気密容器
【課題】安価で、在庫管理等の管理面が簡単化し、しかも、パッキンだけを交換することができ、しかも、蓋体からパッキンを分離して分別廃棄することのできる気密容器を提供する。
【解決手段】上面に化粧料収容凹部1aが形成されたレフィルケース1と、上記レフィルケース1の上面を蓋するレフィル蓋2と、上記レフィル蓋2の裏面にその周側壁15の内周面に沿って環状に配置され上記レフィルケース1の上面に圧接して化粧料収容凹部1aの気密を保持するパッキン3とを備えている。そして、上記レフィル蓋2の周側壁15の内周面に嵌合用凸条17を形成し、上記パッキン3の外周面に、上記嵌合用凸条17に着脱自在に嵌合する環状溝部19を形成し、上記嵌合用凸条17と環状溝部19との嵌合によりパッキン3をレフィル蓋2の裏面に取着するように構成している。
【解決手段】上面に化粧料収容凹部1aが形成されたレフィルケース1と、上記レフィルケース1の上面を蓋するレフィル蓋2と、上記レフィル蓋2の裏面にその周側壁15の内周面に沿って環状に配置され上記レフィルケース1の上面に圧接して化粧料収容凹部1aの気密を保持するパッキン3とを備えている。そして、上記レフィル蓋2の周側壁15の内周面に嵌合用凸条17を形成し、上記パッキン3の外周面に、上記嵌合用凸条17に着脱自在に嵌合する環状溝部19を形成し、上記嵌合用凸条17と環状溝部19との嵌合によりパッキン3をレフィル蓋2の裏面に取着するように構成している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、揮発性の高い化粧料等の内容物を収容するのに適した気密容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、揮発性成分を含有する化粧料等を収容する化粧料容器等の気密容器として、その内部の気密性を保つために、各種の化粧料容器等が提案されているが、このようなものとして、例えば、図31に示す気密化粧料容器がある。この気密化粧料容器は、上面に化粧料収納部51aが形成されこの化粧料収納部51aの周縁部に環状溝部51bが形成された容器本体51と、この容器本体51を開閉する蓋体52と、上記容器本体51の環状溝部51bに取り付けられるリング状パッキン53とを備えており、このリング状パッキン53の外側形状に沿うようにして上記蓋体52の裏面から筒状リブ52aを一体に突設し、上記容器本体51に蓋体52を閉止した状態では、上記リング状パッキン53の膨出部53aを筒状リブ52aの内周に圧接させて、化粧料収納部51a内を密閉するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところが、上記の気密化粧料容器では、上記容器本体51の化粧料収納部51aの周縁部に形成した環状溝部51bにリング状パッキン53を取り付けているため、リング状パッキン53が大径化して高価になる。そこで、例えば、図32に示すように、蓋体56に環状ガスケット57を設けることで環状ガスケット57を小径化できるようにしたコンパクト容器が提案されている。このコンパクト容器は、上面中央に皿部55aが形成されこの皿部55aに化粧料58が充填された容器本体55と、この容器本体55の上面を蓋する蓋体56と、この蓋体56の天面に配設された環状ガスケット57とを備えており、この環状ガスケット57を上記蓋体56の天面に接着,固定した凹面板59で内嵌状に保持するようにしている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平11−56456号公報
【特許文献2】特開平10−272012号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のコンパクト容器では、上記蓋体56の天面に配設した環状ガスケット57を、上記蓋体56の天面に固定した凹面板59で保持しているため、上記蓋体56,環状ガスケット57以外に凹面板59が必要となり、その分高価になるうえ、部品点数が多くなり、在庫管理等の管理面が複雑化する。しかも、上記蓋体56の天面に凹面板59を接着,固定しているため、上記蓋体56,凹面板59から環状ガスケット57だけを分離することができず、環状ガスケット57が損傷等した場合にも、環状ガスケット57だけを交換することができず、蓋体56とともに交換しなければならず、しかも、コンパクト容器を廃棄する場合に、蓋体56,凹面板59と環状ガスケット57とに分別廃棄することができない。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、安価で、在庫管理等の管理面が簡単化し、しかも、環状ガスケット等の気密用弾性枠だけを交換することができ、しかも、蓋体から気密用弾性枠を分離して分別廃棄することのできる気密容器の提供をその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明は、上面に化粧料収容凹部が形成された容器本体と、上記容器本体の上面を蓋する蓋体と、上記蓋体の裏面にその周側壁の内周面に沿って環状に配置され上記容器本体の上面に圧接して化粧料収容凹部の気密を保持する気密用弾性枠とを備え、上記蓋体の周側壁の内周面に嵌合用凹部もしくは嵌合用凸部を形成し、上記気密用弾性枠の外周面に、上記嵌合用凹部もしくは嵌合用凸部に着脱自在に嵌合する被嵌合用凸部もしくは被嵌合用凹部を形成し、上記嵌合用部と被嵌合用部との嵌合により気密用弾性枠を蓋体の裏面に取着するように構成した気密容器を第1の要旨とし、上面に化粧料収容凹部が形成された容器本体と、上記容器本体の上面を蓋する蓋体と、上記蓋体の裏面にその周側壁の内周面に沿って環状に配置され上記容器本体の上面に圧接して化粧料収容凹部の気密を保持する気密用弾性枠とを備え、上記蓋体の周側壁との間に所定の隙間をあけた状態で上記蓋体の裏面から位置決め用凸部を突設し、上記位置決め用凸部の外周面に嵌合用凹部もしくは嵌合用凸部を形成し、上記気密用弾性枠の内周面に、上記嵌合用凹部もしくは嵌合用凸部に着脱自在に嵌合する被嵌合用凸部もしくは被嵌合用凹部を形成し、上記蓋体の周側壁と位置決め用凸部との間に気密用弾性枠を位置決めし、その状態で上記嵌合用部と被嵌合用部とを嵌合させることにより気密用弾性枠を蓋体の裏面に取着するように構成した気密容器を第2の要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
