説明

気体溶解器および気泡発生装置

【課題】十分な量の気体を液体に溶解させることができる気体溶解器およびそれを備えた気泡発生装置を提供する。
【解決手段】気体溶解器200は、第1の筐体201および第2の筐体202を有する。第1の筐体201の天井部111は、下方に向かって凸になるように湾曲している。第1の筐体201内の中央部に噴出ノズル221が設けられる。噴出ノズル221から第1の筐体201の天井部111に向かって水701が噴出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は気体を液体中に溶解させる気体溶解器およびそれを備える気泡発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、液体中に微細な気泡を発生させる微細気泡発生装置が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図31は、従来の微細気泡発生装置の一例を示す図である。
【0004】
図31に示す気泡発生装置3000は、ポンプ3001、気体溶解器3002および液体噴出ノズル3003を含む。ポンプ3001には、液体吸入管3004および液体供給管3005が接続されている。
【0005】
液体吸入管3004の一端は、浴槽4000の底面に接続されている。また、液体供給管3005の一端は、気体溶解器3002の内部空間において下方に向かって開口している。
【0006】
気体溶解器3002の底面には、液体供給管3010の一端が接続されている。液体供給管3010の他端には、液体噴出ノズル3003が接続されている。液体噴出ノズル3003は、浴槽4000の側面の下部に取り付けられている。
【0007】
この気泡発生装置3000においては、ポンプ3001が起動されることにより、液体吸入管3004の一端から浴槽4000内の液体4001が吸引される。ポンプ3001により吸引された液体4001は、液体供給管3005を介して気体溶解器3002内に噴出される。それにより、気体溶解器3002内が加圧されるとともに、気体溶解器3002内の液体4001が攪拌される。その結果、気体溶解器3002内の気体が液体4001に溶解される。
【0008】
気体溶解器3002内において空気が溶解された液体4001は、液体供給管3010および液体噴出ノズル3003を介して浴槽4000内に供給される。このとき、気体溶解器3002において液体4001に溶解された空気が複数の微細気泡となって出現する。これにより、浴槽4000内の液体4001中に複数の微細気泡を発生させることができる。
【特許文献1】特開2006−149437号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、浴槽4000内において発生する微細気泡の数を増加させるためには、液体噴出ノズル3003から噴出される液体4001に溶解される空気量を増加させなければならない。しかしながら、上記の気体溶解器3002のように、気体溶解器3002内の液体4001に向けて上方から液体4001を噴出させるだけでは、十分な量の空気を液体4001に溶解させることができない。そのため、上記の気泡発生装置3000においては、浴槽4000内の液体4001中に十分な量の微細気泡を発生させることができない。
【0010】
本発明の目的は、十分な量の気体を液体に溶解させることができる気体溶解器およびそれを備えた気泡発生装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)第1の発明に係る気体溶解器は、気体を液体に溶解させる気体溶解器であって、天井部を有する気体溶解室と、液体を気体溶解室内から天井部に向かって噴出する第1の噴出部とを備え、天井部は下に凸となるように湾曲する下面を有するものである。
【0012】
この気体溶解器においては、第1の噴出部から天井部に向けて液体が噴出される。それにより、液体が天井部の下面に衝突し、気体溶解室内の空気が液体に溶解される。また、天井部の下面に衝突した液体は、天井部の下面から気体溶解室内に貯留されている液体へ落下する。このとき、天井部から落下する液体と気体溶解室内の液体との衝突により衝撃が発生し、液体に気体が溶解される。このように、この気体溶解器においては、気体を液体に溶解させるための機会が少なくとも2度設けられるので、十分な量の気体を液体に溶解させることができる。
【0013】
また、この気体溶解器においては、天井部の下面が下に凸になるように湾曲している。この場合、第1の噴出部と天井部の下面との間の距離が短くなり、第1の噴出部から噴出される液体を即座に天井部の下面に衝突させることができる。それにより、第1の噴出部から噴出される液体を高速で天井部の下面に衝突させることができる。その結果、第1の噴出部に供給される液体の圧力が低い場合にも気体溶解室内において十分な量の気体を液体に溶解させることが可能になる。
【0014】
また、天井部の下面が下に凸になるように湾曲しているので、第1の噴出部から噴出された液体を天井部の下面に沿って上方外側に流すことができる。この場合、気体溶解室内において高い位置から液体を落下させることができるので、液体の落下速度が上昇する。それにより、第1の噴出部から噴出された液体が気体溶解室内に貯留されている液体へ落下する際に大きな衝撃が発生する。その結果、気体溶解室内においてより多くの気体を液体に溶解させることが可能になる。
【0015】
(2)天井部の下面は中心部が最下点となるように形成され、第1の噴出部は下面の中心部に対向するように設けられてもよい。
【0016】
この場合、第1の噴出部と天井部の下面との間の距離を十分に短くすることができる。それにより、第1の噴出部から噴出される液体をより高速で天井部の下面に衝突させることができる。その結果、気体溶解室内において十分な量の気体を確実に液体に溶解させることが可能になる。
【0017】
(3)天井部の下面は略円弧状または略V字状に湾曲してもよい。
【0018】
この場合、第1の噴出部から噴出された液体を天井部の下面に沿って容易に上方外側に流すことができる。それにより、気体溶解室内において十分に高い位置から液体を落下させることができるので、液体の落下速度が十分に上昇する。この場合、第1の噴出部から噴出された液体が気体溶解室内に貯留されている液体へ落下する際により大きな衝撃が発生する。それにより、気体溶解室内においてより多くの気体を液体に溶解させることが可能になる。
【0019】
(4)気体溶解室は、天井部を有する第1の溶解室と、第1の溶解室の下方に設けられる第2の溶解室とを含み、気体溶解器は、第1の溶解室内の液体を第2の溶解室内に向かって噴出する第2の噴出部をさらに備えてもよい。
【0020】
この気体溶解器においては、第1の噴出部から第1の溶解室内に液体が噴出され、その液体が第1の溶解室内に貯留される。また、第1の溶解室内に貯留された液体は、第2の噴出部から第2の溶解室内に噴出される。
【0021】
この場合、第2の噴出部から液体が噴出されることにより、第2の溶解室内において液体が攪拌される。それにより、第2の溶解室内の気体および第1の溶解室から液体とともに第2の溶解室内に噴出された気体が液体に溶解される。その結果、より多くの気体を液体に溶解させることが可能になる。
【0022】
(5)気体溶解器は、第2の溶解室内から液体を流出させる液体流出部をさらに備え、液体流出部は、第2の噴出部による液体の噴出方向の中心軸から離間されてもよい。
【0023】
この場合、液体流出部に気泡発生器等の外部機器を容易に連結させることができる。
【0024】
また、液体流出部が第2の噴出部による液体の噴出方向の中心軸から離間されているので、第2の噴出部から噴出された液体が直接的に液体流出部に到達することを防止することができる。したがって、第2の噴出部から液体が噴出された際に第2の溶解室内において液体中に発生した気泡が液体の流れに乗って移動する場合にも、その気泡が短時間で液体流出部に到達することを防止することができる。
【0025】
それにより、第2の溶解室内において液体中に気泡を十分な時間滞留させることができるとともに、気泡が液体流出部から流出することを防止することができる。その結果、第2の溶解室内において気体を液体に確実に溶解させることができる。
【0026】
(6)第2の溶解室は、液体流出部に連通し液体流出部に液体を供給する液体供給空間を有し、液体流出部による液体の流出方向に垂直な方向における液体供給空間の断面積は、液体流出部側に向かって減少してもよい。
【0027】
