説明

水および溶媒を含まないポリマーの製造方法

本発明は、水および溶媒を含まないポリマー、特に、非ハロゲン化およびハロゲン化ブチルゴム生成物のような水および溶媒を含まない合成ゴム生成物、ならびにその製造方法に関する。本発明はさらに、そのプロセスを実施するのに好適な装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水および溶媒を含まないポリマー、特に、非ハロゲン化およびハロゲン化ブチルゴム生成物のような水および溶媒を含まない合成ゴム生成物、ならびにその製造方法に関する。本発明はさらに、前記プロセスを実施するのに好適な装置に関する。
【背景技術】
【0002】
合成ゴムは、重要な工業的用途を有し、典型的に、スラリー、エマルジョンまたは溶液プロセスにより実施されるモノマーの(共)重合により製造される。合成ゴムとしては、ブチルゴムおよびハロゲン化ブチルゴム、ポリイソブチレン、エチレンプロピレンジエンM−クラスゴム(EPDM)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)およびスチレン−ブタジエンゴム(SBR)が例示される。
【0003】
(共)重合後、リアクタ放出混合物は、少なくともポリマー、溶媒、残渣モノマーおよび触媒を含有する。ポリマーを回収するために、放出ストリームは、典型的に、蒸気および熱水で処理される。溶媒および未処理モノマーの大半が、これにより流される。蒸気および水と接触させる1つの欠点は、合成ゴムが凝固することである。ゴムポリマーは、水中湿潤クラムの形態で存在する。次に、水の大半は、脱水の後、例えば、乾燥押出し機および最終真空乾燥工程の適用により分離される。
【0004】
ブチルゴムとなるイソブテンおよびイソプレンの共重合は、例えば、高モル質量を得るために、約−60℃〜−100℃の低温で工業的に実施される。スラリープロセスでは、クロロメタンが希釈剤として用いられ、溶液プロセスでは、不活性炭化水素が溶媒として用いられる。重合後、ブチルゴムポリマーは、クロロメタン中スラリーか、または炭化水素中均一な溶液のいずれかとして存在する。未反応モノマーもまた、リアクタ放出混合物中に存在する。ブチルゴムポリマーは、希釈剤または溶媒から回収および単離する必要がある。
【0005】
スラリープロセスにおいて、重合リアクタ放出ストリームは、蒸気および熱水により、フラッシュドラムにおいて処理される。クロロメタンおよび未反応モノマーの大半は、それによって洗い流され、水は凝縮により蒸気から分離される。リアクタからのポリマーを、例えば、ハロゲン化による等さらに処理するときは、ブチルゴム生成物は、リアクタの中身を、ヘキサン等の熱溶媒へ放出することにより、溶液として直接回収してもよい。クロロメタンは、この段階後に蒸発し、さらなるストリッピング段を適用して、残りのモノマー残渣を除去する。
【0006】
溶液プロセスにおいては、不活性炭化水素溶媒およびアルミニウムハロゲン化アルキル触媒が、重合工程中に適用される。次に、残りのモノマーが、蒸留ストリッピングプロセスにおいてリアクタ溶液から除去される。この蒸留工程後、ブチルゴムポリマーは、炭化水素中均一な溶液として存在する。この溶液は、ハロゲン化工程を行う等さらに処理するか、またはブチルゴムは、溶液から直接単離することができる。ブチルゴムの溶液からの単離は、スラリープロセスと同様であり、蒸気および熱水との接触も含まれ、それによってポリマーが凝固する。すると、ブチルゴムポリマーは、水中湿潤クラムの形態で存在する(水中6〜10重量%のポリマー)。凝固を解消するために、脂肪酸の塩を、凝固物/蒸気ストリッピングプロセスの後の水中ブチルゴムクラムを含むフラッシュドラムに加える。添加剤の添加後、ブチルゴムを、さらなる乾燥により、最終的な商業用梱包形態へと変換する。乾燥は、典型的に、脱水の後、乾燥押出し機の適用、および流動床における最終乾燥工程によりなされる。
【0007】
ブチルゴムの商業的に重要な化学変性は、ハロゲン化であり、これは、塩素化および臭素化ブチルゴムとなり、以降、ハロブチルゴムまたは個々に、ブロモブチルゴムまたはクロロブチルゴムとも呼ばれる。
【0008】
ハロブチルゴムは、技術的には、アルカン中の標準のブチルゴムの溶液を、塩素または臭素と、攪拌容器で接触させることにより製造される。この溶液は、一般的にセメントと呼ばれる。未反応のハロゲンおよび副生成物として形成されたハロゲン化水素は、苛性溶液の添加により中和される。添加剤を、その段階で組み込むこともできる。次に、得られた溶液は、蒸気ストリップされて、溶媒が除去され、それによって、ゴムが、固体生成物へと凝固する。固体生成物は、概して、水中5〜12%のスラリーとして回収される。安定剤および/または酸化防止剤が、回収直前に、ハロゲン化ブチルゴムに添加される。ハロゲン化ブチルゴムは、標準のブチルゴムに用いるのと同様のプロセスにおいて、機械的な乾燥機器を用いて仕上げられるが、ハロゲン化生成物の反応性が大きいために、あまり厳しい条件は用いられない。
【0009】
凝固および蒸気ストリッピングについて上述したプロセスだと、エネルギー消費が非常に大きい。溶媒を蒸発させるばかりでなく、ストリッピングドラムの完全な水含量を高温で加熱し維持するのにも、大量の蒸気が必要である。ストリッピングドラム中の溶媒の分圧を下げることにより、残渣量の溶媒をストリップオフするのに、追加の蒸気を添加することも必要である。
【0010】
凝固後のスラリー中のブチルゴムの濃度は、概して、ハロゲン化ブチルゴムの僅か5〜12重量%および僅か5%〜20%であるため、上述したプロセスだとまた、大量の水を用いる。このスラリーからの水は全て廃水となり、廃棄されなければならない。廃水は、中和からのナトリウム塩を含有しているが、廃水を再生および再利用して、ナトリウム塩を除去するのは、塩濃度が低すぎるため、経済的に実行可能でない。
【0011】
ゴムクラムは、単純なシーブトレイまたはスクリーンを用いて、バルク水から機械的に分離される。(ハロ)ブチルゴムは、この最初の分離後でもまだ、約30〜50%の水を含有している。押出し機を用いて、生成物を混練し、水を絞り出すことにより、さらなる機械的乾燥を行う。この機械的乾燥プロセスの欠点は、シーブにより捕捉されなかったゴム小粒子による水の汚染であり、その結果、廃水に追加の処理が必要となることである。
【0012】
上述した機械的脱水は、水分含量を、約5〜15%まで低減することができるだけである。次に追加の熱乾燥段が必要である。そのため、ゴムは、加圧下、単軸または二軸押出し機において、150〜200℃まで加熱される。ダイプレートを取り付けて圧力を維持する。ゴムをダイプレートに押し入れると、ゴム中の水が蒸発し、開放多孔性クラムを形成する。次に、切断装置により、クラムを小片へと切断する。クラムは、対流乾燥機に搬送されて、残留水分が、熱風により除去される。かかる乾燥後、(ハロ)ブチルゴムの水分含量は、一般的に、0.1〜0.7%である。ブチルゴムクラムを、60℃の最大梱包温度まで冷やすのに、ゴムクラムに冷気を流すことによりなされる冷却段が必要である。次に、クラムを、水圧プレスにより梱包物へと形成され、梱包物は、発送のためにボックスまたはクレートへ詰められる。
【0013】
(ハロ)ブチルゴムを乾燥する上述したプロセスは複雑であり、大きな設備を必要とする。さらに、プロセスパラメータは、(ハロ)ブチルゴムの分解を促進するであろう熱および剪断応力を排除するために、慎重にモニターされなければならない。
【0014】
水および揮発性有機溶媒をポリマーから除去する目的で、様々なその他特別なプロセスが開発されている。添加溶剤を用いた、または用いない、真空下での押出し機での脱気は、大半の重要な技術として、実際の用途で容認されているが、かかる先行技術のプロセスのエネルギー必要量は極めて高い。
【0015】
(特許文献1)には、高圧ポリエチレンを精製する装置およびプロセスが開示されている。しかしながら、(特許文献1)におけるポリエチレンの合成ゴムセメントへの置換は、押出し機に入る前にクラムが形成される結果となり、全く望ましくない。
【0016】
(特許文献2)には、蒸気ストリッパ−、デカンターおよび押出し機を用いた、ポリマー樹脂、特に、ポリカーボネート樹脂のための方法および装置が開示されている。しかしながら、蒸気の導入によって、望ましくない高含量の残留水または非常に高いエネルギー消費となるであろう。
【0017】
(特許文献3)には、乾燥プロセス中に超音波ソノトロードを用いることにより、0.1重量%未満の水含量を有するブチルゴム等のポリマーの調製方法が開示されている。しかしながら、超音波を用いることに関連した非常に高い剪断応力によって、ハロブチルゴム等のポリマーが阻害される。
【0018】
(特許文献4)には、部分充填押出し機を用いた、溶液からのポリマー回収、特にポリエチレンの回収方法が開示されている。しかしながら、(特許文献4)には、残留水の除去については言及がない。
【0019】
(特許文献5)には、ポリマー、具体例としては、ある濃度のゴム溶液を回収する1工程方法が開示されている。すなわち、存在する溶媒を、真空下での脱気により、1工程で、存在する溶媒を除去し、白色クラムを生成するために、蒸気によりゴム溶液を加熱する。従って、(特許文献5)では、大量の蒸気を流して、揮発性成分を低蒸気圧で除去する必要があり、その結果クラムにおいてさらに囲いこまれる水を後に除去する必要があるであろう。
【0020】
(特許文献6)には、エラストマーポリマー溶液から溶媒を除去する2工程プロセスが開示されている。すなわち、ポリマー溶液は、加熱流体により直接加熱し、真空下でスプレーされる。スプレー中、溶媒は蒸発し、クラムが形成されたら、さらに脱気するために押出し機に供給する。しかしながら、その段階でのクラム形成は望ましくない。
【0021】
(特許文献7)には、少なくとも1つのニーダーで生成物を処理する方法が開示されている。(特許文献7)では、ニーダー自体の壁を一部通して導入されるエネルギーを用いて、溶媒を、エラストマーおよび熱可塑材を含有する溶液から蒸発させている。従って、投資コストの高い表面積の大きなニーダーが必要とされる。エネルギーの他の部分は、ニーダーの回転シャフトを介して、機械的エネルギーとして導入される。機械的エネルギーは、より高額であり、かつ、蒸気加熱に比べると、環境的に不利である。(特許文献7)で用いるニーダーは、かなりの保守およびクリーニングを必要とする。ニーダーを介した機械的エネルギーの導入は、さらに、生成物の粘度に強く左右されるため、プロセスの柔軟性が低下する。
【0022】
(特許文献8)には、プラスチックを脱気する装置および方法が開示されている。(特許文献8)の装置は、真空下で操作される後方ベントおよびいくつかのベントセクションを備えた押出し機である。真空は、低濃度の残渣揮発物を得るのに必要である。(特許文献8)には、ストリッピング剤を適用すると、脱気効率をさらに改善できることが開示されている。(特許文献8)で用いるプラスチック、熱可塑性ポリカーボネートは、脱気プロセスの終わりに流動溶融物のままである。しかしながら、(特許文献8)に従って処理された合成ゴムセメントは、脱気段の終わりに、クラムに変換され、さらに処理することができない。
【0023】
(非特許文献1)には、フラッシュタンクおよび押出し機を用いた、ゴム溶液の直接蒸発が開示されている。しかしながら、この参考文献は、最終生成物における揮発性化合物の含量については触れていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0024】
【特許文献1】米国特許第3,117,953A1号明細書
【特許文献2】独国特許第195 37 113号明細書
【特許文献3】米国特許第4,055,001号明細書
【特許文献4】欧州特許第0 102 122号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2001/056176A1号明細書
【特許文献6】米国特許第5,283,021A1号明細書
【特許文献7】欧州特許出願公開第1 127 609A2号明細書
【特許文献8】欧州特許出願公開第1 165 302A1号明細書
【非特許文献】
【0025】
【非特許文献1】Process Machinery,Parts I and II,March and April 2000;Author:C.G.Hagberg
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
従って、前述を考慮すると、本発明の目的は、揮発性化合物を、少なくとも1つのポリマー、好ましくは、少なくとも1つの合成ゴムを含有する流体から除去する、連続した、エネルギー効率の良い、環境的かつ経済的に好ましいプロセスを提供して、揮発性化合物を実質的に含まないポリマー生成物を生成することであった。
【課題を解決するための手段】
【0027】
この目的は、少なくとも1つの不揮発性ポリマーと少なくとも1つの揮発性化合物とを含有する流体(F)から揮発性化合物を除去する方法であって、
a)流体(F)を、少なくとも1つのヒーター、脱気容器(4)および蒸気ラインを含む少なくとも1つの濃縮器ユニットにおいて処理することにより、流体(F)を加熱し、加熱流体(G)を脱気容器に供給し、そこで揮発性化合物の一部を、蒸気ラインを介して除去して、濃縮流体(H)を得る工程と、
