説明

気密容器

【課題】気密性に優れ、容器本体と蓋体との間の隙間が確実に閉じられているのかどうかを目視で確認することのできる気密容器を提供する。
【解決手段】上面に化粧料収容凹部1aが形成されたレフィルケース1と、このレフィルケース1の上面を蓋するレフィル蓋2と、レフィルケース1とレフィル蓋2との間に設けられるパッキン18とを備えている。そして、上記レフィルケース1の周側壁11の上端部外周面の相対向する両側辺に、内側に向かって下り傾斜状に傾斜する外周傾斜面12aを形成し、これら両外周傾斜面12aに対応する上記レフィル蓋2の周側壁15の下端部内周面の相対向する両側辺に、閉蓋状態で上記レフィルケース1の両外周傾斜面12aに着脱自在に係合して気密状に当接する内周傾斜面17aを形成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、揮発性の高い化粧料等の内容物を収容するのに適した気密容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、揮発性成分を含有する化粧料等を収容する化粧料容器等の気密容器として、その内部の気密性を保つために、各種の化粧料容器が提案されているが、このようなものとして、例えば、図7に示すコンパクト容器がある。このコンパクト容器は、上面中央に皿部31aが形成されこの皿部31aに化粧料33が充填された容器本体31と、この容器本体31の上面を蓋する蓋体32とを備えており、上記容器本体31の後端部に設けたヒンジ部31bに、上記蓋体32の後端部に設けたヒンジ部32aを回動軸34を介して枢着するようにしている。また、閉蓋時には、上記容器本体31の前端部に設けた係合突起31cと、上記蓋体32の前端部に設けた係合爪32bとが着脱自在に係合しており、かつ、上記蓋体32の天面に固定した環状ガスケット35が容器本体31の皿部31aの外周部に圧着して容器本体31内を気密状態に保持するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−272012号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のコンパクト容器では、閉蓋時に、容器本体31の後端部のヒンジ部31bと蓋体32の後端部のヒンジ部32aとの枢着、および容器本体31の前端部の係合突起31cと蓋体32の前端部の係合爪32bとの係合だけで、上記容器本体31に蓋体32を閉蓋,固定しているため、上記枢着および係合により強く固定されている部分以外の部分(すなわち、強く固定されていない部分)では、上記容器本体31と蓋体32との間に隙間ができやすくなるうえ、上記蓋体32により環状ガスケット35を押圧する力が弱くなり、気密性に劣る。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、気密性に優れた気密容器の提供をその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、本発明の気密容器は、上面に化粧料収容凹部が形成された容器本体と、この容器本体の上面を蓋する蓋体と、上記容器本体と蓋体との間に設られる気密用弾性部材とを備え、上記容器本体の周側壁の上端部周面の相対向する両側辺に第1傾斜面を形成し、これら両第1傾斜面に対応する上記蓋体の周側壁の下端部周面の相対向する両側辺に、閉蓋状態で上記容器本体の両第1傾斜面に着脱自在に係合して気密状に当接する第2傾斜面を形成したという構成をとる。
【発明の効果】
【0006】