この場合、第2の溶解室内において液体流出部へ流れる液体の流速は、液体供給空間内において緩やかに上昇する。それにより、液体流出部の近傍において液体の流速が急激に上昇することを防止することができる。その結果、液体中の気泡が液体の流れに乗って液体流出部から流出することを確実に防止することができる。
【0028】
(7)気体溶解器は、第2の溶解室内における第2の噴出部と液体流出部との間に設けられ、第2の噴出部から噴出された液体の流れ方向を変更させる変更板をさらに備えてもよい。
【0029】
この場合、第2の溶解室内において気泡が液体の流れに乗って第2の噴出部から液体流出部に向かって流れる場合にも、その気泡の移動方向を変更板により変更させることができる。それにより、第2の溶解室内において液体中に気泡をさらに十分な時間滞留させることができるとともに、気泡が液体流出部から流出することを確実に防止することができる。その結果、第2の溶解室内において気体を確実に液体に溶解させることができる。
【0030】
(8)変更板は、第2の噴出部による液体の噴出方向の中心軸に対して略平行に設けられてもよい。
【0031】
この場合、第2の噴出部から噴出された液体が、第2の溶解室内において第2の噴出部による液体の噴出方向と異なる方向に流れる場合にも、変更板によりその液体の流れ方向を確実に変更させることができる。それにより、第2の噴出部から噴出された液体が直接的に液体流出部に到達することを確実に防止することができる。
【0032】
(9)変更板は、第2の噴出部による液体の噴出方向の中心軸に対して傾斜するように設けられてもよい。
【0033】
この場合、第2の噴出部から噴出された液体が、第2の溶解室内において第2の噴出部による液体の噴出方向と異なる方向に流れる場合にも、変更板によりその液体の流れ方向を確実に変更させることができる。それにより、第2の噴出部から噴出された液体が直接的に液体流出部に到達することを確実に防止することができる。
【0034】
(10)第1および第2の溶解室は分離可能に設けられてもよい。この場合、気体溶解器のメインテナンスが容易になる。
【0035】
(11)第2の発明に係る気泡発生装置は、第1の発明に係る気体溶解器と、気体溶解器に連結され気体溶解器から供給される液体に微細気泡を発生させる気泡発生器とを備え、気泡発生器は、流入口、第1の流路、第2の流路および流出口を有する本体部を備え、第1の流路は、流入口から流入する液体を第1の方向へ導くように設けられ、第2の流路は、第1の流路の下流端から導かれる液体を第1の方向と逆の第2の方向に導いて流出口から流出させるように設けられ、第2の流路の上流端の断面積は流入口の面積よりも小さく、流出口の面積は第2の流路の上流端の断面積よりも大きいものである。
【0036】
この気泡発生装置においては、上記の気体溶解器により気体が溶解された液体が気泡発生器に供給される。そして、気泡発生器により液体中に微細気泡が発生される。ここで、上記の気体溶解器においては、十分な量の気体を液体に溶解させることができる。それにより、気泡発生装置において十分な量の微細気泡を発生させることが可能となる。
【0037】
また、この気泡発生装置の気泡発生器によれば、流入口から本体部内に流入する液体が第1の流路により第1の方向に導かれる。また、第1の流路の下流端から導かれる液体は、第2の流路により第1の方向と逆の第2の方向に導かれ流出口から流出される。
【0038】
ここで、この気泡発生器においては、第2の流路の上流端の断面積は流入口の面積よりも小さい。この場合、液体が流入口から第1の流路を介して第2の流路へと流入する際に液体の流速が上昇し、液体の圧力が低下する。それにより、液体に溶解されている気体が気泡となって出現する。
【0039】
また、流出口の面積は第2の流路の上流端の断面積より大きい。この場合、液体が第2の流路の上流端から流出口へと流れる際に液体の流速が低下し、液体の圧力が上昇する。それにより、液体中に出現した上記の気泡が微細化される。
【0040】
また、第1の流路は液体を第1の方向に導くように設けられ、第2の流路は液体を上記第1の方向と逆の第2の方向に導くように設けられる。この場合、本体部の全長を大きくすることなく第2の流路を長くすることができる。それにより、本体部の全長を大きくすることなく、微細気泡の発生効率を向上させることができる。その結果、十分な量の微細気泡を発生することができるとともに、気泡発生器を小型化することができる。
【0041】
以上の結果、気泡発生装置の小型化が可能になるとともに、微細気泡の発生効率を十分に向上させることができる。
【発明の効果】
【0042】
本発明によれば、気体溶解室内において気体を液体に溶解させるための機会が少なくとも2度設けられるので、気体溶解器に供給される液体の圧力が低い場合にも、十分な量の気体を液体に溶解させることができる。
【0043】
また、第1の噴出部から噴出される液体を高速で天井部の下面に衝突させることができるので、気体溶解室内において十分な量の気体を液体に溶解させることが可能になる。
【0044】
また、第1の噴出部から噴出された液体が気体溶解室内に貯留されている液体へ落下する際に大きな衝撃を発生させることができる。それにより、気体溶解室内においてより多くの気体を液体に溶解させることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
以下、本発明の実施の形態に係る気体溶解器および気泡発生装置について図面を用いて説明する。
【0046】
<第1の実施の形態>
(1)気泡発生装置の構成
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る気体溶解器およびそれを備えた気泡発生装置の一例を示す図である。
【0047】
図1に示すように、本実施の形態に係る気泡発生装置1000は、気泡発生器100および気体溶解器200を含む。気体溶解器200には空気弁250および排水弁260が設けられている。
【0048】
気泡発生器100と気体溶解器200とは液体流通管300により連結されている。液体流通管300には逆止弁310が設けられている。気泡発生器100は、浴槽700の下部の側面に取り付けられている。気体溶解器200には、液体供給管400の一端が接続されている。液体供給管400の他端は、水道の蛇口500に接続されている。
【0049】
本実施の形態に係る気泡発生装置1000においては、水道の蛇口500から液体供給管400、気体溶解器200、液体流通管300および気泡発生器100を介して浴槽700内に水701が供給される。
【0050】
気体溶解器200においては、水701に空気が溶解される。気泡発生器100は、気体溶解器200において水701に溶解された空気を微細気泡として水701中に出現させる。それにより、浴槽700内の水701に微細気泡が供給される。
【0051】
なお、上述したように、本実施の形態においては、気体溶解器200には、空気弁250が設けられている。それにより、気体溶解器200内に容易に空気を取り入れることができる。
【0052】
また、気体溶解器200には、気泡発生装置1000運転状態に応じて(例えば電気的に)開放および閉止される排水弁260が設けられている。それにより、気泡発生装置1000が使用されていないときに、気体溶解器200内の水701を容易に排出することができる。
【0053】
また、液体流通管300には逆止弁310が設けられている。それにより、浴槽700内の水が液体流通管300内を逆流することを防止することができる。
【0054】
以下、気体溶解器200および気泡発生器100について図面を用いて説明する。
【0055】
(2)気体溶解器
(2−1)気体溶解器の構成
図2は、図1の気体溶解器200を示す外観斜視図であり、図3は、図1の気体溶解器200の概略断面図である。なお、図2および図3には、図1の排水弁260は図示されていない。
【0056】
図2および図3に示すように、気体溶解器200は、円筒状の第1の筐体201および円筒状の第2の筐体202を有する。なお、以下においては、説明を簡便にするため、第1の筐体201側を上方とし、第2の筐体202側を下方とする。
【0057】
第1の筐体201の下端および第2の筐体202の上端は開口している。第1の筐体201と第2の筐体202との間には、円板状の仕切り板203が設けられている。第1の筐体201の下端には、鍔状の取り付け部211が形成されている。また、第2の筐体202の上端には、鍔状の取り付け部212が形成されている。
【0058】