b)工程a)からの濃縮流体(H)を、少なくとも1つの再加熱ユニットにおいて再加熱して、再加熱濃縮流体(L)を得る工程と、
c)工程b)からの再加熱濃縮流体(L)を、少なくとも搬送セクション、1つ以上の蒸気ラインを有するベントポート、堆積セクションおよび出口セクションを含む少なくとも押出し機脱気セクションを含む少なくとも1つの押出し機ユニットへ供給することによって、揮発性化合物を、ベントポートおよび蒸気ラインを通して除去する工程と
を少なくとも含み、それによって、再加熱濃縮流体(L)が、押出し機脱気セクションに入る際、自由流動し、出口セクションで得られた生成物(P)が、揮発性化合物を実質的に含まない、方法により解決される。
【0028】
本発明の範囲はまた、各特徴に指定された範囲および好ましい範囲の任意の所望の組み合わせも包含することが指摘される。
【0029】
本発明において、「自由流動」とは、500〜50.000.000mPas、好ましくは、5.000〜30.000.00mPas、最も好ましくは、10.000mPas〜300.000mPasの範囲の粘度を意味する。
【0030】
別記しない限り、流体の粘度値とは、極めて粘性の試料についての、コーンプレートタイプのHaake Rheostress RS150粘度計または回転式レオメータを用いた、ある温度での測定から外挿されたゼロ剪断粘度のことを指す。
【0031】
本発明において、「揮発性化合物を実質的に含まない」という用語は、不揮発性ポリマーの質量を基準として、1重量%未満、好ましくは、0.5重量%未満の揮発性化合物の合計濃度を意味する。
【0032】
特に、「揮発性化合物を実質的に含まない」という用語は、水を実質的に含まず、揮発性有機化合物を実質的に含まないことを意味する。
【0033】
不揮発性ポリマーは、残留水濃度が、ポリマーの質量を基準として、0.5重量%未満、好ましくは、0.25重量%未満、より好ましくは、0.1重量%未満、最も好ましくは、0.075重量%未満の場合、水を実質的に含まないと考えられる。
【0034】
本発明において、「揮発性有機化合物」という用語は、標準気圧で、250℃未満の沸点を有する有機化合物を意味する。
【0035】
不揮発性ポリマーは、ポリマーの質量を基準として、前記揮発性有機化合物の残留濃度が、0.75重量%未満、好ましくは、0.25重量%未満、最も好ましくは、0.1重量%未満の場合、揮発性有機化合物を実質的に含まないと考えられる。前記揮発性有機化合物は、典型的に、ハロゲン化工程のような重合または後の処理工程で用いられる溶媒であり、ヘキサンおよびペンタンのような炭化水素が挙げられる。
【0036】
好ましい不揮発性ポリマーは、合成ゴム生成物である。
【0037】
本発明において、合成ゴム生成物という用語には、ブチルゴムおよびハロゲン化ブチルゴム、ポリイソブチレン、エチレンプロピレンジエンM−クラスゴム(EPDM)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)およびスチレン−ブタジエンゴム(SBR)が含まれる。好ましい合成ゴム生成物は、ブロモブチルおよびクロロブチルゴムのようなブチルゴムおよびハロブチルゴムであり、ブロモブチルゴムがより好ましい。
【0038】
本発明において、ブチルゴムとは、イソブテン(2−メチルプロペン)およびイソプレン(2−メチルブタ−1,3−ジエン)の(コ)−ポリマーを意味する。モル基準で、ポリマー中のイソプレン含量は、0.001%〜5、好ましくは1.8〜2.3モル%である。ブチルゴムは、ランダムに分布したイソプレン単位を備えた鎖状ポリイソブテン鎖で構成される。イソプレン単位は、不飽和部位をポリマー鎖に導入して、加硫を可能とする。ブチルゴム分子の質量平均分子量Mwは、典型的に、50,000〜1,000,000g/モル、好ましくは、300.000〜1,000,000g/モルである。
【0039】
ハロゲン化ブチルゴムはまた、ゴム分子に化学的に結合した、特定の量のハロゲンも含有する。化学的に結合したハロゲンの量は、典型的に、ポリマーの合計質量に対して、0を超え、3重量%までの範囲内である。(ハロ)ブチルゴムはまた、添加剤、例えば、0.0001〜4phr(phr=ゴム重量に対する百分率のゴム)のエポキシ化大豆油(ESBO)、0.0001〜5phrのステアリン酸カルシウムおよび0.0001〜0.5phrの酸化防止剤を含有していてもよい。ブチルゴム生成物の用途に応じて、その他添加剤、すなわち、フィラーまたは着色剤も適用可能である。
【0040】
ブロモブチルゴムの場合、最終生成物中の典型的な臭素含量は、1.5〜2.5重量%、好ましくは、1.6〜2.0重量%である。
【0041】
シクロブチルゴムの場合、最終生成物中の典型的な塩素含量は、1.0〜1.5重量%、好ましくは、1.15〜1.35重量%である。
【0042】
本発明の対象を、概略図により、より詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】単段濃縮器ユニット、再加熱ユニット、ならびに1つの押出し機脱気セクション、1つの堆積セクションおよび1つの出口セクションを含む押出し機ユニットを示す。
【図2】単段濃縮器ユニット、再加熱ユニット、ならびに2つの押出し機脱気セクション、2つの堆積セクションおよび1つの出口セクションを含む押出し機ユニットを示す。
【図3】圧力逃がし弁を有する単段濃縮器ユニット、再加熱ユニット、ならびに圧力逃がし弁、さらに、2つの押出し機脱気セクション、2つの堆積セクション、サイドフィーダーおよび出口セクションを含む押出し機ユニットを示す。
【図4】二段濃縮器ユニット、再加熱ユニット、ならびに1つの押出し機脱気セクション、1つの堆積セクションおよび1つの出口セクションを含む押出し機ユニットを示す。
【図5】単段濃縮器ユニット、再加熱ユニット、ならびに3つの押出し機脱気セクション、3つの堆積セクションおよび1つの出口セクションを含み、1つの押出し機脱気セクションが、後方脱気セクションである、押出し機ユニットを示す。
【図6】圧力調整デバイスを含む単段濃縮器ユニット、再加熱ユニット、ならびに圧力調整デバイス、4つの押出し機脱気セクション、4つの堆積セクションおよび1つの出口セクションを含み、1つの押出し機脱気セクションが、後方脱気セクションである、押出し機ユニットを示す。
【図7】単段予備洗浄ユニット、単段濃縮器ユニット、再加熱ユニット、ならびに1つの押出し機脱気セクション、1つの堆積セクションおよび1つの出口セクションを含む押出し機ユニットを示す。
【図8】基本予備洗浄ユニットを示す。
【図9】コアレッサーを含む予備洗浄ユニットを示す。
【図10】二段予備洗浄ユニットを示す。
【図11】追加のヒーターを有する二段予備洗浄ユニットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
プロセス工程の基本および例示の実施形態を図1に示す。工程a)において、少なくとも1つの不揮発性ポリマーと、少なくとも1つの揮発性化合物とを含有する流体Fを、ポンプ1により、ヒーター2へ移し、そこで、流体Fを加熱する。
【0045】
セメントとも呼ばれる流体Fは、例えば、3〜50重量%の不揮発性ポリマー、好ましくは、合成ゴム、より好ましくは、(ハロ)ブチルゴム、および60〜97重量%の揮発性化合物、特に、溶媒または溶媒と水を含有し、上述した成分は、流体Fの合計質量の90〜100、好ましくは、95〜100重量%まで加える。
【0046】
溶媒は、4〜10個のC原子、好ましくは、4〜7個のC原子を有する鎖状または分岐アルカンからなる群から好ましくは選択される。より好ましい溶媒は、n−ペンタン、イソ−ペンタン、n−ヘキサン、シクロ−ヘキサン、イソ−ヘキサン、メチル−シクロペンタン、メチル−シクロヘキサンおよびn−ヘプタン、ならびにこれらのアルカンを含む、またはからなる混合物である。
【0047】
本発明の好ましい実施形態において、流体Fは、3〜40重量%の不揮発性ポリマー、好ましくは、合成ゴム、より好ましくは(ハロ)ブチルゴム、60〜95重量%の揮発性有機化合物、特に、溶媒、および0.5〜20重量%の水を含有し、上述した成分は、流体Fの合計質量の95〜100重量%まで加える。
【0048】
流体Fは、典型的に、重合プロセスまたはその後の処理工程から得られる。後の処理工程は、例えば、ブチルゴムのハロゲン化である。水を含有する流体Fは、典型的に、重合後の蒸気ストリッピングプロセス後に得られる。
【0049】
ヒーターに入る流体Fは、典型的かつ好ましくは、10℃〜100℃、好ましくは、30℃〜80℃の温度を有する。流体Fの粘度は、例えば、100mPas〜25,000mPasの範囲、好ましくは、500mPas〜5,000mPasの範囲である。
【0050】
ヒーターは、流体Fの温度を上げることのできる装置であれば何でもよい。好ましい実施形態において、ヒーター2は、熱交換器である。加熱媒体は、蒸気、加熱油または加圧熱水からなる群から選択される。熱交換器は、例えば、シェル・アンド・チューブタイプであり、流体Fはチューブの内側にあり、加熱媒体はシェル側にある。チューブに特別なインサートを適用して、熱伝達を促してもよい。他のタイプの熱交換器を用いてもよく、流体Fは熱交換器チューブの外側にある。上述したタイプの熱交換器の利点は、不均等分布が排除されること、メンテナンスが容易であること、そして、熱伝達が良好なことである。前記熱交換器は周知であり、市販されている。あまり好ましくない実施形態においては、プレートタイプの熱交換器を適用してもよい。
【0051】
加熱すると、加熱流体Gが得られる。加熱流体Gは、流体Fよりも高い温度を有し、好ましくは、100〜200℃、より好ましくは、110℃〜190℃、さらに好ましくは、120℃〜175℃である。加熱流体Gは、次に、脱気容器4へさらに搬送される。
【0052】
脱気容器において、揮発性化合物は少なくとも部分的に蒸発する。蒸気は、真空ライン4.1により、加熱流体Gから分離および除去される。脱気容器4の圧力は、例えば、100hPa〜4,000hPaの範囲、好ましくは、200hPa〜2,000hPaの範囲、より好ましくは、230〜1,100hPaの範囲である。
【0053】
真空ライン4.1を介して除去された蒸気は、好ましくは、凝縮されて、流体Fの調製のプロセスへと再利用される。脱気および分離後、濃縮流体Hが得られ、これは、ポンプ4.2により、脱気容器4から除去される。
【0054】
本発明の好ましい実施形態において、脱気容器は、サイクロンの形状に設計されており、加熱流体Gからの蒸気の除去をさらに補助する。本発明の他の好ましい実施形態において、脱気容器4は、容器を完全に、または実質的に完全に空にするために、円錐または少なくとも皿形下部を有する。
【0055】
他の実施形態において、脱気容器の内側表面を加熱することができる。
【0056】
ポンプ4.2は、好ましくは、脱気容器4の出口に直接接続されている。一般的に、ポンプと容器間の接続片を、できる限り短くするのが好ましい。
【0057】
この段階での濃縮流体Hの高い粘度のために、ポンプの入口は、大きな入口で設計されているのが好ましく、これによって、入口での圧力降下が低減される。
【0058】
ポンプ4.2は、容積式ポンプ、ギアポンプ、ピストンポンプ、膜ポンプ、ネジ型ポンプ、逆回転または共回転単軸または二軸押出し機のような押出し機型ポンプあるいはニーダー型ポンプからなる群から選択してよい。容積式ポンプおよびギアポンプが好ましく、ギアポンプがより好ましい。
【0059】
他の好ましい実施形態において、ポンプ4.2は、押出し機またはニーダーとギアポンプの組み合わせを含み、ギアポンプは、押出し機またはニーダーから供給される。
【0060】
この工程a)で除去される揮発性化合物の量は、例えば、流体Gの温度および脱気容器4の圧力に応じて異なる。本発明の好ましい実施形態において、濃縮流体Hが、上記したとおり、まだ、自由流動し、例えば、10〜60、好ましくは、25〜60重量%の不揮発性ポリマー、好ましくは、合成ゴム、より好ましくは、(ハロ)ブチルゴム、約40〜約90、好ましくは、40〜75重量%の揮発性化合物を含み、上述した成分、不揮発性ポリマー、揮発性有機化合物および水は、流体Hの合計質量の90〜100重量%、好ましくは、95〜100重量%まで加えるように、流体Gの温度および脱気容器4の圧力は選択される。
【0061】
好ましい実施形態において、原料流体Fは水を含み、流体Hは、例えば、10〜60、好ましくは、25〜60重量%の不揮発性ポリマー、好ましくは、合成ゴム、より好ましくは、(ハロ)ブチルゴム、約25〜約90、好ましくは、25〜75重量%の揮発性有機化合物、特に、溶媒、ならびに約0.5〜約15重量%の水を含み、上述した成分不揮発性ポリマー、揮発性有機化合物および水は、流体Hの合計質量の90〜100重量%、好ましくは、95〜100重量%まで加える。
【0062】
濃縮流体Hの温度は、加熱流体Gより低く、例えば、15〜100℃の範囲、好ましくは、30〜100℃の範囲である。濃縮流体Hは、上記したとおり、まだ、自由流動する。
【0063】
工程b)において、工程a)で得られた濃縮流体Hを、再加熱ユニット6に通して、再加熱濃縮流体Lを得る。好ましい実施形態において、再加熱ユニットは、熱交換器を含み、加熱媒体および熱交換器タイプに関しては、熱交換器2について上述したものが好ましいものとして同じ開示内容が適用される。
【0064】