すなわち、本発明の気密容器は、上面に化粧料収容凹部が形成された容器本体と、この容器本体の上面を蓋する蓋体と、上記容器本体と蓋体との間に設られる気密用弾性部材とを備え、上記容器本体の周側壁の上端部周面の相対向する両側辺に第1傾斜面を形成し、これら両第1傾斜面に対応する上記蓋体の周側壁の下端部周面の相対向する両側辺に、閉蓋状態で上記容器本体の両第1傾斜面に着脱自在に係合して気密状に当接する第2傾斜面を形成している。このように、本発明の気密容器では、閉蓋時に、上記容器本体の周側壁の上端部周面の相対向する両側辺に形成した第1傾斜面と、上記蓋体の周側壁の下端部周面の相対向する両側辺に形成した第2傾斜面とを、気密状に当接させるようにしているため、上記両側辺で、容器本体の周側壁と蓋体の周側壁との間の隙間をなくすことができるうえ、(上記容器本体と蓋体との間に設けた)気密用弾性部材を容器本体,蓋体で強い力で挟圧することができ、優れた気密性を有する。
【0007】
上記容器本体の周側壁の上端部外周面の相対向する両側辺に、内側に向かって下り傾斜状に傾斜する第1傾斜面を形成し、これら両第1傾斜面に対応する上記蓋体の周側壁の下端部内周面の相対向する両側辺に第2傾斜面を形成し、もしくは上記容器本体の周側壁の上端部内周面の相対向する両側辺に、外側に向かって下り傾斜状に傾斜する第1傾斜面を形成し、これら両第1傾斜面に対応する上記蓋体の周側壁の下端部外周面の相対向する両側辺に第2傾斜面を形成した場合には、上記容器本体の周側壁の上端部外周面と上記蓋体の周側壁の下端部内周面もしくは上記容器本体の周側壁の上端部内周面と上記蓋体の周側壁の下端部外周面を利用し、上記両周側壁間の気密性を保持することができる。特に、上記容器本体の周側壁の上端部外周面の相対向する両側辺に、内側に向かって下り傾斜状に傾斜する第1傾斜面を形成し、これら両第1傾斜面に対応する上記蓋体の周側壁の下端部内周面の相対向する両側辺に第2傾斜面を形成した場合には、上記蓋体を閉じた際に、蓋体の周側壁の下端部が容器本体の周側壁の上端部に位置している(すなわち、蓋体の周側壁の下端縁が容器本体の周側壁の上端縁より下側に位置している)ことで、上記両第1傾斜面と両第2傾斜面とが係合,当接していることを確認することができることから、上記容器本体に蓋体が確実に固定されているのかどうかを、外部から目視で確認することができる。
【0008】
上記第1傾斜面を上記容器本体の周側壁の上端部外周面の全周に形成し、上記第2傾斜面を上記蓋体の周側壁の下端部内周面の全周に形成し、もしくは上記第1傾斜面を上記容器本体の周側壁の上端部内周面の全周に形成し、上記第2傾斜面を上記蓋体の周側壁の下端部外周面の全周に形成し、上記容器本体の一側に蓋体をヒンジ連結し、このヒンジ連結部の回転中心位置を上記容器本体の上端部にもしくは上端部よりも低く設定すると、上記容器本体の周側壁の上端部外周面および上記蓋体の周側壁の下端部内周面の全周にわたって、もしくは上記容器本体の周側壁の上端部内周面および上記蓋体の周側壁の下端部外周面の全周にわたって、上記両周側壁間の隙間をなくすことができるうえ、気密用弾性部材の外周部をその全周にわたって容器本体,蓋体で強い力で挟圧することができ、確実に容器本体内を気密状態に保持することができる。しかも、上記容器本体の一側に蓋体をヒンジ連結し、このヒンジ連結部の回転中心位置を上記容器本体の上端部にもしくは上端部よりも低く設定しているため、閉蓋時および開蓋時における容器本体と蓋体との係合がスムーズに行え、上記両第1傾斜面と両第2傾斜面との係合,当接状態が、上記容器本体の周側壁の上端部外周面もしくは上端部内周面の相対向する両側辺(すなわち、これら両側辺に対応する上記蓋体の下端部内周面もしくは下端部外周面の相対向する両側辺)できつすぎたり、緩すぎたりすることがない。最適は、上記回転中心位置が蓋体の周側壁の下端部に設定されているときであり、容器本体の周側壁の上端部より高く設定されると、上記係合がスムーズに行いにくく、上記係合,当接状態は、上記両側辺の一側辺できつすぎ、他側辺で緩すぎるようになるおそれがある。
【0009】
上記容器本体の第1傾斜面の高さが1.5〜3.5mmの範囲であり、鉛直方向に対する傾斜角度が4〜15°の範囲であると、第1傾斜面の高さが長いうえ、勾配がなだらかであるため、容器本体に蓋体が固定されている時と、固定されていない時の状況を目視で確実に確認することができる。しかも、上記容器本体の第1傾斜面の高さが長すぎないため、上記両第1傾斜面と両第2傾斜面との当接部分が長くなりすぎず、小さな抵抗力しか発生しないことから、閉蓋状態の蓋体をスムーズに開蓋することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