すなわち、本発明の第1の気密容器は、上面に化粧料収容凹部が形成された容器本体と、上記容器本体の上面を蓋する蓋体と、上記蓋体の裏面にその周側壁の内周面に沿って環状に配置され上記容器本体の上面に圧接して化粧料収容凹部の気密を保持する気密用弾性枠とを備えている。そして、上記蓋体の周側壁の内周面に嵌合用凹部もしくは嵌合用凸部を形成し、上記気密用弾性枠の外周面に、上記嵌合用凹部もしくは嵌合用凸部に着脱自在に嵌合する被嵌合用凸部もしくは被嵌合用凹部を形成し、上記嵌合用部と被嵌合用部との嵌合により気密用弾性枠を蓋体の裏面に取着するように構成している。このように、本発明の第1の気密容器では、上記蓋体の周側壁の内周面に形成した嵌合用部(すなわち、嵌合用凹部もしくは嵌合用凸部)と、上記気密用弾性枠の外周面に形成した被嵌合用部(すなわち、被嵌合用凸部もしくは被嵌合用凹部)とを利用して、上記蓋体の裏面に気密用弾性枠を取着しているため、従来例のような、蓋体56の天面に環状ガスケット57を保持するための凹面板59を用いる必要がなく、製造コストが大幅に低減されて安価になるうえ、部品点数が少なくなり、在庫管理等の管理面が簡単化する。しかも、上記蓋体の裏面に気密用弾性枠を着脱自在に取着しているため、気密用弾性枠が損傷等した場合には、気密用弾性枠だけを交換することができ、しかも、蓋体から気密用弾性枠を分離して分別廃棄にも対応することができる。
【0008】
また、本発明の第2の気密容器は、上面に化粧料収容凹部が形成された容器本体と、上記容器本体の上面を蓋する蓋体と、上記蓋体の裏面にその周側壁の内周面に沿って環状に配置され上記容器本体の上面に圧接して化粧料収容凹部の気密を保持する気密用弾性枠とを備えている。そして、上記蓋体の周側壁との間に所定の隙間をあけた状態で上記蓋体の裏面から位置決め用凸部を突設し、上記位置決め用凸部の外周面に嵌合用凹部もしくは嵌合用凸部を形成し、上記気密用弾性枠の内周面に、上記嵌合用凹部もしくは嵌合用凸部に着脱自在に嵌合する被嵌合用凸部もしくは被嵌合用凹部を形成し、上記蓋体の周側壁と位置決め用凸部との間に気密用弾性枠を位置決めし、その状態で上記嵌合用部と被嵌合用部とを嵌合させることにより気密用弾性枠を蓋体の裏面に取着するように構成している。このように、本発明の第2の気密容器では、上記(蓋体の裏面から突設した)位置決め用凸部の外周面に形成した嵌合用部(すなわち、嵌合用凹部もしくは嵌合用凸部)と、上記気密用弾性枠の内周面に形成した被嵌合用部(すなわち、被嵌合用凸部もしくは被嵌合用凹部)を利用して、上記気密用弾性枠を蓋体の裏面に取着しているため、従来例の凹面板59を用いる必要がなく、製造コストが大幅に低減されて安価になるうえ、部品点数が少なくなり、在庫管理等の管理面が簡単化する。しかも、上記蓋体の裏面に気密用弾性枠を着脱自在に取着しているため、気密用弾性枠が損傷等した場合には、気密用弾性枠だけを交換することができ、しかも、蓋体から気密用弾性枠を分離して分別廃棄にも対応することができる。なお、本発明の第1および第2の気密容器において、「嵌合用凸部」,「被嵌合用凸部」および「位置決め用凸部」は、点状,ブロック状等に形成されたものだけでなく、棒状,帯状,平板状,壁状等細長く形成されたものであっても、環状に繋がったものであってもよい。また、本発明の第1および第2の気密容器において、「嵌合用凹部」および「被嵌合用凹部」は、上記の「嵌合用凸部」もしくは「被嵌合用凸部」に着脱自在に嵌合しうるものであればよく、貫通孔であってもよい。
【0009】
また、本発明の第1の気密容器において、上記蓋体の周側壁との間に所定の隙間をあけた状態で上記蓋体の裏面から位置決め用凸部を突設し、上記嵌合状態で、上記蓋体の裏面に取着された気密用弾性枠の内周面に上記位置決め用凸部を当接させるようにすると、上記蓋体の裏面に取着された気密用弾性枠を上記位置決め用凸部により位置決め,固定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
つぎに、本発明の実施の形態を図面にもとづいて詳しく説明する。ただし、これに限定されるわけではない。
【0011】
図1は本発明の第1の気密容器の一実施の形態を示している。この実施の形態では、気密容器として、コンパクト容器に収容して用いられる詰め替え用のレフィル容器が用いられている。上記コンパクト容器としては、例えば、図2に示すように、上面に、レフィル容器を収容する凹部5aと、パフ等の化粧用具(図示せず)を収容する凹部5bとが左右に形成された容器体5と、この容器体5の上面を開閉自在に蓋する蓋6とを備えたものが用いられている。
【0012】
図1において、1は合成樹脂製のレフィルケース(容器本体)であり、略四角形の皿状体に形成されている。このレフィルケース1には、その上面に略四角形の化粧料収容凹部1aが形成されており、この化粧料収容凹部1aに揮発性化粧料4が収容されている。また、上記レフィルケース1には、その周側壁11の後壁中央部の外周面から後方に向かって左右一対の突片12が突設されており、これら両突片12間に円柱状のヒンジ軸12aが架設されている。また、上記レフィルケース1は、その周側壁11の上端部外周面がその全周にわたって切り欠き形成されており、この切り欠き形成部11aに、後述するレフィル蓋2の周側壁15が外嵌状に載置されるようにしている。
【0013】
2は上記容器本体1の上面を蓋する合成樹脂製のレフィル蓋(蓋体)であり、図3〜図7に示すように、上記レフィルケース1の化粧料収容凹部1aを蓋する略四角形平板状の天板部14と、この天板部14の外周縁部の下面から突設された略四角形枠状の周側壁15と、この周側壁15の後壁中央部の外周面から後方に向かって突設された断面形状略U字状(円筒体から、その軸方向の全幅にわたって、円筒体の後壁〔略1/4円弧状部分〕を切り欠き形成した形状)の筒状ヒンジ連結部16とからなり、この筒状ヒンジ連結部16が上記レフィルケース1のヒンジ軸12aに回動自在で、かつ着脱自在に支受されている。
【0014】
また、上記レフィル蓋2には、その周側壁15の左右両側壁の前後方向中央部および前後両側壁の左右方向中央部の中間高さ部から、相対峙するようにして、後述するパッキン3の環状溝部19に着脱自在に嵌合する平板状の嵌合用凸条(嵌合用凸部)17が水平方向に(すなわち、天板部14と平行に)突設されている。また、上記レフィル蓋2には、その4つの角部およびこれら各角部の近傍部に沿って略L字状に折れ曲がる4本の位置決め用凸条(位置決め用凸部)18が、上記天板部14の裏面から、上記周側壁15との間に所定の間隔(上記パッキン3の幅と略同じ間隔)をあけて突設されている。これら各位置決め用凸条18は、隣り合う2つの位置決め用凸条18の間に所定の隙間(上記各嵌合用凸条17に対応する部分に、上記各嵌合用凸条17と同じ長さに形成された隙間)ができるように、位置決め形成されている(図3および図6参照)。また、上記レフィル蓋2の周側壁15の前側壁からは、開蓋時に手指でレフィル蓋2を持ち上げ操作する操作片2aが突設されている。