再加熱濃縮流体Lの温度は、濃縮流体Lよりも高く、例えば、50℃〜200℃の範囲、好ましくは、90℃〜180℃の範囲である。再加熱濃縮流体Lは、上記したとおり、まだ、自由流動している。
【0065】
工程c)において、工程b)で得られた再加熱濃縮流体Lを、押出し機ユニットに通し、供給点12で、押出し機脱気セクションの搬送セクション16に供給する。
【0066】
好適な押出し機のタイプとしては、任意の数のバレルおよびタイプのネジ要素およびその他単または多軸搬送ニーダーを含む単軸および多軸押出し機が挙げられる。多軸押出し機の可能な実施形態は、二軸押出し機、リング押出し機または遊星ローラー押出し機であり、二軸押出し機および遊星ローラー押出し機が好ましい。
【0067】
単軸押出し機としては、軸方向振動軸を有するものが挙げられる。二軸押出し機は、例えば、逆回転噛み合い、逆回転非噛み合い、共回転噛み合いおよび共回転非噛み合い二軸押出し機であり、共回転噛み合い二軸押出し機が好ましい。
【0068】
本発明の一実施形態において、押出し機は、バレルを介して、300℃までの温度まで加熱するか、または冷やすことができる。
【0069】
好ましい実施形態において、押出し機は、互いに独立した押出し機の個別のゾーンを異なる温度で操作する手段を含み、ゾーンに、加熱、非加熱または冷却のいずれかを行うことができる。他の好ましい実施形態において、押出し機は、少なくとも1つの別個のゾーンで、それぞれについて、搬送セクションを含み、異なる温度で独立して操作することができる。
【0070】
好ましい押出し機材料は、耐食性でなければならず、再加熱濃縮流体Lおよび生成物Pが、金属または金属イオンにより汚染されるのを実質的に防がなければならない。
【0071】
好ましい押出し機材料としては、窒化鋼、二相鋼、ステンレス鋼、ニッケル基合金、焼結金属のような複合体材料、熱間静水圧材料、ステライトのような硬質耐摩耗性材料、例えばセラミックス、窒化チタン、窒化クロムおよびダイヤモンドライクカーボン(DLC)でできた被膜のある被覆金属が挙げられる。
【0072】
搬送セクション16は、ベントポート15に対して開いている。搬送セクション16において、溶媒の一部が蒸発し、再加熱濃縮流体Lから分離される。蒸気は、ベントポート15を通して、蒸気ライン15.1を介して除去される。
【0073】
蒸発揮発性化合物は、再加熱濃縮流体Lまたは生成物Pを、ベントポートに向けて取り込む傾向があるため、本発明の好ましい実施形態において、ベントポート15は、材料、特に、再加熱濃縮流体Lまたは生成物Pが、ベントポートから流出するのを防ぐように設計されている。
【0074】
その目的を達成するのに好適な手段は、ベントポートに装着され、いずれかの材料を押出し機に搬送して戻すスタッファースクリューや、ベントポートの内側に適用され、堆積した材料を押出し機に押し戻すローラーまたはベルトである。上述したものの代わりに、またはそれに加えて、材料の表面への貼りつきを低減するかまたは防ぐためにベントポートの被膜を適用してもよい。好適な被膜としては、DLC、エチレン−テトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)およびニッケル合金が挙げられる。
【0075】
ベントポート15の圧力は、例えば、1hPa〜2,000hPa、好ましくは、5hPa〜900hPaである。
【0076】
蒸気ライン15.1は、凝縮システムであってもよく、好ましくは、接続されている。
【0077】
一般に、凝縮システムの目的は、蒸気ラインを介してベントポートにより除去された揮発性化合物を集めることであり、典型的に、凝縮器および真空ポンプを含む。当該技術分野において公知の任意の凝縮システムを用いて、揮発性化合物を回収してもよい。
【0078】
一般的に、任意選択で、相分離を実施して、揮発性有機化合物を水から分離した後、凝縮した揮発性化合物を、流体Fの調製プロセスへ再利用するのが好ましい。
【0079】
搬送セクション16は、堆積セクション20で終わる。堆積の目的は、ベントポート15において、特定の圧力レベルを確保し、機械的エネルギーを材料に導入して、揮発性化合物の蒸発を促すことである。堆積セクション20は、材料を堆積可能とする任意の手段を含んでいてよい。例えば、ニーディングまたは絞りエレメント、ブリスターディスクまたはダイプレートを含むよう設計してよい。
【0080】
絞りエレメントとしては、円錐または円筒形流路またはその他絞り手段が例示される。
【0081】
堆積セクション内でのニーディングエレメント、ブリスターディスクまたはダイプレートの適用が好ましい。ニーディングエレメントがより好ましい。ニーディングエレメントとしては、二条または三条前方、後方または中立搬送ニーディングブロックとして設計してよいニーディングブロック、溝のある一条または二条ネジ混合エレメント、一条歯混合エレメント、ブリスタープレートおよび一条、二条または三条偏心ディスクが例示される。ニーディングエレメントは、押出し機、特に、二軸逆回転または共回転二軸押出し機のスクリューシャフトで、任意の組み合わせで組み立ててよい。
【0082】
典型的な堆積セクションは、2〜10のニーディングブロックを含み、ニーディングエレメントの後方搬送タイプで終わっていることが多い。ストリッピング剤の混合については、溝のある歯タイプのエレメントまたはスクリューエレメントを適用してよい。
【0083】
偏心ディスクは、生成物Pの粘性が高く、揮発性化合物を実質的に含まない押出し機の最後のセクションに適用されるのが好ましい。
【0084】
遊星ローラー押出し機については、歯形ローラーまたは溝と間隙のあるローラーのようなニーディングエレメントが好ましい。
【0085】
一般的に、押出し機ユニットは、1つ以上の搬送セクションおよび1つ以上の堆積セクションを含んでいてよく、その数は、構造的な制約によってのみ限定される。搬送セクションおよび堆積セクションの典型的な数は、1〜30、好ましくは、2〜20、より好ましくは、3〜15である。
【0086】
最後の堆積セクション20は、典型的に、押出し機の出口に生成物プラグを形成するよう設計されており、それによって、周囲の空気が押出し機に入るのを防いでいる。搬送セクション16および堆積セクション20から、出口セクション22へ通過する間、再加熱濃縮流体Lは、自由流動再加熱濃縮流体Lから、典型的に、脆い外観を有する生成物Pへ移行する。
【0087】
出口セクション22は、典型的に、生成物が押出し機を出る手段、任意選択であるが、好ましくは、生成物処理機器を含んでいる。好適な生成物処理機器としては、ダイプレートとカッターの組み合わせ;ダイプレートと水中ペレット化手段;歯と穴を備えたスクリューエレメントのようなクラム形成手段;穴が中にあるシリンダーとして設計してよく、これによって、生成物が、シリンダーの外側から内側へプレスされ、シリンダー内側の回転ナイフが、生成物を片へと切断する攪拌器;スクリュー回転によって切断動作となり、好ましくは、二軸共回転単軸および遊星ローラー押出し機で動作させるときに適用される、押出し機のエンドプレートに配置された固定ナイフが例示される。
【0088】
生成物への機械および熱応力を低減するために、本発明の好ましい実施形態において、生成物処理機器を冷却手段と組み合わせる。
【0089】
冷却手段は、生成物から熱を除去できる任意の手段を含んでいる。冷却手段としては、対流空気冷却による空気圧クラムコンベヤー、対流空気冷却による振動クラムコンベヤー、冷却接触表面を備えた振動クラムコンベヤー、対流空気冷却によるベルトコンベヤー、冷却ベルトを備えたベルトコンベヤー、押出し機の出口での熱クラムへの水スプレーおよび水が冷却剤として作用する既述した水中ペレット化手段が例示される。
【0090】
生成物Pは、最終梱包および発送のためにさらに処理してよい。例えば、(ハロ)ブチルゴムを、60℃以下の温度まで冷却して、例えば、水圧プレスにより梱包物へと形成し、発送のためにボックスまたはクレートへ詰める。
【0091】
一般に、供給点12での再加熱濃縮流体Lの供給量を増大するには、押出し機のスクリュー速度も対応して増大する必要がある。さらに、スクリュー速度は、流体Lの滞留時間を決める。このように、スクリュー速度、供給量および押出し機直径は、典型的に、相互依存している。典型的に、押出し機は、無次元処理量V/n(式中、Vは堆積流量、nは1分間当たりの回転数で表わされるスクリュー速度、dは押出し機の有効直径)を、約0.01〜約0.2、好ましくは、約0.015〜約0.1まで調整されるように操作される。最大および最小供給量および押出し機スクリュー速度は、例えば、押出し機のサイズ、流体Lに含まれる合成ゴム生成物の物理特性、および残留揮発性化合物の目標値により決まる。しかしながら、これらの特性を前提とすると、操作パラメータは、当業者により、ある程度初期実験で、決めることができる。
【0092】
本発明の一実施形態において、押出し機は、1時間当たり、5〜25,000、好ましくは、5〜6,000キログラムの供給量で操作される。
【0093】
一般的に、押出し機における脱気は、他の揮発性化合物と共に除去されるストリッピング剤の添加により補助してもよい。ストリッピング剤は、押出し機ユニットのどこに添加してもよいが、1つ以上の堆積セクションでの添加が好ましい。より好ましい実施形態において、ストリッピング剤は、最後の1つ(20)を除く、1つ以上の堆積セクションに添加される。
【0094】
好適なストリッピング剤は、再加熱濃縮流体(L)および/または生成物(P)に不活性な物質であり、100℃で100hPaを超える蒸気圧を有している。
【0095】
本発明において、「不活性」という用語は、ストリッピング剤が、再加熱濃縮流体(L)および/または生成物(P)に含まれるポリマーと反応しない、または実質的に反応しないことを意味する。好適なストリッピング剤は、窒素、二酸化炭素、希ガス、プロパン、ブタン、水または上述した物質の混合物である。ストリッピング剤の量は、出口セクションで得られるポリマー生成物の量を基準として、0.0001〜10、好ましくは、0.001〜5、より好ましくは、0.1〜2重量%であってよい。
【0096】
本発明は、本発明による方法を実施するのに好適な装置にさらに関する。従って、本発明はまた、
・脱気容器(4)と連通したヒーター(2)を含む1つの濃縮器ユニットであって、脱気容器(4)の下部が、ポンプ(4.2)と連通していて、脱気容器(4)の上部が、少なくとも1つの蒸気ライン(4.1)と連通している、濃縮器ユニットと、
・濃縮器ユニットのポンプ(4.2)および押出し機ユニットの供給点(12)と連通している1つの加熱ユニット(6)と、
・少なくとも1つの供給点(12)、1つの押出し機脱気セクション(16)、1つの堆積セクション(20)および1つの出口セクション(22)を含む1つの押出し機ユニットであって、押出し機脱気セクション(16)が、蒸気ライン(15.1)に接続された少なくとも1つのベントポート(15)をさらに含む、押出し機ユニットと
を少なくとも含む装置も含む。
【0097】
本発明において、「連通している」という用語は、直接または間接接続を含み、間接接続は、例えば、チューブまたは管を介して行ってよい。「連通している」という用語は、連通しているユニットまたは手段間に、さらなるユニットまたは手段を配置するという選択肢をさらに含む。
【0098】
本発明の他の実施形態を図2に示す。図2は、他のフローチャート、そして、ポンプ1、ヒーター2、脱気容器4、蒸気ライン4.1およびポンプ4.2を備えた濃縮器ユニットと、ヒーター6を含む再加熱ユニットと、それぞれ、ベントポート15Aおよび15Bならびに蒸気ライン15.1Aおよび15.1.Bに接続された2つの搬送セクション16Aおよび16Bを有する2つの押出し機脱気セクションと搬送セクション16Aおよび16Bの終わりの2つの堆積セクション18および20と出口セクション22とを含む押出し機ユニットとを含む、本発明による方法を実施するのに好適な装置を示す。それに加えて、押出し機ユニットは、サイドフィーダー24をさらに含む。
【0099】
一般的に、押出し機ユニットは、1つ以上のサイドフィーダーを含んでいてよく、それは、押出し機のどこに位置していてもよく、好ましくは、供給点または出口セクション22に近接している。サイドフィーダーは、添加剤をポリマーに添加するのに好適である。
【0100】
添加剤、特に、(ハロ)ブチルゴム生成物については、安定剤、ESBO(エポキシ化大豆油)のような酸スカベンジャー、ステアリン酸カルシウムのようなステアリン酸、酸化防止剤等が例示される。好適な酸化防止剤としては、Inganox1010および1076のようなブチルヒドロキシトルエンおよびその誘導体のような立体障害フェノール、アミン、メルカプトベンズイミダゾール、特定の亜リン酸塩等が例示される。
【0101】
特に、(ハロ)ブチルゴムは、添加剤、例えば、0.0001〜4phrのエポキシ化大豆油(ESBO)、0.0001〜5phrのステアリン酸カルシウムおよび0.0001〜0.5phrの酸化防止剤(phr=ゴム重量に対する百分率のゴム)と混合する。ブチルゴム生成物の用途、すなわち、フィラーまたは着色剤に応じて、他の添加剤も適用可能である。
【0102】
それに代えて、またはそれに加えて、液体である限りは、添加剤を、ストリッピング剤と共に、前から、流体Fに添加しておいてもよい。
【0103】