つぎに、本発明の実施の形態を図面にもとづいて詳しく説明する。
【0011】
図1および図2は本発明の気密容器の一実施の形態を示している。この実施の形態では、気密容器として、コンパクト容器に収容して用いられる詰め替え用のレフィル容器が用いられている。これらの図において、1は上面に化粧料収容凹部1aが形成されこの化粧料収容凹部1aに揮発性化粧料3(図2参照)が収容された合成樹脂製のレフィルケース(容器本体)で、2は上記容器本体1の上面を蓋する合成樹脂製のレフィル蓋(蓋体)である。図1および図2において、4は開閉時に利用される前側凸部である。
【0012】
上記レフィルケース1は、略四角形の皿状体に形成されており、この皿状体を構成する(すなわち、内部に化粧料収容凹部1aが形成される)周側壁11の上端部外周面がその全周にわたって切り欠き形成されているとともに、この切り欠き部12の外周面が、その外周面の全周にわたって、かつその外周面の上端縁から下端縁にかけて、内側に向かって下り傾斜状に傾斜する外周傾斜面(第1傾斜面)12aに形成されている(図3参照)。この外周傾斜面12aの(鉛直方向の)高さL1 は1.5〜3.5mmの範囲に設定されており、鉛直方向に対する傾斜角度θ1 は4〜15°の範囲に設定されている。また、上記レフィルケース1には、その周側壁11の後壁中央部の外周面から後方に向かって左右一対の突片13が突設されており、これら両突片13間に円柱状のヒンジ軸13aが架設されている。このヒンジ軸13aの軸心(回転中心位置)13bの高さは、後述するレフィル蓋2の周側壁15の下端面15aと略同じ高さに設定されている。図1において、1bは上記レフィルケース1の4つの角部から突設された蓋押さえ材である。
【0013】
上記レフィル蓋2は、上記レフィルケース1の化粧料収容凹部1aを蓋する略四角形平板状の天板部14と、この天板部14の下面(の上記切り欠き部12に対応する部分)から突設された略四角形枠状の周側壁15と、この周側壁15の後壁中央部の外周面から後方に向かって突設された断面形状略U字状(円筒体から、その軸方向の全幅にわたって、円筒体の後壁〔略1/4円弧状部分〕を切り欠き形成した形状)のヒンジ連結部16とからなり、このヒンジ連結部16が上記レフィルケース1のヒンジ軸13aに回動自在で、かつ着脱自在に支受されている。
【0014】
また、上記レフィル蓋2の周側壁15の下部内周面がその全周にわたって切り欠き形成されているとともに、この切り欠き部17の内周面が、その内周面の全周にわたって、かつその内周面の上端縁から下端縁にかけて、内側に向かって下り傾斜状に傾斜する内周傾斜面(第2傾斜面)17aに形成されている(図3参照)。この内周傾斜面17aの(鉛直方向の)高さL2 は1.5〜3.5mmの範囲に設定されており、鉛直方向に対する傾斜角度θ2 は4〜15°の範囲に設定されている。このような内周傾斜面17aは、上記レフィルケース1の外周傾斜面12aに対し逆勾配形状に形成されており、閉蓋状態で、上記レフィルケース1の外周傾斜面12aとレフィル蓋2の内周傾斜面17aとが着脱自在に係合し、かつ気密状に当接するようにしている。
【0015】
また、上記レフィル蓋2には、その周側壁15の上部内周面に沿って、略四角形環状のシリコンゴム製のパッキン(気密用弾性部材)18が配設されており、上記天板部14の下面に接着等により固定されたパッキン押さえ材19により固定されている。このパッキン押さえ材19は、略四角形平板状の押さえ部19aと、この押さえ部19aの上面から突設され上記天板部14の下面に接着等により固定される略四角形枠状の脚部19bとからなり、上記押さえ部19aの外周部上面から突設される略四角形枠状の先鋭突起19cで上記パッキン18が押圧,固定されている。