取り付け部211には複数の貫通孔213(図3)が等間隔に形成されている。同様に、仕切り板203には貫通孔213と同数の貫通孔214(図3)が等間隔に形成され、取り付け部212には貫通孔213と同数の貫通孔215(図3)が等間隔に形成されている。なお、本実施の形態においては、8つの貫通孔213〜215が形成されている。
【0059】
各貫通孔213〜215にボルト216が通され、そのボルト216にナット217が取り付けられる。それにより、取り付け部211、仕切り板203および取り付け部212が固定され、第1の筐体201と第2の筐体202とが固定される。
【0060】
図2および図3に示すように、第1の筐体201の天井部111は下方に凸となるように湾曲している。また、図3に示すように、第1の筐体201の天井部111の中央部には、上方に向かって延びるように円筒状の継管部231が形成されている。継管部231には、図1の空気弁250が取り付けられている。
【0061】
図3に示すように、空気弁250は、円筒状の本体部521およびその本体部521の上端に取り付けられる蓋部522を有する。蓋部522の内部には円柱状の貫通孔530が形成されている。本体部521の内部空間と本体部521の外部とは、貫通孔530により連通されている。また、本体部521の内部空間と第1の筐体201の内部空間とは、継管部231の内部空間により連通されている。
【0062】
本体部521内には、本体部521の内周面に沿うように略L字状の4本の誘導部材523(図3では3本のみ図示)が設けられている。また、本体部521内には、円板状の移動部材524が誘導部材523に対して上下に摺動可能に設けられている。なお、移動部材524の直径は本体部521の内径よりも小さく、移動部材524の外周面と本体部521の内周面との間には空間が形成されている。
【0063】
第1の筐体201の側面を貫通するように、L字上の液体流通管401が設けられる。液体流通管401の一端には、図1の液体供給管400が取り付けられる。それにより、液体流通管401に水701が供給される。
【0064】
液体流通管401の他端は、第1の筐体201内の中央部において上方に向かって開口している。また、液体流通管401の他端には、円筒状の噴出ノズル221が設けられている。液体供給管400から水701に供給された水は、噴出ノズル221から上方に向かって噴出される。
【0065】
なお、噴出ノズル221から水701が噴出されている場合には、その水701の圧力により空気弁250の移動部材524が上方に移動される。それにより、貫通孔530の下端の開口が移動部材524により閉塞される。その結果、第1の筐体201内の空気が気体溶解器200の外部へ流出することが阻止される。
【0066】
一方、噴出ノズル221から水701が噴出されていない場合には、移動部材524が下方に移動され、貫通孔530の下端の開口が開放される。それにより、気体溶解器200の外部の空気が貫通孔530を介して第1の筐体201内に供給される。その結果、第1の筐体201内に十分な量の空気が供給される。
【0067】
仕切り板203の中心から偏った位置には、円筒状の噴出ノズル222が設けられている。噴出ノズル221から第1の筐体201内に噴出された水701は、噴出ノズル222から第2の筐体202内に噴出される。
【0068】
第2の筐体202の下部の一部は、側方に向かって突出している。それにより、第2の筐体202内の側部に補助空間240が形成されている。補助空間240は、鉛直方向における断面積が外方に向かって漸次減少するように形成されている。補助空間240の先端部すなわち補助空間240の上記断面積が最も小さくなる部分に液体流出管241が設けられている。液体流出管241には、図1の液体流通管300が接続されている。
【0069】
第2の筐体202の底面部112上には、気泡上昇板223が設けられている。気泡上昇板223は、噴出ノズル222と液体流出管241との間で補助空間240の近傍に位置する。本実施の形態では、気泡上昇板223は第2の筐体202の底面部112上に垂直に取り付けられている。
【0070】
以上のような構成において、液体流通管401から第1の筐体201内に供給される水701は、第1の筐体201内および第2の筐体202内を通過して液体流出管241から流出する。
【0071】
なお、噴出ノズル221の上端と第1の筐体201の天井部111の下面の中央部との間の距離は、5〜25mmであることが好ましい。
【0072】
(2−2)気体溶解器の効果
本実施の形態においては、水道の蛇口500(図1)から気体溶解器200に供給される水701は、図3に示すように、噴出ノズル221から第1の筐体201の天井部111に向かって噴出される。これにより、水701が天井部111の下面に衝突し、第1の筐体201内の空気が水701に溶解される。
【0073】
また、本実施の形態に係る気体溶解器200においては、噴出ノズル221が第1の筐体201の中央部に設けられている。さらに、第1の筐体201の天井部111は、下面の中央部が最下点となるように湾曲している。
【0074】
この場合、噴出ノズル221と天井部111の下面との間の距離が短くなり、噴出ノズル221から噴出される水701を即座に天井部111の下面に衝突させることができる。それにより、噴出ノズル221から噴出される水701を高速で天井部111の下面に衝突させることができる。その結果、第1の筐体201内において十分な量の空気を水701に溶解させることが可能になる。
【0075】
また、噴出ノズル221から噴出された水701は、図3に矢印で示すように、第1の筐体201の天井部111の下面に沿って上方外側に流れた後に落下する。この場合、第1の筐体201内において十分に高い位置から水701を落下させることができるので、水701の落下速度が上昇する。それにより、噴出ノズル221から噴出された水701が第1の筐体201内に貯留されている水701へ落下する際に大きな衝撃が発生する。その結果、第1の筐体201内においてより多くの空気を水701に溶解させることが可能になる。
【0076】
また、第1の筐体201内に供給された水701は、噴出ノズル222から第2の筐体202内に噴出される。これにより、第2の筐体202内において水701が攪拌され、第2の筐体202内の空気および第1の筐体201から水701とともに第2の筐体202内に噴出された空気(気泡)が水701に溶解される。
【0077】
また、噴出ノズル222と液体流出管241とは、第2の筐体202内において水平方向(仕切り板203に平行な方向)に十分に離間されている。それにより、噴出ノズル222から第2の筐体202内に噴出された水701が直接的に液体流出管241に到達することを防止することができる。
【0078】
したがって、噴出ノズル222から水701が噴出された際に水701中に発生した気泡および第1の筐体201内から第2の筐体202内に流入した気泡が水701の流れに乗って移動する場合にも、その気泡が短時間で液体流出管241に到達することを防止することができる。それにより、第2の筐体202内において水701中に気泡を十分な時間滞留させることができるとともに、気泡が液体流出管241から流出することを防止することができる。その結果、第2の筐体202内において気泡を十分に水701に溶解させることができる。
【0079】
また、第2の筐体202の底面部112上において噴出ノズル222と液体流出管241との間には気泡上昇板223が設けられている。この場合、図3に矢印で示すように、噴出ノズル222から液体流出管241側に向かって流れる水701は、気泡上昇板223に衝突する。それにより、水701の流通方向は気泡上昇板223において上方に変えられる。
【0080】
したがって、第2の筐体202内において気泡が水701の流れに乗って噴出ノズル222側から液体流出管241側に向かって流れる場合にも、その気泡を気泡上昇板223において上方に浮上させることができる。それにより、第2の筐体202内において水701中に気泡をさらに十分な時間滞留させることができるとともに、気泡が液体流出管241から流出することを確実に防止することができる。その結果、第2の筐体202内において気泡を確実に水701に溶解させることができる。
【0081】
また、第2の筐体202内の側部には、鉛直方向における断面積が外方に向かって漸次減少する補助空間240が形成されている。そして、補助空間240の先端部に液体流出管241が接続されている。
【0082】
この場合、補助空間240を通って液体流出管241へ流れる水701の流速は、液体流出管241に近づくにつれて緩やかに上昇する。したがって、液体流出管241の近傍において水701の流速が急激に上昇することを防止することができる。それにより、水701中の気泡が水701の流れに乗って液体流出管241から流出することを確実に防止することができる。