【0015】
3は上記レフィル蓋2の裏面に固定される略四角形環状のシリコンゴム製パッキン(気密用弾性板)であり、図8〜図11に示すように、その外周面の全周に、上記各嵌合用凸条17に着脱自在に嵌合しうる環状溝部(被嵌合用凹部)19が形成されている。このようなパッキン3を上記レフィル蓋2の裏面に固定する場合には、このレフィル蓋2の周側壁15と各位置決め用凸条18との間にパッキン3を位置決めし、このパッキン3を天板部14側に押し込む等することにより、レフィル蓋2の各嵌合用凸条17をパッキン3の環状溝部19に嵌合させることを行う。この状態では、上記パッキン3が上記周側壁15および各位置決め用凸条18に押圧状に当接している(図12参照)。また、上記コンパクト容器を閉蓋した状態(すなわち、レフィル蓋2を閉蓋した状態)では、上記パッキン3の下面がレフィルケース1の上面に気密状に当接し(図1参照)、この当接により上記レフィルケース1の上面の全周でレフィルケース1の内部(すなわち、化粧料収容凹部1a)が気密状態に保持されている。
【0016】
このように、上記実施の形態では、閉蓋時には、上記パッキン3の下面がレフィルケース1の上面に気密状に当接してレフィルケース1の上面の全周でレフィルケース1の化粧料収容凹部1a内が気密状態に保持されており、優れた気密性を有する。しかも、上記レフィル蓋2に設けた各嵌合用凸条17と、上記パッキン3の外周部に形成した環状溝部19とを利用して、上記レフィル蓋2の裏面にパッキン3を取着しているため、従来例のような、蓋体56の天面に環状ガスケット57を保持するための凹面板59を用いる必要がなく、製造コストが大幅に低減されて安価になるうえ、部品点数が少なくなり、在庫管理等の管理面が簡単化する。しかも、上記レフィル蓋2の裏面にパッキン3を着脱自在に取着しているため、パッキン3が損傷等した場合には、パッキン3だけを交換することができ、しかも、レフィル蓋2からパッキン3を分離して分別廃棄にも対応することができる。
【0017】
図13は本発明の第2の気密容器の一実施の形態を示している。この実施の形態では、上記レフィル蓋2に設けた位置決め用壁部(位置決め用凸部)21にパッキン3が固定されている(図14参照)。より詳しく説明すると、上記レフィル蓋2は、図15〜図17に示すように、その天板部14の裏面から四角形枠状の位置決め用壁部21が、レフィル蓋2の周側壁15との間に所定の間隔(上記パッキン3の幅と略同じ間隔)をあけて突設されており、上記位置決め用壁部21の左右両側壁および前後両側壁の上端部にそれぞれ2個所、相対峙するようにして、後述するパッキン3の嵌合用凸条(嵌合用凸部)23に着脱自在に嵌合する嵌合用孔部(嵌合用凹部)22が貫通状に穿設されている。
【0018】
一方、上記パッキン3は、図18〜図20に示すように、四角形枠状に形成されており、その内周面の上端部には、上記レフィル蓋2の各嵌合用孔部22に対応する部分に、上記各嵌合用孔部22に着脱自在に嵌合する嵌合用凸条23が突設されている。そして、上記レフィル蓋2の裏面にパッキン3が、上記各嵌合用孔部22と各嵌合用凸条23とを嵌合させた状態で、上記レフィル蓋2の周側壁15と位置決め用壁部21との間に位置決めされて着脱自在に固定されている。また、上記パッキン3の下面の全面をレフィル蓋2の上面に圧接させることができ、確実に気密状態に保持することができる。それ以外の部分は上記実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。この実施の形態でも、上記実施の形態と同様の作用・効果を奏する。
【0019】
図21は本発明の第1の気密容器の実施の形態に用いるレフィル蓋2の変形例を示しており、このレフィル蓋2にパッキン3を固定している(図22参照)。この例では、上記レフィル蓋2に位置決め用凸条18を突設していない。それ以外の部分は、図3〜図7に示すレフィル蓋2と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。このレフィル蓋2を用いた場合にも、図1〜図12に示す実施の形態と同様の作用・効果を奏する。
【0020】
図23は本発明の第1の気密容器の実施の形態に用いるパッキン3の変形例を示しており、このパッキン3をレフィル蓋2に固定している(図24参照)。この例では、上記パッキン3の外周面には、その上端部の全周に一条の環状凸部(嵌合用凸部)25が突設されている。それ以外の部分は、図8〜図11に示すパッキン3と同様である。一方、上記レフィル蓋2には、図3〜図7に示すレフィル蓋2と同様に、その周側壁15の内周面に4つの凸条17が突設されており、これにより、上記各凸条17とレフィル蓋2の天板部14との間に嵌合用凹部26が形成されている。そして、上記パッキン3の環状凸部25がレフィル蓋2の各嵌合用凹部26に着脱自在に嵌合している。このようなパッキン3,レフィル蓋2を用いた場合にも、図1〜図12に示す実施の形態と同様の作用・効果を奏する。
【0021】
図25は本発明の第1の気密容器の実施の形態に用いるレフィル蓋2の他の変形例を示しており、このレフィル蓋2に、図23に示すようなパッキン3を固定している(図26参照)。この例では、上記レフィル蓋2の周側壁15の内周面には、その上端部の全周に一条の環状溝部(嵌合用凹部)28が形成されており、この環状溝部28に上記パッキン3の環状凸部25が着脱自在に嵌合している。このようなパッキン3,レフィル蓋2を用いた場合にも、図1〜図12に示す実施の形態と同様の作用・効果を奏する。なお、上記環状溝部28を、上記周側壁15の内周面の上端部以外の部分に形成してもよく、この場合には、上記環状溝部28に対応する上記パッキン3の外周面の部分に環状凸部25が突設される。
【0022】
図27は本発明の第2の気密容器の実施の形態に用いるレフィル蓋2の変形例を示しており、このレフィル蓋2にパッキン3を固定している(図28参照)。この例では、上記レフィル蓋2の位置決め用壁部21に嵌合用孔部22を穿設する代わりに、上記パッキン3の各嵌合用凸条23に対応する上記位置決め用壁部21の外周面の部分に嵌合用凹部31を形成している。そして、上記パッキン3の各嵌合用凸条23が上記レフィル蓋2の位置決め用壁部21の各嵌合用凹部31に着脱自在に嵌合している。それ以外の部分は、図15〜図17に示すレフィル蓋2と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。このレフィル蓋2を用いた場合にも、図1〜図12に示す実施の形態と同様の作用・効果を奏する。