【0016】
上記の構成において、閉蓋時には、上記レフィルケース1の外周傾斜面12aがレフィル蓋2の内周傾斜面17aに着脱自在に係合して気密状に当接しており、この当接により上記両傾斜面12a,17aの全周でレフィルケース1の内部が気密状態に保持されている。また、上記パッキン18の外周部の下面がレフィルケース1の周側壁11の上端面に押圧状に当接しており、この当接によってもレフィルケース1の内部が気密状態に保持されている。
【0017】
このように、上記実施の形態では、閉蓋時には、レフィルケース1の外周傾斜面12aとレフィル蓋2の内周傾斜面17aとの全周でレフィルケース1の内部が気密状態に保持されており、優れた気密性を有する。しかも、レフィル蓋2によりパッキン18の外周部がその全周にわたって強い力で押圧されて、レフィルケース1の周側壁11の上端面に押圧状に当接しており、確実にレフィルケース1内を気密状態に保持することができる。しかも、上記両傾斜面12a,17aを着脱自在に係合して気密状に当接させているため、上記レフィル蓋2の下端縁が上記レフィルケース1の上端面より下側に位置していることを目視することで、上記レフィルケース1にレフィル蓋2が固定されていることを確実に確認することができる。
【0018】
図4は本発明の気密容器の他の実施の形態を示している。この実施の形態では、レフィルケース1の周側壁11の外周面にその全周にわたって、この外周面との間に所定の隙間をあけた状態でL字状の外周側壁(周側壁)21が突設されている。この外周側壁21は、上記レフィルケース1の外周面の全周から水平に延びる横壁21aと、この横壁21aの外周縁部の全周から上方に向かって垂直に延びる縦壁21bとからなっており、この縦壁21bの上端部内周面には、その内周面の上端縁から外側に向かって下り傾斜状に傾斜する内周傾斜面(第1傾斜面)21cが形成されている。また、上記横壁21a上には、上記レフィルケース1の周側壁11と縦壁21bとの間に嵌着された状態で、略四角形環状のパッキン18が載置されている。したがって、この実施の形態では、レフィル蓋2にパッキン18を設けていない。また、上記レフィルケース1には、その外周側壁21の後端中央部の外周面から後方に向かって左右一対の突片13が突設されており、これら両突片13間に円柱状のヒンジ軸13aが架設されている。このヒンジ軸13aの軸心13bの高さは、上記レフィルケース1の上端面1cと略同じ高さに設定されている。
【0019】
上記レフィル蓋2の天板部14の下面(の上記隙間に対応する部分)から、上記隙間に挿入しうる周側壁22が突設されており、この周側壁22の外周面の全体(すなわち、外周面の上端縁から下端縁に至る部分)が、外側に向かって下り傾斜状に傾斜する外周傾斜面(第2傾斜面)22aに形成されている。この外周傾斜面22aは、上記レフィルケース1の内周傾斜面21cに対し逆勾配形状に形成されており、閉蓋状態で、上記レフィルケース1の内周傾斜面21cとレフィル蓋2の外周傾斜面22aとが着脱自在に係合し、かつ気密状に当接するようにしている。また、上記レフィル蓋2の周側壁22は、閉蓋状態では、上記パッキン18の上端面に押圧状に当接しうるようにしている。また、上記レフィル蓋2の天板部14の後壁中央部の外周面から後方に向かって断面形状略U字状のヒンジ連結部16が突設されており、このヒンジ連結部16が上記レフィルケース1のヒンジ軸13aに回動自在で、かつ着脱自在に支受されている。それ以外の部分は上記実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0020】
上記の構成において、閉蓋時には、上記レフィルケース1の外周側壁21の縦壁21bの内周傾斜面21cがレフィル蓋2の周側壁22の外周傾斜面22aに着脱自在に係合して気密状に当接しており、この当接により上記両傾斜面21c,22aの全周でレフィルケース1の内部が気密状態に保持されている。また、上記パッキン18の上端面がレフィル蓋2の周側壁22の下端面に押圧状に当接しており、この当接によってもレフィルケース1の内部が気密状態に保持されている。
