説明

気送子及び気送方法

【課題】本発明は、管路内で振動させることなく、所定の速度を保って物品、気送子、パイプ等の破損を生じることなく物品を搬送することができる気送子を提供する。
【解決手段】パイプP内部の気流にのって輸送管路内部を移動する気送子Aであって、内部に物品を格納することができるように筒状に形成されており、移動方向に発生する気流の流線が1又は2箇所以上で異なり、前記流線が異なる部分が偏っている気送子A。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気送設備に用いられる気送子及び該気送子を用いた気送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
物品を目的地に輸送する設備の一つとして、パイプ内の気流の流れを利用した気送設備がある。前記気送設備において、その内部に物品を格納して遠隔場所へ輸送するための容器を気送子という。
【0003】
上記気送設備は、例えば、原子力プラントにおいて、検査のために採取した試料(例えば、使用済み燃料棒を強酸に溶かしたもの等の放射能を有する物体)を目的地まで搬送する設備として用いられている。
【0004】
図11(A)は、従来の気送子の一例の正面図であり図11(B)は、図11(A)に示す気送子の側面図である。
【0005】
図11(A)に示す気送子90は円筒形状の胴体部91と、胴体部91の離れた場所に胴体部91と同一中心軸の円形のつば部92、93を有している。また、胴体部91はつば部92側の一端部911がテーパ形状に形成されており、他端部912は本体内部の気送子内に物品BPを格納するため空間98の開口部95が形成されている。開口部95には開口部95を閉じるためのキャップ94を有している。気送子90は、軸9cを中心とした回転体である。
【0006】
気送子90のパイプP内での移動について説明する。
【0007】
パイプP内に配置された気送子90は、パイプの端部に設けられた図示を省略した送風機又は排風機にて発生するパイプ内の気流96又は気流97が気送子90を押すことで、気流96、97の向きと同じ方向にパイプP内を移動する。つば部92及び93の直径は同じである。
【0008】
気送子90において、つば部92及び93の直径9eは、パイプ内の気流96、97が気送子90に有効に作用する大きさに設定される。直径9eがパイプ内径dと同じであれば、気流96及び97が気送子90に最も有効に作用するが、パイプPとつば部92及び93の間に摩擦力が発生し、最悪の場合、気送子90がパイプP内を移動できない。また、かろうじて移動は可能であっても、湾曲部の移動ができない等の不具合が生じる。そこで、つば部直径9eをパイプ内径dよりも小さくし隙間9fを設ける必要がある。しかし、つば部直径9eをパイプ内径dよりも小さすぎると、換言すれば隙間9fを大きくしすぎると、気送子90の気流96及び97を受ける面積が小さくなり、気送子90に働く気流が小さくなり、結果として気送子90の移動速度が低下する。
【0009】
また、隙間9fを設けることによって、隙間9fに気流が発生し、パイプPとつば部92、93の接触摩擦を防止するいわゆるガスベアリング効果を発生することも可能である。隙間9fには、微変動はあるが略同じ速さの気流が流れている。その気流は、互いに等しい又は略等しい圧力で気送子90に作用しており、結果的に、気送子にかかる圧力はつりあっている。
【0010】
よってつば部92、93の直径9eの大きさは、気送子の移動速度、パイプの内径、気流量、気送子の重さ、パイプ管路の曲率等から最適なものが採用される。
【0011】
また、上述の実施例のごとくつば部92、93を有しているものだけでなく、つば部を有していない気送子も考えられる。その場合、気送子の胴体部の直径がパイプの内径に近づく。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2002−12322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、気送子の移動速度に対してつば部の直径を最適に設定した気送子であっても、パイプ管路の継ぎ手部分や、内部加工不良等のパイプ内壁面の小さな凹凸等とつば部が接触し減速する。このとき隙間9fが接触部で隙間が小さくなり、隙間9fを流れる気流の流速は上昇し、気送子の外周面のパイプ内壁との接触部に気送子に向いた気送子の移動方向に対して垂直な力が発生する。この気送子にかかる局所的な流体圧力のわずかな変動によって気送子の姿勢は変化する。