【0023】
図29は本発明の第2の気密容器の実施の形態に用いるレフィル蓋2の他の変形例を示しており、このレフィル蓋2にパッキン3を固定している(図30参照)。この例では、上記レフィル蓋2には、その位置決め用壁部21の左右両側壁および前後両側壁の外周面の中間高さ部に、相対峙するようにして、複数の嵌合用凸条(嵌合用凸部)33が突設されている。一方、上記パッキン3の内周面には、上記各嵌合用凸条33に対応する部分に、これら各嵌合用凸条33に着脱自在に嵌合する嵌合用凹部34が形成されている。そして、上記パッキン3の各嵌合用凹部34が上記レフィル蓋2の位置決め用壁部21の各嵌合用凸条33に着脱自在に嵌合している。それ以外の部分は、図15〜図17に示すレフィル蓋2、図18〜図20に示すパッキン3と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。このようなレフィル蓋2,パッキン3を用いた場合にも、図1〜図12に示す実施の形態と同様の作用・効果を奏する。
【0024】
なお、上記各実施の形態では、気密容器として、レフィル容器を用い、そのレフィルケース1の化粧料収容凹部1aに揮発性化粧料4を収容しているが、これに限定するものではなく、気密容器として、通常の化粧料容器を用い、化粧料収容凹部1aに化粧皿を収容してもよい。
【0025】
また、図3〜図7,図21および図24に示すレフィル蓋2では、その周側壁15の内周面に所定間隔をあけて4つの嵌合用凸条17を突設しているが、上記内周面の全周に一条の環状の嵌合用凸条17を突設してもよい。また、図25に示すレフィル蓋2では、その周側壁15の内周面の全周に環状溝部28を形成しているが、所定間隔をあけて複数のの溝部を形成してもよい。この場合には、図26に示すパッキン3の、上記各溝部に対応する部分に凸部を突設する。また、図27もしくは図29に示すレフィル蓋2において、その位置決め用壁部21の外周面の全周に嵌合用凹部31もしくは嵌合用凸条33を形成してもよい。
【0026】
また、図8〜図11および図22に示すパッキン3では、その外周面の全周に環状溝部19を形成し、図24に示すパッキン3では、その上端部の全周に環状凸部25を突設しているが、上記レフィル蓋2の各嵌合用凸条17対応する部分にだけ形成してもよい。また、図28もしくは図30に示すパッキン3において、その内周面の全周に嵌合用凸条23もしくは嵌合用凹部34を形成してもよい。また、図8〜図11,図22もしくは図30に示すパッキン3において、環状溝部19もしくは嵌合用凹部34を上下方向中央部に形成すると、パッキン3を上下逆にして使用することができるため、パッキン3の上下両面を利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1の気密容器の一実施の形態を示す断面図である。
【図2】コンパクト容器の斜視図である。
【図3】レフィル蓋の断面図である。
【図4】上記レフィル蓋の側面図である。
【図5】上記レフィル蓋の正面図である。
【図6】上記レフィル蓋の裏面図である。
【図7】上記レフィル蓋を裏面側から見た斜視図である。
【図8】パッキンの断面図である。
【図9】上記パッキンの平面図である。
【図10】上記パッキンの側面図である。
【図11】上記パッキンの斜視図である。
【図12】上記レフィル蓋にパッキンを取り付けた状態を示す裏面図である。
【図13】本発明の第2の気密容器の一実施の形態を示す断面図である。
【図14】レフィル蓋にパッキンを取り付けた状態を示す断面図である。
【図15】上記レフィル蓋の断面図である。
【図16】上記レフィル蓋の裏面図である。
【図17】上記レフィル蓋を裏面側から見た斜視図である。
【図18】上記パッキンの断面図である。
【図19】上記パッキンの平面図である。
【図20】上記パッキンの斜視図である。
【図21】本発明の第1の気密容器の実施の形態に用いるレフィル蓋の変形例を示す断面図である。
【図22】上記レフィル蓋にパッキンを取り付けた状態を示す断面図である。
【図23】本発明の第1の気密容器の実施の形態に用いるパッキンの変形例を示す断面図である。
【図24】上記パッキンをレフィル蓋に取り付けた状態を示す断面図である。
【図25】本発明の第1の気密容器の実施の形態に用いるレフィル蓋の他の変形例を示す断面図である。
【図26】上記レフィル蓋にパッキンを取り付けた状態を示す断面図である。
【図27】本発明の第2の気密容器の実施の形態に用いるレフィル蓋の変形例を示す断面図である。
【図28】上記レフィル蓋にパッキンを取り付けた状態を示す断面図である。
【図29】本発明の第2の気密容器の実施の形態に用いるレフィル蓋の他の変形例を示す断面図である。
【図30】上記レフィル蓋にパッキンを取り付けた状態を示す断面図である。
【図31】従来例を示す断面図である。
【図32】他の従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0028】
1 レフィルケース
1a 化粧料収容凹部
2 レフィル蓋
3 パッキン
15 周側壁
17 嵌合用凸条
19 環状溝部
【技術分野】
【0001】
本発明は、揮発性の高い化粧料等の内容物を収容するのに適した気密容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、揮発性成分を含有する化粧料等を収容する化粧料容器等の気密容器として、その内部の気密性を保つために、各種の化粧料容器等が提案されているが、このようなものとして、例えば、図31に示す気密化粧料容器がある。この気密化粧料容器は、上面に化粧料収納部51aが形成されこの化粧料収納部51aの周縁部に環状溝部51bが形成された容器本体51と、この容器本体51を開閉する蓋体52と、上記容器本体51の環状溝部51bに取り付けられるリング状パッキン53とを備えており、このリング状パッキン53の外側形状に沿うようにして上記蓋体52の裏面から筒状リブ52aを一体に突設し、上記容器本体51に蓋体52を閉止した状態では、上記リング状パッキン53の膨出部53aを筒状リブ52aの内周に圧接させて、化粧料収納部51a内を密閉するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところが、上記の気密化粧料容器では、上記容器本体51の化粧料収納部51aの周縁部に形成した環状溝部51bにリング状パッキン53を取り付けているため、リング状パッキン53が大径化して高価になる。そこで、例えば、図32に示すように、蓋体56に環状ガスケット57を設けることで環状ガスケット57を小径化できるようにしたコンパクト容器が提案されている。このコンパクト容器は、上面中央に皿部55aが形成されこの皿部55aに化粧料58が充填された容器本体55と、この容器本体55の上面を蓋する蓋体56と、この蓋体56の天面に配設された環状ガスケット57とを備えており、この環状ガスケット57を上記蓋体56の天面に接着,固定した凹面板59で内嵌状に保持するようにしている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平11−56456号公報