【0021】
上記のように、この実施の形態では、閉蓋時には、レフィルケース1の内周傾斜面21cとレフィル蓋2の外周傾斜面22aとの全周でレフィルケース1の内部が気密状態に保持されており、優れた気密性を有する。しかも、パッキン18の上端面がレフィル蓋2の周側壁22の下端面に押圧状に当接しており、確実にレフィルケース1内を気密状態に保持することができる。
【0022】
図5は本発明の気密容器のさらに他の実施の形態を示している。この実施の形態では、レフィルケース1の周側壁11の外周面にその全周にわたって、この外周面との間に所定の隙間をあけた状態でL字状の外周側壁(周側壁)21が突設されているとともに、この外周側壁21を構成する縦壁21bの外周面の全周から水平に載置板24が突設されており、閉蓋状態では、この載置板24上にレフィル蓋2の周側壁25の下端面が載置れている。上記外周側壁21は、上記レフィルケース1の外周面の全周から水平に延びる横壁21aと、この横壁21aの外周縁部の全周から上方に向かって垂直に延びる縦壁21bとからなっており、この縦壁21bの上部外周面(上記載置板24より上側部分の外周面)の全体(すなわち、外周面の上端縁から下端縁に至る部分)が、内側に向かって下り傾斜状に傾斜する外周傾斜面(第1傾斜面)21dに形成されている。また、上記外周側壁21の横壁21a上には、上記レフィルケース1の周側壁11と縦壁21bとの間に嵌着された状態で、パッキン18が載置されている。また、上記載置板24には、その後壁中央部の外周面から後方に向かって左右一対の突片23が突設されており、これら両突片23間に円柱状のヒンジ軸23aが架設されている。このヒンジ軸23aの軸心23bの高さはレフィル蓋2の周側壁25の下端面と略同じ高さに設定されている。
【0023】
上記レフィル蓋2の天板部14の下面(の上記載置板24に対応する部分)から周側壁25が垂下しており、この周側壁25の下端部(すなわち、上記外周傾斜面21dに対応する部分)の外周面の全体に、その外周面の上端縁から下端縁にかけて、内側に向かって下り傾斜状に傾斜する内周傾斜面(第2傾斜面)25aが形成されている。この内周傾斜面25aは、上記レフィルケース1の外周傾斜面21dに対し逆勾配形状に形成されており、閉蓋状態で、上記レフィルケース1の外周傾斜面21dとレフィル蓋2の内周傾斜面25aとが着脱自在に係合し、かつ気密状に当接するようにしている。また、上記レフィル蓋2の天板部14の下面(の上記パッキン18に対応する部分)から突設される略四角形環状の環状凸部26は、閉蓋状態で上記パッキン18の上端面を押圧するようにしている。また、上記レフィル蓋2の周側壁25の後壁中央部の外周面から後方に向かって断面形状略U字状のヒンジ連結部16が突設されており、このヒンジ連結部16が上記レフィルケース1のヒンジ軸23aに回動自在で、かつ着脱自在に支受されている。それ以外の部分は、図1〜図3に示す実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0024】
上記の構成において、閉蓋時には、上記レフィルケース1の外周側壁21の縦壁21bの外周傾斜面21dがレフィル蓋2の周側壁25の内周傾斜面25aに着脱自在に係合して気密状に当接しており、この当接により上記両傾斜面21d,25aの全周でレフィルケース1の内部が気密状態に保持されている。また、上記レフィル蓋2の環状凸部26の下端部がパッキン18の上端面に押圧状に当接しており、この当接によってもレフィルケース1の内部が気密状態に保持されている。
【0025】