【0083】
以上の結果、気体溶解器200内において水701中に空気を確実に溶解させることができる。
【0084】
また、本実施の形態においては、液体流通管401が取り付けられる第1の筐体201と液体流出管241が取り付けられる第2の筐体202とが分離可能である。それにより、蛇口500(図1)の位置および気体溶解器200の設置場所等の種々の条件に応じて、液体流通管401と液体流出管241との位置関係を自在に調整することができる。その結果、気体溶解器200の設置自由度が向上する。また、第1の筐体201と第2の筐体202とを分離することにより、気体溶解器200のメインテナンスを容易に行うことができる。
【0085】
また、本実施の形態においては、第1の筐体201の天井部111を下方に凸となるように湾曲させている。それにより、第1の筐体201の強度を向上させることができる。それにより、第1の筐体201の薄型化が可能になり、気体溶解器200の材料コストを低減することができる。
【0086】
また、第1の筐体201の天井部111の中央部すなわち天井部111の最も低い部分に空気弁250が設けられている。それにより、気体溶解器200の高さ方向の寸法が大きくなることを防止することができる。その結果、気体溶解器200の設置自由度がさらに向上する。
【0087】
(3)気泡発生器
(3−1)気泡発生器の構成
図4は、図1の気泡発生器100の組み立て斜視図であり、図5は、図1の気泡発生器100の縦断面図である。また、図6は、後述する気泡発生部材103の上面図である。
【0088】
図4および図5に示すように、気泡発生器100は、気泡安定管101、Oリング102、気泡発生部材103、Oリング104、支持部材105および固定部材106を含む。
【0089】
気泡安定管101は、第1の円筒部11および第1の円筒部11より径大の第2の円筒部12を有する。なお、以下においては、説明を簡便にするため、第1の円筒部11側を上方とし、固定部材106側を下方とする。図5に示すように、第2の円筒部12の上面部113には、下方に向かって突出する断面半円形状の突起部13が環状に形成されている。
【0090】
図4および図5に示すように、気泡発生部材103は、円柱状の本体部31、本体部31の中央部から上方に向かって延びるように形成される円筒部32、本体部31の外周部から上方に向かって延びるように形成される筒状の第1の外壁部33、および本体部31の外周部から下方に向かって延びるように形成される筒状の第2の外壁部34を有する。
【0091】
図4〜図6に示すように、気泡発生部材103には、本体部31および円筒部32の中心部を上下に貫通する液体通路35が形成されている。また、本体部31には、液体通路35を取り囲むように複数の圧力上昇通路36が形成されている。各圧力上昇通路36は、本体部31を上下に貫通するように形成されている。
【0092】
各圧力上昇通路36は、本体部31の下部側に形成される第1の拡大部361および本体部31の上部側に形成される第2の拡大部362からなる。第1の拡大部361の断面積は上方に向かって第1の割合で漸次拡大し、第2の拡大部362の断面積は上方に向かって第2の割合で漸次拡大している。
【0093】
なお、本実施の形態においては、第2の割合は第1の割合より大きい。また、複数の第1の拡大部361の下端の開口面積の合計は、液体通路35の断面積より小さい。
【0094】
図4および図5に示すように、円筒部32の上部には、外周面に沿って凹部37が環状に形成されている。図5に示すように、凹部37にOリング102が嵌め込まれた状態で円筒部32を第1の円筒部11内に挿入することにより、気泡発生部材103が気泡安定管101に取り付けられる。
【0095】
なお、本実施の形態においては、第2の拡大部362の上端の開口と突起部13とが対向するように、第2の拡大部362および突起部13の位置が設定されている。
【0096】
図4および図5に示すように、支持部材105は、円板部51、その円板部51の上面において上方に向かって延びるように形成される円柱部52、およびその円板部51の下面から下方に向かって延びるように形成される棒状部53を有する。図5に示すように、円柱部52が第2の外壁部34内に嵌め込まれるように支持部材105が気泡発生部材103に取り付けられる。
【0097】
なお、本実施の形態においては、円板部51の直径および第2の外壁部34の外径は等しい。それにより、支持部材105を気泡発生部材103に取り付ける際に、円板部51の上面が第2の外壁部34の下端に係止される。
【0098】
また、円柱部52の軸方向の長さは第2の外壁部34の軸方向の長さより短い。それにより、支持部材105を気泡発生部材103に取り付けた際に、本体部31の下面と円柱部52の上面との間に空間30が形成される。また、その空間30内において本体部31の下面、円柱部52の上面および第2の外壁部34の内周面に密着するようにOリング104が設けられる。なお、本実施の形態においては、複数の第1の拡大部361の下端の開口がOリング104の内方に位置するように第1の拡大部361の形成位置およびOリング104の内径が設定されている。
【0099】
図4および図5に示すように、固定部材106は、筒状部61および円板部62を有する。円板部62の中央部を除く領域に複数の扇状の貫通孔63が形成されている。図5に示すように、棒状部53の下端と円板部62の中央部とが当接するように筒状部61が第2の円筒部12の下端部に取り付けられる。それにより、支持部材105が気泡発生部材103と固定部材106との間で固定される。
【0100】
気泡安定管101の第1の円筒部11には、液体供給管300(図1)が接続される。気体溶解器200(図2)において空気が溶解された水701は、液体供給管300および第1の円筒部11を介して気泡発生部材103の液体通路35に供給される。液体通路35に供給された水701は、空間30、圧力上昇通路36、および第2の円筒部12内を通過した後、固定部材106の貫通孔63から浴槽700(図1)内に流出する。なお、以下の説明においては、圧力上昇通路36から円筒部32と第1の外壁部33との間の空間、第1の外壁部33と113との間の空間、気泡発生部材103の外周面と第2の円筒部12の内周面との間の空間、および棒状部53の外周面と第2の円筒部12の内周面との間区の空間を通って貫通孔63に至る経路を補助流路と称する。
【0101】
なお、気泡発生部材103の圧力上昇通路36の上端の開口と気泡安定管101の突起部13との間の距離は、5〜15mmであることが好ましい。また、気泡発生部材103の外周面と第2の円筒部12の内周面との間の距離は、5〜20mmであることが好ましい。また、気泡発生部材103の圧力上昇通路36の軸方向の長さは3〜20mmであることが好ましい。また、気泡発生部材103の第1の外壁部33の高さは2〜10mmであることが好ましい。
【0102】
また、本実施の形態においては、第1の外壁部33の上端と気泡安定管101の上面部113とにより形成される円筒状空間の外周面の面積は、水平方向における円筒部32と第1の外壁部33との間の環状領域の面積より大きい。また、水平方向における第2の円筒部12と第1の外壁部33との間の環状領域の面積は、上記円筒状空間の外周面の面積より大きい。すなわち、本実施の形態においては、第2の円筒部12内の上記補助流路の断面積が水701の流通方向に向かって段階的に拡大するように、第2の円筒部12および気泡発生部材103の各構成要素の寸法が設定されている。
【0103】
(3−2)気泡発生器の効果
上述したように、複数の第1の拡大部361の下端の開口面積の合計は、液体通路35の断面積よりも小さい。この場合、水701が液体通路35から空間30を介して第1の拡大部361へと流入する際に水701の流速が上昇し、水701の圧力が低下する。それにより、水701内に溶解されている空気が気泡となって出現する。
【0104】
また、圧力上昇通路36の断面積は、水701の流通方向に向かって漸次拡大する。この場合、水701が圧力上昇通路36内を流れる際に水701の流速が徐々に低下し、水701の圧力が上昇する。それにより、水701中の気泡が微細化される。
【0105】
また、水平方向における円筒部32と第1の外壁部33との間の環状領域の面積は、複数の第2の拡大部362の上端の開口面積の合計よりも大きい。この場合、水701が第2の拡大部362の上端の開口から流出する際に水701の流速が低下し、水701の圧力が上昇する。それにより、水701中の気泡がさらに微細化される。