【特許文献2】特開平10−272012号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のコンパクト容器では、上記蓋体56の天面に配設した環状ガスケット57を、上記蓋体56の天面に固定した凹面板59で保持しているため、上記蓋体56,環状ガスケット57以外に凹面板59が必要となり、その分高価になるうえ、部品点数が多くなり、在庫管理等の管理面が複雑化する。しかも、上記蓋体56の天面に凹面板59を接着,固定しているため、上記蓋体56,凹面板59から環状ガスケット57だけを分離することができず、環状ガスケット57が損傷等した場合にも、環状ガスケット57だけを交換することができず、蓋体56とともに交換しなければならず、しかも、コンパクト容器を廃棄する場合に、蓋体56,凹面板59と環状ガスケット57とに分別廃棄することができない。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、安価で、在庫管理等の管理面が簡単化し、しかも、環状ガスケット等の気密用弾性枠だけを交換することができ、しかも、蓋体から気密用弾性枠を分離して分別廃棄することのできる気密容器の提供をその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明は、上面に化粧料収容凹部が形成された容器本体と、上記容器本体の上面を蓋する蓋体と、上記蓋体の裏面にその周側壁の内周面に沿って環状に配置され上記容器本体の上面に圧接して化粧料収容凹部の気密を保持する気密用弾性枠とを備え、上記蓋体の周側壁の内周面に嵌合用凹部もしくは嵌合用凸部を形成し、上記気密用弾性枠の外周面に、上記嵌合用凹部もしくは嵌合用凸部に着脱自在に嵌合する被嵌合用凸部もしくは被嵌合用凹部を形成し、上記嵌合用部と被嵌合用部との嵌合により気密用弾性枠を蓋体の裏面に取着するように構成した気密容器を第1の要旨とし、上面に化粧料収容凹部が形成された容器本体と、上記容器本体の上面を蓋する蓋体と、上記蓋体の裏面にその周側壁の内周面に沿って環状に配置され上記容器本体の上面に圧接して化粧料収容凹部の気密を保持する気密用弾性枠とを備え、上記蓋体の周側壁との間に所定の隙間をあけた状態で上記蓋体の裏面から位置決め用凸部を突設し、上記位置決め用凸部の外周面に嵌合用凹部もしくは嵌合用凸部を形成し、上記気密用弾性枠の内周面に、上記嵌合用凹部もしくは嵌合用凸部に着脱自在に嵌合する被嵌合用凸部もしくは被嵌合用凹部を形成し、上記蓋体の周側壁と位置決め用凸部との間に気密用弾性枠を位置決めし、その状態で上記嵌合用部と被嵌合用部とを嵌合させることにより気密用弾性枠を蓋体の裏面に取着するように構成した気密容器を第2の要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
すなわち、本発明の第1の気密容器は、上面に化粧料収容凹部が形成された容器本体と、上記容器本体の上面を蓋する蓋体と、上記蓋体の裏面にその周側壁の内周面に沿って環状に配置され上記容器本体の上面に圧接して化粧料収容凹部の気密を保持する気密用弾性枠とを備えている。そして、上記蓋体の周側壁の内周面に嵌合用凹部もしくは嵌合用凸部を形成し、上記気密用弾性枠の外周面に、上記嵌合用凹部もしくは嵌合用凸部に着脱自在に嵌合する被嵌合用凸部もしくは被嵌合用凹部を形成し、上記嵌合用部と被嵌合用部との嵌合により気密用弾性枠を蓋体の裏面に取着するように構成している。このように、本発明の第1の気密容器では、上記蓋体の周側壁の内周面に形成した嵌合用部(すなわち、嵌合用凹部もしくは嵌合用凸部)と、上記気密用弾性枠の外周面に形成した被嵌合用部(すなわち、被嵌合用凸部もしくは被嵌合用凹部)とを利用して、上記蓋体の裏面に気密用弾性枠を取着しているため、従来例のような、蓋体56の天面に環状ガスケット57を保持するための凹面板59を用いる必要がなく、製造コストが大幅に低減されて安価になるうえ、部品点数が少なくなり、在庫管理等の管理面が簡単化する。しかも、上記蓋体の裏面に気密用弾性枠を着脱自在に取着しているため、気密用弾性枠が損傷等した場合には、気密用弾性枠だけを交換することができ、しかも、蓋体から気密用弾性枠を分離して分別廃棄にも対応することができる。
【0008】
また、本発明の第2の気密容器は、上面に化粧料収容凹部が形成された容器本体と、上記容器本体の上面を蓋する蓋体と、上記蓋体の裏面にその周側壁の内周面に沿って環状に配置され上記容器本体の上面に圧接して化粧料収容凹部の気密を保持する気密用弾性枠とを備えている。そして、上記蓋体の周側壁との間に所定の隙間をあけた状態で上記蓋体の裏面から位置決め用凸部を突設し、上記位置決め用凸部の外周面に嵌合用凹部もしくは嵌合用凸部を形成し、上記気密用弾性枠の内周面に、上記嵌合用凹部もしくは嵌合用凸部に着脱自在に嵌合する被嵌合用凸部もしくは被嵌合用凹部を形成し、上記蓋体の周側壁と位置決め用凸部との間に気密用弾性枠を位置決めし、その状態で上記嵌合用部と被嵌合用部とを嵌合させることにより気密用弾性枠を蓋体の裏面に取着するように構成している。このように、本発明の第2の気密容器では、上記(蓋体の裏面から突設した)位置決め用凸部の外周面に形成した嵌合用部(すなわち、嵌合用凹部もしくは嵌合用凸部)と、上記気密用弾性枠の内周面に形成した被嵌合用部(すなわち、被嵌合用凸部もしくは被嵌合用凹部)を利用して、上記気密用弾性枠を蓋体の裏面に取着しているため、従来例の凹面板59を用いる必要がなく、製造コストが大幅に低減されて安価になるうえ、部品点数が少なくなり、在庫管理等の管理面が簡単化する。しかも、上記蓋体の裏面に気密用弾性枠を着脱自在に取着しているため、気密用弾性枠が損傷等した場合には、気密用弾性枠だけを交換することができ、しかも、蓋体から気密用弾性枠を分離して分別廃棄にも対応することができる。なお、本発明の第1および第2の気密容器において、「嵌合用凸部」,「被嵌合用凸部」および「位置決め用凸部」は、点状,ブロック状等に形成されたものだけでなく、棒状,帯状,平板状,壁状等細長く形成されたものであっても、環状に繋がったものであってもよい。また、本発明の第1および第2の気密容器において、「嵌合用凹部」および「被嵌合用凹部」は、上記の「嵌合用凸部」もしくは「被嵌合用凸部」に着脱自在に嵌合しうるものであればよく、貫通孔であってもよい。