上記のように、この実施の形態では、閉蓋時には、レフィルケース1の外周傾斜面21dとレフィル蓋2の内周傾斜面25aとの全周でレフィルケース1の内部が気密状態に保持されており、優れた気密性を有する。しかも、レフィル蓋2の環状凸部26によりパッキン18の上端面がその全周にわたって強い力で押圧されており、確実にレフィルケース1内を気密状態に保持することができる。しかも、上記両傾斜面21d,25aを着脱自在に係合して気密状に当接させているため、上記レフィル蓋2の下端縁が上記外周側壁21の縦壁21bの上端面より下側に位置していることを目視することで、上記レフィルケース1にレフィル蓋2が固定されていることを確実に確認することができる。
【0026】
図6は本発明の気密容器のさらに他の実施の形態を示している。この実施の形態では、上記レフィルケース1の周側壁11の上端部外周面が、その外周面の全周にわたって、かつその外周面の上端縁から下端縁にかけて、内側に向かって下り傾斜状に傾斜する外周傾斜面(第1傾斜面)11aに形成されている。また、上記レフィルケース1の周側壁11の外周面にその全周にわたって、この外周面との間に所定の隙間をあけた状態でL字状の外周側壁(周側壁)28が突設されている。この外周側壁28は、上記レフィルケース1の外周面の全周から水平に延びる横壁28aと、この横壁28aの外周縁部の全周から上方に向かって垂直に延びる縦壁28bとからなっており、上記横壁28a上には、上記レフィルケース1の周側壁11と縦壁28bとの間に嵌着された状態で、パッキン18が載置されている。また、上記レフィルケース1には、その外周側壁28の縦壁28bの後壁中央部の外周面から後方に向かって左右一対の突片23が突設されており、これら両突片23間に円柱状のヒンジ軸23aが架設されている。このヒンジ軸23aの軸心23bの高さは、上記レフィル蓋2の周側壁29の下端面と略同じ高さに設定されている。
【0027】
上記レフィル蓋2の天板部14の下面(の上記隙間に対応する部分)から突設される周側壁29の内周面は、その内周面の上端縁から下端縁にかけて、内側に向かって下り傾斜状に傾斜する内周傾斜面(第2傾斜面)29aに形成されている。この内周傾斜面29aは、上記レフィルケース1の外周傾斜面11aに対し逆勾配形状に形成されており、閉蓋状態で、上記レフィルケース1の外周傾斜面11aとレフィル蓋2の内周傾斜面29aとが着脱自在に係合し、かつ気密状に当接するようにしている。また、上記レフィル蓋2の周側壁29の後壁中央部の外周面から後方に向かって断面形状略U字状のヒンジ連結部16が突設されており、このヒンジ連結部16が上記レフィルケース1のヒンジ軸23aに回動自在で、かつ着脱自在に支受されている。また、上記周側壁29は、閉蓋状態でパッキン18の上端面を押圧するようにしている。それ以外の部分は、図1〜図3に示す実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0028】
上記の構成において、閉蓋時には、上記レフィルケース1の周側壁11の外周傾斜面11aがレフィル蓋2の周側壁29の内周傾斜面29aに着脱自在に係合して気密状に当接しており、この当接により上記両傾斜面11a,29aの全周でレフィルケース1の内部が気密状態に保持されている。また、上記パッキン18の上端面がレフィル蓋2の周側壁29の下端面に押圧状に当接しており、この当接によってもレフィルケース1の内部が気密状態に保持されている。
【0029】
上記のように、この実施の形態では、閉蓋時には、レフィルケース1の外周傾斜面11aとレフィル蓋2の内周傾斜面29aとの全周でレフィルケース1の内部が気密状態に保持されており、優れた気密性を有する。しかも、レフィル蓋2の周側壁29によりパッキン18の上端面がその全周にわたって強い力で押圧されており、確実にレフィルケース1内を気密状態に保持することができる。しかも、上記両傾斜面11a,29aを着脱自在に係合して気密状に当接させているため、上記レフィル蓋2の下端縁が上記レフィルケース1の上端面より下側に位置していることを目視することで、上記レフィルケース1にレフィル蓋2が固定されていることを確実に確認することができる。
【0030】