【0106】
また、本実施の形態においては、第2の円筒部12内の補助流路の断面積が水701の流通方向に向かって段階的に拡大するように、第2の円筒部12および気泡発生部材103の各構成要素の寸法が設定されている。この場合、水701の圧力が段階的に上昇されるので、水701中の気泡を効率よく微細化することができる。
【0107】
また、第2の拡大部362の上端の開口と第2の円筒部12の上面部113とが対向するように気泡安定管101と気泡発生部材103とが連結されている。この場合、圧力上昇通路36において発生された気泡は、第2の拡大部362から流出する水701とともに第2の円筒部12の上面部113に衝突する。それにより、水701中の気泡がさらに微細化される。
【0108】
また、第2の円筒部12の上面部113には、第2の拡大部362の上端の開口に対向するように突起部13が設けられている。この場合、圧力上昇通路36において発生された気泡は、第2の拡大部362から流出する水701とともに突起部13に衝突する。それにより、水701中の気泡を効率よく微細化することができるとともに、気泡の結合を防止することができる。
【0109】
また、複数の第2の拡大部362の上端の開口の外方を取り囲むように第1の外壁部33が設けられている。この場合、圧力上昇通路36内において発生された微細気泡を、第1の外壁部33内において十分に安定させることができる。それにより、第2の拡大部362から流出した気泡が短時間で消失することを十分に防止することができる。
【0110】
また、気泡発生部材103において発生された気泡は、第2の円筒部12内を通過した後に気泡発生器100から吐出される。この場合、気泡発生部材103において発生された気泡を、第2の円筒部12内において十分に安定させることができる。それにより、気泡発生器100から浴槽700内に供給された気泡が短時間で消失することを十分に防止することができる。その結果、浴槽700内の気泡の数を十分に増加させることができる。
【0111】
また、本実施の形態に係る気泡発生器100においては、水701は、液体通路35内を一方向に向かって流れた後、圧力上昇通路36内を上記一方向と逆の方向に向かって流れる。その後、水701は、第2の円筒部12内を再び一方向に向かって流れる。
【0112】
このように、本実施の形態においては、気泡発生器100内において水701の流通方向を2度反転させている。それにより、気泡発生器100を大きくすることなく、気泡発生器100内における水701の流路を十分に長くすることができる。その結果、気泡発生器100内において気泡を十分に安定させることができる。
【0113】
以上の結果、水701中に微細気泡を安定して発生させることができる。
【0114】
<第2の実施の形態>
図7は、第2の実施の形態に係る気体溶解器600を示す概略断面図である。
【0115】
図7に示す気体溶解器600が図3の気体溶解器200と異なるのは以下の点である。
【0116】
図7に示すように、本実施の形態においては、第2の筐体202の底面部112の中央部および仕切り板203の中央部を貫通するように液体流通管401が設けられている。この場合、気体溶解器600の下方側から液体流通管401が挿入されるので、気体溶解器600の幅方向の大型化が防止される。それにより、気体溶解器600の設置自由度が向上する。
【0117】
<第3の実施の形態>
図8は、第3の実施の形態に係る気体溶解器610を示す概略断面図である。
【0118】
図8に示す気体溶解器610が図3の気体溶解器200と異なるのは以下の点である。
【0119】
図8に示すように、本実施の形態に係る気体溶解器610においては、噴出ノズル222と液体流出管241との間を遮蔽するように、気泡上昇板223が液体流出管241側に傾斜して設けられている。この場合、噴出ノズル222から第2の筐体202内に水701が噴出された際に水701中に発生した気泡が液体流出管241に到達することを確実に防止することができる。それにより、第2の筐体202内において、水701中に気泡を十分な時間滞留させることができるとともに、気泡が液体流出管241から流出することを確実に防止することができる。その結果、第2の筐体202内において気泡を確実に水701に溶解させることができる。
【0120】
<第4の実施の形態>
図9は、第4の実施の形態に係る気体溶解器620を示す概略断面図である。
【0121】
図9に示す気体溶解器620が図3の気体溶解器200と異なるのは以下の点である。
【0122】
図9に示すように、本実施の形態に係る気体溶解器620においては、噴出ノズル222と液体流出管241との間を遮蔽するように、気泡上昇板223の上部が液体流出管241側に傾斜されている。この場合、噴出ノズル222から第2の筐体202内に水701が噴出された際に水701中に発生した気泡が液体流出管241に到達することを確実に防止することができる。それにより、第2の筐体202内において、水701中に気泡を十分な時間滞留させることができるとともに、気泡が液体流出管241から流出することを確実に防止することができる。その結果、第2の筐体202内において気泡を確実に水701に溶解させることができる。
【0123】
<噴出ノズルの他の例>
図10〜図12は、図3および図7〜図9の液体供給管400および仕切り板203に設けられる噴出ノズルの他の例を示す図である。なお、図10〜図12において(a)は噴出ノズルの斜視図であり、(b)は噴出ノズルの上面図である。
【0124】
図10に示す噴出ノズル224は、円筒状の本体部41、本体部41の上面に放射状に形成される複数の噴出口42を有する。なお、本体部41の下端側は図3の噴出ノズル221と同様に開口している。
【0125】
この噴出ノズル224を液体流通管401(図3)に設けた場合、各噴出口42から第1の筐体201の天井部111に向けて水701を高速で噴出させることができる。それにより、水701を第1の筐体201の天井部111に高速で衝突させることができる。その結果、水701中に空気を確実に溶解させることができる。
【0126】
また、この噴出ノズル224を仕切り板203(図3)に設けた場合、各噴出口42から第2の筐体202内に向けて水701を高速で噴出させることができる。それにより、第2の筐体202内において水701を十分に攪拌することができる。その結果、水701中に空気を十分に溶解させることができる。
【0127】
図11に示す噴出ノズル225は、略漏斗状に形成されており、流入口551および流入口551より径大の噴出口552を有する。この噴出ノズル225を液体流通管401(図3)に設けた場合、噴出口552から第1の筐体201の天井部111の下面の広い範囲に向けて水701を噴出させることができる。この場合、噴出ノズル225から噴出された水701を第1の筐体201の天井部111の外周部に容易に到達させることができる。それにより、第1の筐体201内において十分に高い位置から水701を落下させることができるので、水701の落下速度が上昇する。その結果、噴出ノズル225から噴出された水701が第1の筐体201内に貯留されている水701へ落下する際に大きな衝撃が発生する。それにより、第1の筐体201内においてより多くの空気を水701に溶解させることが可能になる。
【0128】
また、この噴出ノズル225を仕切り板203(図3)に設けた場合、噴出口552から第2の筐体202内の広い領域に向けて水701を噴出させることができる。それにより、第2の筐体202内の広い領域において、水701を攪拌することができる。その結果、十分な量の空気を水701に溶解させることができる。
【0129】
図12に示す噴出ノズル226は、円筒状の本体部611および略半球状の噴出部621を有する。噴出部621の中央には、上方から見た場合に略楕円形状となる噴出口631が形成されている。なお、本体部611の下端側は図3の噴出ノズル221と同様に開口している。また、本体部611の内部空間の断面積は、噴出口631の面積より大きい。
【0130】
この噴出ノズル226を液体流通管401(図3)に設けた場合、噴出口631から第1の筐体201の天井部111の下面の広い範囲に向けて水701を噴出させることができる。この場合、噴出ノズル226から噴出された水701を第1の筐体201の天井部111の下面の外周部に容易に到達させることができる。それにより、第1の筐体201内において十分に高い位置から水701を落下させることができるので、水701の落下速度が上昇する。その結果、噴出ノズル225から噴出された水701が第1の筐体201内に貯留されている水701へ落下する際に大きな衝撃が発生する。それにより、第1の筐体201内においてより多くの空気を水701に溶解させることが可能になる。