【0009】
また、本発明の第1の気密容器において、上記蓋体の周側壁との間に所定の隙間をあけた状態で上記蓋体の裏面から位置決め用凸部を突設し、上記嵌合状態で、上記蓋体の裏面に取着された気密用弾性枠の内周面に上記位置決め用凸部を当接させるようにすると、上記蓋体の裏面に取着された気密用弾性枠を上記位置決め用凸部により位置決め,固定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
つぎに、本発明の実施の形態を図面にもとづいて詳しく説明する。ただし、これに限定されるわけではない。
【0011】
図1は本発明の第1の気密容器の一実施の形態を示している。この実施の形態では、気密容器として、コンパクト容器に収容して用いられる詰め替え用のレフィル容器が用いられている。上記コンパクト容器としては、例えば、図2に示すように、上面に、レフィル容器を収容する凹部5aと、パフ等の化粧用具(図示せず)を収容する凹部5bとが左右に形成された容器体5と、この容器体5の上面を開閉自在に蓋する蓋6とを備えたものが用いられている。
【0012】
図1において、1は合成樹脂製のレフィルケース(容器本体)であり、略四角形の皿状体に形成されている。このレフィルケース1には、その上面に略四角形の化粧料収容凹部1aが形成されており、この化粧料収容凹部1aに揮発性化粧料4が収容されている。また、上記レフィルケース1には、その周側壁11の後壁中央部の外周面から後方に向かって左右一対の突片12が突設されており、これら両突片12間に円柱状のヒンジ軸12aが架設されている。また、上記レフィルケース1は、その周側壁11の上端部外周面がその全周にわたって切り欠き形成されており、この切り欠き形成部11aに、後述するレフィル蓋2の周側壁15が外嵌状に載置されるようにしている。
【0013】
2は上記容器本体1の上面を蓋する合成樹脂製のレフィル蓋(蓋体)であり、図3〜図7に示すように、上記レフィルケース1の化粧料収容凹部1aを蓋する略四角形平板状の天板部14と、この天板部14の外周縁部の下面から突設された略四角形枠状の周側壁15と、この周側壁15の後壁中央部の外周面から後方に向かって突設された断面形状略U字状(円筒体から、その軸方向の全幅にわたって、円筒体の後壁〔略1/4円弧状部分〕を切り欠き形成した形状)の筒状ヒンジ連結部16とからなり、この筒状ヒンジ連結部16が上記レフィルケース1のヒンジ軸12aに回動自在で、かつ着脱自在に支受されている。
【0014】
また、上記レフィル蓋2には、その周側壁15の左右両側壁の前後方向中央部および前後両側壁の左右方向中央部の中間高さ部から、相対峙するようにして、後述するパッキン3の環状溝部19に着脱自在に嵌合する平板状の嵌合用凸条(嵌合用凸部)17が水平方向に(すなわち、天板部14と平行に)突設されている。また、上記レフィル蓋2には、その4つの角部およびこれら各角部の近傍部に沿って略L字状に折れ曲がる4本の位置決め用凸条(位置決め用凸部)18が、上記天板部14の裏面から、上記周側壁15との間に所定の間隔(上記パッキン3の幅と略同じ間隔)をあけて突設されている。これら各位置決め用凸条18は、隣り合う2つの位置決め用凸条18の間に所定の隙間(上記各嵌合用凸条17に対応する部分に、上記各嵌合用凸条17と同じ長さに形成された隙間)ができるように、位置決め形成されている(図3および図6参照)。また、上記レフィル蓋2の周側壁15の前側壁からは、開蓋時に手指でレフィル蓋2を持ち上げ操作する操作片2aが突設されている。
【0015】
3は上記レフィル蓋2の裏面に固定される略四角形環状のシリコンゴム製パッキン(気密用弾性板)であり、図8〜図11に示すように、その外周面の全周に、上記各嵌合用凸条17に着脱自在に嵌合しうる環状溝部(被嵌合用凹部)19が形成されている。このようなパッキン3を上記レフィル蓋2の裏面に固定する場合には、このレフィル蓋2の周側壁15と各位置決め用凸条18との間にパッキン3を位置決めし、このパッキン3を天板部14側に押し込む等することにより、レフィル蓋2の各嵌合用凸条17をパッキン3の環状溝部19に嵌合させることを行う。この状態では、上記パッキン3が上記周側壁15および各位置決め用凸条18に押圧状に当接している(図12参照)。また、上記コンパクト容器を閉蓋した状態(すなわち、レフィル蓋2を閉蓋した状態)では、上記パッキン3の下面がレフィルケース1の上面に気密状に当接し(図1参照)、この当接により上記レフィルケース1の上面の全周でレフィルケース1の内部(すなわち、化粧料収容凹部1a)が気密状態に保持されている。
【0016】
このように、上記実施の形態では、閉蓋時には、上記パッキン3の下面がレフィルケース1の上面に気密状に当接してレフィルケース1の上面の全周でレフィルケース1の化粧料収容凹部1a内が気密状態に保持されており、優れた気密性を有する。しかも、上記レフィル蓋2に設けた各嵌合用凸条17と、上記パッキン3の外周部に形成した環状溝部19とを利用して、上記レフィル蓋2の裏面にパッキン3を取着しているため、従来例のような、蓋体56の天面に環状ガスケット57を保持するための凹面板59を用いる必要がなく、製造コストが大幅に低減されて安価になるうえ、部品点数が少なくなり、在庫管理等の管理面が簡単化する。しかも、上記レフィル蓋2の裏面にパッキン3を着脱自在に取着しているため、パッキン3が損傷等した場合には、パッキン3だけを交換することができ、しかも、レフィル蓋2からパッキン3を分離して分別廃棄にも対応することができる。
【0017】
図13は本発明の第2の気密容器の一実施の形態を示している。この実施の形態では、上記レフィル蓋2に設けた位置決め用壁部(位置決め用凸部)21にパッキン3が固定されている(図14参照)。より詳しく説明すると、上記レフィル蓋2は、図15〜図17に示すように、その天板部14の裏面から四角形枠状の位置決め用壁部21が、レフィル蓋2の周側壁15との間に所定の間隔(上記パッキン3の幅と略同じ間隔)をあけて突設されており、上記位置決め用壁部21の左右両側壁および前後両側壁の上端部にそれぞれ2個所、相対峙するようにして、後述するパッキン3の嵌合用凸条(嵌合用凸部)23に着脱自在に嵌合する嵌合用孔部(嵌合用凹部)22が貫通状に穿設されている。
【0018】