なお、上記各実施の形態では、レフィルケース1の周側壁11の外周面,外周側壁21の縦壁21bの内周面もしくは外周面の全周にわたって外周傾斜面11a,12a,21dもしくは内周傾斜面21cを形成し、レフィル蓋2の周側壁15,22,25,29の内周面もしくは外周面の全周にわたって外周傾斜面22aもしくは内周傾斜面17a,25a,29aを形成しているが、これに限定するものではなく、上記各周側壁11,15,22,25,29、外周側壁21の縦壁21bの左右両側壁もしくは前後両側壁にだけ形成してもよい。また、上記各実施の形態では、気密容器として、レフィル容器を用い、そのレフィルケース1の化粧料収容凹部1aに揮発性化粧料3を収容しているが、気密容器として、通常の化粧料容器を用いる場合には、化粧料収容凹部1aに化粧皿を収容することができる。また、上記各実施の形態では、レフィルケース1およびレフィル蓋2は略四角形に形成されているが、円形等各種の形状に形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の気密容器の一実施の形態を示す平面図である。
【図2】上記気密容器の断面図である。
【図3】図2のB部の拡大断面図である。
【図4】本発明の気密容器の他の実施の形態を示す断面図である。
【図5】本発明の気密容器のさらに他の実施の形態を示す断面図である。
【図6】本発明の気密容器のさらに他の実施の形態を示す断面図である。
【図7】従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0032】
1 レフィルケース
1a 化粧料収容凹部
2 レフィル蓋
11,15 周側壁
12a 外周傾斜面
17a 内周傾斜面
18 パッキン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に化粧料収容凹部が形成された容器本体と、この容器本体の上面を蓋する蓋体と、上記容器本体と蓋体との間に設けられる気密用弾性部材とを備え、上記容器本体の周側壁の上端部周面の相対向する両側辺に第1傾斜面を形成し、これら両第1傾斜面に対応する上記蓋体の周側壁の下端部周面の相対向する両側辺に、閉蓋状態で上記容器本体の両第1傾斜面に着脱自在に係合して気密状に当接する第2傾斜面を形成したことを特徴とする気密容器。
【請求項2】
上記容器本体の周側壁の上端部外周面の相対向する両側辺に、内側に向かって下り傾斜状に傾斜する第1傾斜面を形成し、これら両第1傾斜面に対応する上記蓋体の周側壁の下端部内周面の相対向する両側辺に第2傾斜面を形成し、もしくは上記容器本体の周側壁の上端部内周面の相対向する両側辺に、外側に向かって下り傾斜状に傾斜する第1傾斜面を形成し、これら両第1傾斜面に対応する上記蓋体の周側壁の下端部外周面の相対向する両側辺に第2傾斜面を形成した請求項1記載の気密容器。
【請求項3】
上記第1傾斜面を上記容器本体の周側壁の上端部外周面の全周に形成し、上記第2傾斜面を上記蓋体の周側壁の下端部内周面の全周に形成し、もしくは上記第1傾斜面を上記容器本体の周側壁の上端部内周面の全周に形成し、上記第2傾斜面を上記蓋体の周側壁の下端部外周面の全周に形成し、上記容器本体の一側に蓋体をヒンジ連結し、このヒンジ連結部の回転中心位置を上記容器本体の上端部にもしくは上端部よりも低く設定した請求項2記載の気密容器。
【請求項4】
上記容器本体の第1傾斜面の高さが1.5〜3.5mmの範囲であり、鉛直方向に対する傾斜角度が4〜15°の範囲である請求項1〜3のいずれか一記載の気密容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−61668(P2006−61668A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−310810(P2004−310810)
【出願日】平成16年10月26日(2004.10.26)
【出願人】(000158781)紀伊産業株式会社 (327)