【0131】
また、噴出ノズル226においては、噴出口631の面積が本体部611の内周面の面積よりも小さいので、噴出口631から噴出される水701の流速を十分に高くすることができる。それにより、第1の筐体201内において、噴出ノズル226から噴出される水701を高速で天井部111に衝突させることができる。その結果、第1の筐体201内において十分な量の空気を水701に溶解させることが可能になる。
【0132】
また、この噴出ノズル226を仕切り板203(図3)に設けた場合、噴出口631から第2の筐体202内の広い領域に向けて水701を高速で噴出させることができる。それにより、第2の筐体202内の広い領域において、水701を十分に攪拌することができる。その結果、十分な量の空気を水701に溶解させることができる。
【0133】
<仕切り板の他の例>
図13〜図16は、気体溶解器200(図3)に設けられる仕切り板の他の例を示す図である。
【0134】
図13に示す仕切り板204においては、第1の筐体201(図3)内および第2の筐体202(図3)内に収容される部分が上方に凸となるように屈曲している。この場合、気体溶解器200内に形成される2つの空間のうち第1の筐体201側の空間の容積を小さくし、第2の筐体202側の空間の容積を大きくすることができる。
【0135】
一方、図14に示す仕切り板205においては、第1の筐体201内および第2の筐体202内に収容される部分が下方に凸となるように屈曲している。この場合、気体溶解器200内に形成される2つの空間のうち第1の筐体201側の空間の容積を大きくし、第2の筐体202側の空間の容積を小さくすることができる。
【0136】
したがって、図13および図14に示す仕切り板204,205を選択的に用いることにより、気体溶解器200内に形成される2つの空間の容積の比率を変えることができる。この場合、気体溶解器200および気泡発生器100の用途および使用環境に応じて上記2つの空間の容積の比率を変えることができるので、気体溶解器200の利便性が向上する。
【0137】
図15に示す仕切り板206においては、第1の筐体201内および第2の筐体202内に収容される部分の厚さが貫通孔214が形成される部分の厚さに比べて大きくなっている。この場合、気体溶解器200内に形成される2つの空間の容積を小さくすることができる。
【0138】
一方、図16に示す仕切り板207においては、貫通孔214が形成される部分の厚さが第1の筐体201内および第2の筐体202内に収容される部分の厚さに比べて大きくなっている。この場合、気体溶解器200内に形成される2つの空間の容積を大きくすることができる。
【0139】
したがって、図15および図16に示す仕切り板206,207を選択的に用いることにより、気体溶解器200内に形成される2つの空間の容積を減少および増加させることができる。この場合、気体溶解器200および気泡発生器100の用途および使用環境に応じて気体溶解器200内に形成される空間の容積を変えることができるので、気体溶解器200の利便性が向上する。
【0140】
<気泡発生器の他の例>
図17〜図20は、気泡発生器の他の例を示す図である。
【0141】
まず、図17および図18の気泡発生器120について説明する。図17および図18の気泡発生器120が図5の気泡発生器100と異なるのは以下の点である。
【0142】
図17および図18に示すように、本例の気泡発生器120においては、支持部材105に棒状部53(図5)が形成されていない。また、気泡発生器120には、固定部材106(図5)が設けられていない。本例においては、例えば、ねじ機構等により気泡発生部材103と支持部材105とが固定される。
【0143】
支持部材105の中央部には、リリーフバルブ54が埋設されている。リリーフバルブ54は、円板部55および円筒部56を有する。円板部55の中央部には、断面円形の液体導入路57が形成されている。
【0144】
円筒部56の下端には、フランジ部58が形成されている。フランジ部58の中央部には、断面円形の液体導出路59が形成されている。円筒部56の内部には、コイルばね71および移動板72が設けられている。コイルばね71の一端はフランジ部58に固定され、他端は移動板72の下面に固定されている。移動板72には、環状の液体通路73が形成されている。移動板72は、円筒部56の軸方向に移動可能に設けられている。また、移動板72は、コイルばね71により円板部55側に付勢されている。
【0145】
なお、本例においては、液体導入路57が液体通路73の内方に位置するように液体導入路57および液体通路73の位置および直径が設定されている。
【0146】
ここで、気泡発生器120内を水701が正常に流通している場合には、液体導入路57内の水701が移動板72に与える圧力よりも、コイルばね71が移動板72に与える圧力の方が高い。この場合、図17に示すように、移動板72は円板部55の下面に当接される。
【0147】
それにより、液体導入路57の下端の開口が移動板72により封止される。その結果、液体導入路57から円筒部56内へ水701が流入することが防止される。したがって、水701は、液体通路35、空間30および圧力上昇通路36を通るように流れる。
【0148】
一方、圧力上昇通路36に水701中の浮遊物が堆積すること等により気泡発生部材103内における水701の流れが悪くなった場合には、気泡発生部材103内の水701の圧力が上昇する。それにより、液体導入路57内の水701が移動板72に与える圧力が高くなる。その結果、図18に示すように、移動板72が円筒部56のフランジ部58側へ押し込まれる。
【0149】
この場合、液体導入路57の下端の開口が開放され、液体通路35内の水701の一部は、液体導入路57、液体通路73、および液体導出路59を通るように流れる。それにより、気泡発生部材103内の水701の圧力が高くなることが防止される。その結果、気泡発生部材103の損傷を防止することができる。
【0150】
図19および図20は、気泡発生器のさらに他の例を示す図である。
【0151】
図19および図20の気泡発生器130が図17および図18の気泡発生器120と異なるのは以下の点である。
【0152】
図19および図20に示すように、気泡発生器130の支持部材105の中央部には、下方に向かって延びるように円筒部81が形成されている。円筒部81の下端にはフランジ部82が形成されている。フランジ部82の中央部には断面円形の誘導通路83が形成されている。
【0153】
また、フランジ部82には係止弁84が設けられている。係止弁84は、本体部841および先端部842を有する。なお、この係止弁84は、先端部842に所定の圧力が加えられた場合に先端部842が本体部841内に収容される機構を有する。
【0154】
円筒部56は、円筒部81内に設けられている。また、円筒部81内において円筒部56とフランジ部82との間には、通知部材85が円筒部81の軸方向に移動可能に設けられている。通知部材85は、フランジ部86および円筒部87を有する。また、通知部材85内には、断面円形の液体通路88が形成されている。
【0155】
図19に示すように、正常時すなわち液体導入路57から円筒部56内へ水701が流入していない場合には、通知部材85は円筒部81内に収容されている。このとき、円筒部87の下端は係止弁84の先端部841によって係止される。それにより、円筒部87の移動が防止される。
【0156】
一方、液体導入路57から円筒部56内に水701が流入している場合、その水701は通知部材85の液体通路88を通って円筒部81から流出する。このとき、その水701の流れにより通知部材85が水701の流通方向へ押される。それにより、図20に示すように、円筒部87が係止弁84の先端部842を本体部841内へ押し込みつつ下方に向かって移動する。その結果、円筒部87の下端部が円筒部81外へ突出する。
【0157】
この場合、使用者は、円筒部87が円筒部81外へ突出していることを視認することにより、気泡発生器130の異常を検知することができる。それにより、気泡発生器130のメインテナンスを適切な時期に行うことが可能になる。
【0158】
<気泡発生部材の他の例>
(1)液体通路の他の例
上記の例においては、図5に示すように、気泡発生部材103の液体通路35は断面積が変化しない円柱形状を有するが、液体通路35の形状は上記の例に限定されない。
【0159】