一方、上記パッキン3は、図18〜図20に示すように、四角形枠状に形成されており、その内周面の上端部には、上記レフィル蓋2の各嵌合用孔部22に対応する部分に、上記各嵌合用孔部22に着脱自在に嵌合する嵌合用凸条23が突設されている。そして、上記レフィル蓋2の裏面にパッキン3が、上記各嵌合用孔部22と各嵌合用凸条23とを嵌合させた状態で、上記レフィル蓋2の周側壁15と位置決め用壁部21との間に位置決めされて着脱自在に固定されている。また、上記パッキン3の下面の全面をレフィル蓋2の上面に圧接させることができ、確実に気密状態に保持することができる。それ以外の部分は上記実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。この実施の形態でも、上記実施の形態と同様の作用・効果を奏する。
【0019】
図21は本発明の第1の気密容器の実施の形態に用いるレフィル蓋2の変形例を示しており、このレフィル蓋2にパッキン3を固定している(図22参照)。この例では、上記レフィル蓋2に位置決め用凸条18を突設していない。それ以外の部分は、図3〜図7に示すレフィル蓋2と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。このレフィル蓋2を用いた場合にも、図1〜図12に示す実施の形態と同様の作用・効果を奏する。
【0020】
図23は本発明の第1の気密容器の実施の形態に用いるパッキン3の変形例を示しており、このパッキン3をレフィル蓋2に固定している(図24参照)。この例では、上記パッキン3の外周面には、その上端部の全周に一条の環状凸部(嵌合用凸部)25が突設されている。それ以外の部分は、図8〜図11に示すパッキン3と同様である。一方、上記レフィル蓋2には、図3〜図7に示すレフィル蓋2と同様に、その周側壁15の内周面に4つの凸条17が突設されており、これにより、上記各凸条17とレフィル蓋2の天板部14との間に嵌合用凹部26が形成されている。そして、上記パッキン3の環状凸部25がレフィル蓋2の各嵌合用凹部26に着脱自在に嵌合している。このようなパッキン3,レフィル蓋2を用いた場合にも、図1〜図12に示す実施の形態と同様の作用・効果を奏する。
【0021】
図25は本発明の第1の気密容器の実施の形態に用いるレフィル蓋2の他の変形例を示しており、このレフィル蓋2に、図23に示すようなパッキン3を固定している(図26参照)。この例では、上記レフィル蓋2の周側壁15の内周面には、その上端部の全周に一条の環状溝部(嵌合用凹部)28が形成されており、この環状溝部28に上記パッキン3の環状凸部25が着脱自在に嵌合している。このようなパッキン3,レフィル蓋2を用いた場合にも、図1〜図12に示す実施の形態と同様の作用・効果を奏する。なお、上記環状溝部28を、上記周側壁15の内周面の上端部以外の部分に形成してもよく、この場合には、上記環状溝部28に対応する上記パッキン3の外周面の部分に環状凸部25が突設される。
【0022】
図27は本発明の第2の気密容器の実施の形態に用いるレフィル蓋2の変形例を示しており、このレフィル蓋2にパッキン3を固定している(図28参照)。この例では、上記レフィル蓋2の位置決め用壁部21に嵌合用孔部22を穿設する代わりに、上記パッキン3の各嵌合用凸条23に対応する上記位置決め用壁部21の外周面の部分に嵌合用凹部31を形成している。そして、上記パッキン3の各嵌合用凸条23が上記レフィル蓋2の位置決め用壁部21の各嵌合用凹部31に着脱自在に嵌合している。それ以外の部分は、図15〜図17に示すレフィル蓋2と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。このレフィル蓋2を用いた場合にも、図1〜図12に示す実施の形態と同様の作用・効果を奏する。
【0023】
図29は本発明の第2の気密容器の実施の形態に用いるレフィル蓋2の他の変形例を示しており、このレフィル蓋2にパッキン3を固定している(図30参照)。この例では、上記レフィル蓋2には、その位置決め用壁部21の左右両側壁および前後両側壁の外周面の中間高さ部に、相対峙するようにして、複数の嵌合用凸条(嵌合用凸部)33が突設されている。一方、上記パッキン3の内周面には、上記各嵌合用凸条33に対応する部分に、これら各嵌合用凸条33に着脱自在に嵌合する嵌合用凹部34が形成されている。そして、上記パッキン3の各嵌合用凹部34が上記レフィル蓋2の位置決め用壁部21の各嵌合用凸条33に着脱自在に嵌合している。それ以外の部分は、図15〜図17に示すレフィル蓋2、図18〜図20に示すパッキン3と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。このようなレフィル蓋2,パッキン3を用いた場合にも、図1〜図12に示す実施の形態と同様の作用・効果を奏する。
【0024】
なお、上記各実施の形態では、気密容器として、レフィル容器を用い、そのレフィルケース1の化粧料収容凹部1aに揮発性化粧料4を収容しているが、これに限定するものではなく、気密容器として、通常の化粧料容器を用い、化粧料収容凹部1aに化粧皿を収容してもよい。
【0025】
また、図3〜図7,図21および図24に示すレフィル蓋2では、その周側壁15の内周面に所定間隔をあけて4つの嵌合用凸条17を突設しているが、上記内周面の全周に一条の環状の嵌合用凸条17を突設してもよい。また、図25に示すレフィル蓋2では、その周側壁15の内周面の全周に環状溝部28を形成しているが、所定間隔をあけて複数のの溝部を形成してもよい。この場合には、図26に示すパッキン3の、上記各溝部に対応する部分に凸部を突設する。また、図27もしくは図29に示すレフィル蓋2において、その位置決め用壁部21の外周面の全周に嵌合用凹部31もしくは嵌合用凸条33を形成してもよい。
【0026】
また、図8〜図11および図22に示すパッキン3では、その外周面の全周に環状溝部19を形成し、図24に示すパッキン3では、その上端部の全周に環状凸部25を突設しているが、上記レフィル蓋2の各嵌合用凸条17対応する部分にだけ形成してもよい。また、図28もしくは図30に示すパッキン3において、その内周面の全周に嵌合用凸条23もしくは嵌合用凹部34を形成してもよい。また、図8〜図11,図22もしくは図30に示すパッキン3において、環状溝部19もしくは嵌合用凹部34を上下方向中央部に形成すると、パッキン3を上下逆にして使用することができるため、パッキン3の上下両面を利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1の気密容器の一実施の形態を示す断面図である。
【図2】コンパクト容器の斜視図である。
【図3】レフィル蓋の断面図である。