本発明の好ましい実施形態において、工程a)は、少なくとも1回、好ましくは、1回または2回繰り返す。工程a)を繰り返す利点は、濃縮流体Hを生成する合計エネルギー消費を、各濃縮器ユニットについての操作パラメータ最適化が容易であることから、大幅に低減できることである。工程a)の繰り返しは、各数の濃縮器ユニットを連続接続することによりなされるのが好ましい。
【0104】
本実施形態の一例を図4に示す。図4は、他のフローチャート、そして、ポンプ1を備えた二段濃縮器ユニット、ヒーター2A、蒸気ライン4.1Aおよびポンプ4.2Aを備えた脱気容器4Aを含む第1の濃縮器ユニット、ヒーター2B、蒸気ライン4.1Bおよびポンプ4.2を備えた脱気容器4Bを含む第2の濃縮器ユニットと、ヒーター6を含む再加熱ユニットと、それぞれ、ベントポート15Aおよび15Bならびに蒸気ライン15.1Aおよび15.1.Bに接続された2つの搬送セクション16Aおよび16Bを有する2つの押出し機脱気セクションと搬送セクション16Aおよび16Bの終わりの2つの堆積セクション18および20と出口セクション22とを含む押出し機ユニットとを含む、本発明による方法を実施するのに好適な装置を示す。加熱流体Gに、第1の濃縮段を行い、それによって、予備濃縮流体Jを得て、これを次に、ヒーター2Bにより再加熱して、再加熱予備濃縮流体Kを得て、これを次に、第2の濃縮段を行うことにより、濃縮流体Hを得る。濃縮流体Hを、上述したとおりにして、さらに処理する。
【0105】
発明の好ましい実施形態において、濃縮器ユニット、再加熱ユニットまたは押出し機ユニットは、互いに独立して、1つ以上の圧力調整デバイスを備えていてよく、これによって、所定の条件下で、ユニットを非常に正確に操作することができる。
【0106】
圧力調整デバイスは、能動または受動であってよいが、能動圧力調整デバイスが好ましい。能動圧力調整デバイスとしては、圧力逃がし弁のようなコントロールバルブが例示され、受動圧力調整デバイスとしては、ノズルおよびダイまたはオリフィスプレートが例示される。好適な弁は、ボール、ピストン、ゲートまたはニードル弁から選択すればよい。
【0107】
受動圧力制御デバイスの場合、特定の圧力降下が生じるオリフィスを計算するのが好ましい。計算は、その点での流体の粘度および処理量に基づく。当業者であれば、計算することができる。
【0108】
能動圧力制御デバイスは、典型的に、デバイスの上流の圧力測定により制御される。圧力は、例えば、測定され、設定点と比較される。次に、圧力制御デバイスは、認識されたオフセットに従って調整される。
【0109】
あるいは、圧力制御デバイスの上流の絶対圧力の代わりに、デバイスの圧力降下を測定する。弁位置は、手動、電気的、空気圧または水圧により調整される。弁位置の制御、すなわち、設定点圧力の調整は、例えば、手動で、または自動プロセス制御システムから行うことができる。
【0110】
追加の圧力制御デバイスを有する発明のさらなる実施形態を、圧力制御デバイス以外は図2と非常に似た図3に示す。加熱流体Gの圧力は、圧力制御デバイス3により制御され、押出し機に入る再加熱濃縮流体Lの圧力は、圧力制御デバイス7により制御される。
【0111】
発明の好ましい実施形態において、再加熱濃縮流体(L)は、押出し機ユニットの第1の押出し機脱気セクションに注入される。第1の押出し機脱気セクションは、それぞれ蒸気ラインに接続された1つ以上の後方ベントポートを上流方向に含む。
【0112】
後方ベントポートの利点は、再加熱濃縮流体Lに存在する揮発性化合物は、急激かつ即時に蒸発し、それによって、合成ゴム生成物と揮発性化合物が少なくとも部分的に分離し、蒸気が上流方向に後方ベントを通して出てくる。一般的に、流体Lに存在する揮発性化合物の約50〜約99重量%が、上流ベントを通して除去される。
【0113】
本実施形態の一例を図5に示す。図5に、他のフローチャート、そして、ポンプ1を備えた単段濃縮器ユニット、ヒーター2、蒸気ライン4.1およびポンプ4.2を備えた脱気容器4を含む濃縮器ユニット、ヒーター6を含む再加熱ユニット、および3つの押出し機脱気セクションを含む押出し機ユニットを含む、本発明による方法を実施するのに好適な装置を示す。供給点12は、第1の押出し機脱気セクションに位置し、上流方向に、搬送セクション16A、蒸気ライン13.1に接続された後方ベントポート13を含み、押出し機ユニットは、搬送セクション16Bおよび16C、ベントポート15Aおよび15Bをそれぞれ含む2つの下流押出し機脱気セクションをさらに含み、ベントポート15Aおよび15Bは、それぞれ、蒸気ライン15.1Aおよび15.1Bに接続され、搬送セクション16A、16Bおよび16Cはそれぞれ、堆積セクション18A、18Bおよび20により終わっており、押出し機ユニットは、出口セクション22をさらに含む。一般的に、蒸気は、上述したとおり処理され、その違いは、再加熱濃縮流体Lに存在する大量の流体化合物が、ベントポート13およびそれに接続された蒸気ライン13.1を介して既に除去されていることである。
【0114】
本実施形態の他の例を図6に示す。図6に、他のフローチャート、そして、ポンプ1を備えた単段濃縮器ユニット、圧力制御デバイス3、ヒーター2、蒸気ライン4.1およびポンプ4.2を備えた脱気容器4を含む濃縮器ユニット、ヒーター6を含む再加熱ユニット、および押出し機の供給点12の上流の圧力制御デバイス7、4つの押出し機脱気セクションを含む押出し機ユニットを含む、本発明による方法を実施するのに好適な装置を示す。供給点12は、第1の押出し機脱気セクションに位置し、第1の押出し機脱気セクションは、上流方向に、搬送セクション16A、蒸気ライン13.1に接続された後方ベントポート13を含み、押出し機ユニットは、搬送セクション16B、16Cおよび16D、ベントポート15A、15Bおよび15Cをそれぞれ含む3つの下流押出し機脱気セクションをさらに含み、ベントポート15A、15Bおよび15Cは、それぞれ、蒸気ライン15.1A、15.1Bおよび15.1Cに接続され、搬送セクション16A、16B、16Cおよび16Dはそれぞれ、堆積セクション18A、18B、18Cおよび20により終わっており、押出し機ユニットは、出口セクション22をさらに含む。一般的に、蒸気は、上述したとおり処理される。
【0115】
ヒーター2に供給され、典型的に、既に上述した流体Fは、例えば、3〜50重量%の不揮発性ポリマー、好ましくは、合成ゴム、より好ましくは、(ハロ)ブチルゴムおよび60〜97重量%の揮発性化合物、特に、溶媒または溶媒と水を含有し、上述した成分は、流体Fの合計質量の90〜100、好ましくは、95〜100重量%まで加え、好ましい実施形態においては、3〜40重量%の不揮発性ポリマー、好ましくは、合成ゴム、より好ましくは、(ハロ)ブチルゴム、60〜95重量%の揮発性有機化合物、特に、溶媒、0.5〜20重量%の水を含有し、上述した成分は、流体Fの合計質量の95〜100重量%まで加える。
【0116】
流体Fの源に応じて、親水性化合物をさらに含有する場合があるが、これは所望の生成物規格に適合するよう、特定の範囲まで除去する必要がある。
【0117】
さらに、流体Fが水を含有する場合には、そのエネルギー消費に関して、方法を改善するために、水含量を下げるのが望ましい。
【0118】
親水性化合物および任意選択で水を、少なくとも1つの不揮発性ポリマー、少なくとも1つの揮発性有機化合物、1つ以上の親水性化合物および任意選択で水を含有する粗流体Aから除去する方法において、流体Fを調製することにより、有利なやり方で残留親水性化合物または水または両方を大幅に削減できることを見出した。その方法は、
予備a)粗流体(A)を、少なくとも分離装置(26)を含む少なくとも1つの予備洗浄ユニットで処理して、流体(A)を水と混合して、主に不揮発性ポリマーおよび揮発性有機化合物を含む有機相(28)と、主に水および親水性化合物を含む水相(27)とを得て、有機相(28)を、分離装置(26)において水相(27)から分離して、流体Fとしてさらに用い、水相(27)の少なくとも一部を、分離装置から除去する(流体C)工程を少なくとも含む。
【0119】
本発明において、「親水性化合物」という用語は、少なくとも部分水溶性揮発性および不揮発性化合物を意味する。無機塩、特に、重合反応に用いた触媒残渣、例えば、ハロゲン化反応および中和から得られたアルミニウム塩、鉄またはその他遷移金属塩またはハロゲン化物が例示される。
【0120】
予備a)工程の例示の実施形態を、図8、9、10および11を用いて例証する。
【0121】
予備洗浄工程のごく基本的かつ例示の実施形態を図8に示す。予備a)工程において、少なくとも1つの不揮発性ポリマー、少なくとも1つの揮発性化合物および少なくとも1つの親水性化合物を含有する流体Aを、分離装置26に移し、そこで水と混合する。水との混合の際に、有機相28および水相27が得られる。有機相28を、分離装置26から除去され、流体Fとしてさらに用い、水相27を、分離装置26から、流体Cとして少なくとも部分的に除去され、廃棄される。
【0122】
予備洗浄工程の改善された実施形態を図9に示す。予備a)工程において、少なくとも1つの不揮発性ポリマー、少なくとも1つの揮発性化合物および少なくとも1つの親水性化合物を含有する粗流体Aを、ミキサー32を備えた分離装置26の混合セクション30に供給し、分離壁34を通過し、沈降セクションへ進み、そこで、混合物は、水相27と有機相28に分離される。分離は、コアレッサー39によりサポートされる。水相27の一部は、分離装置26から、流体Cとして除去され、典型的に、廃棄され、残りは、真水Eを混ぜて、再循環ポンプ36の動作により、再循環ライン38を介して再生され、混合セクション30に戻される。有機相28は除去され、流体Fとして、工程a)〜c)に従って後のプロセスがなされる。
【0123】
一般的に、予備洗浄工程におけるコアレッサーは有益であるが、必須ではない。液滴を集め、合体させるのに役立ち、それらを、相界面へ導き、これにより、典型的に、滞留時間が短くなる。好適なコアレッサーとしては、構造または非構造パッキングが例示される。構造パッキングは、例えば、フラットプレート、フラットベーン、蓋状ベーンおよび垂直方向に穴のあるベーンである。ベーンまたはプレートは、主流方向に対して直角または平行、あるいは傾斜をつけて配置してよい。非構造パッキングは、例えば、金網、リング、球、シリンダー、不規則形状でできたパッキング、穴やスリットのある堰状分配板、主流路の一部をカバーする垂直板である。パッキングは、任意の技術的に可能な材料、例えば、金属、ガラス、セラミック、被覆金属、ライニング金属およびポリマー材料、例えば、PTFE、ETFE、ポリエチレン(PE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)およびポリフッ化ビニリデン(PVDF)で作製することができる。
【0124】
発明の好ましい実施形態において、予備a)工程は、少なくとも1回、好ましくは1回繰り返す。
【0125】
予備洗浄工程のさらに改善された好ましい実施形態を図10に示す。この二段予備洗浄工程の予備a)工程において、少なくとも1つの不揮発性ポリマー、少なくとも1つの揮発性化合物および少なくとも1つの親水性化合物を含有する流体Aを、ミキサー32Aを備えた第1の分離装置26Aの混合セクション30Aに供給し、分離壁34Aを通過し、沈降セクションへ進み、そこで、混合物は、水相27Aと有機相28Aに分離される。分離は、コアレッサー39Aによりサポートされる。水相27Aの一部は、分離装置26Aから、流体Cとして除去され、典型的に、廃棄され、残りは、再循環ポンプ36Aの動作により、再循環ライン38Aを介して再生され、混合セクション30Aに戻される。有機相28は除去され、流体Bとして、同じくミキサー32Bを備えた第2の分離装置26Bの混合セクション30Bに供給し、分離壁34Bを通過し、沈降セクションへ進み、そこで、混合物は、水相27Bと有機相28Bに分離される。分離は、コアレッサー39Bによりサポートされる。水相27Bの一部は、第1の分離装置26Aの混合セクション30Aへ、流体Dとして、再循環ポンプ40および再循環ライン42の動作により再生され、残りは、真水Eを混ぜて、再循環ポンプ36Bの動作により、再循環ライン38Bを介して再生され、第2の分離装置26Bの混合セクション30Bに戻される。第2の分離装置26Bを出る有機相28に、流体Fとして、工程a)〜c)に従って後のプロセスがなされる。この二段予備洗浄工程の利点は、流体Fに親水性化合物が実質的になく、廃水の量が再生により減じて、流体C中の親水性化合物が高濃度となることである。
【0126】
発明の好ましい実施形態において、40℃を超える温度で分離を行う。上限は、ポリマーの組成および分離装置の構造に応じて異なる。典型的に、上限は、125℃である。
【0127】
発明のより好ましい実施形態において、分離は、40〜110℃の温度、好ましくは、80〜110°の温度で行う。
【0128】
流体Aの組成およびその成分の沸点に応じて、分離装置は、加圧下で操作されるように設計してよい。
【0129】
一般的に、予備洗浄工程の効率は、温度の増大と共に増大する。
【0130】
本発明の他の実施形態において、分離装置を出る有機相28を予熱して、流体Fの自由流動を促してもよい。この目的はまた、ヒーターによっても行うことができ、ヒーター2について開示した熱交換器が好ましい。
【0131】