【0014】
図12(A)、(B)にこの姿勢変化の状況を模式的に示した。気送子90は、矢印の方向に移動しており、図12(A)に示す姿勢と、図12(B)に示す姿勢を交互に繰り返すことで、気送子90は自励的な振動状態となる。
【0015】
気送子が前記振動を始めると管内の気流が乱れ、気送子の移動速度は低下し、場合によっては、管路に沿った移動はせずに一箇所にとどまったままで振動し続けることもありうる。
【0016】
また、振動による速度低下及び移動停止は、管路が水平又は垂直で且つ直線であるときに多く発生している。
【0017】
気送子が振動することによって、内部に格納された物品の破損、気送子自体の破損、パイプの破損等の不具合が発生する。
【0018】
このような問題を鑑みて、本発明は管路内で振動させることなく、所定の速度を保って物品を搬送することができる気送子を提供することを目的とする。
【0019】
また、本発明は振動により物品、気送子、パイプ等の破損を生じることなく該物品を搬送することができる気送子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記目的を達成するために、本発明者は研究を重ね次の知見を得た。
気送子は半径方向の力の微妙な釣合いで姿勢を維持しながらパイプ内を移動しており、一度力の釣合いが壊れると振動が発生しやすい。ところが、気送子の一部に形状の異なる部分がある場合、該気送子が安定した姿勢で移動することがわかった。
【0021】
そこで本発明は、パイプ内部の気流にのって輸送管路内部を移動する気送子であって、内部に物品を格納することができるように筒状に形成されており、移動方向に発生する気流の流線が1又は2箇所以上で異なり、前記流線の異なる部分が偏っていることを特徴とするものである。
【0022】
このようにすることで、前記流線の異なる部分においては、その他の部分と比べて流体圧力が異なる。気送子の移動方向に気流が流れた場合に、気送子の半径方向の力の釣合いが崩れて、該気送子に偏った力がかかった状態でパイプ内を移動する。
【0023】
その結果、気送子周りの気流の流速が変化しても、該気送子には予め流体圧力による力が作用しており、気送子の傾きが生じにくく、結果として該気送子の振動の発生を抑えることができる。
【0024】
前記気送子は、断面形状が非点対称であるものを例示できる。
【0025】
前記断面形状が非点対称であることで、前記気送子に異なる流線を形成することができ、また、流線が異なることで生じる速度差から引き起こされる流体圧力が相殺されないので、該気送子には常に圧力による力がかかっている。これにより、気送子は振動しにくい状態でパイプ内を移動することが可能である。
【0026】
立体形状が回転体でない気送子を例示できる。
【0027】
気送子が軸周りに回転して表される回転体でない場合、表面を流れる気流の流線がそれぞれに異なるため、速度に変化が生じ流体圧力に差が生じる。その流体圧力の差による力が気送子に作用しつづける、該気送子は安定して移動し、気送子の振動を防止することができる。
【0028】
前記気送子に切り欠きが設けられているものを例示できる。
【0029】
前記気送子に気流を乱す部材が設けられているものを例示できる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によると、管路内で振動させることなく、所定の速度を保って物品を搬送することができる気送子を提供することができる。
【0031】
また、本発明によると振動により物品、気送子、パイプ等の破損を生じることなく該物品を搬送することができる気送子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図(A)は本発明に係る気送子の一例の正面図であり、図(B)は側面図であり、図(C)は傾いた状態を示す正面図である。
【図2】図1に示す気送子の他の例の正面図である。
【図3】本発明に係る気送子の他の例の正面図である。
【図4】図3に示す気送子の他の例の正面図である。
【図5】本発明にかかる気送子のさらに他の例の正面図である。
【図6】図5に示す気送子の他の例の側面図である。
【図7】本願発明に係る気送子の正面図及び左側面図である。
【図8】本発明に係る気送子のさらに他の例の正面図及び左側面図である。
【図9】本発明に係る気送子のさらに他の例の正面図及び左側面図である。