例えば、液体通路35の下端の開口面積が液体通路35の上端の開口面積よりも小さくてもよい。この場合、液体通路35の下端側で水701の流速が上昇し、圧力が低下する。それにより、液体通路35の下端側において水701中に気泡を発生させることができる。
【0160】
なお、液体通路35の上端の開口面積が圧力上昇通路36の下端の開口面積の合計より大きくなるように液体通路35および圧力上昇通路36の形状および寸法が設定される。
【0161】
(2)圧力上昇通路の他の例
図21および図22は、気泡発生部材103(図6)の本体部31に形成される圧力上昇通路36の他の例を示す図である。なお、図21および図22において水701は圧力上昇通路36内を矢印で示す方向に向かって流通するものとする。
【0162】
図21に示す圧力上昇通路36は、断面積が上方に向かって同じ割合で連続的に漸次拡大している。この場合、水701が圧力上昇通路36内を流れる際に水701の流速が徐々に低下し、水701の圧力が徐々に上昇する。それにより、水701中の気泡が効率よく微細化される。
【0163】
図22に示す圧力上昇通路36は、液体導入路363、第1の拡大部364および第2の拡大部365からなる。この圧力上昇通路36においては、第1の拡大部364の断面積は液体導入路363の断面積より大きく、第2の拡大部365の断面積は第1の拡大部364の断面積より大きい。すなわち、本例においては、圧力上昇通路36の断面積が段階的に不連続に拡大している。
【0164】
この場合、水701が液体導入路363から第1の拡大部364に流入する際に水701の流速が低下し、水701の圧力が上昇する。それにより、水701内の気泡が微細化される。
【0165】
また、水701が第1の拡大部364から第2の拡大部365に流入する際に水701の流速がさらに低下し、水701の圧力がさらに上昇する。それにより、水701中の気泡をさらに微細化することができる。
【0166】
なお、図22においては、圧力上昇通路36に2つの拡大部364,365が設けられる場合について説明したが、同様の拡大部が1つだけ設けられてもよく、3つ以上の拡大部が設けられてもよい。
【0167】
<気泡発生装置の他の構成例>
図23は、気泡発生装置の他の構成例を示す図である。
【0168】
図23に示す気泡発生装置2000が図1の気泡発生装置1000と異なるのは以下の点である。
【0169】
図23に示すように、本例における気泡発生装置2000においては、液体供給管400により、気体溶解タンク200と浴槽700とが連結されている。また、液体供給管400には、ポンプ450が介挿されている。
【0170】
本例における気泡発生装置2000においては、ポンプ450が起動されることにより、浴槽700内の水701が液体流通管400を介して気体溶解タンク200に供給される。上述したように、気体溶解タンク200においては、水701に空気が溶解される。
【0171】
気体溶解タンク200において空気が溶解された水701は、液体流通管300を介して気泡発生器100に供給される。上述したように、気泡発生器100において、水701に微細気泡が発生される。それにより、浴槽700内の水701に微細気泡が供給される。したがって、本例における気泡発生装置2000においては、浴槽700内の水701を循環させつつ、浴槽700内の水701に十分な量の微細気泡を発生させることができる。
【0172】
また、本例における気泡発生装置2000においては、気体溶解タンク200が気泡発生器100より上方に配置されている。この場合、浴槽700内の水701の水位が気泡発生器100より下方に下がることにより、気体溶解タンク200内の水が気泡発生器100から排出される。したがって、本例においては、浴槽700内の水701を排出することにより、気体溶解タンク200内に空気を容易に供給することができる。
【0173】
<他の実施の形態>
上記実施の形態においては、1つの仕切り板203によって気体溶解器200内に2つの空間が形成されているが、2つ以上の仕切り板203によって気体溶解器200内に3つ以上の空間が形成されてもよい。
【0174】
また、仕切り板203を設けなくてもよい。すなわち、気体溶解器200内の空間が複数の空間に分割されていなくてもよい。
【0175】
また、上記実施の形態においては、仕切り板203に噴出ノズル221,224〜226を設ける場合について説明したが、噴出ノズル221,224〜226と同様の形状の孔を仕切り板203に形成してもよい。
【0176】
また、上記実施の形態においては、第1の筐体201の天井部111が下方に向かって緩やかに湾曲しているが、天井部111が急峻に湾曲してもよい。例えば、天井部111が略V字状に湾曲してもよい。
【0177】
<請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応>
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
【0178】
上記実施の形態では、第1の筐体201および第2の筐体202が気体溶解室の例であり、噴出ノズル221が第1の噴出部の例であり、第1の筐体201が第1の溶解室の例であり、第2の筐体202が第2の溶解室の例であり、液体流出管241が液体流出部の例であり、補助空間240が液体供給空間の例であり、噴出ノズル222が第2の噴出部の例であり、気泡上昇板223が変更板の例であり、液体通路35の上端が流入口の例であり、液体通路35が第1の流路の例であり、圧力上昇通路36が第2の流路の例であり、気泡発生部材103および支持部材105が本体部の例であり、圧力上昇通路36の上端が流出口の例である。
【0179】
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
【実施例】
【0180】
実施例および比較例の気泡発生装置を用いて気泡発生実験を行った。以下、その気泡発生実験について説明する。
【0181】
(実施例)
実施例の気泡発生装置としては、図1〜図6で説明した気泡発生装置1000を用いた。なお、実施例においては、図5に示される棒状部53および円板部62は設けられていない。
【0182】
(比較例1)
比較例1の気泡発生装置1000が実施例の気泡発生装置1000と異なるのは以下の点である。
【0183】
図24は、比較例1の気泡発生装置1000に設けられる気体溶解器801を示す概念図である。図24に示すように、比較例1の気体溶解器801においては、第1の筐体201の天井部111は湾曲しておらず、平板形状を有する。また、液体流通管401は、天井部111の中央部を貫通するように設けられる。噴出ノズル221からは下方に向かって水701が噴出される。
【0184】
(比較例2)
比較例2の気泡発生装置1000が実施例の気泡発生装置1000と異なるのは以下の点である。
【0185】
図25は、比較例2の気泡発生装置1000に設けられる気体溶解器802を示す概念図である。図25に示すように、比較例2の気体溶解器802においては、第1の筐体201が略半球形状を有する。
【0186】
(比較例3)
比較例3の気泡発生装置1000が実施例の気泡発生装置1000と異なるのは以下の点である。
【0187】
図26は、比較例3の気泡発生装置1000に設けられる気泡発生器901を示す概念図である。図26に示すように、比較例3の気泡発生器901においては、液体通路35と本体部31との間に、空間38が形成されている。圧力上昇通路36の断面積は下方に向かって漸次拡大する。また、気泡安定管101内には、圧力上昇通路36の下端の開口に対向するように衝突板39が設けられている。この気泡発生器901においては、液体供給管400から液体通路35内に供給される水は、図26に矢印で示すように、空間38および圧力上昇通路36を通った後、衝突板39に衝突するように流れる。
【0188】
(比較例4)
比較例4の気泡発生装置1000が比較例3の気泡発生装置1000と異なるのは以下の点である。
【0189】
図27は、比較例4の気泡発生装置1000に設けられる気泡発生器902を示す概念図である。図27に示すように、比較例4の気泡発生器902においては、圧力上昇通路36は、液体導入路366およびその液体導入路366より大きい断面積を有する拡大部367からなる。
【0190】
(比較例5)
比較例5の気泡発生装置1000が比較例3の気泡発生装置1000と異なるのは以下の点である。
【0191】
図28は、比較例5の気泡発生装置1000の気泡発生器903を示す概念図である。図28に示すように、比較例5の気泡発生器903においては、圧力上昇通路36は断面積が変化しない円柱形状を有する。