図10と同一のヒーターとは別の、流体Aおよび流体Fについて追加のヒーターを有するさらなる改善された好ましい実施形態を、図11に示す。流体Aは、分離装置に入る前に、ヒーター25により加熱し、第2の分離装置26Bを出る有機相28はヒーター44により加熱する。
【0132】
予備a)工程の性能は、ハロブチルゴム、特に、クロロブチルおよびブロモブチルゴムを含有する流体Fにとって特に有利である。粗ハロブチルゴム溶液は、ポリマーのハロゲン化から得られる大量の無機ハロゲン化物を含有していることが多いからである。
【0133】
例えば、ブチルゴムの臭素化から生じる流体Aは、典型的に、ブロモブチルゴムの質量で計算した3,000〜5,000ppmのレベルの無機臭化物を含有する。予備a)工程の性能で、このレベルは、500ppm未満、好ましくは、300ppm未満、より好ましくは、100ppm未満まで低減することができる。
【0134】
例えば、ブチルゴムの塩素化から生じる流体Aは、典型的に、クロロブチルゴムの質量で計算した1,000〜5,000ppmのレベルの無機塩化物を含有する。予備a)工程の性能で、このレベルは、500ppm未満、好ましくは、300ppm未満、より好ましくは、100ppm未満まで低減することができる。
【0135】
予備a)工程の性能によって、流体Fの水含量を、流体Aに比べて大幅に低減することができ、それが、後の工程a〜c)におけるエネルギー消費を大幅に下げるのに貢献することをさらに見出した。
【0136】
発明のさらなる一実施形態を図7に示す。図7に、予備a)およびa)〜c)工程を含むプロセスを実施する基本的なフローチャートおよび好適な装置を示す。
【0137】
予備a)工程において、少なくとも1つの不揮発性ポリマー、少なくとも1つの揮発性化合物および少なくとも1つの親水性化合物を含有する流体Aを、ミキサー32を備えた分離装置26の混合セクション30に供給し、分離壁34を通過し、沈降セクションへ進み、そこで、混合物は、水相27と有機相28に分離される。分離は、コアレッサー39によりサポートされる。水相27の一部は、分離装置26から、流体Cとして除去され、典型的に、廃棄され、残りは、真水Eを混ぜて、再循環ポンプ36の動作により、再循環ライン38を介して再生され、混合セクション30に戻される。有機相28は流体Fとして除去される。工程a)において、流体Fを、ポンプ1を介して、ヒーター2へ移し、このようにして、加熱流体Gが得られる。加熱流体Gを、脱気容器4へ供給する。加熱流体Gから出てきた蒸気を、分離し、蒸気ライン4.1により除去する。脱気および分離後、濃縮流体Hを得て、これを、脱気容器4から、ポンプ42により除去する。
【0138】
工程b)において、工程a)で得られた濃縮流体Hを、再加熱ユニット6に通過させて、再加熱濃縮流体Lを得る。工程c)において、工程b)で得られた再加熱濃縮流体Lを、押出し機ユニットに通過させ、供給点12で押出し機の搬送セクション16に供給する。搬送セクション16は、ベントポート15に対して開いている。搬送セクション16において、溶媒の一部が蒸発し、再加熱濃縮流体Lから分離される。蒸気は、ベントポート15を通して、蒸気ライン15.1を介して除去される。搬送セクション16は、堆積セクション20で終わる。搬送セクション16および堆積セクション20から出口セクション22に通過する間、再加熱濃縮流体Lは、自由流動再加熱濃縮流体Lから、生成物Pへ移行する。
【0139】
本発明は、特に、エネルギーおよび真水消費の点で有利である。得られた生成物は揮発性化合物を含まない。
【実施例】
【0140】
分析方法
流体Fの水含量:試料を遠心分離器に入れ、4000rpmで室温で5分間回転させた。その後、バイアルの下部で水を集め、秤量した。
【0141】
合計揮発物濃度:ゴム試料を、2×2mmサイズの小片に切断した。約30gのゴム片を、アルミナるつぼに入れた。るつぼとゴムの重量を求めた。ゴム試料を含むるつぼを真空オーブンに、130hPaの真空レベルで、60分間、105℃の温度で入れた。乾燥後、るつぼを乾燥機に入れ、30分間冷やした。るつぼを再び秤量した。重量損失を求めた。
【0142】
生成物Pの残渣溶媒濃度:生成物中の残渣溶媒濃度を、ヘッドスペースガスクロマトグラフィーにより求めた。試料の秤量部分(0.5+−0.005g)を、ヘッドスペースバイアルに入れ、測定量の溶媒(1,2ジクロロベンゼン、ODCB)を添加した。バイアルを密閉し、ゴムが溶解するまで振とうした。揮発性有機化合物を、バイアル(ヘッドスペース)中の試料と気相間の平衡で分配されるまで、バイアルを加熱した。ヘッドスペースのアリコートを、キャリアガスのストリームに注入し、これが、クロマトグラフィーカラムに沿って試料を運ぶ。既知の組成物の基準を用いて、GCを較正した。トルエンを溶媒に添加して、内部標準として用いた。
【0143】
生成物Pの残留水濃度:合計揮発物濃度は、水、溶媒およびモノマーの合計である。モノマー濃度は、一般的に、0.0005重量%未満であるため、水含量は、溶媒濃度を合計揮発物濃度から除算することにより求めることができる。
【0144】
流体中の溶媒濃度:流体中の溶媒の濃度を、ガスクロマトグラフィーを用いて測定した。内部標準はイソオクタンであった。試料を、トルエンで希釈し、ガスクロマトグラフに注入した。ガスクロマトグラフィーは、HP6890クロマトグラフで、以下の仕様で行った。
−J&WのカラムタイプDB−5、長さ60m、直径0.23mm、フィルム厚さ1.0μm
−注入器温度:250℃
−検出器温度:350℃
−キャリアガス:ヘリウム
−カラム圧:96kPa
−検出器:FID
【0145】
流体の粘度:粘度は、コーンプレートタイプの回転レオメータで測定した。与えられた粘度は全て、外挿ゼロ剪断粘度を指す。
【0146】
実施例1〜7:予備洗浄
概論
粗ブロモブチルゴム溶液(以降、流体(A)と呼ぶ)を、商業的なブロモブチルゴム生産プラントから採った。流体(A)は、水相(56重量%)と有機相(44重量%)の2相を含んでいた。ブロモブチルゴムの有機相のみのヘキサンに対する全体比は、実施例全体にわたって一定であり、22重量%のブロモブチルゴムおよび約78重量%のヘキサンであった。流体(A)に含まれるブロモブチルゴムは、仕上がって乾燥させると、以下の特性を有していた。32±4のムーニー(ML1+8、125℃)、結合臭素含量1.8±0.2重量%。
【0147】
流体(A)は、特定の添加剤をさらに含んでいた。濃度は、ゴム質量に対する質量分率(phr=ゴムの百分率)で与えられている。ESBO:1〜1.6phr、ステアリン酸カルシウム1.3〜1.7phr、Irganox0.03〜0.1phr。
【0148】
水相の典型的なpH値は9.5であった。添加剤に加えて、流体(A)は、臭化物、塩化物、カルシウム、ナトリウム、アルミニウムおよび少量のその他無機成分のような無機成分を含んでいた。
【0149】
実施例1〜7の実験は、1lの容積を有するガラス容器を用いて行った。実験はバッチ式で行った。容器は攪拌器を備えていた。
【0150】
有機相の水含量は、上述したとおりにして求めた。
【0151】
実施例1
流体(A)の試料を攪拌容器に入れ、10分間、58℃で攪拌した。次に、攪拌器を停止し、試料を沈降させた。30分後、有機相を水相から分離し、残留水含量を遠心分離機で測定した。残留水量は35容積%であった。
【0152】
実施例2
160mlの流体(A)を容器に入れ、240mlの水を添加した。混合物を、10分間、58℃で攪拌した。次に、攪拌器を停止し、混合物を沈降させた。30分後、有機相を水相から分離し、残留水含量を遠心分離機で測定した。有機相中の残留水量は10.0容積%であった。
【0153】
実施例3
160mlの流体(A)を容器に入れ、240mlの水を添加した。混合物を、10分間、90℃で攪拌した。次に、攪拌器を停止し、混合物を沈降させた。30分後、有機相を水相から分離し、残留水含量を遠心分離機で測定した。有機相中の残留水量は6.5容積%であった。
【0154】
実施例4
160mlの流体(A)を容器に入れ、240mlの水を添加した。混合物を、10分間、105℃で攪拌した。次に、攪拌器を停止し、混合物を沈降させた。30分後、有機相を水相から分離し、残留水含量を遠心分離機で測定した。有機相中の残留水量は1.5容積%であった。
【0155】
実施例5
流体(A)の試料を採り、沈降させた。水相および有機相を分析した。水相は4940mg/lの無機臭化物を含有していた。有機相は、20重量%のブロモブチルゴム、68重量%のヘキサンおよび12重量%の水を含有していた。有機相中の合計無機臭素濃度は、0.15重量%(1500ppm)であった。
【0156】
実施例6
実施例5で得た100mlの有機相を、上述した攪拌容器に入れた。40mlの水を添加した。得られた混合物を、15分間、周囲温度で攪拌し、30分間沈降させた。得られた水相は、2280mg/lの無機臭化物を含有していた。有機相は、合計で0.04重量%(400ppm)の無機臭化物を含有していた。
【0157】
実施例7
実施例5で得た100mlの有機相を、上述した攪拌容器に入れた。80mlの水を添加した。得られた混合物を、15分間、周囲温度で攪拌し、30分間沈降させた。得られた水相は、1100mg/lの無機臭化物を含有していた。有機相は、合計で0.025重量%(250ppm)の無機臭化物を含有していた。
【0158】
実施例8〜27:濃縮および直接蒸発
実施例7〜28で原料として用いるブチルゴムを含有する流体(F)を2つの異なる源から得た。
【0159】
流体F1の調製
粗ブチルゴム溶液を、商業的な生産プラントから採って、数時間沈降させ、有機相をバルク水性相から分離した。有機相を用いて、流体(F1)として実験を行った。流体(F1)は、20重量%のゴム、70重量%のヘキサンおよび10重量%の水を、これら3つの成分を計算すると100重量%となるように含有していた。ブロモブチルゴム留分に対する添加剤の濃度は、ESBO:1〜1.6phr、ステアリン酸カルシウム:1.3〜1.7phrおよびIrganox:0.03〜0.1phrであった。
【0160】
流体(F1)に溶解したブロモブチルゴムは、仕上がって乾燥させると、以下の特性を有していた。28〜36のムーニー(ML1+8、125℃)、結合臭素含量1.6〜2.0重量%。
【0161】
流体F1の60℃での粘度は、1,760Pasであった。
【0162】
流体F2の調製
28〜36のムーニー(ML1+8、125℃)、1.6〜2.0重量%の臭素含量および<0.7重量%の有機揮発物濃度の市販のブロモブチルゴムを、工業ヘキサンに溶解し、20重量%のゴム、79重量%のヘキサンおよび1重量%の水を、これら3つの成分を計算すると100重量%となるように含有する流体(F2)が得られた。ブロモブチルゴム留分に対する添加剤の濃度は、ESBO:1〜1.6phr、ステアリン酸カルシウム:1.3〜1.7phrおよびIrganox:0.03〜0.1phrであった。
【0163】
実施例8〜12:濃度
濃縮器ユニット
実施例に用いた濃縮器ユニットは、図1に示すものと同様であった。ピストンポンプを用いて、上述したとおりにして調製した流体F1をヒーター(2)へ送り込んだ。ヒーター(2)は、単一チューブ・イン・チューブタイプの熱交換器であった。内側管は、内側管直径15mmのKenicsタイプの静的ミキサーを備えていた。チューブを、チューブ形シェルにより加熱した。加熱媒体は加熱油(Marlotherm)であった。圧力逃がし弁(3)を脱気容器(4)の前に装着し、バルブの上流の圧力を設定点値まで自動的に制御した。この設定点は、加熱流体(G1)の沸騰を防ぐものを選択した。加熱流体(G)を、上から脱気容器(4)に入れた。脱気容器(4)の円錐出口は、押出し機タイプのポンプとギアポンプの組み合わせであったポンプ(4.2)を備えていた。この組み合わせには、高粘度に対処でき、高圧を増大できるという利点があった。試料を濃縮流体(H)から採り、濃縮段後の濃度および粘度を調べた。
【0164】
実施例8
ヒーター2の加熱媒体を125℃に設定し、分離容器4の圧力は大気圧(1013hPa)であった。分離容器4の下部の濃縮流体Hは、のぞき窓から観察すると、自由流動する泡状液体であり、上述したとおり、抽出ポンプ4.2を用いて、分離容器から容易に搬送できた。濃縮流体Hは、71重量%のヘキサン濃度、および60℃で測定したところ、4,840mPasの粘度を有していた。
【0165】
実施例9
原料、流体F1および濃縮ユニットは実施例8と同一であった。ヒーター2の加熱媒体を155℃に設定し、分離容器4の圧力は大気圧(1013hPa)であった。分離容器4の下部の濃縮流体Hは、のぞき窓から観察すると、自由流動する泡状液体であり、上述したとおり、抽出ポンプ4.2を用いて、分離容器から容易に搬送できた。濃縮流体Hは、53重量%のヘキサン濃度、および60℃で測定したところ、65,000mPasの粘度を有していた。
【0166】
実施例10
原料、流体F1および濃縮ユニットは実施例8と同一であった。ヒーター2の加熱媒体を170℃に設定し、分離容器4の圧力は大気圧(1013hPa)であった。分離容器4の下部の濃縮流体Hは、のぞき窓から観察すると、自由流動する泡状液体であり、上述したとおり、抽出ポンプ4.2を用いて、詰ったり、生成物が蓄積することなく、分離容器から搬送できた。濃縮流体Hは、42重量%のヘキサン濃度、および60℃で測定したところ、317,700mPasの粘度を有していた。
【0167】
実施例11