【図4】上記レフィル蓋の側面図である。
【図5】上記レフィル蓋の正面図である。
【図6】上記レフィル蓋の裏面図である。
【図7】上記レフィル蓋を裏面側から見た斜視図である。
【図8】パッキンの断面図である。
【図9】上記パッキンの平面図である。
【図10】上記パッキンの側面図である。
【図11】上記パッキンの斜視図である。
【図12】上記レフィル蓋にパッキンを取り付けた状態を示す裏面図である。
【図13】本発明の第2の気密容器の一実施の形態を示す断面図である。
【図14】レフィル蓋にパッキンを取り付けた状態を示す断面図である。
【図15】上記レフィル蓋の断面図である。
【図16】上記レフィル蓋の裏面図である。
【図17】上記レフィル蓋を裏面側から見た斜視図である。
【図18】上記パッキンの断面図である。
【図19】上記パッキンの平面図である。
【図20】上記パッキンの斜視図である。
【図21】本発明の第1の気密容器の実施の形態に用いるレフィル蓋の変形例を示す断面図である。
【図22】上記レフィル蓋にパッキンを取り付けた状態を示す断面図である。
【図23】本発明の第1の気密容器の実施の形態に用いるパッキンの変形例を示す断面図である。
【図24】上記パッキンをレフィル蓋に取り付けた状態を示す断面図である。
【図25】本発明の第1の気密容器の実施の形態に用いるレフィル蓋の他の変形例を示す断面図である。
【図26】上記レフィル蓋にパッキンを取り付けた状態を示す断面図である。
【図27】本発明の第2の気密容器の実施の形態に用いるレフィル蓋の変形例を示す断面図である。
【図28】上記レフィル蓋にパッキンを取り付けた状態を示す断面図である。
【図29】本発明の第2の気密容器の実施の形態に用いるレフィル蓋の他の変形例を示す断面図である。
【図30】上記レフィル蓋にパッキンを取り付けた状態を示す断面図である。
【図31】従来例を示す断面図である。
【図32】他の従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0028】
1 レフィルケース
1a 化粧料収容凹部
2 レフィル蓋
3 パッキン
15 周側壁
17 嵌合用凸条
19 環状溝部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に化粧料収容凹部が形成された容器本体と、上記容器本体の上面を蓋する蓋体と、上記蓋体の裏面にその周側壁の内周面に沿って環状に配置され上記容器本体の上面に圧接して化粧料収容凹部の気密を保持する気密用弾性枠とを備え、上記蓋体の周側壁の内周面に嵌合用凹部もしくは嵌合用凸部を形成し、上記気密用弾性枠の外周面に、上記嵌合用凹部もしくは嵌合用凸部に着脱自在に嵌合する被嵌合用凸部もしくは被嵌合用凹部を形成し、上記嵌合用部と被嵌合用部との嵌合により気密用弾性枠を蓋体の裏面に取着するように構成したことを特徴とする気密容器。
【請求項2】
上記蓋体の周側壁との間に所定の隙間をあけた状態で上記蓋体の裏面から位置決め用凸部を突設し、上記嵌合状態で、上記蓋体の裏面に取着された気密用弾性枠の内周面に上記位置決め用凸部を当接させるようにした請求項1記載の気密容器。
【請求項3】
上面に化粧料収容凹部が形成された容器本体と、上記容器本体の上面を蓋する蓋体と、上記蓋体の裏面にその周側壁の内周面に沿って環状に配置され上記容器本体の上面に圧接して化粧料収容凹部の気密を保持する気密用弾性枠とを備え、上記蓋体の周側壁との間に所定の隙間をあけた状態で上記蓋体の裏面から位置決め用凸部を突設し、上記位置決め用凸部の外周面に嵌合用凹部もしくは嵌合用凸部を形成し、上記気密用弾性枠の内周面に、上記嵌合用凹部もしくは嵌合用凸部に着脱自在に嵌合する被嵌合用凸部もしくは被嵌合用凹部を形成し、上記蓋体の周側壁と位置決め用凸部との間に気密用弾性枠を位置決めし、その状態で上記嵌合用部と被嵌合用部とを嵌合させることにより気密用弾性枠を蓋体の裏面に取着するように構成したことを特徴とする気密容器。
【請求項1】
上面に化粧料収容凹部が形成された容器本体と、上記容器本体の上面を蓋する蓋体と、上記蓋体の裏面にその周側壁の内周面に沿って環状に配置され上記容器本体の上面に圧接して化粧料収容凹部の気密を保持する気密用弾性枠とを備え、上記蓋体の周側壁の内周面に嵌合用凹部もしくは嵌合用凸部を形成し、上記気密用弾性枠の外周面に、上記嵌合用凹部もしくは嵌合用凸部に着脱自在に嵌合する被嵌合用凸部もしくは被嵌合用凹部を形成し、上記嵌合用部と被嵌合用部との嵌合により気密用弾性枠を蓋体の裏面に取着するように構成したことを特徴とする気密容器。
【請求項2】
上記蓋体の周側壁との間に所定の隙間をあけた状態で上記蓋体の裏面から位置決め用凸部を突設し、上記嵌合状態で、上記蓋体の裏面に取着された気密用弾性枠の内周面に上記位置決め用凸部を当接させるようにした請求項1記載の気密容器。
【請求項3】
上面に化粧料収容凹部が形成された容器本体と、上記容器本体の上面を蓋する蓋体と、上記蓋体の裏面にその周側壁の内周面に沿って環状に配置され上記容器本体の上面に圧接して化粧料収容凹部の気密を保持する気密用弾性枠とを備え、上記蓋体の周側壁との間に所定の隙間をあけた状態で上記蓋体の裏面から位置決め用凸部を突設し、上記位置決め用凸部の外周面に嵌合用凹部もしくは嵌合用凸部を形成し、上記気密用弾性枠の内周面に、上記嵌合用凹部もしくは嵌合用凸部に着脱自在に嵌合する被嵌合用凸部もしくは被嵌合用凹部を形成し、上記蓋体の周側壁と位置決め用凸部との間に気密用弾性枠を位置決めし、その状態で上記嵌合用部と被嵌合用部とを嵌合させることにより気密用弾性枠を蓋体の裏面に取着するように構成したことを特徴とする気密容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図2】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【公開番号】特開2007−50094(P2007−50094A)
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−237075(P2005−237075)
【出願日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願人】(000158781)紀伊産業株式会社 (327)
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願人】(000158781)紀伊産業株式会社 (327)
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