【図10】本発明に係る気送子のさらに他の例の正面図及び左側面図である。
【図11】本発明に係る気送子のさらに他の例の正面図及び左側面図である。
【図12】本発明に係る気送子のさらに他の例の正面図及び左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
(第1の実施例)
図1に本発明に係る気送子の1例の正面図を示す。
【0034】
図1に示す気送子Aは、円筒形に形成された胴体部1と、胴体部1の一方の端部11側に形成された第1つば部2と、胴体部1の他方の端部12側に形成された第2つば部3とを有している。
【0035】
胴体部1は一方の端部11がテーパ面に形成されており、他方の端部12は物品を収納するための開口部が形成されている。開口部にはふたをするためのキャップ4が備えられている。胴体部1は軸cを中心とした回転体である。
【0036】
第1つば部2は、胴体部1と同様に軸cを中心とした回転体の、一部(図面上では上側)を平面状に取り除いた切り欠き部21を有している。
【0037】
切り欠き部21の中心軸cからの最短距離は、それに限定されることはないが、ここでは胴体部1の半径hと同一である。
【0038】
また、第2つば部3は、胴体部と同様に軸cを中心とした回転体であり、第1つば部2の切り欠き部21を除く部分の半径e1と、第2つば部3の半径e2は、ここでは同じであるが異なっていてもよい。いずれの半径e1、e2もパイプP内の気流FLの流れを十分に受けて、気送子Aを十分な速度で移動させることができるものを広く採用することができる。
【0039】
気送子AはパイプP内部を一方の端部11側及び他方の端部12側両方に往復移動するものであるが、それに限定されるものではなく、例えば他方の端部12側にのみ移動するものとしてもよい。
【0040】
図1に示す気送子Aは、一方の端部11側から他方の端部12側に気流が流れている例を示しており、矢印は気流FLの流れを示している。
【0041】
気流FLは、第1つば部2を押すと同時に、第1つば部11とパイプP内壁の間の隙間fに流れ込む。隙間fに流れ込んだ気流FL1はそのままパイプに沿って流れ、第2つば部3とパイプPの間の隙間gに流れ込む。隙間f及びgの面積はパイプP内部の面積に比べて非常に小さいので、気流FL1の流速は気流FLの流速に比べて非常に速い。また、切り欠き部21では、切り欠き部21とパイプP内面とが隙間f1を形成している。
【0042】
隙間fと隙間f1の面積が異なるので、両隙間f、f1を流れる気流の流速も異なり、結果として各隙間f及びf1に作用する流体圧力も異なる。また、隙間f、f1を流れる流速は速いので面積のちょっとの変化でも大きく流速が変わり、それゆえ、流体圧力も大きく変化する。
【0043】
気流FL1の速度の差が生じることで、図1(B)に示すように、気送子Aの切り欠き部21に流体圧力による力Mが作用する。その結果、気送子Aは力Mによって、傾いた姿勢(図1(C)参照)で安定してパイプP内部を移動する。
【0044】
予め流体圧力がかかった状態で、姿勢を維持してパイプP内部を移動するので、気流FL1の乱れによる圧力変化の影響を受けにくい。
【0045】
図2に本実施例の他の例の気送子の正面図を示す。
【0046】
図2に示す気送子A2は、第1つば部及び第2つば部以外は、第1の実施例で開示した気送子Aと実質上同じである。実質上同じ部分には同じ符号が付してある。
【0047】
気送子A2は、胴体部1と同様に軸cを中心とした回転体である第1つば部2aと、胴体部と同様に軸cを中心とした回転体の、一部(図面上では上側)を平面状に取り除いた切り欠き部31を有する第2つば部3aを有している。
【0048】
切り欠き部31の中心軸cからの最短距離は、それに限定されることはないが、ここでは胴体部1の半径hと同一である。
【0049】
気送子A2は第1の実施例で示した気送子Aとは異なり、第2つば部3aに切り欠き部31を備えているので、図1(C)に示した気送子Aの傾きとは反対側に傾く。傾きは異なるが、傾くことによって安定した姿勢でパイプP内部を移動できることは同じである。
【0050】
上記の実施例において、切り欠き部31は胴体部1と同じ高さの位置まで切り欠かれているがそれに限定されるものではなく、切り欠き部31と切り欠き部以外の部分に十分な気流の速度差が生じるものを広く採用することができる。
【0051】
切り欠き部21、31はそれぞれ、第1つば部2、第2つば部3aに1箇所ずつ設けられているがそれに限定されるものではなく、流体圧力によって生じる気送子への力が軸周りで釣り合わないようなものを広く採用することができる。