原料、流体F1および濃縮ユニットは実施例8と同一であった。ヒーター2の加熱媒体を170℃に設定し、分離容器4の圧力は500hPaであった。分離容器4の下部の濃縮流体Hは、のぞき窓から観察すると、自由流動する泡状液体であり、上述したとおり、抽出ポンプ4.2を用いて、分離容器から搬送できた。ほんのわずかな生成物蓄積が、分離容器4の円錐出口セクションで観察された。濃縮流体Hは、20重量%のヘキサン濃度、および60℃で測定したところ、7,600,000mPasの粘度を有していた。
【0168】
実施例12
原料、流体F1および濃縮ユニットは実施例8と同一であった。ヒーター2の加熱媒体を170℃に設定し、分離容器4の圧力は230hPaであった。分離容器4の下部の濃縮流体Hは、のぞき窓から観察すると、自由流動する泡状液体であり、上述したとおり、抽出ポンプ4.2を用いて、分離容器から搬送できた。ある程度の生成物蓄積が、分離容器4の円錐出口セクションで観察された。濃縮流体Hは、15重量%のヘキサン濃度、および60℃で測定したところ、15,600,000mPasの粘度を有していた。
【0169】
濃縮段の性能を示す実施例8〜12の結果を、表1にまとめてある。
【0170】
【表1】

【0171】
実施例13〜19:濃縮および押出し
装置
実施例で用いた装置は、図5に示すものと同一であった。ピストンポンプを用いて、流体(F)をヒーター(2)へ送り込んだ。ヒーター(2)は、単一チューブ・イン・チューブタイプの熱交換器であった。内側管は、内側管直径15mmのKenicsタイプの静的ミキサーを備えていた。チューブを、チューブ形シェルにより加熱した。加熱媒体は加熱油(Marlotherm)であった。圧力逃がし弁(3)を脱気容器(4)の前に装着し、バルブの上流の圧力を設定点値まで自動的に制御した。この設定点は、加熱流体(G)の沸騰を防ぐものを選択した。加熱流体(G)を、上から脱気容器(4)に入れた。脱気容器(4)の円錐出口は、押出し機タイプのポンプとギアポンプの組み合わせであったポンプ(4.2)を備えていた。工程b)において、工程a)で得られた濃縮流体Hを、単一チューブ・イン・チューブタイプの熱交換器であった再加熱ユニット(6)に通過させた。内部管直径は20mmであり、内部管は、タイプSMXの静的ミキサーを備えていた。加熱は、加熱油(Marlotherm)を加熱媒体として用いてチューブシェルにより行った。
【0172】
工程c)において、再加熱濃縮流体Lを押出し機ユニットに供給した。押出し機ユニットの押出し機は、スクリュー直径32mm、スクリュー長さ1260mmの共回転二軸押出し機であった。押出しユニットは、押出し機の供給点(12)の上流の圧力制御デバイス(7、図7参照)としてノズル、供給点(12)が第1の押出し機脱気セクションに位置し、第1の押出し機脱気セクションが搬送セクション(16A)を含む3つの押出し機脱気セクション、上流方向に蒸気ライン(13.1)に接続された後方ベントポート(13)をさらに含み、押出し機ユニットは、2つの下流押出し機脱気セクションをさらに含み、それぞれ、搬送セクション(16Bおよび16C)、ベントポート(15Aおよび15B)を含み、ベントポート(15Aおよび15B)はそれぞれ、蒸気ライン(15.1Aおよび15.1B)に接続され、各搬送セクション(16A、16Bおよび16C)は堆積セクション(18A、18Bおよび20)で終わっており、押出し機ユニットは、出口セクション(22)をさらに含んでいた。
【0173】
押出し機のいずれかのゴム温度を制御するために、各セクション、特に、搬送セクションは、押出し機のバレルを通して独立に加熱できた。
【0174】
後方ベントポート(13)は、第1の蒸気ライン(13.1)を介して凝縮器に接続されていた。凝縮器は、プレートタイプの熱交換器であり、液体リング真空ポンプにさらに接続されていた。他の蒸気ライン(15.Aおよび15.1B)は、スクリュータイプ乾式真空ポンプを含む凝縮システムに接続されていた。
【0175】
第1の堆積セクション(18A)は、ニーディングブロックでできており、第2の堆積セクション(18B)は、ニーディングブロックおよび後方搬送エレメントでできていた。堆積セクション(18Aおよび18B)は、ストリッピング剤の注入ができるように設計されていた。
【0176】
のぞき窓をベントポート(15.1B)に設けて、搬送セクション(16C)における搬送挙動および製造特性を観察することができる。
【0177】
ニーディングゾーン(20)および出口セクション(22)は、1つの機能的セクションへと結合されていた。堆積セクションゾーンは、出口セクションでゴムクラムへと形成されるゴムのストランドを形成するダイプレートとノズルから構成されていた。
【0178】
実施例13
上述した流体F2を原料(流体F)として用いた。流体F2の処理量は、20kg/hに設定した。これは、4.4kg/hの最終ブロモブチルゴム生成物に対応している。ヒーター(2)の加熱温度は154℃に分離容器(4)の圧力は626hPaに設定した。再加熱ユニット(6)の加熱媒体の温度は153℃に設定し、後方ベントポート(13)の圧力は626hPaであった。押出し機のバレル温度は81℃であった。第2および第3のベントポート(15Aおよび15B)の圧力を、6hPaまで下げた。窒素を堆積セクション(18B)に、ストリッピング剤として、0.85重量%のレートで、最終ブロモブチルゴム生成物の質量に対して供給した。分離容器(4)ののぞき窓を通して、濃縮流体Hがまだ自由流動流体であったことが観察された。押出し機の最後のベントポート(15B)ののぞき窓を通して、押出し機において、ゴムが既にクラム状態に変化したことが観察できた。クラムは白色の外観で、スクリューシャフトの動作により、永続的に引き抜かれ、混練された。出口セクション(22)で、ゴムのストランドが生成され、ゴムのクラムまたは塊へと切断された。出口セクションで集めた最終ブロモブチルゴム生成物(P)を分析して、ヘキサンおよび合計揮発物質濃度を求めた。
合計揮発物質:0.89重量%
ヘキサン:0.65重量%
水:0.24重量%
【0179】
実施例14
上述した流体F2を原料(流体F)として用いた。流体F2の処理量は、5kg/hに設定した。これは、1.1kg/hの最終ブロモブチルゴム生成物に対応している。ヒーター(2)の加熱温度は157℃に、分離容器(4)の圧力は633hPaに設定した。再加熱ユニット(6)の加熱媒体の温度は156℃に設定し、後方ベントポート(13)の圧力は633hPaであった。押出し機のバレル温度は81℃であった。第2および第3のベントポート(15Aおよび15B)の圧力を、6hPaまで下げた。窒素を堆積セクション(18B)に、ストリッピング剤として、3.41重量%のレートで、最終ブロモブチルゴム生成物の質量に対して供給した。分離容器(4)ののぞき窓を通して、濃縮流体Hがまだ自由流動流体であったことが観察された。押出し機の最後のベントポート(15B)ののぞき窓を通して、押出し機において、ゴムが既にクラム状態に変化したことが観察できた。クラムは白色の外観で、スクリューシャフトの動作により、永続的に引き抜かれ、混練された。出口セクション(22)で、ゴムのストランドが生成され、ゴムのクラムまたは塊へと切断された。出口セクションで集めた最終ブロモブチルゴム生成物(P)を分析して、ヘキサンおよび合計揮発物質濃度を求めた。
合計揮発物質:0.72重量%
ヘキサン:0.56重量%
水:0.16重量%
【0180】
実施例15
上述した流体F2を原料(流体F)として用いた。流体F2の処理量は、10kg/hに設定した。これは、2.2kg/hの最終ブロモブチルゴム生成物に対応している。ヒーター(2)の加熱温度は156℃に、分離容器(4)の圧力は318hPaに設定した。再加熱ユニット(6)の加熱媒体の温度は156℃に設定し、後方ベントポート(13)の圧力は318hPaであった。押出し機のバレル温度は81℃であった。第2および第3のベントポート(15Aおよび15B)の圧力を、12hPaまで下げた。窒素を堆積セクション(18B)に、ストリッピング剤として、1.70重量%のレートで、最終ブロモブチルゴム生成物の質量に対して供給した。分離容器(4)ののぞき窓を通して、濃縮流体Hがまだ自由流動流体であったことが観察された。押出し機の最後のベントポート(15B)ののぞき窓を通して、押出し機において、ゴムが既にクラム状態に変化したことが観察できた。クラムは白色の外観で、スクリューシャフトの動作により、永続的に引き抜かれ、混練された。出口セクション(22)で、ゴムのストランドが生成され、ゴムのクラムまたは塊へと切断された。出口セクションで集めた最終ブロモブチルゴム生成物(P)を分析して、ヘキサンおよび合計揮発物質濃度を求めた。
合計揮発物質:0.80重量%
ヘキサン:0.40重量%
水:0.40重量%
【0181】
実施例16
上述した流体F2を原料(流体F)として用いた。流体F2の処理量は、10kg/hに設定した。これは、2.2kg/hの最終ブロモブチルゴム生成物に対応している。ヒーター(2)の加熱温度は155℃に、分離容器(4)の圧力は475hPaに設定した。再加熱ユニット(6)の加熱媒体の温度は156℃に設定し、後方ベントポート(13)の圧力は475hPaであった。押出し機のバレル温度は100℃であった。第2および第3のベントポート(15Aおよび15B)の圧力を、11hPaまで下げた。堆積セクション(18B)に、ストリッピング剤は供給しなかった。分離容器(4)ののぞき窓を通して、濃縮流体Hがまだ自由流動流体であったことが観察された。押出し機の最後のベントポート(15B)ののぞき窓を通して、押出し機において、ゴムが既にクラム状態に変化したことが観察できた。クラムは白色の外観で、スクリューシャフトの動作により、永続的に引き抜かれ、混練された。出口セクション(22)で、ゴムのストランドが生成され、ゴムのクラムまたは塊へと切断された。出口セクションで集めた最終ブロモブチルゴム生成物(P)を分析して、ヘキサンおよび合計揮発物質濃度を求めた。
合計揮発物質:0.97重量%
ヘキサン:0.58重量%
水:0.39重量%
【0182】
実施例17
上述した流体F2を原料(流体F)として用いた。流体F2の処理量は、10kg/hに設定した。これは、2.2kg/hの最終ブロモブチルゴム生成物に対応している。ヒーター(2)の加熱温度は155℃に、分離容器(4)の圧力は475hPaに設定した。再加熱ユニット(6)の加熱媒体の温度は156℃に設定し、後方ベントポート(13)の圧力は475hPaであった。押出し機のバレル温度は100℃であった。第2および第3のベントポート(15Aおよび15B)の圧力を、11hPaまで下げた。水を堆積セクション(18B)に、ストリッピング剤として、4.09重量%のレートで、最終ブロモブチルゴム生成物の質量に対して供給した。分離容器(4)ののぞき窓を通して、濃縮流体Hがまだ自由流動流体であったことが観察された。押出し機の最後のベントポート(15B)ののぞき窓を通して、押出し機において、ゴムが既にクラム状態に変化したことが観察できた。クラムは白色の外観で、スクリューシャフトの動作により、永続的に引き抜かれ、混練された。出口セクション(22)で、ゴムのストランドが生成され、ゴムのクラムまたは塊へと切断された。出口セクションで集めた最終ブロモブチルゴム生成物(P)を分析して、ヘキサンおよび合計揮発物質濃度を求めた。
合計揮発物質:0.45重量%
ヘキサン:0.31重量%
水:0.14重量%
【0183】
実施例18
上述した流体F2を原料(流体F)として用いた。流体F2の処理量は、10kg/hに設定した。これは、2.2kg/hの最終ブロモブチルゴム生成物に対応している。ヒーター(2)の加熱温度は155℃に、分離容器(4)の圧力は475hPaに設定した。再加熱ユニット(6)の加熱媒体の温度は156℃に設定し、後方ベントポート(13)の圧力は475hPaであった。押出し機のバレル温度は130℃であった。第2および第3のベントポート(15Aおよび15B)の圧力を、11hPaまで下げた。水を堆積セクション(18B)に、ストリッピング剤として、4.09重量%のレートで、最終ブロモブチルゴム生成物の質量に対して供給した。分離容器(4)ののぞき窓を通して、濃縮流体Hがまだ自由流動流体であったことが観察された。押出し機の最後のベントポート(15B)ののぞき窓を通して、押出し機において、ゴムが既にクラム状態に変化したことが観察できた。クラムは白色の外観で、スクリューシャフトの動作により、永続的に引き抜かれ、混練された。出口セクション(22)で、ゴムのストランドが生成され、ゴムのクラムまたは塊へと切断された。出口セクションで集めた最終ブロモブチルゴム生成物(P)を分析して、ヘキサンおよび合計揮発物質濃度を求めた。
合計揮発物質:0.22重量%
ヘキサン:0.13重量%
水:0.09重量%
【0184】
実施例19