【0192】
(評価1)
評価1においては、実施例、比較例1および比較例2の気泡発生装置1000を用いて浴槽700内の水701中に微細気泡を発生させ、浴槽700内の水701を微細気泡により十分に白濁させた。その後、気泡発生装置1000による微細気泡の発生を停止し、水701の白濁状態が保持される時間を測定した。なお、この評価1および後述する評価2においては、水平方向の断面積が0.78m(0.6m×1.3m)の浴槽700を用いた。また、浴槽700内の水701の量は200Lである。
【0193】
図29は、水701の白濁状態の保持時間の測定結果を示すグラフである。図29に示すように、実施例の気泡発生装置1000を用いて微細気泡を発生させた場合、水701の白濁状態は110秒間保持された。
【0194】
一方、比較例1の気泡発生装置1000を用いた場合、水701の白濁状態の保持時間は75秒間であり、比較例2の気泡発生装置1000を用いた場合、水701の白濁状態の保持時間は100秒間であった。
【0195】
以上の結果から、実施例の気泡発生装置1000によれば、水701中に十分な量の微細気泡を発生させることができることがわかる。また、実施例の気泡発生装置1000によって水701中に微細気泡を発生させることにより、微細気泡が短時間で消失することを十分に防止できることがわかる。
【0196】
(評価2)
評価2においては、実施例および比較例3〜5の気泡発生装置1000を用いて浴槽700内の水701に中に微細気泡を発生させた。そして、水701の液面が微細気泡により十分に白濁されるまでに要する時間(以下、白濁時間と称する)を測定した。
【0197】
図30は、白濁時間の測定結果を示すグラフである。図30に示すように、実施例の気泡発生装置1000を用いて微細気泡を発生させた場合、白濁時間は90秒であった。
【0198】
一方、比較例3の気泡発生装置1000を用いた場合、白濁時間は120秒であり、比較例4の気泡発生装置1000を用いた場合、白濁時間は180秒であった。なお、比較例5の気泡発生装置1000を用いた場合、測定時間内に水701の液面全体を十分に白濁させることができなかった。
【0199】
以上の結果から、実施例の気泡発生装置1000によれば、水701中に十分な量の微細気泡を迅速に発生させることができることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0200】
本発明は、種々の気泡発生装置等に有効に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0201】
【図1】第1の実施の形態に係る気体溶解器およびそれを備えた気泡発生装置の一例を示す図
【図2】気体溶解器を示す外観斜視図
【図3】気体溶解器を示す概略断面図
【図4】図1の気泡発生器の組み立て斜視図
【図5】図1の気泡発生器の縦断面図
【図6】気泡発生部材の上面図
【図7】第2の実施の形態に係る気体溶解器を示す概略断面図
【図8】第3の実施の形態に係る気体溶解器を示す概略断面図
【図9】第4の実施の形態に係る気体溶解器を示す概略断面図
【図10】噴出ノズルの他の例を示す図
【図11】噴出ノズルの他の例を示す図
【図12】噴出ノズルの他の例を示す図
【図13】仕切り板の他の例を示す図
【図14】仕切り板の他の例を示す図
【図15】仕切り板の他の例を示す図
【図16】仕切り板の他の例を示す図
【図17】気泡発生器の他の例を示す図
【図18】気泡発生器の他の例を示す図
【図19】気泡発生器の他の例を示す図
【図20】気泡発生器の他の例を示す図
【図21】圧力上昇通路の他の例を示す図
【図22】圧力上昇通路の他の例を示す図
【図23】気泡発生装置の他の構成例を示す図
【図24】比較例1の気泡発生装置の気体溶解器を示す概念図
【図25】比較例2の気泡発生装置の気体溶解器を示す概念図
【図26】比較例3の気泡発生装置の気泡発生器を示す概念図
【図27】比較例4の気泡発生装置の気泡発生器を示す概念図
【図28】比較例5の気泡発生装置の気泡発生器を示す概念図
【図29】白濁状態の保持時間の測定結果を示すグラフ
【図30】白濁時間の測定結果を示すグラフ
【図31】浴槽と一体的に設けられる従来の気泡発生装置の一例を示す図
【符号の説明】
【0202】
13 突起部
33 第1の外壁部
35 液体通路
36 圧力上昇通路
71 コイルばね
72 移動板
85 通知部材
100,120,130 気泡発生器
101 気泡安定管
103 気泡発生部材
105 支持部材
111 天井部
113 上面部
200,600,610,620 気体溶解器
201 第1の筐体
202 第2の筐体
203 仕切り板
221,222 噴出ノズル
223 気泡上昇板
240 補助空間
241 液体流出管
250 空気弁
361 第1の拡大部
362 第2の拡大部
401 液体流通管
700 浴槽
701 水
1000 気泡発生装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体を液体に溶解させる気体溶解器であって、
天井部を有する気体溶解室と、
液体を前記気体溶解室内から前記天井部に向かって噴出する第1の噴出部とを備え、
前記天井部は下に凸となるように湾曲する下面を有することを特徴とする気体溶解器。
【請求項2】
前記天井部の下面は中心部が最下点となるように形成され、前記第1の噴出部は前記下面の中心部に対向するように設けられることを特徴とする請求項1記載の気体溶解器。
【請求項3】
前記天井部の下面は略円弧状または略V字状に湾曲することを特徴とする請求項2記載の気体溶解器。
【請求項4】
前記気体溶解室は、前記天井部を有する第1の溶解室と、前記第1の溶解室の下方に設けられる第2の溶解室とを含み、
前記第1の溶解室内の液体を前記第2の溶解室内に向かって噴出する第2の噴出部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の気体溶解器。
【請求項5】
前記第2の溶解室内から液体を流出させる液体流出部をさらに備え、
前記液体流出部は、前記第2の噴出部による液体の噴出方向の中心軸から離間されていることを特徴とする請求項4記載の気体溶解器。
【請求項6】
前記第2の溶解室は、前記液体流出部に連通し前記液体流出部に液体を供給する液体供給空間を有し、
前記液体流出部による液体の流出方向に垂直な方向における前記液体供給空間の断面積は、前記液体流出部側に向かって減少することを特徴とする請求項5記載の気体溶解器。
【請求項7】
前記第2の溶解室内における前記第2の噴出部と前記液体流出部との間に設けられ、前記第2の噴出部から噴出された液体の流れ方向を変更させる変更板をさらに備えることを特徴とする請求項5または6記載の気体溶解器。
【請求項8】
前記変更板は、前記第2の噴出部による液体の噴出方向の中心軸に対して略平行に設けられることを特徴とする請求項7記載の気体溶解器。
【請求項9】
前記変更板は、前記第2の噴出部による液体の噴出方向の中心軸に対して傾斜するように設けられることを特徴とする請求項7記載の気体溶解器。
【請求項10】
前記第1および第2の溶解室は分離可能に設けられていることを特徴とする請求項4〜9記載の気体溶解器。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかに記載の気体溶解器と、
前記気体溶解器に連結され前記気体溶解器から供給される液体に微細気泡を発生させる気泡発生器とを備え、
前記気泡発生器は、
流入口、第1の流路、第2の流路および流出口を有する本体部を備え、
前記第1の流路は、前記流入口から流入する液体を第1の方向へ導くように設けられ、
前記第2の流路は、前記第1の流路の下流端から導かれる液体を前記第1の方向と逆の第2の方向に導いて前記流出口から流出させるように設けられ、
前記第2の流路の上流端の断面積は前記流入口の面積よりも小さく、
前記流出口の面積は前記第2の流路の上流端の断面積よりも大きいことを特徴とする気泡発生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2009−66500(P2009−66500A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−236410(P2007−236410)
【出願日】平成19年9月12日(2007.9.12)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
【Fターム(参考)】