【0052】
(第2の実施例)
図3に本発明に係る気送子の他の例の正面図を示す。
【0053】
図3に示す気送子Bは、第1つば部及び第2つば部以外は第1実施例で示した気送子Aと同一であり同一の部分には同一の符号が付してある。
【0054】
気送子Bの第1つば部2bには切り欠き部21bが設けられており、第2つば部3bにも切り欠き部31bが形成されている。切り欠き部21b、31bは気送子Bの進行方向から見て同じ位置(図面上では気送子Bの上側)に形成されている。
【0055】
切り欠き部21b及び31bの大きさは同一であり(つば部2b及び3bを正面視で胴体部1と同じ高さになるように切り欠いた)等しい流体圧力による力が発生する。これによって気送子Bは切り欠き部21b、31b側に押され、パイプPと接触した状態で安定した姿勢をとって、パイプP内部を移動する。
【0056】
本実施例では切り欠き部21bと切り欠き部31bの大きさが等しいものを示したが、異なる大きさのものでも良い。そのとき、切り欠き部に作用する流体力が異なるので、傾いた状態で安定姿勢をとる。
【0057】
また、本実施例では、切り欠き部21b及び31bが気送子Bの進行方向から見て同じ位置に設けられているが、どちらかの切り欠き部を、軸c回りに回転した位置にあるもの(図4参照)も採用できる。この場合も同様に切り欠き方向に引っ張られるので、傾いた状態で安定姿勢をとる。上記例はいずれも切り欠き部21b、31bの大きさが同じであるが異なっていてもよい。
【0058】
(第3の実施例)
図5に発明に係る気送子のさらに他の例の正面図を示す。
【0059】
図5に示す気送子Cは、円筒形の胴体部1cと、胴体部1cに着脱可能にとり付けられたキャップ4cを有している。
【0060】
胴体部1cは、内部が空洞でできており、その部分に物品を格納できるようになっており、キャップ4cによって脱落しないように蓋をすることができる。また、胴体部1cのキャップ4cがとり付けられた側とは反対側の端部には切り欠き部41cが形成されている。
【0061】
気流の流れの中にあるとき気送子Cは切り欠き部11cで気流の速度が変化し、速度変化によって流体圧力が変化する。流体圧力の変化により切り欠き部41cには、力が加わり結果として、傾いた状態で安定した姿勢をとる。
【0062】
上記の実施例においては、切り欠き部11cを胴体部1cの端部に設けているがこれに限定されるものではなく、胴体部1cの全長にわたって設けられているもの、端部以外の中間部に切り欠きを有するもの等、気流の変化により流体圧力の差を発生することができるものを広く採用することができる。切り欠きは必ずしも端部を含む必要はない。
【0063】
上記実施例の気送子Cにおいては、切り欠き部11cが直線状に切り取られているが、それに限定されるものではなく、例えば、図6に示す気送子C2ような断面形状V字型の切り欠き111cを有するもの等、切り欠き部において気流の変化が生じ、流体圧力の差が生じるものを広く採用できる。
【0064】
(第4の実施例)
図7(A)に本発明に係る気送子のさらに他の例の正面図を、図7(B)に図7(A)に示す気送子の左側面図を示す。
【0065】
図7(A)、(B)に示す気送子Dは、円筒形の胴体部1dと、胴体部1dに着脱可能に取り付けられたキャップ4dを有している。
【0066】
胴体部1dには、気流の流れを変化させるための抵抗部8dが、外周面に取り付けられている。抵抗部8dは胴体部1dの外周面に沿って、気密に連結されている。抵抗部8dは胴体部1dの円周方向の一部を覆うように形成されている。また、全長方向にも一部を覆う程度の形状を有している。
【0067】
胴体部1dに抵抗部8dを取り付けることで、抵抗部8dが取り付けられた部分で気流の流速が変化して流体圧力が他の部分に比べて変化し、その部分に気送子Dの進行方向に対し垂直向きの力が作用する。それによって、気送子DはパイプPに対して傾いた状態で姿勢を維持する。
【0068】
傾いた状態で姿勢を維持することで、安定化しており、気流の速度変化による流体圧力に起因する振動は、防止することができる。
【0069】
本実施例に用いた抵抗部8dは、胴体部1dの一部のみを覆う形状であったが、全長にわたって覆うものであってもよい。気流の変化によって、流体圧力の差が生じるものを広く採用できる。
また、胴体部1dの先端はテーパ状に形成されていてもよい。
【0070】