上述した流体F2を原料(流体F)として用いた。流体F2の処理量は、10kg/hに設定した。これは、2.2kg/hの最終ブロモブチルゴム生成物に対応している。ヒーター(2)の加熱温度は155℃に、分離容器(4)の圧力は475hPaに設定した。再加熱ユニット(6)の加熱媒体の温度は156℃に設定し、後方ベントポート(13)の圧力は475hPaであった。押出し機のバレル温度は160℃であった。第2および第3のベントポート(15Aおよび15B)の圧力を、11hPaまで下げた。水を堆積セクション(18B)に、ストリッピング剤として、4.09重量%のレートで、最終ブロモブチルゴム生成物の質量に対して供給した。分離容器(4)ののぞき窓を通して、濃縮流体Hがまだ自由流動流体であったことが観察された。押出し機の最後のベントポート(15B)ののぞき窓を通して、押出し機において、ゴムが既にクラム状態に変化したことが観察できた。クラムは白色の外観で、スクリューシャフトの動作により、永続的に引き抜かれ、混練された。出口セクション(22)で、ゴムのストランドが生成され、ゴムのクラムまたは塊へと切断された。出口セクションで集めた最終ブロモブチルゴム生成物(P)を分析して、ヘキサンおよび合計揮発物質濃度を求めた。
合計揮発物質:0.09重量%
ヘキサン:0.04重量%
水:0.05重量%
【0185】
実施例13〜19の結果を、表2a)、b)およびc)にまとめてある。
【0186】
【表2】

【0187】
【表3】

【0188】
【表4】

【0189】
実施例20〜23:濃縮および抽出
装置
実施例で用いた装置は、図6に示したものと同様であり、以下のこと以外は、実施例13〜19で記載したものと同一であった。
− 押出し機ユニットは、4つの搬送セクション(16D)と、前の蒸気ライン(15.1B)に接続された蒸気ライン(15.1C)を備えた第4のベントポート(15C)とを含む4つの脱気ゾーンを含んでいた。
− 生産の挙動を観察するのぞき窓は、ベントポート(15B)の代わりのベントポート(15C)の一部であった。
− 第3の堆積セクション(18C)は、第2の堆積セクション(18B)と同様のニーディングエレメントおよび後方搬送エレメントでできており、また、ストリッピング剤を注入できるように設計されていた。
− 最終ニーディングゾーン(20)は、ニーディングおよび後方搬送エレメントを含んでいた。
− 出口セクション(22)は、スクリュー搬送エレメントと開放出口だけを含んでいた。
【0190】
基本手順
上述した流体F2を原料(流体F)として用いた。流体F2の処理量は、10kg/hに設定した。これは、2.2kg/hの最終ブロモブチルゴム生成物に対応している。ヒーター(2)の加熱温度は160℃に、分離容器(4)の圧力は450hPaに設定した。再加熱ユニット(6)の加熱媒体の温度は160℃に設定し、後方ベントポート(13)の圧力は450hPaであった。押出し機のバレル温度は130℃であった。第2、第3および第4のベントポート(15A、15Bおよび15C)の圧力を、6hPaまで下げた。
【0191】
堆積セクション(18Bおよび18C)に注入したストリッピング剤のタイプおよび量は、表3b)にあるとおり変えた。分離容器(4)ののぞき窓を通して、濃縮流体Hがまだ自由流動流体であったことを、各実験について観察した。押出し機の最後のベントポート(15C)ののぞき窓を通して、押出し機において、ゴムが既にクラム状態に変化したことが観察できた。クラムは白色の外観で、スクリューシャフトの動作により、永続的に引き抜かれ、混練された。出口セクション(22)で、約2〜6mmのサイズのゴムクラムが形成された。出口セクションで集めた最終ブロモブチルゴム生成物(P)を分析して、ヘキサンおよび合計揮発物質濃度を求めた。
【0192】
プロセス条件および結果を、表3a)、b)およびc)に示す。
【0193】
【表5】

【0194】
【表6】

【0195】
【表7】

【0196】
実施例24〜27:濃縮および抽出
装置
実施例で用いた装置は、実施例20〜23に記載したものと同一であった。
【0197】
実施例24
上述した流体F1を原料(流体F)として用いた。流体F1の処理量は、20kg/hに設定した。これは、4.4kg/hの最終ブロモブチルゴム生成物に対応している。ヒーター(2)の加熱温度は139℃に、分離容器(4)の圧力は756hPaに設定した。再加熱ユニット(6)の加熱媒体の温度は153℃に設定し、後方ベントポート(13)の圧力は147hPaであった。押出し機のバレル温度は130℃であった。第2のベントポート(15A)の圧力は、270hPaまで下げ、第3および第4のベントポート(15Bおよび15C)の圧力は、40hPaまで下げた。水をそれぞれの堆積セクション(18Bおよび18C)に、ストリッピング剤として、1.36重量%のレートで、最終ブロモブチルゴム生成物の質量に対して供給した。分離容器(4)ののぞき窓を通して、濃縮流体Hがまだ自由流動流体であったことが観察された。押出し機の最後のベントポート(15B)ののぞき窓を通して、押出し機において、ゴムが既にクラム状態に変化したことが観察できた。クラムは白色の外観で、スクリューシャフトの動作により、永続的に引き抜かれ、混練された。出口セクション(22)で、約2〜6mmのサイズのゴムクラムが形成された。出口セクションで集めた最終ブロモブチルゴム生成物(P)を分析して、ヘキサンおよび合計揮発物質濃度を求めた。
合計揮発物質:0.200重量%
ヘキサン:0.080重量%
水:0.120重量%
【0198】
実施例25
上述した流体F1を原料(流体F)として用いた。流体F1の処理量は、20kg/hに設定した。これは、4.4kg/hの最終ブロモブチルゴム生成物に対応している。ヒーター(2)の加熱温度は157℃に、分離容器(4)の圧力は869hPaに設定した。再加熱ユニット(6)の加熱媒体の温度は147℃に設定し、後方ベントポート(13)の圧力は869hPaであった。押出し機のバレル温度は130℃であった。第2のベントポート(15A)の圧力は、270hPaまで下げ、第3および第4のベントポート(15Bおよび15C)の圧力は、40hPaまで下げた。水をそれぞれの堆積セクション(18Bおよび18C)に、ストリッピング剤として、2.73重量%のレートで、最終ブロモブチルゴム生成物の質量に対して供給した。分離容器(4)ののぞき窓を通して、濃縮流体Hがまだ自由流動流体であったことが観察された。押出し機の最後のベントポート(15C)ののぞき窓を通して、押出し機において、ゴムが既にクラム状態に変化したことが観察できた。クラムは白色の外観で、スクリューシャフトの動作により、永続的に引き抜かれ、混練された。出口セクション(22)で、約2〜6mmのサイズのゴムクラムが形成された。出口セクションで集めた最終ブロモブチルゴム生成物(P)を分析して、ヘキサンおよび合計揮発物質濃度を求めた。
合計揮発物質:0.260重量%
ヘキサン:0.092重量%
水:0.168重量%
【0199】
実施例26
上述した流体F1を原料(流体F)として用いた。流体F1の処理量は、20kg/hに設定した。これは、4.4kg/hの最終ブロモブチルゴム生成物に対応している。ヒーター(2)の加熱温度は157℃に、分離容器(4)の圧力は796hPaに設定した。再加熱ユニット(6)の加熱媒体の温度は147℃に設定し、後方ベントポート(13)の圧力は796hPaであった。押出し機のバレル温度は130℃であった。第2のベントポート(15A)の圧力は、140hPaまで下げ、第3および第4のベントポート(15Bおよび15C)の圧力は、40hPaまで下げた。水をそれぞれの堆積セクション(18Bおよび18C)に、ストリッピング剤として、1.29重量%のレートで、最終ブロモブチルゴム生成物の質量に対して供給した。分離容器(4)ののぞき窓を通して、濃縮流体Hがまだ自由流動流体であったことが観察された。押出し機の最後のベントポート(15C)ののぞき窓を通して、押出し機において、ゴムが既にクラム状態に変化したことが観察できた。クラムは白色の外観で、スクリューシャフトの動作により、永続的に引き抜かれ、混練された。出口セクション(22)で、約2〜6mmのサイズのゴムクラムが形成された。出口セクションで集めた最終ブロモブチルゴム生成物(P)を分析して、ヘキサンおよび合計揮発物質濃度を求めた。
合計揮発物質:0.180重量%
ヘキサン:0.099重量%
水:0.081重量%
【0200】
実施例27
上述した流体F1を原料(流体F)として用いた。流体F1の処理量は、20kg/hに設定した。これは、4.4kg/hの最終ブロモブチルゴム生成物に対応している。ヒーター(2)の加熱温度は157℃に、分離容器(4)の圧力は791hPaに設定した。再加熱ユニット(6)の加熱媒体の温度は147℃に設定し、後方ベントポート(13)の圧力は791hPaであった。押出し機のバレル温度は130℃であった。第2のベントポート(15A)の圧力は、140hPaまで下げ、第3および第4のベントポート(15Bおよび15C)の圧力は、40hPaまで下げた。窒素を第1の堆積セクション(18B)に、最終ブロモブチルゴム生成物の質量に対して、0.89重量%のレートで、水を第2の堆積セクション(18C)に、1.29重量%のレートで供給した。分離容器(4)ののぞき窓を通して、濃縮流体Hがまだ自由流動流体であったことが観察された。押出し機の最後のベントポート(15C)ののぞき窓を通して、押出し機において、ゴムが既にクラム状態に変化したことが観察できた。クラムは白色の外観で、スクリューシャフトの動作により、永続的に引き抜かれ、混練された。出口セクション(22)で、約2〜6mmのサイズのゴムクラムが形成された。出口セクションで集めた最終ブロモブチルゴム生成物(P)を分析して、ヘキサンおよび合計揮発物質濃度を求めた。
合計揮発物質:0.140重量%
ヘキサン:0.055重量%
水:0.085重量%
【0201】
プロセス条件および結果を、表4a)、b)およびc)にまとめてある。
【0202】
【表8】

【0203】
【表9】

【0204】
【表10】

【符号の説明】
【0205】
1 ポンプ
2、2A、2B ヒーター
3 圧力制御デバイス
4、4A、4B 脱気容器
4.1、4.1A、4.1B 蒸気ライン
4.2、4.2A、4.2B ポンプ
6 再加熱ユニット
7 圧力制御デバイス
12 供給点
13 後方ベントポート(上流)
13.1 蒸気ライン
15、15A、15B、15C ベントポート(下流)
15.1、15.1A、15.1B、15.1C 蒸気ライン
16、16A、16B、16B、16C 搬送セクション(下流)
18、18A、18B、18B、18C 堆積セクション
20 最後の堆積セクション
22 出口セクション
25 ヒーター
26、26A、26B 分離容器
27、27A、27B 水相
28、28A、28B 有機相
30、30A、30B 混合セクション
32、32A、32B ミキサー
34、34A、34B 分離壁
36、36A、36B 再循環ポンプ
38、38A、38B 再循環ライン
39、39A、39B コアレッサー
40 再循環ポンプ
42 再循環ライン
44 ヒーター
A 粗流体A
C 廃水
D 再利用のための水相
E 真水
F 流体F
G 加熱流体H
H 濃縮流体H
J 予備濃縮流体J
K 再加熱予備濃縮流体K
L 再加熱濃縮流体L
P 生成物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの不揮発性ポリマーと少なくとも1つの揮発性化合物とを含有する流体(F)から揮発性化合物を除去する方法であって、
a)前記流体(F)を、少なくとも1つのヒーター(2)、脱気容器(4)および蒸気ライン(4.1)を含む少なくとも1つの濃縮器ユニットにおいて処理することにより、前記流体(F)を加熱し、加熱流体(G)を脱気容器(4)に供給し、前記揮発性化合物の一部を、前記蒸気ライン(4.1)を介して除去して、濃縮流体(H)を得る工程と、
b)工程a)からの前記濃縮流体(H)を、少なくとも1つの再加熱ユニット(6)において再加熱して、再加熱濃縮流体(L)を得る工程と、
c)工程b)からの前記再加熱濃縮流体(L)を、、少なくとも搬送セクション(16)、1つ以上の蒸気ライン(15.1)を有するベントポート(15)、堆積セクション(20)および出口セクション(22)を含む少なくとも押出し機脱気セクションを含む少なくとも1つの押出し機ユニットへ供給することによって、揮発性化合物を、前記ベントポート(15)および蒸気ライン(15.1)を通して除去する工程と
を少なくとも含み、それによって、前記再加熱濃縮流体(L)が、前記押出し機脱気セクションに入る際、自由流動し、前記出口セクション(22)で得られた生成物(P)が、揮発性化合物を実質的に含まない、方法。
【請求項2】
前記再加熱濃縮流体(L)の粘度が、500〜50.000.000mPasの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
