP近辺には、平板部210を厚さ方向に貫通する複数の円形の孔240が形成されている。孔240の個数は例えば29個であり、各孔240の直径は例えば5mmである。なお、各孔240は、その直径が平板部210の正面側および背面側において異なる形状(すなわち、孔240の内部側面が傾斜している形状)であるとしてもよい。その場合に、各孔240の直径は、例えば平板部210の正面側において5mmであり、背面側において例えば4.9mmである。
【0033】
また、図11に示すように、各孔240の周りには、第1の凸部242が形成されている。第1の凸部242は、平板部210の正面側および背面側の表面から厚さ方向に突出した凸型形状の部分である。各第1の凸部242の正面視形状は、各孔240を取り囲むようなリング形状である(図5参照)。
【0034】
各第1の凸部242の位置における混合用器具200の厚さtcは、例えば3mmである。従って、各第1の凸部242の平板部210表面からの突出量は、例えば0.5mmである。また、各第1の凸部242の幅(図11に示す断面における横方向の長さ)は、例えば0.5mmである。なお、各第1の凸部242は、平板部210の表面から遠い位置ほど幅が小さくなるように外側の面が傾斜を有する形状であるとしてもよい。また、各第1の凸部242の先端外側角が曲面形状であるとしてもよい。
【0035】
図5、図6、図7および図8に示すように、平板部210の外縁に沿って、第2の凸部220が形成されている。第2の凸部220は、平板部210の正面側および背面側の表面から厚さ方向に突出した凸型形状の部分である。第2の凸部220の正面視形状は、平板部210の外縁を一周囲むような形状である。
【0036】
第2の凸部220の位置における混合用器具200の厚さは、混合用器具200の最先端部MTPと残りの部分(以下、「通常部」とも呼ぶ))とで異なっている。ここで、最先端部MTPは、先端部TPの内の最も先端側の一部である。混合用器具200の通常部の第2の凸部220の位置における厚さtb(図6,8参照)は、略一定であり、例えば3mmである。一方、混合用器具200の最先端部MTPの第2の凸部220の位置における厚さは、平板部210の先端に近い位置ほど大きい(図6参照)。すなわち、第2の凸部220は、平板部210の先端に近い位置ほど厚さ方向への突出量が大きい形状に形成されている。混合用器具200の第2の凸部220の位置における最大厚さttは、例えば10mmである。
【0037】
図5および図9に示すように、平板部210の後端部BPおよび中間部IPに掛けて、第3の凸部230が形成されている。第3の凸部230は、平板部210の正面側および背面側の表面から厚さ方向に突出した凸型形状の部分である。第3の凸部230の正面視形状は、第2の凸部220と並行するような線状形状である。第3の凸部230の線幅は、例えば3mmである。また、第3の凸部230の位置における混合用器具200の厚さは、例えば3mmである。
【0038】
また、図5および図9に示すように、平板部210の中間部IPの幅方向中心付近には、2つの第4の凸部250が形成されている。第4の凸部250は、平板部210の正面側および背面側の表面から厚さ方向に突出した凸型形状の部分である。2つの第4の凸部250は、互いに平行な直線状形状である。第4の凸部250の線幅は、例えば2mmである。また、第4の凸部250の位置における混合用器具200の厚さは、例えば3mmである。
【0039】
図12に示すように、混合用器具200の平板部210の先端近辺の外縁の縦断面形状は、混合用容器100の内側の底面の少なくとも一部から側面の少なくとも一部までの部分の縦断面形状と同一である。すなわち、混合用容器100および混合用器具200の形状は、混合用器具200を略垂直の状態で混合用容器100内部に挿入し、混合用器具200の先端が混合用容器100の底面に密着した状態で混合用器具200を平板部210の面方向に沿って移動させると、混合用器具200の先端近辺のコーナー部分が混合用容器100内部のコーナー部分と密着するような形状である。
【0040】
以上説明したように、本実施例の混合用器具200は、平板形状の平板部210を有するため、第1の剤300および第2の剤400を混合する際に、2つの剤を容器に入れて振ることにより混合する場合やスプーンのような凹凸形状の器具を用いて混合する場合と比較して、効率よく混合を行うことができる。また、本実施例の混合用器具200は、平板部210の先端近辺に平板部210を厚さ方向に貫通する複数の孔240が形成されているため、混合の際に剤が孔240を通過することとなる。そのため、本実施例の混合用器具200は、混合の効率をさらに高めることができると共に、生成された泡のつぶれを抑制することができ、粘度のある複数剤を容易にきめ細かい泡状にすることができる。従って、本実施例の混合用器具200は、互いに混合されると自己発泡して泡状の毛髪用化粧料となる複数剤を混合する際に、混合効率を向上させることができると共に泡のムラを抑制することができる。泡のムラが抑制されると、脱色ムラ・染毛ムラが抑制されるため、好ましい。
【0041】
また、本実施例の混合用器具200は、各孔240の周りに、平板部210の厚さ方向に突出した第1の凸部242が形成されているため、生成された泡状の毛髪用化粧料FOをすくい取る際の垂れを抑制することができ、使い勝手を向上させることができる。
【0042】