(第5の実施例)
図8(A)に本発明に係る気送子のさらに他の例の正面図を、図8(B)に左側面図を示す。
【0071】
図8(A)、(B)に示す気送子Eは、先端部11e及び後端部12eを有しており、気送子Eの開口部に蓋をするキャップ4eを備えている。図8(A)及び図8(B)に示しているように、先端部11eと後端部12eの中心がαずれている。そして、先端部11e及び後端部12eが滑らかに連結された軸の曲がったテーパ形状を有している。
【0072】
気送子E周りに気流が流れることで、気送子Eの図面上上側2eと下側3eの流線の長さが異なり、それゆえ両部分2e、3eを流れる気流の流速がそれぞれ異なる。流速が異なることで、流体圧力の差が生じ、結果として力が作用する。予め力が作用しているので、気流の乱れによる流体圧力変化によって、気送子Eが振動することを防ぐことができる。
【0073】
(第6の実施例)
図9(A)に本発明に係る気送子のさらに他の例の正面図を、図9(B)に左側面図を示す。
【0074】
図9(A)、(B)に示す気送子Fの胴体部1fは同一半径を有する半円柱状の第1部材13fと第2部材14fを中心軸cf1、cf2をβずらした状態で貼り合わせた形状を有している。また、中空部に蓋をするキャップ4fを備えている。
【0075】
図9(A)及び図9(B)に示す気送子Fの場合、第1部材13fと第2部材14fのずれによって生じる隙間131f、141fの部分がほかの部分に比べて流速が変化するので、流体圧力の変化が生じ、圧力差による力が胴体部1fに加わる。それによって、気送子Fは安定して移動することができる。
【0076】
本実施例の気送子Fは、第1部材13fと第2部材14fとが同じ半径の半円柱を貼り合わせたが、半径の異なるものであってもかまわない。
【0077】
段差が徐々に小さくなって、端部においては滑らかに接続しているものも例示できる。
【0078】
(第7の実施例)
図10(A)に本発明に係る気送子のさらに他の例の正面図を、図10(B)に左側面図を示す。
【0079】
図10(A)、(B)に示す気送子Gは、図10(B)上右側に半径Rの部分、図10(B)上左側に半径rの部分を有しているものである。半径はR>rとなっており、それにより円形状のパイプPに挿入した場合、隙間の大きさに差ができ、流速に差が生じる。それにより、流体圧力に差が生じ、気送子Gには流体圧力に起因する力が作用し安定した姿勢を維持してパイプ内部を移動する。
【0080】
このことより、気送子Gは常に流体圧力の差による力が作用しており、気流の変化による振動を抑えることができる。
【符号の説明】
【0081】
A、B、C、D、E、F、G 気送子
1 胴体部
2 第1つば部
21 切り欠き部
3 第2つば部
31 切り欠き部
4 キャップ
P パイプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイプ内部の気流にのって輸送管路内部を移動する気送子であって、
内部に物品を格納することができるように筒状に形成されており、
移動方向に発生する気流の流線が1又は2箇所以上で異なり、
前記流線が異なる部分が偏っていることを特徴とする気送子。
【請求項2】
断面形状が非点対称である請求項1記載の気送子。
【請求項3】
立体形状が非回転体である請求項1又は2記載の気送子。
【請求項4】
外周面に切り欠き部を設ける請求項1、2又は3記載の気送子。
【請求項5】
外周面に流線を変化させるための部材を取り付けた請求項1から4記載の気送子
【請求項6】
パイプ内部の気流の流れによって該パイプ内部にて気送子を搬送する気送方法において、前記気送子として請求項1から5いずれかに記載の気送子を用いたことを特徴とする気送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−132541(P2009−132541A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−77348(P2009−77348)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【分割の表示】特願2002−300685(P2002−300685)の分割
【原出願日】平成14年10月15日(2002.10.15)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【出願人】(597006470)日本原燃株式会社 (21)