生成物(P)中の揮発性化合物の含量が、前記ポリマーの質量を基準として、1重量%未満であることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記不揮発性ポリマーが、合成ゴム生成物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記合成ゴム生成物が、ハロゲン化ブチルゴムであることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記流体(F)が、3〜50重量%の不揮発性ポリマーおよび60〜97重量%の揮発性化合物を含有していて、上述した成分を、流体(F)の合計質量の90〜100まで加えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記ヒーター(2)に入る前記流体(F)の温度が10℃〜100℃であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記ヒーター(2)に入る前記流体(F)の粘度が、100mPas〜25,000mPasであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記加熱流体Gの温度が100〜200℃であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記脱気容器(4)の圧力が、100hPa〜4,000hPaの範囲であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記脱気容器(4)が、サイクロンの形状に設計されており、濃縮流体(H)の除去を促すために、少なくとも皿形下部を有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記ポンプ4.2が、容積式ポンプ、ギアポンプ、ピストンポンプ、膜ポンプ、ネジ型ポンプ、逆回転または共回転単軸または二軸押出し機のような押出し機型ポンプ、ニーダー型ポンプまたはこれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記濃縮流体(H)の温度が、加熱流体(G)より低く、15〜100℃の範囲であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記再加熱濃縮流体(L)の温度が、前記濃縮流体(H)より高く、50℃〜200℃の範囲であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記押出し機ユニットが、単軸および多軸押出し機からなる群から選択される押出し機を含むことを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記押出し機ユニットが、互いに独立した前記押出し機の個別のゾーンを異なる温度で操作する手段を含み、前記ゾーンに、加熱、非加熱または冷却のいずれかを行うことができることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記押出し機が、窒化鋼、二相鋼、ステンレス鋼、ニッケル基合金、焼結金属のような複合体材料、熱間静水圧材料、ステライトのような硬質耐摩耗性材料、セラミックス、窒化チタン、窒化クロムおよびダイヤモンドライクカーボンでできた被膜のある被覆金属から選択される材料でできていることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記ベントポート(15)が、前記再加熱濃縮流体(L)または生成物(P)が、前記ベントポートから流出するのを防ぐ手段を含むことを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記堆積セクション(18、20)の堆積が、ニーディングまたは絞りエレメント、ブリスターディスクまたはダイプレートにより行われることを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記押出し機ユニットが、1〜30の搬送および堆積セクションを含むことを特徴とする請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記出口セクション(22)が、前記生成物を前記押出し機および生成物処理機器から出す手段を含み、前記処理機器が、ダイプレートとカッターの組み合わせ、ダイプレートと水中ペレット化手段、クラム形成手段、攪拌器、および前記押出し機のエンドプレートに配置された固定ナイフからなる群から選択されることを特徴とする請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記出口セクション(22)が、冷却手段をさらに含み、前記冷却手段が、対流空気冷却による空気圧クラムコンベヤー、対流空気冷却による振動クラムコンベヤー、冷却接触表面を備えた振動クラムコンベヤー、対流空気冷却によるベルトコンベヤー、冷却ベルトを備えたベルトコンベヤー、押出し機の出口での熱クラムへの水スプレーおよび水中ペレット化手段からなる群から選択されることを特徴とする請求項1〜21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記押出し機ユニットが、1時間当たり5〜25,000キログラムの供給量で操作されることを特徴とする請求項1〜22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
ストリッピング剤が、前記押出し機ユニットに添加されることを特徴とする請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
流体(F)または押出し機ユニットに、サイドフィーダーにより、添加剤を、それらが液体である限りは、ストリッピング剤と共に添加することを特徴とする請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
工程a)を少なくとも1回繰り返すことを特徴とする請求項1〜25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記繰り返しを、各数の濃縮器ユニットを連続接続することにより行うことを特徴とする請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記濃縮器ユニット、前記再加熱ユニットまたは前記押出し機ユニットの圧力が、1つ以上の圧力調整デバイスを備えていることを特徴とする請求項1〜27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記押出し機ユニットが、上流方向に、少なくとも1つの押出し機脱気セクションを含むことを特徴とする請求項1〜28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
流体(F)が、少なくとも1つの不揮発性ポリマー、少なくとも1つの揮発性有機化合物、1つ以上の親水性化合物および任意選択で水を含有する粗流体(A)から親水性化合物および任意選択で水を除去する方法であって、
予備a)前記粗流体(A)を、少なくとも分離装置(26)を含む少なくとも1つの予備洗浄ユニットで処理して、前記流体(A)を水と混合して、主に不揮発性ポリマーおよび揮発性有機化合物を含む有機相(28)と、主に水および親水性化合物を含む水相(27)とを得て、前記有機相(28)を、分離装置(26)において前記水相(27)から分離して、流体Fとしてさらに用い、前記水相(27)の少なくとも一部を、前記分離装置から除去する(流体C)工程を少なくとも含む方法により得られることを特徴とする請求項1〜29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記分離が、コアレッサー(39)によりサポートされることを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項32】
予備a)工程を少なくとも1回繰り返すことを特徴とする請求項30または31に記載の方法。
【請求項33】
前記繰り返しを、各数の分離装置(26)を連続接続することにより行うことを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記分離を、40℃を超える温度で実施することを特徴とする請求項30〜33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
請求項1〜34のいずれか1項に記載の方法により得られるポリマー。
【請求項36】
合成ゴム生成物であることを特徴とする請求項35に記載のポリマー。
【請求項37】
ブチルゴム、ブロモブチルゴムまたはクロロブチルゴムであることを特徴とする請求項36に記載のポリマー。
【請求項38】
・脱気容器(4)と連通したヒーター(2)を含む1つの濃縮器ユニットであって、前記脱気容器(4)の下部が、ポンプ(4.2)と連通していて、前記脱気容器(4)の上部が、少なくとも1つの蒸気ライン(4.1)と連通している、濃縮器ユニットと、
・前記濃縮器ユニットの前記ポンプ(4.2)および押出し機ユニットの供給点(12)と連通している1つの加熱ユニット(6)と、
・少なくとも1つの供給点(12)、1つの押出し機脱気セクション(16)、1つの堆積セクション(20)および1つの出口セクション(22)を含む1つの押出し機ユニットであって、前記押出し機脱気セクション(16)が、蒸気ライン(15.1)に接続された少なくとも1つのベントポート(15)をさらに含む、押出し機ユニットと
を少なくとも含む装置。
【請求項39】
前記ポンプ(4.2)が、容積式ポンプ、ギアポンプ、ピストンポンプ、膜ポンプ、ネジ型ポンプ、逆回転または共回転単軸または二軸押出し機のような押出し機型ポンプ、ニーダー型ポンプまたはこれらの組み合わせからなる群から選択される請求項38に記載の装置。
【請求項40】
前記押出し機ユニットが、単軸および多軸押出し機からなる群から選択される押出し機を含むことを特徴とする請求項38または39に記載の装置。
【請求項41】
前記押出し機ユニットが、二軸押出し機、リング押出し機または遊星ローラー押出し機を含むことを特徴とする請求項38〜40のいずれか1項に記載の装置。
【請求項42】
前記堆積セクション(20)が、ニーディングまたは絞りエレメント、ブリスターディスクまたはダイプレートを含むことを特徴とする請求項38〜41のいずれか1項に記載の装置。
【請求項43】
前記出口セクション(22)が、ダイプレートとカッターの組み合わせ、ダイプレートと水中ペレット化手段、クラム形成手段、攪拌器、および前記押出し機のエンドプレートに配置された固定ナイフからなる群から選択される生成物処理機器を含むことを特徴とする請求項38〜42のいずれか1項に記載の装置。
【請求項44】
前記出口セクション(22)が、冷却手段を含むことを特徴とする請求項38〜43のいずれか1項に記載の装置。
【請求項45】
1時間当たり5〜25,000キログラムの供給量で操作されるよう設計されていることを特徴とする請求項38〜44のいずれか1項に記載の装置。
【請求項46】
押出し機ユニットが、ストリッピング剤を添加するよう設計されていることを特徴とする請求項38〜45のいずれか1項に記載の装置。
【請求項47】
前記押出し機ユニットが、1つ以上のサイドフィーダーを含むことを特徴とする請求項38〜46のいずれか1項に記載の装置。
【請求項48】
2つ以上の濃縮器ユニットを含んでいて、前記濃縮器ユニットが連続接続されていることを特徴とする請求項38〜47のいずれか1項に記載の装置。
【請求項49】
前記濃縮器ユニット、再加熱ユニットまたは押出し機ユニットが、1つ以上の圧力調整デバイスを備えていることを特徴とする請求項38〜48のいずれか1項に記載の装置。
【請求項50】
前記押出し機ユニットが、2つ以上の押出し機脱気セクションを含み、前記供給点(12)が、第1の押出し機脱気セクションに配置されており、前記第1の押出し機脱気セクションが、少なくとも1つの搬送セクション(16A)、上流方向において蒸気ライン(13.1)に接続された後方ベントポート(13)を含むことを特徴とする請求項38〜49のいずれか1項に記載の装置。
【請求項51】
1つ以上の予備洗浄ユニットをさらに含み、それぞれが、1つ以上の前記濃縮器ユニットと連通している少なくとも分離装置(26)を含むことを特徴とする請求項38〜50のいずれか1項に記載の装置。
【請求項52】
前記分離装置(26)が、少なくとも1つのミキサー(30)を含むことを特徴とする請求項51に記載の装置。
【請求項53】
前記分離装置(26)が、少なくとも1つのコアレッサー(39)を含むことを特徴とする請求項51または52に記載の装置。
【請求項54】
前記分離装置(26)が、少なくとも1つの分離壁(34)を含むことを特徴とする請求項51〜53のいずれか1項に記載の装置。
【請求項55】
前記分離装置(26)が、加圧下で操作されるように設計されている請求項51〜54のいずれか1項に記載の装置。
【請求項56】
前記脱気容器(4)が、少なくとも皿形下部を有することを特徴とする請求項51〜55のいずれか1項に記載の装置。
【請求項57】
請求項38〜56のいずれか1項に記載の装置または請求項1〜38のいずれか1項に記載の方法における要素のいずれかの使用。
【請求項58】
請求項38〜56のいずれか1項に記載の少なくとも1つの装置を含むプラント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2012−503053(P2012−503053A)
【公表日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−527325(P2011−527325)
【出願日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際出願番号】PCT/EP2009/062073
【国際公開番号】WO2010/031823
【国際公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(511013418)ランクセス・インターナショナル・ソシエテ・アノニム (12)
【Fターム(参考)】