また、本実施例の混合用器具200は、平板部210の先端近辺の外縁に沿って、平板部210の厚さ方向に突出した第2の凸部220が形成されているため、生成された泡状の毛髪用化粧料FOを効率良くすくい取ることができると共に、垂れをさらに抑制することができ、使い勝手をさらに向上させることができる。また、本実施例の混合用器具200では、第2の凸部220が、平板部210の先端に近い位置ほど厚さ方向への突出量が大きい形状に形成されているため、毛髪用化粧料FOをさらに効率良くすくい取ることができると共に、垂れをさらに抑制することができ、使い勝手をさらに向上させることができる。
【0043】
また、本実施例の混合用器具200は、平板部210の先端近辺の外縁の縦断面形状が、混合用容器100の内側の底面の少なくとも一部から側面の少なくとも一部までの部分の縦断面形状と同一であるため、混合用器具200の先端近辺のコーナー部分が混合用容器100内部のコーナー部分と密着し、毛髪用化粧料FOを効率良く、かつ、無駄なくすくい取ることができ、使い勝手をさらに向上させることができる。
【0044】
B.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0045】
上記実施例における毛髪用化粧料セット10の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、毛髪用化粧料セット10は、第1の剤300と第2の剤400とに加えて、1つまたは2つ以上の他の剤を含むとしてもよい。この場合にも、混合用容器100に収容されたすべての剤を混合用器具200を用いて混合することにより、泡状の毛髪用化粧料が生成される。
【0046】
また、上記実施例では、混合用容器100および混合用器具200は樹脂製であるとしているが、混合用容器100および/または混合用器具200は他の材料製(例えば金属製)であるとしてもよい。
【0047】
また、上記実施例における混合用器具200の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、混合用器具200の平板部210に形成された孔240の数や径は、適宜変形可能である。また、孔240の形状は円形である必要はなく、楕円形や多角形であってもよい。
【0048】
また、孔240の周りに形成される第1の凸部242は、平板部210の一方の側(例えば正面側)のみに形成されているとしてもよい。また、複数の孔240の内の一部の孔240の周りにのみ第1の凸部242が形成されているとしてもよい。また、第1の凸部242は、孔240の外周全周にわたって形成されている必要はなく、孔240の外周の一部のみに沿って形成されているとしてもよい。すなわち、孔240の周りとは、孔240の外周全周の内の少なくとも一部を意味する。
【0049】
また、平板部210の外縁に形成される第2の凸部220は、平板部210の一方の側(例えば正面側)のみに形成されているとしてもよい。また、第2の凸部220は、平板部210の外周全周にわたって形成されている必要はなく、最先端部MTP近辺のみに形成されているとしてもよい。また、第2の凸部220の突出量は、平板部210の外周全周にわたって同一であるとしてもよい。
【0050】
また、混合用器具200において、第1の凸部242や第2の凸部220、第3の凸部230は、必ずしも形成されている必要はない。
【符号の説明】
【0051】
10…毛髪用化粧料セット
100…混合用容器
200…混合用器具
210…平板部
220…第2の凸部
230…第3の凸部
240…孔
242…第1の凸部
250…第4の凸部
300…第1の剤
400…第2の剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに混合されると自己発泡して泡状の毛髪用化粧料となる複数剤を混合するための器具であって、
平板形状の平板部を備え、
前記平板部の先端近辺に、前記平板部を厚さ方向に貫通する複数の孔が形成されている、器具。
【請求項2】
請求項1に記載の器具であって、
前記複数の孔の内の少なくとも一部の孔の周りに、前記厚さ方向に突出した第1の凸部が形成されている、器具。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の器具であって、
前記平板部の前記先端近辺の外縁に沿って、前記厚さ方向に突出した第2の凸部が形成されている、器具。
【請求項4】
請求項3に記載の器具であって、
前記第2の凸部は、前記平板部の前記先端に近い位置ほど前記厚さ方向への突出量が大きい形状に形成されている、器具。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の器具であって、
前記器具は、前記複数剤を混合用容器に入れた状態で混合するための器具であり、
前記平板部の前記先端近辺の外縁の縦断面形状は、前記混合用容器の内側の底面の少なくとも一部から側面の少なくとも一部までの部分の縦断面形状と同一である、器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−105850(P2012−105850A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−257653(P2010−257653)
【出願日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(502439647)株式会社ダリヤ (10)